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「『須賀京太郎』とは、あなたのそうぞう上の存在に過ぎないのではないでしょうか」
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533 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 00:29:46.25 ID:4KOrT6pE0
乙
ふと、永水の人達ならこういうことできそーだなーと思った
534 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 00:30:39.01 ID:KTQVtfeJo
>>532
京太郎どころかこの世界そのものが咲さんの無意識によって出来たものだった…?
535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 00:32:27.59 ID:6tQxwIWDo
インターフォンの向こうから聞こえたのは、先日と違う声だった。
「宮永です、先ほどウチに来たって聞いたので……」
「……おお、咲ちゃんか」
低めの、男性の声。
「ああ、うん……どうしようか……」
私が来たことで、少し困っているようだった。
呼ばれて来たわけではないけど、先ほど私に会いに来たにしては、少し様子が変だった。
「……うーん、まあ、上がってもらおうか」
ちょっと待ってて、という声と共にインターフォンから向こう側の気配が消える。
536 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 00:41:51.13 ID:6tQxwIWDo
玄関のノブが押され、ガチャリと音をたてて扉が開く。
「久しぶりだね」
「お久しぶりです」
出てきたのは、長身で筋肉質の日に焼けた男の人。
──須賀龍太郎さん。
京ちゃんのお父さんだ。
537 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 00:48:06.64 ID:6tQxwIWDo
「……」
「……?」
「……まあ、上がって」
何かを言おうとして、結局はその言葉に落ち着いた。
そんな印象を受ける。
「……おじゃまします」
何となく気まずくて、そろそろと玄関をくぐる。
私が通ると、ムッとした熱気が室内の冷えた空気と混ざった。
そして、そのままリビングに入って、
「あ、」
という龍太郎さんの声に立ち止まる。
538 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 00:58:03.53 ID:6tQxwIWDo
目に入ったのは、ソファーの上で薄手のタオルケットに覆われた京香さんだ。
「……」
くぅくぅと、手を抱え込むようにしながら寝息を立てている。
「京香が寝てるんだ」
後ろで、そっと龍太郎さんが言う。
寝かせてやってほしいんだ、という言葉に、私も音を立てないようにリビングを出る。
その際、ちょっとした違和感を抱いた。
廊下に出てから、違和感の原因に思い至る。
──部屋の家具の配置が、変わってた?
そして、気になることがもうひとつ。
京香さんがなんだか、泣いた後のようで──。
539 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 01:16:36.52 ID:DflAKGdE0
京の字!!
540 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 01:16:42.73 ID:6tQxwIWDo
「あー……どうしようかな……」
私が考えている先で、龍太郎さんも考えをまとめているようだった。
「えぇと……うん。ちょっと、こっちで話そう」
そう言われて、付いていった先は二階の階段脇の部屋。
ここは──
「……ここがなんの部屋か、分かるかい?」
「京ちゃんの部屋、です」
言ってから、ハッとする。
龍太郎さんは、京ちゃんの事を京香さんから聞いたのだろうか。
聞いたのだとしたら、どう思っているのだろうか。
私の恐れに、しかし龍太郎さんは苦笑いを浮かべただけだった。
その苦笑いは、自嘲のようで、どこか辛い。
龍太郎さんが、ドアを開ける。
541 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 01:32:31.95 ID:6tQxwIWDo
そこは、以前私が来たときのままだった。
勉強机に、本棚、ベッド、ハンドボール選手のポスター。
比較する対象が居ないけれど、男の人にしては綺麗に片付いている、と思う。
本棚には申し訳程度の参考書、漫画、ハンドボールの本に、麻雀の本。
勉強机にはパソコン。
開かれっぱなしのクローゼットには、制服やジャケットなどが掛けられている。その下には木造の収納ラック。
ベッドの上は、普段は着替えなんかが放ったままになっているけど今は綺麗になっていて、これは以前と違うところだ。
ベッドの枕元には、目覚まし時計が一つ。
──私が京ちゃんの誕生日にあげた、目覚まし時計。
542 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 01:33:24.27 ID:6tQxwIWDo
「どう掛けたものかな……咲ちゃんはそちらへ。俺はベッドでいいか」
怒られたらまあ、後で謝ればいい。
勉強椅子に腰を下ろすと、龍太郎さんがそう小さく呟くのが聞こえた。
私がそれに疑問を浮かべるより先に、
「──咲ちゃんは」
そう、静かに龍太郎さんが言う。
その姿が、京ちゃんと重なる。
京ちゃんはどちらかと言えば京香さん似だけど、ふとした時に、やはり龍太郎さんの子供なのだと思う。
20近くも、年離れた京ちゃんの姿。
543 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 01:41:15.06 ID:6tQxwIWDo
重なる京ちゃんが、静かに言う。
「京太郎のことを、忘れては居ないんだね」
喉が、ゴクリと鳴った。
そうか、これが息を飲むということなんだ。
そんな場違いな感想が浮かぶ。
544 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 01:55:10.09 ID:6tQxwIWDo
「龍太郎さんは」
恐る恐る、聞く。
「京ちゃんのことを、覚えているんですか?」
京香さんは、覚えていなかったのに?
私の言葉に、龍太郎さんは先ほどと同じ苦笑いを返す。
どこかに自嘲を抱えたような笑み。
部屋の中を見渡す。
「京太郎のことを思い出したのは、昨日なんだ」
「昨日まで、忘れていた──息子のことを」
ズキリと胸が痛んだ。
545 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 01:57:19.90 ID:6tQxwIWDo
546 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 01:58:37.46 ID:6tQxwIWDo
龍太郎さんは続ける。
「咲ちゃんは、さっき、この部屋が京太郎のものだってすぐに言っただろ?」
その手は、握り締められている。
「昨日まで、俺は──俺達は、この部屋の存在すら忘れていた。気づけなかった」
立ち上がり、本棚へと近寄る。
「咲ちゃんは、知っているのか?」
手に取ったのは、分厚い本。
それを開く。
「京太郎が、今何処にいるのか」
しっかりとした足取りでベッドに戻り、どしりと腰を下ろす。
京ちゃんのアルバムを開いて、そこから目を離さないまま。
547 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:06:36.60 ID:6tQxwIWDo
「……私も、知らないです。──探しているんです」
「……そうか」
龍太郎さんは、ゆっくりとページを開きながら言う。
「そうだったな……京香のとこに来たのも、京太郎に会うためだったもんな」
しばらくは、ふたりとも無言だった。
只々、京ちゃんの写真が成長していくのを見ていた。
548 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:16:08.74 ID:6tQxwIWDo
校門の前で私と並んで制服を着ている写真。
──授業参観の時だ。平日だというのに、龍太郎さんも休みを取って二人で来ていて、京ちゃんは嫌そうな顔をしていた。
京香さんと龍太郎さんと、三人で撮った写真もその横にある。
ハンドボール部のユニフォームを着ている写真。
──初めての練習試合の時の写真。自分たちの中学だったから、私も応援に行った記憶がある。
この練習試合は1年にも試合の経験を積ませるという目的のものだったようで、京ちゃんも出番があった。
京香さんと龍太郎さんの喜びようは、写真の多さが語っている。
活躍のほどは、まあ……時期が時期だけに、仕方ないことだけど。
カピを抱えた京ちゃんの写真。
──どこかで、京ちゃんが一目惚れしたらしい。
龍太郎さんが連れて来て、京香さんが結構怒ったそうだ。
怒った京香さんは珍しくて、龍太郎さんはそれにデレデレで、京ちゃんは呆れていたけど。
二年生に上がった時の写真。
──私と一緒に、お互いの家の玄関で撮った写真。
うちのお父さんはこういうことを積極的にするタイプではないのだけど、私にもこうした写真が多いのは、つまり須賀家の存在に依るところが大きい。
ハンドボール部で初めてレギュラー入りした試合の写真。
──私も、須賀夫妻に誘われて応援に行った。
出そうな試合にはたまに応援に行くことはあったのだけど、しばらくは予定が合わなくて久々に見に行ったのを覚えている。
その時の京ちゃんは、正直、結構カッコ良かった。
1年前のあのわたわたしていた姿は何処へやら、私にはもはや何が何やらのスピードで、コート内を駆けまわっていた。
ちなみに、写真も一年前と比べれば枚数はかなり落ち着いている。1枚1枚の写りの良さは格段に向上しているけれど。
549 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:27:37.38 ID:6tQxwIWDo
家でごろごろしている時の写真。
母の日、父の日のプレゼントを渡している写真。
旅行に行った時の写真。
遠足の写真。
自然教室の写真。
アイスを食べている写真。
海に行った時の写真。
修学旅行の写真。
かまくらを作っている写真。
私とこたつに入っている時の写真。
花見の時の写真。
高校の入学式の写真。
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:28:45.55 ID:6tQxwIWDo
「なんで、忘れていたんだ」
ぽつりと、龍太郎さんが言った。
551 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:33:48.11 ID:6tQxwIWDo
「京香の、様子が変だと思った」
落ち着いた様子の、言葉の静かさが、氷のようだ。
「いきなり、私たちには子供が居たんじゃないかって。あまりに辛そうな様子だったから、根気強く話を待っていたら、そう言った」
「そんなことがあるわけ無い。そう思った」
声が震えた。
気がした。
552 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:39:53.80 ID:6tQxwIWDo
「でも、言うんだ。咲ちゃんが言ったことに、何一つ答えられなかった。心にはぽっかりと、理由の分からない穴が開いている」
「理性は、子供なんて居ない。そう言うのに、」
「──心が、子供を忘れるなと悲鳴を上げるんだと」
龍太郎さんは、冷静であるのに。
その言葉は、氷のようなのに。
熱を帯びている。
553 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:40:43.01 ID:6tQxwIWDo
「俺は、言われるまで気づかなかった。昨日まで分からなかった。何か足りない、そう感じていたにも関わらず、そう感じていたことが」
「写真を見た。京太郎が居た。階段の先に知らない部屋があった。京太郎の部屋だ」
「部屋を見た。リビングを見た。京太郎の記憶があった。京太郎から貰った記憶があった。京太郎と繋いだ記憶があった」
「──なんで、忘れられるんだ。なんで、京太郎が、俺たちは、なんで」
554 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:45:16.33 ID:6tQxwIWDo
言葉が無い。
ただ、無言で居るしか出来ない私に、龍太郎さんは今気づいたようにハッとして、ゆっくり息を吐き、吸う。
乱れていない息を整えている龍太郎さんに、迷いながらも、聞く。
「……京香さんも、思い出したんですか?」
「……ああ。少し、大変だったよ」
苦笑する。
今度は、親愛の混じった苦味の笑み。
「少し、暴れてね。ものを散らして、机をひっくり返そうとしたところで、力が足りなくて少し動かして、次はソファーを少し動かしたところで力尽きたよ」
ああ、それで。
「だから、少し配置が変わってたんですね」
「覚えてたのか、凄いな」
女性はそういうのが得意だと聞いたことがあるけど、と表情が少し穏やかになる。
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:51:01.45 ID:6tQxwIWDo
「まあ、そういうわけなんだ。京香は、少し寝かせてやりたい。同時に、少し京太郎のことから離しておきたいんだ」
京香さんは、体が弱い。
龍太郎さんの言葉で、さっきの事にも納得した。
京香さんが眠っている間に、私に話を聞きたかったのだろう。
家に来られて困っていたのは、京香さんが起きてしまうのではないかと思ったから。
「……その間に、もしかしたら、ひょこっと帰ってくるかもしれない」
誰が、とは言わない。
それは願望だった。
自分でも分かっているのだろう、それでも望まずにはいられない。
私も同じだから、分かること。
今にも、この京ちゃんの部屋に、ひょっとしたら──
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:51:32.08 ID:6tQxwIWDo
トン
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:52:28.44 ID:6tQxwIWDo
階段を上がる音が聞こえた様な気がした。
二人は口を閉じる。
廊下は、誰かが上がってきたにしてはあまりにも静かだ。
外の蝉の音が急に大きく聞こえる。
耳をすませても、誰かが歩く音は聞こえない。
気のせいだったのか。
そう思ったら、ドアのノブが降ろされて──
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 02:53:40.66 ID:6tQxwIWDo
「──あ」
京香さんが、ゆっくりと顔を覗かせた。
分かっていた事なのに、そこに居た誰もが息を吐く。
「あぁ、咲ちゃん、来てたのね。ごめんなさいね、私、ええと、ちょっと寝てたみたいで」
京香さんが、落ち着こうとしているのが分かる。
559 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 03:00:34.49 ID:6tQxwIWDo
「ちょっとね、ええと、誰か居る気がして、京くんが帰ってる気がして」
ぽろぽろと、涙が落ちる。
「ああ、ごめんなさいね、ええと、京くんって呼んだらまた怒られちゃうかしら、私、京太郎が帰ってる気がして」
椅子から立ち上がって、京香さんの手を取る。
龍太郎さんは、固まったように動かない。
握られた手だけが、震えているのが見えた。
京香さんの手は震えていない。
ただただ、冷たい。
「咲ちゃん、京太郎がね、」
膝をつく。
崩れ落ちる。
引き摺られるようにして、床に座る。
「京太郎が、どこにも」
嗚咽が、声を濁す。
「どこにも、居なくて」
「私、謝らないと、忘れちゃって、だから、いなくなった、のかなって」
560 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 03:01:17.50 ID:6tQxwIWDo
「だから、わたし……あぁ」
京香さんの手が、私の頬を伝う。
「だめよ、咲、ちゃん……咲ちゃん、が、泣いたら、京くんも、泣いちゃうわ」
言われて、気づく。
私は、涙を流していた。
「あれ……なんで……」
拭っても拭っても、涙は止まらない。
京香さんが、私をぎゅうと抱きしめる。
「大丈夫……だよ、咲ちゃん」
561 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 03:01:45.04 ID:6tQxwIWDo
──京くんは、すぐ帰ってくるよ。
562 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 03:03:12.42 ID:6tQxwIWDo
その言葉に、私は。
「ぅぁ……っぁあぁ」
ようやく、重みを持つ。
京ちゃんはいた。
絶対に。
証拠があった。京ちゃんの足跡がたくさんあった。
それ以上に、確信させる。
心が、京ちゃんは居たのだと言っている。
涙は、止まらない。
563 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 03:05:06.05 ID:6tQxwIWDo
──その夜、電話があった。
──お姉ちゃんからの電話だった。
──言いたいことがたくさんあって、何から伝えるべきかを迷っている間に、お姉ちゃんが言った。
564 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 03:05:47.75 ID:6tQxwIWDo
「咲。明日は、空いてる?」
「詳細は、来てから。とにかく、来て欲しい」
565 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 03:06:37.39 ID:6tQxwIWDo
「──鹿児島、霧島へ」
566 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/26(日) 03:19:29.11 ID:6tQxwIWDo
皆お待ちかね、永水女子のお時間です
というわけで以後、ラストまで書き溜めまする
現状は生存報告代わりにショート投下2票なんでショート投下予定
本編速度には全く影響ないですが、待ちの内に印象が変わるようなシナリオもあったりなかったりなんで念のため
567 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 03:28:18.83 ID:4KOrT6pE0
乙
やっぱり永水の人達かー
568 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 03:35:43.91 ID:KTQVtfeJo
乙!
こういう系だとまず裏にいるのは永水になるよね
京太郎がいるはずなのに〜違和感で東亰ザナドゥ思い出した
569 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 09:06:51.63 ID:9VcPn1keo
困った時の永水頼み
570 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 09:16:27.20 ID:UoyLXJ5G0
よかった…迷い家に囚われたり妖怪ぽぽぽに連れ去られたわけじゃなかったのね
571 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 10:14:38.31 ID:nqUvK2bmo
乙 やっぱりお前らかい!
咲ssで起こる怪現象の9割ぐらいに鹿児島が関わってねーか!?
572 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 10:31:44.97 ID:vmYyVITs0
乙。
まあ麻雀の牌が偏るとかそんなレベルじゃないガチのオカルト現象っぽいしね。
鹿児島の面々は、麻雀でオカルトを起こせる人々じゃなくてホンマモンのオカルト世界の住人がたまたま麻雀やってる、て感じだし。
573 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 10:38:10.91 ID:onaVX+kL0
永水の中でも大抵は霞さんが黒幕
574 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 11:59:07.40 ID:1JqVLNHAO
>>571
来てくれって言ってるだけでまだ永水のせいって決まったわけじゃないから
575 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 13:09:19.28 ID:TlihaX1WO
超常現象の永水と金の龍門渕は二大便利高校だからしょうがないね
576 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 20:44:10.06 ID:40KI92bAO
乙です
今まではみんなが覚えてないことへの戸惑いに手一杯だったけど、落ち着くと、じゃあ京ちゃん何処だよと
577 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 00:33:04.62 ID:7RrZ1KYR0
京の字・・・・・・!!
578 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 02:11:32.40 ID:p3Nh6D2Vo
乙!ショートの方も楽しみにしてる
ちょっと前まで言ってること支離滅裂なホラー的印象だったけど
今回の両親の悲しむ場面の方がグッとくるものがあった…
579 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 16:16:15.25 ID:cXHxF0xpO
超常現象って意味だと宮守も大概だけどな
580 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 18:12:27.36 ID:R2xBETxA0
オカルトの永水、資金の龍門渕、ガチホラーの宮守、泣き顔もかわいいのクロチャー
581 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 20:33:24.97 ID:yiPweYBSO
>580
心理だな
582 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 20:34:47.45 ID:yiPweYBSO
>>580
真理だな
誤字と間違え
583 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/28(火) 00:50:46.44 ID:BiNRIOD7o
>>580
ええやん・・・
584 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/29(水) 13:04:47.37 ID:RRi8JT5k0
ムダヅモ無き改革
585 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/07/02(土) 00:51:28.89 ID:JEeKr9jXo
異論なさ気なので生存報告はショート投下で行います
現状は4〜5回くらいを予定、難航したらそれ以上の可能性もありますが
ちなみに対象は安価、というかこのレスより下10くらい迄で名前が挙がった中から内部的な順位付けで決定
条件はSS内で出てきたキャラ、もしくはインハイ終了時点で繋がりがありそうなキャラ、その繋がりのありそうなキャラの周辺のキャラ、このSS内でいう『オカルト』の強いキャラ
繋がりの「ありそう」なキャラの場合はその理由もあると採択の可能性が高まるかもしれませぬ
キーパーソンが選ばれない可能性もありますが、選ばれなくても結末に影響しませんし、むしろ選ばれないほうが良かったという可能性もあります
なのでまあ、気分でお好きに挙げて下さい、あくまでもおまけなので
生存報告までに、誰も挙がらなければ……ちょっと怖いことになるかもしれませんが、まあ
586 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 00:56:57.59 ID:ddBXMWQ30
霞さん
587 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 01:01:35.13 ID:Foe+myiC0
はっちゃん
588 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 01:08:26.87 ID:FeemAijco
菫
589 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 01:09:28.37 ID:FeemAijco
あ、すまん条件ちゃんと読んでなかった。菫は無視してくれ
590 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 01:12:09.89 ID:vr/t8jflo
照
591 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 01:15:18.91 ID:gjXp4SKxO
淡
592 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 01:20:33.57 ID:WyRytfNho
穏乃
繋がりとしては和経由で
593 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 01:50:21.59 ID:ru64G8Iu0
衣
理由は好きだから。 というのは置いといて、はぎよしとの繋がりで面識はまず確実にありそうな中で最もオカルトが強い子だからね
永水組と同じくらい、元々がオカルト世界の住人って雰囲気があるし
594 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sagesaga]:2016/07/02(土) 02:05:32.22 ID:hiGvMAUjO
霞さん
595 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 02:19:53.73 ID:qUcI93L8o
シロ
個人戦に出場してるかもしれないし、マヨヒガってのが今回の京太郎が消えた現象と似てるので
596 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 12:16:00.75 ID:92xVUxGfO
モモ
意図的に認識しようとしたら確認できるが、意識しないと気づけない能力は現在の京太郎とだいぶ似てる気がする
597 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 12:35:12.66 ID:+3pLPPdoO
小さいけど一番頼りになるはっちゃんで
598 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/07/09(土) 23:48:07.15 ID:yN40qoNH0
不遇?
599 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/07/10(日) 20:53:22.73 ID:DIlkg2zgo
生存報告が本物の生存報告感
一応5人かな、選択理由はSS後に希望あったら貼る感じで
というかホント結構挙げてくれたのでビビった
600 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/07/10(日) 20:59:24.74 ID:DIlkg2zgo
《4》
悪石島に顔を出そうか、と考えていた時、彼女が来ました。
ヒチゲーでもないのに、ボゼの神様がいつもと違う気がしたのです。
今の頃でボゼの神様に関係のありそうなものといえば、悪石島でもうすぐ行われる盆踊りでしょうか。
ただ、例年は人の為すままに任せ、今までは盆踊りの時期だからといってこのような感覚を抱くことなどありませんでした。
何か、今年は特別なことでもあるのでしょうか。
現地なら、なにか分かるかも知れませんけど。
そう思いながらも、島に行くかどうかを迷っていたのには理由がありました。
実は、その感覚は今さっきのものではなく、ここ数日続いていたのですが、同時期に姫様も違和感を抱いていたようなのです。
姫様は対話型の巫女ではなく、だからこそ姫様が抱かれた違和感というものがとても大きく取り沙汰され、昨日までは本家内がてんやわんやとしていました。
そんなてんやわんやも今日には収まり、落ち着いてみるとそういえば、とボゼの神様の違和感を思い出しました。
しかし始まりから数日経っていて、今でも忘れる程度の微弱さということ。
そして姫様の件で様々に調べても、何ら問題が見つからなかったという結果を既に知っていたので、正直島にわざわざ行くほどのことだろうか、と迷っていたのです。
そんな時、彼女が来ました。
601 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/07/10(日) 21:02:45.26 ID:DIlkg2zgo
「あら、いらっしゃいですよー」
「おじゃまします。……久しぶり?」
「いや、インターハイで会ってるじゃないですか」
──彼女、宮永 照。
「いや、なんだか、ここで会ったから」
ああ、そういうことか。
「確かに、ウチで会うのは久し振りですねー。また何か見えたんですか?」
宮永さん……いや、今はこれだとややこしいんですね。
宮永照さんは、私達がとある意図で参加している麻雀の高校生全国大会の強豪で、麻雀仲間としての繋がりがあります。
しかし、それ以上に関係深いのが、神代の『本業』との繋がり。
ここ最近は、本家には顔を見せていなかったですが。
602 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/07/10(日) 21:10:16.83 ID:DIlkg2zgo
「違う……けど、同じような感じ」
「姫様と霞ちゃんに話は通してますかー?」
「石戸さんに連絡したから、大丈夫」
じゃあ、と敷地の中を勝手知ったるとばかりに進んでいきます。
その背を見送りつつ、私は宮永さんが来ることを知らなかったですが、と思ったところでそもそも霞ちゃん達と昨日から会っていないことに気づきます。
普段は姫様から離れるということはあまりないのですが、流石に人手が不足して、年長者の私がメッセンジャーとして神境を行ったり来たりしていましたから。
人手不足は珍しいですが、数日間全国四方八方に手を伸ばしていたら当たり前というものでしょう。
姫様の感覚はそれほどに重要なのですよ。
今回ほど大規模なのは、結構珍しいですけど。
まあ、とにかく。
くるりと踵を返して、ててて、と宮永照さんを追いかけます。
とりあえず、皆に挨拶して行きましょう。
島に顔を出すかどうか決めるのは、それからでも遅くないでしょうから。
《4-薄墨初美》
603 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/07/10(日) 21:14:01.13 ID:DIlkg2zgo
皆様、体調管理には十分お気をつけて
自分は無事、死にそうです
ではまた
604 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/10(日) 21:45:12.84 ID:vWpMB0js0
乙
605 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/10(日) 23:43:59.72 ID:mfAX9Rd40
乙
606 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/11(月) 00:28:05.59 ID:rgZ4S/Fy0
乙
生きるんだ
607 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/11(月) 02:26:06.47 ID:uO8LuuZ60
生きろ
そなたは美しい
608 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/17(日) 22:29:08.29 ID:euUHTToHo
乙
君死ニタマフ事ナカレ
609 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/22(金) 01:56:46.29 ID:CA8tU/R00
お大事にな
610 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/23(土) 02:28:16.49 ID:O/sXnRqx0
乙
お大事に
611 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 17:13:23.77 ID:CB7r+Z/AO
保守
612 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/08/27(土) 01:14:00.66 ID:js9+oq6wo
《3》
「シロはここ最近、あまり悩まないね」
熊倉先生に言われ、顔を上げる。
「そういえばそうだね、なんか最近少ない気がする」
「そーいえば」
塞と胡桃も言う。
そうだろうか、と思い返す。
でも、面倒くさいから思い返すのはやめよう。
「そうなんだ?」
聞くと、
「言われてみればそーかも?」
「ソーカモ!」
豊音とエイスリンも言う。
皆が言うならば、そうなのだろう。
「……その様子だと、何か意図があってとかでは無いんだね?」
「まあ、別に」
「考えてみると、ここ最近のシロって大きな手とかあまりなかったよね」
塞がなんだか考え始める。
「迷う機会が無かっただけじゃないの?」
胡桃が言う。
613 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/08/27(土) 01:24:23.87 ID:js9+oq6wo
迷う機会とは、なんだか変な言葉だ。
でも、ああ、なんだか身に覚えがある気がしてくる。
「あーでも、ちょっと迷う時はあった」
「へー、そーなんだー?」
豊音が言う横で、エイスリンは画板を抱え込んでいる。
そこに描かれていたのは、道を彷徨く私の絵。
「でもー、ちょっとで終わっちゃったんだー?」
「そんな感じ」
何やら考えていた塞が、首を傾げる。
「え、なんで? 面倒くさくなったとか?」
「んー」
なんでだったか。
面倒くさくなった、というのは自分で言うのも何だが一番ありそうな話ではあるのだが、そうではないような気がする。
元々、迷うのは結構だるいのだ。
迷い始めたところで辞めるのも結構だるい。
なので、『面倒くさい』が理由で迷うのを辞めたというのは無いと思う。
むしろ。
思い出してくる。
そうだ、迷うのを辞めたのは、なんというか。
迷った行き先がない感覚。
「……いや、違うか」
「?」
614 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/08/27(土) 01:36:13.97 ID:js9+oq6wo
行き先が無いと言うか、なんというか、行く前に店が満席であるのを知る感じ。
迷いかけた所で、他に選択肢が無ければ迷うことはない。
考える余地も必要もない。
ダルくない。
ここ最近は、ずっとそんな感覚だった。
「まとまった?」
「あー……」
でも、これを伝えるのはダルい。
「シロ。もしかして、迷ヒ家が慌ただしいとか、そんな感じかい?」
熊倉先生が普通に聞いてきて、頷く。
いつもながら、全てを知っているような人だ。
お陰で、面倒が少なくてありがたい。
「そうかい」
先生は、一人納得したらしい。
「ええと、それで、シロは大丈夫なんですか?」
塞が少し心配そうに聞く。
「ああ、大丈夫さ。迷ヒ家が使えないってだけで、特に影響はないよ。何にせよ、すぐに元に戻るだろうさ」
何か確信をもった声。
それに、皆は安堵する。
しかし私は、その後に小さく呟かれた言葉を聞く。
「そう、何にせよ、すぐに」
その言葉は、多分、ここではないところに向けられていた。
615 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/08/27(土) 01:38:22.89 ID:js9+oq6wo
なんだろうか、と思ったところで、胡桃がもう一度打とうと言う。
この場所にいられるのも、もう残り数ヶ月。
何がなくともこの部室に集まる中でも、胡桃は特に熱心だ。
熱心なのは、良いことだ。
しかし、朝から打っていて、今はご飯を食べた後。
そろそろダルい。
私は、席に座ったままずりずりと離脱を試みるが、椅子の動きは途中で止まる。
首を仰向けて後ろを見ると、にっこりと笑ったエイスリンが椅子の背をつかんでいた。
「ヤロ?」
はー、やれやれ。
《3-小瀬川白望》
616 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/27(土) 02:27:55.41 ID:JpcYV7gN0
迷ヒ家に迷い込もうとしたら先客がいて入れない……?
K「はいってまーす」
いやいやいやいや
617 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/27(土) 09:55:23.20 ID:2Gh5SMzx0
面白い
618 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/27(土) 12:08:40.14 ID:vd5sXAyI0
え、京ちゃん迷ヒ家にいるの? ていうか行けるものなの?
619 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/27(土) 15:25:55.08 ID:gpMmdVY20
満席とか慌ただしいのあたりから
迷ヒ家に色んな次元の京ちゃんがわらわらいるのを想像してしまった
620 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/27(土) 22:16:26.68 ID:Y1fn6YLDO
来てたか乙
待ってるから無理しないで
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/29(月) 09:58:00.92 ID:HUt4o1ye0
乙!!
622 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/29(月) 23:09:08.87 ID:cj33J5dH0
>>618
行けるものなの? って、そもそものマヨヒガというものを何だと思っているのか
623 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/31(水) 08:45:57.17 ID:WEZrZb8a0
何か怖いな
624 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/02(金) 21:08:09.27 ID:E/dilvWRo
乙 期待
625 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/11(日) 14:14:54.25 ID:f/XeK7IQ0
ショート投下とかやってるSSでろくに完結させたのあったっけか?
626 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/12(月) 04:42:00.63 ID:P27pkyoso
まだかな
627 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/09/15(木) 08:12:40.00 ID:MZvQqStkO
【名前】 秋田 美羽 あきたみう
【性別】 女
【容姿】 長身だが胸はそんなにない
【性格】 常に余裕ぶっており超然としている
【学年】 2年
【高校】 清澄
【特記】観察力が強く相手の考えを予測できる
628 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/09/24(土) 04:01:55.50 ID:Anpj8V/0o
《2》
これは、どう考えるべきだろうか。
宮永さんから聞いた話を、再度頭の中で整理する。
なんでも、妹さんの友達の男性(……彼氏さん?)が居なくなった、という話だ。
しかも、失踪ではなく消失に近いソレは、言ってしまえば「普通ではない」事象だった。
普通であれば、発言者の妄言・妄想や、精神的な病を疑うほどのものだろうと思う。
でも、「普通ではない」ものこそが、私達の領域。
話を聞くに、この話は私達の領域の話か、もしくはそれに近いものであると思う。
けれど、私が悩んでいるのは、そのことではなかった。
時期が、あまりにも符合している──そのことを、どう考えるべきだろう。
629 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/09/24(土) 04:03:32.16 ID:Anpj8V/0o
今、神代の家はかなり慌ただしい。
ようやく落ち着いてきたとはいえ、昨日まで初美ちゃん達までも駆り出して、色々と情報をやり取りしていたのだ。
全国津々浦々、大事小事を様々に、有識者無識者別け隔てなく。
繋がりを最大限に駆使して、異変の有無を確認していた。
その原因は、小蒔ちゃん──神代の姫様の違和感。
630 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/09/24(土) 04:08:00.86 ID:Anpj8V/0o
小蒔ちゃんは、憑依型の巫女だ。
その能力は何処までも強く、高天原の神々をその身に宿しても些細な悪影響すらない。
しかし憑依型は、一体化することで神の力を限りなく純粋に引き出すことを可能とする代わりに、一体化する故に身に宿す神との対話の機会を持たない。
小蒔ちゃんが神の「所作」を知ろうとすれば、他の神職者と同じように儀式を執り行うか、そうした能力を持つ者に助けてもらわなければならないでしょう。
その小蒔ちゃんが。
その日、朝起きて、ぼんやりとしながらこう漏らした。
「……皆さん、何をそんなに慌てているのでしょう」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
起こしに来た、 私しか居ない寝室で。
631 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/09/24(土) 04:12:29.77 ID:Anpj8V/0o
その後、どうなったかは言うまでもない。
相談役の様な立ち位置に居る祖母が飛んできたように現れて、姫様の言葉を聞くに、
「私の体を借りようとして、それに意味が無いと気づき離れていった。そんな感じがしました」
「その時に感じたのは、喪失と填補。──まるで、弔いのような」
そう、言った。
喪失と填補。
失い、それを埋め合わせる。
そのあまり穏やかではない単語と、小蒔ちゃんの体を使っても意味が無いという状況に、霧島の専門家たちはそれぞれの分野ですぐさま行動した。
神降ろし、神託、占い。様々なものを試みたが、どれも異常はないとの結果だった。
でも、安心はできない。
それらは全て、神に答えを問うものだから。
632 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/09/24(土) 04:15:08.38 ID:Anpj8V/0o
人と神は、存在の次元が異なる。
その為、神々の問題であっても人の問題ではないこと、人にとっては問題であっても神々にとっては問題ではないことがあったりする。
神と神の間ですら、隔絶が多々あるのだから、当然といえば当然かもしれない。
また、人にとっての要不要を神々が確実に把握しているとは言い難く、神々が人とは無関係と告げずにいた物事が後に大事となることも過去にあった。
だから、祖母は即座に情報を広めた。
今度は人に、答えを問うために。
霧島──神代は、全国に太い情報網を持つ。
政にも深く関わりがあるから、直接的に繋がりがなくとも様々な分野・場所へとその手は届く。
つまり、広がる先は、全国のほぼ全てと言っていい。
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