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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/12/16(水) 00:30:20.79 ID:OtBfvlRMo
「麻人、ちょっとこっちに来なさい」
学校前の駅で下車すると、俺と夕也の方に歩み寄って来た有希が怖い顔で言った。
「何だよ」
「夕也は麻衣ちゃんを教室まで送って行って。あたしはこいつに少し話しがあるから」
「話ってもう始業時間まであまり時間ねえぞ」
「すぐ済むよ。あんたはとにかく麻衣ちゃんを連れて行って」
「お、おう。麻衣ちゃん、教室まで送ってくよ。行こう」
険しい表情の有希に怯んだ夕也が麻衣に話しかけた。
「はい」
麻衣のやつは、俺の方をちらりとも見やしない。
「麻人、ちょっとこっち来て」
「どこ行くんだよ」
「いいから着いて来て」ュ
突然、有希に手を握られた俺は狼狽した。いったい何だよ。
「何で俺の手を握るの」
「うるさい!」
中庭まで俺は有希に手を引かれたきた。思い出すまでもなく、有希が最後に俺と手を繋
いでくれたのは、夕也が登場する前だった。
「ここでいいわ」
「あと十五分くらいでホームルーム始っちゃうんだけど」
「・・・・・・あんたさ、何考えてるのよ」
有希が俺の手を話し、険しい表情で俺を問い詰めるように言った。
「いきなり何だよ。わけわかんねえよ」
「麻衣ちゃんの気持ちとか、あんた真剣に考えたことあるの」
「おまえ、何言ってるの?」
「あたしは引っ越すまではあんたたちの隣の家で、ずっとあんたと麻衣ちゃんを見てきた
んだよ」
何言ってるんだこいつ。
「だから、麻衣ちゃんのあんたへの気持ちはあたしが一番良くわかってる。あれだけ一途
にあんたのことを慕っている麻衣ちゃんの気持ちを何で弄んだりできるの?」
「ちょっと待て」
「何よ」
「俺が妹の気持ちを弄ぶってどういうことだよ」
「だってそうでしょ。麻衣ちゃんから聞いたけど、昨日だってあんたは二見さんと麻衣ち
ゃんの前で、見せつけるようにイチャイチャしてたんでしょ」
「おまえそれ何か誤解してるぞ」
「あまつさえ」
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