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魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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◆IiD8t.HTzVRy
[sage]:2015/09/18(金) 13:48:29.12 ID:oC/slA/z0
+++++++
本殿・最奥の間――
カタ。
木組みの格子窓が音を立てる。
ひたり、ギシ と 冷たい床を踏みしめる足音。
がらんどうとした広い奥座の前で、それは止まった。
部屋を分け隔てるのは、大きく鮮やかな赤い御簾――
宵闇の中でほんのりと薄紫がかったそれは、元が布なのか植物なのかもわからない。
かすかに室内に入り込む冷気にさえ、柔らかく揺れていた。
「……っ」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1442551708
2 :
しょっぱなから酉間違えた
◆Z1sKHpgSzY
[sage]:2015/09/18(金) 13:49:30.91 ID:oC/slA/z0
御簾を挟んだ向こうで、息を呑む気配がする。
黒い人影はそれを感じ取りながら、またヒタリ、と歩を進める。
御簾の端にある 狐の尾のような房を引くと、ゆっくりと御簾が上がっていった。
伴って、格子から差し込む月灯りも 御簾の奥へと侵入していく。
静かに、隠されていたものが姿を現す。
魔王「…何を怯えている、天使? まだ俺を見慣れぬか?」
天使「……っ 魔王…!」
漆黒の角を生やし、見下ろして微笑む魔王。
純白の羽を震わせ、怯えて見上げる天使。
部屋の中で対峙したのは、両極の存在だった。
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