【咲 -Saki- SS】 大学編 - いちご味 - ちゃちゃのん「おかえりなさい」

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334 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 荒川病院編 [saga]:2015/12/26(土) 23:21:42.29 ID:4cxibNJK0



憩「さっき一緒に麻雀しとった、リセさんやモコちゃん達…」


憩「あの子らとウチが どうして以前から親交あったんか、考えたことありますか―――?」

ちゃちゃのん「そりゃ、お友達だからじゃ―――?」


憩「そうですねー 確かに友達なんですけど、あの子たちはウチの患者さんでもあるんですよーーぅ」


ちゃちゃのん「えっと、ドコか悪いんじゃろか…?」




憩「能力の反動による後遺症、チカラの制御方法、メンタル面でのケア、その他もろもろ…」


憩「ウチはそういう能力者にしか分からない、身体的・精神的な悩みの相談役なんですわー」


憩「特にモコちゃんは能力の影響が強い分 チカラの制御が難しいみたいで、精神的 変調なんかが心配なんですよー」


ちゃちゃのん「そ、そうだったんじゃ…」



ちゃちゃのん「だったら、あんなにチカラを使わせてしまって良かったんじゃろか…?」

憩「アレはアレで彼女たちにとっては、良いリハビリにもなってますからねー」


憩「単純にチカラを恐れて遠ざけるんやなく、それと向き合って生きていくこと…」


憩「そういうバランス感覚が、何よりも大切なんですよ―――」


335 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 荒川病院編 [saga]:2015/12/26(土) 23:24:49.02 ID:4cxibNJK0



憩「能力者はまだまだ未知な部分も多く、とても不安定な存在です―――」



憩「せやから、ウチはお医者さんになって―――同じ能力者である彼女たちの力になりたい思ってるんですよーーぅ」


ちゃちゃのん「それで、憩ちゃんはお医者さん一本に―――?」





憩「……大切な人たちの生き死ににも、直接 関わるお仕事ですからねー」


憩「それくらいの覚悟で挑まんと―――」





憩「ウチは、きっと後になって後悔するやろーなって―――そう思うんですよーーぅ」



ちゃちゃのん「……憩ちゃんは、やっぱり凄いんじゃ」


憩「あはは、そうやろかーー」



ちゃちゃのん(憩ちゃんの覚悟… それはちゃちゃのんのとは、まるで質の違うモノなんじゃ――――)


336 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 荒川病院編 [saga]:2015/12/27(日) 00:14:31.10 ID:+8Dcb3YX0




憩「それと、もう一つ―――」

ちゃちゃのん「ん―――?」



憩「いちごちゃんのお友達の塞さんや哩さん、漫さんたちにも、一応 気をつけるよう伝えておいて下さい―――」


ちゃちゃのん「えっと、何に―――?」



憩「ウチらの能力は、何も麻雀だけに限られたものではないですよねー」

ちゃちゃのん「それってゆーと…?」




憩「ま〜 代表的なのが、一巡先を見ることが出来るいう園城寺 怜(とき)さんの未来視。 アレは麻雀以外にも色々と応用が利くそうやねー」

憩「他にも妹尾(せのお)さんのラックは、あらゆる幸運を呼び寄せるとも言われとりますー」


憩「この手の能力の発現は競技麻雀だけに限らず、ここ数年 様々な分野で見つかり始めとりますよねー」



憩「そんなものを、科学者たちが黙って見過ごしておくと思いますか―――?」

ちゃちゃのん「えっ…」ゾッ





憩「―――流石にこの国ではまだ表面化もされてませんし、強引な手段もなされてはいないようですけど…」


憩「治療と称した、合法的な研究は既に進んでますーー」



憩「他所の国では、人体実験やら人為的な非能力者の能力開発なんかも行われとるとか……」

ちゃちゃのん「えぇぇぇっ…」ゾゾゾッ



337 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 荒川病院編 [saga]:2015/12/27(日) 00:18:02.79 ID:+8Dcb3YX0



憩「とりあえず現在 園城寺さんや妹尾さんは能力者保護に務める龍門渕の監視下にあるので、安全は確保されとるようですけど…」


憩「とりあえず そういう如何わしい研究機関には、気をつけるよう伝えといて下さいー」

ちゃちゃのん「うぅっ… 分かったんじゃ……」フルフル




憩「それと―――」

ちゃちゃのん「ま、まだあるんか!?」ビクッ




憩「現在 各国で能力者と非能力者の確執が、水面下で広がりつつあるようですよーぅ」


憩「中にはどちらか一方の根絶を唱える声まであるようで、実際にそういう過激なテロを警戒した動きも見られとるようですねー」

ちゃちゃのん「そういえば、何度かそういう警察の人とか見かけたんじゃ…」





憩「そして、それは麻雀の世界でも同じこと―――」


憩「そのうち麻雀界も能力者と非能力者リーグで、完全に分断されるかもっちゅー話も出始めとるみたいですよー」

ちゃちゃのん「そ、そんな話まで…」ヒェェッ


憩「ま〜 実際問題、能力自体が完全に実証されとるわけではないので、まだ先の話や思うんですけどねー」





憩「ただ、これから先―――世界はこの手の問題で、大きく荒れる思いますよーーぅ」

ちゃちゃのん「」ゴクッ





憩「あ、一応… この辺のことは、まだ内密にしておいて下さいねー」


ちゃちゃのん「な、何でちゃちゃのんに、こんな話をしてくれたんじゃ…?」




憩「う〜〜ん、どうしてでしょうねー」


憩「ただ いちごちゃんには、しっかりと考えたうえで 将来のことを決めて欲しい―――」


憩「……そう思ったのかもしれませんねーー」ニコッ


338 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 荒川病院編 [saga]:2015/12/27(日) 00:20:15.57 ID:+8Dcb3YX0



憩「ま〜 ホンマは今 話したこと、その全てがウチの妄想の産物かもしれませんけどね〜」フフッ

ちゃちゃのん「ほぇっ…?」



憩「まー 今はまだ話 半分くらいで受け取っておいて下さ〜〜い」ホナ、マタナー

ちゃちゃのん「あ、憩ちゃん―――」



憩「ん―――?」

ちゃちゃのん「今年の大会―――その、頑張ってな…」


憩「ふふ… それは今年が最後になる、セーラさんにでも言ってあげて下さいーー♪」





憩「ウチは――――強いですからねー」スッ


ちゃちゃのん「それ、憩ちゃんのいつもの決めポーズじゃね…」エヘヘッ





憩「それじゃ、いちごちゃん。 またなーー」フフッ


ちゃちゃのん「うん… 憩ちゃん、ホンに色々とありがとうの―――」フリフリ



339 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 荒川病院編 [saga]:2015/12/27(日) 00:24:53.76 ID:+8Dcb3YX0




ちゃちゃのん「はぁ… それにしてもまるで雲を掴むような、全く現実味のない話じゃったのぅ…」


ちゃちゃのん「いつもみたいに、また憩ちゃんにからかわれたんじゃろか… それとも―――」





オーーーーーーイ


ちゃちゃのん「あ、ヒロちゃんじゃ…」

洋榎「おぅ、もう元気になったんか〜?」ツカツカ

ちゃちゃのん「あ、う、うん……」コクッ



洋榎「さっき離れてったナース服って、もしかして荒川か…?」

ちゃちゃのん「うん、今はこの病院でお手伝いとかしとるんじゃって…」


ちゃちゃのん「せっかくだし、声でもかけてく?」




洋榎「―――いや、ま〜 今日はええわ…」


洋榎「荷物くらい持ったるさかい、はよ よこし」ヒョイッ


ちゃちゃのん「あ、うん… ヒロちゃん、ありがとな……」ヒョコヒョコ







正直、今のちゃちゃのんにゃぁ―――世界の動きとか、そんな難しいことはよぅ分からんよ。



ただ目の前におる大切な人たちが 幸せであってくれたなら、それでええと思うんじゃ。



でもそんな当たり前の幸せを願う、みんなの想いが…



争いや対立を産んどるんだとしたら……





それはとっても悲しいことだって、ちゃちゃのん 思うんじゃ――――




340 :ケイ@駄文 [sage saga]:2015/12/27(日) 00:29:34.19 ID:+8Dcb3YX0



今回の荒川病院編ですが…


これを入れると、どうしても最終的に消化不良になる部分が出るうえに、ラブコメものとして重くなるし


全体の整合性や世界観の統一感を損なうかな〜と思ったんで、入れるかどうか結構悩んだトコでした。



でも、ま〜 思いついたネタは何でも詰め込もうが当初からのコンセプトだったので、とりあえずぶち込ませて頂きました。


自分としてはこの辺の話は番外編の部分と考え、マクロの中のミクロな世界こそが このちゃちゃのんの物語だと考えてます。


例え来るのが明るい未来でも、暗い未来でも―――自分に出来ることなんて泣いたり笑ったり、今を精一杯に生きることだけ。


ちゃちゃのんは英雄でも魔王さんでもなく、そういうごく普通の女の子なので……




尚 今回の利仙さんのキャラや、ちゃちゃのんの能力の一部は


【咲SS】淡「ここが白糸台高校麻雀部かー!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1392028470/


を参考にさせて貰ったんですけど、このいちごちゃんLOVEな利仙さんが凄く面白くて好きなキャラです(笑)


341 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/27(日) 23:14:41.81 ID:+8Dcb3YX0






女「鹿老渡高校に行く―――? ほいじゃが、あそこは…」


ちゃちゃのん「お母さん、お願いじゃよ……」






中学を卒業し―――



ちゃちゃのんは、お母さんの反対を押し切って鹿老渡高校へ進学した。



呉を離れ、今度は自分の意思で―――



ちゃちゃのんは、もぅ一度 婆っちゃと過ごした鹿老渡に帰って来たんじゃ。






???「あれ… アンタ、もしかして…」


ちゃちゃのん「ほぇ……?」



快活な長女さん「あ〜〜 やっぱりちゃちゃのんじゃ〜!? うっわぁ〜 久しぶりじゃね〜〜♪」



ちゃちゃのん「あ、あ、あ、アンタはーーー!?」




そこで再会したのは、小学生の夏休み一緒に遊んだ あの三姉妹の長女さんじゃった―――


342 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/27(日) 23:17:16.51 ID:+8Dcb3YX0



快活な長女さん「しっかし、自分 相っ変わらず可愛ええのぅ〜〜」


快活な長女さん「中学でも、絶対モテモテやったろ〜〜♪」ウリウリィィィィッ


ちゃちゃのん「え、えっ… そ、そんなこと、ないんじゃよぅ〜〜///」アセアセッ





ちゃちゃのん「で、でも、何でわざわざ鹿老渡に…?」


快活な長女さん「ん―――? 何でて、約束したじゃろ……」


ちゃちゃのん「――――!?」





快活な長女さん「また… 一緒に遊ぼうなって――――」シシシッ



343 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/27(日) 23:21:28.14 ID:+8Dcb3YX0



ちゃちゃのん「そ、そんな理由で… ちゃちゃのん、おるかも分からんかったのに?」


快活な長女さん「ん、ま〜〜 本当はそれが半分なんやけどな……」


ちゃちゃのん「半分……?」



快活な長女さん「もぅ半分は爺さんが過ごした、この鹿老渡高校にも興味があったんじゃ…」ポリポリ


ちゃちゃのん「あ―――」


快活な長女さん「ん、何じゃ―――?」




ちゃちゃのんと、同じ理由じゃった―――



婆っちゃたちの思い出いっぱい詰まった この鹿老渡高校に、ちゃちゃのんは入りたかったんじゃ――――






???「あらあら、私もお仲間に入れて下さいませんか…」


快活な長女さん「お、お、お〜〜 アンタは!?」


ちゃちゃのん「ゆ、幽霊少女さんじゃ―――!?」アワワッ


物静かな女の子「幽霊じゃありませんから、私 ちゃんと生きてますから!!」モー


一同「「アハハ……」」クスクスッ



病気療養で来とったあの子は、今ではすっかり元気になって この鹿老渡に入学してきたらしい。





物静かな女の子「私… 今度こそ、しっかり蛍を見ますわよ〜〜」


快活な長女さん「あはは、今度 みんなで一緒に探しに行こうよ♪」


ちゃちゃのん「それは楽しみじゃね〜〜♪」



344 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/27(日) 23:35:01.83 ID:+8Dcb3YX0




ちゃちゃのん「生徒の数も少ないし、やっぱり麻雀部はもぅないんじゃね…」ガッカリ


物静かな女の子「はぁ、残念ですわね…」



快活な長女さん「なんじゃ、なんじゃ、そない湿気た顔して… 無いんなら、また作ればええだけじゃろ!!」


ちゃちゃのん「ふぇっ、じゃって… ちゃちゃのんたち3人だけじゃ―――?」




快活な長女さん「来年にゃぁ、ウチの双子の妹も入ってくる予定じゃけぇ―――メンバーなら、きっと集まるはずじゃ!!」ドンッ


ちゃちゃのん「そ、そんじゃぁ……」



快活な長女さん「来年にゃぁ、鹿老渡高校麻雀部の復活じゃ!!」ピース


ちゃちゃのん「婆っちゃが… 部長さんだった、麻雀部が……」ウルウル


物静かな女の子「くすくす、いちごさんったら… また、おもひでぽろぽろしてますわ〜〜」ウフフッ


ちゃちゃのん「そ、そんなん… しとらんけぇ……」ゴシゴシ




快活な長女さん「とりあえず空き教室はたくさんあるし、埃かぶった雀卓も見つけたし―――」ヨッシャッ


物静かな女の子「来年の本格始動に向けて、今から準備開始ですわね〜〜」パチパチパチパチ


ちゃちゃのん「おっ、お〜〜〜」グッ






婆っちゃと過ごしたあの古い母屋で、ゴロリと横になる。



い草の懐かしい香りが、ちゃちゃのんの心を穏やかな気持ちにしてくれた。




ちゃちゃのん「婆っちゃ… ちゃちゃのん、いっぱいいっぱい頑張るけぇ…」



ちゃちゃのん「ちゃちゃのん達の頑張り、しっかり見とっての――――」



345 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/27(日) 23:38:48.97 ID:+8Dcb3YX0




陽気な妹ちゃん「わ〜〜い、またツモったんじゃ〜〜〜!!」パララッ


しっかりものの妹ちゃん「くぅ〜〜 相変わらずバカヅキじゃのぅ…」チィッ


ちゃちゃのん「妹ちゃん、前から強かったけど。 また更に強くなったのぅ…」ホェー


快活な長女さん「まったく… コイツにゃぁアタシらに見えん、何かが見えとるんじゃろか…」



陽気な妹ちゃん「へへっ… 凄く調子ええ時は牌が光り出して、話しかけたりしてくるんじゃよ〜〜」


物静かな女の子「えぇっ、そんなことってあるんでしょうか!?」


しっかりものの妹ちゃん「またバカなこと言って… アンタ、何かヤバイ遊びでもやってないでしょうね〜〜」


陽気な妹ちゃん「ヤバイ遊びって何じゃ〜〜 そんなんしとらんわ〜〜!!」ホッホーーーイッ







快活な長女さん「そんで部長の件なんじゃが―――アタシはちゃちゃのんが ええ思うんじゃが、どうじゃろか?」


ちゃちゃのん「えぇっ、リーダーじゃったら ちゃちゃのんなんかよりも―――」



物静かな女の子「いちごさんは私たちの麻雀のお師匠さまですし、異議なしですわ」ウフフ


陽気な妹ちゃん「ちゃちゃのんは、鹿老渡のアイドルじゃもんね〜〜♪」ワーイ


しっかりものの妹ちゃん「アタシは、このバカじゃなければ 誰でもええと思うんじゃ…」フンッ




ちゃちゃのん「み、みんな… どうもありがとの…」ペコリン


快活な長女さん「だから、イチイチ泣かない〜〜!!」カッカッカ


ちゃちゃのん「ま、まだ 泣いちょらんわ〜〜〜///」ウルウル


一同「「ワハハハハーー」」



346 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/28(月) 17:42:31.16 ID:WxbcNbUq0




ちゃちゃのん「はぁ… 練習試合、勝てんかったのぅ…」トボトボ


陽気な妹ちゃん「負けちゃったけど、ボクはとっても楽しかったんじゃ〜〜」


物静かな女の子「先鋒の妹さんが作ってくれたリードを、守りきれませんでしたわね〜〜」


ちゃちゃのん「次鋒のちゃちゃのんが、ドジってもうたからじゃ……」ウゥッ


しっかりものの妹ちゃん「別にちゃちゃのん一人のせいじゃないでしょ…」


快活な長女さん「うん、アタシも大将戦で挽回出来なかったわけだしね…」




ちゃちゃのん(みんながちゃちゃのんを麻雀のお師匠ゆーてくれとるが、ちゃちゃのん 今じゃ妹ちゃんよりも弱いんじゃ…)


ちゃちゃのん(もっともっと頑張って麻雀 強うならんと、県大会にも勝てないんじゃ…)


ちゃちゃのん(ちゃちゃのん―――お飾りの部長さんにゃぁ、なりたくないんじゃ……)







憩「え、ウチに麻雀の稽古をつけて欲しい―――?」


ちゃちゃのん「お、お願いするんじゃ。 ウチの近くにゃぁ、満足に麻雀 教えてくれっ人もおらんし…」


ちゃちゃのん「そんで色々探しちょったら、憩ちゃんはこの辺では敵なしじゃって聞いたけぇ―――」ペコリッ



憩「ほな、時々で良ければ ええですけどー ただ同じ麻雀仲間としてのアドバイスってことでもええやろかー?」


ちゃちゃのん「どうも、ありがとなんじゃ!!」パァァ…






憩「今度はウチの友達にも声掛けときますから、部員さんたちも是非 呼んであげて下さいねー」ホナナー


ちゃちゃのん「うん、どうもありがとなー」フリフリ


347 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/28(月) 17:50:34.16 ID:WxbcNbUq0




祝・鹿老渡高校 第70回 全国高等学校 麻雀選手権大会出場――――!!





陽気な妹ちゃん「うわっ、すっげ〜〜〜!! ちゃちゃのん、デカデカと雑誌で特集されちょるよ〜〜〜!!」


快活な長女さん「やっぱ全国大会効果は凄いのぅ〜〜♪ ほんで、ちゃちゃのんは何で靴を持っとるんじゃーー?」カカッ


ちゃちゃのん「えと、カメラマンさんからの要望で……////」テレッ


物静かな女の子「このカメラマンさん、なかなか出来ますわね……」ムムッ




しっかりものの妹ちゃん「でもあの全国制覇の宮永照よりも、大きく特集されちょるなんて… ビックリじゃねぇ〜〜」


物静かな女の子「いちごさんの この凶悪なまでの愛らしさをもってすれば、これくらいは当然ですわ〜〜♪」ウフフッ


快活な長女さん「アンタ、そんなキャラだったっけ……?」





ちゃちゃのん「でも、何じゃか 申しわけないんじゃ……」ボソッ


快活な長女さん「ん―――?」



ちゃちゃのん「これも全部、みんなで頑張った結果なのに―――ちゃちゃのん一人が、こんなに注目されてもうて…」


陽気な妹ちゃん「ヒヒヒ……ッ」


しっかりものの妹ちゃん「まったく、もぅ…」フゥッ


物静かな女の子「やれやれ、ですわね……」クスッ




快活な長女さん「ええか… これはアンタだから、注目されてんの―――」



快活な長女さん「アイドル目指してんでしょ、だったらもっと自分に自信持ちなさいっての!!」ポフッ


ちゃちゃのん「う、うん―――///」ドキドキ



348 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/28(月) 18:17:05.28 ID:WxbcNbUq0




快活な長女さん「アタシらも三年で、今年が最後の全国じゃのぅ…」ゴクッ


物静かな女の子「フフッ、そうですわね〜〜」


陽気な妹ちゃん「ボク、頑張っちゃうよ〜〜〜!!」


しっかりものの妹ちゃん「今年はきっと、去年よりもたくさん注目される……」ドキドキ




ちゃちゃのん「この鹿老渡高校を全国にアピールする、最大のチャンスじゃね―――」グッ







婆っちゃたちの、思い出いっぱい詰まった鹿老渡高校。



その数年後の廃校は、ちゃちゃのんたちが入学する前から既に決まっていた。



それでも ちゃちゃのんたちの頑張りで、何かが変えられるかもしれんと―――



そう思いたかったんじゃ。





そう思って――――あの時、ちゃちゃのんたちは戦っとったんじゃ。




349 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/28(月) 18:19:11.46 ID:WxbcNbUq0




一回戦の相手は――



岐阜の斐太商業―――



石川の鞍月高校――――



そして南大阪からは、あの全国屈指の名門・姫松高校――――





ちゃちゃのん「ちゃちゃのんの相手は、あの不動のエース言われとる愛宕 洋榎さんじゃな―――」



ちゃちゃのん「それでも、ちゃちゃのんたちは… こんなトコで負けるわけにゃぁ、いかんのじゃ――――」





「まもなくインターハイ1回戦―――」



「第7試合から、第9試合が始まります!!」


ワァァァァッ…



350 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/29(火) 18:21:40.42 ID:eJBrp6KN0





ザザザーーーン…


洋榎「うーみーーーー!!」イヤッホーイ

胡桃「何気にこのメンツで海来るのって、初めてだね〜」

塞「あれ、沖縄に行ったんじゃ…?」

哩「その話はやめろ…」


ちゃちゃのん「みんな、何じゃか久しぶりじゃよね…」エヘヘッ

胡桃「ちゃちゃちゃん あれから結構経つけど、体調の方はもぅスッカリ大丈夫なの?」

ちゃちゃのん「うん、元気 元気♪ 最近はまたゼミと仕事漬けの毎日じゃよ〜〜」

塞「もぅ、ちゃんと休養とらなきゃ駄目だよー」



洋榎「それんしても 海なんて久しぶりやから、一人で水着コーナー入り浸ってもーたわ」カッカッカ

絹恵「言うてくれたら、付き合ったのに」バイーンッ

洋榎「絹はいっぱい持っとるやん…」ストーン


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんも、いっぱい持っちょるよ〜〜」ポヨンポヨン

漫「私も買いましたよ。 去年のでいいかと思ったけど、胸きつかったんでー」ドカーンッ

洋榎「………」ゲシゲシ

漫「あたー!?」

漫「ちょ、小キック連発 やめて下さいよ!!」

胡桃「……」ゲシゲシ

漫「先生まで!?」

胡桃「私なんてインハイ後の夏の水着、普通に着れるのに!!」

塞(胡桃なら、きっと小学生の頃のでも…)


351 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/29(火) 18:30:15.49 ID:eJBrp6KN0




洋榎「ま〜 何にせよ、今日は泳ぐでーー!!」


一同「「おーーーーーっ!!」」





  ク  ラ  ゲ  っ  !  !





洋榎「ちょ、一面クラゲやないかぃ!!」

ちゃちゃのん「ほわわっ、ふあふあじゃ〜〜〜」

哩「まぁ、もう9月だしな…」

セーラ「試験終わった8月頭は、サークル組は合宿やらで忙しかってん。 しゃーなしやな…」カカッ

ちゃちゃのん「まっとうなサークル所属のせーちゃんや絹ちゃんは、8月半ばは大会じゃったしのぅ…」



塞「下旬は私達が岩手に帰ってたもんねぇ〜」

洋榎「くそっ! 岩手についてきゃ良かったで!!」

塞「いや、連れてかないから―――」

胡桃「恥かかされちゃう…///」


セーラ「自分らの故郷ってアレなんやろ、行ったが最後 もぅ戻れない的な―――」

塞「どこのサイレントヒルよ…」

352 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/29(火) 18:32:07.58 ID:eJBrp6KN0



ちゃちゃのん「ちゃちゃのんはせーちゃんの水着見て、ちょっと安心したんじゃ…」

セーラ「男モノかもしれん、思ったんかー?」カカッ

ちゃちゃのん「ま、ま〜の…」


セーラ「俺はそうしよ思ったんやけど、浩子に張っ倒されたわ〜」カッカッカ

塞「当たり前でしょ、アンタ捕まるからね……」



セーラ「永水の副将とか、龍門渕のマジシャンのはええんか?」

塞「あ、あれはま〜 何て言うの… この国って、何故かあ〜いう人種の治外法権が認められてる的なとこあるし―――)ボソ

ちゃちゃのん「あ〜いう人種……?」

哩「合法ロリ、言いたいんちゃうか?」

塞「そんなストレートに…」



洋榎「じゃ〜 いいんちょなら、全然イケるやん!!」

胡桃「いや、別にしたくないから!?」

セーラ「せやねん、何で自分だけ そないケレン味ないかっこしとるんや?」ダメヤン

胡桃「いや、別に私 ノーマルだし。 ていうか、何その そうじゃなきゃイケない的な反応―――!?」


353 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/29(火) 18:34:08.91 ID:eJBrp6KN0



胡桃「ま、泳げないなら 砂場で遊べばいいか…」ペタペタ

ちゃちゃのん「胡桃ちゃん―――」

胡桃「何よ…?」ペタペタ

ちゃちゃのん「お遊戯しちょるみたいで、可愛いんじゃ〜〜!!」ダキツキー


胡桃「うっさいわよ、このバカ!!」ゲシゲシ





セーラ「ほんじゃ、バレーでもしようや、バレー!!」ポーーン

塞「トヨネがいたら負けないんだけどねぇ」

絹恵「運動なら任せてー」ブンブンッ

セーラ「あと一人誰かーー!!」

塞「胡桃、組まない?」

胡桃「私にバレーを勧めるとは、塞も随分と非道になったね…」チンマリ

塞「わ、悪かったわよ……」



胡桃「哩ちゃん、入ったら?」

哩「ん―――?」

胡桃「ボールびしばし当たるし、好きそうだから…」

哩「ちょっとばかし、私に対するイメージの修正を図ろうか―――」

胡桃「違うの?」

哩「違う…」


哩「大体、残り一人しか入れないのに、恋人をおいていくわけないだろう…」ギュッ

胡桃「公言してから、腹立つくらいイチャつくようになったよね…」シネバイイノニ…


354 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/29(火) 18:37:10.52 ID:eJBrp6KN0



セーラ「足引っ張ったら、おでこに乳の文字を―――」

漫「末原先輩方式ですか!?」

セーラ「焼印するで〜〜」カカッ

漫「違う、もっと禍々しい別の何か方式やった!?」コッワ



絹恵「私のキャッチング技術、見とってな〜」グッグッ

塞「ちゃんと、弾き返してね!?」

絹恵「私のキャッチング技術―――」

塞「キャッチしたらダメだからね!?」



洋榎「あー くっそ、出遅れたわ〜〜」

胡桃「審判でもやる?」

洋榎「ルール分からん…」

ちゃちゃのん「あ、じゃあ ちゃちゃのんが審判やるんじゃ…」トトッ



ちゃちゃのん「これでもアイドルビーチバレー大会で、今年は2回戦まで進出したんじゃよ!!」フフン

洋榎「微妙やなー」

胡桃「パッとしないね…」

ちゃちゃのん「えぇっ、チハちゃんと頑張って、去年よりも成績上がったんじゃよ!?」ガーーン

哩(インハイじゃ宮守は、そのパッとしない成績だったような…)

355 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/29(火) 18:39:29.86 ID:eJBrp6KN0



ホイミ ベホイミ ベホマラー…


洋榎「しっかし、見事にクラゲまみれやなー」

胡桃「泳ぐのは無理そうだね…」


洋榎「バイトとデビ子は?」

胡桃「あっちで砂風呂してるよ」

洋榎「お、楽しそうやなー」


胡桃「……まあ、楽しそうではあったよ」

胡桃「凄い愉悦の目で、姫ちゃんがじわじわと哩ちゃん埋めてたし…」

洋榎「ふーん。 ウチもどっさりかけたろかな」

胡桃「やめた方がいいんじゃないかなあ、完全に二人の世界だったし」





洋榎「とりあえず、海に来たからには泳がんとな!!」

洋榎「クッローーーーール!」ザババババ

胡桃「砂の上を泳いでるっ!?」


洋榎「このへん柔らかいから、軽く潜れるでー!」ザババババ



バチコーーーン!!

ブクブクブク…


セーラ「すまんすまん、ボールこっち飛んでこーへんかった?」タタッ

胡桃「飛んできて、代わりにスイマーが吹っ飛んだ…」

セーラ「は―――?」


356 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/29(火) 18:41:34.02 ID:eJBrp6KN0



塞「ボール見つかった?」

セーラ「何や、洋榎のヤツに直撃したらしいわ」カッカッカ

漫「もぅ、何マーズアタックかましとるんですか〜〜」



セーラ「ヨッシャ、今度こそ決めたるでーー!!」

塞「次こそ塞ぐ!!」

絹恵「ペナルティーエリア外からのシュートなら、私に任したって下さい!!」

塞「だからすぐキャッチングしようとしないの!?」


ちゃちゃのん(ヒロちゃん、大丈夫だったんじゃろか―――?)



バッチーーーンッ!!

ドギュルルルーーーーーッ!!

ちゃちゃのん「うっひゃーー!?」ビックゥッ


塞「ちゃちゃのん、ボンヤリしてると危ないよ〜」

ちゃちゃのん「あっ、うん。 ゴメンの…」

ちゃちゃのん「…………」



ちゃちゃのん「えっと、今ので点数、忘れてまったんじゃ…」タハハッ

塞「え〜〜〜」

セーラ「ま〜 そんなん、だいたいでええねん!!」カカッ



漫「あ、今度はウチが審判しますから、ちゃちゃさんも参加したって下さいよ」

ちゃちゃのん「あ、うん…」ドキドキ

セーラ「いちごか、ま〜 丁度ええハンデやな」

ちゃちゃのん「いきなり おみそ扱いされたんじゃ!?」

357 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/29(火) 18:49:18.76 ID:eJBrp6KN0



セーラ「パスやでー」ポーーン

ちゃちゃのん「よし、ちゃちゃのんアタックじゃ!!」タタッ


ズルッ ドベッ

ちゃちゃのん「ふぎゃっ!?」

セーラ「ギャハハ、何で自分 ワカメで転けとんねん!! やっぱ、いちごはウンチやなーー」ゲラゲラ

ちゃちゃのん「うぅ〜 その言い方はヤメるんじゃ〜〜!!」





絹恵「臼沢さん!!」

塞「よっし!!」タタッ


セーラ「いちご、ブロックやで!!」

ちゃちゃのん「う、うん…」ピョンコ


バンッ

ちゃちゃのん「うぎゃっ!?」

セーラ「おぉっ、ナイス顔面ブロック!!」

絹恵「石崎さん、ナイスガッツやで〜〜!!」



塞「えと、ちゃちゃのん ゴメン…」



漫「水挿すようですけど、点数入ってますからね……」


358 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/29(火) 19:08:04.43 ID:eJBrp6KN0



セーラ「サーブと見せかけて〜 ドッチボールやーー!!」ズギューーン


バチーンッ

セーラ「なんやて!?」



絹恵「この程度のボール、片手で充分やで〜〜」シュゥゥゥゥ…

塞「絹ちゃん、凄っ!! 何か、手から煙とか出てるよ!?」



絹恵「ウチ渾身のタイガーラブショット、くらえーーーッ!!」グワッ



ドッギャーーーーン!!


塞「いや、蹴っちゃ駄目でしょ!?」






漫「―――今ので、ボール粉砕されたでーーー」


ちゃちゃのん「もぅ、メチャクチャじゃ…」




セーラ「ボールのうなってもぅたし、何や遊べそうなもんでも探してくるか…」


漫「あ、ほんならウチらも行きますよ〜〜」


359 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 02:55:08.61 ID:FV9p5Qlh0




ザザザーーン


ちゃちゃのん(あっちにおるんは、ヒロちゃんと胡桃ちゃん―――?)


塞「あの二人、あっちで何を話してるんだろうね…」

ちゃちゃのん「あっ、塞ちゃん…」




ちゃちゃのん「そういえば塞ちゃんと胡桃ちゃん、しばらく岩手に帰っちょったんじゃよね…」

塞「うん、お正月にも帰省はしてるけど、久しぶりに宮守のみんなと色々お喋りした……」



塞「シロのことは、前にもちょっと話したっけ?」

ちゃちゃのん「マヨヒガの白望(しろみ)さん? 確か東京の麻雀名門校 龍門谷大学で、麻雀部の部長さん頑張ちょるって―――」



塞「うん、そうだったんだけど… シロのヤツ―――」

塞「今年の春先に未成年部員の飲酒事件があって、部は夏までの活動休止。 そのことに責任感じて、引責退部したんだって…」


ちゃちゃのん「それは、白望さん 落ち込んどったじゃろうね…」


360 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 02:59:12.36 ID:FV9p5Qlh0



塞「うん… 確かに暫くは、それで落ち込んでたらしいんだけど―――」


塞「今年新しく入った一年の子の頑張りに触発されたのか、最近はだいぶ元気とり戻したって…」

ちゃちゃのん「そっかぁ、それは良かったんじゃ…♪」




塞「ま… 相変わらずのものぐさで『ダルぃ』とか言って、ロクにお風呂にも入らないから―――」

塞「周囲から『シラミ』とか、アダ名付けられちゃってるみたいなんだけど…」フフッ

ちゃちゃのん「女の子にシラミっちゅうアダ名は、あんまりなんじゃ…」



塞「あとこの前 大学の友達との旅行で、フランスにあるギュスターヴ・モローの美術館に行って―――」

塞「モローの螺旋階段とか、何とかっていう多翼祭壇画を見られたとか―――珍しく、ちょっと興奮気味に語ってたなぁ」クスッ


ちゃちゃのん「白望さん、芸術学部ゆーとったもんね。 ちゃちゃのんも綺麗な絵画とか、そういうのは大好きじゃよ♪」




塞「本当は私たちと一緒にって 関西方面の芸術科も受けたんだけど、こっちの方は落ちちゃったのよね」

ちゃちゃのん「ほんじゃぁ、もしかしたら白望さんが ここにおったかもしれんのじゃね…」


塞「まぁ、シロはシロで今の大学生活 楽しくやってるみたいだし、こういうのを縁って言うんでしょうね……」

ちゃちゃのん「うん、そうかもしれんのぅ―――」



塞「エイスリンは相変わらずちょっと不思議ちゃんだったけど、日本語の方は随分上手になってたなぁ―――」


361 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 03:01:17.40 ID:FV9p5Qlh0




ザザザーーーン


塞「―――熊倉先生 病気療養中で、あんまり良くないみたいなんだ…」


ちゃちゃのん「―――そっかぁ、早く元気になってくれるとええのぅ…」


塞「あっちに残ったトヨネ一人に任せちゃって、何だか少し申しわけないって思っちゃった…」




塞「私たちもそろそろ本気で就活のこと考え始めなきゃいけない時期だし、大学4年間なんて本当にあっという間だよね…」


ちゃちゃのん「うん、ホンにあっちゅう間じゃのぅ…」




塞「就職のこととか 考えてなかったわけじゃないけど、大学卒業したら 一度あっちに帰ろっかなぁ……」


ちゃちゃのん「…………」



塞「胡桃は―――あの子は卒業した後のこと、どう考えてんだろ……」


362 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 03:04:44.44 ID:FV9p5Qlh0



ちゃちゃのん「胡桃ちゃんのトコにゃぁ、今もよぅ泊まっちょるの―――?」


塞「ん、うん… 最近はゼミも忙しいし、なかなか入り浸りってわけにもいかないんだけど―――」



塞「掃除とか洗濯の手伝いしたり、一緒にご飯食べたり、一緒に映画を見たりはしてるかな…」


ちゃちゃのん「相変わらず、仲良しさんじゃのぅ…」




塞「まぁ、そうしてる時間が私にとっては自然っていうか… 落ち着く時間だから……」



塞「胡桃といるとさ、何か 明日も頑張ろーーって気にさせてくれるっていうの? 」


塞「まぁ、そんな感じ―――」タハハ


ちゃちゃのん「ホンに、仲良しさんじゃね―――」クスッ



363 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 03:08:45.21 ID:FV9p5Qlh0




塞「でも、胡桃に恋人とか出来たら―――きっと、そういう時間もなくなるんだろうね…」


ちゃちゃのん「それは、寂しいのぅ…」



塞「ま… それはそうなんだけど…」


塞「いくら姉妹みたいなもんでも、いつかはそういう日が来るって 分かってるからさ……」




塞「その時は、ちゃんとお祝いするよ――――」



ちゃちゃのん「塞ちゃん……」






塞「そういうちゃちゃのんは、たまには広島に帰ってるの?」


ちゃちゃのん「えと、仕事も忙しいし… 最近はなかなか帰れとらんのぅ―――」アセッ



塞「――――そっか」


塞「でも帰るとこあるんなら、たまには帰って 元気な顔の一つでも見せてあげなきゃ駄目だよ」


ちゃちゃのん「う、うん……」





ザザザーーーン



呉に住んどるお父さんとお母さんとは良好じゃけど…



何だか昔のお父さんに申しわけない気がして、ちょっと疎遠になりがちじゃった。




鹿老渡高校のみんなは、あの後も変わらず優しかったけど…



卒業以降、ちゃちゃのんは何となくみんなと会えずにおった――――



364 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 19:21:39.71 ID:FV9p5Qlh0



ザザザーーーン


洋榎「と、いうわけで、バーベキューやで!!」

塞「海辺のバーベキューか、なかなか素敵かもね」

セーラ「温泉やなかったけど、風呂も気持ち良かったでー!」フハァーー


洋榎「旅館の人のご好意で、焼き台借りられたでー!!」

哩「ちなみに食材は持参するルールだそうだ」

胡桃「え!?」


塞「誰か何か持ってきた!?」

ちゃちゃのん「よ、酔い止めのキャンディくらいしか……」アゥ

セーラ「フリスクあるでー」シャッシャッ

胡桃(あ、これはダメなやつだ…)



絹恵「バイク借りて、私 スーパー行ってこようか?」

塞「ここ来る途中にスーパー見かけた?」

絹恵「……」




洋榎「くらげって食えるんかな?」

胡桃「!?」

哩「まだ調理した経験はないな―――」

胡桃「まさか、食べる気!?」

ちゃちゃのん「目が本気(マジ)じゃ!?」

セーラ「うにくらげとか中華くらげはイケルんやし、何とかなるんちゃう?」

ちゃちゃのん「やめといた方が、ええと思うんじゃが…」



哩「安心しろ、毒見はかって出てやる」

洋榎「当然やろ」

胡桃(それさえもプレイなのかと思えてくる…)


365 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 19:24:15.90 ID:FV9p5Qlh0



洋榎「そうや、この後 定番の肝試しでもせーへん?」

胡桃「え〜〜〜」

セーラ「えーでー そんじゃ、旅館の人にそれっぽい場所でも聞いとくか?」

塞「ていうか、もぅお盆シーズンでもないよね」



カタカタ カタカタ

絹恵「いちごさんが、そこで思いっきり震えとんでーー」

漫「ちゃちゃさんは相変わらずのヘタレっぷりやな〜〜」ケラケラ




ジュー ジュー ジュー

哩「調理、完了ばい―――」フゥ

洋榎「おっ、何や焼きゼリーみたいでイケそうなんちゃう?」

セーラ「ほな哩先生、毒見の方は頼んまっせ〜〜♪」カッカッカ




ぷるぷるぷる〜

哩「――――」ゴクリ

塞「やっぱやめといた方が良いんじゃ?」





姫子「はぁ、何だかお腹すいてきたばい…」ボソ


哩「覚悟完了―――!!」クワッ



ガツガツ ごっくん


哩「―――完・食!!」フハァ




セーラ「おぉっ、流石は哩先生!! そこにシビレる―――」


塞「―――憧れはしないわよ…」



366 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 19:29:56.71 ID:FV9p5Qlh0



洋榎「とりあえず即効性の何かはなさそうやし、ウチらも食うでーー!!」

セーラ「お… コリコリ食感で、なかなかイケるんとちゃう!?」クチャクチャ


胡桃「はぁ、仕方ないか… とりあえずお醤油でもつけて―――」チュル…

塞「まぁ、胡桃たちも食べるんなら……」



ちゃちゃのん「うぅ……」

洋榎「何やちゃちゃ、自分もしっかり味わっといた方がええで!!」カッカッカ


ちゃちゃのん「えとっ、ちゃちゃのんは… ダイエットしとるし、別にええんじゃ…」ビクビク

洋榎「まぁ、モノは試しやで。 こんにゃくゼリー思って食っとけて〜〜♪」ズズィッ

セーラ「そうやで、人生は何ごとも挑戦やで〜〜〜♪」ホレホレッ


ちゃちゃのん「―――うぅ〜〜 や、ヤメるんじゃ〜〜〜!?」






その後 みんなで体調崩して、ちゃちゃのんたちの一泊二日の旅行は終わったんじゃ――――







哩「私の調理は 完璧だったはずばい―――」


胡桃「あ、そこは自信持ってるんだ…」



367 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 21:09:11.83 ID:FV9p5Qlh0




瑞原 はやりの〜〜〜♪



サラマンダーより ずっとはや〜〜〜〜い☆





♪〜 チャチャチャチャッチャッチャ チャチャチャチャーーーーン☆



はやり「はーややー!! 良い子のみんなーー! こ〜〜んばんはーーーっ!! みんなのアイドル☆瑞原はやりだよ〜〜〜♪」キュピーーン

ハッヤリーーン!! ハヤーーッ!! ハヤヤーーッ!! ハイノオネーーサーーン!!


はやり「今日は公開生放送ということで〜 とっても素敵なゲストさんをお呼びしていま〜〜すっ☆」ダレダロー

ダレダローー?


はやり「ヒントはね〜 最近 関西の方で地味〜〜に人気を上げてきている、若手のアイドルさんなんだって〜〜」ダレカナーー

ダレカナーー?


はやり「あっ… でも17歳のはやりよりは、ちょっぴりお姉ちゃんなんだけどね〜〜〜」テヘッ

ワハハハハ… ムリスンナーーー


はやり「今、(31)とか(39)とか言ったのは誰かな〜〜 そんな悪い子は〜 撲殺しちゃう〜〜ぞっ☆」ピピルピルピルピピルピーー

ワハハハハハハハ


はやり「はやや〜〜 そろそろゲストさんが来る頃だと思うんだけど、どうしたのかな〜〜〜?」キョロキョロ

タムラウシローー!!




ちゃちゃのん「―――ど、どうも、初めまして… ちゃ、ちゃちゃのんなんじゃ…」ドギマギ

チャッチャノーーン!! イチゴチャーーン!! アイシテマスワーーー!!




瑞原 はやり(17)
368 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 21:18:50.48 ID:FV9p5Qlh0



はやり「は〜〜い、というわけで〜〜♪ 今日のゲストさんは、はやりと同じアイドル雀士としても知られる 佐々野いちごちゃんだよ〜〜☆」パンパカパーーン


ちゃちゃのん「きょ、今日は、よ、ヨロシク、お願いしましゅ!!」カチコチ


はやり「あっれれ〜〜? いちごちゃん、もしかしてスッゴい緊張してる〜〜☆」



ちゃちゃのん「ひゃい!? あ、憧れの大先輩、牌のお姉さんのはやりさんの番組に出して貰えるなんて、思っても見なかったけぇ…」アセアセッ

チャチャノン ガンバッテーー


はやり「いちごちゃんのその飾らない広島弁って、とっても可愛いよね〜〜♪」


ちゃちゃのん「そ、そうじゃろか…? じゃったら、ええんじゃが……///」テレテレ




はやり「いちごちゃんは高校生の時に、インハイにも出たくらい麻雀が得意だけど―――」


はやり「将来的にはプロだったり、牌のお姉さんを目指す気はあるのかな〜〜?」


ちゃちゃのん「ふぇっ!? ちゃちゃのんそこまで麻雀強いわけでもないし、牌のお姉さんなんておそれ多いんじゃ……」アワワ…


はやり「うん♪ それはそうかもしれないね〜〜〜〜☆」


ちゃちゃのん「あぅっ!?」

ワハハハ ハヤリンキビシーー


369 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 21:29:32.74 ID:FV9p5Qlh0



はやり「さてさて、それではお次は〜 いちごちゃんへの今日の はややーな質問コーナーだよ〜〜〜☆」キャルルーーン

ちゃちゃのん「は、はい!! ちゃちゃのん、頑張るけぇ!!」ドキドキ



はやり「ラジオの前のみんなも、いちごちゃんと一緒に想像力を働かせてね〜〜〜♪」ジャンッ




はやり「今 いちごちゃんは、地上数十メートルのビルとビルの間に架けられた鉄骨を 不安定な状態で渡っています―――」

ちゃちゃのん「ほぇ……?」



はやり「鉄骨の上、前を歩む知人の石田さんを突き落とさなければ―――いちごちゃんは後ろから来る他の人に突き落とされてしまいます…」


はやり「さ〜 こんな時、いちごちゃんなら どうしますか〜〜〜☆」ハヤヤーー


チッチッチッチッ…

ちゃちゃのん「―――えっと、何じゃろ この質問…? そんなん、分からんよぅ……」アワワッ


はやり「はやや〜 時間切れ〜 哀れ、いちごちゃんは奈落の底へと突き落とされてしまいました〜〜〜」ブッブーー


ちゃちゃのん「えっ―――!?」ガーーン

チャチャノン ドンマーーイ


370 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 21:31:19.80 ID:FV9p5Qlh0



はやり「それでは〜 いちごちゃんが、もしどちらかとお付き合いするとしたら―――」


はやり「アカギ似のクロサワと、クロサワ似のアカギ―――どちらとお付き合いしますか〜〜〜☆」ハヤヤーー


チッチッチッチッ…

ちゃちゃのん「えっと、誰じゃ―――?」



はやり「はやや〜 時間切れだよ〜〜〜」ブッブーー


はやり「もぅ〜 いちごちゃん、全然遅いよ〜〜 そんなんじゃ、はやりみたいな素敵なアイドルにはなれないぞ〜〜☆」


ちゃちゃのん「はぅぅっ―――!?」






♪〜 チャチャチャチャッチャッチャ チャチャチャチャーーーーン☆


ザザ… ザザザ……



洋榎「―――何やねん、この番組…」キッツ…

哩「はやりんはあ〜見えて、泥臭いギャンブル漫画とか大好きやからな…」キュッキュッ


胡桃「これが噂に聞く、芸能界の新人いびりってヤツかな」

哩「いや、ラジオのはやりんは大体こんなやで。 全く悪気とかはないはずばい…」

哩「弄られて輝くタイプは徹底的に弄り倒す、それがプロのMCいうもんやろ…」キュッキュッ


胡桃「あれ、もしかしてファン?」

哩「嫌いじゃないばい……///」キュッキュッ


洋榎「あ、おかわり…」ゴトッ

胡桃「あんた、まだ飲むの…」


371 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 21:34:13.56 ID:FV9p5Qlh0




はやり「いちごちゃん、今日はどうもお疲れさま〜〜♪」

ちゃちゃのん「は、はやりさん。 きょ、今日はどうもありがとうございました!!」ペコリン




はやり「いちごちゃん、何だか凄く緊張してたみたいだけど… 大丈夫だった?」

ちゃちゃのん「うぅ、色々とご迷惑おかけしてしまって、本当にお恥ずかしい限りなんじゃ…」


はやり「あはは、はやりは別に良いよ♪ ファンの子たちも楽しんでくれてたし、きっと今日はアレが正解だったんだよっ☆」

ちゃちゃのん「えと……」



はやり「アイドルってファンの子たちに楽しんで貰ったり、勇気付けてあげたり、夢を見て貰うための存在でしょー」

はやり「そのためのやり方っていうのも、当然 一つじゃないと思うんだ―――」


はやり「はやりたちを笑ってもらうことで、会場のみんなが元気になってくれるんなら それもきっと正解なんだよ〜〜」




はやり「だからいちごちゃんも、恥ずかしいとか、自分には出来ないなんて、怖がってちゃ駄目だよっ☆」

ちゃちゃのん「は、はい!! ちゃちゃのんも、もっともっと頑張るんじゃ!!」



はやり「うん、うん、その調子♪ やっぱり素直な子って素敵だよね―――」


はやり「お胸のサイズも、はやりはいちごちゃんくらいがアイドルとして最高だと思うんだ〜〜☆」

ちゃちゃのん「えぇっ!? ちゃちゃのんは、はやりさんが羨ましいんじゃ!?」



はやり「でも無理はしちゃダメだぞ☆ いちごちゃん、この前 撮影の時に倒れたっていうじゃない」

ちゃちゃのん「は、はぃ……」


はやり「現場の人たちに迷惑かけちゃうのもそうだけど、やっぱりファンの子たちを心配させちゃいけないからね〜〜」



はやり「アイドルは―――常にアイドルたれってねっ☆」テヘッ



372 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/30(水) 21:38:57.21 ID:FV9p5Qlh0




ピリリリリリリ……

オオサカユキノ デンシャガ ハッシャイタシマス……




ちゃちゃのん(やっぱりはやりさんはとっても優しくて素敵な、凄いアイドルさんじゃったのぅ…)


ちゃちゃのん(自分がどう見られたいかとかより、ファンの子たちに楽しんで貰うことを 何よりも大切に思っちょるんじゃ…)


ちゃちゃのん(きっとはやりさんは、大切な人たちの笑顔のためにアイドルしとるんじゃろうね―――)


ちゃちゃのん(そういうトコ、やっぱりあの人に似とるんじゃ―――)





ブブッ ブブブーーー


ちゃちゃのん(哩ちゃんからメール…?)


ちゃちゃのん(クリスマスの前後に、みんなで集まってパーティーするんか…)


ちゃちゃのん(そういえば、最近 みんなと会えとらんのぅ―――)


ちゃちゃのん(せーちゃんは、今度の大会でいよいよ引退じゃな…)





ちゃちゃのん(ヒロちゃんと胡桃ちゃん、二人はクリスマスの夜 どうするんじゃろぅ……)




ちゃちゃのん(うぅん、ちゃちゃのんにゃぁ――――関係ないことじゃろ……)フルフル



373 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 01:15:06.17 ID:nkC/WCO50




ワイワイ ガヤガヤ


胡桃「わぁ、凄い人」キョロキョロ

洋榎「そら、関西リーグ優勝かかった大一番やからなぁ」

塞「優勝か準優勝で、東西頂上決戦だっけ?」

ちゃちゃのん「今年勝ったら、ウチは12年ぶりなんじゃって〜〜」

漫「詳しいですね」


ちゃちゃのん「もらったパンフに書いとったんじゃ〜〜」ホレホレ

漫「いいなぁ、皆さんはバス付きの応援ツアーですもんねぇ」

哩「こっちは自費での応援だからな…」

絹恵「はは… まぁ、私たちは学校ちゃいますしね」


漫「ていうか、ウチのとこはそもそも今日まで残れなかったし…」

漫「ヒメちゃんトコも今日出とるそうですけど、多分勝てないくらいの差がついてますね…」



洋榎「絹ンとこは、まだ十分圏内やろ?」

絹恵「ええよー、どうせ私はガッコじゃ麻雀してへんし。 知り合いも麻雀部にはおらんし―――」

絹恵「こっち側にいるのもバレへんやろうし、今日はこっちで応援するわ」

絹恵「知らない同じ大学の人より、セーラさん応援したいしなぁ!!」



ちゃちゃのん(さっき憩ちゃんトコ行ったけど、部の人と打合せしとって話せんかったな…)

ちゃちゃのん(今日 応援するんはせーちゃんじゃけど、また後で声でも掛けに行こうかの―――)



374 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 01:16:59.23 ID:nkC/WCO50




洋榎「お!」

胡桃「あ!?」

絹恵「!?」

漫「これっ……!!」


ちゃちゃのん「おおおおおおお!!」

哩「……ふっ」

洋榎「か、勝ったああああああああああああああ!!」

胡桃「す、すごい! 関西リーグ優勝!!」

塞「これ、東西戦でもいけるかもね!!」


ワァァァァァーーーーーーーッ





洋榎「お、セーラの奴、インタビューあるみたいやで!!」

塞「部長じゃないみたいだけど、エースではあるしね」

胡桃「デジカメ デジカメ―――」

ちゃちゃのん「あ… ちゃちゃのん動画撮っとくけぇ、写真頼んでもええ?」

胡桃「オッケー、後で交換しようね!」


375 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 01:19:15.60 ID:nkC/WCO50



パシャ パシャ パシャッ


セーラ「えー…… 高校時代からの悲願で、一度も成せへんかった優勝―――」


セーラ「それをついに今日、成すことが出来ました!!」


胡桃「思ったより、まともに受け答え出来てるね…」





セーラ「見とるかぁ、浩子ーーー!! 俺はやったでーーーーー!!!」ブイッ キィィィーーーーン



塞「うわ、はっずーー///」


洋榎「でもええなぁ、ああやって叫べる相手がおるって…」

胡桃「……ほんとにねぇ」


哩「………」ニヤニヤ

胡桃「うわぁ、渾身の羨ましいだろって顔」グヌヌ

洋榎「ホンマ、殴りたいわーーー」



ちゃちゃのん(せーちゃん、とっても幸せそうじゃ。 ホンに良かったのぅ……)ホロリッ



376 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 01:21:50.16 ID:nkC/WCO50



洋榎「しっかしあれやな… セーラがガッツリ削ったから、今日試合ない ゆーこんとこが総合3位か」

洋榎「ちょっくら、祝辞述べてくるわー」

漫「あ、私も!!」



胡桃「そーいえば… 姫松の他の人とは、あんまり会ったことってないなぁ」

塞「まあ、どこまで行っても友達の友達って感じだろうしねぇ…」

胡桃「友達の友達でも、頻繁に会えたら友達にもなるんだけどね」

哩「じゃ〜 今度のクリスマスに連れてきてもらうか?」



哩「結構大きな会場も取れたし、友人連れて皆で集まって交流を広げりゃええ」

胡桃「おお、まともな提案」

哩「人脈は広げておきたいばいね」



哩「佐々野のヤツに頼めば知り合いのアイドルの子とか、もしかしたら連れてきてくれるかもしれんぞ…」

胡桃「あるかもだけど、ちゃちゃちゃん そういうの苦手そうだよね」


塞「そういえば、ちゃちゃのんもどっか行っちゃったね……?」


377 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 01:28:04.60 ID:nkC/WCO50



ちゃちゃのん「憩ちゃん、4年連続の東西戦進出 おめでとなんじゃ―――」

憩「あ、いちごちゃん。 うん、おおきにな〜〜♪」




ちゃちゃのん「さっき、ヒロちゃんおった?」

憩「あはは… 2位おめでとやで、2位おめでとやでって、2位を連呼されてまいましたわーー」ハハッ

ちゃちゃのん「そりゃまた… ゴメンの、ヒロちゃん無神経じゃけぇ…」


憩「まー 本当のことやさかい、別にええんやけどねーー」





憩「にしても、今日のセーラさんはホンマ強かったな〜〜」

ちゃちゃのん「うん、役も高いし、何かいつもより聴牌スピードまで速かったんじゃ…」



憩「きっとアレが、セーラさんの持つ強さの一つなんでしょうねー」

ちゃちゃのん「せーちゃんも能力者ってことじゃろか?」



憩「アレはウチらが呼ぶ、能力とはまた別のモンやろなーー」

ちゃちゃのん「それって―――?」





憩「確固たる信念を持つ者には、大事なところで牌が応えてくれる――――」




憩「強靭な意志のチカラがツキを呼ぶこともある、そういう古くからある精神論に近いものかもしれませんねー」



378 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 01:32:35.82 ID:nkC/WCO50



ちゃちゃのん「えと、それって能力とどう違うんじゃ?」


憩「ウチら能力者のチカラは場の流れや確率とか、ある限定的な事象に直接干渉する イビツなチカラや思います―――」



憩「対して、さっきセーラさんが見せたアレは―――」

憩「非能力者ゆえか、もっと自然的な…… 全体に対して働きかけるようなもん やったんやないやろか―――」




憩「患部を直接切ったりして治療する、外科的な西洋医学と―――」

憩「人の本来持つ自然治癒力により全体を治療する、調和型の東洋医学とでも言えば分かり易いんでしょうかねー?」


ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 なるほどの〜〜〜」




憩「そしてそういうんは、一度ハマるとそうそう崩せるもんやないですから とっても怖いんですよーーぅ」

ちゃちゃのん「憩ちゃんでも、怖いって思うくらいなんじゃね〜〜」



憩「ま〜 ウチらの能力と違って、自由に発動出来たりするようなもんやないですけどねーー」

ちゃちゃのん「そうじゃのぅ… あまりそれに頼るわけにもイカンよね…」



379 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 01:35:11.67 ID:nkC/WCO50



憩「なんにせよ… これでセーラさんは、プロなり実業団なりに行けるでしょうねーー」


ちゃちゃのん「せーちゃん、卒業後も麻雀一本で行くゆーとったし 嬉しい限りじゃね♪」





憩「それで洋榎さんの方は、卒業後はどうするとか言うてましたか―――?」


ちゃちゃのん「ヒロちゃん―――たぶん、今もプロを目指しちょるはずじゃけど……」


憩「そうですか――――」


ちゃちゃのん「――――?」




ちゃちゃのん「ヒロちゃんが、どうかしたんじゃろか?」


憩「これはウチの勝手な想像なんやけどーー」





憩「――――たぶん今の洋榎さんじゃ、プロは無理やと思いますよーーぅ」



380 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 01:39:39.53 ID:nkC/WCO50




ちゃちゃのん「ヒロちゃんじゃ、プロにゃぁ なれん―――?」ドキッ


憩「ま〜 それがウチが彼女の周囲の人から、話を聞いてみての率直な感想ですよーーぅ」



憩「大学に進学してからの洋榎さん、麻雀部もヤメて友達との対局しかやっとらんのでしょう?」

ちゃちゃのん「そ、それはま〜 そうじゃけど… それは今のうちに麻雀以外の人生経験も、たくさん積んでおこう思ってのことみたいじゃし…」


ちゃちゃのん「それに今でもヒロちゃん、哩ちゃんやせーちゃん相手でも 決して引けは取っちょらんよ―――」


憩「それは麻雀ヤメてリザベーションも抜きの哩さんと、公式戦でないセーラさん相手での話ですよねー」




憩「仮に今日のセーラさんとやって、いちごちゃんは今の洋榎さんが勝てたと思いますかーー?」


ちゃちゃのん「そ、それは… たぶん、無理じゃろうね……」グッ





憩「洋榎さん、あの人は高校時代―――あまりに負けなさすぎましたかね…」


ちゃちゃのん「確かに… ヒロちゃんは全国大会でも、常にプラスの成績を残しちょったけぇ…」


憩「それが防御を得意とする彼女の強みでもあり、自信の源にもなっとるんやと思います……」



憩「麻雀いう競技は同卓の4人で点数を競い合うもんやけど、そこに持ち点共有の団体戦いう要素も加わると―――」

憩「必ずしも不安定な一位上がりよりも、安定した2位のプラス収支の方が大事になるいうこともありますよねーー」

ちゃちゃのん「それは、ま〜 そうじゃろうね…」




憩「一位上がりこそ出来んかったけど 今回も自分はプラスやし、負けたんは他の人がへこみ過ぎたせいやと―――」


憩「個人戦の時でも、彼女はそうやって納得してまうクセがあったんやないかなーー」


ちゃちゃのん「……確かに、そういうトコあるかもしれんのぅ」


381 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 01:44:00.63 ID:nkC/WCO50



憩「全国でも常にプラスの成績だった彼女のことを、一部の人たちは非能力者最強とか呼んどるようやけど―――」



憩「その自尊心やプライドゆえか… 彼女は知らず知らずのうちに―――」

憩「分の悪い能力者との対局を無難に流し、プラスで終えようとする傾向があります…」


憩「せやけど、プロの世界では誰もがトップクラス。 それら全てを無難に流すわけにはいきませんー」




憩「そもそも彼女本来の持ち味は、自由にして天衣無縫な 対局相手すらも惹きつけてまう楽しい麻雀―――」


憩「それが失われてしまっては、仮にプロになれたとしても―――今より上は目指せんやろなーー」

ちゃちゃのん「…………」




憩「もしかしたら大学で麻雀を続けんかったのも、今の自分のメッキを剥がされるのが 怖い思ったからかもしれませんよーぅ」クスッ

ちゃちゃのん「そ、そんな!? ヒロちゃんは、そんな弱い人じゃないんじゃ!!」



憩「ま〜 そうなのかもしれへんけど。 ともかく彼女は、高校時代に自分の中で一つの完成形を作ってしまったんやろな」




憩「彼女はまだ完成するには早すぎる―――ウチはそんだけの才能と可能性が、あの人にはある思ってますよって―――」フフッ


ちゃちゃのん「憩ちゃん……」



382 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 01:46:25.24 ID:nkC/WCO50



憩「せやから… 今の彼女が更に進化するには、そのプライドを一度粉みじんに粉砕する必要があるんやないかなーー?」ニッコリ


ちゃちゃのん「そ、それは―――」




憩「ただ流石のウチでも、洋榎さんクラスの人を一人で完膚無きまでにヘコますんは ちょっと厳しい思いますんで―――」


憩「そのうち洋榎さん潰すのに最適な人たち見つけて遊びに行きますよって、楽しみにしとって下さいねーー♪」アハハ


ちゃちゃのん「あはは……(憩ちゃんの笑顔は、時々 怖いんじゃ……)」フルフル





麻雀部員「憩さ〜ん、そろそろ集合の時間みたいですよ〜〜」


憩「あ、すぐ行きますよーーーぅ」






憩「あの人には――――セーラさんと一緒に、将来 非能力者の柱になって貰いたい思ってますからねーー」ボソッ




憩「それじゃ いちごちゃん、またなーー♪」バイバイ


ちゃちゃのん「あ、うん… またの―――」フリフリ




383 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 02:12:17.07 ID:nkC/WCO50




そして、あのクリスマスイブがやってきた―――




「むしろイブこそサークル単位のイベントはない」ゆーことで、結局 パーティーはイブの日になったらしい。


恋人とクリスマスの夜を過ごしたいっちゅう人への配慮からか、昼前に集合して夜の11時を解散時間にしたそうじゃ。





ワイワイ ガヤガヤ


フナQ「よっ、久しぶりやなぁ〜♪」ウィィーー

ちゃちゃのん「あ、浩子ちゃん。 お久しぶりじゃね…」


フナQ「なんや自分、相変わらずジュースなんか飲んで ショボくれたツラしとんな〜〜」ヒック

ちゃちゃのん「浩子ちゃんは、随分と楽しく呑んどるみたいじゃのぅ…」


フナQ「そらそうやろ、イブやでイブ!! 恋人たちと、星の鼓動は愛やで!!」



フナQ「ちなみにウチは、戸田尚伸センセの惑星(ほし)をつぐ者派やねん♪ 」カカッ


フナQ「岸センセの恐竜大紀行と、てんぎゃんなんかもええな〜〜〜」ウヒャヒャッ


ちゃちゃのん「ははは……」ナンノ ハナシジャロウ?



384 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 02:15:25.68 ID:nkC/WCO50



フナQ「て言うか、自分… この前のセーラからのウチへの愛の告白、ちゃんと聞いとったんやろな〜〜♪」エイドリアーーン!!


ちゃちゃのん「う、うん… とっても情熱的じゃったのぅ…」ハハッ




オーーイ ヒロコーーー ドコイッタンヤーーー?


フナQ「おっと、ダーリンからのお呼びが掛かったみたいや。 あの寂しがり屋さんが〜〜〜」カッカッカ


ちゃちゃのん「あ、浩子ちゃん。 そんじゃ、またの…」フリフリ


ちゃちゃのん「…………」




浩子ちゃんの他にも たくさんの友達の友達が集まり、会場はちょっとした社交パーティーみたいじゃ。



きっとこん中から、未来のプロ雀士になる人もたくさん出ることじゃろぅ。





そしてこの日は、ちゃちゃのんたちにとって―――



決して 忘れることの出来ん、思い出深い日となったんじゃ――――



385 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:30:17.36 ID:nkC/WCO50



ワイワイ ガヤガヤ


ちゃちゃのん「………美味しいんじゃ」ボソッ



哩ちゃんの手料理は暖かくて、とっても美味しかった。



きっと哩ちゃんは、素敵な料理人とお嫁さんになれるじゃろうね。



会場はとても盛り上がっとって、ベロベロに酔いつぶれて居眠りする人までいるようじゃ。



こういう会場の持つ熱気みたいなモンに当てられ、ちょっとのぼせそうになる。



ちゃちゃのん(外に出て、少し夜風にでも当たろうかの…)





ちゃちゃのん「ひゃ〜〜 今夜はいつにも増して、冷え込むのぅ…」ハァ


ちゃちゃのん「ありゃ、息が真っ白じゃ。 もしかしたら、雪でも降り出すかもしれんね…」



冬空の下の寒気が 上気した肌から熱を奪っていくのが感じられ、ええ気持ちじゃった。


386 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:32:44.65 ID:nkC/WCO50



ちゃちゃのん(…………)


ちゃちゃのん(何となく… あの場所に自分の居場所など、ないような気がしてしまう…)


ちゃちゃのん(ヒロちゃんたちと再会する以前によぅ感じとったこんな気持ちに、ちゃちゃのん 何で今更なっとるんじゃろぅ…?)




ちゃちゃのん「―――大阪の夜空は、やっぱり鹿老渡ほどロマンチックではないのぅ…」



そうやって暫くボンヤリしちょったら、視界の端によく知る二人がうつり込む。





あれは、ヒロちゃんと胡桃ちゃん。



いつになく真剣で、とても照れた様子のヒロちゃん。



前を歩くヒロちゃんと、静かにそれについていく 緊張した面持ちの胡桃ちゃん。




方向からして、二人は公園の方へと向かったみたいじゃ――――



387 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:36:58.01 ID:nkC/WCO50




ちゃちゃのん「ああ、今日が… そうなんじゃね―――」



何故じゃかそれを見ただけで、すんなりと納得出来てしまった。





ヒロちゃんと胡桃ちゃん。


最近も二人は、一緒にいることが多かったようじゃが…


まだ周囲からは、二人が正式に付き合い始めたゆー話は聞かされとらんかった。




もしかしたら、二人は既に―――とも思ったんじゃが…


塞ちゃんと哩ちゃんが、そのことに気付かんとも思えんし


何よりそうなった時に、ヒロちゃんたちが そのことをみんなに隠しておくとは思えんかった。


少なくとも、ちゃちゃのんたちの仲はそれくらいの信頼関係で成りたっとったはずじゃ。





ちゃちゃのん「これも… ちゃちゃのんの勝手な、希望的観測ゆーヤツなんじゃろか…」



そんな自嘲めいたことを思ってみたりもしたが、それはみんなに失礼じゃなと自己嫌悪する。






それに何となく、そうじゃないかと思っとったんじゃ。



だって、ちゃちゃのん―――今日一日、ずっとヒロちゃんのこと見とったけぇ……



388 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:39:50.89 ID:nkC/WCO50




今日は朝から、ヒロちゃんの様子がいつもと違って感じられた。



いつもこういう席では進んでお酒を口にするヒロちゃんが、今日はずっとソフトドリンクを飲んどった。


いつも通りハイテンションに振舞っとったけぇ、傍目で見ればそうと気付かんかもしれん。


ましてヒロちゃんは飲んでもあまり赤くならんけぇ、親しい者ほどいつも通り飲んどるって勘違いしてしまう。



それにカクテルかチューハイじゃ言わんばかりに、必要もないマドラーをソフトドリンク入ったコップにさしとった。


それでちゃちゃのんにも、何となく察しがついたんじゃ。




今日がヒロちゃんにとって、何か特別な日になるんじゃなって――――









――――恋人の魔法は… もぅ解けてしもぅたみたいじゃね…




ちゃちゃのん「ふふ、馬鹿じゃよね。 もぅあん時に、この気持ちも全部ウソにしたはずなのに…」



ちゃちゃのん「何でちゃちゃのん… 今でもヒロちゃんのこと、自然と目で追ったりしとるんじゃろぅ…」



ちゃちゃのん「はぁ… 未練がましいったらないんじゃ――――」



389 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:42:50.17 ID:nkC/WCO50




12月14日のちゃちゃのんの誕生日―――



今年はこのイブのパーティーもあったけぇ、特にみんなで何かしようゆー話もなかった。



去年の誕生日の夜は、ヒロちゃんにお祝いしてもらったんじゃったな。



たった一年前のことなのに、何だか随分と昔のことみたいに感じられるんじゃ。






あの頃は…



まだ何も考えずに仲良しの親友として、ヒロちゃんと接することが出来とった。



プレゼント品評会やったり、一緒にストロベリーミルクゆーカクテル飲んだり、一緒のお布団で寝たりもしたのぅ。



思い出すと恥ずかしさのあまり転げまわりたくなるような出来事も、今ではええ思い出じゃ。





ヒロちゃんたち、みんなと出会ってからの大学生活は―――ホンに楽しいことばかりじゃった。



390 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:45:54.13 ID:nkC/WCO50




ゴールデンウィークに、みんなと出かけた大阪観光。



ヒロちゃんと親友になれた、にゃんカフェバイトの夜。



初めてヒロちゃんちに行った七夕の夜に見た、大阪の星空。



ヒロちゃんと初めて二人でした、あの日のお買い物。



大晦日、みんなと一緒にお伊勢参りなんかもしたのぅ。



映画撮影やったり、ゲリラライブしたり、ドキドキがいっぱいじゃった。




あん時は きっとちゃちゃのんも、あのキラキラしたモンの中にいたんじゃよね。



何だか、ホンに随分と昔のことみたいに感じられるんじゃ――――



391 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:47:46.70 ID:nkC/WCO50




――正直 ウチはアンタの恋路とか、そういうのどうでもええねん



――ただ、何もせず… 何の答えも出さずに不戦敗とか、そういうのイっちゃんイヤやねん



――せやから、もし好きなヤツがおるんなら



――自分みたいのは無様な突撃かまして、盛大に玉砕でもしてまえばええねん……





ちゃちゃのん「アレ、なんでじゃろ……?」



不意に、いつの日だったか―――



浩子ちゃんに言われた言葉を思い出す。





ちゃちゃのんは―――



その答えゆーモンを―――ちゃんと出すことが出来たんじゃろか……?



392 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:49:58.14 ID:nkC/WCO50




――そんでヒロちゃん、この前の胡桃ちゃんとの誕生日デートは楽しかったん?


――ん、まぁ… そうやな、オモロかったで〜〜



――そうそう、この前ちゃちゃと行った雑貨屋。 いいんちょに教えたったら、気に入ったみたいやで!!





――何だか、ヒロちゃんデート慣れしちょるの…


――まぁ、いいんちょとは何度か来とるし……





――ほな、手、つないどこか〜


――こ、コドモ扱いしないでってばっ!!


――ウチら、こうやって手ぇ繋いでたら 恋人に見えたりするんやろか?





ちゃちゃのん「出せたとか、出せないじゃない―――」



ちゃちゃのん「答えなんて、もぅ 最初から出とったじゃろ――――」ギュッ



393 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:52:07.11 ID:nkC/WCO50



それにちゃちゃのんは―――



何もヒロちゃんを、自分のモノにしよう思ったわけじゃないんじゃ――――





――ちゃちゃのんは… 胡桃ちゃんのエスコート役は、てっきり塞ちゃんじゃと…



――就職のこととか 考えてなかったわけじゃないけど、大学卒業したら 一度あっちに帰ろっかなぁ……



――胡桃は―――あの子は卒業した後のこと、どう考えてんだろ……



――胡桃といるとさ、何か 明日も頑張ろーーって気にさせてくれるっていうの?



――でも、胡桃に恋人とか出来たら―――きっと、そういう時間もなくなるんだろうね…



――いくら姉妹みたいなもんでも、いつかはそういう日が来るって 分かってるからさ……



――その時は、ちゃんとお祝いするよ――――





そういえば、今日の塞ちゃんからは香水の香りがした。



普段 そういうのすることのない彼女じゃけぇ、少し気になっとった。


394 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:53:59.77 ID:nkC/WCO50




塞ちゃんにとっての胡桃ちゃん。



二人が親友として、姉妹として過ごしてきた時間。





塞ちゃんは―――



きっと胡桃ちゃんのことを―――




一人の女性として、愛しちょるんじゃと思う――――







塞ちゃんは今日、胡桃ちゃんに その想いを伝えるつもりだったんじゃろか―――?




それとも 今の二人の関係を壊さないため、このまま何もせんつもりなんじゃろか―――?



395 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 22:57:14.87 ID:nkC/WCO50




ちゃちゃのんは―――




ただ大切なモノ、守りたかったんじゃ―――




みんなと過ごした、あのキラキラとした時間を壊さないため―――








だからあの日、ウソをついた―――




みんなとの幸せな時間、失いたくなかったけぇ――――












「――――――ちゃちゃ」





その時、不意に私が耳にしたもの――――それは大好きだった、貴方の声。




396 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:00:24.84 ID:nkC/WCO50




ちゃちゃのん「――――ひ、ヒロちゃん………?」



初めは幻聴かとも思ったけど、確かに貴女はそこにいた。




洋榎「なんや自分、顔 真っ青やで!! それにメッチャ身体 冷えきっとるやないか!?」


ちゃちゃのん「そ、そうじゃろか……」




顔が真っ青―――?



身体が冷えきっちょる―――?



そう言われるまで、全く気が付きもしなかったんじゃ……





洋榎「すぐ何か買ってくるから、とりあえずウチのコートでも羽織って待っとけな」ファサッ


ちゃちゃのん「あ、うん……」




何でこの人はこんなトコにおって、私のことを心配してくれとるんじゃろう……?


397 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:04:25.23 ID:nkC/WCO50



タッタッタッタッ


洋榎「ほれ、あつあつの缶ジュースやで。 身体暖まるから、これでも飲んどき」ホイッ


ちゃちゃのん「あ、ありがと……」



カシュ カシュ…


洋榎「何や、指かじかんで開けられんのか? 相変わらず、すっとろいやっちゃな〜〜」カカッ


ちゃちゃのん「あぅ、そんなことは、ないんじゃ…///」



洋榎「ホレ、ウチが開けたるから ちょい寄越し」ヒョイ プシュッ


洋榎「ほいっ」


ちゃちゃのん「ん……」



コクコクッ

ちゃちゃのん「ふぁ… ぬくぬくじゃ…」


ちゃちゃのん「でも、おしるこて… ちょっと飲みにくいんじゃ…」


洋榎「ホットのいちごオレ、見つからんかったんや。 味覚がお子様の自分には、缶コーヒーは早いやろうしな♪」カッカッカ


ちゃちゃのん「むぅ… ミルクたっぷりなら、平気じゃもん!!」




最近、あまり二人きりで話してなかったけぇ―――



こういうヒロちゃんとの軽口が、何だかとても懐かしいものに感じられた。


398 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:07:11.57 ID:nkC/WCO50



洋榎「だいぶ落ち着いたみたいやな」


ちゃちゃのん「あ、このコート… ヒロちゃんだって、それじゃ寒いじゃろ…」


洋榎「え〜て、え〜て、もぅ少し貸しといたるわ」





洋榎「最近… こうやってサシで話す機会も、なかった気がするな…」


ちゃちゃのん「そ、そうじゃったかの…」



洋榎「……ゼミと仕事、相変わらず忙しいんか?」


ちゃちゃのん「う、うん……」コクリ






それは―――半分は本当で、半分はウソ。



ちゃちゃのん、ヒロちゃんのことを ずっと避けとった。




会えない時間はツラかったけど、会えばもっとツラくなると思ったけぇ――――



399 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:12:49.59 ID:nkC/WCO50



洋榎「………」


ちゃちゃのん「………」


洋榎「………」


ちゃちゃのん「ヒロちゃん……」


洋榎「ん………?」




ちゃちゃのん「……どうして、こんなところにおるん?」


洋榎「どうしてて、そりゃ―――」



洋榎「自分が会場のどこ探しても おらんかったから―――」





ちゃちゃのん「―――さっき、胡桃ちゃんと公園の方に行ったじゃろ…」


洋榎「あちゃ… アレ、見られとったんか…///」



洋榎「ちょっといいんちょと、大事な話しとってな……」


400 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:14:50.18 ID:nkC/WCO50




胡桃ちゃんと、大事な話―――



分かってはいても、ヒロちゃんの口から聞かされると やっぱりツラいのぅ―――





ちゃちゃのん「そ、そんなら―――」



ちゃちゃのん「いつまでもこんなトコにおらんで、早く戻らにゃぁ イカンじゃろ……」


洋榎「……………」





洋榎「今は、戻れん―――」


ちゃちゃのん「…………?」






そう言った、貴女は―――




何かを決意したような真剣な面持ちで、とつとつと言葉を紡ぎ始めた――――



401 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:17:41.30 ID:nkC/WCO50




洋榎「あのな、最初は別に… そんなんやなかったんやで…」


洋榎「ただの昔の知り合い。 その程度や思っとった…」



洋榎「せやけど…」


洋榎「久しぶりに会って話してみたら、すっごく楽しくて… 何や、気持ち浮かれてまってなぁ……」




洋榎「だから、ついつい 一緒に居るようになって…」


洋榎「出来ることなら、もっとずっと一緒にいたいって―――」


洋榎「そう思って、ウチの方から結構 声かけたりもしたんやで……」


ちゃちゃのん「…………」




洋榎「……初めは、コレもきっと友情の一種なんやろなって―――」


洋榎「そう思っとったんや……」





洋榎「セーラとフナQのヤツが… 前に一度、本気で別れそうになったことがあるんやけど―――」


ちゃちゃのん「…………」




それは以前に浩子ちゃんから聞いた、二人の話じゃった……



402 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:20:02.19 ID:nkC/WCO50




洋榎「遠距離恋愛いうことで、きっとお互いに不安とかいっぱいあったんやろ〜な」


洋榎「そん時、ウチもセーラからいろんな話を聞いとってなぁ―――」




洋榎「そんで―――自覚した」



洋榎「ああ、それじゃあ ウチのこの気持ちも、恋なのかもしれん―――って」




何でそんなことを、ちゃちゃのんに話すんじゃ――――






洋榎「あ〜〜 その、なんや…」


洋榎「初めて会った時は… なんやイケ好かんヤツやな〜〜くらいに思っとったんやで」ポリポリ


洋榎「別に運命とか、そんなん感じたわけでもないしな…」



洋榎「でも大学で再会した時にな、何や不思議とビビビッときたっちゅうか なんちゅうか―――」


洋榎「よぅ分からんのやけど、とにかく胸が高鳴ったんや!!」



洋榎「一緒におると、めっちゃ楽しくて……」


洋榎「―――て、コレはさっき話したか…?////」タハハ


ちゃちゃのん「…………」


403 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:21:19.75 ID:nkC/WCO50



洋榎「べ、別に見た目が好みとかってわけやないんやで!!」


洋榎「何やチビやし、ガキくさいヤツやし……」


洋榎「大体、ウチ… 最近まで、自分はノーマルやって思っとたし―――///」





洋榎「―――でも、そういうの全部 吹っ飛んで関係なくなってまうくらい……」




洋榎「真剣に、惚れてまったんやろな――――」




違うじゃろ……







洋榎「だから、ウチな……」




ちゃちゃのん「違うじゃろ―――」




洋榎「ちゃちゃ―――?」


404 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:22:57.84 ID:nkC/WCO50




ちゃちゃのん「それを言う相手は… ちゃちゃのんじゃのぅて、胡桃ちゃんじゃろ…」




ちゃちゃのん「なんで、ちゃちゃのんに――――そんな話を、わざわざ聞かせるんじゃよぉ……」



洋榎「な―――!?」





洋榎「なんでそこで、いいんちょが出るんや!!」




ちゃちゃのん「そんなん、ヒロちゃんが―――」グッ




ちゃちゃのん「胡桃ちゃんのことを、好きだからに決まっとるじゃろ!!」




洋榎「ち、違う――――」



405 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:25:00.30 ID:nkC/WCO50





洋榎「ウチは――――ウチはちゃちゃのことが、好きやねん!!」





ちゃちゃのん「―――――!?」








イッキに頭の中が真っ白になるのが分かった―――





目の前にいる貴女が何を言っているのか、理解が追いつかなかった――――




406 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:28:35.71 ID:nkC/WCO50




洋榎「いいんちょには、そのことで相談にのってもらっただけなんや!!」




でも、それじゃ…



胡桃ちゃんの貴方への想いは、いったいどうなってしまうんじゃ―――





ちゃちゃのん「胡桃ちゃんは、きっとヒロちゃんのこと――――」





洋榎「――――いいんちょは、ウチの大切な親友や」





とてもツラそうでいて―――




それでも迷いはないという決意の表情で、貴方はそう言った――――








洋榎「―――ホンマに、ちゃちゃのことが好きやねん」







洋榎「頼む――――ウチと、付き合って下さい…………」





407 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:32:01.13 ID:nkC/WCO50




決して聞くことなどない思っとった、大好きな貴方からのその言葉。




決して触れ合うことなどないはずだった貴方の心が、手を伸ばせば届くところにある。




そのことが ただただ嬉しくて、胸は激しく高鳴り、両の頬は紅潮し、瞳からはポロポロと涙が溢れ出た。





でも胡桃ちゃんの、胡桃ちゃんの貴方への一途な想いは どうなるんじゃ―――







あの日、あの時ついた、私のウソ―――




私は、貴方への想いよりも――――みんなとの変わらない関係を、あの時に選んだんじゃ。





私は、貴方のこと―――




もぅ既に一度、諦めてしまったんじゃ――――



408 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:34:25.80 ID:nkC/WCO50




小さい頃の私は―――



告白を受けるたび、どう答えればええか分からず…



ただ涙を流して、時が過ぎ去るのを待つような子じゃった。



そんなことをしても、その事実が消えるわけでもなく―――何の解決にもならんゆーのに。






ちゃちゃのん「うっ、うぅぅぅ…………っ」ポロポロ



洋榎「ちゃ、ちゃちゃ―――」




とても嬉しいはずなのに、凄く悲しくて、呼吸も満足には出来ない程に、胸が痛くて張り裂けそうで…




とめどなく溢れ出る私の涙に、とても戸惑う貴方。





貴方のこと、困らせたいわけじゃないのに―――




この涙は、ちっとも止まってはくれなくて――――



409 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:38:14.88 ID:nkC/WCO50




――胡桃は―――あの子は卒業した後のこと、どう考えてんだろ……




――胡桃といるとさ、何か 明日も頑張ろーーって気にさせてくれるっていうの?




――でも、胡桃に恋人とか出来たら―――きっと、そういう時間もなくなるんだろうね…




――その時は、ちゃんとお祝いするよ――――





不意に、混乱する思考に割って入ってきた ある一つのイメージ。







その次に、ちゃちゃのんがしたことは―――






大好きな貴方の気持ちに、ただ静かに頷くことじゃった―――――






410 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:40:27.10 ID:nkC/WCO50




ちゃちゃのんからの返事を貰えた貴女は―――




子供みたいな笑顔ではしゃぎ、そしてちょっぴり涙ぐんどった。




決意を持って気丈に振舞っとった貴方も、本当はとっても不安で不安で仕方なかったんじゃろうね。




大好きな貴方のその笑顔を守ることが出来て、ちゃちゃのんもとっても嬉しいんじゃ。







嬉しいはずなんじゃが……




何じゃろう、この虚ろな気持ちは―――




これがちゃちゃのんが憧れとった、幸せなんじゃろうか――――



411 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:43:28.80 ID:nkC/WCO50




結局、風邪をひいたかもしれんゆーことで



その日 ちゃちゃのんは会場には戻らず、そのまま帰宅した。



送ってくれるという、貴方からの申し出もあったが 遠慮した――――







サクサクサク…


ちゃちゃのん「雪じゃ……」




一人放心するよう、ゆっくりと電車に乗り―――



最寄りの駅に着いた頃にゃぁ、雪が降り出し 積もり始めちょった。





大好きな貴方からの告白を受け、付き合い始めることとなった思い出の聖夜。




ちゃちゃのん「ホワイトクリスマス……」





一人で眺める、電飾に彩られた聖夜の雪化粧が―――




ちゃちゃのんの心を、より寒く冷やしていく気がした――――




412 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:56:49.52 ID:nkC/WCO50



【いちご日記】




12月24日(ゆき)









いちごは、サイテーじゃ……

















413 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:57:58.11 ID:nkC/WCO50



いちご「の〜 ばっちゃ…」


いちご「なして、まあじゃんは せっかく出会った大事なハイたちを、捨てにゃぁ いかんのじゃろ…」



いちご「ちゃちゃのんは、どの子とも お別れなんかしたくないんじゃ…」


いちご「ちゃちゃのんは… いつもみんなと一緒の方が、うれしいんじゃ……」



老婆「そうじゃのぅ… 確かに いつまでも、みんなで一緒にいられたらえ〜の〜〜」ナデナデ






いちご「―――おとうさんは、いつ 戻ってくるんじゃろ…?」


老婆「…………」




老婆「ちゃちゃのん、何にでも別れっちゅうものは あるもんじゃ…」



老婆「―――そう遠くない未来… いつか婆っちゃも、ちゃちゃのんの前からいなくなるんじゃよ…」


いちご「ばっちゃが、いなくなっちゃうの……?」




老婆「そうじゃ―――それはどうしようもない、決まりごとなんじゃ…」



いちご「そんなん、イヤじゃょ〜〜〜〜」ポロポロ




いちご「ちゃちゃのんと、ずっと一緒にいてくれんとイヤなんじゃよ〜〜〜」フエェーーーーーーーン



414 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:58:39.12 ID:nkC/WCO50




いちご「ふぇぇ〜〜〜〜ん、えん、えん……」


老婆「お〜〜 よしよし。 ホンに、ちゃちゃのんは泣き虫さんじゃの〜〜〜」ナデナデ





老婆「ええか… 生きるっちゅうんは、そういうことなんじゃよ…」



老婆「ツラくて悲しい、受け入れられんような別れもあるじゃろぅ。 それは避けられんのかもしれん―――」



老婆「そんでも、それに負けずに生きてりゃ―――ドキドキと心の踊るような、嬉しい出会いだって きっとあるはずじゃて…」





老婆「いっぱい悩みゃ〜〜ええ、ツラい時ゃ いっぱい泣きゃ〜〜ええじゃろ」



老婆「そんでも全てを投げ出して、全部を無かったことにするんは駄目じゃ…」



老婆「それは、やっちゃいけねぇ―――」






老婆「それによ、サヨナラした牌たちとだって…」



老婆「ゲームを降りなきゃ、またいつかコンニチワも出来るじゃろ…」



老婆「だからよ、それでええんじゃ――――」ギュッ




415 :ケイ@3章「オレンジワルツ」 [saga]:2015/12/31(木) 23:59:14.57 ID:nkC/WCO50









【咲-Saki- SS】 ちゃちゃのん・大学編 -いちご味-



ちゃちゃのん「おかえりなさい」









第三章 オレンジワルツ









カンッ!



416 :駄文@もうちっとだけ続くんじゃ [sage saga]:2016/01/01(金) 00:26:34.07 ID:21+K3ZAq0




気がつけば、年明けですね。


ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます。



とりあえず正月の間は幕間ちょこちょこやるかもしれませんが、本編の方はお休みすると思います。


本編の方も、あとは終章で終わりって感じですね。




それでは、どうか今年が良い年でありますように。



417 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/01(金) 13:22:14.08 ID:7Xl177Noo
乙です
418 :艦これの一番のPLAY【自称流】 :2016/01/07(木) 15:40:36.55 ID:vqmuXXIO0
そろそろ秋雲の解体の時間と級ちゃん比叡榛名霧島金剛ちゃん天龍ちゃん不幸ちゃん結婚式日向伊勢ソウダ彼奴如月ネタの朧戦犯秋具夢と秋津丸解体の時間

大淀様に女神声様に万歳
419 :幕間3@乙コメ感謝、反応貰えるとやっぱり凄く嬉しいです♪ [saga]:2016/01/07(木) 22:09:26.76 ID:2Llg/p+20



【幕間】




〜 佐々野いちごの『チャチャのんのん☆Radio♪』 短縮 特別版 〜





塞「えっと、皆さん こんばんは…」ガチガチ

胡桃「…………」



塞「ちゃちゃのんが体調不良ってことで、今回は短縮 特別版らしいんだけど―――」

塞「ちゃちゃのんったらクリスマスに身体冷やしたか、お正月にお餅食べ過ぎたかしたのかな…」ハハ…



塞「ま、ま〜 その代理として、今回 何故か私たち二人が急遽 呼び出しくらっちゃいました…」

塞「正直、何を話せば良いのかとか全然分からないんだけど、とりあえず宜しくお願いします」ペコッ


塞「え、私の名前? あ、はい… 臼沢 塞です。 ほら、胡桃もご挨拶を―――」


胡桃「鹿倉… 胡桃です……」ボソッ




塞「物語の佳境だった三章も何とか終了ということで、次はいよいよ終章ですね」


塞「この話の原作でもある『胡桃と洋榎の大学SS』を、既に読まれたことある方なら分かると思うんですけど―――」

塞「実はこの三章のクリスマスで、原作エピソードは ほぼ終了しちゃってるのよね」



塞「―――というわけで、終章は ほぼここの筆者が勝手に考えた『俺の考えた超人』的な、オリジナル展開になっちゃってます」

塞「出来る限りすばらな原作の雰囲気を壊さないよう努力してるつもりですけど、如何せん実力不足で拙い部分なんかも多々あるんじゃないかな…」



塞「ぶっちゃけ、『この先の話なんて蛇足なんじゃないの――?』とか思う部分もあるわけですけど…」

塞「ちゃちゃのんの物語としてここで終わらせるのは、やっぱりちょっと違うかな〜〜とか考えたそうです」


塞「ま〜そんな感じで、最後まで楽しんで貰えたら 嬉しいかな〜〜と思ってます」ハハ…


420 :幕間3@あと一週間位はバタツキそうですが、のんびりと進めていきますね [saga]:2016/01/07(木) 22:18:25.64 ID:2Llg/p+20



塞「物語も終盤ということで、段々と欝展開が増えてきてるのは申しわけないトコでしょうか…」


塞「ちゃちゃのんを始めとする咲キャラを、もっと好きになって欲しいと思って書いてるのに―――」

塞「むしろこれ読んでちゃちゃのんのことキライになる人とかいそうで、そのへんちょっと不安だったり…」



塞「それと話の内容的に胡桃ファンの方にはツラい展開になってしまって、本当に申しわけないです」ペコリ

塞「筆者も胡桃のこと好きみたいなんだけど… これに関しては、ま〜 デリケートなトコだと思うしね…」

胡桃「塞、そーゆーのいいから―――」


塞「あ、うん。 ゴメンね、胡桃……」





塞「なお終章では、ちゃちゃのん以外のキャラへの視点変更が数回入ります(これ重要!!)」




塞「構成力ないここの素人筆者が視点変更とか安易に使うと、読み手の人の混乱にも繋がると思いまして―――」

塞「これまで極力やらない方向で 進めてきたんですけど、話の展開的にどうしても必要だと思って そういう形式にしたみたい」


塞「後はこれまでずっとちゃちゃのん目線だったのを切り替えることで、他のキャラから見た『ちゃちゃのん』も描きたかったのかもね」


421 :ケイ@幕間3 [saga]:2016/01/07(木) 22:31:42.39 ID:2Llg/p+20




塞「ジャン=ピエール・ポルナレフではない方の ジャン=ポール・サルトルさんは、『地獄とは他人である』と言ったけど…」

塞「他者の視線に晒されることで、人は一つの存在として凝固し、対自から即自存在として確定されるってトコかしら」

胡桃「塞。 話が堅いし、何を言ってるのか 分からないんだけど…」

塞「あぁ、うん。 筆者もよく分かってないから大丈夫…」


塞「要するに一人のキャラを多面的に描きたいなら本人視点の他に、第三者目線っていうのも必要かもねってことで良いんじゃない?」




塞「とりあえず終章では視点変更入るから、気をつけてねってことかな(大事なことなので、二回言ってみました)」





塞「それじゃぁ、今回は短いですけどお喋りはこのくらいにして―――」


塞「この後にてきとうなあらすじとか、どうでも良い登場人物紹介があって、それからぼちぼち本編再開みたいですよ」


塞「本編の方。 だらだらと無駄に長くなっちゃってますけど、ちょっとでも楽しんで貰えたら嬉しいかな♪」



胡桃「―――終章、私たちの出番あるのかな?」

塞「う〜〜ん、どうだろうね…」




塞「それでは、さようなら〜〜」フリフリ

胡桃「バイバイ……」フリフリ






カンッ!



422 :ケイ@幕間3 [saga]:2016/01/07(木) 22:39:18.86 ID:2Llg/p+20

【〜ショート ショート〜】芋けんぴ、白馬の王子さまは動かない



洋榎「清老頭や。32000──思ったより痛いんちゃうか?」


ちゃちゃのん「そんなん考慮しとらんよ……」 ポロポロ





【鹿老渡高校 宿泊ホテル】


チュンチュンチュンチュン


ちゃちゃのん「…………」パチッ


ちゃちゃのん「―――チュンチュンが、チュンチュン鳴いちょる…」


ちゃちゃのん「最悪の寝覚めじゃ…」


ちゃちゃのん「もう何日もたつのに、未だに立ち直れん……」ゴソゴソ




ちゃちゃのん「ありゃ、ちゃちゃのんの 芋けんぴがないんじゃ―――」


陽気な妹ちゃん「あはは、あの芋けんぴ ちゃちゃのんのだったんじゃな!?」


陽気な妹ちゃん「ゴメンの〜〜 ボクが全部 食べちゃったんじゃ〜〜」テヘペロッ


しっかりものの妹ちゃん「もぅ、ホンに意地汚いんじゃから―――」


ちゃちゃのん「あぁ、別にええんじゃ… ちゃちゃのん、そういう気分でもなかったけぇ……」




『今日の占い、カウントダウーン!!』


『今日もっとも良い運勢は―――』



陽気な妹ちゃん「あっ、ボク『おはスタ』の方がええんじゃ♪」エイッ ポチッ

しっかりものの妹ちゃん「お子さまじゃのぅ〜〜」


陽気な妹ちゃん「そんなことないんじゃ、『コトリサンバ』もやっちょるよ♪」



ちゃちゃのん「はぁ、憂鬱な朝じゃのぅ…」フゥ






芋けんぴ、白馬の王子さまは動かない

カンッ!



白望「芋けんぴ、髪に付いてたよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348575833/


423 :幕間3@名状しがたいあらすじのようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:09:05.37 ID:KOLkOhpF0



【― これまでのあらすじ ―】



高校卒業後、大阪の大学へと進学した佐々野 いちご(ちゃちゃのん)


ちゃちゃのんは大学二回生の春に、かつてインハイで破れた相手でもある愛宕 洋榎と再会する。


成り行きのままに、愛宕 洋榎、鹿倉 胡桃、臼沢 塞、江口 セーラらと一緒のサークル(?)に入ったちゃちゃのん。


サークルメンバーのたまり場となっている喫茶店でバイトをする浪人生の白水 哩、元姫松高校の絹恵や漫たちとも知り合う。


そして大学三回生になったちゃちゃのんは、自らの中にある愛宕洋榎への恋心に気がつき―――


そして、彼女たちの運命の輪が廻り始める。



みたいな話です…





【先人たちの、ありがた〜い教え】


1、ぱんつは盗むな履かせるな

2、アカギには関わるな

3、ラスボスには触れるな

4、主人公を安易に殺すな

5、むやみにコンマを願うな


424 :幕間3@名状しがたい登場人物紹介のようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:14:26.74 ID:KOLkOhpF0



【― 登場人物紹介 ―】


※この登場人物紹介はこの作品内に於ける、各キャラクターたちの紹介文です。

原作 咲-Saki- のモノとは著しく異なりますのでご注意下さい。





◇ 佐々野 いちご(ささの いちご)(ちゃちゃのん)…12月14日生まれ。身長148cm(高校当時)



原作では、ほぼモブ的な扱いの本作主人公。 広島弁。

広島県 鹿老渡高校出身で、現在は洋榎たちと同じ 大阪の大学に通っている。

見た目は咲-Saki-キャラ屈指の可愛さを誇り(アニヲタWiki(仮)より抜粋)、当然 異性からは相当モテる。

高校時代からアイドル的人気のある美少女だったが、男の人はちょっと苦手らしい。

家庭の事情により家族とは疎遠になりがちなようだが、家族のことを大切には思ってる。 鹿老渡の婆っちゃ大好き。

大学進学後は大阪の事務所に入り、本格的にアイドル活動を始めるが…



性格は気弱で臆病なのんびり屋。 その場の状況に流されやすく、プレッシャーにも弱い。

日頃から用意周到をモットーとしているが、傍から見れば結構考慮出来てない。

とっても良い子。 努力家で勉強はそこそこ出来るが、ちょっと天然気味なアホの子 その1。

人見知りする方だが、仲良くなると途端にベタベタしだす、甘えん坊タイプ。

好きになった相手には、とことん尽くす性格。 駄目な人に引っかからないか心配。

綺麗なものや可愛いものが大好きで、怖いものや争いごとはとても苦手。

キャラクター生態系的には、ほぼ底辺にいるスライムのような存在。 あまり苛め過ぎないであげてね。


「底辺で這いずる者を見ておくのも、たまには…ね?」




尚、ちゃちゃのんの性格は原作 咲-Saki-というより、『胡桃・洋榎の大学SS』他、OSaKadAteQさんのちゃちゃのんをベースに

残りの味付け部分として、これ迄に松来未祐さんが演じられてきたキャラクターの要素を足した感じになってます。

やきうスレの方のちゃちゃのんは、洋榎をキングボンビーと呼んだり洋榎をライバル視してるトコもありますが、

こちらのちゃちゃのんは大学SS寄りなので、そういう要素はあまりありません。

勝てないと分かりつつも洋榎に置いていかれたくない一心で、必死に頑張るちゃちゃのんもいじらしくて凄く好きなんですけどね。

佐々木じゃのうて、ちゃちゃのんの名前は佐々野じゃ!!


主な呼ばれ方……佐々木、佐々野、いちご、ちゃちゃのん、ちゃちゃ、ちゃちゃちゃん、のんちゃん、赤ずきんちゃちゃのん


425 :幕間3@名状しがたい登場人物紹介のようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:19:20.82 ID:KOLkOhpF0



◇ 愛宕 洋榎(あたご ひろえ)7月18日生まれ。身長155cm(高校当時)



愛宕ネキ。 西の天才セサリスト。 後ひっかけの洋榎。 大阪弁。

大阪府 姫松高校出身で、基本的に頭はキレるが勉強は出来ないアホの子 その2。

現在はちゃちゃのんと同じ大阪の大学に通っており、サークルの発案者でリーダー格。


元々は麻雀特待生として大学入学したのだが、ノリが合わなかったという理由で麻雀部からはドロップアウト。

二回生の時に、ちゃちゃのん達の所属する非公式サークルをセーラや胡桃らとともに作る。

とりあえず集まって楽しいことしようが趣旨のごらく部で、特に明確な活動目的とかはない。



性格は楽しいこと大好きなお祭り娘で、誰とでもすぐ仲良くなれるタイプ。 悪く言うと厚かましい。

自由奔放で自信家のムードメーカー+トラブルメーカーだが、恋愛方面に関しては案外ヘタレなところもある。


対局中も口数が多く、トラッシュ・トークも多いため、対局者に注意されることも。

オカルト能力こそ使わないが、非常に優れた読みとカンを合わせ持ち 純粋に麻雀が強い。

楽しい麻雀が大好き。 つまらない相手はデク。 本来は防御を得意とし、ネットとかだと非能力者最強とか言われることもある。


「精神的プレッシャーは感じない、ただ強いだけだ」




妹はサッカー推薦で大阪の別大学に進学した愛宕 絹恵。

母親は元プロ雀士であり、千里山女子の監督をする愛宕 雅枝。

従姉妹には船久保 浩子がいる。 呪われた愛宕の一族である。



主な呼ばれ方……洋榎、ヒロちゃん、お姉ちゃん、ヘタレ、愛宕姉妹の残念な方、カニ道楽、ヤシガニ


426 :幕間3@名状しがたい登場人物紹介のようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:22:03.66 ID:KOLkOhpF0



◇ 鹿倉 胡桃(かくら くるみ) 9月15日生まれ。身長130cm(高校当時)



岩手県 宮守高校出身。 表情の変化の少ないちびっこ。 ツッコミ役。

ちっちゃいけど結構気が強い委員長タイプで、わりと毒舌(ちっちゃくないよ!! )

マナーにも厳しく、対局時のトラッシュトークや無駄口の多い洋榎はよく叱られる。


「清澄には通用したみたいやけど一緒にしてもろたら困る、格が違うわ」

「そーゆーのいーから点数申告!」

「あ…… 5200です…」



麻雀の特徴として、火力は低いが守備が非常に堅い。

対局時はリーチをせず常にダマテンというスタイルで、テンパイ察知が困難。

一部では遠野物語に因んでカクラサマと呼ばれているが、それがオカルト能力なのかどうかは不明。



この作品の原作『胡桃・洋榎の大学SS』に於ける主人公。

大学で再会した洋榎に対して、友達以上の特別な感情を持っているようだが…

筆者も好きなキャラなんだけど、どうしても損な役回りになっちゃう可哀想な子。

大学一回生の時に同大学の洋榎と再会し、成り行きでサークルメンバーになることに。

浪人生だった漫の家庭教師の先生をしていた経緯から、漫からはセンセーとして慕われている。



主な呼ばれ方……胡桃、胡桃ちゃん、いいんちょ、センセー、座敷わらし、河童、ビリケンさん


427 :幕間3@名状しがたい登場人物紹介のようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:25:02.43 ID:KOLkOhpF0


◇ 臼沢 塞(うすざわ さえ) 2月15日生まれ。身長154cm(高校当時)



岩手県 宮守高校出身。 赤髪お団子ヘアーと前髪パッツンが特徴的な女の子。 ツッコミ役。

作中屈指の常識人。 恩師に貰ったモノクル(スカウター)を愛用する知的文学少女。 でも理系の現実主義者。

同じ宮守高校だった胡桃と白望(シロ)とは昔からの友人で、姉妹のような関係(スール的でない方の)

ゼミ多忙な今でも週に一度は胡桃の家に泊まって、のんびりまったり過ごすのが彼女の習慣。

とても報われない恋してます(愛するがゆえに、見守る愛もあるんだよ…)



能力は見つめた相手の能力や役の進行を塞ぐ、防塞の力。

ただし、この能力は精神力と体力を激しく消耗するため、対局中ずっと使えるわけではない模様。

能力発動時に自らを塞の神さまとして振舞ったりと、ちょっと中二なトコもある。


「さァ かかってくるがいいよ…」

「悪石の巫女…!!」



親友である胡桃の紹介で洋榎たちと知り合い、成り行きでサークルメンバーになることに。

哩の働く喫茶店の常連で、メンバーが店にたむろするようになったのは塞の紹介がきっかけ。

メンバーの中ではちょっと距離を置き、保護者的な大人ぶった態度で自分の本音を隠す傾向がある。



主な呼ばれ方……臼沢、塞、塞ちゃん、ザワ、怪盗キッド、おばーちゃん、お団子、木星帰り、ハモンさん、


428 :幕間3@名状しがたい登場人物紹介のようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:29:23.07 ID:KOLkOhpF0



◇ 江口 セーラ(えぐち セーラ) 4月22日生まれ。身長160cm(高校当時)



大阪府 千里山女子高校出身で、バスの発着を教えてくれるナイスガイヤデー

ショートカットのツンツン髪に学ラン羽織った出で立ちと男性的な格好を好み、スカートは苦手。

俺っ子だが、意外とお持ちのようだ(俺は男だ!!)

高い身体能力を持つ体力バカで、非常にアクティブ。 ここぞという場面で力を発揮する主人公タイプ。


細かいことに拘らないさっぱりとした男前な性格で、度量の方も大きい。

とても仲間思いで、自身の勝利よりもチームの勝利を最優先に考えている。



闘牌スタイルは基本的に高火力偏重型で、リーチを多用し大きく稼ぐのが得意。

ツモ上がりが多く、ここぞという場面での豪運火力っぷりにはワシズ様も目を見張るかもしれない。


「3900(ザンク)を3回和了るより、12000を和了る方が好きやねん」



同年代で同じ大阪出身の洋榎とは、以前からライバルであり親友の間柄。

洋榎と同じく麻雀特待生として大学入学。 麻雀部の活動の傍ら、洋榎たちのサークルにも顔を出している。

高校卒業時にフナQこと船久保浩子と付き合い始め、現在は遠距離恋愛中。



主な呼ばれ方……セーラ、せーちゃん、江口先輩、セーラー刑事(デカ)


429 :幕間3@名状しがたい登場人物紹介のようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:33:35.90 ID:KOLkOhpF0


◇ シローズ鶴姫 ◇


◇ 白水 哩(しろうず まいる) 4月16日生まれ。身長159cm(高校当時)[図:左]


福岡県 新道寺女子高校出身。 常に表情を崩さない凛とした雰囲気が印象的な出来る女?

洋榎たち行きつけの喫茶店でバイトをしており、今では大阪弁が混じるくらい大阪に馴染んでいる。

とある研究の為 後輩の姫子と西の最高学府を目指していたが、二浪生活の末 先に合格した姫子に夢を託す。

現在は料理人と素敵なお嫁さんを新たな目標に、バイト生活に励む日々を送っている。


麻雀では、そこらの県代表エースとは格が違うと言われるほどの実力者。

哩が自らに飜数の縛りをかけ、その飜数以上で和了ると

姫子が同じ局で倍の飜数で和了れる『リザベーション』という能力を持つ。


尚、恋人である姫子とは同棲中。 もっぱら縛られる方が担当との噂だが…?




◇ 鶴田 姫子(つるた ひめこ) 3月26日生まれ。身長162cm(高校当時)[図:右]


福岡県 新道寺女子高校出身。 佐賀弁。

長い下睫毛が特徴的で、洋榎やセーラ等からはデビルマンレディやデビ子とか呼ばれてる。

高校卒業後は西の最高学府に一発合格を決め、入学を諦めた哩の分も とある研究を続けている。


縛られた哩にビビクンッとし、哩の成立させた『リザベーション』を開放するチカラを持つ。

現在は大阪にて哩と同棲中。 もっぱら縛る方に愉悦を感じるとか…?


430 :幕間3@名状しがたい登場人物紹介のようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:42:25.68 ID:KOLkOhpF0


◇ 大阪 後輩組 ◇


◇ 愛宕 絹恵(あたご きぬえ) 1月20日生まれ。身長165cm(高校当時)[図:左]


大阪府 姫松高校出身。 ツリ目で眼鏡、姉よりも立派なモノをお持ちの洋榎の妹。

中学時代にサッカー部でゴールキーパーをしており、丸いものを見ると全力キックの衝動に駆られる。

高校時代は母と姉の影響で麻雀をしていたが、大学に入ってからはサッカー一本で頑張っている。

小さい頃はとてもお姉ちゃんっ子で泣き虫だった。


姉:愛宕 洋榎 母:愛宕 雅枝 従姉妹:船久保 浩子




◇ 上重 漫(うえしげ すず) 1月6日生まれ。身長148cm(高校当時)[図:中]


大阪府 姫松高校出身。 小柄で童顔だが、立派なモノをお持ちの弄られキャラ。

実家はお好み焼き屋さん。 大学受験に失敗して一浪していたが、胡桃の家庭教師のかいあってか翌年の受験は見事に合格。

駄目な時は全然駄目だが、調子の良い時には圧倒的なチカラを発揮する爆発力を持ったボンバーガール。

どうやら姫松時代の先輩のことが気になっているとかで、胡桃に恋愛相談をしていた。

胡桃のことをセンセーと呼び、洋榎によると若干のM気質だとか。




◇ 船久保 浩子(ふなくぼ ひろこ)(フナQ) 4月12日生まれ。身長165cm(高校当時)[図:右]


大阪府 千里山女子高校出身。 ジト目・眼鏡・外ハネが特徴。

研究者気質で分析能力に優れ、チームにおける参謀的なポジション。

先輩に対してもタメ口で話したりと、かなり容赦のない性格。

とにかく探究心の強い知りたがりさんで、時々 暴走することがある。


「うまいわー(うまいわ おまえのデータ…!!)」

「根金際しゃぶりつくしたるで…!!」


映画監督を目指し、東京の芸大にて勉強中。 今も恋人のセーラとは遠距離恋愛を続けている。

フナQとまこは書いてて楽しいキャラだし、筆者的お気に入りのせいかキャラ崩壊が特に激しいですね。

原作の彼女たちはもっと可愛いい女の子だということを、決して忘れてはいけない。


叔母:愛宕 雅枝 従姉妹:愛宕 洋榎、愛宕 絹恵


431 :幕間3@名状しがたい登場人物紹介のようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:47:55.07 ID:KOLkOhpF0


◇ 荒川憩と愉快な仲間たち ◇


◇ 荒川 憩(あらかわ けい) 6月27日生まれ。身長153cm(高校当時)


大阪府 三箇牧(さんがまき)高校出身。 ナース服。 暗黒面には堕ちていない。

高校時代、インターハイ個人戦にて全国二位になる程の実力者。

ちゃちゃのんとは高校時代から親交があり、現在は医師を目指し大阪の大学病院に通うYBJな医大生。

以前から能力者の相談役等もしており、色々とそちらの世界のことに精通している。

院内でも特別な立場にいるようだが、彼女について探ってはいけない。

パンツ保持者の一人。 パンツは盗むな、履かせるな。




◇ 藤原 利仙(ふじわら りせ) 11月23日生まれ。身長156cm(高校当時)


鹿児島県 九州赤山高校出身。 オカルト能力者で荒川患者の一人。

天女のような服装をした女性で、インターハイでは個人戦代表。

モデルは紀伊神話に登場する、九州赤山(霧島山幽境)に棲む清浄気玉利仙全君。

本人には秘密のようだが、ちゃちゃのんの熱狂的ファンだったりする。




◇ 対木 もこ(ついき もこ) 10月1日生まれ。身長135cm(高校当時)


愛知県 覚王山高校出身。 麻雀を始めて五カ月で東海王者に登りつめた愛知の星。

普段からしている包帯は中二的なファッションであって、別に試合中に怪我をしたわけではない。

普段からブツブツと呟いており、干渉力の高いオカルト能力者。 荒川患者の一人。

能力の制御はあまり得意ではなく、対局中の精神的変調が大きく憩からは心配されている。

百鬼藍子とは、特に仲が良いらしい。




◇ 百鬼 藍子(なきり らんこ) 11月30日生まれ。身長158cm。


静岡県 后土学園出身。 静岡県の個人戦1位の実力者。

サバサバしたクールな性格だが、実は面倒見の良い色付きメガネっ子。

対局中に口から音波のようなものを出す。 オカルト能力者で、荒川患者の一人。

対木もことは特に仲が良く、もっぱら彼女の通訳担当。




・霜崎 絃(しもざき いと) 3月30日生まれ。身長163cm。


千葉県 須和田高校出身。 千葉県MVPの実力者。

何故かチャイナ服を着ており、転蓮華とか使える中国拳法の達人なのではと噂される。

メンバーの中では比較的常識人と思われる。 オカルト能力者で、荒川患者の一人。

余談だが 彼女と憩ともこは別世界線にて、ちゃちゃのんと同じスガラブメンバー。


432 :幕間3@名状しがたい登場人物紹介のようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:51:23.17 ID:KOLkOhpF0


◇ 熟した果実たち ◇


◇ 愛宕 雅枝(あたご まさえ) 7月11日生まれ。身長167cm。[図:左上]


全国屈指の強豪 大阪の千里山女子高校の麻雀部監督。元プロ雀士。

姫松高校の愛宕洋榎、愛宕絹恵の母であり、船久保 浩子の叔母にあたる。

性格は男勝りでイタズラ好き、ノリがよく強烈なツッコミが持ち味のようだ。




◇ 赤阪 郁乃(あかさか いくの) 10月7日生まれ。身長164cm。[図:左下]


前任である善野監督の入院期間、監督代行として赴任してきた姫松高校麻雀部の監督代行。

おっとり天然マイペースな性格で、そのあまりの空気の読めなさから「メンドくさい人」扱いされている。

意外な特技や謎の人脈など、色々と謎の部分の多い人物である。




◇ 水原 はやり(17) 7月13日生まれ。 身長151cm、体重49kg。[図:右]


島根県出身で、ベテランの感もある現役アイドルにして現役プロ雀士。 立派なおもちの牌のお姉さん。

安定感ある防御と、亜音速麻雀を得意とするスピード・スター。 その速度たるや、レンダーバッフェや冴木卓麻にも比肩する。

小学生の頃から地元のアイドル的存在で、子供麻雀大会にて何度も優勝し全国大会にも出場している。

彼女がアイドルを目指し、スピード・スターとなった経緯については、シノハユを読もう。

ツーサイドアップの髪型にフリフリ衣装、セットで上から☆を吊るしたりしているが キツくはない。

口癖は、「はやっ」、「はや〜」等…


433 :幕間3@名状しがたい登場人物紹介のようなもの [sage saga]:2016/01/10(日) 14:54:20.64 ID:KOLkOhpF0


◇ 幕間ダイバー ◇


◇ 小走 やえ(こばしり やえ) 3月20日生まれ。身長150cm(高校当時)


ニワカ先輩。 奈良県屈指の麻雀強豪校でもある晩成高校出身。

右をおさげ、左を縦ロールという奇抜な髪型が特徴的なツンデレさん。

努力と実力に裏打ちされた自信、王者の誇りを背負った威風堂々な振る舞い、

原作でのアレな扱いや、数々の名ゼリフ等からもよくネタにされがちな人気者。

メンタルの強さや堂々とした様には、ちゃちゃのんも憧れている。

ちゃちゃのんとやえさんの組み合わせ、筆者的にはアリだと思います。


「ニワカは相手にならんよ」


「お見せしよう、王者の打ち筋を!」







◇ 染谷 まこ(そめや まこ) 5月5日生まれ。身長158cm(高校当時)


長野県 清澄高校出身。


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