本田未央「プロデューサーとのごはん」 その2

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368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/20(水) 09:53:54.57 ID:EJ0D/zDaO
>>367
いや→いいや
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/07(日) 23:38:47.82 ID:T4m799Yu0
ニンニクの芽ってサイドメニューにあるからそれを普通の牛丼に乗っければ期間限定じゃなくても食べれるんじゃないの?(それともサイドメニューのニンニクの芽も期間限定だった?)
まああの店はまぐろしか食べないけど
370 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 22:42:29.35 ID:N2tEcs8v0
P「――すまん。待ったか? 凛」

凛「ううん。私も、さっき来たところ」

P「そうか。なら良かった。……でも、せっかくの誕生日なのに、いいのか? あそこで」

凛「うん。あそこがいい。それに、私は私で、もう祝ってもらったから」

P「前の日曜日に……か」

凛「響子たちと一緒に、ね」

P「まあ、それはそうなんだが……せっかくの誕生日なんだし、何かプレゼントをねだっても……」

凛「プロデューサーを独占してるってだけで十分だよ。誰かさんには悪いけど、ね」

P「……」

凛「何も言わないんだ」

P「言わないというか、言えない、だな」

凛「ふふっ……確かに」

P「とりあえず、行くか」

凛「うん。行こうか」
371 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 22:49:35.64 ID:N2tEcs8v0

――カラオケ

凛「まずはドリンクバー……だよね」

P「そうだな」

凛「あ、プロデューサー。知ってるかもしれないけど、歌う前はウーロン茶とかは飲まない方がいいんだって。のどのあぶらをとりすぎちゃうから。泰葉が言ってた」

P「俺も教えなかったか?」

凛「そうだったっけ。……嘘だよ、プロデューサー。覚えてるって」

P「ほんとかよ……」

凛「ほんとほんと。ほら、機嫌なおして」

P「……なんか、そう言われると子供扱いされているように感じるな」

凛「してないよ」

P「なんかしてそうな答えだな……って、いつまでもここにいても邪魔か。さっさと飲み物でも入れて、歌うか」

凛「そうだね。歌おう」
372 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:02:40.02 ID:N2tEcs8v0

――

P「しかし、カラオケに来るのも久しぶりだな……」

凛「そうなの?」

P「ああ。まあ、たまに来ることもあるが……あんまりない。凛は……未央とかと一緒に、割りと来てるか」

凛「私は……その時による、かな。あんまり歌いすぎて、喉を痛めたくないし」

P「……やっぱり、凛は凛だよな」

凛「どういう意味?」

P「そのままの意味だよ」

凛「そのままって……まあ、いいけど。今日はプロデューサーもいるし、好きなように歌うから、覚悟してよね」

P「なんで俺がいたら好きなように歌うんだよ」

凛「プロデューサーを信じてるから。……プロデューサーは、私ののどの調子から、どこでやめればいいのか、わかるでしょ?」

P「それは……そうだな。好きに歌え、凛」

凛「うん。じゃあ、まずは……」ピッピッ

P「ん、いったい何を――って、おい、どうしていきなり部屋を暗くして……」

凛「――プラリネ」ボソッ

P「ブッ……おま、凛……いや、気持ちはわかるけどさぁ」

凛「……」(ギターを弾いているフリ)

P「そこまで再現するのか……というか、凛もそんなことやるんだな……まあ、凛の、なんて、なかなか聴けるもんじゃないし……じっくり、聴かせてもらうとするか」
373 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:09:35.24 ID:N2tEcs8v0

――

凛「――ふぅ。どうだった? プロデューサー」

P「最高だった……」

凛「ふふっ。ありがと」

P「でも、凛がああいうことやるって珍しいな。みんなとのカラオケとかではやってるのか?」

凛「いや……みんながやってるから、私もやりたくなって。プロデューサーとなら、やってもいいかな、って。プロデューサー、765プロのファンだし、伝わると思ったから」

P「あー……まあ、実際、ジュリアさんめちゃくちゃかっこいいからな。あれは真似したくなる」

凛「というか、プロデューサーは歌わないの?」

P「……俺?」

凛「うん」

P「……俺も、歌うの?」

凛「……歌わないの?」

P「今日は凛が好きに歌う、って」

凛「プロデューサーも歌うって前提で、のつもりだったんだけど」

P「……そうだったのか」

凛「うん。そうだった」

P「……まあ、それなら、俺も歌うか。凛、お前がプラリネで来たなら……俺は、これだ!」ピッピッ

凛「……え?」

P「凛、コール頼むな。……『その時空から、不思議な光が降りてきたのです』」

凛「ンフッ……あれは誰だ? 誰だ? 誰だ? 誰なんだー」

P「『それは……』――」
374 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:12:55.18 ID:N2tEcs8v0

――

P「ふぅ……やっぱり、メルヘンデビューは楽しいな!」

凛「ンッ……フ……フフッ……」プルプル

P「おいおい凛。いつまで笑ってるんだよ」

凛「いや……だって、プロデューサー、完璧過ぎ……」プルプル

P「凛もコール、完璧だったぞ!」グッ

凛「それは、まあ、何度も聞いてるし……でも、みんな、いつもこんなことやってたんだね。結構、疲れる」

P「ん? みんなと一緒に行った時とか、コール、やらないのか?」

凛「私は……あんまり、しないかな」

P「んー……まあ、凛はあんまりするイメージはないな。凛のコールしてる姿、かわいかったぞ」

凛「んっ……プロデューサーも、かわいかったよ」

P「そうか? アイドル、できそうか?」

凛「できないよ。ただのお世辞」

P「お世辞か。俺のはお世辞なんかじゃないけどな」

凛「……プロデューサー、未央がいるのにそんなこと言って……」

P「未央がいてもいなくても一緒だろ」

凛「……それ、未央には言わない方がいいよ」
375 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:16:56.64 ID:N2tEcs8v0
P「言うよ、凛。俺はプロデューサーで、凛も未央もアイドルだ。その関係は変わらない」

凛「……変わるよ。だって、未央と、プロデューサーは」

P「確かに、俺と未央の間にそういう感情があることは……プロデューサーとしてはどうかと思うが、否定できない。そう思わせているのは俺のせいだ。ごめんな」

凛「違っ……責めてるわけじゃ、ないから。むしろ、私は……」

P「……ありがとう、凛。やっぱり、凛は優しいな」

凛「優しく、ないよ」

P「優しいよ。……でもな、凛。だからと言って、変に気遣わなくてもいいんだ。未央に対する遠慮も、俺に対する遠慮もなくていい。凛は俺のアイドルで、俺は凛のプロデューサーだ。俺と未央の関係がどうであっても……それだけは、変わらない」

凛「……そっか」

P「ああ」

凛「……うん。ごめん。私も、なんか、気にし過ぎてたかも。未央とプロデューサーが……そういう関係で、だから、私はそこから一歩引いた……そんな立場に、勝手に、なってた」

P「ああ」

凛「だから……ううん、それなのに、二人きりでカラオケに、なんて、おかしいよね。でも、もしかしたら、それこそが……って、それは考えても仕方ないか。私はアイドルで、プロデューサーは、プロデューサー。今は、それだけでいいよね」

P「そうだな。……せっかくの誕生日でカラオケなのに、こんな雰囲気はダメだな。凛、何か歌うか?」

凛「……うん。歌うよ。私が曲を入れるから、プロデューサーも、一緒に」

P「ん、わかった。なんでもこい」

凛「なんでも……なら、これで」ピッピッ

P「ん、なになに――って、いやいやちょっと待て待て凛とこれとか無理だろ絶対無理だってというか凛お前もかなり765さんのファンじゃ」

凛「そんなこと話してる場合じゃないよ、プロデューサー。さあ、行くよ――【アライブファクター】!」
376 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:25:55.17 ID:N2tEcs8v0

――店の外

凛「ん……っと。思う存分歌ったね、プロデューサー」

P「……思う存分過ぎる」

凛「プロデューサー、遠慮しなくてもいいって言ったでしょ」

P「そういう意味じゃなかったんだが」

凛「じゃあ、どういう意味だったの?」

P「……もう、今日はそういう意味でいいよ。誕生日だしな。俺にできることなら、なんでも言うこと聞いてやるよ」

凛「なんでも……なら、三つ、お願いしたいかな」

P「……多くないか?」

凛「多くないよ。それじゃあ、まず、一つ目は――」
377 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:26:38.86 ID:N2tEcs8v0

――店の前

P「……ここか」

凛「うん。プロデューサーに教えてもらってから、何度か一人でも来てるけどね」

P「気に入ってくれたなら嬉しいよ。で、何を頼む?」

凛「んー……プロデューサー、私がこの90周年限定っていうのを頼むから、プロデューサーはこのマンゴーのを頼んでくれる?」

P「飲み分けるの前提かよ……」

凛「色んな味を楽しみたいから。限定のは限定の期間中しか飲めないし」

P「あー……まあ、それはそうだな。それじゃ、とりあえず頼むか」

凛「うん」
378 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:28:17.68 ID:N2tEcs8v0

――

P「こっちが『ホワイトチョコレート ラズベリー&ローズ』で、こっちが『ホワイトチョコレート マンゴーパッションフルーツ』だ」

凛「見ればわかるけどね」

P「そう言われると困る」

凛「困るんだ」

P「実際、見ればわかるからな……まあ、そんなことはどうでもいい。とりあえず、飲もうか」

凛「うん。それじゃ、もらうね。まずは、こっちの、ラズベリー&ローズから……」チュー

P「それじゃ、俺はマンゴーパッションフルーツとやらを……」チュー

凛「……ん、おいしい。プロデューサー、そっちは?」

P「おいしいよ。何と言うか……パッションって感じだ」

凛「なにそれ」クスクス

P「実際、そんな感じなんだよ。飲めばわかる。そっちはどうなんだ?」

凛「どう、って……プロデューサーがそんな感じだと、どう言うべきか、ちょっと迷うけど、おいしいことは確かだよ。ラズベリーの酸味とローズの風味、それにチョコレートが合わさって……私、これ、かなり好きだよ。爽やかで、上品な感じで……おいしいよ」

P「……なんか、そう聞くと飲みたくなってきたな。交換するか?」

凛「うん、する」

P「それじゃ……もらうな」

凛「うん」

P「……」チュー

凛「……」チュー

P「……んっ、こっちもうまいな。凛の言っていた通りだ。さすがは90周年限定、と言ったところか……」

凛「こっちもおいしいね、プロデューサー。マンゴーパッションフルーツ。こっちも爽やかな感じがするね。プロデューサーの言っていた『パッションって感じ』の意味もなんとなくわかるよ。……うん、こっちはこっちで、いいね」

P「まあ、夏だからな。爽やかなのはそれで、じゃないか?」

凛「そもそも、このショコリキサーからして冷たいから夏向きなような気がするけどね」

P「それは確かに。……そう言えば、凛」

凛「何?」
379 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:28:45.81 ID:N2tEcs8v0
P「三つ、ってことは、あと二つ、お願い、あるんだよな。それってなんなんだ?」

凛「……そう言えば、まだ言ってなかったね」

P「ああ。それで、なんなんだ?」

凛「一つは……来年のこと。今年、卯月はバースデーライブをしたよね。それと同じで、私も……響子も一緒に、バースデーライブをしたいと思って」

P「……今年できなかったのは申し訳ない。来年はするよ、必ず」

凛「必ず、とか言って大丈夫なの?」

P「……全力で努めさせていただきます」

凛「ふふっ。必ず、じゃないんだ」

P「いや、まあ、ここで『必ず』と言えたらカッコ良かったんだが……さすがに、できるかどうか確定もしてないことにそう言うのは、な。まあ、凛と響子のバースデーライブなんて、絶対に成功すると思うし……十中八九、通ると思う」

凛「……そっか」

P「ああ。で、最後の一つは? 今のが一年後ってことは……次は、十年後とかか?」

凛「……ある意味、そうかも」

P「んっ……マジか。冗談のつもりだったんだが。……いったい、なんなんだ?」

凛「プロデューサーがプロデューサーでいてくれること、かな」

P「……どういう意味だ?」
380 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:29:27.99 ID:N2tEcs8v0
凛「いつまでも私のプロデューサーでいて、ってこと。……これからも、私を見てて、プロデューサー」

P「……それは、言われるまでもないな」

凛「こっちは、必ず?」

P「ああ。必ず、だな」

凛「そっか」

P「ああ」

凛「……残り、飲もうか、プロデューサー」

P「そうだな。……でも、その前に、せっかくこんな雰囲気になったんだから、言っておくよ」

凛「『こんな雰囲気になった』なんて言ったら雰囲気ぶち壊しだけどね」

P「それは言うな。……凛、誕生日おめでとう。これからもよろしく」

凛「……これからも、私は全力で走り続けるよ。だから……プロデューサーも一緒に、ね」

P「……ああ。置いてかれないように、な」

凛「……ふふっ。私たち、店の中で何をやってるんだろうね」

P「確かにな。……早く飲むか」

凛「うん」



381 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:32:54.03 ID:N2tEcs8v0
これにて今回は終了です。
渋谷凛さん、誕生日おめでとうございます。これからもよろしく。

未央が出てないですね。スレタイはどこにいったのか。というか卯月の誕生日より先に凛の誕生日を書いてしまいましたね。う、卯月の話もできるだけ早く書くので……。

この店は前にも書きましたね。というかカラオケで何か食べればよかったですよね。でも私がカラオケであまり何かを食べた経験がないのでやめておきました。最近はカラオケのごはんもおいしいという話は聞くんですけど……また食べてみたいと思います。

というか誕生日とは言え、凛連続ですね。まあ、誕生日なので。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

382 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/08/10(水) 23:36:10.91 ID:N2tEcs8v0
あとSSとは関係ないですがSNの未央めっちゃ良くなかったですか?????
もう好き。大好き。やっぱり未央って未央だわ、と思いました。本田未央ちゃん……好き……。
というかSNが最高の番組ですよね。定期的にやってほしい。これからもアイドルのラジオみたいなのやってほしい……。
久しぶりにまったく関係ない話になりましたね。すみません。でも言いたかったんです。今回未央出てないから未央の話したかった……。

改めてありがとうございました。
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 23:45:52.56 ID:6GXTzli9o
乙です
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 00:39:39.27 ID:OYW0fbCe0
乙です
読んでたら腹減ってきた
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 01:01:58.88 ID:MIR8QwzJO
乙ダヨー

カラオケはポテト食べておけばいいんだよぉ!(加蓮感
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 03:26:00.51 ID:Pf6XFbTb0
おつー
プラリネとかアライブファクターとかマジで凛好きそう
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 12:40:23.95 ID:MIA/P+O5O
カラオケといえばJOYSOUND
JOYSOUNDといえば名古屋
名古屋飯食べにおいで……
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 23:03:38.20 ID:Hkb0R7zF0
乙ー
まさかこのSSがリアルタイムで読めるとは…腹減ってきたよどうしようか
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 16:18:02.86 ID:fd5pwta8o
>>385
病人は粥でも食ってろ!
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/09(金) 20:36:33.82 ID:ko2yZExNO
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 17:47:39.69 ID:Ejdbkjj8O
更新来ないなぁ
もう満腹なんだろうか
392 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:01:03.15 ID:DMzpmect0

――事務所

ちひろ「プロデューサーさん、おでこ、かして下さい」

P「……いきなりどうしたんですか? ちひろさん。熱でもあるんですか?」

ちひろ「熱があるのは……とにかく、ほら」ピタッ

P「ん……ちひろさん、手、冷たくて気持ちいいですね」

ちひろ「私の手が冷たいんじゃなくてプロデューサーさんのおでこが熱いんです」
393 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:02:14.92 ID:DMzpmect0
P「そんなことはないと思いますが」

ちひろ「あります。……プロデューサーさん、今すぐ帰る準備をして下さい」

P「……絶対に、ですか?」

ちひろ「絶対に、です」

P「……わかりました。実際、体調が悪いのは事実ですからね。帰って寝ることにします」

ちひろ「その前に病院にも行って下さいね」

P「そこまですることじゃ――あ、はい、わかりました。だからこわい顔しないで下さい」

ちひろ「行くのならいいんです。それじゃ、病院に行ったら家に帰ってゆっくり休んで下さいね」

P「はい。でも、その前に色々引き継ぎを……っと」フラッ

ちひろ「っ……もう。そんなになるまで頑張らなくてもいいんですよ」

P「……すみません。ありがとうございます」
394 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:03:09.46 ID:DMzpmect0
ちひろ「……引き継ぎなんて後でもいいから早く帰って下さい、と言えないのが難しいところですね」

P「まあ、俺がいきなりぶっ倒れてもなんとかなるようにはしてますけどね。でも、引き継ぎの手続きをするかどうかで結構変わりますし……最低限だけは、やっておかないと」

ちひろ「……プロデューサーさんがいなくてもなんとかなる、とは言えません」

P「……?」

ちひろ「だから、休まなきゃいけない時は、ゆっくり休んで下さいね。その間は、私が……私たちが、なんとかしますから」

P「……ちひろさんが言うなら、心配ないですね。と言っても、たぶん、一日休めばなんとかなる気もしますけど」

ちひろ「……プロデューサーさん」

P「……そんな目で見ないで下さい。ゆっくり、ゆっくり休みますから」

ちひろ「約束ですよ? って、こんな話をいつまでも続けているわけにはいきませんね。それじゃ、プロデューサーさん、お願いします」

P「はい。まず、スケジュールはちひろさんと俺での共同管理ですけど――」
395 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:03:48.14 ID:DMzpmect0

――Pの家

P「……ただいま」

P(なんて言っても、誰もいないけど)

P(……べつに深刻な病気とかじゃなかったけど、数日はゆっくりしてろって言われたな)

P(まだまだやることは残っているのに……でも、そこまで心配かと言えば、まあ、ちひろさんもいるし、大丈夫だろうって思えるけど)

P(……全身がだるい。肌がなんだかぴりぴりとしているような感じ。寒気……も、するな)

P(頭痛はないし、喉も問題ない。熱はあるけど……それだけか)

P(……とりあえず、寝よう)

P(休んで、早く、なおさないと……)
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 02:04:06.80 ID:7Ba4mPlqo
リアルタイム遭遇期待
397 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:05:31.04 ID:DMzpmect0
P(……ああ、くそっ。こんなこと、普段は思わないのに……)

P(どうしようもなく、寂しい)

P(元気じゃないと、人恋しくなる……な)

P(誰か……何か……あ)

P(こういう時に、何か、元気つけてくれるような……そういうの、あったら、いいかもな)

P(誰がいいだろう……ゆかり、とか? 茄子も良さそうだな。美優さんも……)

P(凛は……凛だからこそ、こういう時に優しくしてくれるようなのがあったら、良さそうだな)

P(茜は……元気、出そうだな。藍子も、良さそうだ。なんか、心が穏やかになりそうな……癒やされそうだ)

P(卯月も良さそうだな……。頑張ります、って、いや、さすがにそれはないか)

P(……ああ、でも、俺は、やっぱり……)
398 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:06:12.78 ID:DMzpmect0
P「……未央」

P(未央に、会いたいな)

P(今度は、どこに行こう。どこで、何を、食べよう)

P(未央と一緒に、どこかで……どこでも、未央となら……)

P「……未央」

P(未央に、会いたい)

P(苦しい。辛い。隣にいてほしい。隣にいてくれるだけで……)

P「……未、央……」
399 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:07:47.79 ID:DMzpmect0

――事務所

未央「プロデューサーが!?」

ちひろ「はい。プロデューサーさんが言うには『大丈夫』みたいですけどね」

未央「……プロデューサーの言うことだと、ちょっと信用できないね」

ちひろ「それは否定できませんね」クスクス

未央「ちひろさんの目から見て、どうだった?」

ちひろ「顔色を見て、帰らせた方がいいと思うくらいには辛そうでした」

未央「……そっか」
400 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:09:48.20 ID:DMzpmect0
ちひろ「……心配ですか?」

未央「心配……うん。心配だよ。私、こういう時には、何も……ちひろさん」

ちひろ「なんですか?」

未央「私、今日はこの後、何もないよね」

ちひろ「ありませんね」

未央「明日も、オフだったよね」

ちひろ「そうですね」

未央「……プロデューサーの看病、しに行っちゃ、ダメ、かな」

ちひろ「……本来なら、もちろん、ダメと言うところです」

未央「……本来なら、ね」

ちひろ「はい。どうやらうつるようなものでもないようですし、念のため、合鍵ももらっています。プロデューサーさんの了承も得ています。アイドルが来るとは、思っていないでしょうけど」

未央「それじゃあ……」

ちひろ「未央ちゃん。……プロデューサーさんのこと、お願いしますね」

未央「……うん!」
401 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:14:23.27 ID:DMzpmect0

――Pの家

未央「お邪魔しまーす……」

未央(……ここが、プロデューサーの家)

未央(さすがに来るのは初めてだから、ちょっと、緊張する)

未央(でも、看病しに来たんだもんね。そんな、変なことを考えちゃ――へ、変なことって、私、いったい、何を……!)

未央(うぅ……お、落ち着け、私。本田未央ちゃん。パーフェクトスター……しぶりんみたいな感じで、心にリーナ、心にリーナ……これしぶりんに『私みたいって何?』って怒られるかも。あと、落ち着くならリーナよりもあーちゃんの方が落ち着けるような気がする)

未央(……うん、でも、ちょっと、落ち着いてきた。とりあえず、部屋に上がらせてもらおう)
402 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:17:11.94 ID:DMzpmect0
未央「プロデューサー、入るよー……」

未央(寝てるかもしれないから、起こさないように……あ、ベッド。プロデューサー、寝てる……)

未央「プロデューサー。未央ちゃんが、来てあげましたよー……」

未央(なんて、聞こえてないだろうけど)

未央(……プロデューサー、ぐっすり寝てる)

未央(勝手に部屋のものに触るのはさすがにダメだけど、ちょっと、起きた時のために、何か、用意しておこうかな)

未央(えっと、この間取りだと、キッチンは、たぶん――)
403 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:19:26.41 ID:DMzpmect0


P「――未央」

404 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:20:07.96 ID:DMzpmect0
未央「ひゃっ! ぷ、プロデューサー、起きて――」

未央(……寝てる。ってことは、寝言? ……寝言!? え、寝言、寝言って、プロデューサー、いったい、どんな夢を……!)

P「……未、央……」

未央(……違う)

未央(プロデューサー、苦しそうに……辛そうに、してる)
405 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:21:03.90 ID:DMzpmect0
未央「……プロデューサー」ギュッ

未央「大丈夫だよ、プロデューサー。私は、ここにいるよ。ここにいるから、安心して、ゆっくり、休んで」

P「……未央?」

未央(っ……プロデューサー、目を、開けて……起こしちゃった? せっかく、寝ていたのに――)

P「……」ギュッ

未央「えっ――ちょ、ぷ、プロデューサー!?」

未央(え、あ、なに? どうして、今、抱きしめられて……べ、ベッドだし、あの、その、さすがに、心の準備が――)
406 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:21:34.92 ID:DMzpmect0
P「……ごめん、未央。でも、もう少し……もう少しだけ、このままで……」

未央(……プロデューサー)

未央「……うん。大丈夫。大丈夫だよ、プロデューサー。私は、どこにもいかないから。だから……今は、プロデューサーの、思うままにして?」

P「……ありがとう、未央」

未央「どういたしまして」
407 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:25:40.93 ID:DMzpmect0

――

P「すまなかった、未央。寝起きだったからって、あんなこと……」

未央「謝らないでよ、プロデューサー。病気で、弱ってたんだもん。仕方ないよ」

P「仕方ないなんてことは……」

未央「……もう」ギュッ

P「んっ――ちょ、未央、いきなり、何……」

未央「……病気の時くらい、甘えてよ、プロデューサー。甘えても、甘えてくれても、いいんだよ」

P「……ごめん」

未央「謝らないでも……もう。プロデューサーは、やっぱり、プロデューサーだね」

P「……ん」
408 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:27:37.65 ID:DMzpmect0
未央(……本当に、弱ってたんだね、プロデューサー)

未央(こんなプロデューサーを見て、ちょっと、かわいい、って……そんなことを思っちゃってる私は、悪い子かな。悪い子かも。……でも)

P「……未央」

未央「なあに? プロデューサー」

P「……ありがとう」

未央「……うん」

未央(プロデューサーが、安心したように見えるから。安らいでいるように見えるから)

未央(……まだ、もう少し、このままで……)
409 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:31:52.34 ID:DMzpmect0

――

未央「お腹空かない? プロデューサー」

P「お腹……ん、まあ、そこまで空いてはないが」

未央「でも、食べた方がいいよね。ってことで、おかゆでもつくるよ。私でもおかゆくらいならつくれるからね」

P「なんで空いたかどうか聞いたんだよ……でも、うん、そうだな。ありがとう」

未央「どういたしまして♪ お礼はデートで勘弁してあげましょう」
410 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:34:36.77 ID:DMzpmect0
P「デート、って……まあ、またどこかに連れて行くよ。約束する」

未央「えー。いつもの感じじゃなくてデートがいいなー」

P「だから、デートは……あー、もう。いいよ、わかった。デートじゃあないが……いつもとはまた別で、遊びに行くか」

未央「遊び……デートじゃないの?」

P「違う」

未央「そっか。……うん。じゃあ、楽しみにしてるね、プロデューサー☆」

P「……頑張る」

未央「……その言い方、なんだか、自信がないみたいだね」

P「うるさい。……ないんだよ」
411 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:35:33.39 ID:DMzpmect0
未央「……えへへ。それじゃあ、確かに、頑張るしかないね、プロデューサー」

P「……なんで嬉しそうなんだよ」

未央「それはナイショ♪ それじゃ、そろそろおかゆをつくりに行くとしますか。キッチン借りるね、プロデューサー」

P「ああ。頼む」

未央「うん。未央ちゃんに任せたまえー。そんなに時間はかからないと思うから、ここで待ってて。それじゃ――」

P「」ニギッ

未央「……へ?」

P「……ん?」
412 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:36:05.30 ID:DMzpmect0
未央「……」

P「……」

未央「……えっと、プロデューサー? 服の裾を握られてると、キッチンに、行けないんだけど……」

P「……あ」

未央「……もしかして、プロデューサー」
413 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:36:37.20 ID:DMzpmect0
P「いやっ……その、ちょっと、さびしかっただけでだな。ひとりの部屋に戻るのがまた嫌だったというか、って、俺、何を言って……その、未央が来てくれて嬉しかったから、まだ一緒にいてほしい、って、だから、そうじゃなくて、いや、まあ、そうなんだけど、未央と離れたくないというか、いや、違う、違わないけど、いやいや違う、違うんだ。その、つまり……あー! 何言ってんだ俺!」

未央(……プロデューサー、顔、真っ赤)

P「えっとだな……つまり、今のは、ちょっと、間違えただけだ。なんか、手が勝手に動いたというか、それだけだ。だから……あー、頭が混乱してるな。とにかく、未央は行ってくれ。俺は、ちょっと、頭を冷やしとくから」

未央(こんなプロデューサー、ちょっと、珍しいかも)

未央(……なんだか)

未央「かわいいね、プロデューサー」

P「……は!?」
414 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:37:08.84 ID:DMzpmect0
未央(あ、声に出しちゃった。……でも、いっか)

未央「一緒に行く? プロデューサーくん」

P「かわ……いや、だから、さっきのは……」

未央「……私は、一緒に行きたいよ? ほら、手、貸して」

P「……ん」ニギッ

未央「ん、よろしい♪ それじゃ、手をつないで……行こっか、プロデューサー」
415 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:37:40.26 ID:DMzpmect0
P「……なんか、今日、情けないところを見られてばっかりだな……」

未央「病人がそんなこと気にしない。それに、情けなくなんかないよ。私にとっては、プロデューサーは、いつも……今も、かっこいいよ」

P「……かっこよくは、ないだろ」

未央「そうかな? そうかも。でも、かっこいいの」

P「矛盾してないか?」

未央「矛盾してちゃダメ?」

P「……わからない」

未央「なら、いいってことで。とりあえず、行こ? プロデューサー」

P「……ああ。行こうか、未央」
416 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:38:14.38 ID:DMzpmect0
未央「って、キッチンに行くだけなんだけどね」

P「それは言うな」
417 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:42:41.15 ID:DMzpmect0

――

未央「なんやかんやで、おかゆ、完成!」

P「なんやかんやってなんだよ……」

未央「なんやかんやは……なんやかんやです!」

P「なんでお前がそのネタ知ってるんだよ……」

未央「見たことあるから?」

P「いや、だろうけど……まあいいや。とりあえず、いただくか」

未央「私もちょっともらうね。それじゃ、いただきまーす」

P「いただきます」

未央(とは言ったものの、先にプロデューサーが食べてから、かな)

未央(普通のおかゆ、って感じだけど……プロデューサーの舌に合うかな。どうだろ)

P「」パクッ

未央(あ、食べた。もぐもぐして……この反応は)
418 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:43:18.86 ID:DMzpmect0
未央「どう? プロデューサー」

P「ん。おいしいよ。ありがとう、未央」

未央「やたっ」

未央(良かった……)

P「なんというか、ちょうどいいな。おいしいよ。俺の舌に合ってる」

未央「まあ、プロデューサーとは何度もごはん行ってるからね。私からすれば、これくらい造作もないことですよ」

P「そうか。それなら、未央には毎日俺のごはんをつくってほしい……なんてな」

未央「んっ……ぷ、プロデューサー。それ、意味、わかってるのかな?」

P「ん? いや、今のはただの……あ」

未央「……」

P「いや、その、べつに、そういう意味じゃなくてだな。ただ、褒めようと思って言っただけで、変な意味は……」

未央「……ないの?」
419 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:44:21.78 ID:DMzpmect0
P「……ずるくないか?」

未央「プロデューサーが先に言ったんじゃん」

P「それは、まあ、そうだが……ないことは、ない、です」

未央「です、って」

P「うるさい。からかうな。あー、もう、今日は本当にダメだな……」

未央「私は楽しいよ☆」

P「うるさい」
420 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:44:56.68 ID:DMzpmect0

――

未央「りんごもあるんだけど、剥く?」

P「んー……うん。剥くか」

未央「あ、もちろん私が、だよ?」

P「……確かに素で俺が剥こうとしてたけどなんでバレた」

未央「プロデューサーだから?」

P「理由になってないと思うんだが」

未央「なんかそんな気がしたってだけだから気にしない気にしない。それじゃ、剥くね」

P「ん、頼む」

未央「頼まれましたー……っと」シュルシュル
421 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:45:48.20 ID:DMzpmect0
P「……なんか、未央、うまいな」

未央「未央ちゃんは器用ですからねー」シュルシュル

P「自分で言うか」

未央「言っちゃうー」シュルシュル

P「……」

未央「……」シュルシュル

P「……なんか、こういうの、良いな」

未央「? 何が良いの? プロデューサー」

P「あ、声に出てたか。どうでもいいから忘れてくれ」

未央「えー。気になるよー。教えて教えてー」
422 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:46:28.88 ID:DMzpmect0
P「……俺の家で未央がりんごを剥いていて、それを無言で見ることのできることが、って、なんか言ってて恥ずかしくなってきたな」

未央「……未央ちゃんがお嫁さんに来たみたい、って?」

P「んっ……そういう意味じゃなくて、ただ……でも、そうなのかもな」

未央「お、素直。なになに? 未央ちゃんがお嫁さんに欲しくなっちゃった?」

P「……答えにくいんだが」

未央「そう? ごめんね。……よし、剥けたよ、プロデューサー」

P「ん。早いな」

未央「早いよー。それじゃ、一口サイズに切っちゃって……はい、プロデューサー。あーん♪」

P「……あーん」

未央「お、ノリ良い」

P「言わないと食べさせないだろ」

未央「まあね。じゃ、改めて、あーん」

P「あーん」パクッ
423 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:46:55.10 ID:DMzpmect0
未央「……どう?」

P「……ん、うまい。シャリシャリしてて、甘い。おいしいよ。未央も食べるだろ?」

未央「お、いいの? それじゃあもらうね。……あ、プロデューサー」

P「ん?」

未央「あーん」

P「……自分で食べろよ」

未央「あーん」

P「……ったく。あーん」

未央「んっ♪」パクッ

未央「……ん、ほんとだ。おいしいね」

P「おいしいな」

未央「未央ちゃんが剥いたからかな?」

P「りんごが良いんだよ」

未央「えー。冷たーい。アイドルの剥いたりんごなのにー」
424 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:47:29.09 ID:DMzpmect0
P「……アイドルってことよりも、俺としては、未央が剥いたってことの方が大事だけどな」

未央「……それ、プロデューサーとしてはどうなのかな?」

P「ダメだな」

未央「だよね。……私は、嬉しいけど」

P「そうか」

未央「うん」

P「……」パクッ

未央「……」パクッ

P「……うまいな、りんご」

未央「……うん」
425 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:47:57.35 ID:DMzpmect0

――

P「ん、もうこんな時間か。未央。さすがにそろそろ帰らないとな」

未央「帰る……帰る、かー」

P「なんだその反応。何か不満でも?」

未央「いや、不満というか、何と言うか……プロデューサー、一人でも大丈夫かなー、って」

P「大丈夫かなー、って……俺をなんだと思ってるんだよ」

未央「とは、今日のことを考えると言えないよね?」

P「……まあ、そうだな」
426 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:48:36.11 ID:DMzpmect0
未央「……泊まってもいい?」

P「ダメだ」

未央「プロデューサーが自分を抑えられる気がしないって?」

P「そうじゃなくて、そんなことしたら、ちひろさんにどんだけ怒られるか……」

未央「……ちひろさんに怒られなかったら、いいんだ」

P「あ」

未央「……プロデューサーのえっち♪」

P「えっち、って……それを言うなら、先に泊まるとか言ったお前の方だろ」

未央「そうかな?」

P「そうだ」

未央「そうかー。まあ、セクシー担当だしね」

P「何のだよ……」

未央「ニュージェネとかポジパの? 美嘉ねーリスペクトー、みたいな」

P「……その二つのユニットなら、確かに、そうかもな」

未央「でしょ?」

P「まあ……って、何の話だよ」

未央「確かに、何の話だろ」
427 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:49:13.16 ID:DMzpmect0
P「……とりあえず、帰れ、未央。俺なら、大丈夫だから」

未央「……ほんとに、大丈夫?」

P「ああ。ありがとう、未央」

未央「……ん。それじゃあね、プロデューサー」

P「ああ。それじゃあな、未央」
428 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:49:44.89 ID:DMzpmect0

――

P「……ふう」

P(未央が帰った……か)

P(……大丈夫だとは言ったが、やっぱり、まだ寂しいな)

P「……ライブ映像でも、見るか」
429 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:50:29.40 ID:DMzpmect0
P(やっぱり、ウチのアイドルは最高のアイドルだな)

P(……あ、ヤバいな、眠くなってきた)

P(テレビ、消さないと……いや、もう、いいか)

P(今日は、このまま……寝てしまおう)

P(……)

P(……)

P(……)

プルルルル

P「……ん?」

P(電話? ちひろさんか? 何か、あったとか……って、未央?)
430 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:51:14.88 ID:DMzpmect0
P「もしもし。どうした? 未央」

未央『あ、プロデューサー。ごめん、もしかして、もう寝てた?』

P「まあ、寝てたな。でも気にするな。で、何の用だ?」

未央『いや……用というか、ちょっと、言い忘れていたことがありまして』

P「言い忘れていたこと……?」

未央『うん。プロデューサーに「おやすみ」って言ってなかったな、って』

P「……」

未央『まあ、もう寝ちゃっていたんだったら遅いし、むしろ起こしちゃっただけ悪いような気もするけどね』

P「いや、大丈夫だ。むしろ……」
431 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:51:41.40 ID:DMzpmect0
未央『? むしろ?』

P「なんでもない。……未央」

未央『なに?』

P「おやすみ」

未央『……うん。おやすみ、プロデューサー』

P「……それじゃ、切るな」

未央『うん。おやすみ――って、これ、さっきも言ったね。こういう時、電話を切る時のあいさつってどうするべきなんだろ』

P「べつに、おやすみ、でいいんじゃないか? 二回言っても、べつに、な」

未央『……そうだね。それじゃ、改めて』

P「ん。おやすみ、未央」

未央『おやすみ、プロデューサー』

ガチャ ツーツーツー
432 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:52:18.90 ID:DMzpmect0
P「……ありがとう、未央」

P(……寝よう)

P(ぐっすりと寝て、早く体調を戻して……そして、また)

P(未央を、みんなを……プロデュース、する、ために……)」



433 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 02:55:07.68 ID:DMzpmect0
これにて今回は終了です。
割りと久しぶりですね! あと今回あんまり「ごはん」って感じじゃないですね! 次回はそんなことないと思います!

今回こんな感じになったのはちょっと体調崩して弱ってた時に「こんな時に未央がそばにいてくれたらなあ」とめちゃくちゃ思ったからです。つまり個人的欲望の塊です。……いつも通りですね!

次回は割りとガッツリ食べたいかな……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 02:58:57.74 ID:msq+CHAwo
最高だわ…
ずっと待っていた甲斐があった
乙です
435 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/09/29(木) 03:00:03.35 ID:DMzpmect0
あとSSとは関係ないですがフェス限未央……! あとデレステの次イベも未央……!
頑張ります! 頑張りたい。頑張ろう……。
はぁ……未央とただ寄り添っていたい……。

改めてありがとうございました。
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 11:25:36.39 ID:D8i87csjo
乙です
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 17:14:02.31 ID:iK2ST+RYO
おぉ、乙
心配してたけど来てくれたから良かった

未央のエネルギーを少しでもいいから貰いたいところ
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/29(木) 20:31:31.75 ID:QevCfxN4O
もしかして途中のは33分探偵?
あれもだいぶ前のドラマになっちゃったなあ
年月経過ってはやい

おっつおっつ
たまにはこういうのもアリ
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/30(金) 07:10:59.01 ID:qJMnEQNho
乙乙待ってたぞ
いい…
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [[sage]]:2016/10/03(月) 09:05:02.05 ID:GK1SrgyW0
行間を味わえる気がする文章で、すごく好き。 
もう一度言おう、このSSすごく好きだぜ。
441 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:26:26.02 ID:3MiJrL600
P「チャーハンが食べたい」

未央「えっ、いきなりどうしたの? プロデューサー」

P「いや、ちょっと知り合いがオススメしてた店があってさ。だから、行きたいな、って」

未央「それは未央ちゃんを誘っているということかな?」

P「まあ、そうだな。来るだろ?」

未央「えー。でも、私、アイドルだからなー。あんまり食べ過ぎるのもなー」

P「今まで食べまくってた奴がよく言う」

未央「それはプロデューサーのせい……だけじゃないけど、プロデューサーの責任もあるでしょ?」

P「それは……そうだな」

未央「そうそう。まったく、おかげで未央ちゃんのレッスンはハードなんですよ? 仕事もあるのに」
442 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:32:47.92 ID:3MiJrL600
P「……確かに、俺があんなに色んなところに連れて行ってるのに、未央はスタイル良いよな」

未央「ふふん、これも未央ちゃんの努力の賜物ですよ。美嘉ねーやくみねぇにも話聞いたりしてるけど」

P「あー……その二人なら問題ないな。で、結局どうするんだ?」

未央「どうするって、何が?」

P「チャーハン」

未央「行くよ?」

P「なんだその『当然じゃん』みたいな言い方」

未央「いや、だって……当然でしょ?」

P「さっき自分が言ったこともう忘れたのか?」

未央「それはまあ、いつものおふざけですし? プロデューサーもわかってたでしょ?」

P「そりゃ、まあな。でも、実際、アイドルをそんなに連れて行くのもな……」
443 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:36:16.26 ID:3MiJrL600
未央「そんなの、今更ですよ、今更。それに、未央ちゃんはプロデューサーとごはんを食べに行くために頑張ってるところもあるからね」

P「そのためかよ……」

未央「もちろん、そのためだけじゃないけど、そういうごほうびのためにも頑張ってるというところはあるというか? 頑張った後には、やっぱりおいしいものを食べたいですし。それが大好きな人となら最高でしょ?」

P「それはわかるが……いや、うん、そうだな。俺も同じ気持ちだから」

未央「私とごはんを食べるために頑張ってる?」

P「ってところも、まあ、あるな。正確には、それがあるって思えるから、より一層頑張れるというか」

未央「……なんか、スイーツを自分へのごほうびっていうOLさんみたいだね」

P「近いかもしれないな……」

未央「近いんだ……」

P「自分で言ってそういう反応するなよ……とにかく、行くか」

未央「おー」
444 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:36:46.54 ID:3MiJrL600

――

未央「それで、チャーハンってことは、今日は中華料理屋さん?」

P「中華……中華、なのか?」

未央「『なのか?』って言われても困るんだけど」

P「確かにな。でも、実際よくわからないんだよな」

未央「というと?」

P「チャーハン専門店みたいなところだから、だな」

未央「チャーハン専門店……あ、なんか聞いたことあるかも」

P「お、そうなのか。行ったことは?」

未央「ない、けど、たまにテレビとかで見るような……気がする」

P「俺もまあ存在だけは知ってたな、チャーハン専門店。それで、今日行くところがなかなかおいしいって話を聞いたから行きたいと思ったんだよ」

未央「ほうほう。チャーハン専門店のチャーハン……いったい、どんなものが出てくるのか。楽しみだね、プロデューサー♪」

P「そうだな。俺も、かなり楽しみだ」
445 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:37:13.03 ID:3MiJrL600

――店の前

未央「ここ?」

P「だな」

未央「……かにチャーハン?」

P「うん。……そのままの名前だよな、店名」

未央「わかりやすいけど……うん、わかりやすいけどね!」

P「とりあえず、入るか」

未央「うん……」
446 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:37:43.27 ID:3MiJrL600

――店の中

P「チャーハンだけ、って言っても、チャーハンにもそこそこ種類あるな。どうしようか」

未央「うーん……それじゃ、私はこの『かに海鮮五目チャーハン』っていうので」

P「む。俺もそれにしようとしてたんだが……まあ、一緒でもいいか。なんかセットにできるみたいだが、未央はどうする?」

未央「自家製かに焼売一個と肉汁餃子が二個のやつ!」

P「わかった。それじゃ、注文するか。すみませーん!」
447 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:38:11.02 ID:3MiJrL600

――

P「ん、まずは味噌汁か」

未央「味噌汁だね。かに味噌汁?」

P「らしいな。まあ、飲んでみるか」

未央「だね。それじゃ、いただきまーす」

P「いただきます」

未央(味噌汁……具は、これはネギ、かな? とりあえず、飲んでみよう)ズズ……

未央「ん!」

未央(わ! カニ! 結構カニだ! 一口飲むだけでカニってわかって、これは、なかなか……)

未央(ふぅ……。おいしくて、一気に飲んじゃ……あ! カニ! カニだ! 底の方にあって見えなかったけど、カニが入ってる! カニ身ってわけじゃないから、ちょっと、食べにくそうだけど……おおー、味だけじゃなくて、ちゃんとカニも入ってたんだ。なかなかびっくりかも)

未央(でも、味噌汁からおいしいなー。……チャーハン専門店で味噌汁がおいしいって、どうなんだろう。なんか、中華料理屋さんってスープのイメージが強いし……いや、おいしいんだけど。おいしいんだけどね? ……中華料理屋さんじゃなくてチャーハン専門店だから、かな)
448 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:39:05.06 ID:3MiJrL600
P「……お。カニも入ってるのか」

未央「そうそう。カニも入ってるんだよね。なかなかびっくり」

P「確かに、ちょっと驚いたな。味噌汁だけでもおいしかったから、これでカニ味噌汁なのかと思ったよ」

未央「私も私も。まあ、最初にお箸で中を突っついてみたりしたら気づいたのかもしれないけど、すぐ飲んじゃったから」

P「俺もそうだな。しかし、これでチャーハンはいったいどんな……って、そろそろ来そうだな」

未央「あ、ほんとに? ……あ、ほんとだ」
449 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:39:53.95 ID:3MiJrL600
P「で、来たな。かに海鮮五目チャーハン」

未央「カニと、いくら。あとは……イカ?」

P「だな。……うまそうだな」

未央「うん、おいしそう。いただこっか」

P「ああ」

未央(さてさて、かに海鮮五目チャーハン……どう食べようかな。とりあえず、まずはチャーハンだけで食べてみよう)

未央(わ。パラパラ。さすがはチャーハン専門店……スプーンですくっただけで実力を見せつけてくるとは! なんてやってないで、さっさと食べよー)パクッ

未央「……お」

未央(おおー……軽い。食感が軽い。すくっただけでパラパラだってことはわかってたけど、これは、思ったよりも……)

未央(なんか、全然べちゃってしてなくて、変に油っこくなくて……なんだか、いくらでも食べられそう、って感じ。チャーハンって油っこいイメージあったから、結構衝撃的かも)
450 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:40:25.12 ID:3MiJrL600
未央(……これを、カニと一緒に食べたら、どうなるんだろう)

未央(……いざ!)パクッ

未央「……ん」

未央(あー……おいしい。こんなのわかってたけど……わかってたけどさ!)

未央(あと、そう言えば、カニといくら、イカだけじゃなくて……じゃこ? も入ってる? のかな? 海鮮五目感あるね!)

未央(……イカも食べちゃお!)パクッ

未央「……うん」

未央(柔らかくて、いい味してる! それからそれから……カニといくらを、一緒に!)パクッ

未央「んー!」

未央(おいしい! 純粋にチャーハンとしてもおいしいけど、一緒に食べると、海鮮の味が口いっぱいに広がって……本当、幸せ)
451 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:41:04.00 ID:3MiJrL600
未央(あとは……そう言えば、餃子と焼売、食べてなかったな。食べちゃおー。まずは……餃子から!)パクッ

未央「……んっ」

未央(そ、そう言えば、名前、肉汁餃子だった……名前通り、すごい肉汁! おいしい……)

未央(……そのまま、焼売!)パクッ

未央「……はぁ」

未央(これもおいしい……なんか、もう、とにかく……おいしい)

未央(ぜんぶがぜんぶおいしくて……もう、最高ー!)
452 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:41:32.60 ID:3MiJrL600

――店の外

未央「おいしかったね、プロデューサー!」

P「ああ。チャーハン専門店だけあって、チャーハンもちゃんとおいしかったな。正直、カニを推してる店だと思ってたから……いや、まあ、推してるとは思うんだが」

未央「うんうん。チャーハンとしてもおいしかったよね。私、ここ好きかも。そんなに油っこくなくて、軽くて、食べやすいし」

P「あー……確かに、あんまり油っこくなかったな。味はしっかりしてたんだが、しつこくなかった。なんだか、いくらでも食べられそうな感じだ」

未央「そうそう。プロデューサーは油っこい方が好きだったりしなかった?」

P「それは体調とか気分にもよるな。それはそれ、これはこれで別物って感じでもあるしな」
453 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:42:10.53 ID:3MiJrL600
未央「そっかー……ふぇいふぇい、って、どうなんだろ?」

P「菲菲……どうだろうな。香港ってことは、広東料理が主流だから……こういうのも、割りと好きなんじゃないか?」

未央「プロデューサー、そういうのまでわかるの?」

P「いや、ただの予想だ。もしかしたら、油っこいのの方が好きなのかもしれない……」

未央「……どっちなの?」

P「菲菲に聞いてみないとわからないな。香港生まれって言っても、それでわかるのは傾向だけだからな。菲菲自身がどうかはわからない。菲菲は菲菲だからな」

未央「そうだね。私も私だし、プロデューサーもプロデューサーだもんね」

P「……『プロデューサーもプロデューサー』って、当然のこと言ってるな」

未央「じゃあ、PさんはPさんだから?」

P「……その呼び方やめろ」

未央「えー。なんでー? 呼んでる人いっぱいるのにー」
454 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:42:49.05 ID:3MiJrL600
P「今になって未央からそういう呼び方されると、何と言うか、変な感じするんだよ」

未央「それはそうだけどさー……いつかは、そう呼ぶ日も来るでしょ?」

P「……かもな」

未央「かも?」

P「……たぶん」

未央「絶対じゃなくて?」

P「……あー! もう! とにかく! その日が来るまではあんまりその呼び方はするな!」

未央「もー。照れ屋さんなんだから」
455 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:43:27.49 ID:3MiJrL600
P「照れ屋とかそういうのじゃ……帰るぞ、未央」

未央「はーい。……ね、プロデューサー。手、繋がない?」

P「……なんでだよ」

未央「ほら、ちょっと、夜は肌寒くなってきたからさ」

P「……ん」ギュッ

未央「……えへへ。ありがと、Pさん」

P「……その呼び方はやめろ」

未央「だね。でも、手、離さないんだね、プロデューサー」

P「未央が寒いって言ってるからな」

未央「そっか」

P「ああ」
456 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:44:11.56 ID:3MiJrL600
未央「……」

P「……」

未央「……プロデューサー、手、あんまりあったかくないね」

P「……未央は、あったかいな」

未央「あたたまる?」

P「ああ」

未央「そっか。……良かった」

P「……なんか、逆になってないか?」

未央「確かにね」

P「……手は、離さないんだな」

未央「うん。……プロデューサーの手はあたたかくないけど、私も、あたたまってるから」

P「……そうか」

未央「うん」

P「……」

未央「……」ギュッ

P「……」ギュッ



457 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:47:47.14 ID:3MiJrL600
これにて今回は終了です。
チャーハン。おいしかったです。他にも種類はあったのですが、まだ食べていないのでいつか食べたいところ……。

最近は肌寒いというか、ころころ気温が変わる印象です。上がったり下がったり。個人的にはもうちょっと落ち着いてほしいですね。

今回名前だけ出したアイドルはいつか出したいなぁ……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。
458 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/10/18(火) 20:51:07.87 ID:3MiJrL600
あとSSとは関係ないですがライブがありましたね。「ステップ!」は良い曲……。
本当に「本田未央」って感じの曲ですよね。大好きです。「ミツボシ☆☆★」も「ステップ!」も大好きです! 

遅くてもこれくらいのペースでは書いていきたい……。

改めてありがとうございました。
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/18(火) 21:35:28.85 ID:0mTYTGYFo
乙です
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/18(火) 22:08:48.42 ID:qSCuMRU6o

ググったら本当にかにチャーハンの店なのねww>店名
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/18(火) 23:54:05.17 ID:CB2iwkPEO

チャーハンおいしそうだ…

ミツボシもステップもどっちも素晴らしいけど、
1回のライブで両方聞いたら元気が出すぎてしまう気がする
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/19(水) 00:15:51.57 ID:NXhS1Efao

あー未央と結婚してーわー
463 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/11/11(金) 23:10:59.57 ID:fFdY/3LN0

 CM。

 遠くから一人の少女の姿が映る。制服にマフラーを付けた長髪の少女。

 その手に何かを持っている。しかしまだそれが何かはわからない。

 カットが変わり、少女の整った顔が映し出される。

 少女はどこかを見ている。そのまっすぐな目は視聴者の心を掴む。

 少女が一本のポッキーを口に運び、パキッ、と割って食べる。

「……おいしい」

 今まで凛とした表情を見せていた少女の微笑み。

 そこでロゴマーク。「あなたも、私も」という少女の落ち着いた声から、視聴者が慣れ親しんだ「ポッキー」という男性の声。

 そして、次のCMに――

464 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/11/11(金) 23:11:57.04 ID:fFdY/3LN0

――事務所

未央「……しぶりん、本当にCMやってる」

P「まあな。しかし、今年もこんな大きな仕事が入ってよかったよ。さすがは凛、って感じだな」

未央「……実際、しぶりんのチョコレートへの愛は結構重いもんね」

P「でも、このCMでは『おいしい』っていうあの表情にすべてが込められているんだよな。いつもの凛を知ってる人からしても、このCMはかなり良いと思うんだよなー。あの渋谷凛が何かを食べてあんな風に微笑むとか、俺でも買いたくなるもんな」

未央「買わなくてもあるけどね。……いっぱい」

P「……本当に、いっぱい、な」

未央「……ポッキーゲーム、する?」

P「なんでそうなる」

未央「いやー、だってこんなにポッキーがあるんだよ? それに、今日はポッキーの日! これはもうポッキーゲームするしかないでしょ!」

P「そうはならないと思うが」

未央「えー。でもでも、ポッキーゲーム、したくない? アイドルとのポッキーゲームだよ? 貴重ですよ?」
465 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/11/11(金) 23:12:44.06 ID:fFdY/3LN0
P「アイドルとのポッキーゲームだから、やらないんだよ。……これ、去年も同じようなやり取りしたような気がするんだが」

未央「そうだっけ? そうかも。でも、去年と今じゃ……ほら、私たちの関係も、違うでしょ?」

p「同じだ。アイドルとプロデューサー。それ以上でもそれ以下でもない」

未央「えっ」

P「……なんでこの流れで本気でショックを受けてるんだよ」

未央「……あっ。そ、そっか。そうだよね。そういう流れ、だったよね。……でも、そうだとしても、それは言ってほしくなかったかも」

P「……すまん」

未央「……それじゃあ、ポッキーゲーム、しよ?」

P「それはできない」

未央「えー! なんでー! 未央ちゃん傷ついてるのにー!」

P「傷ついてる奴の言い方じゃないだろ……」

未央「……本当に、割りと、傷ついてるんですよ?」
466 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/11/11(金) 23:13:13.57 ID:fFdY/3LN0
P「っ……」

未央「……なんちゃってー! でもでも、傷ついてるのは本当だから、慰めて♪」

P「……未央」

未央「なにかな? プロデューサーくん」

P「……いや、なんでもない。お前は優しいよな」

未央「まあ、未央ちゃんは世界でも五指に入る優しさの持ち主ですからなぁ……」

P「そこまでは言ってないが」

未央「むぅ。そこは乗ってよ、プロデューサー」

P「悪い悪い。で、ポッキーゲーム、だったか?」

未央「……やってくれるの? アイドルとプロデューサー以上でも以下でもないのに?」

p「……お前、根に持ってるな」

未央「だって本当にショックだったんだもん。そんなこと言われたら、しぶりんやあーちゃんでも落ち込むと思うよ?」

P「……すまん」
467 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2016/11/11(金) 23:13:51.82 ID:fFdY/3LN0
未央「反省しているなら許してあげましょう。で、ポッキーゲームだけど……どうしよっか?」

P「どうするって?」

未央「負けた方に罰ゲーム的なの、ほしいなーって」

P「罰ゲーム……あんまり気は進まないが、まあ、いいぞ」

未央「お、いいの? 罪悪感かな?」

P「そうだよ。続けろ」

未央「えへへ。ごめんごめん。さっきのはもういいよ♪ いつまでも引きずられていると、私も気まずいからさ」

P「それじゃあ、罰ゲームはなしで」

未央「それはダメ」

P「ダメなのか……」
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