P「ゲームの世界に飛ばされた」FINAL2

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1 :代理 [saga]:2015/12/24(木) 22:18:00.12 ID:OsXXgwGDO
アイマス×FF4のssです

前回のスレに収まり切らない気がしたので仕切り直しました

1スレ目

P「ゲームの世界に飛ばされた」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1405694138/

2スレ目

P「ゲームの世界に飛ばされた」2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1410099092/

3スレ目

P「ゲームの世界に飛ばされた」FINAL
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422798096/


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1450963080
2 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/12/24(木) 22:43:20.07 ID:zc0TnS50O
代理ありがとうございました。
>>1のリンクからは1スレ目と2スレ目に飛べないようなのでもう一度。

1スレ目
P「ゲームの世界に飛ばされた」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405694138/

2スレ目
P「ゲームの世界に飛ばされた」2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410099092/

3スレ目
P「ゲームの世界に飛ばされた」FINAL
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422798096/

3 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/12/24(木) 22:49:29.09 ID:zc0TnS50O
〜これまでのあらすじ〜

魔物たちに滅ぼされつつあるFF4の世界。

月から地球へ降り立った4体の巨人。

春香たちは、運命に翻弄されながらも懸命に前へと進む。

やがて、バラバラだった仲間たちが集まり、各国の要人たち、果ては四天王の協力をも得て、一行は巨人の破壊を阻止する事に成功する。


地球に平和が訪れ、みんなで過ごす束の間の休息の時。

優しく、ゆっくりと過ぎる時間。

仲間たちや出会った人々への、感謝と親愛の気持ち。

そして、別れ。


いろいろなものを飲み込んで、アイドルたちは、最後のステージとなる月へと旅立ったのだった。


一方、月では、小鳥プロデューサーにより着々とアイドル(魔物)たちの育成が進んでいた。


……遂に、最終決戦の刻が迫る。

4 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/12/24(木) 22:53:27.48 ID:zc0TnS50O
〜 登場人物 〜

・味方キャラ

【春香】

聖騎士。
専用装備『リボン』を装備する事によって、自身の奥底に眠る『闇春香』と融合して『春閣下』になる。融合した時の力は強大。
地球の人々にお礼をしたいと考え、お別れライブを提案した。


【千早】

竜騎士。
専用装備『ホーリーランス』を手に入れ、パワーアップ。物語中何度も小鳥さんに振り回されたが、無事春香たちの元へ戻った。
久々にライブで歌う事ができてご機嫌らしい。


【美希】

白魔道士。
バルバリシア、ものまね士と、この世界でできた2人の姉との別れを経験し、精神的にも成長した。
トロイアでの結婚式では新婦の付き添い役を務めた。


【やよい】

召喚士。
召喚獣シルフの力を得て、これで全ての召喚獣を召喚できるようになった。(※タイタンはこのssには登場しません)
小鳥さんと戦う事については、よく理解していない。
魔翌力と元気が有り余っている様子。


【伊織】

スーパー忍者アイドル。
専用装備『マサムネ』、『ムラサメ』の二刀を携える。宿敵ルビカンテとの戦い、エブラーナ家老やエブラーナの民たちとの別れを経て、ひとまわり成長する。
変態に好かれる体質。


【真】

モンク僧。
強さと可愛さを求めて日々修行中だが、妻ユキコ、シルフなど、真の女性ファンは多い。強者との戦いを求め、純粋に戦いを楽しんでいる。


【雪歩】

吟遊詩人。
最強の鎧『アダマンアーマー』を装備してるせいでみんなの壁役になりがち。トロイアの元祖救世主。
みんなの役に立つために強くなろうと、地道に修行している真面目な子。
5 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/12/24(木) 22:56:09.13 ID:zc0TnS50O

【響】

飛空艇技師。
巨人との戦いで戦友を失い、トロイアで娘と別れ、一番涙を流した。
地球ではかなりのアッシーだった事に本人は気がついていない。


【貴音】

月の民。
地球はアウェーだったので控え目だった。バハムートの言葉通り、地球で仲間を集め、ようやく月に望む。小鳥さんに対しては複雑な想いを抱いている。


【亜美】

黒魔道士。
プチメテオくらいならひとりで使えるまで成長した。あと、同時に複数の魔法を出す事ができる。
最近はPを巡って真美に対抗心を燃やしている。


【真美】

白魔道士。
パーティの補助役だが、ホーリーを使えるようになり、ようやく攻撃手段を得た。美希に膝枕をして、姉らしさに目覚めた?
何かと不遇な子。


【あずさ】

ゾンビな賢者。
テレポの魔法が得意?
腕とか再生したりするけど、マイペース。小鳥さんがラスボスだけど、のほほんとしている。
でも、本当は……。


【律子】

暗黒騎士。
なるべく表立った行動はしないように、Pと共に裏方に徹しようと心がけている。実力的にはパーティの1、2を争う強者。


【プロデューサー】

真の意味でただの人。
ゲームの世界では特殊な存在なので活躍の機会はとても少ない(ほとんど無い?)が、アイドルたちの心の支えである。
いろいろあったけど、この世界へ来て良かったのかもしれないと思いはじめている。
6 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/12/24(木) 23:01:59.78 ID:zc0TnS50O
・敵キャラ

【小鳥】

言わずと知れた本作のラスボス。春香たちが月に来るのをずーっとずーっと楽しみに待っている。強さは未知数。月の地下でひとり、さみしい思いをしているかと思いきや、普段の明るい性格も手伝ってなんだかんだ魔物たちと仲良くやっている。


【ダークバハムート】

小鳥さんの手により悪に堕ちた元・幻獣神バハムート。その実力は小鳥さんも一目置いている。特技はメガフレア。相手の心を読む事ができる。アイドルに興味深々。好物はプリンプリンセスの踊り食い。


【クルーヤ】

春香、律子の父に当たる聖騎士。すでに亡くなっていて、この世の存在ではない。何やら思うところがあって小鳥軍に参戦。春香と同じく聖剣技を使う事ができる。基本的に明るい性格で、酒と巨乳が好き。


【月の女神】

片手剣と盾を持って戦う、肉体派の女の子。運動神経抜群。明るく能天気で楽しい事が大好き。いつか自分もアイドルになる事を夢見ている。


【魔人兵】

古の戦に使われた兵器。ビーム砲やレーザー砲など、体にいくつもの武器を備えている。巨体なので動きは鈍い。アラサーで妻子持ち、やっと見つけた仕事に命をかけている。真面目な性格。


【ベヒーモス】

鋭い角と牙、爪を持つ魔獣。レディース上がりで、少々血の気が多いが面倒見はいい。最近はもっと落ち着いた方がいいかなと思いはじめている。あと、体重計に乗るのが怖い。
7 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/12/24(木) 23:07:11.85 ID:zc0TnS50O

【レッドドラゴン】

巨大な赤いドラゴン。爪や尻尾の一撃も強力だが、『熱線』というなんでも溶かしてしまう厄介な技を持っている。単純で短気。熱しやすく冷めやすい性格。


【ブルードラゴン】

巨大な青いドラゴン。全属性攻撃を吸収してしまう魔物。非常に冷めた性格で、まるで世捨て人のように悟っている。死に場所を求めて小鳥さんの傘下へ。


【暗黒魔道士】

様々な魔法を使う、魔法のエキスパート。臆病で引っ込み思案、無口。それでも、他の魔物たちとは意思の疎通はできるらしい。


【リルマーダー】

ゴブリン族の王。しかし、見た目が見た目だけにいつも舐められがちで、本人もそれを気にしている。精神的に若輩者だが、魔翌力は全魔物中トップクラス。


【プリンプリンセス】

プリン族の王女。物理的な攻撃はほとんど通らない。『王女の歌』で全員バーサク化。Vo.とDa.はMAX振り切ってるが、Vi.が……。エレガントで礼儀正しいが、ダークバハムートに食われないか内心冷や冷やしている。


【金竜】

金色の竜。銀竜の兄。しなるような身体と火属性攻撃『ブレイズ』が武器。誇り高き天然ボケ。何か発言すると大概弟のツッコミが入る。


【銀竜】

銀色の竜。金竜の弟。しなるような身体と雷属性攻撃『稲妻』が武器。ツッコミ担当。おバカな兄をたしなめる苦労人と思いきや、誰よりも兄を盲信しているおバカ。
8 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/12/24(木) 23:13:31.43 ID:zc0TnS50O
ゆっくり更新
気長にいきます
ホントにこれでいいのかと
おもう部分もあるけれど
目指すは完結
できれば簡潔
とりあえず少しずつ頑張ろ


今回はここまでです。
近いうちに投下します。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/24(木) 23:34:06.29 ID:OsXXgwGDO
おつ
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/25(金) 06:31:47.43 ID:gGZcrOZo0
雪歩おめでとう!!
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/26(土) 23:00:42.93 ID:D7OA6XJDO
>>10
誕生日なら1日前だぞ?
12 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 21:26:29.90 ID:i5cmhxw/O
ー 魔導船 コクピット ー



キラキラキラ…



美希「すごーい! 星が、キラキラなのー……!」

響「ホントだ。きれいだなー……」

真美「真美たち、ホントのホントにうちゅーにいるんだねー……」

真「なんか、感動だなぁ!」

春香「これが、宇宙かぁ……」



やよい「うちゅーって、とってもしずかなところなんですね」

やよい「さっきから、わたしたちの声しか聞こえないですー」

伊織「当たり前じゃない。宇宙空間には音を伝える空気がないんだから」


やよい「えええっ!? 空気がないの!?」ガタッ


やよい「た、たいへんです! 空気がないとわたしたち、生きていられないですー!」アタフタ

雪歩「だ、大丈夫だよ、やよいちゃん。この船には空気があるみたいだから」

やよい「そ……そうなんですか? うー、よかったですー」ホッ

13 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 21:30:35.12 ID:i5cmhxw/O

やよい「でも、やっぱり音がないと、なんだかさみしいですよねー」

千早「そうね。ここまで無音だと、私でも落ち着かないわ」

貴音「……いえ、宇宙に全く音が無いわけではありません」

やよい「えっ? そーなんですか?」

貴音「宇宙に散りばめられた星々の中には、地球のように大気を持つものもあります」

貴音「ただわたくしたちに聞き取れないだけで、その星には確かに音が存在するのでしょう」

やよい「えっと??」

伊織「つまり、この広い宇宙を探せば、地球みたいな星があるかもしれないって事よ」

やよい「じゃあ、その星にもわたしたちみたいな人間がいるんですねっ!!」

貴音「わたくしたちとまったく同じとは限りませんが、何らかの生物が繁栄している星はあるでしょう」

貴音「そして、音が存在する星ならば、音楽があってもおかしくはありません」

貴音「その星ならではの、音楽が」

やよい「うっうー! ほかの星の歌とかもきいてみたいですー!」

伊織「そうね。もし歌を歌う宇宙人がいるなら、会ってみたい気もするわね」

貴音「見知らぬ星の、言葉の通じない方々とも、音楽という共通言語でわたくしたちは会話をする事ができるでしょう」

貴音「そう考えると、やはり音楽というものの偉大さを改めて感じられますね」

千早「………」フム





やよい「……ちい〜さな〜〜♪ ての〜ひらにこぼ〜れた〜♪ 」

やよい「ま〜んげつのっ♪ かけらに〜もすこしにた〜♪ 」

やよい「みじかいいのちぼくだけの〜たからもの〜っ♪ 」



春香「やよい、なんだかご機嫌だね?」

伊織「さっきの貴音の話を聞いて、遠くの星の人たちに歌を聴いてもらうんですって」

春香「……ふふっ♪ そっかぁ。やよいらしいなぁ」

千早「高槻さんの歌なら、きっと届くと思うわ」ニコニコ

14 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 21:34:51.62 ID:i5cmhxw/O

貴音「………」

貴音(わたくしたちは、少しずつ確実に、月へと近づいています)

貴音(もうすぐあの方との約束を果たせるというのに、何故こうも胸がざわつくのでしょうか)

貴音(……やはりわたくしは、後悔しているのですね)

貴音(浅はかだった、自分の行動を……)


「……かね。たーかーねっ!」


貴音「ひぅ!?」ビクッ


響「あ、ご、ごめん。驚かすつもりじゃなかったんだけど」

貴音「……響ですか。心臓が止まるかと思いました」ドキドキ

響「だから悪かったってばー」

響「それよりさ。月に着いたら、みんなが貴音にガイドして欲しいって!」

貴音「……がいど? わたくしが、ですか?」

響「うん! だって、月は貴音の故郷なんでしょ?」

貴音「………」

響「……あれ? もしかして、イヤだった?」

貴音「いえ、そのような事はありません。……そうですね、わたくしで良ければ、案内役を務めさせていただきます」

響「ホントか! ……おーいみんな! 貴音が月を案内してくれるってさー!」

春香「わぁ、やったぁ!」

雪歩「四条さんの案内……うふふふ」

伊織「ま、ガイドがいないと観光も楽しめないわよね」

真「ねえ貴音、月ってどんなところなの?」

美希「おにぎりとかある?」

やよい「あの、もやしはありますか?」

律子「こらこら、そんなにいっぺんに話しかけても貴音だって困るでしょう?」

律子「それに、遊びに行くわけじゃないんだから」

P「いいじゃないか、少しくらい。月に行くなんて、一生にあるかないかなんだからさ」

律子「って言っても、ゲームの世界の月ですけどね」

15 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 21:36:54.84 ID:i5cmhxw/O
あずさ「……そういえば、月には貴音ちゃんのお友達はいるの?」

貴音「………」

響「……貴音?」

貴音「……ええ。月の民自体が少数民族のようなので、知り合いは少ないですが」

あずさ「うふふ♪ 貴音ちゃんのお友達に会うの、楽しみねぇ」

貴音「………」



亜美「ねーねーお姫ちん、ハミングウェイにはもう会ったー?」

貴音「はみんぐうぇい……ええ、会いましたね。皆一様に同じ歌を口ずさんでいて、何やら楽しそうな方たちでした」

千早「…………歌?」ピクッ

真美「お? 千早お姉ちゃんが食いついた」

千早「四条さん。その、ハミングウェイというものについて是非詳しく聞かせて欲しいんですがっ」ズイッ

春香「ああ、千早ちゃんに火が点いちゃったよ」

貴音「ふふ……。そう焦らずとも、じきに会えます」

貴音「それに千早。あなたの歌声に敵う者など、そうはいません。安心してください」

千早「い、いえ、私は別にそういう意味で言ったつもりでは……」

真「歌の事になると、ホント千早は生き生きとするなぁ」



亜美「んじゃ、月に着いたらとりあえずハミーたちのところに行こっか?」

やよい「わあ、すっごく楽しみですー!」

律子「ちょっと、勝手に決めないの!」

P「まあまあ。一通り貴音の知り合いに会って行くのも悪くないさ」

律子「もう、プロデューサーは呑気なんだから……」

伊織「諦めなさい、律子。これは完全に月観光の流れよっ♪ 」

律子「……わかったわよもう」

律子「その代わり、羽目を外し過ぎない。月の民の人たちに迷惑をかけない」

律子「この二つは守る事。いい?」



アイドルたち「はーーい!!!」



貴音「………」

16 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 21:40:26.28 ID:i5cmhxw/O

律子「……さて、月に着くまでまだ時間がかかるみたいですけど、この後どうします?」

P「じゃあ、一旦解散にするか。見たところ船室はたくさんあるみたいだから、みんな適当に休むといいよ」

P「月に着いたら、またしばらく休むヒマはないかもしれないからな」

春香「あの、プロデューサーさん」

P「ん? どうした?」

春香「そろそろお腹空きませんか? 地球を出発してから、私たち何も食べてませんよ?」

P「あ、忘れてた。それじゃあ、誰か料理を……」

美希「はいっ! ミキがやるの!」バッ

P「美希……気持ちは嬉しいが、ひとりでやるつもりなのか?」

美希「うん!」

真「美希、いつになくやる気だね?」

美希「もちろんなの! これも、将来のタメに必要な事だもん!」

律子「でも、さすがに美希ひとりに任せるわけには……」

あずさ「あの〜、私も美希ちゃんと一緒にお料理してもいいですか〜?」

やよい「あ、それならわたしもお手伝いしますっ!」

律子「そうね。あずささんとやよいが一緒なら、心配いらないでしょう」

美希「あずさ、やよい、よろしくお願いしますなの」ペコリ

あずさ「頑張りましょう♪ 」

やよい「よろしくお願いしまーす!」ガルーン



P「それじゃ、料理ができるまで一旦解散だ」





貴音「………」スタスタ


響「……貴音、どこ行くんだ?」

貴音「少々散歩をして参ります。探さないでください」ペコリ

響「いや、そんな、家出じゃないんだから」


貴音「………」スタスタ


響「貴音……?」

17 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 21:45:13.74 ID:i5cmhxw/O
ー 魔導船 船室1 ー


亜美「ねえねえ真美。ヒマだし、魔導船の中をタンケンしてみない?」

真美「……亜美。真美はね、もうそーゆー子どもっぽい事は卒業したんだよ」

亜美「えっ?」

真美「真美は『お姉ちゃん』だかんね。いつまでも遊んでらんないのさっ!」

亜美「……どしたの? 真美、なんかヘンなもんでも食べた?」

真美「食べてないよ。あと、もうこれからは好き嫌いもなくす!」

真美「イタズラもやめるし、兄ちゃんやりっちゃんを困らせたりもしないんだ!」

亜美「うあうあ〜! 真美がおかしくなっちゃったよ〜!」

真美「んっふっふ〜♪ 亜美、困ってる事はない? お姉ちゃんになんでも言ってごらん?」

亜美「真美がヘンになって困ってる。あと、いっしょにタンケンしてくんない」

真美「ヘンじゃないもん! あと、タンケンなんて子どもっぽいからやんない!」

亜美「ぬぅ……このわからずやめっ! いいもんね! ひびきん誘うから!」

亜美「真美のバカっ!」

タタタ…


真美「亜美っ……」


ガチャ…バタン!


真美「行っちゃった……」



真美(……まあ、亜美はそーカンタンに甘えてくんないってわかってたよ)

真美(真美は『お姉ちゃん』に目覚めてまだまだ日があさいモンね。まずは姉経験値をかせがなくっちゃ!)

真美(そして……)

真美(いつか、亜美にめっちゃヒザまくらしてやるかんね……!)



真美(亜美、首輪を洗って待っているのだ……!)


真美「ふっふっふっふ……」

18 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 21:48:17.12 ID:i5cmhxw/O
ー 魔導船 船室2 ー


春香「……きーらいーなものでもーすきーになーりーたーい♪ 」シュッシュッ

春香「ふふんふーん♪ 」ポンポンポン


…コンコン


春香「……はーい、どうぞー」


ガチャ…


律子「春香、ちょっといい?」


春香「あ、律子さん」

律子「……何してたの?」

春香「はい、少し剣の手入れを」チャキッ

律子「はぁ……。見事にこの世界に染まってるわね」

律子「剣を手入れするアイドルなんて、聞いた事ないわよ……」

春香「そ、そうですよねぇ、あはは……」

律子「でも、これからの事を考えれば、それも必要な事なのよね。月は小鳥さんの庭のようなもの。魔物たちの攻撃も激しくなってくるでしょうから」

春香「……そう、ですね」



律子「あのね、春香……」

春香「はい?」

律子「………」

春香「? ……律子さん、どうかしたんですか?」

律子「その……」

律子「春香のお父さんって、どんな人だった?」

春香「お父さん……あ、もしかして、この世界でのお父さんの事ですか?」

律子「ええ」

春香「えーっと、そうですねぇ」

春香「明るくて、優しい人でしたね。ちょっとえっちなところもあるけど……」

律子「ふーん……」

春香「本当のお父さんじゃないのに、なんだか安心するんです。……えへへ♪ 不思議ですよね」

春香「あ、そういえばこの剣、お父さんが使ってたものなんですよっ!」チャキッ

律子「そう、なのね」

春香「……でも、どうして急に私のお父さんの事を聞いたりするんです?」

律子「えっと、まあ……やっぱり気になるもの」

律子「…………春香のお父さんは、私にとっての父でもあるみたいだし」

春香「そうなんですかぁ〜。律子さんにとっても……」



春香「………………え?」

19 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 21:51:43.47 ID:i5cmhxw/O

春香「あ、あの、律子さん? それってどういう意味ですか?」

律子「どういうって、そのままの意味よ」

律子「この世界での春香と私の父親は同じなの。つまり……」

律子「私とあなたは、姉妹って事になるわね」

春香「わ、私と律子さんが、姉妹……?」

律子「その様子だと、プロデューサーから何も聞かされてないみたいね。……私も、この事はついこの間知ったばかりなのよ」

春香「は、はぁ」

律子「ま、だからって今さら何が変わるってわけでもないし、これまで通りでよろしくね?」

春香「………」

律子「……春香?」

春香「……あ、あのっ」

春香「お姉ちゃんって呼んでも、いいですか!?」

律子「」



律子「いや……だから、姉妹っていうのはあくまでこの世界の設定の話であって」

春香「いいんです、この世界だけで」

春香「私、一人っ子だから、姉妹とか憧れるんですよね!」

春香「だから、律子さんさえ良かったら……お、お姉ちゃんって呼ばせてもらえないかなって……///」モジモジ

律子「………」

律子「……わ、わかったわよ。これまで姉らしい事なんて何ひとつできなかったし」

春香「わぁ! ありがとうございます、お姉ちゃん!」

律子「……///」

春香「えへへ……///」

律子(う〜……。これ、涼に呼ばれるのとはまた違って、何か新鮮な響きがあるから変な気持ちになるわね……)


律子「……って、これじゃまるで、私が春香にお姉ちゃんって呼ばせに来たみたいじゃない!?」

春香「え? 違うんですか? お姉ちゃん」

律子「違うわよ! 私はその、一応事実だけをあなたに伝えようと思って……」

春香「わざわざありがとうございます、お姉ちゃん!」

律子「ちょっと春香、連続で呼ぶのやめて。すっごい恥ずかしいから」

春香「え〜、いいじゃないですかぁ。せっかくの姉妹なんだから♪ 」

律子「はぁ……やっぱり言わなきゃ良かったわ……」

20 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 21:58:41.06 ID:i5cmhxw/O
ー 魔導船 コクピット ー


雪歩「……こう来たら」

雪歩「こう、返す」シュッ

雪歩「こっちから来たら……」

雪歩「こうっ!」シュッ


バキッ!


響「うぎゃっ!?」


雪歩「あっ」


雪歩「あわわわわ!」

響「雪歩……いいパンチだったぞ……」グッタリ

雪歩「ごっ、ごめんね響ちゃん! わ、私、別に当てるつもりじゃなくて……」

響「うん、わかってるさー。あいたたた……」サスサス

雪歩「うぅ、やっぱりこんなところでカウンターの練習なんてするんじゃなかったよぉ」

雪歩「響ちゃんを殴っちゃう私なんて……私なんて……」チャキッ

響「わあああ! 雪歩ダメ! ここ宇宙だから!」ガシッ

雪歩「そ、そうでしたぁ」

21 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 22:01:11.76 ID:i5cmhxw/O

響「……雪歩、ひとり?」キョロキョロ

雪歩「うん。みんなはきっとお部屋にいるんじゃないかなぁ」

響「………」

雪歩「響ちゃん、なんだか元気ないね。どうかしたの?」

響「貴音見なかった?」

雪歩「四条さん? ……見てないけど、いないの?」

響「散歩に行くって言ったっきり、どっかに行っちゃったんだ」

雪歩「そうなんだ」


亜美「……あ、ひびきん見っけ!」


響「亜美」

雪歩「亜美ちゃん」

亜美「お、ゆきぴょんもいっしょだったんだね」

響「亜美、貴音見なかった?」

亜美「お姫ちん? 見てないよー?」

響「そっか……」

亜美「なになに? ひびきん、もしかしてお姫ちんとケンカしたの?」

響「いや、そういうのじゃないんだ」

響「ただ、今日の貴音は様子がおかしい気がするんだよなー」

亜美「そーかな?」

響「うん。うまく言えないんだけど、いつもよりテンションが低いような……」

雪歩「そういえば、魔導船に乗り込んでからの四条さん、物思いにふける事が多い気がするよ」

亜美「んー、でもさ、お姫ちんっていっつもそんなカンジじゃない?」

雪歩「そうなんだけど、今日は特に表情が真剣っていうか、色っぽさが増してるっていうか」

雪歩「何か心配事があるのかなぁ……」

響「………」

亜美「………」

22 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/12/27(日) 22:04:01.76 ID:i5cmhxw/O

亜美「あ、もしかして……」

響「亜美、なんかわかったのか?」

亜美「ほら、この世界ではお姫ちんのふるさとは月って事になってるっしょ?」

雪歩「うん、そうみたいだね」

亜美「だから、ふるさとに帰れるから、ちょっとキンチョーしてるんじゃない?」

雪歩「うーん、それだけなのかなぁ……」

亜美「ヘーキヘーキ、心配ないって!」

雪歩「だといいけど……」



響「………」

響(たまに貴音がホームシックになったりするのは、自分も知ってる)

響(でも、それは現実世界での事だし、今回はそういうのとは違う気がするんだ)

響(何かもっと、深刻な事で悩んでるような……)

響(貴音……自分たちには話せない事なのか……?)

響(…………自分、貴音の力になりたいぞ)



亜美「それより2人とも、いっしょに魔導船の中タンケンしてみない?」

響「探検か。……そうだな。貴音は探さないでって言ってたけど、ちょっと心配だし」

雪歩「私は、遠慮しておこうかな」

亜美「ダメだよ! ゆきぴょんもいっしょに行くの!」ガシッ

雪歩「えっ? で、でも……」

亜美「モンク言うなら真美に言ってよね! 付き合い悪い真美がいけないんだから!」

響「よーし! じゃあ行くか!」

亜美「おー!」


スタスタ…


雪歩「ひぃーん! なんで私までー!」ズルズル

23 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/12/27(日) 22:07:57.05 ID:i5cmhxw/O
短いですがここまでです
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/28(月) 02:50:23.97 ID:nzqSv7A2o
お疲れ様です
初期バンプ好きな高槻さんかわいい!
25 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2016/01/08(金) 23:26:17.95 ID:CvdDjGBvO
ー 魔導船 船室3 ー


真「……9974……っ」グッ

真「……9975……っ」グッ


…ガチャ


真美「まーこちん♪ 」

真「あ、真美」

真「……よっと」スタッ

真「ふぅ。……どうしたの?」

真美「真美のヒザはいらんかえ?」

真「えっ? 意味がわからないんだけど……」

真美「んもう、まこちんはニブいですな〜。ヒザまくらですよ、ヒザまくら!」

真「膝枕? いや、ボク、まだトレーニングの途中だし……」

真美「そんなツレナイ事言わずにためしてみてよ〜。ソンはさせないよ〜?」

真「なんの勧誘だよそれ……」

真美「ほらほら早く〜」グイッ

真「あ、ちょ、ちょっと真美、引っ張らないでよ!」



真美「ねーねーどう? 真美のヒザまくら」ナデナデ

真「……うん、気持ちいいよ」

真美「まこちん、トレーニングで疲れてるんでしょ? 寝ちゃってもいーよ? 真美が起こしてあげるからさ」

真「うん……」

真(真美の太もも、柔らかくて、あったかくて、本当に眠くなっちゃうかも)

真(あー……なんか、落ち着くなぁ……)



真「zzz……」

真美「……まこちん?」

真美「………」

真美「んっふっふ〜♪ むぼーびな寝顔しちゃって……」ナデナデ

真美(……これで、ちょっとはお姉ちゃんに近づいた……かな?)

26 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2016/01/08(金) 23:28:29.22 ID:CvdDjGBvO
ー 魔導船 船室4 ー


カン、カン、カン…


P「……ふぅ。このくらいの大きさでいいかな」

P「あとはこれに紐を通せば完成だな」


…コンコン


P「ん? 空いてるぞー」


…ガチャ


伊織「……お疲れ様」


P「お、伊織か。どうした?」

伊織「ちょっと話があるんだけど」

伊織「……って、何やってるのよ?」

P「あ、これか? 手持ち無沙汰だったから、少し工作をな」

伊織「ふーん……。ヒマなのねぇ、アンタも」

P「俺に出来る事なんて限られてるからな。まあ、ヒマ潰しも兼ねてるけど」

27 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2016/01/08(金) 23:29:51.78 ID:CvdDjGBvO

P「……で、話ってなんだ?」

伊織「………」

伊織「アンタに、謝ろうと思って」

P「え? 俺、伊織に何かされたっけ?」

伊織「ほら、巨人に潜入した時の事よ」

伊織「あの時、私、ヒドい事言っちゃったじゃない。『アンタはお気楽でいいわね』なんて」

伊織「よく考えてみれば、アンタみたいに過保護なやつが、私たちがこんな事になってお気楽でいられるわけがないのよね」

伊織「あの時の私、ちょっといろいろあって……」

P「知ってるよ」

伊織「えっ……?」

P「俺の方こそ、伊織に謝らなきゃいけない」

P「ルビカンテの事、ひとりで悩んでいたんだよな。気づいてやれなくて、ごめん」ペコリ

伊織「ちょ、ちょっと、頭上げなさいよ。アンタは何も悪くないんだから」

伊織「私が思慮の浅い発言をしちゃったのが悪かったの!」

伊織「……それに」

伊織「赤い悪魔の事は、すでに決着が着いた事よ」

P「……うん。そうだったな」

28 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2016/01/08(金) 23:31:50.97 ID:CvdDjGBvO

伊織「私、今では感謝してるの。……赤い悪魔に出会えた事に」

伊織「……ううん。この世界へ来れた事に」

P「伊織……」

伊織「この世界へ来て、いろんな人に会って、いろんな事を教わった」

伊織「それは、普段の生活の中じゃ気づけなかった事かもしれないわ」

伊織「だから、その……」

伊織「…………あ、ありがと。この世界へ連れて来てくれて」モジモジ

P「……うん」

P「伊織、いい顔になったなぁ」

伊織「ふ、ふんっ。私がいい顔なのは元からよ!」


…ポンッ


伊織「あっ……」

P「嬉しいよ。伊織がこんなに頼もしくなってくれて」ナデナデ

伊織「……///」

伊織「ま、まあ、今だけは頭を撫でる事を許してあげるわ……」

P「はいはい」ナデナデ

伊織「〜〜♪ 」

29 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2016/01/08(金) 23:36:10.98 ID:CvdDjGBvO

…ガチャ


千早「プロデューサー、頼まれていた物を持ってきまし……」


P「……お、千早、早かったな」ナデナデ

伊織「んなっ!?」ビクッ


千早「……何をしているんですか?」ジト


伊織「ち、千早、違うのよこれは!!」

伊織「ちょっとアンタ、いつまで撫でてるのよっ!!」バッ

P「ええぇ……。嬉しそうにしてたじゃないか伊織……」

伊織「ば、バカっ! あ、アンタが撫でたいって言ったから撫でさせてあげたんじゃない!」

伊織「千早、勘違いしないでよ!?」

千早「え、ええ……」

千早(満更でもない表情だったのに取り繕おうとする水瀬さん、可愛い……)



千早「プロデューサー、どうぞ」スッ

P「お、ありがとな、千早」

伊織「……何よそれ。紐?」

千早「ええ。丈夫で細い紐を探してきてくれって、プロデューサーに頼まれて」

伊織「ふーん……」

P「この細かく砕いたクリスタルの欠片に、紐を通して……」スッ

P「クリスタルの首飾りの完成だ!」

千早「首飾り、ですか」

伊織「アンタはさっきからそれを作っていたわけなのね」

P「ああ。ちなみに、ちゃんと人数分あるぞ」

P「戦いはみんなに任せるしかない。だから、俺はせめてこういう形でみんなの力になれたらと思って」

千早「プロデューサー……」

伊織「それはいいけど、アンタ、モノづくりのセンスないわねぇ」

P「う、うるさいなぁ」

伊織「……ま、完成したら、ありがたく使わせてもらうわ。その首飾り」

伊織「アンタの気持ち、充分わかったから」

P「伊織……ありがとな」ニコッ

伊織「ふ、ふんっ」プイッ

千早「ふふっ」ニコッ

30 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2016/01/08(金) 23:40:08.89 ID:CvdDjGBvO
ー 魔導船 厨房 ー


美希「それじゃあ2人とも、ご指導よろしくお願いしますなの☆」ペコリ

やよい「こちらこそよろしくお願いしまーす!」ペコリ

あずさ「うふふ♪ よろしくね〜」



美希「……で、まずはどうするの?」

あずさ「まずはお米を炊きましょうか」

美希「お米! さすがはあずさ、わかってるの!」

美希「……んー、でも、ここにはアレがないみたいだよ?」キョロキョロ

あずさ「あれって……もしかして炊飯器の事かしら?」

美希「そう、それ。ミキ、家で自分でお米炊いたりする時は、いつもそれを使ってるの」

あずさ「炊飯器がなくても、お鍋があれば大丈夫よ〜。洗ったお米とお水を入れて、ぐつぐつ煮ればいいの」

あずさ「ただ、火力が強すぎるとお米が焦げちゃうから、気をつけないといけないけど」

あずさ「炊飯器はボタンひとつで全部やってくれるから、便利よね〜」

美希「ふーん。炊飯器がないと、なんだか難しそうだねー」

あずさ「美希ちゃん、お米を研いでもらえる?」

美希「わかったの」



美希「おいしくなぁれなのー」ジャバジャバ

美希「ねえあずさ、これくらいでいい?」

あずさ「ええ。それじゃ、洗ったお米をこのお鍋に移してね」

美希「はいなの」ザバー

あずさ「それじゃ……」

あずさ「ファイア」ボッ

美希「あ、そっか。コンロがなくても魔法で火を起こせばいいんだね」

あずさ「そうよ〜。あとは私に任せて、美希ちゃんはやよいちゃんを手伝ってあげてね〜」ボォォ

美希「りょーかいなの!」

31 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2016/01/08(金) 23:42:49.73 ID:CvdDjGBvO

美希「やよいー」

やよい「あ、美希さん! ちょっと手伝ってもらってもいーですか?」

美希「うん。ミキは何をすればいいの?」

やよい「スープを作ろうと思ってるので、お肉とお野菜を切ってもらえますか?」

やよい「お肉もお野菜もたくさんもらってきたので、どんどん切っちゃってください!」

美希「わかったの!」



美希「………」ザクザク

美希「……んー、なんかちゃんと切れてないカンジなの……」

やよい「美希さん。包丁を使う時は、左手はネコの手ですよ?」

美希「ネコの手?」

やよい「はい! こう、にゃんにゃんって」

やよい「ゆびを切らないようにするためです」

美希「そーなんだね」

やよい「あと、包丁を入れたら少し引いたほうが、ちゃんと食材が切れるかなーって」

美希「ふーん。さすがはやよいなの」

32 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2016/01/08(金) 23:46:25.58 ID:CvdDjGBvO

美希「えっと、包丁を入れて」ザク

美希「少し引く」スッ

美希「……あ、ホントだ。ちゃんと切れてるの」

やよい「それじゃあお願いしますね」

やよい「わたしはスープのおダシを取っちゃいます」

やよい「おナベに水とトリガラを入れてー」ジャー

やよい「いふりとさん、お願いします!」


スゥーー…


イフリート「久しぶりだなヤヨイーー!! オレに任せろおお!!」

イフリート「うおおおお!!」ボオオ


やよい「はわわっ! ちょっと火が強いかも」

やよい(もう少し、小さくしないと……!)グッ


ボオオオォ!!


やよい(ど、どうしよう!? 火が小さくならないですー!)


やよい「こ、このままじゃスープが!」

やよい「えっと、えっと……」オロオロ



あずさ「ブリザガ!」

パリパリッ……シャキーン!

ジュゥゥ…

33 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2016/01/08(金) 23:51:22.38 ID:CvdDjGBvO

やよい「……あ、あずささん!」

あずさ「危なかったわね〜。やよいちゃん、ケガはない?」

やよい「は、はい。でも、スープが……」チラ

あずさ「……大丈夫、スープはまだ使えると思うわ〜」

やよい「よ、よかったですー」

やよい「あの、すみません、あずささん」ペコリ

やよい「わたし、火を小さくしようとしたんですけど、よわくならなくて……」

やよい「いつもは、こんなことないんですけど……」

あずさ「………」

あずさ「もしかして、やよいちゃん……」

やよい「え?」

あずさ「ごめんなさい、なんでもないわ」



美希「2人とも、へーき? なんかすっごい燃えてたけど」

あずさ「ええ、大丈夫よ美希ちゃん。心配しないで」

やよい「うー……」ショボーン

あずさ「……さ、気を取り直して、続きをやりましょう?」ニコッ

やよい「は、はい……」

あずさ「お米の方は、あとは蒸らすだけだから、スープは私がやるわね」

あずさ「やよいちゃんは美希ちゃんと一緒に下ごしらえをお願いね?」

美希「やよい、失敗なんて気にする事ないの。一緒にガンバろ?」

やよい「あずささん、美希さん……」

やよい「わかりました。わたし、ガンバりますっ!」グッ



グツグツ…

あずさ(う〜ん……やよいちゃんが火加減を間違えるとは思えないわね〜)

あずさ(とすると、やっぱり考えられるのは〜)

あずさ(自分の力を抑えられなくなった……かしら)

あずさ(優しいやよいちゃんに、こんな強力な力が備わっているなんて)

あずさ(……少し、心配ね)

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