「『須賀京太郎』とは、あなたのそうぞう上の存在に過ぎないのではないでしょうか」

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432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:21:56.74 ID:YhGp0wyAO
乙です

いないかもと思うといない
いると思えばいる?
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/25(金) 20:53:42.66 ID:y614Y/wSO
乙乙
素直に見守ろう…
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/03/25(金) 22:13:39.08 ID:rb9fu6XN0

シュレディンガーの京太郎
清澄の環境的に消えたままでいたくなったから姿を消した
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 21:41:45.45 ID:LcjYBZIP0
待ってます
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/17(日) 04:08:46.02 ID:qwqlcN4eo
今日の夜辺りにちょい更新か来週土か日にまとめて更新する所存〜
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/17(日) 04:46:33.17 ID:2dydZFGwO
やったぜ。
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/17(日) 11:15:43.16 ID:Z+NTjOg8o
よっしゃ
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 17:35:00.93 ID:UgdK5KBUO
待つ
440 :まとめてと言うほど進められなかったけどとりあえず。アホほど眠いので短いにも関わらず寝落ちしたらスマヌ [saga]:2016/04/23(土) 20:28:33.43 ID:iAKyAZZHo



「あ、えっと」


混乱する。

視界がおかしくなっているような感覚。

でも、文字はそうとしか読めない。そうだとしか思えない。



   須賀京太郎



そこには、確かにそう書いてある。

441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:29:33.09 ID:iAKyAZZHo

「あれ……?」


探していた、探している名前だった。

けれど、あるのは喜びではなく。



「え、なんで?」



疑問。

442 :ID加速中 ◆QdSnJBTTyA :2016/04/23(土) 20:30:15.80 ID:1u4F3rNs0
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆警告☆閉鎖★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
★                                                                        ☆
☆                    このスレは2chから閉鎖処置を受けました                          ★
★                                                                        ☆
☆              今後 書き込みを行ったものは アクセス禁止 の対象になります。                 ★
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443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:31:07.94 ID:iAKyAZZHo


そこには、なんの問題もなく京ちゃんの名前がある。

名前どころか、京ちゃんの書いた詩までしっかりと。



にもかかわらず、何故私はこれほど驚いているのだろう。

そこに書かれているのが当たり前の文字に。

須賀京太郎という普遍的な存在に。

私は、これほど迄驚いている。



「さっきは、無かった……?」





無かった?


京ちゃんの名前が?


本当に?


444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:32:22.96 ID:iAKyAZZHo


口がだんだん言葉を失うのがわかる。



そうだ、何を言っているのだろう。

さっきは、無かったはずなのに、だなんて。

それではまるで、京ちゃんのことを探して──






──そう、私は、探していたのだ。




「──ぁあっ!」

押さえつけられていたものが弾けるかのように、声が飛び出す。

445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:34:33.90 ID:iAKyAZZHo


「んえ?!」


優希ちゃんがびくりと起き上がる。


「ど、どうしたんですか、咲さん」


和ちゃんが驚いた顔でこっちを見た。

和ちゃんだけでなく、部長も、染谷先輩も。


「あ、じゃなくて、えっと」



言葉が出ない。

こういう時には何と言えば良いのだろう。

とにかく、伝えることを。

伝えなければいけないことを。




「きょう、」





「京ちゃんの、名前が、あった」


446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:35:43.15 ID:iAKyAZZHo


「え!?」


部長たちの喫驚した声が重なる。


「ほ、本当ですか、咲さん」


皆が、足元を埋める紙の群生にもどかしそうにしながら、駆け寄ってくる。

優希ちゃんだけは、事態を飲み込めずきょとんとしている。


「これの、ここに」


私の示す詩集に、部長が片眉を上げる。


「あれ、コレなら私も確認したんだけど」

「見落としとったんじゃろ。とにかく、今は認識が先じゃ」


染谷先輩の言葉に、皆が顔を寄せ詩集へと視線を落とす。

ページの、右上。

指さされた箇所を見て、皆は──

447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:36:53.52 ID:iAKyAZZHo




「──何も、ありませんね」


和ちゃんが、ポツリと言う。



「えっ」



和ちゃんの言葉に、自分の指先を見る。

そこには、先程から変わらず京ちゃんの名前がある。



「無いわね」

「……無いのう」


しかし、部長と染谷先輩まで、和ちゃんと同じことを言う。

448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:38:15.32 ID:iAKyAZZHo


「これ……ここ、だよ?」


指先を、紙面に押し付ける。

しかし、和ちゃんたちは目を凝らすばかりで、そこには何も見えない様だった。


「どういうこと……なのかしら」


部長が、困惑したように呟く。


「どうかしたのか?」


優希ちゃんがとてとてと近寄ってくる。


「優希ちゃん……ここに、京ちゃんの名前が……」

「んー?」


私の指先を覗いて、


「なーんもないじぇ?」


やはり、言う。


「だって……ここに……」

449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:39:30.31 ID:iAKyAZZHo


言葉が、尻窄みになる。

憮然として、靄がかった思考だけがノロノロと回る。

指先が、須賀京太郎をなぞる。


「そんなこと言っても、やっぱり……あ、ホントだ」

「え?」

450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:40:16.97 ID:iAKyAZZHo




「確かに、京太郎の名前があるじぇ」




451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:41:39.30 ID:iAKyAZZHo



今、優希ちゃんはなんて言った?



「え、本当にか?」

「優希、本当ですか?」

「いや、だってここに書いてあるじぇ」


優希ちゃんの言葉に、皆が再び顔を寄せる。

私は、思考がついていけず座り込んだままだ。




「まあ、そうよね」




皆と顔を寄せたまま、部長がそう言う。


やはり、部長たちには見えな──

452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/23(土) 20:43:17.95 ID:iAKyAZZHo



「咲達の学年の詩集なんだから」



453 :本日終わり。 [saga]:2016/04/23(土) 20:43:43.89 ID:iAKyAZZHo









「須賀くんの名前があるのは当たり前よね」





454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 20:45:54.68 ID:Td9Ydmp+o
部員たちの記憶も元に戻ってる…?
咲ちゃんだけリーディングシュタイナー持ちかなにかかな?
乙でした
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 21:01:55.71 ID:fJ/VHpy4o
乙です
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 21:23:24.68 ID:BG5EIZG1o
乙です
続きに期待
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 21:52:38.59 ID:v8btuqC80
乙です
続きが気になって仕方ない
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 22:54:07.48 ID:3AkKiDQNO
ぞゎぞゎするわ
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 22:54:50.78 ID:A7bH3BlzO
寝落ちったか
乙です
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 00:39:12.27 ID:hRwyw0zdo
寝落ちも何も名前欄見なよ
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 18:08:39.48 ID:S9cp+IXAO
乙です

途中から気付くのは咲と一緒だけど、認識した途端記憶が改竄された?
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 11:12:54.39 ID:FS5nWOdDO
探してて、見つからない、指示されても見えなかった、という過去が失われたか
咲は疑問を持って記憶統合できたけど
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/12(木) 07:26:03.36 ID:+mlsU2QlO
まつ
464 :生存戦略ー [sage]:2016/05/21(土) 02:02:43.69 ID:4UF78s/8o
会社の飲み会が無ければ26、あったら27辺りに更新予定

しかしすっかりギリギリ月1更新に……
モチベーション上げの為に、なんか面白い咲SSあったら教えてくだされ
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/21(土) 02:21:03.54 ID:oNs0+AIJo
最近だとみやながけとかオススメ
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/29(日) 11:12:19.54 ID:HMHt7HFEo
待ってます
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/05/30(月) 21:18:15.97 ID:OkTMCbVD0
月一更新にはまだ間に合う! イソグンダー
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/05/31(火) 23:56:10.31 ID:pzqbIs1ao
よし、今日は27日だな!
・・・色々ギリギリデスね。

朝早いんで中途半端になるかもしれぬ
後日まとめて見たほうが良いかもしれぬ
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/05/31(火) 23:57:17.94 ID:pzqbIs1ao


今、部長が、信じられないことを言った気がした。


「そりゃあ居るじゃろ、京太郎の中学じゃし」

「だじぇ」

「そうですよね、普通のことです」


今、皆が、信じられないことを言った気がした。

まるで、京ちゃんの事を思い出した──いや、忘れたことなどなかったのような。



──この数日など無かったかのような言葉。
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/05/31(火) 23:59:46.64 ID:pzqbIs1ao

和ちゃんが、私を見る。


「それで、須賀くんがどうかしたんですか?」





これは。


──これは、信じて良いのだろうか?





どこか、異様だ。

いや、私の知る限りでは、ここ数日ずっと異様ではあるのだけど。

けれどもこれは、今までと何かが違う。



私の、望んでいた言葉だったはずなのに。





──何故か、背筋が、凍る。

471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:01:35.81 ID:hFArNs2bo




                                 



472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:02:46.12 ID:hFArNs2bo




「──京ちゃんを、思い出したの?」


私は、言う。


「思い出した?」

「何を言ってるの、咲」



「まるで須賀くんが忘れられてるみたいに」



部長の言葉が、頭の中を掻き回す。

部長の反応は、正常であるはずなのだ。

昨日までそこにいた人ひとりが、忘れられるなんて無い。





でもその正常は、数日前に失われている。


473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:04:28.05 ID:hFArNs2bo

反射的に、言いかける。


「だって、さっきまで……」



言いかけて、それよりも聞かなければいけない亊に気づく。

部長たちが、もし本当に思い出したのなら。



「じゃあ、京ちゃんが居なくなったことは……?」



部長は、なんとも無しに言う。

「ああ、そうね。須賀くんは居ないわね」

それは、あまりにも軽い言い方で、思わず語気が強くなる。
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:06:12.23 ID:hFArNs2bo


「そんな、まるで出掛けてるみたいに」

「出掛けてるってどーいうことだ、咲ちゃん」


優希ちゃんが、怪訝そうに言う。




「きょーたろーなんて、最初からいなかったじぇ?」









「……?」

475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:08:41.66 ID:hFArNs2bo


優希ちゃんの言葉が、理解できない。

いや、なんと言ったのかは分かる。



京ちゃんは、最初からいなかった。



……ええと、どういうことなのだろう。

先ほど優希ちゃんは、京ちゃんがいるのは普通のことだと言ったばかりだ。

でも、今は、最初からいなかったのだと言う。

何か、意味があるのだろうか?

隠喩? 文字通りではない意味が、隠されている?

476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:09:45.43 ID:hFArNs2bo


混乱する私を置いて、和ちゃんも続ける。


「そうですよ、麻雀部には、須賀くんなんて人は居ませんよ?」


477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:13:21.79 ID:hFArNs2bo





「また……忘れたの? 京ちゃんを、知らないの?」


ええと。

また、振り出しに戻った?


「いやいや、京太郎が入部してくれたお陰で咲が来てくれたんじゃから、冗談でも知らんとか言えんわ」

「そうですね。色々と、部活では支えてくれていますし」



???

ええと、つまり?

478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:17:49.15 ID:hFArNs2bo


「咲、どうしたのよ。私たちが須賀くんを知らない事がそんなに変?」

「咲さんは、須賀くんと中学から一緒だったのだから気になるのも仕方ありませんよ」

「須賀くんって、咲の知り合いなの? 中学の時からの付き合いだってことは知ってるけど」

「そういえば、咲ちゃんと京太郎のなれ初めとか聞いたことないじぇ。普通なら接点無さそうな二人はどーやって仲良くなったんだ?」

「確かに不思議じゃのう」

「中学校からなのに仲良いわよねえ。やっぱり須賀くんから声をかけたのかしら」

「京太郎って、どういう奴なんじゃ?」

「須賀くんって、誰?」

「先輩の知り合いかー?」

「そういえば、須賀くんは?」

「きょーたろーなら多分その辺に居るじぇ」

「そーじゃな」

「そういえば、須賀くんの話題なのに咲が黙ったままだけど」

「……大丈夫ですか? 咲さん、具合でも悪いんですか?」
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:21:52.19 ID:hFArNs2bo



確かに、具合は悪かった。



「……ううん、大丈夫。……ねえ、和ちゃん」



「和ちゃんは、皆は、京ちゃんの事を──知っているの?知らないの?」


和ちゃんは、不思議そうな顔で、きょとんとして、首をかしげる。






「ええ、須賀くんの事なら知っていますけど──須賀くんって、どなたでしょうか?」

480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 00:26:31.59 ID:4jBSCMufO
正しい記憶と見えないチカラがごちゃごちゃになってる感じか
怖い
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:27:18.82 ID:hFArNs2bo



──なに、これ。



事象がもはや、悲しいとか、嬉しいとか、苦しいとかを超越していた。

言い表す言葉が見つからない。

矛盾? とんち?

理解できない、に気分の悪さを足したかのような。

そう、言うなれば、自分で作った造語が答えのなぞなぞを聞かされているような感じ。

482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 00:46:41.65 ID:Orp2oSvCO
こわっ
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:49:04.04 ID:hFArNs2bo



知っている。

知らない。




京ちゃんは居る。

居ない。




ふと、同じ感覚を思い出す。

それは、つい先ほどの──

484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:52:15.01 ID:hFArNs2bo



バサリ。



485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 00:56:20.74 ID:hFArNs2bo


よろけて手をついた先で、紙の山が崩れる。

ざさっと、広がる紙の中から、数枚の小さめの紙が滑り出た。

それは写真で、少年たち──今の私とそれほど変わらないが──がユニフォームを着て、並んでいる姿。



一目で分かる。

ハンドボール部のメンバーの写真。

そして、その中には、チームメイトと肩を組んで笑う少年の姿。




──京ちゃんの姿。

486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/01(水) 01:21:02.98 ID:hFArNs2bo
ここから進めるとちょっと切りづらいので今回はここまで
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 05:48:53.85 ID:3h2hI26co
乙!
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 06:32:46.46 ID:9DPwFasrO
おつ
得体の知れない気味の悪さにゾッとした…
続き待ってる
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 06:40:43.64 ID:eHTHaxp+o
こわい
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 10:43:02.56 ID:xZGoEixxO
乙です
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 11:36:16.91 ID:ZIq/SqRAO
ハイライトが付いたり消えたりしてそう
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 12:35:15.27 ID:JinF0QDPo
何らかのスタンド攻撃を受けているぞッ!
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 12:56:50.53 ID:nerSq6KAO
乙です

知ってるけど知らない
知らないけど知ってる
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 22:28:06.56 ID:ibMrD0J60
誰かお客様の中にスタープラチナをお持ちの方はいらっしゃいませんかーーーッ!
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 23:15:58.63 ID:9bUAt9M5o
持ってるけどスタープラチナって何だっけ?
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 23:19:55.42 ID:q3QVmNJLo
ttp://media.g-cores.com/uploads/image/32dff5a4-766f-4b4b-9344-15fb454c3496_watermark.jpg
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/02(木) 00:00:34.91 ID:zSezFc990
照さん!
無敵のスタープラチナでなんとかしてくださいよォーーーーーッ!!
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/02(木) 00:10:53.19 ID:PDyZB6oGo
こーわーいー
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/02(木) 00:33:47.81 ID:9635dccko
「月島さんのおかげ」みたいな不気味さ
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/04(土) 16:30:21.50 ID:Hm53Nvqt0
>>1は本当にいいところで切りやがる
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/13(月) 23:53:14.04 ID:3xzSlnVpo
おいおいマジかよ追いついちまったよ…
続きが気になる
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/19(日) 21:13:09.42 ID:b1RtG9Bfo
今日いけるかなと思ったけどあんま纏まんなかったー
来週寝落ち含みで金〜土で投稿する所存ー

ちなみに次回投下後、ラストまで書き溜めてから投下予定なのでしばらく落ち防止の生存報告のみになるやも?
その場合補完的なショート欲しいって人居ますかね、多分即興で1、2レス程度
誰のショートかにもよりますが、有る無しでかなり印象異なったりするんでその辺は希望に任せます
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/20(月) 04:10:31.99 ID:htPQUR8WO
負担にならんのなら読みたいかなー
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 23:49:07.30 ID:8rLX7e030
>>1が無理にならない範囲でなら、補完話読めるのは嬉しい
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 15:16:02.03 ID:e5Irjmzfo
驚きだわ、24時間近く寝た
夜にゆったり投下する所存〜
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/25(土) 15:18:27.19 ID:erZjGlXko
ずいぶんまともな作品だな……百合厨が
京太郎をコケにするSSかと思った(@_@)
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/25(土) 15:20:48.06 ID:3ATd/Yfco
夜投下把握
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/25(土) 16:19:25.37 ID:HRKb8pq00
マーツ!
なんかに似てるなーと思ったら岸辺露伴は動かないの雰囲気に似てるのか...
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/25(土) 17:51:26.58 ID:wWe/s8++o
投下期待
>>505
12時間じゃなくて24時間とかどんだけ疲れてんだよww
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 21:36:09.88 ID:e5Irjmzfo



久しぶりに、京ちゃんの姿を見た気がする。


最後に見たのは、インターハイから帰ってきた日なのだから、まだ5日と経っていないのだけど。


そこに写る男の子は、その最後の姿よりも少し幼く見える。


511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 21:41:18.87 ID:e5Irjmzfo

大きく滑ったそれらのひとつを、部長が拾い上げた。


「あら、写真ね。どうし──」


部長は、写真に写るものに目を落として、言葉を切る。



「──ああ、そういえば、ハンドボールをやってたって聞いたから、ハンドボール部の情報も集めてたんだった」



ん?と、部長は首をかしげる。

その横で、染谷先輩が他の写真を拾い上げる。


「……やっぱり、知っとるよりは若いのう。やっぱり……」


その言葉は、どこか歯切れが悪い。

私の横で、散らばった紙を拾い上げていた和ちゃんと優希ちゃんも、難しい顔をしている。
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 21:47:07.80 ID:e5Irjmzfo


「──そう、よね。私たちは探してたのよね」

「これは、進展があった……と考えて良いんでしょうか」

「良いと思うじぇ」

「そうじゃのう、京太郎の名前があったということは、十分な進展じゃろ」



「咲、お手柄ね」



その言葉に、部長を見る。

そこには、なんというか、先ほどあった違和感はない。

513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 21:55:43.62 ID:e5Irjmzfo


「……思い、出したんですか?」


今度こそ、本当に?

それとも、また?



部長は、私の言葉に少し考える。


「思い出した……そうね、思い出したんでしょうね」

「なんだか、変な感じだじぇ」


優希ちゃんは、言いながらぐらぐらと頭を回す。


「確かに、変な感じですね。覚えていると覚えていないの境目、とでも言うのでしょうか」

「なんじゃろーな、とりあえず、今は京太郎のことが分かるのは確かじゃ」


和ちゃんと染谷先輩も、違和感を確かめるようにこめかみに手を当てている。
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 22:00:14.00 ID:e5Irjmzfo


そこには、いつも通りの姿があるように思えた。
             ・ ・ ・ ・
あの、ブキミな 食い違い も無いように思える。

でも、やはり、警戒が解けない。


「京ちゃんを……京ちゃんを、教えてください」


私の口から零れたのは、そんな言葉。

515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 22:14:43.88 ID:e5Irjmzfo

それを聞いた部長は、苦笑する。


「須賀くんを、教える……そう言われると、難しい感じがあるわね」

「前に聞かれとった『分からないこと』に沿うんなら、咲を麻雀部に連れてきて、一年生麻雀で見事なラスを引き、タコス作りが上手くうちの模様替えに尽力してくれ……他になにがあったかのう?」

「紅茶を淹れるのが上手、とかありませんでしたっけ。そういえば、タコス以外にも料理を作ったりしていましたね」

「龍門渕の執事さんと仲良くなったのよね。夏休み入ってかららしいけど、紅茶とかその辺はホント向上したわよねぇ」

「タコスについては免許皆伝と言って良いじぇ」

「タコスに免許ってあるんでしょうか……」




それらの言葉が、京ちゃんの事を教えてくれているのかは、正直のところ分からなかった。

そもそも、自分が何を求めてそんな発言をしたのかも、分からないことなのだけど。

でも、それらの言葉は、私の知っている皆から発されているように思えた。

516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 22:21:11.38 ID:e5Irjmzfo


「じゃあ、本当に……」


「咲には、悪いことをしたわね。忘れられてた須賀くんにもだけど」

「なんで忘れてたんじゃろーな」

「でも、これからどうするんですか?」

「犬のことを思い出したのはいーけど、どうしたら良いかはさっぱりだじぇ」



ほう、と大きく息を吐く。

皆、思い出したんだ。

今度こそ、本当に。

安心した。




……うん、安心した。
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 22:27:33.43 ID:e5Irjmzfo


でも、なんだろうか。

変な言い方だけど、なんだか喜びきれていない気がする。


嬉しい、私は今確かに喜んでいる。


京ちゃんは居るんだ。


皆が思い出したのは、そういうことだろう。


なのに、なんだか大きな喜びが出口のところで引っ掛かっているような感じなのだ。

518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 22:39:56.75 ID:e5Irjmzfo

理由は何となく分かる。

皆の反応が、なんというか、普通なんだ。

忘れていた仲間を思い出した。

それは、劇的なことだと思うのに。

劇的な方が良いというわけではないのだけど、なんというのだろうか。

反応が乏しくて、私もなんだかそれに引っ張られて、反応が鈍くなっている。


「……でも、少し怖かったですよ」


変な落ち着きのまま、私は言う。


「どうしてですか?」

「だって、さっきは、居ないって言ったり、居るって言ったり……」

「?」


和ちゃんたちはキョトンとしている。
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 22:54:14.51 ID:e5Irjmzfo


「え……ほら、京ちゃんは知ってるけど誰だっけ、とか」

「そういえば、そうですね」

「……変だと、思わないの?」

「そう言われると、確かに不自然じゃな」





──そう言われると





ぞっとした。


.・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
そう言われなければ、変ではないということに。

520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/25(土) 22:57:08.63 ID:UeTkXPSFo
痴呆老人と会話してる気分になるな
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 23:05:42.32 ID:e5Irjmzfo


「どういうことだじぇ?」

「わしらは、今は京太郎のことがわかっとる。じゃがさっきは、その分かる前に『分かっている』と言っとったじゃろ?」

「あー、確かに言われてみれば」

「……確かに、なんだか変ですね」


引っ掛かることを、染谷先輩が言った気がした。


「え……あのときはまだ、分かっていなかったんですか?」
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 23:19:51.36 ID:e5Irjmzfo


「ああ、京太郎の事は分かっておらんかった。……そうじゃな、確かに、分かっておらんかった……」

「……それって、どういう──」

「あ、これ」


私の呼び掛けは、部長の声に中断される。

部長が、なにやら一枚の紙を持ち上げていた。

それは、私が4日前に見た、あの紙。


「中学の方にしか須賀くんの名前がないのなら、なにか理由があるのかなと思って気になったんだけど」



──『麻雀部員一覧』。


それを、私へと差し出す。


「高校の方を見てみたら、ほら」

523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 23:38:26.90 ID:e5Irjmzfo





   3年
   ・竹井久
   2年
   ・染谷まこ
   1年
   ・須賀京太郎
   ・原村和
   ・片岡優希
   ・宮永咲




524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 23:39:33.14 ID:e5Irjmzfo



 ── 『1年

       ・須賀京太郎』


525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 23:40:33.40 ID:e5Irjmzfo


「もちろん、前と同じ物よ。今回は台帳ごと持ってきたって違いはあるけど」


あの時欲した名前は、なんの変哲もなく、そこにある。



「……どういうことだと思う?」





私は、何も言うことが出来ない。


526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 23:48:36.98 ID:e5Irjmzfo




その後、京ちゃんは至るところに見つかった。


部長と優希ちゃんは、高校の資料から。


染谷先輩と和ちゃん、私は、中学校の資料から。


京ちゃんの名前を、姿を。



527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/25(土) 23:54:41.33 ID:e5Irjmzfo


部長たちは、すっかり私が知っている部長たちだった。


名前がある度に京ちゃんらしいと言い、姿があれば知っている姿と比べて若いと言う。


部長が苦笑していた。



──変な話ね。知るために、とか言ってたくせに、こんなにも知っているなんて。



皆、覚えていなかったことも覚えている。

528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/26(日) 00:02:02.02 ID:6tQxwIWDo

         ・ ・ ・ ・
ただ、あのおかしな状態のことだけは、靄がかったように曖昧な状態だった。


聞けば、それについて答えてはくれる。


だけど放っておけば、それらが当たり前のことだったとでも言うように放っておかれたままだった。

529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/26(日) 00:05:24.09 ID:6tQxwIWDo


そして、忘れてしまったことについても、原因は相変わらず分かっていない。


どうして忘れてしまったのか。


いつ忘れてしまったのか。


4人が4人とも、それを覚えていなかった。

530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/26(日) 00:11:40.96 ID:6tQxwIWDo


疑問は疑問のまま、更にいくつかの疑問を産み出して、今日は解散となった。


京ちゃんの名前があったことは、現状認識の上で大きな進展だと、皆で話す。


そうした会話もやはり静かで、落ち着いていて、全員が妙なもどかしさを感じていたようだった。





とはいえ、当初の目的は達成できたのだ。


私も、これで京ちゃんは居るのだと確信できた。


だけど。






京ちゃんが何処に居るのかは、分からないままだ。
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/26(日) 00:21:01.33 ID:6tQxwIWDo





「ただいま」


その声は我ながらすごく冷静で、思わず苦笑する。

感情が未だに、妙な落ち着きに引きずられていた。


「おー、おかえり」


お父さんが、リビングの方からひょいと顔を出す。


「早かったな」

「んー、まあ」


曖昧に応えて、靴を脱ぎかける。

そんな私に、顔を引っ込めながらお父さんが言う。


「そーいや、なんか須賀さんがさっき来てたぞ。咲ちゃんいますかーって」

「え……なんだろ」

「さぁ。まあ、どーせ暇だろ。後で顔出してきな」

「いいよ、どうせだし、今行ってくる」


脱ぎかけた靴を再び履く。
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