「『須賀京太郎』とは、あなたのそうぞう上の存在に過ぎないのではないでしょうか」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/27(火) 18:52:53.32 ID:OGbMq6Pqo



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「咲」

「ん、どうしたの京ちゃん」

「良かったな、お姉さんと仲直り出来て」

「……うん」


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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445939573
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/27(火) 18:54:31.65 ID:fD5WLvBTo
スレタイからして哀しい気配が…
3 :タイトルミスったー [saga]:2015/10/27(火) 18:55:35.35 ID:OGbMq6Pqo


※【咲-saki-】SSです。

※恋愛要素は無い。多分無いと思う。無いんじゃないかな。

※京太郎は出る。多分出ると思う。出るんじゃないかな。


※初長期投下なので色々ブレる可能性あり。地の文はあったり無かったりするかも。

※大雑把なプロットと冒頭だけ有り、次回投下で終わったり1月超えたりするかもしれないくらい色々未定。


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/27(火) 18:56:44.62 ID:OGbMq6Pqo




「ぅ……ん……?」


目を覚ましたら、あまりにも見慣れた天井がそこにあった。

寝ぼけた頭に妙な違和感を覚えながら身を起こす。

お腹のあたりにタオル生地の薄手の掛け布団がずり落ちるのを感じながら、あたりを見回す。


大きめの本棚、鏡と、洋服などが仕舞われている箪笥。

勉強机と、クレーンゲームの景品だったカピパラのぬいぐるみ。

いつもどおりの、自分の部屋だ。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/27(火) 18:57:15.20 ID:LYiJs/eIo
なんか期待
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/27(火) 18:58:11.64 ID:OGbMq6Pqo

そこまでぼんやりと考えたところで、目の端に写っているものに焦点を合わせ、一瞬で目が覚める。

そうか、違和感があったのは、いつも見ているはずの天井を久しぶりに見たからだ。

目の前にあるのは、インターハイの紋章が大きく飾られている、夏の前には無かったモノ。






『清澄高校一年生 宮永咲』






楯に刻まれた名前に、じんわりとした実感と、暦の上では短く、しかし何年間も続いていたような数週間を思い出す。

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/27(火) 18:59:57.86 ID:OGbMq6Pqo



幾つもの顔、表情、笑顔、涙、声。


熱気、賽子の転がる音、点棒の音、牌の音。


熱と昂ぶりに満ちた景色と、そのあとの大騒ぎ。


それが、昨日まで居た風景。




そう、私は昨日、東京から──インターハイから帰ってきたのだ。

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/27(火) 19:00:49.77 ID:OGbMq6Pqo

さっと身支度をして、朝食をと思いリビングへ。

お父さんはもう出かけたみたいだ。机の上に置き手紙と可愛らしい紙袋。



『おめでとう』



簡単な、走り書きのそっけない文字。

それでも、すごく嬉しかった。紙袋の中身は私の好きなお店のシフォンケーキ、生クリーム付き。

ありがたく、朝食代わりに。幸せな甘さに頬が緩むのを感じる。カロリーからは目をそらす。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/27(火) 19:02:19.26 ID:OGbMq6Pqo

お腹が満ちたら学校へ。

帰ってきて早々だが、取材が入っているとか何とか。


「まあ、勝ち進んだ者の義務みたいなものだと思って我慢して頂戴」


とは部長の言。



「おはよーだじぇ!」

「おはようございます」


待ち合わせをしていたわけでもないのに、登校途中で麻雀部の仲間と合流する。

まあ、普段から同じような時間に登校しているのだから特別なことでもないのだけど。


「おはよう。優希ちゃん、和ちゃん」

「ふっふっふ、ついにこの時が来たな咲ちゃん」


優希ちゃんは不敵な笑みを浮かべながら手をわきわきと動かす。

彼女は取材の話を聞いてからというもの、ずっとこの調子だ。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/27(火) 19:02:47.26 ID:Gk0j/SJE0
ふむ
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/27(火) 19:03:12.68 ID:OGbMq6Pqo


「疲れは取れましたか?」


ふわりと髪を揺らしながら和ちゃんが言う。

優希ちゃんと違って、和ちゃんはいつもどおりだ。

インターミドルの個人戦チャンプにもなった経験などで、取材には慣れているのかもしれない。


「うん。ホテルも良かったけど、やっぱり家は落ち着くね」

「そうですね、私も気がついたらウトウトとしていました」

「ほらほら、早く行こうじぇ。私の時代が待っているのだ!」


優希ちゃんが駆け出す。


「ああもう、転ばないで下さいね、優希」


そう言いつつも心持ち足を早めた和ちゃんに、本当に仲がいいなあと思わずくすりと笑い、私も二人を追いかける。


「ほらほら、咲ちゃん早く早く!」

「もう、優希。急かさないでください」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/27(火) 19:04:01.93 ID:OGbMq6Pqo

麻雀部の部室は、清澄高校本校舎から少し外れにある旧校舎の屋根裏が使われている。

運動部の熱心な練習の掛け声も、ここまでくると少し遠い。

階段を登り着いた部室には、すでに部長と染谷先輩が待っていた。


「おはようございます」

「おー、おはようさん」

「おはよう! どう、久しぶりの我が家はよく眠れたでしょう」


頼れる二人の先輩は、どうやら今日もごくごくいつも通りらしい。

染谷先輩は少しイタズラっぽい笑みを浮かべながらしっかりと。

部長は内から湧き出て止まらないとばかりに、自信に満ち溢れたような挨拶を返してくる。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/27(火) 19:04:59.42 ID:OGbMq6Pqo


「しっかしあれじゃな、帰ってきて早々登校とは休む暇も無いのう」


自分の不満、と言うよりは私達後輩をねぎらうような様子で染谷先輩が言う。


「何言ってるんだじぇ先輩、私達の若さの前には休みなんかよりもやるべきことがいっぱいあるのだ!」


インタビューとかインタビューとか!と何に向かってか拳を突き上げる優希ちゃん。

取材に対して熱い思い入れがあるようだ。

単に目立つことが好きなだけかもしれないけど。

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