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【モバマス×遊戯王5D'sTF】コナミ「チームシンデレラガールズ?」

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507 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/08/09(火) 00:46:37.69 ID:7Mfl/c+o0

未央「……ごめんね」

コナミ「何で謝るんだよ」

未央「だって……プロデューサーやコナミんが私の為の時間を作ってくれてるのに……」

未央「それなのに、私……全然期待に応えられてないから」

未央「だから、呼び出したんでしょ?」

コナミ「……別にそんなんじゃねーよ」

未央「ほんと?」

コナミ「そんなに簡単に出来るなんて、最初から思ってないって」

コナミ「最初に言ったはずだ、大事なのは……」

未央「……カードと真摯に向き合う事」

コナミ「それさえやってれば、きっかけを掴めばすぐだぜ」
508 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/08/09(火) 00:47:20.10 ID:7Mfl/c+o0

未央「きっかけかぁ……それが中々掴めないんだよ……」

コナミ「まぁ3回戦までまだ時間はある、じっくりやりな」

コナミ「それに、デッキで苦しんでるのはお前だけじゃない」

未央「りーなの真紅眼も、うまく行ってないの?」

コナミ「ああ……アイツはアイツで、中々デッキがまとまらなくてなぁ……」

コナミ「予選1回戦に出る事になったから、そろそろ完成させないとな」

未央「むぅ……何かりーなばっかりデッキ見てもらっててずるい」

コナミ「え?」
509 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/08/09(火) 00:48:09.20 ID:7Mfl/c+o0

未央「そっかー……未央ちゃんをほったからしてコナミんはりーなと……うぅ」シクシク

コナミ「い、いや、違うぞ未央!確かにお前に関しては任せっきりになっちまってたけど……」

コナミ「でもそれは……!」

未央「……ふふっ」

コナミ「?」

未央「あははっ、冗談冗談!最初にコナミんに言われた事、覚えてるよ」

未央「それにコナミんの事、ちゃーんと信じてるから!」

未央「私達の事、勝たせてくれるんでしょ?」

コナミ「未央……」
510 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/08/09(火) 00:49:02.04 ID:7Mfl/c+o0

未央「今はりーなの事、しっかり見てあげて……リーダーに選ばれて、きっと大変になると思うからさ」

未央「その代わり、私の番になったら特訓に付き合ってもらうから、覚悟しててよね!」

未央「……それまでに、何とか自分のデッキ組んでみるからさ」

コナミ「……ああ、約束だ」

コナミ「後でデッキを見せてみてくれ、アドバイス位はしてやらないとな」

未央「うん、ありがと!」

未央「よっし!りーなに負けてらんないし、私も気合い入れて頑張らなくちゃ!」

未央「決勝戦は、私としまむーの2人だけだもんね……」

コナミ「……いいや、そうとも限らないぜ」

未央「え?」
511 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/08/09(火) 00:49:40.90 ID:7Mfl/c+o0

コナミ「予選トーナメント決勝戦……そんな大事な試合に、2人で挑むのは流石にしんどいからな」

未央「もしかして……8人目、誰か入ってくれそうなの!?」

コナミ「ああ、お前を呼び出したのはこの話をするためだ」

コナミ「これは……まだお前以外には話すなって言われてるからな」

未央「?」

コナミ「実は今日、Pは8人目候補と交渉しに行ってるんだ」

コナミ「……お前達が、よく知ってるヤツとな」

未央「…………!!」


未央「それって、もしかして……!」
512 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/08/09(火) 00:50:19.58 ID:7Mfl/c+o0

…………
………
……


喫茶店



イラッシャイマセー


モバP「す、すまん!遅くなっちまった!」

「……3分遅刻」

モバP「前の営業先が思ったより長引いてしまったんだ」

モバP「ごめんな、呼びつけたのは俺の方なのに……」

「ふふっ、大丈夫だよ、私も今来たとこだからさ」

モバP「そうか……」




モバP「……よく来てくれたな、凛」


凛「……うん」
513 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/08/09(火) 00:51:25.73 ID:7Mfl/c+o0
今回はここまでにします。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。


web版ロッキングガールの更新はまーだ時間かかりそうですかねー?
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/09(火) 00:53:10.36 ID:bFRfPLggo
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/09(火) 01:27:03.70 ID:PrHAYULfO

そうかこのメンツはロッキングガールか
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/09(火) 20:38:31.50 ID:xGEHB7rGo
乙乙
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 15:18:43.94 ID:9cImeKvi0

ロッキンガールは・・・
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/20(土) 23:26:46.83 ID:sY5zYC1Z0
茄子さんはエクゾディア使いかな?
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/21(日) 01:17:05.43 ID:KTDwatjrO
先攻エクゾ決めそうな組み合わせはやめろ(真顔)
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 21:58:20.95 ID:RQjua6x40
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/31(水) 13:42:51.92 ID:Mwza0rOo0
保守
522 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/05(月) 00:50:12.49 ID:VgKI3EBF0
ご無沙汰しております。

毎度の如く前回の投稿から大分経っておりますが、
今回はいろいろあって難産になりそうなので、もうしばらくかかりそうです。
読んでくださっている方には申し訳ありませんが
とりあえず生存報告だけさせて頂きます。

神戸に行ってた皆様はお疲れ様でした。
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/05(月) 21:15:15.24 ID:g2GC9cWVO
乙乙
俺もライブ行きたかったな
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/16(金) 20:23:28.08 ID:A8+9gD/b0
保守
525 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:02:38.52 ID:yL/dLYjm0
2人「…………」


モバP「……その、最近どうだ?元気にしてるか?」

凛「うん、今は自由な時間が増えたから……」

凛「最近は……お店の手伝いとかしてる、かな」

モバP「そうか……ご実家、お花屋さんだったっけな」

凛「……プロデューサーは?」

モバP「え、俺?」

凛「最近忙しいんでしょ?無茶してない?」

モバP「無茶……?」

凛「ほら、あれ」


TV「〜〜〜♪」
526 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:04:41.32 ID:yL/dLYjm0
モバP「……ああ、卯月か」

モバP「そういえば、今日は歌番組のオンエアだったな……」

凛「卯月、最近テレビに出ずっぱりだからさ」

凛「プロデューサーも、仕事に追われてるんじゃないかと思って」

モバP「ふふっ、俺なら大丈夫だよ、ちひろさんもフォローしてくれてるし」

モバP「でも、心配してくれてありがとな」

凛「……テレビで卯月の笑顔を見るとさ、思うんだ」

凛「やっぱり、あの時卯月が勝ってよかったなって」

モバP「凛……」



モバP「……アイドル、もう一度やってみないか?」



凛「…………」
527 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:07:48.93 ID:yL/dLYjm0

モバP「……引退を発表した直後にこんな事言うのは、俺もどうかとは思ってる」

モバP「でも……やっぱり、ここまで頑張ってきたんだ」

モバP「お前さえ良ければ……もう一度、俺達と……」

凛「……プロデューサー」

モバP「何だ?」

凛「プロデューサーは、私が961プロに行く時にした約束の事覚えてる?」

モバP「お前が立派なアイドルになれたら、迎えに行く……そうだったな」

モバP「そして俺は、凛がその約束を果たしてくれたと思ってる」
528 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:08:30.48 ID:yL/dLYjm0

モバP「卯月とのあの決勝戦……本当に、すごいデュエルだった」

モバP「あのデュエルを見て、ステージでのお前の姿を見て確信した」

モバP「お前は立派な 「違う!」 」

モバP「…………」

凛「……違うの、プロデューサー」

凛「私は、プロデューサーが思ってるようなアイドルじゃない……」

凛「プロデューサーは知らないだろうけど、私はあの時――」

モバP「……知ってるよ」

凛「えっ……?」
529 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:09:20.58 ID:yL/dLYjm0

モバP「決勝戦の前、凛と黒井社長が話しているのを、未央が聞いてた」

モバP「お前が、どんな事をさせられていたかを……」

モバP「だから……凛がアイドルを辞めた理由も、本当は知ってるんだ」

凛「そっか……アレ、聞かれちゃってたんだ」

モバP「……気付くのが遅くなってしまったとはいえ、辛い思いをさせてしまった」

モバP「俺が、もっと早く気付いていれば……」

凛「だったら……だったらどうして!」

凛「あんな卑怯な事しておいて……戻れる訳、無いよ……!」
530 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:09:50.87 ID:yL/dLYjm0

凛「私は、皆の気持ちを踏みにじってしまった」

凛「他のアイドルの子達も、事務所の皆も、プロデューサーも、卯月も……!」

モバP「違う、そういう状況に立たされてしまっただけだ」

モバP「凛だって、最初から知っていれば、そんな事……」

凛「本当は……気付いてたの、準決勝のみくとのデュエルで、ディスクに細工されてるって」

凛「でも私は……それが分かっててみくを倒した、ディスクの細工を隠して……」

凛「卯月のデュエルの時にデッキトップが操作された時だって……考えてしまった」

凛「例え、それが心の隅でだったとしても」


凛「勝てるかもしれないって、思っちゃったんだよ……」


モバP「凛……」
531 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:10:16.28 ID:yL/dLYjm0

凛「あの時、卯月が助けてくれなかったらきっと……私はそのカードに手を伸ばしてた」

凛「結局、私はアイツと同じだった……」

凛「自分が勝つためなら、どんな事したって構わない、卑怯も――」



モバP「凛っ!!」



ざわっ……



凛「…………」

モバP「……すまない」
532 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:10:44.68 ID:yL/dLYjm0

モバP「でも……凛にそんな事言って欲しくない」

モバP「お前はちゃんと、自分の力で卯月とぶつかって、会場を感動させたじゃないか」

凛「それは……」

モバP「……正直に言う、俺たちCGプロは今年のDAGPに出られる事になった」

凛「DAGPって、あの……!」

モバP「ああ……でも、フルメンバーで戦う為には、あと1人アイドルが必要なんだ」

凛「……その1人が、私って事?」

モバP「お前なら、きっとあの時以上のパフォーマンスを見せてくれる……俺は、そう思ってる」

凛「私は……」
533 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:11:30.78 ID:yL/dLYjm0

凛「……ごめん、プロデューサー」

凛「やっぱり……これは、私なりのけじめだから」

凛「私はもう、ステージには立たない」

凛「もう、デュエルもやらない……」

モバP「……そう、か」

モバP「…………」

モバP「分かった……無理強いはしない」
534 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:12:04.30 ID:yL/dLYjm0

凛「……この後、お店の手伝い頼まれてるから、そろそろ行くね?」

凛「食事、誘ってくれてありがと……それから、ごめんなさい」

モバP「……謝る必要なんてない、今のお前の気持ちは、よく分かった……だけど」

モバP「もし……もし、お前の気持ちが変わったら」

モバP「お前の帰る場所は、ちゃんと残ってる……それだけは忘れないでくれ」

モバP「いつでも待ってるからな……」

凛「……ありがとう、プロデューサー……でも」

凛「今の私に、その居場所に帰る資格は……無いから」



モバP「…………」
535 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:12:35.07 ID:yL/dLYjm0

…………
………
……


翌日


莉嘉「わぁー!おいしそー!」

かな子「えへへ、最初のユニット練習だし、お近づきのしるしにクッキー焼いてきたんだ」

かな子「あ、コナミさんもよかったらどうぞ!」

コナミ「ん、ああ……さんきゅ」

莉嘉「あ……そういえばコナミん」

コナミ「何だ?」
536 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:13:09.64 ID:yL/dLYjm0

莉嘉「これからユニット練習って言うけど……かな子ちゃんってまだ使うデッキ決まって無いんじゃないの?」

コナミ「いいや、それなら心配ないぜ……実はもう決まってるんだ」

莉嘉「えっ、ホント?」

コナミ「ああ、かな子の使うデッキは……マドルチェだな」

莉嘉「マドルチェ?」

かな子「えっと、こんなカードだよ」

莉嘉「……へぇー、何かお菓子の国って感じだね☆」

かな子「友達と遊ぶ時に使ってたカードなの、私のお気に入りなんだ」

コナミ「時間の余裕もそんなに無いしな、慣れてるデッキで戦ってもらったほうがいいと思った」
537 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:13:55.99 ID:yL/dLYjm0

莉嘉「いいじゃんいいじゃん!かな子ちゃんにピッタリって感じ☆」

莉嘉「カワイイカードもいっぱいあるし!」

かな子「うん!それに何だかおいしそうだよね!」

莉嘉「お、おいしそう……?」

かな子「うん、おいしそう!」


李衣菜「……もうっ!ちょっと2人共!」
538 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:14:28.79 ID:yL/dLYjm0
莉嘉「え?」

かな子「李衣菜、ちゃん?」

李衣菜「呑気におしゃべりばっかり……気が抜けすぎなんじゃない?」

かな子「あー……でも、まだレッスン前だし……」

莉嘉「大丈夫大丈夫☆始まったらちゃんと……」


李衣菜「だって!」


りかなこ「!」

李衣菜「だって……トーナメントなんだよ?」

李衣菜「私達3人が負けちゃったら、そこでもう終わっちゃうんだよ!?」
539 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:15:06.32 ID:yL/dLYjm0

かな子「あ、あの……ごめん、なさい……」

莉嘉「でも、そんなに大きな声出さなくたって……」

李衣菜「あ……えっと、そんなつもりじゃ……」

コナミ「…………」

李衣菜「……ごめん、最初の練習だから、もっと気合い入れていかなくちゃと思って……」

コナミ「ま、そうピリピリせずに行こうぜ、まだ焦らなきゃいけない時期でもないだろ?李衣菜?」

李衣菜「……はい」

コナミ「でも、李衣菜の言う事も一理あると思うぜ、これ一応レッスンなんだからな」

かな子「そ、そうですよね!真面目に頑張りましょう!」

莉嘉「……はーい」
540 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:15:32.58 ID:yL/dLYjm0

コナミ「おし、今日はお前ら3人しか居ないしな、気が済むまで付き合ってやる」

かな子「えっと、楓さんと智絵里ちゃんは雑誌のインタビュー、卯月ちゃんはテレビ番組の収録でしたっけ?」

莉嘉「うん、それで未央ちゃんは……」

莉嘉「……あれ?そういえば未央ちゃんは?」

かな子「確か、さっきまで来てたはずなんだけど……」

李衣菜「……何か未央って、たまに消えるよね?」

莉嘉「いつも、どこ行ってるんだろ……コナミん、知ってる?」

コナミ「……さぁな、ひょっとしたら秘密の特訓とかしてるかもしれないぜ?」

かな子「秘密の……」

莉嘉「特訓?」

コナミ「ウカウカしてると、追い抜かされちまうぞって事だ……それじゃ、早速始めるぞ」
541 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:16:10.18 ID:yL/dLYjm0

…………
………
……


一方、カードショップ



「うぅ……ぐすっ……」メソメソ

「あーあ、また泣かせちゃった」

「もう、あんな言い方する事ないでしょ?」

「弱いヤツの事弱いって言って何が悪いんだよ!」


未央「こーらっ」


「あ……」

「げっ、未央姉ちゃん……」
542 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:18:54.74 ID:yL/dLYjm0

未央「何でそんな意地悪な事言うの?友達でしょ?」

「だって……」

未央「自分が同じ事言われたら、どう思う?」

「それは……」

未央「友達に悪い事したら、何て言うんだっけ?」

「……ご、ごめん、悪かったよ」

未央「ほら、こうやって謝ってるから、許してあげて?」

「ぐすっ……うん……」
543 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:19:23.35 ID:yL/dLYjm0

未央「もう、めそめそしなくていいのっ、男の子でしょ?」

「……うんっ」

未央「よしっ、えらいえらい!」

店長「お、今日も来たな、未央ちゃん」

未央「あ、店長さん!こんにちは!」

店長「フッ、いつの間にか子供達とも馴染んじまったな」

未央「えへへ、まぁ手のかかる弟を持つ身としては、何か放っとけなくてさ」
544 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:19:53.57 ID:yL/dLYjm0

さて、何で未央ちゃんがカードショップで子供達と戯れているのかというと……

765プロのいおりんとのデビュー戦の後、伸び悩んでる私を見かねて、コナミんがここに連れてきてくれたんだよね

自分を貫ける、私だけのデッキを作るのが、ここでの目的

そのきっかけを見つけるために、ここでいろんなカードに触れて……

それから子供達と一緒に、いろんな戦術を試してるんだ


という訳で、未央ちゃんは今!DAGPに向けて秘密特訓の真っ最中なのだ!




で、肝心のデュエルの腕はというと……
545 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:20:25.61 ID:yL/dLYjm0


「よっしゃー!また俺の勝ちー!」

未央「くはぁ〜……またやられたぁ〜」

「お姉ちゃん、何か今日調子悪いね」

未央「こないだは結構勝ててたのなぁ……」

未央「やっぱり、まだまだ先は長いって事だね……」ピラッ



《スキルドレイン/Skill Drain》 †

永続罠
1000ライフポイントを払って発動できる。
このカードがフィールド上に存在する限り、
フィールド上の全ての効果モンスターの効果は無効化される。



未央「スキルドレイン、かぁ……」

「未央姉ちゃん、そのカードが出れば強いのにね」

未央「うーん、フィールドに出ればね……」
546 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:21:07.08 ID:yL/dLYjm0

未央(でも逆に、引き当てられなければ今みたいに押し負けちゃう)

未央(このままじゃダメだ……もっとこのカードの力を引き出すようなデッキを考えないと……!)



未央(それに、しぶりんだって帰って来るかもしれないし……!)


未央(私だけ、いつまでも遅れてる訳にはいかない!)


未央(とは言っても……)



未央「はぁ……どうすれば強くなれるんだろ……」

「手札からぽんっと出てくる超攻撃力のカードがあればいいのになー!」

「それか、一気にデッカいダメージ喰らわせられるカード!」

「それならコナミにだって勝てるのに……」

「もうっ!そんなカードが出たら皆使うに決まってるでしょ!」

未央「あはは、そんなカードがあったら使いたいね〜」
547 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:21:35.72 ID:yL/dLYjm0

店長「苦戦してるみたいだな、未央ちゃん」

未央「まぁね〜……私のデッキ、いつになったら完成するんだろ……」

未央「……そうだ、店長さんも今のデッキ見てくれない?」

店長「俺が?」

未央「うん、昨日コナミんにも見てもらったんだけどさ、他の人の意見も聞きたいんだよね」

店長「分かった、俺でよければアドバイスしてやる、どれどれ……」
548 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:22:07.78 ID:yL/dLYjm0

店長「バルバロス、愚鈍の斧、禁じられた聖杯……」

店長「……なるほど、ハイビートか」

未央「うん、スキルドレインは自分のモンスターの効果も無効にするから」

未央「だから、デメリットを持った高攻撃力のモンスターと相性がいいのかなって思ったんだよね」

店長「アイツは何て言ってたんだ?」

未央「それがね……」
549 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:22:43.96 ID:yL/dLYjm0

――
―――
――――


コナミ『……悪くは無いな』

未央『ほ、ホント?』

コナミ『おう、デメリット付きの高火力モンスターの効果を無効にして殴り合いに勝つってコンセプトだろ?』

コナミ『俺の周りにも、こういうデッキを組んでたヤツがいたし』

コナミ『スキルドレインを活かすという命題なら、正解の一つと言っていいと思う』

未央『う〜ん、それじゃあ何で勝てないんだろ……』
550 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:23:14.45 ID:yL/dLYjm0

コナミ『そうだな、確かに正解ではあるんだけどよ……』

コナミ『でも、逆にいえばスキルドレインに頼り過ぎてるな』

未央『頼り過ぎてる?』

コナミ『このデッキを使って負ける時、スキルドレインを引けなくて負けるって事が多いんじゃないか?』

未央『ああー、確かにそうかも……3枚も入れてるのに肝心な時に来てくれないんだよねぇ……』

コナミ『欲しいカードが来る確率ってのは、案外低いもんなんだぜ』

コナミ『デッキに3枚入れたカードが初手に来る確率は大体33%、最初のドローを含めると40%足らず……』

コナミ『3ターン待ってようやく手札に来る確率も、50%程度だって言われてるな』※

未央『うへぇ〜そんなに低いんだ……』

コナミ『そう、だからキーカードが来る確率を上げるために、サーチカードを入れたりするんだよな』



※参考:遊戯王カードwiki「確率」
551 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:23:48.48 ID:yL/dLYjm0

未央『なるほどー、でもスキルドレインって……』

コナミ『ああ、このカード自体は何かのカテゴリに属してる訳じゃない』

コナミ『つまり素早くサーチできるカードが無いって事だ』

コナミ『お前の場合、それを補うために愚鈍の斧や禁じられた聖杯を入れてるな』

コナミ『だがこれじゃ補助にはなっても、スキルドレインの代わりにはならない』

未央『うう〜……それじゃあどうすればいいんだろ……』

コナミ『さぁ、教えてやるのはここまでだ……ここからは自分で考えてみな』

未央『ええー!そんな御無体な!もっとヒントプリーズ!』

コナミ『この方向性までちゃんと自分で辿り着けたんだろ?』

コナミ『ここまで来れたなら、後もう半分だ……頑張りな』



――――
―――
――
552 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:24:14.69 ID:yL/dLYjm0

未央「むぅ……かわいいアイドルが困ってるんだから、もうちょっと教えてくれたっていいのに……」

店長「まぁ、奴なりに考えがあるんだろうぜ……それに指摘は的を得ていると思う」

未央「そりゃあ確かに分かるんだけどさ……」

未央「そうだ、店長さんは今の私のデッキ、どう思う?」

店長「うーむ……俺からヒントのようなものを出すとしたら……」

店長「どうしてもサーチ出来ないカードなら、引き当てられなかった時の事を考えなくちゃならないかもな」

未央「なるほど……つまり、スキルドレインに頼らない戦い方って事かぁ……」

未央「何か本末転倒だな〜……3枚も入れるのにそれを使わない戦法を考えるなんてさ」

店長「いいや、スキルドレインが効かない相手だって結構いるしな」

店長「それだけアテにしてたら辛くなる場面も多くなるだろう」
553 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:24:44.50 ID:yL/dLYjm0

未央「うまくハマってくれれば強いんだけどなぁ……」

店長「……まぁ、時間はまだあるんだろ?じっくり考えればいいさ」

店長「行き詰ったら、新商品に触れてみるのもいいかもしれないぜ」トンッ

未央「それは?」

店長「明日発売のストラクチャーデッキ、機械竜叛乱……さっき仕入れたばっかのヤツだ」


子供たち「「「おおー!!」」」


店長「はっはっは、まだ一応発売前だからな、明日になったら売ってやる」
554 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:25:13.79 ID:yL/dLYjm0

未央「でもストラクチャーデッキかぁ……それってほとんど再録のカードしかないんじゃないの?」

店長「おいおい、ストラクチャーデッキを舐めてちゃいけないぜ?」

店長「モノにもよるが、3箱揃えて多少調整すれば優勝を狙えるデッキを組める事だってある」

未央「へぇ〜、そういえばコナミんの最初のレッスンで、ストラクで組んだデッキで一回デュエルしたっけ」

店長「そう、ストラクでデュエルのいろはを覚え、慣れてきたらデッキに自分なりの改良を加えていく……」

店長「デュエルモンスターズを始めたばかりの初心者はストラクから入るべしってのは、昔からよく言われてたもんだ」

未央「なるほど、既にある程度戦術が完成されてるって事だね……」

未央「でもさ、スキルドレインの効果は自分にも及んじゃうでしょ?」

未央「自分の効果も無効にしちゃうから、下手したらその戦術を壊しちゃうんじゃ……」



未央「……ん?」
555 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:25:55.33 ID:yL/dLYjm0

店長「どうした?」

未央「……ねぇ、さっき言ってたスキルドレインが効かない相手って例えばどんなの?」

店長「例えば?そうだなぁ……」

店長「例えば墓地や手札で効果が発動するモンスターだな、『フィールドから墓地に送られた時に発動』なんて効果も防げない」

店長「マシンナーズ・フォートレス辺りは、まさに天敵と言っていいだろうぜ」

店長「それから今の未央ちゃんのデッキで言えば……元々の攻撃力が高い相手なんかは、パワー勝負に持ち込めなくて辛いかもな」

未央「あ……あぁ―――!!そっか!!」

店長「!?」
556 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:26:24.97 ID:yL/dLYjm0

未央(スキルドレインが効かない……つまり、スキルドレインが貼られてても問題なく動けるって事)


未央(それって……)



未央(逆にいえば、スキルドレインとめちゃめちゃ相性がいいって事じゃん……!)




手札からぽんっと出てくる超攻撃力のカードがあればいいのになー!


それか、一気にデッカいダメージ喰らわせられるカード!



未央「…………!!!」

557 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:26:52.68 ID:yL/dLYjm0

未央「てっ、店長さん!ちょっとストレージ見せてくれる!?」

店長「え?でもストラクチャーデッキは……」

未央「いいから!早くっ!今思いついた事頭から抜けてっちゃう!」

店長「お、おう!分かった!」



未央(今の私は、スキルドレインに相性のいいカードをゴテゴテ詰め込んでるだけ……)

未央(だから引き込めなければ、他のカードのバランスが崩壊しちゃうんだ)

未央(でも、それなら……)


未央(元々相性のいいカテゴリに、今のスキルドレインでのハイビートの要素を合わせこんでいけば……!)



店長「未央ちゃん……何か掴んだな?」ニヤリ

未央「うん……!」


未央「見つかったかも……私の、戦い方!」
558 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/09/24(土) 00:29:16.53 ID:yL/dLYjm0
今回はここまでです。

先日最新のリミットレギュレーションが発表されていましたが、
この時期になるとスキドレに規制が掛からないか内心ヒヤヒヤしてます。

そして何気にこのスレが立ってから1年経過してました。
1年で1スレ終わらないのは流石にあんまりかなと思うので
もうちょっとスピードアップしたい……

それではここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 00:57:55.96 ID:Fo8WerqFo
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 01:36:20.19 ID:aSQVETnVO

スキドレバルバいいよね…
スキドレが無い時はタキオン出してバルバロスの効果を無効にしたりとかもアリだし
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 03:47:12.83 ID:btBwqCNc0
スキドレ…

列車ドール…(ボソッ)
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 12:26:38.44 ID:eU86j/59O
乙乙
クリフォートもすっかり見なくなったしまた暫くは安泰でしょうスキドレ
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 23:16:02.66 ID:HtHCbnx1O
愚鈍バルバとかいう脳筋
装備ビートって強いには強いんだよな。ディスアドが怖いだけで
564 :sage :2016/09/25(日) 01:13:45.67 ID:C4qdGwlC0
カードプール的にあるかわからないけどSinスキドレハイビートとかかな。
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/25(日) 01:15:22.65 ID:C4qdGwlC0
ホントすみません…書き込み久しぶりすぎてsage入れる場所間違えました…。
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/25(日) 02:00:00.05 ID:FPBm9//Yo

組んでた冥界軸凍志青眼スキドレハムドオベリスクが懐かしい
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/25(日) 11:55:02.32 ID:exQZ5bqm0
フォートレスはスキドレ使うとモンスター効果の対象になったときのハンデスができないのが惜しいんだよなぁ
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/06(木) 02:58:47.22 ID:CwUUm/Lw0
保守
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 17:36:41.08 ID:U0HBsF+W0
保守
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/10(木) 11:18:21.23 ID:Q7H0RydRo
未央のデッキ早く見たいぜ。一番気になる
571 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:38:03.54 ID:LEs3tpnS0
…………
………
……



数日後



コナミ「真紅眼の鎧旋に、真紅眼融合……真紅眼のサポートカードも結構増えてきたな」

コナミ「おかげで展開手段は充実してきた……でも、もう少しアクセントが欲しいとこだな……」

李衣菜「…………」

コナミ「おい、聞いてんのか?」

李衣菜「あ……すみません」
572 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:38:50.20 ID:LEs3tpnS0

コナミ「元気ないな、どうした?」

李衣菜「実はちょっと……2人と、揉めちゃって」

コナミ「なるほど、リーダーの件か……お前なら、ノリノリで引き受けると思ったけどな」

コナミ「アイドルのリーダーって、そんなに大変なのか?」

李衣菜「大変ですよ〜……昨日はユニットの名前を3人で考えてたんですけど」

コナミ「あぁ、そういやお前ら3人で決めるって話だったな」

コナミ「それで、どんな名前になったんだ?」

李衣菜「それなんですけど、2人の考えたユニット名が……」



かな子案『メルティ―スイート』


莉嘉案『セクシー☆ギャルズ』

573 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:39:28.71 ID:LEs3tpnS0

コナミ「……アイツらの趣味全開だな」

李衣菜「メルティ―スイートやセクシーギャルズなんて、絶対私達に合ってませんよ!」

李衣菜「もっと、私達3人のイメージを表した名前にしなきゃ……!」

コナミ「まぁお前ら3人、全然違うタイプって感じだし、考えるの大変そうだよなー」

コナミ「で、お前が考えた名前は?」

李衣菜「え!えっと……」

コナミ「?」

李衣菜「ろ……」

李衣菜「……ロッキングガール」

コナミ「…………」
574 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:40:06.31 ID:LEs3tpnS0
李衣菜「だ、だって2人が好き勝手な名前にするから〜!」

コナミ「はいはい……それで?最終的にどうなったんだ?」

李衣菜「……結局昨日は全然話がまとまんなくて、終わっちゃって」

コナミ「フッ、そりゃあ先が思いやられるな」

李衣菜「もうっ、笑いごとじゃないですよー……」

李衣菜「はぁ……やっぱり私、リーダーに向いてないのかな……」

コナミ「何だよ、随分弱気だな」
575 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:40:47.39 ID:LEs3tpnS0

李衣菜「自分でも、よく分かってるんです……人の上に立つような人間じゃないって」

李衣菜「それに……私だけ、まだデッキも出来てないし……」

李衣菜「こんなリーダーに、かな子や莉嘉は付いてきてくれるのかなって」

コナミ「……少なくとも、Pはそう思ってるはずだぜ」

李衣菜「もちろん、それは分かってます……期待してくれるのはうれしい、だけど……」

李衣菜「……コナミさん、リーダーに必要なものって何なのかな」

コナミ「それは、お前自身が見つけるしかないんじゃないか?」

コナミ「俺が出来るのは、お前に戦い方を授けてやる事だけだ」

李衣菜「それは……そうですけど……」
576 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:41:43.93 ID:LEs3tpnS0

コナミ「……でも、そうだな」

李衣菜「え?」

コナミ「俺の知ってるリーダーは、いつも冷静で……チームの誰もが、そいつの事を信頼していた」

コナミ「デュエルの腕は言わずもがな……俺の街でも間違いなく最強のデュエリストだった」

李衣菜「その人ってもしかして……前言ってた、コナミさんが尊敬するデュエリストって人?」

コナミ「……まぁな」

李衣菜(そんなの、今の私には……)

コナミ「でも……アイツは、決して一人で戦ってた訳じゃない」

コナミ「さっき聞いたな?リーダーに必要なものは何かと」

コナミ「俺は……背負う事だと思う」
577 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:42:22.69 ID:LEs3tpnS0

李衣菜「背負う、事?」

コナミ「そう、託された仲間の想いを背負う覚悟……」

コナミ「宿命とか、誇りとか、守るべきものとか……まぁ、いろんなモン抱えてるヤツらがいてさ」

コナミ「でも、そういうの全部をひっくるめて背負ってカードを切る……」

コナミ「それが、俺が見てきたリーダーの姿だ」

李衣菜「…………!」

コナミ「……お前ら3人とも、タイプは違うかもしれないけどよ」

コナミ「目指す場所は、一緒なんじゃないか?」
578 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:43:07.61 ID:LEs3tpnS0

李衣菜「私達の目標……」

李衣菜「莉嘉とかな子と、3人で……ううん」

李衣菜「CGプロの皆で、DAGPで優勝する事……!」

コナミ「なら、それがお前の背負うものって事だ」

李衣菜「皆の想いを背負う覚悟、か……」

コナミ「いろんなモン背負う以上、つまんねぇデュエルは出来ないって事だな」

李衣菜「……そうですよね」

コナミ「……そんな顔すんな、もうあの時のお前とは違うだろ?」

李衣菜「はい……もう二度と、あんなデュエルはしない……」

李衣菜「……ありがとうございます!何となくですけど、気合い入ってきました!」
579 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:43:38.46 ID:LEs3tpnS0

コナミ「よしっ、そうと決まればデッキを完成させないとな」

李衣菜「そうですね!3人で練習もしなくちゃならないし、そろそろ形にしなきゃ!」

李衣菜「……って言っても、中々うまくいかないですけどね」

コナミ「いいや……基本的な動かし方は大分仕上がってきてる」

コナミ「問題は召喚ルートが豊富なだけに、召喚した後の動きをどうするか……」

コナミ「いわば、このデッキだけの個性が必要だ」

李衣菜「個性……」

コナミ「お前がこのデッキで、どんなデュエルがしたいか、って事だな」
580 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:44:05.79 ID:LEs3tpnS0

李衣菜(私が、このデッキでやりたい事……)

李衣菜(それは、やっぱり……!)

李衣菜「……コナミさん!」

コナミ「ん?どうした?何か思い浮かんだか?」

李衣菜「いえ、そういう訳じゃないんですけど……」

李衣菜「今の私達には、足りないものがあると思うんです!」

コナミ「足りないもの?」

李衣菜「はいっ!という事で……」

李衣菜「今度の休み、私に付き合ってください!」

コナミ「……?」
581 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:44:31.12 ID:LEs3tpnS0

…………
………
……



ギュイイイイイィィィン!!!


「今日も熱く、魂が滾るステージにしてやるぜ!!」

「かかって来いやぁぁぁぁ!!」



ウオオオオオオオオオオオオッ!!!
582 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:44:59.62 ID:LEs3tpnS0

李衣菜「イエーイ!!」

コナミ「……おい、李衣菜」

李衣菜「はいっ?」

コナミ「いや、ここは何だ?」

李衣菜「何だって、ライブハウスに決まってるじゃないですか!」

李衣菜「ほらほら、コナミさんも盛り上がっていきましょう!」

コナミ「そうじゃねえよ!デッキ組まなきゃいけないのに何でライブなんだよ!」

李衣菜「言ったじゃないですか!これが今の私達に必要なものなんですっ!」

李衣菜「私達に足りないものは、ズバリ!ロックですよ!ロック!」
583 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:45:31.39 ID:LEs3tpnS0

コナミ「ロックって、お前なぁ……」

李衣菜「むぅ……私は至って真剣ですよ!」

コナミ「……百歩譲ってロックが必要だったとしてもよ」

コナミ「別に俺は居なくてよかっただろこれ……」

李衣菜「そ、そんな事ないですよ!コナミさんは私と一緒にロックなデッキを探求するパートナーなんですから!」

李衣菜「ほら!何かこう……インスピレーションが沸いてきませんか!?」

コナミ「インスピレーション、ねぇ……」
584 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:45:59.40 ID:LEs3tpnS0

李衣菜「……ここは、私のルーツなんです」

コナミ「……ルーツ?」

李衣菜「私が事務所に入ったばかりの頃、なつきちに連れてきてもらったんです」

李衣菜「生でロックのステージを見たのは、その時が初めてでした」

李衣菜「ヘッドフォンを通して聞いただけじゃ、分からなかった世界……」

李衣菜「ガツンって、頭を殴られたような衝撃でした」

李衣菜「目の前で鳴り響くサウンドに、ただただ圧倒されて……それで、改めて思ったんです」

李衣菜「ああ……やっぱり私はロックが好きなんだなって」

コナミ「…………」
585 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:46:27.28 ID:LEs3tpnS0

李衣菜「ロックなアイドルになりたい……本格的にそう考え始めたのは、それがきっかけでした」

李衣菜「デュエルで表現したいんです、あの時私が感じたものを……!」

李衣菜「だからコナミさんには……私が好きなものの事、知ってもらいたくって」

コナミ「李衣菜……」

李衣菜「へへっ、まぁいいですっ!今は細かい事考えずに、思いっきり腕を振り上げましょう!気持ちいいですよ!」

李衣菜「あっ、次のバンド、ガールズバンドみたいですね!パフォーマンスの参考になるかも!」

コナミ「……フッ、すっかり元気になりやがって」
586 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:46:57.72 ID:LEs3tpnS0


「アタシ達のエモーション、しっかり刻み込んでやるぜ!」

「最後まで付いてこいよなー!!」


ワアアアアアアアアアッ!!


「それじゃ、飛ばしていくぜ!」


ギュオンギュオオォォォオオン!!!


〜〜〜〜♪
587 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:47:24.33 ID:LEs3tpnS0

コナミ「…………!」

コナミ(これは……)

コナミ(体の内側から湧いてくる、アツい気持ち……)

コナミ(強敵を相手にした時に似た、高揚感……)

コナミ(そうか……)


コナミ(これが、李衣菜の憧れ……目指すもの……)







「最高のステージだったぜ!サンキュー!」

「また会おうぜ!じゃあな!」

588 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:47:56.50 ID:LEs3tpnS0

コナミ「終わったか……まぁ、実際見てみたら、いいもんだったな」

コナミ「お前がロックってヤツに憧れる気持ち、ちょっと分かった気がする」

コナミ「さて……俺たちもそろそろ帰るか、李衣菜」

李衣菜「…………」

コナミ「……李衣菜?」

李衣菜「うそ……」

コナミ「え?」

李衣菜「コナミさん……ごめん、私!!」ダッ

コナミ「あっ、おい!お前どこに……!」


…………
………
……
589 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:48:31.35 ID:LEs3tpnS0

ライブハウス 楽屋


「ふぅー、終わった終わったー」

「今日の曲、結構イケてたんじゃないか?客のノリだってよかったし!」

「ああ……とりあえず、ウチらのリーダーが戻ってきたら反省会だな」

「そうだな、新曲もそろそろ形にしないと……」


ばんっ!


「!?」


李衣菜「はぁ……はぁ……っ!」
590 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:49:01.09 ID:LEs3tpnS0

「お、おいおいどうしたお前?」

「すごい勢いで入ってきたな……」

「ここ、一応関係者以外立ち入り禁止なんだぜ?」

李衣菜「す、すみません!だけど……!」

「アタシらの誰とも面識ないって事は……リーダーの知り合いか?」



「何か随分賑やかになってるな、どうしたんだ?」
591 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:49:30.76 ID:LEs3tpnS0

「お、リーダー!」

「遅かったな……かわいいお客さんが来てるぜ」


「客?そんなもん呼んだ覚えなんてないぜ?」

「部外者だったらとっとと追い出……」


李衣菜「…………」


「……えっ?」
592 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:49:56.48 ID:LEs3tpnS0


李衣菜「やっぱり……見間違えじゃなかったんだね」




李衣菜「……なつきち」



夏樹「……だりー?」

593 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/11/15(火) 01:50:35.80 ID:LEs3tpnS0

今回はここまでです。

流石に遅すぎですね……申し訳ありません。
スピードアップって何だよ(哲学)
なつきちとか出されても、もうその辺の話忘れちゃったよって人は
1スレ目の>>660付近から読み返してもらうといいと思います。
あと未央のデッキのお披露目は大分先になりそうです……

それでは読んでくださった方、ありがとうございました。

いつも保守してくださる方、毎度毎度ありがとうございます。

594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/15(火) 02:16:40.51 ID:z2gn8MH5O

ここでついになつきちがくるのか
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/04(日) 11:39:28.35 ID:evwJP+ph0
保守
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/19(月) 11:33:01.85 ID:cIqoMx9ZO
保守
597 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/12/21(水) 01:14:16.67 ID:xlC0LiFH0
「リーダー?」

「やっぱりその子、夏樹の知り合い?」

李衣菜「あ、あの……」

夏樹「皆、悪いけど……先に帰っててくれるか?」

「え?」

夏樹「……頼む」

「お、おう、分かった……」
598 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/12/21(水) 01:14:53.41 ID:xlC0LiFH0

…………
………
……



夏樹「…………」

李衣菜「…………」

夏樹「……久しぶり、だな」

李衣菜「うん……」

夏樹「今日は、一人で来たのか?」

李衣菜「ううん、私の今のパートナーと一緒に」

李衣菜「私の好きなロックを、その人にも聞いて欲しくってさ」
599 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/12/21(水) 01:15:54.19 ID:xlC0LiFH0

夏樹「へぇ〜……」

李衣菜「な、何?」

夏樹「いやぁ、とうとうお前にも男が出来たんだと思ってさ」

李衣菜「なっ!?ちっ、違うよ!そんなんじゃないから!」

夏樹「じゃあ、女なのか?」

李衣菜「えっ?い、いや、男の人だけど……」

夏樹「ほら、それじゃあやっぱり……」

李衣菜「もうっ、違うったら!ウチの事務所のデュエルトレーナーさん!」

李衣菜「私のデッキを組まなくちゃいけないから、参考になるかなって思って来てもらったの!!」
600 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/12/21(水) 01:16:33.94 ID:xlC0LiFH0

夏樹「はっはっは、そんなムキになんなって」

夏樹「分かってるよ、相変わらずからかいがいがあるなぁ」

李衣菜「むぅ……」

夏樹「ははは……」

夏樹「……そっか、まだ続けてるんだな、アイドル」

李衣菜「うん……デッキ作るの、中々うまくいかなくってさ」

李衣菜「アイドルになった頃の最初の気持ちを思い出す為に、ここに来たんだ」

李衣菜「そしたらなつきちが、ステージで歌ってるんだもん……びっくりしちゃった」

李衣菜「さっきの人達が、今のなつきちの仲間……なんだね」
601 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/12/21(水) 01:17:11.97 ID:xlC0LiFH0

夏樹「ああ、癖のあるヤツばっかりだけど、本気でロックやろうって連中だ」

夏樹「……事務所辞めてから、そいつらと真剣にロックに向き合ってきた」

夏樹「技術を磨いたり、自分達で曲も作ったりしてさ」

夏樹「それで……ここから、またスタートしたかったんだ」

夏樹「お前と出会ったこの場所から、アタシのロックを……」

李衣菜「…………」
602 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/12/21(水) 01:17:47.69 ID:xlC0LiFH0

夏樹「アタシは、これから自分のロックを磨き続ける」

夏樹「誰もが心を熱くするサウンドを聴かせられる……そんなロッカーになるのが目標だ」

夏樹「一度乗っかったアイドルって道を、中途半端なとこで降りたんだ」

夏樹「今度こそ、最後まで走りきらなくちゃならない」

夏樹「そうじゃなきゃ、示しがつかねぇよ……一緒に進んできたのに裏切っちまった皆にも」

夏樹「それから……傷つけちまった一番の親友にもな」

李衣菜「なつきち……」

李衣菜「…………」
603 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/12/21(水) 01:18:47.23 ID:xlC0LiFH0

李衣菜「……そうだよなつきち、私はすごく怒ってるよ」

李衣菜「私にだけ何にも言わずに突然事務所出てって……」

李衣菜「すごく、ショックだった……なつきちの事、知らない間に傷つけてたのかなって思った……」

夏樹「……いいや、違うぜだりー」

夏樹「一方的にお前を傷つけたのは、アタシの方だ」

李衣菜「出ていくなら出ていくって言ってくれれば、ケンカだって出来たし、文句だって言えたのに……」

李衣菜「なのに、なつきちは……それさえさせてくれなかった」

夏樹「……ああ、お前の言う通りだ」

夏樹「アタシは……大馬鹿だ」
604 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/12/21(水) 01:19:19.07 ID:xlC0LiFH0

李衣菜「そうだよ!なつきちはバカだよ!」

李衣菜「それに、久々に再会してみたら他の人とバンドなんか組んで……」


李衣菜「すごく……」

夏樹「…………」






李衣菜「すごくカッコよかった!!」




夏樹「…………ん?」
605 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/12/21(水) 01:20:01.46 ID:xlC0LiFH0

李衣菜「何あの曲!?すっごい心が震えたんだけど!?」

李衣菜「演奏だって息ピッタリだったし!客席だってあんなに沸かせて!」

李衣菜「私を差し置いて自分だけあんなにロックなライブして!!」

李衣菜「なつきちのばかー!あほー!」

夏樹「お、おいちょっと待て……」

李衣菜「何っ!?」

夏樹「い、いや……何か怒るポイントズレて来てないか?」

夏樹「……アタシは、お前をこれ以上ないって位に傷つけた」

夏樹「さっきお前と再会した時、アタシはお前に殴られる覚悟だった」

夏樹「お前にはその権利がある、なのに……」
606 : ◆gXaDrhyvkE [saga]:2016/12/21(水) 01:20:47.97 ID:xlC0LiFH0

李衣菜「私だって、ビンタの一発でも入れてやろうかと思ったよ」

李衣菜「……ステージの上のなつきちの姿を見た時、正直気持ちの整理がつかなかった」

李衣菜「驚きと、戸惑いと、それからちょっぴりの腹立たしさが混ざって……変な感じだった」

李衣菜「だけどね、曲を聴いてる内に、これだけは分かったんだ」

李衣菜「なつきちは、私の知ってるなつきちのままなんだって」

夏樹「…………!」

李衣菜「なつきちの覚悟が伝わってきたんだ」

李衣菜「本気でこういうロックをやりたかったんだっていう、そんな覚悟」

李衣菜「遠くに行っちゃったみたいで寂しかったけどさ、すっごくうれしかった」
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