他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
Check
Tweet
507 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/06/11(日) 02:15:41.27 ID:4zPeEzMc0
※ごめん、寝ます…「今日」中に続きを投下します。あとちゃんとあげます※
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/11(日) 02:47:56.55 ID:Kls9IremO
乙
おやすみ
509 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/06/11(日) 21:39:29.85 ID:4PVVnJGr0
(野獣「すれ違っている」)
(野獣「なぜ……そう思うのだ、末妹よ?」)
(末妹「師匠様は……菫花さんをいつも見守って、何かあればすぐに側に来て」)
(次兄「うんうん、過保護と呼んでも過言ではないレベルで」)
(末妹「もうひとつ、師匠様ほどの魔法使いが、今こうなっていることに気付かないはずがない」)
(末妹「気付いているのなら、これが誰にとっても予想外の出来事なのもわかるでしょう」)
(末妹「だったら、きっと菫花さんや私達を安心させるため、助言をしに来てくださる」)
(末妹「優しいかたですから」)
(野獣「……」)
(末妹「菫花さんは……ご自分が師匠様を悲しませていると、さっき言いました」)
(末妹「だからひとりで泣いていたのですよね?」)
(王子「……」)
(王子「……う、うん……」)
(次兄「ああ、そっか」)
(次兄「おっさんは菫花さんを気遣うがゆえに放置プr……放置、菫花さんもおっさんを気遣うあまり放置に甘んじてるわけか」)
(野獣(何か言い直した気もするが追求したくない))
(野獣「ふむ……そうか、それがすれ違っている、か……」)
(野獣「なあ菫花……師匠が結界を解いたら、お前は師匠になんと言うつもりだ?」)
(王子「師匠に」)
510 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/06/11(日) 21:42:44.94 ID:4PVVnJGr0
(王子「……謝りたい、です」)
(野獣「何をだ?」)
(王子「……僕のために師匠の人生が……今も僕のために師匠は……」)
(野獣「師匠がどれ程の覚悟で我々を追ってきたか、お前はもう知っているだろう?」)
(王子「で、でも」)
(王子「僕はっ……君と違う、君には30年間の贖罪の日々があった、でも僕は!」)
(末妹「菫花さん」)
(野獣「そこが引っ掛かる、か……」フゥ)
(野獣「もう許してやれ菫花、お前自身を……両親を、師匠を」)
(王子「!?」)
(末妹「野獣様、菫花さんは、ご自分以外を責めたりしてはいないのでは……」)
(野獣「とうぜん自覚はあるまい、しかしな」)
(野獣「なあ、このあとお前が謝って、師匠が何も感じないと思うか?」)
(王子「……あ……」)
(野獣「父と母の罪は、両親自身が背負って逝った」)
(野獣「二人のため不幸になった人々がこれ以上苦しまないよう、師匠はじめ魔術師達も、始祖も……自分の役目を成し遂げた」)
(野獣「私の過ごした30年間に、内情はどうあれ、バラの呪縛は完遂された」)
(野獣「お前が師匠の覚悟に対して謝るのは、それらの否定、無意味だと言うようなものだ」)
(王子「……っ」ボロ)
511 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/06/11(日) 21:43:52.87 ID:4PVVnJGr0
(末妹「あ」)
(次兄「ありゃー、またまた泣いちゃった」)
(野獣「ここで涙を堪えられないのがお前であり、昔の私、だな」)
(野獣「泣きやんだら……その時もお前は、師匠に会ったら謝ると答えるか?」)
(王子「……っ」ブンブン)
(次兄「おお、菫花さんがこんなに勢いよく頭を振れるとは」)
(次兄「側にいる俺も末妹も背が低いから、頭同士ぶつかる危険はありません」)
(末妹「これ使ってください菫花さん」)
(王子「あ、また君に迷惑を……ごめん、ありがとう……」)
(次兄「あれ、既に菫花さんがぐっしょぐしょにしたハンカチでは?」)
(末妹「どういうわけか、ここでは私のハンカチだけは私が乾けと願えばすぐに乾くみたい……」)
(野獣「菫花も、願い事をしてみてはどうだ?」)
(王子「え……願い……?」グシ)
(野獣「師匠に、ここに来て欲しいと願い呼び掛けるのだ、お前が」)
(野獣「まさか、向こうから結界を解いてもらうのを待つつもりではあるまいな?」)
(末妹「野獣様」)
(王子「野獣……」)
512 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/06/11(日) 21:44:47.41 ID:4PVVnJGr0
※ここまで。続きは早くて週末、でなければ来週のどこかで…の予定※
513 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/12(月) 00:42:41.27 ID:9iB8I3kaO
乙乙
514 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/06/18(日) 23:22:02.56 ID:xEntoQOX0
(次兄「ちょ、ちょっとお待ちになって野獣様」)
(野獣「なんだ次兄、不服があるのか?」)
(次兄「おっさん召喚については異議なしです、が……準備が少し足りないのでは」)
(末妹「準備?」)
(次兄「今の段階ではきっと菫花さん、なーんも考え無しでおっさんを呼んでしまいますよ?」)
(野獣「な」)
(王子「え」)
(次兄「確かに謝罪は不適切だと菫花さんも気付いたはず、だからってそれに代わる言葉をすぐに発明発見できるでしょうか?」)
(次兄「菫花さんに豊かな感受性はあっても、言葉とは流れ動くもの、思考は追いついたためしがない」)
(次兄「その状態でおっさんに対峙しても菫花さんはへどもど、心配性の野獣様と末妹はおろおろ……」)
(次兄「事態がグダグダの渦中で菫花さんの精神はひとり飽和状態を迎えてその場で人事不省」)
(次兄「……それがいつもの菫花さんですよ?」)
(野獣「そ……それは、その……なんだ、あの……うむ……」)
(野獣「……すまない菫花」)
(王子「」)
(末妹(……『そんなことない』って言葉では簡単だけど、そこから先は、正直どうしたら……)ムム)
515 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/06/18(日) 23:23:08.80 ID:xEntoQOX0
(次兄「末妹のこの表情……」)
(次兄「ねっ、最後の味方の二人も庇いきれなくなっているでしょ?」)
(王子「…………」ドヨーン)
(次兄「あ、菫花さんが重い空気を背負ってしまった」)
(野獣「……魔力と精神力の影響が強い空間のせいか、鉛色の空気(?)がなんとなく目視できるのだが……」)
(末妹「菫花さん……」オロオロ)
(次兄「うーん、これって結果的に俺がいじめた感じ?」)
(野獣「ここまで自覚なかったのか?」)
(末妹「えーと、毛布……は、さすがに念じても出て来ない……私の羽織っているカーディガンじゃ小さすぎるし」)
(野獣「おお成程、では私のマントを」)
(師匠「……来るつもりはなかったのだが」フー)
(野獣「師匠!?」)
(次兄「おっさん!?」)
(末妹「菫花さ……反応がない……顔を上げて、聞いてください! 師匠様ですよ!?」)
(王子「…………え?」ハッ)
(王子「しっしししししししし師匠っ!?」)
516 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/06/18(日) 23:24:24.60 ID:xEntoQOX0
(師匠「会話は聞こえずとも、見ていれば場の雰囲気は何となく伝わったからな」)
(野獣「やはり我々の様子をご覧になっていたのですね」)
(師匠「……菫花」)
(王子「ははははっはい!?」)
(師匠「今まで……すまなかった。お前を叱咤激励するとか言いながら、専ら叱咤一辺倒で」)
(師匠「230年前から、儂はずっとお前にひどいことしかしていないのに、な……」)
(王子「……師匠?」)
(野獣「いつもと様子が違う……」)
(師匠「しかしそれも今日までだ、儂はお前を離れた場所から見守る事に決めた」)
(末妹「!?」)
(次兄「は?」)
(師匠「屋敷ごと、菫花、野獣、使用人達を一生かけて守るという、最低限の責任を放棄はしない……だが」)
(師匠「……お前の『父親』を名乗れる立場ではなかったのだ、それにようやく気付いた」)
(師匠「実に勝手な願いだが……君たち兄妹には、引き続き菫花たちの事をお願いしたい」)
(師匠「一番の理解者でいてやってくれ、君たちにしかできない……」)
(王子「……」)
517 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/06/18(日) 23:25:01.31 ID:xEntoQOX0
※ここまで。続きは今月中にはなんとか……※
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/19(月) 00:42:31.21 ID:/mQysbVGO
乙
頑張れ王子、ここはガツンと言うところ
519 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/06/30(金) 23:38:56.76 ID:1QcTHW5r0
※7/1〜2のどこかで更新します※
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/01(土) 00:27:02.26 ID:gRAdWgcIO
ハイヨー
521 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/07/02(日) 22:48:25.39 ID:Xx+X21hG0
(野獣(私も師匠に言いたい事がないわけではないが……))
(野獣「……次兄、末妹……気になるだろうが、とりあえず口を挟まず見守ろう、いいな?」ヒソヒソ)
(末妹「は、はい」ヒソ)
(次兄「ええ、空気読みまっせ」ヒソソ)
(師匠「まずは君たち兄妹を体に……家に帰さねばならんが」)
(師匠「それはいつでも出来る、だからもう少しのあいだ菫花と話をしてやってくれないか?」)
(師匠「儂は終わるまで『外』にいる、すまんが野獣、頃合いを見て合図をしてくれ」)
(師匠「それでは……」クル)
(王子「……!!」ガッシ)
(師匠「なんだ」)
(王子「……」ギュー)
(師匠「なんだ菫花、儂のローブを雑巾でも絞るように握りしめて」)
(王子「…………師」)
(王子「……匠」)
(王子「師匠、は……」)
(王子「師匠は、勝手、です……」ギュウウ)
(師匠「菫花」)
(末妹「菫花さん……」)
(師匠「……勝手か、そうだな……お前の気持ちも考えず」)
(師匠「勝手に姿を現し、お前に全てを語るよりも前、言わば真実を隠したまま勝手に父親を名乗ったのだから」)
(王子「! ち、違、そっちではなくて……」ギュウウウ)
522 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/07/03(月) 00:23:42.55 ID:hYpbHSSX0
(王子「僕がどんなに嬉しかったか、幸せか、僕なんかを、貴方に息子と呼んでもらえて……!」)
(師匠「……『僕なんか』だと?」)
(師匠「自分を卑下するな菫花、お前はいい奴だぞ、第一お前の友人達にも失礼ではないか」)
(次兄「そこかなあ、おっさん?」ボソ)
(王子「それでも敢えて言います、僕は駄目な王子、いや、駄目な男です」)
(王子「王子として駄目なのは言うまでもなく、両親の息子としても出来損ない、好きになった女性を幸せにする力もなく」)
(王子「魔法使いとしても禁忌を犯し師匠を裏切り……」)
(野獣「……」)
(王子「それでも、それを承知で、何もかもひっくるめて、僕がこの時代(せかい)で生きる事を許してくれて」)
(王子「僕の『家』を作ってくれて、僕を教え導く『親』となってくれたのは、師匠です」)
(王子「この時代で出会った皆さんと、僕でも繋がりを持って良いと思えるのは、師匠がいてくれるからです」)
(王子「師匠の息子として外に出て、人と出会って、また帰って来れる」)
(王子「それがどんなに心強いか……」ギュウウウウウウ)
(師匠「……もう今のお前には、儂がいなくとも」)
(末妹(菫花さん、もっと簡単な言葉でいいのですよ……))
(王子「なんでもいいから側にいてほしいんです、それでは駄目ですか?」)
(王子「僕は師匠が好きなんです、それでは駄目ですか!?」)
(師匠「菫花」)
(師匠「……………………」)
(野獣「師匠」)
(野獣「我々に向かって『なぜ黙って見ているのだ』なんて顔をして見せても、駄目ですよ?」)
523 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/07/03(月) 00:28:47.35 ID:hYpbHSSX0
※毎回短くてごめんなさい、次回そろそろ解決編です…※
524 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/03(月) 01:11:39.16 ID:1gmR+sCvO
乙
師匠もちょっとズレてるよなw
みんなで補い合ってるから大丈夫だけどね
525 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/07/11(火) 21:34:01.14 ID:7TPYXqHM0
※お知らせのみ。重ね重ねのお待たせ申し訳ありません…次回更新は7/20以降になります…※
526 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/11(火) 22:12:58.51 ID:JxKstyAnO
了解
暑さに負けず頑張れ
527 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/07/30(日) 23:49:49.97 ID:XN30S/Jm0
(野獣「逃げずに向き合ってあげてください、菫花の精一杯なのですから」)
(師匠「逃げ……儂が逃げているだと……」)
(末妹「師匠様……」)
(次兄「おっさん」)
(師匠「……」)
(野獣「今この二人が口を開くとすれば、菫花の後押しになる言葉だけでしょうね」)
(野獣「ここにいる誰も師匠を逃がしたりはしませんよ」)
(師匠「儂は……」)
(師匠「……このまま、お前の屋敷で暮らせるならば、菫花の側にいられるのならば……幸せになってしまうではないか」)
(師匠「『王子』を追い掛けて長き眠りに入る決意をしたのは……儂が幸せに暮らすためではなかった、考えもしなかった」)
(末妹「でも……でも、師匠様は……王子様に……野獣様に菫花さんに、幸せになって欲しかったのでしょう?」)
(師匠「末妹嬢」)
(末妹「ごめんなさい、口出しをしない約束だったのですが……」)
(野獣「続けて良いぞ、末妹」)
(末妹「……」コクリ)
(末妹「どうなっているかわからない200年後の世界で……王子様を守るため、それだけではなく」)
(末妹「王子様がこの世界で生きていける手助けをするために……何もかも置いて、追い掛けて来られたのでしょう?」)
528 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/07/30(日) 23:51:27.31 ID:XN30S/Jm0
(末妹「そして、菫花さんの幸せには……師匠様が必要……です……だから」)
(師匠「もうよい」)
(師匠「わかった、皆まで言うな、儂は……自分の間違いを、認めるしかなさそうだ……」)
(末妹「師匠様」)
(師匠「菫花」)
(王子「っはいっ!?」)
(師匠「改めて聞くが……良いのか、儂がお前の父親、いや、家族で?」)
(王子「……さっきも言いましたよ、良いとか悪いとかではなく」)
(王子「なんでもいいから……僕の家族でいてください、いいえ、家族でいて欲しいのです、『お父さん』に」)
(師匠「……」)
(次兄「貴重な菫花さんの意思表示」)
(末妹「お兄ちゃん」)
(次兄「あらうっかり口に出してた」テヘ)
(野獣「……確かに貴重だな」フフ)
(師匠「……」)
(王子「……」キュッ)
(師匠「また今にも泣きそうな顔をして、お前は本当に……」)
529 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/07/30(日) 23:53:29.58 ID:XN30S/Jm0
(師匠「……儂がいないと、まだまだ……だな」フゥ)
(王子「!!」)
(師匠「儂は逃げないから……そろそろローブから手を離してくれ、ねじ切れそうだ」)
(王子「! はははいっ、ごめんなさい!!」パッ)
(ローブ:ブロロロロン)
(次兄「おお、すごい勢いで元に戻って行く」)
(師匠「旅から帰ったら、もっとゆっくり話をしよう、時間はある……お前と儂が共に過ごす時間はな」)
(王子「……はいっ!!」グス)
(末妹「よかった……」ホッ)
(師匠「さて、そろそろ……物質世界に戻らねばな、だが」)
(師匠「その前に、君等を無事に戻さなくては」)
(末妹「私達を……?」)
(師匠「いつも通り普通に来たのでなければ、いつも通り普通に戻れる保証もないからな」)
(末妹「あ……」)
(次兄「確かに今回はイレギュラーだからなあ」)
(野獣「師匠にはなぜこうなったか、分析できますか?」)
530 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/07/30(日) 23:54:07.39 ID:XN30S/Jm0
※ご無沙汰していました。師匠と王子解決編でした……次回もなるべく近いうちに※
531 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 01:41:05.76 ID:w+NZcWvlO
乙
二人とも真面目と言うか、義理堅いのかもね
532 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/08/21(月) 00:00:31.42 ID:+rEWvkH/0
(師匠「そうだな……お前が末妹嬢に与えた『かけら』があってこそ起きたのは間違いないだろう」)
(師匠「そして菫花が、儂の作った結界の中で無意識にこの子ら兄妹とお前に助けを求め」)
(師匠「条件が揃ったことで、お前の夢の世界と同じ現象が起きた」)
(野獣「私達の憶測はおおよそ当たっていたようですね」)
(師匠「……まあ、正直儂にも今のところそれ以上はわからんということだ」)
(師匠「屋敷に戻ったら、参考になる事例はないか文献を調べてみようとは思っているが……」)
(野獣「すっかりいつもの師匠ですねえ」)
(師匠「ふん、過去のことでクヨクヨしないと決めたからには、今後のことだけ考えるしかないわい」)
(師匠「話を戻す。原因は完全にはわからんが、対処方法はある」)
(師匠「まずは、我々が今立っておるこの世界の地面に、魔法陣を……ちょちょいっと」)
(次兄「すごい、本当にちょちょいっで描いちゃった」)
(末妹「見たことあるわ、この……」)
(野獣「ああ、私が以前、お前達を家に帰す時に使った魔法陣と同じだ」)
(王子「……物質世界で生身の人間を移動させるのと、同じ術を使うのですか」)
(次兄「ってことは、この魔法陣の内側で本体に戻りたいって願えば戻れるのか」)
(師匠「これでいつでもすぐ帰れるから……久し振りに会ったのだ、別れを惜しむ時間くらいは取れるかな」)
(末妹「……ありがとうございます、師匠様!」)
(師匠「ただし手短に頼む、そろそろ物質世界のあの場所を隠蔽し続けるのも限界だ」)
533 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/08/21(月) 00:01:15.56 ID:+rEWvkH/0
※お久しぶりでした。短いけれど、生存報告も兼ねて…※
534 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/21(月) 00:54:26.96 ID:Gj3d+4DiO
乙
535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/14(木) 16:14:41.54 ID:d1kkE+W7O
エター?
536 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/09/19(火) 00:15:43.21 ID:zRzorvHC0
(末妹「もう……大丈夫ですね、菫花さん?」ニコリ)
(王子「ええ、もう大丈夫……」コクリ)
(王子「君達の、おかげだ……」)
(末妹「師匠様を引きとめたのは、他の誰でもなく菫花さんですよ」)
(王子「一人ではできなかった、末妹さんや次兄君や野獣がいたから」)
(次兄「ありゃ、俺もカウントされてんの?」)
(王子「うん、君が予防線を張ってくれなかったら、あんなふうに師匠に意思表示ができなかった……と思う」)
(野獣(予防線ね、本当に物は言いようだ))
(末妹「野獣様も……これで安心ですね」)
(野獣「ああそうだな、私からも礼を言う、何よりも末妹がここに」)
(次兄「……」ジーットギョウシ)
(野獣「……末妹が、次兄を連れて、ここに辿り着いてくれたお陰だ」)
(野獣「しかし末妹、お前が異変に気付いた時は、菫花や私に会える保証はなかったのに……恐くはなかったのか?」)
(末妹「……ええ、野獣様の欠片が導いてくださると、絶対それは間違いないと信じていました」)
(末妹「それと……私の意思の力で迷わず辿り着けると、兄も力を貸してくれると、自信もあったのです」)
(野獣「お前の意思の力で……」)
(師匠「ふむ、なるほど」)
537 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/09/19(火) 00:17:05.35 ID:zRzorvHC0
(野獣「師匠?」)
(師匠「儂の推測に、ひとつ抜けていた要素があった……末妹嬢自身の力、か」)
(師匠「……君は魔法を習った経験は?」)
(末妹「あ、ありません」)
(師匠「だろうな、百も承知で尋ねたが」)
(師匠「……呪文、または呪文を込めた魔法具がなければ魔法は発動しないのはもちろんだが」)
(師匠「術者本人にそれを習得した自信、自分の力として使えるという自信がなくては成功しないのだ」)
(師匠「もしかしたら、野獣の欠片が末妹嬢にたったひとつの魔法の力を与えたのかもしれん」)
(末妹「!」)
(師匠「今回のように条件が揃って、そこに次兄少年という支えがいなければ発動しなかった力、そして」)
(師匠「末妹嬢の強い意志があったから無事に菫花達の元へ辿り着けた」)
(師匠「……と、いまだに推測の域だが、末妹嬢が終始受け身で巻きこまれただけ、と考えるより腑に落ちる」)
(次兄「へえ……末妹も、これが自分のたったひとつの魔法かもしれない、って言ってたな?」)
(末妹「うん、そんな気がしただけ、だけれど……あの時はそう思ったわ」)
(師匠「ふむ、では儂の説に自信を持っていいわけだ」)
(野獣「……末妹、お前は本当にすごい娘だな」)
(末妹「え、いいえ、そんな」)
(末妹「私の持つ力だとしても、何もかもが、私ひとりの物ではありません」)
(野獣「それでも、末妹であればこそ、この魔法になったと思うぞ?」)
(野獣「お前の……私や菫花を、師匠を、執事やメイド達を想う心が、私の欠片をそのように作り変えた」)
(野獣「私はそう信じている」)
(末妹「野獣様……」)
(次兄「ふむぅ」)
(次兄「ということは、欠片をもらったのがこの俺だったら……?」)
538 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/09/19(火) 00:21:42.80 ID:zRzorvHC0
(野獣「……私の口からは言えないような魔法ができあがったかもな」)
(次兄「試してみる価値は!?」ズイッ)
(野獣「無いから」グイ)
(次兄「お約束」グエ) )
(師匠「……む?」)
(王子「師匠、どうしました?」)
(師匠「墓所の周囲の人々が、そろそろ『場の不自然さ』に気がつき始めた」)
(王子「『見て』いないのにわかるんですか?」)
(師匠「説明は省くが儂の張った結界の仕様だ」)
(師匠「それ以上に心配な事が……野獣よ、仮想の窓を開いて見てくれんか?」)
(野獣「は、はい」シュパ)
(師匠「今回の状況ならば……そいつを兄妹にかざしてみてくれ」)
(野獣「は、はい?」スッ)
(野獣「!? 師匠、どういうことでしょう、これは……商人の家の様子が見えますよ!?」)
(師匠「やはりか、お前の屋敷と取り巻く森を除けば」)
(師匠「兄妹と儂と菫花が同じ場所にいる限り、その近辺しかお前の仮想の鏡では見えないが」)
(師匠「兄妹と、儂と菫花、それぞれの肉体が離れた場所にいるこの状況……ここでも例外が起きても不思議ではない」)
(師匠「で、どうなっておる? 今現在この子達の肉体は」)
(野獣「あ……末妹の部屋で……家族が集まっています、二人の体を取り囲むように」)
(末妹「ええっ!?」)
(次兄「やべえっ!?」)
539 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/09/19(火) 00:22:37.94 ID:zRzorvHC0
※長らく音沙汰なしで本当に申し訳ありませんでした、再開です。最後まで終わらせますよ※
540 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 01:23:43.20 ID:YtMK3svvO
乙
末妹と次兄、二人はプリキュ…おっとこれ以上はいけねぇ
541 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/10/17(火) 21:27:22.73 ID:HlOlDZ0F0
※すっかり月刊になってしまった…続きはもう少しお待ちください※
542 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/18(水) 18:30:36.33 ID:XOwdRcFPO
月1でも続いてくれるならありがたや
最後まで応援してる
543 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/10/23(月) 22:46:29.38 ID:ocWOCJlZ0
…………
商人の家、末妹の部屋……
商人「ああああ、どうしたんだいったいこの子達は、お医者の先生を呼ぼうか……」アタフタ
長姉「呼びかけても揺さぶってもさっぱり反応無しなんて……」
次姉「でも具合が悪そうな様子はないみたい、二人とも静かに眠っているだけに見えるわ」
長兄「とにかく、机に突っ伏したまま(末妹)、床に転がしたまま(次兄)にもしておけない」
長兄「ベッドに運ぼう、俺は次兄を」ウンショ
次姉「じゃあ私は末妹を」ヨイショ
長姉「次兄も末妹のベッドに寝かせるの?」
長兄「ベッドの大きさは十分余裕あるし、同じ場所にいれば目も届き易いじゃないか」
長兄「それに……『二人同時に』というのは意味があると思う、たぶん」
長兄「俺達の、いや、俺の常識では認めがたい現象が、今回も二人に起きている最中ではないかと……」
次姉「兄さんも頭が柔軟になったのね、私もそんな気がしていたの」
商人「ほ、本当に病気ではないのだろうか?」オロオロ
次姉「病気だとこんな短時間のうちに、家の中で二人同時は不自然でしょう?」
次姉「だいいち呼吸も規則正しいし、顔色もいつも通り」
次姉「それに次兄だけならともかく、末妹も一緒だったら何か悪いもの……毒キノコとか? 口にするのもあり得ないし」
長姉「なるほど、次兄だけなら何かの自業自得の可能性もあるけど、末妹も一緒だものね」
商人「……」ウーム
商人「……よし、お前達の言うとおり、暫くはこのまま見守ろう。もしも容態に変化があればすぐ先生を呼ぶことにして」
次姉「そろそろ夕食の準備に家政婦さんが来る頃ね、彼女にも説明しなくちゃ」
…………
544 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/10/23(月) 22:48:00.21 ID:ocWOCJlZ0
(師匠「……どうだ? 仮想の窓を儂の術で大きく拡げたら、この場の皆にもよく見えるだろう?」)
(王子「会話もはっきり聞こえますよ」)
(次兄「姉さん達……」)
(次兄「俺には一人にしておくと己の行動から自滅する機能が搭載されているとでも?」)
(野獣「改めて、日頃の言動とは重要だと思う」)
(末妹「お父さん、すごく心配している……」)
(野獣「うむ、これは一刻も早く戻らないと」)
(王子「そうだね、早くご家族を安心させて」)
(野獣(ちょっと残念だが……))
(王子(ちょっぴり残念だけど……))
(末妹「せっかく思いがけずお会いできたのに、少し残念ですけれど……」)
(末妹「野獣様、菫花さん、そして師匠様」)
(末妹「必ずまたお屋敷に兄妹(ふたり)で伺います、それまでお元気で」)
(末妹「お屋敷の皆さんにもよろしく」)
(野獣「あ、ああ、何より家の皆を安心させてやるがいい」)
(王子「う、うん、早くお家に戻ってあげて」)
(次兄「俺は少しと言わずひっじょおおおおおおおに残念ですが野獣様!!」)
(次兄「執事さんに次兄は変わりないから案ずるなとお伝えくださいませ!」)
(野獣「少しは変われ」)
(師匠「それでは……二人ともそろそろ魔法陣に入りたまえ」)
(末妹「はい、師匠様、よろしくお願いします……」)
(次兄「おっさんの魔法なら絶対ですわ」)
545 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/10/23(月) 22:48:57.47 ID:ocWOCJlZ0
(師匠「目を閉じて、気を鎮めて……と言っても、儂の魔法ならば君達がそんなに集中していなくても問題ないからな」)
(師匠「目を閉じたまま口も聞かずにおれば充分だ」)
(野獣(つられて目を閉じてしまうな私も……))
(王子(僕もつい目を閉じちゃった、でも場を静かにしておくのに越したことはないからね))
(師匠「……では詠唱を始める」ブツブツ……)
(末妹「……」)
(次兄「……」)
(王子「……」)
(野獣「………………?」)
(野獣(……師匠にしては、時間がかかり過ぎている?))
(師匠「……? おかしい、二人とも、一度目を開けていいぞ?」)
(次兄「へ?」)
(末妹「まだ……夢の世界?」)
(メイド「……え?」)
(料理長「こ、ここは……?」)
(庭師「あれ?? 僕どうしたんだろ??」)
(執事「ご、ご主人様!?」)
(野獣「お、お前達!?」)
(次兄「しししししちゅじしゃんんんんんん!?」)
(執事「」)
(末妹「メイドちゃん!?」)
(メイド「末妹さまっ!?」ピョーン)
546 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/10/23(月) 22:50:19.33 ID:ocWOCJlZ0
(メイド「お会いしたかったんですよおおぉ!!」ポフッ)
(末妹「私も……でも、どうして皆、ここにいるの?」ナデナデ)
(王子「目を開けたら、魔法陣の中に執事さん達が……?」)
(野獣「そうだな、まず……お前達は直前まで何をしていたのだ?」)
(師匠「執事、次兄は儂が魔法で捕縛しておくから安心して説明してくれ」)
(次兄(沈黙魔法もかかってますぅ)ジタバタ)
(執事「……助かります師匠様」フー)
(執事「ええと……我々使用人は、師匠様と菫花様がお帰りになる準備が一段落したので」)
(執事「皆で短時間の休憩を取り、それからまた仕事にかかろうと考えて」)
(メイド「ぱっと眠ってぱっと起きるの得意ですから、私達」)
(庭師「僕らだけでお留守番している間は四匹一緒に仕事することが多いですしね」)
(メイド「厨房のかまどや灯りの火に危険がないことを確認して、料理長さんと庭師君と私が横になって」)
(料理長「執事さんは、わしらが休むのを見届けてくれましたよ」)
(執事「そう、そしてわたくしも目を閉じ、次に目を開いたら、周囲に使用人たち皆と、ご主人様方が……」)
(師匠「ふむ……誘発となったのは、全員が仮眠に入った頃に、こちらで移動の魔法陣が発動した……そんなところか」)
(師匠「彼らの場合、おそらくは自分達の意志ではなく、この場に引っ張られたのだろう」)
(末妹「私達を家に帰すための師匠様の魔法が、お屋敷の皆さんを呼び出してしまったのですね」)
(料理長「とりあえずこの場所のこの感じは……ご主人様の夢の世界、ということで?」)
(野獣「うーん、厳密に言うと正解でもあり違ってもいるが……説明している余裕はなくてな」)
(王子「次兄君と末妹さんのお家では、二人の体が突然に眠ってしまって大変なことになっているのですよ」)
(庭師「えー、じゃあなんかよくわかりませんが、お会いできたと思ったらお別れぇ?」)
547 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/10/23(月) 22:51:07.83 ID:ocWOCJlZ0
(メイド「むー、寂しいけど、仕方ないですぅ……」スリスリ)
(末妹「私も残念、でもまた鏡でお話ししようね?」モフモフ)
(次兄(相変わらず羨ましくも眩しい末妹とメイドさんの触れ合い……)シクシク)
(執事「……」チラ)
(執事「……忘れ物をひとつ、思い出しました」スタスタ)
(次兄(!? 執事さんから俺に接近してきた!?))
(執事「貴方様が身動きもお話もできないのならば好都合です、手短に済ませましょう」コホン)
(執事「いつぞやは、お土産の絵、主人や皆だけではなくわたくしの姿絵までも、ありがとうございました」)
(次兄(!?))
(執事「正しくお礼を述べるべき機会を逃してしまいましたからね、たいへん失礼いたしました」)
(次兄(執事さんが俺に、俺だけに向かって謝意と謝罪だとおおおおおお!?)カタカタフルフル)
(執事「……ついでに。あの絵は皆それぞれ自分の部屋に飾っていますよ」)
(執事「わたくしも含めて」)
(次兄(ふしゅうううううう……)ショウテン)
(王子「な、なんか次兄君がいつもより全体的に白っぽく……?」)
(野獣「……魔力と精神力の影響が強い空間のせいで、そう見えるのだろうな」)
(執事「さあメイド、お二人がお帰りになる邪魔をしてはいけない、末妹様から離れて魔法陣から出るのだ」)
(メイド「……はーい……末妹様、ごきげんようです」ポテッ)
(末妹「ええ、お互い元気でまた会おうね……」)
(野獣「……とは言うものの」)
(野獣「魔法陣で確実に帰れるかどうか、わからなくなって来ましたね師匠」)
(師匠「ええい儂もわかっとる、今あれこれ考えている所だ」)
548 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/10/23(月) 22:51:39.05 ID:ocWOCJlZ0
※お久しぶりでした。とりあえずここまで※
>>538
師匠のセリフ ×仮想の鏡 → ○仮想の窓
※他にも色々間違えているかもしれませんが脳内保管お願いします……※
549 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/10/23(月) 22:56:33.26 ID:ocWOCJlZ0
あ、脳内補完だった……保管してどうする_| ̄|○
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/24(火) 00:42:08.49 ID:zoxYrA0vO
乙
末妹ちゃんに飛びつくメイドちゃんとかいう癒ししかない光景
551 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/11/23(木) 23:31:41.87 ID:nOV0m+Kl0
※次の土日に更新予定です※
552 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/11/26(日) 23:54:36.30 ID:GY9UkbxK0
商人の家、末妹の部屋。
家政婦「……状況は理解致しました」
次姉「今までのことを考えると、さほど心配はいらないと思うけど……家政婦さんはどう思う?」
家政婦「私も、お二人とも自然にお目覚めになると思います」
家政婦「ただ、それがいつになるのか予想できないのは不安ですわ」
商人「だよねえ……このまま明日も明後日も眠り続けてはお腹も空いてしまう、可哀相に」オロオロ
長姉「寝言でもいいから『いつ戻る』って教えてくれないものかしら?」
長兄「う〜ん、耳元で呼びかけたら通じないかな……?」
次姉「兄さんがそんな発想をするなんて」
長兄「意識のない病人に耳元で呼びかけたら、その言葉だけは目覚めてからも覚えていたって話は何度か聞いた」
長兄「根拠はあるんだよ」
…………
(野獣「仮想の窓、皆見えるな?」
(次兄「やっぱり心配してる、当たり前だけど」)
(メイド「家政婦さん……」)
(師匠「儂だって今すぐにでも安心させてやりたいのだぞ」)
(王子「こちらの状況を伝えることはできませんからね……」)
(末妹「……仮想の窓……」)
553 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/11/26(日) 23:55:47.87 ID:GY9UkbxK0
(末妹「……この場所ではいつもと違うことが起きているのなら……もしかしたら?」)
(次兄「末妹?」)
(末妹「野獣様、師匠様、『仮想の窓』はお屋敷の銀板鏡のような魔法なのですよね?」)
(師匠「うむ、まあ……原理は変わらんのだが、物質としての鏡の存在と、物質のない世界との違いだけで」)
(末妹「私の部屋の鏡台に今の私達の様子を映し出すことはできませんか?」)
(野獣「え?」)
(師匠「なんと……」)
(師匠「……ふむ……なるほどなるほど……そうだな、試す価値はありそうだ」)
(師匠「家の者達はあの鏡台が何の目的で君の部屋にあるか知っているのだろう?」)
(師匠「それに家の者達は君の部屋にいる、きっと気付くはず」)
(王子「あれ……でも……」)
(末妹「……ただ」)
(師匠「ん?」)
(末妹「鏡台の覆いを開かなくてはなりませんが……」)
(師匠「……なんと」)
(次兄「ああ、末妹は几帳面だから、使い終わる度に鏡台の覆いを閉じているんだよなあ……」)
(執事「まあ普通はそうですよね」)
(メイド「次兄様ならいちいちそんなことなさいませんのに、ねえ」ハァ)
554 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/11/26(日) 23:56:37.15 ID:GY9UkbxK0
※短いけどここまで。次回は月間になる前に更新の予定です……※
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 01:46:46.23 ID:7OGbHXbFO
おつー
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/29(水) 14:32:56.63 ID:vg/8mlyTO
ちゃんとしてる末妹ちゃんw
557 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/03(日) 23:33:09.03 ID:OvVARnDu0
またもや商人の家、末妹の部屋。
家政婦「……お二人ともただ眠っておられるのではない、と、皆さんもそう思っていらっしゃるのですよね?」
次姉「え、ええ、私は、この子たちの意識は別の場所にあると思っているわ」
次姉「夢の中で『実際に』野獣のお屋敷のお友達に会って来た、って話しているもの」
長姉「そうだとしても、今ごろ何をしているやらまるで知りようがないけれど、ねえ」
家政婦「……」
家政婦「お二人が旦那様のお許しを得て、野獣様のお屋敷に向かおうとした時に、移動の魔法が働かず」
家政婦「その理由もお屋敷で何が起きているかもわからず、不安や焦りが募る中……」
家政婦「メイドさんが現れて、野獣様達のお心やご様子を伝えてくださったおかげで」
家政婦「お二人は決意も新たに、ご家族の皆さんの支えを得て、旅立つことができました」
家政婦「また同じようにどなたかがこの場所に現れて有益な伝言をくださるとは……さすがに考えにくいですが」
家政婦「今回のことにもお屋敷の方々が関わっておられるとすれば」
家政婦「今は……まるで知りようがない、とも言い切れないのではないのでしょうか?」
次姉「……!!」
次姉「そうよ、鏡! 末妹が貰って来た鏡があるじゃない!!」
次姉「今頃あの子達も私達が心配しているのを知っているかも」
商人「なるほど、私達に伝えたいことがあってもできなくて、向こうでもやきもきしているのかもしれない」
長兄「確か、木枠の小さな鏡台だったはず……ああ、これだ」ヒョイ
長姉「落とさないでね兄さん!!」
長兄「大丈夫、ほら、次姉に渡すよ」
次姉「覆いを開けば使える、って言ってたわね……」
…………
558 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/03(日) 23:35:34.70 ID:OvVARnDu0
(メイド「さすがは家政婦さんですー!!」)
(野獣「よく気付いてくれた……」)
(王子「師匠師匠、早く末妹さん達の様子を魔法で!!」)
(師匠「お前に言われんでもわかっておるわ!!」)
(次兄「えーとえーと、まずは心配しないでって、あとはどう帰ったらいいかわからない、って話をしたらいいかな?」)
(庭師「後半はむしろ心配かけてしまうかと」)
(料理長「説明は必要……とはいえ、話しかた、ですよね」)
(執事「次兄様は口を開かないほうが宜しいでしょうな」)
(末妹……話しかた……か」)
(師匠「よし、仮想の窓と鏡台が繋がったようだ……どうやら成功したぞ」)
(師匠「引き続き、君達を家に帰す方法も考えねば」)
(次兄「あ、家の皆が『こっち』を見ている」)
(野獣「次兄は黙ろうな?」)
(末妹「お父……さん……?」)
商人「ああ、末妹と次兄だ!! 見えるかい、父さんだよ!!」
長兄「よかった、とにかく無事なんだな!!」
(末妹「ええ、私達は無事です……心配かけてごめんなさい」)
次姉「いいのよ、事前に私達に告げて行く手段や時間があれば、そうしたはずでしょ?」
次姉「できない理由があったのよね、それはいいから……」
長姉「ねえ、いつ戻って来るの?」
(末妹「……」)
(野獣「ううむ……」)
559 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/12/03(日) 23:37:12.17 ID:OvVARnDu0
※ここまで。できれば次回も週間で更新したい…※
560 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/04(月) 00:18:05.01 ID:HBq4h1XNO
乙
さすかせ
561 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/12/10(日) 23:35:52.37 ID:RI3P8AKl0
※今夜は更新なし、すみません。今週中に更新予定…※
562 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/16(土) 23:54:41.46 ID:MSWwKejq0
次姉「ちょ、姉さん割り込まないでくれる?」
長姉「でも一番重要な点でしょ?」
商人「……わ、私も心配だよ、お前たちの身体はこのままで大丈夫なのかい?」
(師匠「商人殿……出しゃばって申し訳ありませんが」ズイ)
商人「師匠様!? 貴方もご一緒でしたか……それは心強い」ホッ
(師匠「……むむ」タラリ)
(師匠「……とりあえずは、安心なさい。お子達の肉体は安らかに眠っているだけ」)
(師匠「必ず戻るので……もう少し、お待ちを」)
商人「ええ、どうかお願いします、師匠様……」
(師匠「……うむ」ヒヤアセ)
(メイド「家政婦さん! 鏡台に気付いてくださって、ありがとうございます!!」ピョン)
家政婦「まあ、メイドさん!」ホワワ
長兄(あ、家政婦さんの頬が緩んだ)
(執事「こらメイド、割り込むんじゃない!!」)
長兄「でっかい狼!?」ビクッ
次姉「兄さん、きっと『執事さん』よ……大きくて銀色の毛並みって言ってたもの」
長姉「後ろにアナグマと猫もいるわ、職業は料理長と庭師……だったかしら?」
(庭師「僕は山猫ですよ……」)
(料理長「さあメイドちゃん、嬉しいのはわかるが邪魔にならない場所に戻ろう、ほら」)
(野獣「料理長の言うとおりだ、お前達は少し離れて見守っていてくれ」)
商人「その声は、野獣」
563 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/17(日) 07:13:04.21 ID:12bE9gFnO
寝落ちかな?
おつー
564 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/18(月) 01:18:24.04 ID:I2n+L5dv0
(野獣「あ、ああ……私も仮想の窓に入らない位置に敢えて立っていたが……」)
商人「……少しでいいんだ、姿を見せてくれないか……?」
(野獣「…………では、顔だけ」ニュ)
商人「嬉しいよ、確かに今の状況は何かの変事なのかもしれないが、その中で君とまた出会えるなんて」
(末妹「お父さん……」)
(野獣「久しぶりだ、商人……貴さm……貴殿には感謝してもし切れない……それと……」)
次姉(これが、野獣の顔……話には聞いていたけど、あの菫花さんとはやはり似ても似つかない)
長姉(あら、確かに元王子様の面影は全くないけど、思っていたほど怖い顔じゃないかも)
長兄(……しっかりしろ俺、これは現実、現実現実……)
家政婦(優しい目をされています、末妹様やメイドさんの仰る通りですね)
(野獣「……末妹と次兄の兄と姉達……そして家政婦か、初対面になるのだな」)
(野獣「ゆっくり話をしている余裕もないのは残念だが,君達にも私はたくさん感謝している」)
(野獣「自分の口で使えることができてよかったよ」)
次姉「野獣……」
(次兄「あっ次姉ねえさん微笑んでる!? 野獣様の魅力に目覚めてくれるのは嬉しいが、惚れちゃ駄目だからねっ!?」ズズイッ)
(野獣「」)
次姉「はぁ!? あんた何言ってるのバカじゃないの!? 帰って来たら……覚えておきなさい!!」クワァッ
565 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/18(月) 01:19:59.21 ID:I2n+L5dv0
(野獣(……やはり怒らせると凄く怖い))
(王子「 」フラッシュバック中)
長姉「あら、目立たない場所にいたのね元王子様……何だか、また固まっていない?」
(末妹「帰って来たら……」)
(末妹「……」)
(野獣「末妹、どうした?」)
(末妹「お父さん聞いて、正直に言います」)
商人「な、何だい、末妹?」
(末妹「実は私たち……ここにいる皆さんも……私たちが家に戻れる方法を探っている最中なのです」)
(商人「え」)
(次兄「へ?」)
(野獣「末妹っ!?」)
次姉「っちょ、って事は、戻れなくなっているって意味!?」
(末妹「ええ、そして、おそらく……私とお兄ちゃんだけじゃなく……」)
(師匠「……君ら兄妹が戻らなければ、執事達も屋敷にある自分の身体に戻れない」)
商人「たたたた、大変な事態じゃないか!?」
(末妹「不安にさせてごめんなさい、でも……」)
(末妹「お父さん達の力も借りたいの、みんなで考えた方がきっと早く答えが出せる、私はそう思う……」)
(末妹「メイドちゃん達のためにも、助けが必要なんです……」)
(野獣「……」)
566 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/12/18(月) 01:20:30.21 ID:I2n+L5dv0
※はい、昨日の更新は寝落ちました…次回は近いうちに……※
567 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/12/18(月) 01:22:58.16 ID:I2n+L5dv0
あっ誤字発見
>>564
×(野獣「自分の口で使えることができてよかったよ」)
〇(野獣「自分の口で伝えることができてよかったよ」)
ごめんなさい
568 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 01:48:18.07 ID:eHXECMZEO
乙
みんなが野獣に会えて良かったなー
569 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/24(日) 23:50:29.48 ID:lPkqkoxH0
長兄「状況はなんとか理解できたし、末妹の気持ちもわかる、なんとかしなきゃならない……とは言うもの」
長兄「俺達にどんな助言ができるやら……」
次姉「うーん……そうねえ……」
次姉「……あんた達がそっちに行ってから今までに起きた出来事の中に……ヒントはないかしら?」
(末妹「これまでの出来事……」)
(末妹「野獣様のかけらを通じて、どこかに呼ばれているような気がして……」)
(次兄「俺が居眠りしていると思しき末妹の方に触れた途端、眠くなって……気がついたらここへ」)
(野獣「二人が最初に出会ったのが私、3人で現実世界にいる菫花の様子を覗いて見ると……」)
(野獣(このあたりは菫花の名誉に関わるから具体的なことは口に出さない方がいいな))
(野獣「ここに現れた菫花をある理由から一旦現実世界に戻して、また改めて来てもらって、色々あってやがて師匠も現れた」)
次姉「……現実世界に戻して……?」
商人「そ、そこだよ、どうやって戻したんだい!?」
(野獣「あ」)
(野獣(し、しまった……))
(師匠「ふむ……いや、現実世界の菫花と儂の肉体はすぐそばにあるのだ」)
(師匠「この場所は野獣の夢の世界に儂が張った結界が重なった世界、結界は我々が訪れた旧小国王城の庭に張られている」)
(師匠「だから儂と菫花だけは、いつもの夢の世界から戻るのと同じ方法で肉体に戻れる」)
長姉「なんだ、要するに参考にならないってことね」
次姉「……でも何かひかっかるのよね」
家政婦「次姉様、なぜ一旦戻す必要があったのでしょうね?」
次姉「ああ、それよ、どうせまた呼ぶなら、なぜ戻したの?」
570 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/24(日) 23:54:35.71 ID:lPkqkoxH0
(野獣「そ、それは……」チラ)
(王子「ぼ、僕が粗忽で迂闊で間抜けで不注意だったからです!」ダダッ)
商人「遠くにいた菫花君が駆け込んできた」
(次兄「……そうだった、菫花さんがまたもや自らのドジでピンチに陥って」)
(次兄「と、いうことは……つまり……?」)
(次兄「!!」ピコーン)
(末妹「何かわかったの?」)
(次兄「父さん、俺達に現実世界での危険が迫れば戻れるかもしれません!!」)
(次兄「現実世界での皆の力を借してほしいのは、むしろこれから!!」)
次姉「は?」
商人「ど、どういうことだい!?」
長姉「あんたの話はいつもぶっ飛びすぎてわかんないのよ」
(次兄「菫花さん、そのー、最初よくわからないまま俺達の前に現れて、一時的に強制退去となったわけですが」)
(次兄(末妹には具体的な退去方法は伏せておきたいので))
(次兄「現実世界に戻っている僅かな間、自分が何をしたか記憶はありますか?」)
(王子「え」)
(王子「ええと……一度現実世界に戻って、そしてまたここへ来た時には、戻っていた時の記憶はなかったんだ」
(王子「……でも直前には、僕の肉体が瀕死だと君達に教えてもらっていたので……」)
(王子「たぶん、僕の肉体は自覚のないまま動いて危機を回避したのかな、と……思う」)
商人「瀕死? 危機の回避?」
(野獣「……ここでは、窒息寸前まで口と鼻を塞いでいたマフラーを緩めて呼吸を再開させた行為を指す」)
571 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/24(日) 23:56:17.14 ID:lPkqkoxH0
長姉「わかるようなわからないような状況ね」
次姉「次兄が言いたいことは、要するに……」
次姉「あんた達の身体がこっちで死にそうになったら、回避するために強制的に戻れる、そういう意味?」
商人「!?」
商人「だだだだだっだだだ、駄目だよ、いくらなんでもお前達の身体を危険に晒すなんて!!」
(次兄「うん、俺も次姉ねえさんに俺の肉体だけをぶん殴ってもらう方法とか考えたけど」)
次姉「ちょ、死ぬほどぶん殴るって、さすがに私にもそれはできないわよ!!」
長兄(物理的にだろうか心情的にだろうか)
長姉「仮にその方法であんたが危なくなっても、末妹のほうはどうなるのよ?」
(次兄「俺が現実世界で末妹の肩に触れたために一緒に連れて来られたならば」)
(次兄「逆にこっちで手を繋いででもいれば、一緒に戻れるはず」)
次姉「だから私には無理だってば!」
(末妹「お姉ちゃんの言う通りよ、違う方法を考えよう!」)
(次兄「まあ聞け末妹、俺も瞬時に第一案は却下した」)
(次兄「それよりもっと……俺にとっての危機的状況を作り出す方法があるのです」)
(次兄「兄さん……と、やっぱり次姉ねえさん!!」)
長兄「な、なんだ!? 暴力には手を貸さないぞ!!」
次姉「私を何だと思っているのあんたは!!」
(次兄「暴力じゃない、単なる力仕事をお願いしたい」)
(次兄「そこにいるメンバーで腕力のツートップはその二人なので」)
商人「力仕事って何だい? とにかく話してごらん」
(次兄「俺の部屋から、俺の机をそこへ……俺達の肉体の傍ら、鏡台に映るように持ってきてほしい」)
572 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/24(日) 23:58:43.96 ID:lPkqkoxH0
次姉「……は?」
(次兄「机の上の物は全部て下ろし外せる引き出しは全て外せば本体と施錠された引き出しのみ、そこそこ軽くなるはず」)
長兄「それくらい持ってくるのは困難なさそうだが……なんの意味が?」
(次兄「とにかくお願いします、話はそれからです」キリッ)
(末妹「お兄ちゃん??」)
(野獣「とにかく我々は見守るしかないか」)
(王子「いったい何があると言うのだろう……」)
〜数分後〜
次兄の机:ドン!!
次姉「……ほんっと、なんであんな汚い部屋で生活できるのよ!?」プンスカ
長兄「あれでもこのあいだ俺が入った時よりマシになったんだ……どこが足の置き場かわかるようになっていた」
商人「次兄、二人が机を持って来てくれたよ……お前の言う通り、本体と、鍵のかかった引き出しだけになっている」
(次兄「ありがとう……さて次のステップ」)
(次兄「兄さん、眠っている俺のズボンの左ポケットを探ってみて」)
長兄「……わかった、えーと、左ポケット、と」ゴソゴソ
長兄「なんだこれ、ポケットが二重になって、中に何か固い小さな物?」ゴソゴソ
家政婦「確かに、次兄様のズボンの左ポケットはほとんど二重になっていました」
(次兄「ふふふ、自分で改造したのです家政婦さん」)
(野獣「そう言えば次兄は裁縫が一応できると以前に」)
家政婦「洗濯するたびに不思議には思っていましたが、ご家族の皆さんはご存じなかったのですね」
長兄「入っていたのは小さな鍵……か」
長兄「次兄、これが必要なのか?」チャラ
573 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/25(月) 00:00:12.49 ID:FcvUXxa+0
(次兄「そうです、では……しばしそのままで自宅組の皆様はお待ちくださいませ」)
(次兄「さて、これからが本番です末妹、そして野獣様をはじめとする皆様」)
(野獣「これから何が始まるのだ」)
(次兄「俺の人生にとって、一世一代の賭けです」)
(王子「何が何だかわからないよ」)
(次兄「念のため俺達はおっさんの魔法陣の中で待機します」)
(次兄「通常の方法とイレギュラーな方法の両方を併用することで成功率は高まるかと」)
(次兄「末妹、手を繋ごう」)
(末妹「う、うん」キュ)
(次兄「ここで、ご一同にお願いがあります」)
(次兄「この先どのような展開が現実世界の末妹の部屋で繰り広げられようとも、一切を不問に付すと、約束してほしいのです」)
(次兄「末妹も、鏡の向こうの父さん達も含めて」)
(末妹「わかったわ、何も聞いたりしない」コク)
(野獣「……ますますわからん」)
(王子「わかんないけど……約束したらいいんだね?」)
(師匠「……約束するしかない、な、これは」)
(師匠「そもそも今回は儂の力と知識が及ばぬためにこうなったのだ」)
(師匠「君達が無事にご家族のもとへ帰れるのなら、何があろうとも我々に口を挟む権利なぞありはしない」)
商人「私も約束する、皆にも約束させるよ!!」
次姉「お父さんが言うなら」
執事「本当にわかりませんが、我々もご主人様達に従う以外ありませんね」
574 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/25(月) 00:01:24.60 ID:FcvUXxa+0
(次兄「感謝します……さてあまり時間もない、皆さんまたお会いしましょう」キリリ)
(執事「次兄様がずっと神妙な表情で薄ら恐ろしい」)
(料理長「次兄様はわしらのためにも今回のご帰還を成功させたいのです」)
(庭師「大丈夫です、みんな無事に帰ってまた会えるって信じます!!」)
(メイド「家政婦さん、いつかまたお手紙書きますね、末妹様、お屋敷でお待ちしています!!」)
(末妹「ええメイドちゃん、執事さん、料理長さん、庭師君……またね」)
(野獣「私達とはさっきお別れをしたから、もう良いな?」)
(末妹「……ええ、またゆっくりお会いできた時に、たくさんお話しをしたいです」ニコ)
(王子「改めて、ありがとう……」)
(末妹「菫花さん、私は父の待つ家に帰ります……菫花さんもお父様と一緒に、ご無事にお屋敷に帰ってくださいね」)
(王子「うん、僕の大好きなお父さんとね」ニコ)
(師匠「えーと、あのな」オホン)
(師匠「次兄君、そろそろ先に進めてはどうだね?」)
(次兄「そうですね、兄さん!!」)
長兄「はいはい」
(次兄「その鍵はその机の鍵なのです」)
長兄「そんな気はしていたよ」
(次兄「合図をしたら、手にした鍵で固く封印された引き出しを長き眠りから開放してください!!」)
長姉「単に引き出し開けてって言えばいいのに」
次姉「なぜ合図が必要なの」
(次兄「物事にはタイミングというものがあります」)
(次兄「おっさん、兄が開錠するタイミングで帰還の魔法が成功するよう詠唱をお願いします」)
575 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2017/12/25(月) 00:02:47.27 ID:FcvUXxa+0
(師匠「ふむ……それならば、誰か、次兄君兄妹と儂と長兄君以外の者に数を数えてもらおう」)
(師匠「十、数えてくれるのに合わせ魔法を発動させ、あちらでは鍵を開く」)
(野獣「では、私が……練習してもいいですか?」)
(師匠「ああ」)
(野獣「いーち、にーい、さーん……こんな間隔で」
(師匠「うむ、それで大丈夫だ」)
長兄「こちらも大丈夫です」
(次兄「では皆さん、頼みましたよ!!」キリリリ)
(師匠「詠唱を……」ブツブツ)
(野獣「いーち」)
長兄「よし、鍵を鍵穴にあてがって、数え終わりを待つ、と……」
(末妹「お兄ちゃん……」ギュッ)
(次兄(さあ、俺だけの人生最大の危機が訪れようとしている)ゴクリ)
(野獣「にーい」)
(次兄(あれがある限り、俺はどこに行こうとも、何が何でも生きて再びあの部屋に帰らねばならぬ運命(さだめ))ググッ)
(メイド「次兄様、本当に真剣な表情です……」)
(庭師「すごい、銃を持った人間達がお屋敷に近付いてきた時のよう……いや、それ以上に張り詰めているかも」)
(料理長「何かを守ろうとする雄(おとこ)の顔ですな……」)
(執事「なんという緊迫した空気……何があの次兄様をあそこまで……」)
(次兄(開錠までは頼んだが、引き出しをどうするかは敢えて指示を出していない、つまり、あちら任せ……)ドキドキ)
(次兄(引き出しの内側は白日の下に晒されるのか、だとすれば俺の肉体はそれを阻止できるのか、間に合うのか)ドクンドクン)
(野獣「さーん」)
576 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/12/25(月) 00:03:34.21 ID:FcvUXxa+0
※カウントアップの途中ですが今回はここまで※
577 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/25(月) 00:45:43.11 ID:elp5UnX4O
アカン次兄が(社会的に)死んでしまう!!
578 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2017/12/29(金) 23:23:28.38 ID:ncRpOxat0
※少し書き溜めて投下したいので次回は年明けです、ごめんなさい※
みなさま良いお年を……
579 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 00:47:15.01 ID:t10XFxtEO
今年も一年お疲れ様です
来年も楽しみにしてます
580 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2018/01/21(日) 22:50:30.45 ID:aWgvRN+D0
※長々休んでしまってごめんなさい。次回の週末ぐらいに更新できると思います。予定。※
581 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 00:53:13.22 ID:2W/tlbRMO
了解
あけおめー(今さら)
582 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2018/01/29(月) 01:11:31.55 ID:ej98zEbh0
(師匠(よし、魔法の発動もこの分だと問題ない))
(野獣「……しーい」)
商人(とにかく、この子達が無事に戻ることを信じるしかない……)
(野獣「ごーお」)
長兄(半分か、長く感じるなあ)
(野獣「ろーく……」)
(末妹(繋いだ手から、お兄ちゃんの張り詰めた想いが伝わって来そう……))
(野獣「しーち」)
(次兄(……追い込まれてきました追い込まれてきました追い込まれてきました追い込まれてきました)ドキドキドキドキ)
(野獣「はーち」)
(次兄(やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい)ドッドッドッドッ)
(野獣「きゅーう」)
(次兄(帰らねば破滅帰らねば破滅帰らねば破滅帰らねば破滅)ドドドド゙ドドドド)
(野獣「じゅーう……!!」)
長兄(今だ!!)カチャリ
鍵:カシィィィン
(王子「!?」)
(野獣「おお……!!」)
(師匠「……魔法陣が光に包まれた、成功だ……!!」)
583 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2018/01/29(月) 01:12:12.27 ID:ej98zEbh0
執事「……っ!?」ハッ
庭師「……帰って来た……?」
メイド「ここお屋敷です、私達帰って来ましたよぉ!!」ピョンピョン
料理長「いつぞやのように魔法陣が光ったと思ったら……ほんの一瞬、いや、それより短かったかも……」
執事「我々が無事に戻れたと言うことは……末妹様達も……」
メイド「きっとご無事で、ご家族にお会いできているはずです!!」
…………
商人「……」
次姉「…………」
長兄「……次兄、わかった、わかったから、俺から一旦離れてくれないか」
長兄「と言うか、俺の顔の正面にあるのはお前の股間としか思えないのだが……?」
次姉「……次兄が逆さまになって、兄さんの上半身にしがみ付いているのよ」
長姉「腕で兄さんの胴体に、足で兄さんの頭にね」
末妹「……」ポカーン
商人「末妹、無事に帰って来たんだね!!」ブワァァァ
末妹「お、お父さん……!!」
次姉「この子達の身体はベッドに横たわっていたのに、鏡が一瞬光ったと思ったら」
長姉「次の瞬間、次兄は兄さんにしがみ付いて、末妹は机の引き出しの前に座り込んでいるなんて」
584 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2018/01/29(月) 01:13:03.93 ID:ej98zEbh0
次兄「兄さん約束して引き出しをこれ以上開けないで兄さん約束して引き出しをこれ以上開けないで兄さん約束し」フェイスハガー
長兄「約束する、約束するから、今だって5ミリも開いていない、だから降りてくれ……」
次姉「ひっぺがすの手伝うわ、ほら、降りなさいよホントにこの子は……」ベリベリ
末妹「帰って来たのね、私達……」
家政婦「ええ、お帰りなさいませ」ニコ
末妹「家政婦さん……」
次兄「末妹まだそこ(引き出しの前)から動かないで!!」
末妹「え、ええ!?」ビクッ
次兄「そのままゆっくり、少しだけ後ろに体重掛けて?」
末妹「こ、こう?」ギシ
引き出し:コトン
次兄「兄さん、引き出しが閉まったところで、鍵穴に差し込まれたままの鍵を今度は逆に回して?」
長兄「今度は施錠すればいいんだな?」カチャリ
次兄「鍵は返してくださいな」
長兄「ああ、返すよ」ホラ
次兄「……ふー……」
次兄(読みどおり、切羽詰まった状況を敢えて創り出し、おっさんの魔法との相乗効果で最高の結果が生まれた)
次兄(引き出しの中身も見られずに済んだ……間に合った、間に合ったぞおおおおおお!!)
次兄「あ、もう動いていいよ末妹」
末妹「お兄ちゃん……」ヨイショ
585 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2018/01/29(月) 01:13:51.68 ID:ej98zEbh0
商人「改めて、無事でよかった、帰って来てくれてよかったああああああ!!」ガバッ
末妹「お父さんたら」ムキュ
次兄「無事に帰宅できたのも、家族のみんなの協力と祈りのおかげ……ありがとう、特に兄さん!!」キラキラ
長兄「次兄、鏡の向こうでは見たことないほど真剣な顔をしていたが」
長兄「今のその、晴天のように爽やかな表情も見たことないぞ……正直不気味だ」
次兄「いやぁ、俺は人生最大の危機を無事に回避できたことに安堵しているのです」
次姉「人生の危機とかなんなの」
次兄「おっと、何も尋ねない約束ですぞ?」チッチッ
次姉「そりゃそうだけど……」
末妹「心配かけてごめんなさい、本当にありがとう、皆のおかげで戻って来れたの」
末妹「お家の皆と、そして……」
末妹「……メイドちゃん達はちゃんと帰れたのかしら」
長姉「そう言えばこの鏡台、あんた達が戻って来てから『あちら側』を映さなくなっちゃったわね」
家政婦「そのことでしたら……」
家政婦「たった今、師匠様が瞬間移動の魔法で現れて……お屋敷の様子も同じように確認して来られたとのこと」
次姉「は? たった今?」
家政婦「数秒間のご滞在でした」
家政婦「でも、皆それぞれ家に戻れて安心した、と仰っていましたし」
家政婦「これから師匠様と菫花様は広場に戻り、野獣様もいつもの場所に戻られた……そうです」
次兄「全員無事なんだね、よかったー」
末妹「皆さんお屋敷に戻れたのね……」ホッ
末妹「野獣様、菫花さんも……師匠様も……よかった」
…………
586 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2018/01/29(月) 01:14:53.00 ID:ej98zEbh0
現実世界の、かつての王城の庭園……
師匠「菫花、そんなわけで執事達も末妹嬢達も無事だ、安心せい」
王子「ああよかった、本当によかった……」ウルウル
師匠「我々と野獣の三人だけになった途端、儂の魔力の一部を制御していたものが外れた……そんな感覚になった」
師匠「野獣もこんなことを言ってたな」
(野獣「どうやら、今の私は自分の意志でいつもの夢の世界に戻ることができそうです」)
(野獣「自力で戻れるという強い確信があります……屋敷の応接間から寝室に入るように容易く」)
師匠「そう言って、あいつは『帰った』……末妹嬢が持つ欠片の影響がなくなったせいだろう」
師匠「野獣から離れた欠片は、本体と影響しあう時はあっても、すでに別物として……成長もしている」
師匠「……ま、そのへんは後でいくらでも考える時間はあるな、それより……」
師匠「ほれ、いつまで感慨に浸っとる」
師匠「もう人払いの結界も解いた、大の男が涙ぐんでいては、人々が不審に思うではないか?」
王子「は、はいっ」
師匠「儂らはこれから、敢えて歩いて屋敷に帰らねばならんのだぞ?」
師匠「とは言え少し疲れた、魔力も使い果たした……宿に戻って休もう」
王子「ええ、そうですね……」
王子「……今夜はよく眠れそうです」
師匠「さあ、行くぞ……と、その前に、別れの挨拶をして行くか?」
王子「……ここにはまた来ることができます、来ようと思えばいつでも、そんな場所の一つになりました」
王子「ですから……今回は」スッ
王子「……また来ますね、父上、母上」
王子「今度は230年も間を開けませんから、必ず……」
王子「……終わりました。行きましょう、師匠」
師匠「ああ……また来よう、お前と儂でな……」
……
587 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2018/01/29(月) 01:15:23.23 ID:ej98zEbh0
※ここまでです。寝落ちます…※
588 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/29(月) 02:53:42.44 ID:RSsNbsH3O
乙
次兄危機一髪
589 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2018/02/28(水) 22:26:49.90 ID:nGFFY93s0
※一か月過ぎてしまうので…近日中に更新するので少々お待ちを…※
590 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/28(水) 23:06:08.95 ID:MEHSYlb2O
待つともさー
591 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/28(水) 13:36:48.69 ID:UVYSJKqTO
近日…近日?
592 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2018/04/01(日) 23:29:57.58 ID:rSQA9QWn0
※
>>1
です、マジごめんなさい
2〜3月ちょっと、いやかなり多忙というか余裕なくこの有様でした。必ず完結させますので……※
593 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 01:06:28.13 ID:Z8Ei3vyqO
良かった
待ってます
594 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2018/04/28(土) 23:52:49.88 ID:JtVxUVrN0
商人の店。
長兄「……」
次姉「兄さん?」
長兄「……」
次姉「兄さん!! 何ボーッとしてるの?」
長兄「はっ……次姉」
次姉「もう、そんな調子じゃまたいつぞやみたいに手でもケガするわよ」
長兄「すまない」シュン
次姉「まあ……さっきまであの子達が無事に戻るかどうかって緊張した空気だったものね」
次姉「その中で文字通り『カギを握る』役目だったんだもの、疲れるのも無理ないか」
長兄「本当にすまん、もう大丈夫だ……次兄と末妹は?」
次姉「本人達は普通に元気そうだけど、お父さんが大事を取らせて、目の届く居間のソファで休ませてる」
次姉「家政婦さんは夕食の準備で忙しいけど、姉さんも同じ居間で編み物を始めたわ」
長兄「そうか、元気ならよか……長姉が編み物!?」
次姉「そこ?」
次姉「姉さんなりに料理だけじゃなく家事全般の腕を上げようと頑張っているの」
長兄「そうだな、長姉なら料理の腕もあっという間に上達したし、きっと編み物や裁縫もやる気になりさえすれば」
次姉「まあでも、今日は短い時間に色々考えたり力仕事したり気を揉んだりと」
595 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2018/04/28(土) 23:54:51.15 ID:JtVxUVrN0
次姉「私も正直疲れたわ、お父さんに確認して早めに店を閉めましょ」
長兄「ああ、先に上がっていいぞ」
長兄「午後から臨時休業にしていたところを、お客様のために少しの時間でもと開いたんだ」
長兄「通常の閉店時間まで俺一人このままやるよ」
次姉「……それなら私も」
次姉「兄さん一人にして、またさっきみたいにボーッとされても困るもの」
長兄「はは、本当に大丈夫……でもありがとな」
長兄「……」
長兄(本当は疲れてボーッとしていたとは微妙に違うんだよな)
長兄(鍵が開いたと同時に、引き出し自体の重みでほんの僅か……3ミリばかり……自然と、開いた)
長兄(あの重みが手にかかった瞬間、俺はその手で引き出しを押し戻すべきかそのままで維持するべきか)
長兄(それとも重さにまかせて更に引き出すべきか、迷った)
長兄(でも、それは本当の本当に一瞬だけの迷いだった)
長兄(次兄達がすぐに戻ってきたせいではない)
長兄(あの3ミリほどの隙間から……俺が感じた物は……)
長兄(我ながら滑稽だとか陳腐だとか思う)
長兄(……でも確かに感じたんだ、何か、例え難い……物理的な重さとはまた違う……圧迫感……)
長兄(……そして、寒気と恐怖感と……)
596 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2018/04/28(土) 23:56:04.48 ID:JtVxUVrN0
長兄(とにかく、何かわからんがこれ以上この引き出しを開いてはいけない)
長兄(この内にあるものに関わってはいけない、と頭の中で警鐘が鳴り立てた)
長兄(そこで次兄が戻って来て、ようやく俺も現実に引き戻され)
長兄(あの時感じた『何か』は……過ぎてしまえば気のせい、錯覚、あるいは)
長兄(実際になにかがあったとして、魔法の力が働いた作用……なのかもしれない)
長兄(……・)
(次兄「おっと、何も尋ねない約束ですぞ?」チッチッ)
長兄(次兄が言う通り、尋ねてはならない、問うてはならない……)
長兄(正体はわからずじまいだが、それが正解であり)
長兄(なんであれ、それで二人と二人の友人……友獣(?)達が無事に帰れたのなら、正しい使われ方をしたんだ)ウム
次姉「……」
次姉(兄さんまた何か考え事して一人で頷いているけど)
次姉(まあいいか、何であれそこまで真剣に考え込むほどでもない話だろうと真面目に考えるのが兄さんだもんね)フゥ
呼び鈴:チリリン…
次姉「! 兄さんお客様よ、いらっしゃいませ!」
長兄「はっ……いらっしゃいませっ!!」
……
597 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2018/04/28(土) 23:56:46.35 ID:JtVxUVrN0
※ごぶさたしてすみませんでした。読んでくれた方ありがとう※
598 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/29(日) 00:47:44.92 ID:NsDrLDu7O
おひさし乙
引き出しの奥のラスボス感ww
599 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/29(日) 07:53:41.23 ID:TAWosCSgo
乙です。ゆっくりで良いので。まったり更新待ってます〜
600 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2018/05/29(火) 22:36:05.37 ID:TLNxoXer0
※念のため。一か月早い…※
601 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2018/06/28(木) 00:08:50.87 ID:wCnuCsJK0
※お久しぶりです。来月頭までちょっとバタバタしてますが7月前半に更新します※
602 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/29(金) 00:49:34.26 ID:SYT844p5O
待ってるよー
603 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/17(火) 01:43:15.38 ID:B2G3C3AgO
上旬…過ぎたなぁ
604 :
◆54DIlPdu2E
[sage saga]:2018/07/17(火) 22:06:31.86 ID:7wOVzHIx0
※すみません、自分で「上旬」と書いておきながら「7月中」のつもりでいました…も少し待っててください…※
605 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/17(火) 23:34:59.81 ID:pisHK4gTO
おー、
>>1
が元気なら良かった
606 :
◆54DIlPdu2E
[saga]:2018/07/26(木) 00:27:39.02 ID:yFeLJr7c0
商人の家、居間。
商人「そうか、菫花君にとっては本当に良い旅になったようだな」
末妹「ええ、本当に」
商人「それに……親が子供とわかり合えるのは簡単なようで難しいものだが」
商人「だからこそ、お互いの想いが通じたと実感できる瞬間はどんなに尊いか」
商人「師匠様にも、きっと良い旅になっただろう……」
長姉「お父さん……」ニコ
次兄(あの長姉ねえさんとは思えぬ穏やかな微笑)
次兄(これも元を辿れば幼馴染男さんの愛の影響力とやらなのか……)ムムム
商人「次兄、ややこしい顔して黙り込んでいるけど、体の具合が悪いのかい?」
次兄「はっ!? い、いいえ、なんともありません、何ひとつやましいことなどありませんよ!?」アセアセ
長姉「何をうろたえているんだか、変な子」
末妹「……」
末妹「あのね、お父さん」
商人「ん?何だい?」
末妹「今の学校を卒業してからのこと……そろそろ話をした方がいいと思うの…」
次兄(お、いよいよですな末妹)
商人「そうだな、お前も来年は15歳、町の学校に通うのもあと1年くらいか……早いものだ」
商人「で……お前はどうしたいのかな」
末妹「……私、将来は学校の先生になりたいんです」
商人「そ 長姉「いいじゃない!?末妹には向いてるわあ!!」
商人「あ 長姉「教員養成学校に行くのね、あんたなら大丈夫、絶対合格するから!!」
商人「え 長姉「ね、お父さん、素敵な話よね!!」
商人「……う、うむ……」
550.84 KB
Speed:0.1
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)