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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/30(月) 00:20:37.35 ID:rzAsx3KDo
校門のところに着くと待っていた麻衣が不満そうに俺の方を見た。
「遅いよお兄ちゃん。昼休みもあたしを待たせたのに」
「・・・・・・待ち合わせした時間までまだ十分以上あるんですけど」
「あたしは三十分も待ってるもん」
それはさすがに早く来すぎだろう。夕也が口を挟んでくれた。
「まあまあ、喧嘩するなよ二人とも。それよか三人で遊びに行こうぜ」
「夕也さんいたんですね。ごめんなさい気がつかなくて」
「さっきからずっと麻人の隣にいたけどね。まあ気にしないでいいよ」
「はい。でも夕也さんお姉ちゃんを待ってなくていいんですか」
「あいつは今日生徒会」
「そうですか。寂しいですね夕也さん」
麻衣がくすっと笑って夕也をからかった。けれども夕也の方は全く動じていなかった。
「まあしかたないよ。それに麻衣ちゃんがいてくれれば全然OK」
俺は再び夕也の言葉に苛立ちを覚えた。嫌味の一言でも言ってやろうか。そう思った俺
が口を開くより前に、麻衣が夕也に話し始めた。
「・・・・・・じゃあ今日は夕也さんも一緒に帰るんですか?」
「え?」
普段女の子からそう言う扱いを受けたことがない夕也が戸惑ったように言った。こいつ
が一緒に加わると聞いて迷惑そうな様子を見せた女の子は今までいなかった。麻衣を除い
て。頼むから余計なことを言うなよ。俺は心の中で麻衣に言った。
「そうかあ。今日は三人で帰るのかあ」
俺の願いも空しく麻衣は話を続けた。この話の続きは俺にはよくわかっていた。
「え、ええと」
「お兄ちゃんどうする? 二人でスーパーで買い物とかしなきゃいけないんだけど」
「ま、まあ、そんなののは三人でゲーセンで遊んだ後に二人で行けばいいだろ」
「でも今日はお兄ちゃんがあたしの服を見たたてくれることになってたじゃん? まあそ
れはいいんだけど」
麻衣が涼しい顔でさらりと嘘を言う。麻衣の服を買いに行く話なんか聞いてない。
「さすがにあたしの下着を選ぶのに夕也さんを付き合わせちゃったらお姉ちゃんに悪い
し」
服じゃなくて下着かよ。さすがの夕也も黙ってしまった。俺はしかたなく、多分麻衣が
期待しているだろうセリフを口にせざるを得なくなってしまった。
「夕也さあ・・・・・・」
「ああ。わかった。今日はお前らの買い物をを邪魔しちゃ悪いし先に帰るわ」
「すまん」
これでまた、夕也にからかわれるネタを提供してしまった。夕也がこの話を面白おかし
く有希に話している姿が浮かぶようだった。また、有希に誤解されるのか。いや、もう誤
解とかどうでもいい段階になっているのだけれど。有希はきっと夕也のことが好きなのだ
ろうから。
「・・・・・・じゃあ麻衣ちゃんまた明日」
「はい。夕也さんさんさよなら」
麻衣は可愛らしく微笑んだ。
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