利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」 二隻目

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746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/03(月) 07:22:33.94 ID:y7+mKHSJO
>>745
荒らしにはそんなの関係ないしその先が荒らされたら気分害する人もいるってことだろ
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/03(月) 08:34:59.48 ID:3g3KBKQco
完結乙!
過去作同様とても素晴らしい作品でした
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/03(月) 08:51:07.46 ID:Fw1krKyVo
乙です
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/03(月) 09:58:54.96 ID:mexN9+j5o
漸く完結か乙
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/03(月) 10:41:34.15 ID:apncpL6A0
本当にお疲れさまでした!
棚ぼた含めて大淀ェ…
それとあんだけボロボロだった面々で、ここまで巻き返せるだけ凄いのか優しさからかw

リクエストはメインのメンバー以外の鎮守府組が、今後どんな風なアピールに出てるかとかどうでしょう?
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/04(火) 02:49:00.58 ID://LJJql60
乙でした!
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/04(火) 09:01:43.00 ID:DQDFD1WWO
お疲れ様
二年三ヶ月リアルタイムで追えて良かったわ
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/04(火) 13:08:48.77 ID:9GA5F5/Xo
おつおつ!
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/14(金) 01:43:35.19 ID:6zQG3Lrc0
乙!ほんとにこのシリーズ大好きだよ!
755 :妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A [saga]:2017/04/19(水) 01:44:39.54 ID:Pat0QSv5o
ちょっとしたオマケ。
>>750を見て川内さんが思い浮かんだので殴り書いたものを投下します。超短いです。
756 :妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A [saga]:2017/04/19(水) 01:45:21.28 ID:Pat0QSv5o
「ね、提督」

 ベッドに腰掛けた私の膝の上で機嫌良さそうにしている、良い香りの髪を下ろした川内が私を呼ぶ。
 最近、彼女は寝る前に必ずと言って良いほどヒッソリと私の部屋へ訪れていた。理由は言わずもがな、私を誘惑する為だそうだ。

「どうした?」

 初めこそはベッドの中に潜り込んでいたり露骨にいかがわしい事をしようと誘惑をしていたのだが、数日前からめっきりとそれが無くなった。
 何かがあったのか、それとも心境の変化なのかは分からないが、私は内心ホッとした。正直に言うと、真正面から誘われるのは苦手なのだ。言葉遊びを多用する私にとって、直接的に面と向かって言われると返しようが無くなる。茶化すのも手かもしれないが、それは彼女に対して失礼なのでやりたくない。

「新しく作戦が始まっても、こうやって部屋に来て良い?」

 意外な言葉だったので、少し驚いて手が止まってしまった。
 止まった櫛を、再び彼女のサラリとした髪へ滑らせながら答える。

「構わんぞ。……むしろ、作戦があろうと無かろうと来そうなものだと思っていた」
「アハハ! 流石に提督の邪魔になるかもしれないから確認するってー」

 いつものように、あどけない口調でそう言う川内。
 だが、そこから続いた言葉は、そうでなかった。

「……だって、嫌われたくないしね」

 いつもの彼女が晴れだとすれば、今の川内は雨雲がジワリと空を覆い始めたような灰色の寂しさだ。
 何があったのだろうか──。そう思って訊いてみるも、ちょっとね、と返されてしまった。
 顔が見えていない事もあり、真意は全く分からない。ただ言えるのは、川内は少しナーバスになっているのだろう、という事だけだ。

「……そうか」

 あまり深くは踏み込まず、いつもの口癖を口にする。それと同時に、川内の頭をゆっくりと撫でた。
 何も言わず背中を預けてくる川内。髪が近くなった事で、香りが強く鼻腔を刺激してくる。その香りの強さは彼女との距離を表しているのだが、心は真逆と離れていた。
 理由など簡単だ。私は卑怯者だからである。これだけ好意を示してくる子に対し、答えを保留しているのだから。本来ならば、ハッキリと返答をした方が良いのだろう。
 ズキリ、と胸が痛む。彼女を撫でる手が止まる。今の私の状態で言えば、誰に対してもOKを出すつもりは無い。それはつまり、毎晩健気に私と時間を過ごす彼女へ首を横に振るという事だ。
 ……その時、間違いなく彼女は悲しむだろう。もしかすると、今まで見せた事の無い涙を流すかもしれない。
 それが、私は怖い。
 卑怯だと分かっていても、優柔不断だと思っていても……それでも、私は踏み止まってしまう。
 ヴァルハラから見守ってくれている金剛のような、特別な子が出来るまで私はこのままだろう。

「……ん。提督?」

 撫でる手が止まり、頭に置いているだけとなった事が気になったのか、川内が首を捻って私へ横顔を見せてきた。
 どこか諦めているような、そんな雰囲気の笑顔。それが、酷く儚く見える。この撫でていた手を動かせでもしたら崩れてしまいそうなくらい、彼女の顔は脆そうに映った。

「……………………」
「……そっか」

 儚い笑顔が柔らかく変化する。母性があるというのか、それとも慈愛があるというのか、人を安心させる笑顔だ。

「ゆっくりで良いんだよ? それに今の私は、今のままが良いしね」

 そう言いながら、彼女はベッドに置いた私の手に手を重ねてくる。
 男のそれとは違ったほっそりとしている柔らかな感触。それが、堪らなく胸に痛みを与えてきた。
 ……いつまで、私は囚われているのだろうか。いつになったら心の整理を付けられるのだろうか。

「……そんな顔、しないで欲しいなぁ」

 身体を捻り、向かい合う形となる川内。……傍から見るとビジュアルが非常によろしくないな、これは。

「ちょっとだけ、許してね」

757 :妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A [saga]:2017/04/19(水) 01:45:50.23 ID:Pat0QSv5o
 多少の不安の色を見せる声で、彼女は私に抱き付いてきた。
 あまりに急な事だったので対応も出来ず、されるがままとなってしまう。
 ……分からん。川内が何を考えてこうしたのか、まったく分からない。

「ね、提督。こうやってさ、ギューって抱き締めたら落ち着くよ?」
「落ち着く……?」

 更に予想外の言葉を投げられ、彼女が口にした言葉をそのまま返してしまった。
 ……何がどう落ち着くというのだろうか。いまいち理解できない。

「うん。護ってくれているみたいで、怖い事とか不安な事とか全部考えなくても良くてさ、絶対に危険なんて無くて、それですっごいあったかいんだよ? 落ち着く以外ないじゃん?」

 まるで父親に甘える娘のようだ──。
 真っ先に思いついた言葉がそれだった。だが、それを口にすると不機嫌になりそうなので止めておく。娘じゃなくて女の子として見てーと言いそうだ。

「そうか」

 なので、その言葉で濁して頭を撫でる。すると、気持ち良さそうに声を漏らす少女の姿がそこにあった。
 私はいつも以上に甘えてくる川内の頭を撫で続ける。川内は余程気に入ったらしく、その状態を維持していた。
 ──が、五分もすると変化が訪れる。彼女は段々と体重を私へ預け、私を抱き締めている腕が徐々に下がり、力無く私の腰元へ落ちたのだ。
 どうしたのだろうか、と一瞬だけ思ったが、すぐに事態を理解する。
 何も難しい事などない。眠ってしまっただけのようだ。いつもならば眠たくなると自分の部屋へ戻るのだが……。

「……ほら川内。自分の部屋で寝なさい」
「ん……んん……?」

 背中をポンポンと叩き、夢の中へと旅立ってしまった彼女をこちらへ戻す。未だまどろみの中に居る彼女は、眠たそうな目で私を見詰めてきた。その瞳には何か意志がある訳でもなく、ただただ私を見ているだけだ。

「ここで寝るぅ……」
「……こら、川内」

 また珍しい事に、我侭を言ってきたので軽く叱り、無理にでも自分の部屋へ戻そうとする。風紀上よろしくないからだ。他の子達が真似でもしたら収拾つかなくなってしまう。
 ──いつもなら、そうしただろう。

「……ちゃんと布団の中で寝なさい。風邪をひくぞ」

 だが、今日はそうしなかった。寂しそうな顔をした彼女の顔を見たからか、それとも自分の心が不安定になっているからか、はたまた両方か──。
 ……本当、弱くなってしまったな、私よ。
 川内は、はぁい、と間延びした返事をして、彼女はもそもそと布団の中へと潜り込む。そして、布団から顔を出すとこちらへ両手を伸ばしてきた。
 本当ならばその腕の中に身を収めるのが良いのだろうが、今の私ではそれは出来ない。
 少しだけ考えて、その両手に腕を伸ばしてみる。すると、ゆっくりと私の腕を抱き締めて寝息を立て出した。

「今回だけだぞ……?」

 聞こえていないのを分かった上で忠告する。
 そんな意味の無い言葉を紡ぎながら、私も彼女と同じ布団の中へと入った。

「うん……てぇとく……すきだよ……」

 若干、呂律の回っていない愛の告白。一体、彼女はどのような夢を見ているのだろうか。
 空いているもう片方の手で彼女の頭を二撫でほどして、私も目を閉じた。

(──出来る事ならば、誰も悲しまない未来を描きたいものだ)

 そんな叶わない願いを心で呟き、意識を手放す為に頭の中を空っぽにする。
 ああ……本当に、そうなれば良いのにな……。
 しがらみだらけの私の心。それが解かれるのは、一体いつになるのだろうか。

 少なくとも今日、そのしがらみは僅かながら解かれたと信じたい──。
758 :妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A [saga]:2017/04/19(水) 01:47:54.68 ID:Pat0QSv5o
以上でオマケ終了です。今度こそこの物語は終わりです。
もしかしたら小説になろうとかで何かを書くかもしれませんが、見付けた時はひっそりと応援して下さいますと幸いです。

それでは、だいたい一週間後にHTML依頼を出します。お疲れ様でした。
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/19(水) 14:35:58.62 ID:kDJ6HnWA0
こういう川内も珍しいけどなかなか良いなあw
本当にお疲れさまでした!
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 02:13:50.02 ID:L+MoWKbSO
おつでした
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/12(水) 17:50:08.65 ID:js4tyLwz0
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 03:09:46.33 ID:9NChUYtOo

丁寧で引き込まれる物語だった
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/27(金) 08:59:17.72 ID:roi98Fny0
やたやた
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/30(土) 01:55:05.07 ID:PTKUhZxq0
まだ活動しているんだろうか?
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