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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/02/11(木) 21:10:46.06 ID:VyTyW24Co
「おまえさあ」
何を言っているのか全然わからない。
「じゃあ、あたしもう行くね」
「おい」
「あ、しつこいようだけどもう一つだけ質問。これが最後だから」
「いいよ」
「ひょっとしてもう二見さんと付き合ってる?」
ここで嘘は言えない。
「うん。今朝、二見に告られてOKした」
「やっぱりね」
やっぱり、正式な返事を貰うより先に既成事実を作られてるのってショックだよな。俺
はそう思って、少なくともそのことだけは素直に有希に謝ろうと思った。後先の話だけは。
ここは素直に謝ろう。有希に許してもらえなくても。
「あんたさ、麻衣ちゃんにはどう話すつもり?」
「へ?」
「へ? じゃないでしょ。あたしのことを考えてあんたから身を引いた麻衣ちゃんが、二
見さんとのことを知ったらどんなに傷付くと思ってるの」
こいつが気にしているのは自分のことじゃなくて麻衣のことなのか。
「そう言われても。確かにすごく仲のいい兄妹だし、あいつは俺の大事な妹だけど」
「だったらさあ」
「いやちょっと待て。だけどどんなに仲良くても、どんなにお互いが大事でもあいつはあ
くまでも実の妹だぞ」
「最近、麻衣ちゃんあんたのこと避けてない?」
そう言われてみれば女神スレ見てたからあまり気にしなかったけど、最近あいつ家では
自分の部屋に閉じこもってるし、弁当は作ってくれないし、今日なんか一緒に登校もしな
かったな。
「麻衣ちゃんは自分なりにあんたのことを考えて、でも自分の気持に嘘つけなくて悩んで
るんだと思うよ。まあ、その原因はもともとあたしにあるんだけどさ」
「うん」
「でも、あたしじゃなくて二見さんにあんたを奪われたって知ったら、麻衣ちゃんどうな
っちゃうんだろうね」
「脅かす気かよ」
「脅しじゃないよ。あたしだって心配なのよ」
妹がそんなに思い詰めてるって本当だろうか。
「いずれ麻衣ちゃんには知られるだろうし、その時はあたしも頑張って彼女の面倒を見る
けど」
「ごめんな」
「いいよ。あたしのせいでもあるし。でも、あんたも覚悟しといた方がいいかもよ」
覚悟? 本当にそれほどのことなのだろうか。
「じゃあ、そろそろお昼食べないと休み時間終っちゃうから。またね」
「ああ」
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