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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/30(月) 00:16:56.62 ID:rzAsx3KDo
何か一度気が付くと結構気になるものだ。二見が普段どう過ごしているかなんて、今ま
で気にしたことなんかなかったのに。二見は机の下で何かスマホ弄ってる。あいつは、い
つも一人で何やってんだろう。結構可愛いのに、周囲の男の視線とか、あまり気にしてい
る様子もない。しかし、あそこまで堂々と授業をボイコットできるのもある意味すげえな
と俺は思った。先生からはわからないかもしれないけど、後ろの席からはさぼってるのは
丸見えだった。
それにずっと俯いてるからそのうち先生にも気が付かれるんじゃねえかな、あれ。俺は
そう思った。何かネットでも見てるのかもしれないけど、まあ、俺にはどうでもいい。そ
んなことを考えていると、いつのまにか授業が終ってしまっていた。
「さあ、飯だ飯」
夕也ののん気な声がした。
「おまえ今日も中庭?」
「別に決めたわけじゃねえけど」
「だっておまえいつも中庭か屋上で麻衣ちゃんと二人で昼飯食ってるじゃん」
「・・・・・・別にいつもってわけじゃねえよ」
「真面目な話さあ、おまえと麻衣ちゃんってどうなってるの?」
「どうって何だよ。別にどうもなってねえよ」カ
「だっておまえらいつもべったりと二人きりじゃん」
ふざけるな。有希といちゃいちゃできる余裕かよ。俺と妹との関係をからかうのは。こ
いつが、有希の家の隣に引っ越してくるまでは、そして妹が同じ学校に入学するまでは俺
と有希は二人きりで一緒に登校していたのだ。今から思うと、そんな貴重な日々を俺は無
駄に費やしてしまったのだけど。
「んなことねえよ。あいつが俺がいないと寂しがるから」
「・・・・・・この間、同じこと麻衣ちゃんにも聞いたんだけどよ」
「・・・・・・何って言ってた? あいつ」
「あたしが一緒にいてあげないとお兄ちゃんが拗ねるから」
「ふざけんな・・・・・・死ね」
「よせって。痛えだろ。つうか俺が言ったんじゃねえって。麻衣ちゃんがそう言ったんだ
って」
麻衣との関係をからかわれるのは、有希にされたって誰にされても苛つくと思うけど、
まして夕也に言われるとすごく腹が立つ。こいつには悪気はないのかもしれない。確かに
いい友人だと思う。お互いに口には出さないけど、親友同士だと思っている。だけど、有
希に惚れられているこいつに、言うに事欠いて麻衣との、実の妹との関係をからかわれる
とすごく腹立たしい。
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