【艦これ】提督「なぁ、山城」 山城「なんですか? 提督」 整備士2「幸せの4!」

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258 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/12(月) 21:58:08.05 ID:0CO5HY6K0

【特別編 吹雪 ゴールデンカムイ編】

――とある無人島・浜辺――

吹雪「……」ヒザ カカエ

吹雪「……はぁ」タメイキ

吹雪「(夜中にいきなり起こされて訓練ですってナイフ一本渡されてこの島に放り投げ出されたけど、どうすればいいんだろう)」ハァ

吹雪「(ジャングルみたいな森の中に入ったら毒っぽい蛇とか昆虫とかうじゃうじゃだし、人骨とか転がってるし)」ガクブル

吹雪「(とりあえず食べられそうな物を集めたけど)」チラッ


吹雪「……貝ばっかり、どうやってあければいいんだろう」ハァ


吹雪「とりあえず、ナイフの柄で割ってみることにしよう」ハァ

吹雪「(これ食べてもいいのかな?)」スンスン

吹雪「ええい! 女は度胸! いただきます!!」パクン!


吹雪「……おげえええええ!」ゲロゲロ




259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/12(月) 22:01:07.21 ID:LueTkub3o
全は一、一は全の意味でも探すんか
260 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/12(月) 22:11:30.82 ID:0CO5HY6K0

――その次の日――

吹雪「……はっ!」パチクリ

吹雪「いけないいけない、どうやら毒貝だったようで、脱水症状で死ぬかと思ったよ、あと気絶し過ぎて睦月型一番艦と白露型 4番と一緒に部隊を組んでバカンスをする夢を見てたなぁ………平和だった、うん」ハァ

吹雪「とりあえず、その辺の死体から火薬類でもはぎ取って、火でも起こして、あと、金具を細く伸ばして適当に罠でもつくれば」





リス<<キイー!

吹雪「獲物ゲット!」グッ
261 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/12(月) 22:15:33.85 ID:0CO5HY6K0

吹雪「でも」チラッ

リス<<キィキィ

吹雪「リスって、食べられるんでしょうか?」ウーン

吹雪「普通だったら逃がすけど、でもなぁ」オナカ<<グウー



吹雪「……とりあえず、首をはねるか」つナイフ


リス<<キイイイイイイ(断末魔)





吹雪「内臓にがああああああ!!」グアアアアア!!


吹雪「あ、でも脳みそ美味しい」モグモグ




262 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/12(月) 22:20:35.18 ID:0CO5HY6K0

――その後も――

吹雪「巨大な鷲! なんで日本にこんなでかい鷲が!鷲が!!?」クエエ

吹雪「蜘蛛! さっきの鷲の油で揚げてみれば!」ジュアアアア

吹雪「蛇は皮はぐだけで食べれて、しかも美味しい、万能食だね」ブチブチ




263 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/12(月) 22:27:43.21 ID:0CO5HY6K0

――戦艦『扶桑』・食堂――

山城「……これはなにかしら?」ツマミツマミ

吹雪「猪の血を海水に混ぜ、固めたものです。食べたら元気がでたので、是非山城さんにと思ってもってきました」モッグモッグ

吹雪「他にも蛇や海鳥の卵や肉もたくさんありますから食べてください」モッチャリモッチャリ

山城「……貴方はなにを食べてるのかしら?」

吹雪「カレーです、大変美味ですよ」モッチャリモッチャリ

山城「なら貴方もこれを食べないさ」

吹雪「嫌ですよ、そんなもの」モッチャリモッチャリ

山城「不幸だわー」ヨヨヨ

完!
264 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/12(月) 22:28:53.29 ID:0CO5HY6K0
そんなわけで今日はここまで
おやすみなさい!
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/12(月) 23:02:10.75 ID:61Bs/tELO
乙です
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/12(月) 23:07:11.51 ID:LueTkub3o
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/13(火) 18:46:30.05 ID:KgOSxcq1O
久々に見に来たら間空けすぎてどんな話か忘れてしまったwwwとりあえず更新乙です
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/14(水) 04:55:21.42 ID:Jcal1vXeO
どうしてこうなった
269 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/17(土) 23:07:43.42 ID:tJyay0x+0
米の出荷は地獄だぜ!(赤疲労)

ぼちぼち再開!
270 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/17(土) 23:18:15.01 ID:tJyay0x+0

――海上につながるドック――

吹雪「では、山城さん、カウントを開始します」プカプカ

山城「え? もう終わったの?」on ボート

吹雪「はい! 全機は位置完了しました。あとは起爆するだけです」

山城「早いわね」

吹雪「迅速丁寧がモットーですからね」ニコッ

山城「不幸だわ〜、もう少し、略奪した高級そうな絵とか積もうと思ったのにそんな時間ないなんて不幸だわ〜」ハァ

吹雪「無茶言わないでください、迅速にと教えたのは山城さんですよ。それにもう現金かなり盗ったじゃないですか」ハァ

山城「だって貴方を無罪放免にする資金がもう少し欲しいんですもの」

吹雪「自力でなんとかしま」グラグラグラグラ

山城「…地震?」

吹雪「いえ、この震動は、基地内からのような気も」フム

山城「基地内ネットワークは、つないでないですものね」ハァ

吹雪「つないでもいいですけど場所一発でまるわかりですよ」
271 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/17(土) 23:30:54.22 ID:tJyay0x+0

山城「まぁ、この程度の揺れじゃ、すぐに回復しますね」

吹雪「ええ、この程度、まったくの無問題でしょうね、では起爆しますよ」

山城「あと、一つ聞きたいのですけど、それ起爆されたらどれくらいの威力があるの? 確か新型の爆発物の……ええっと」

吹雪「ゼッフル粒子です……もとは戦前のSF小説に登場する爆発物からとったネーミングらしいですけど、それと同じ効果ですね」

吹雪「爆発はすさまじいです、基地をふっ飛ばすくらいはありますね」

山城「……危なすぎないかしら? それ」

吹雪「ただ起爆するのにすさまじい熱量が必要です、静電気くらいなら発火しないですね。だから要所で、到底爆発物がない場所で小規模爆発させて、あとは基地内にばらまくことにしました」

山城「なるほど、それをまいたってことが必要なのね?」

吹雪「ええ、いくら爆発しずらいといってもうかつに歩くわけにはいきませんからね」ニコッ

山城「貴方も悪だくみがうまくなったわね」ハァ

吹雪「貴方のせいですよ、起爆しますから、離れないでくださいね」




272 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/17(土) 23:33:57.23 ID:tJyay0x+0

――一方、爆発物がない場所では――

磯風「いくぞ、整備士2、爆発させる」

整備士2「オッケ〜イ! 起爆させんよー!」

――もう一か所では――

提督「陸奥(イタリア)! 一応爆破させても少しだけで済むように一歩手前の区画を狙って撃て!」

陸奥(中身はイタリア)「了解です!」ガシャコン!




273 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/17(土) 23:37:28.04 ID:tJyay0x+0

吹雪「発破!」カッ



磯風「起爆!」カッ!



陸奥(イタリア)「てえ」ドゴーン!   カッ>>





274 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/17(土) 23:40:19.30 ID:tJyay0x+0

都市警基地及び旧本部<<ドッカーーーーン!!

吹雪「え? なにこのねつりょ」テンジョウ<<ゴゴゴゴゴゴッ



整備士2『やばい! 磯風ちゃん! そっちに爆発が』

磯風「なに!?」カッ>>



陸奥(イタリア)「あれ? 基地が吹っ飛んだ?」




275 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/17(土) 23:55:18.63 ID:tJyay0x+0

――都市警本部・廃墟――

提督「……陸奥」ケホッ

陸奥「……どっちの陸奥かしら?」

提督「俺のそばにいる方の陸奥だ」

陸奥「なにかしら?」

提督「こっちに来ていた機甲部隊は?」

陸奥「爆発に恐れをなしていなくなったわ」

提督「そうか……」

陸奥「ただ、イタリアは逃がした方がいいわね、今の爆発で海上防衛隊がこっちに向かってきてるわ」

提督「そうか、イタリア、聞いての通りだ、船体を破棄してこっちに逃げろ」

イタリア『了解です』

陸奥「……ねえ」

提督「なんだ?」

陸奥「私を呼んだのって、このため?」

提督「爆発は俺も知らん、そもそも適度に暴れたら逃げるはずだろう?」

陸奥「それは、そうですけど……」

提督「とりあえず、山城を探すか、どこを探せば」ハァ
276 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/17(土) 23:59:16.28 ID:tJyay0x+0

??「山城なら、四ブロックいった先の場所にいる」

提督「あ?」

幹部「今の爆発に巻き込まれたとは思えんけど、早く迎えにいったほうがいいぞ、だって火には勝てんよ、さすがに」

提督「そっか……お前もくるか?」

幹部「わしはいいよ、山城の亭主どの」

提督「……そうだな、行かせてもらうぞ、御老体、いくぞ、陸奥!」ダダダダダッ

陸奥「え? ちょっと、ま」



277 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/18(日) 00:14:05.01 ID:AL7wE43b0

幹部「……やれやれ、無茶する奴だな」ハァ ピピピッ>

幹部「はい、もしもし?」

扶桑『気が済みましたか? お父様』

幹部「まぁまぁだな」

扶桑『基地爆破されたと聞きましたが』

幹部「なに、こんなの再建なんぞどうとでもできる。ただ、もう少し兵の教育が必要だがな」

扶桑『まったく、だいたい孫に会いたいから誘拐するなんて聞いたことがないです』フゥ

幹部「欲しければ全力で奪う、それがわしのモットーだしなぁ」ガッハッハッハッハ!

扶桑『はぁ、でも奪われましたけど』

幹部「それぐらいの気概がないといけんな! まったく、いつくるのか、どんな方法で奪っていくのか楽しみに待ちわびていたからな、でもまさか爆破されるとは思いもせんかったが」

扶桑『で? あの人は合格ですか?』

幹部「……まぁまぁだ」クククッ

扶桑『しかしどんな見た目なんですか?』
278 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/18(日) 00:18:09.80 ID:AL7wE43b0

幹部「わしの見た目か?」

扶桑『ええ、どんな見た目でお会いしたのか気になります』

幹部「二十代の若造だ」

扶桑『……』

幹部「ん? どうした?」

扶桑『いえ、初顔合わせがそんなものでいいのか心配になったものですから』ハァ

幹部「これでいい、人生なるようにしかならんよ」ガッハッハッハッハッハ

扶桑『アノコならこういうでしょうね、不幸だわって』ハァ

279 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/10/18(日) 00:18:40.94 ID:AL7wE43b0
今日はここまで

おやすみなさい
あと小ネタで、なにか読みたいのありますか?
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 00:35:56.21 ID:hnkIrXkDO
乙です
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 01:52:24.83 ID:HQHggPaz0

ハロウィンネタとか?
めんどうだったらいいぜ
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 06:50:31.83 ID:7mgP3wtSo

登場した艦娘の中でまだ旦那出てきてない人いるならその人の話かなぁ
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 20:25:18.46 ID:CETmVeLa0
乙です
山城さんの愛する懐ゲー10選、とか?
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 23:49:39.11 ID:q9+zXSAQo

なんだこれ…ジイさん中身入れ替え自由なのか?
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/28(水) 17:30:45.80 ID:5ydDv0bJo
オルタードカーボンか、それとも変装の達人か
攻殻みたいなサイバネジジイと考えた方が良さげではあるな
286 : ◆vkx/VtAX92 [sage]:2015/10/29(木) 22:20:46.77 ID:O5HIKMGZ0
長らくお待たせしてすみません。
仕事が忙しすぎて更新は来週の月曜まで無理っぽいです。来週に入ったら更新しますのでしばしお待ちください。
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/29(木) 22:22:53.68 ID:xP3gR/Xqo
報告乙
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/29(木) 23:02:15.56 ID:a2MXWHCDO
報告乙です
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/29(木) 23:04:28.25 ID:jlvUnSzJo
おつよー
290 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/11/03(火) 21:09:55.70 ID:wfRUAi+Q0
同僚が過酷すぎてダウンして病院いったら睡眠障害を患ってると診断。上司から俺たちもいけと言われて受診したらまさか全員が睡眠障害だったよチクショー!

そんなわけで軽度の睡眠障害だったけど薬のせいで頭に常に靄がかかってますがぼちぼち更新

あと、今回特別編をお送りします。
291 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/11/03(火) 21:20:20.59 ID:wfRUAi+Q0

特別編『ハロウィン』

――基地・ドック――

磯風「整備士2、トリックオアトリートメントだ」ズイッ

整備士2「やぶから棒になんだい? いっそかぜちゃん」カチャカチャ

磯風「今日はこういえば甘露物がもらえると聞いてな、そしてそれを与えなければ世にも恐ろしいことが起こるらしいぞ」フンス

整備士2「おしいなあ、正解率40パーセントぐらいの答えだよ、それ」カチャカチャ

磯風「……なんだと?」

整備士2「だいたいトリートメントしてどうするの?」

磯風「しらんな……そうか、間違っていたか」フム

整備士2「でも、そんな磯風ちゃんには飴ちゃんをあげよう」ポケットカラ トリダシ

磯風「……ありがとう」ヒョイ パクッ
292 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/11/03(火) 21:29:16.04 ID:wfRUAi+Q0

磯風「ふと、思ったんだが、そもそも、我々は確か山城を救出、いや、この祭りはもう既に日がすぎている気も」アレッ?

整備士2「それ以上いけないぜよ、磯風ちゃん」マッテマッテ

磯風「す、すまない、整備士2」

整備士2「いやいいけどさー、それにしたって、ぼくっちちょっとみたかったかもなー」チラッ

磯風「? なにをだ、整備士2?」アメダマ モゴモゴ

整備士2「いやね、このお祭り、本当はお化けに仮装してやるのが正式なルールみたいでねー、だから磯風ちゃんにはぜひともサキュバスのようなエロい格好を」

磯風「フンヌっ!!」ドゴオオ

整備士2「ごほおお!」フットビ
293 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/11/03(火) 21:39:05.70 ID:wfRUAi+Q0

磯風「まったく、整備士2の性欲にも困ったものだ」アメ モゴモゴ

整備士2「ごおおお……」ノタウチマワリ

磯風「しかし、整備士2よ、この日のために用意したものが無駄になりそうだ」

整備士2「……!? よ、よういしたものって、なんですかいな?」ウゴゴゴゴ

磯風「整備士2だったらすさまじく喜びそうなもの、とだけ言っておくか、ただ準備にかなり時間を有してしまうものだ」フム

整備士2「磯風ちゃん、トリックオアトリートメント!」ビシッ

磯風「ふふっ、話が早いな、ならば受け取れ」つ


磯風「磯風特性『秋刀魚のあまだれ蒲焼丼』だ」デロデロデロデロオオオ


整備士2「(……死んだな)」



その後、整備士2、二週間の入院となった。

完!


あんまりかけないので今日はここまで。マジで頭がぼおっとします。
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 21:39:47.12 ID:tyR99/kwo

ちゃんと治しきってくれ
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 21:42:58.10 ID:E934HX7EO
乙です
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 01:01:18.30 ID:UnKsnGXrO

体にお気をつけー
297 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/11/24(火) 20:33:00.17 ID:bBWjls+00
しっかり治療しようと思ったら結構たってしまった

そして、やっと治りかけたのにグラ―フさんがでずに毎晩毎晩潜水艦を殴り続けているのにでない。
教えてくれ、俺はあと何人のゴーヤを解体すればいいんだ?

そんなこんなで久々に更新
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 20:35:08.42 ID:kE97jWNSo
待ってた
299 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/11/24(火) 20:41:14.06 ID:bBWjls+00
久々なので前回のあらすじ

山城とまだ見ぬ我が子が誘拐され提督怒りのコマンドー

――基地・廊下――

提督「つっても、罠仕掛けすぎてなかなか進まねえな」ケンジュウ<<ドンドンドンッ

陸奥「仕方ないわよ、この先の区画、重用施設が多いみたいですし、侵入者よけにはこれぐらいがいいのよ」ホウトウ<<ドンドンッ

提督「だが、多すぎる、おい、イタ……陸奥! 船体は放棄しても艤装は残ってるな? 外側から砲撃で2区画破壊してくれ! そのあとは自力で突破する」

陸奥(中身 イタリア)『でも、奥さまが』

提督「安心しろ、あいつは4ブロック先だ、さっきの奴の話が正解なら巻き込まれる心配はねえ」

イタリア『了解です、破壊を』ザザッピッ

提督「? どうした、陸奥、応答しろ、陸奥!?」
300 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/11/24(火) 20:51:57.47 ID:bBWjls+00

イタリア『……電波……がい……』ザザーッ

提督「きれた、陸奥、お前繋がるか?」

陸奥「いいえ、こっちもだめね、それとGPSは死んでるけど、艤装の位置相互機能が起動してるわ」

提督「艦娘機能が作動したってことは、電波障害か? しかし、こんな場所でやるか?」

陸奥「やらないわ、ここ、都市警にとって重要区画ですし、やったら大変よ、修復と復旧作業が」

提督「(俺たちの他に誰かいるのか?)」

陸奥「まぁ、いいわ、ここで船体艤装を使うのはまずいけど、観測されなきゃいいんですし、私が撃」ヒュルルルルルルーー




<<ドッゴーン!

301 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/11/24(火) 21:12:32.16 ID:bBWjls+00

――

磯風「ジャミング、正常に起動、ユーナック疑似システムで補強を開始」

整備士2「ご、ごめんね、いっそかぜちゃん」ハァハァハァ

磯風「いいから休め、整備士2、まさか爆破されるとは思わん」

整備士2「ごめんねぇ」PC<カタカタカタカタ

磯風「やめろ、整備士2。ジャミングシステムは磯風が調整する、そもそも早く治療をしないといけないぞ」

整備士2「で、でもね、もしものときって」

磯風「だから安心しろ、この磯風一応のプログラミングは習得済みだ」

整備士2「でもですたい」

磯風「なら一つ面白いことを教えてやる」




磯風「私は、処女だ」




整備士2「へ?」
302 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2015/11/24(火) 21:24:54.71 ID:bBWjls+00

整備士2「へ?」

磯風「む、聞こえなかったのか、磯風は処女だ、まだ男に抱かれたことが」

整備士2「いや、だって、ぼくっちは脱童貞して、そのお相手が、え?」

磯風「ああ、あれか、あれはだな……」


磯風「整備士2がデータを渡した時逆にハックして、一部の記憶を流し込んだ、それと服を脱がしてな、寝たことはあるが、寝ただけだぞ」フンス


整備士2「No. no,no,Nooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!」バタン

磯風「……あまりのショックに気絶したか」フム

磯風「ま、まぁあれだ、あまりにショックならどうしても、というならばだ、覚悟はしてるぞ、整備士2」//









グラ―フ着たあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!ので、すこし休憩、というか寝ます

きたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!

114周にしてきたあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 22:07:29.48 ID:/agHfu79o
お、おめでとう
俺はプリン堀だぁ……
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 22:28:12.13 ID:2togodMJo
乙です
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 22:58:32.32 ID:kE97jWNSo
プリンツもグラもこねえよおめ乙
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/25(水) 12:48:32.16 ID:YJ2NjM47O
乙おめ!
甲堀シンドイよ…もうでっちは休んでいい。あ、まるゆ様はどうぞこちらへ!
307 : ◆vkx/VtAX92 [sage saga]:2015/11/26(木) 18:21:29.33 ID:VdjFD8Cn0

小ネタ劇場『奥様方』

――前鎮守府近郊の町――

飛鷹「ごめんください」ドアベル<<カランカラン

祥鳳「はい、いらっしゃ……ってあら、めずらしいですね、お久しぶりですっ」

飛鷹「近くによったのよ、軍品の独逸交流で流れたワインがあるって聞いた物でね」ハァ

祥鳳「手に入りましたか?」クスッ

飛鷹「ぼちぼちよ、ぼちぼち」つボトル

祥鳳「あら、このワイン、なかなかの上物じゃないですか」

飛鷹「どうだか? 怪しいものよ。もしかしたらラベルだけ変えられた偽物かもしれないわ。テイスティングもさせてくれないんですもの、ラベルみて、色見て買うなんて二流のすることでしょうに」イジイジ

祥鳳「それは、また、大変ですね」

飛鷹「まったく、いいわねえ、私も旦那が軍にいるままだったらこんなに悩まなくてもいいのに、旦那ときたら直接みて、それで買ってこいだなんて、たまにあいつが嫌になるわ」ハァ

祥鳳「でも、そこが好きなんですよね」フフッ

飛鷹「それは、まぁ」ゴニョゴニョ

308 : ◆vkx/VtAX92 [sage saga]:2015/11/26(木) 18:31:49.68 ID:VdjFD8Cn0

祥鳳「なにか作りますね」

飛鷹「そこにあった、B定食で頼むわ」

祥鳳「はいはい、ちょっとまっててくださいね」

飛鷹「できるならなるはや、量少なめでいいから丁寧で」

祥鳳「ここのは皆どれも丁寧に作ってますから安心してください」

飛鷹「……私よりもあんたの方が食事当番だったら人気だったわね」

祥鳳「飛鷹さんは量より質でしたね」ホイホイット

飛鷹「だから将校には好かれたけど兵には不評だったわ」ハァ

祥鳳「でも、旦那様と出会えたじゃないですか」

飛鷹「肝心のあいつは将校どころかたまたま基地にきてた卸業者ってとっても素敵なお話だったけどね」
309 : ◆vkx/VtAX92 [sage saga]:2015/11/26(木) 18:47:49.91 ID:VdjFD8Cn0

祥鳳「……でも私は少しうらやましいですよ」ジャージャジャ

飛鷹「そう?」

祥鳳「だって、作戦が始まればなかなか会えなくて、それに、あの人、今は左腕だけですけど、いつか小さな箱か、黒紙(戦死公報)が来るんじゃないかって眠れなくて」ジュアジュー

飛鷹「でも、子供産めたんでしょ? 三人目、お腹の中にいるし」

祥鳳「……」ジュージュー

飛鷹「ある意味究極の選択よね、子供産めるか、それとも旦那がそばにいるかって」

飛鷹「だって、予備役の状態だと子供産めないし、かといって旦那が軍人だとそうなるし」ハア

祥鳳・飛鷹「「……」」

祥鳳「もう少しでできますね」

飛鷹「ごめんね」グスッ




310 : ◆vkx/VtAX92 [sage saga]:2015/12/09(水) 13:33:50.92 ID:zzAGdtcL0

陸奥「ごめんくださーって、あら?」ガラリ

飛鷹「だからねー、あいつって肝心な時にいっつもいっつもいなくなるのよー、この前なんてー」グデングデン

祥鳳「わかりますわかります、そういう時って辛いですよね」ウンウン

陸奥「あらあら、珍しい顔がいるわね」コマッタワ

飛鷹「あらあらって、陸奥久しぶりね〜」グデングデン

祥鳳「もう終わりですか?」

陸奥「そうね、ちょっと早番だったから、ここにきたんですけど」アラアラ

飛鷹「きいてよー、私の旦那がね〜」グデングデン
311 : ◆vkx/VtAX92 [sage saga]:2015/12/09(水) 13:38:01.16 ID:zzAGdtcL0

陸奥「どうかしたのかしら?」

飛鷹「最近かえりが遅いともってついていったらねー、あの野郎……」






飛鷹「……zz」グースカーピー

陸奥「あら、寝ちゃったわね」クス

祥鳳「どうも相手してもらってすみませんでした」

陸奥「いいのよ、私も楽しめたし」クスクス
312 : ◆vkx/VtAX92 [sage saga]:2015/12/09(水) 13:40:12.74 ID:zzAGdtcL0

祥鳳「でも、せっかくの早番だったのに」

陸奥「早番っていっても、私一人で楽しんでも、半減しちゃうわ。だからちょうどよかったのよ」ニコッ

祥鳳「そういっていただけると、私も嬉しいです」ホッ

陸奥「だから、取って置きのいいお酒、お願いね」

祥鳳「かしこまりました」ビシッ




313 : ◆vkx/VtAX92 [sage saga]:2015/12/09(水) 13:47:43.23 ID:zzAGdtcL0

陸奥「いやな世の中ねえ」ハァ

祥鳳「何がです?」

陸奥「軍人さんばっかりがいい思いする世の中よ、いや、いい思いってわけじゃないですけど、予備役の状態だと艦娘の記憶が強くて、妊娠しても普通の医者に見せられないから、妊娠できないってのが嫌になるわ」

祥鳳「……私みたいに近くに軍人がいればいいんですけどね」

陸奥「普通の家にはいったら何かあっても手遅れになることが多くて、下手すれば、子供、もう産めなくなるしね」

祥鳳「……すみません」

陸奥「貴方が謝ることないじゃない、私が言ったんですし、それに、そのことについて、もうなにも思ってないわ。涙も枯れ果てちゃった」
314 : ◆vkx/VtAX92 [sage saga]:2015/12/09(水) 13:53:46.43 ID:zzAGdtcL0

陸奥「でも、たまに思うことがあるのよ、もしも深海棲艦なんて現れず、私も艦娘にならず、普通の、ごく普通の暮らしして、あの人とであって、そうしたら今頃、あの人の赤ちゃん、いえ、ちゃんと産まれてたらもう6歳ですもんね、もしかしたら、二人目もいたかもしれない生活があったんじゃないかって」

祥鳳「……」

陸奥「だから、そういうことにあこがれはあるわ、昔からの考えだけど、幸せってやつはね、ま、今ではどうでもいいんですけど、赤ちゃん、帰ってくるわけじゃないし」

祥鳳「……付き合いますよ」ウツワ ゴトン

陸奥「私、酒豪よ? 赤ちゃんに悪いわ」

祥鳳「コーラだから、大丈夫です」ニコッ

陸奥「あらあら」ウツワ カチャ

祥鳳・陸奥「「乾杯」」カチンカチン

完!
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/09(水) 21:00:51.41 ID:HOPhp1Jno
むっちゃんまじか?幸せであってほしいわ
316 : ◆vkx/VtAX92 [sage]:2015/12/23(水) 17:22:56.36 ID:skUMKFF60

提督「あー、死ぬかと思った」ガレキ<<ガシャガシャ

陸奥「生身で瓦礫を盾にしたけど、普通は死ぬわねえ」ヤレヤレ

提督「仕方ねえだろ、これしか方法ねえんだし」アードッコイショ!

陸奥「相変わらず、半分人間辞めてるわね」

提督「そうしねえと山城も俺も死んだしな」

陸奥「じゃあ、いきますか」テ パンパン!

提督「そうだな」ヨウショット
317 : ◆vkx/VtAX92 [sage]:2015/12/23(水) 17:27:52.72 ID:skUMKFF60

提督「早く、山城迎えにいかねえと」

陸奥「赤ちゃん、可愛いでしょうね」

提督「ああ、俺の子だ、可愛いに決まってる」

陸奥「親ばか」プッ

提督「なんとでもいえ」プイッ

提督「ともかく、砲撃を頼む」

陸奥「了解!」ガシャコン
318 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/01/16(土) 14:17:54.56 ID:xyTfk0Nu0
ひっさびさになって申し訳ありませんでした

新年も半月たっちゃったけど、ぼちぼち更新
319 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/01/16(土) 14:24:25.93 ID:xyTfk0Nu0

――海上――

吹雪「おー、やっぱり誘爆してますね」ソウガンキョウ ソウチャク

山城「ふっこうだわー、不幸だわー まさか危うく爆発に巻き込まれるなんて」

吹雪「いいじゃないですか、間一髪で脱出できたんですし」ニコッ

山城「結果オウライ過ぎないかしら? やっぱり火薬の量が……」

吹雪「いえ、それにしては誘爆の仕方がおかしいから別件ですね、テロかな?」ウーン

山城「で? これからどうするの?」クビ カシゲ

吹雪「とりあえず、逃げましょうか」

山城「ふっこうだわ〜 会話のキャッチボールって知ってるかしら?」

吹雪「知ってますよ、どこに逃げようかってことですよね?」ウーン
320 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/01/16(土) 14:29:11.74 ID:xyTfk0Nu0

山城「今ので基地守備隊来てるわね」ハァ

吹雪「あれでこなかったらとんだ怠慢ですね」ウンウン

山城「しかも旗艦は戦艦の日向でしょうね」ハァ

吹雪「そうですね、緊急時は戦艦が駆けつけますし」

山城「つんでるわ」ハァ

吹雪「なんとかしますよ、そのために爆破したんですから」ニコッ

山城「……」ジーッ

吹雪「? なんですか?」

山城「あなた、笑顔に死神が張り付いてるわよ」

吹雪「貴方に鍛えられましたから」ニコニコ

山城「いうわね」フッ

吹雪「誰かに鍛えられましたしね」ニコッ
321 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/01/16(土) 14:31:36.64 ID:xyTfk0Nu0

山城「死んでも守る、なんて死んでもごめんよ」

吹雪「それだけはしませんよ、命を無駄にするくらいなら敵陣に突っ込んで弾よけになった方がマシです」

山城「一人前のことをいうわね」

吹雪「貴女に鍛えれられましたしね」ニコッ



急用、続きは夜にでも
322 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/16(土) 14:46:58.85 ID:3tn0ydOkO
おかえりあけおめ
323 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/16(土) 15:48:36.46 ID:ucfjHeA1O
乙ー
324 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/01/16(土) 20:51:48.92 ID:xyTfk0Nu0

山城「で? それで作戦はあるの?」

吹雪「ええ、私が大暴れしてる隙に山城さんは逃げるって寸法です。で、山城さんが安全圏まで離脱したら、私も逃げて、ばいばいサヨナラって作戦ですよ」

山城「大雑把すぎないかしら!?」

吹雪「だって、作戦考えるの、苦手なんです」ハァ

山城「……よしんば、それで武器は? 武器しだいならいけるかもしれないけど……」

吹雪「ええ、武器がよければいけますね、でも、普通の艤装と大砲が一門あるだけなんですけどね」テヘッ

山城「……一ついわせて」スゥ




山城「ふっこうだわーー!」


325 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/01/16(土) 20:54:26.80 ID:xyTfk0Nu0

吹雪「いきなり大声あげないでください、耳鳴りが……」キーン

山城「仕方ないじゃない、作戦なんておこがましいわ! よくそれで脱出作戦なんて考えたわね」

吹雪「だって、これくらいしか思いつかなかったんです。それに、死ぬ気はありませんよ」

山城「……武装は?」

吹雪「はい?」

山城「武装は、本当に一門しかないの?」

吹雪「ええ、これ一門、前の整備長がくれた大砲しかありません」つ大砲
326 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/01/16(土) 20:56:13.32 ID:xyTfk0Nu0

山城「援護射撃は?」

吹雪「いりません」クビ フルフル

山城「何キロ先まで逃げればいいのかしら?」

吹雪「半径二十キロって所ですかね?」

山城「そう……」

吹雪「ええ」

山城「……吹雪」

吹雪「なんですか? 山城さ」ギュット ダキシメラレ
327 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/01/16(土) 21:03:19.95 ID:xyTfk0Nu0

山城「生きて帰ってきなさいな、貴女はまだまだ教えることがたくさんあるんですから」ギューット

吹雪「ええ、まだまだ教えてもらってませんよ、マザーメダロットの倒し方とか」

山城「あれは何度もやってればCPがバグるからそれ狙うしかないわ」

吹雪「マジですか……」

山城「……じゃ、そろそろ」

吹雪「ええ、そろそろですね」

山城「貴方も、早く来なさいね」ビシッ

吹雪「ええ、全力で追いつきます」ビシッ



吹雪「いってきます」



328 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/01/16(土) 21:03:47.56 ID:xyTfk0Nu0
今日はここまで

おやすみなさい
329 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/16(土) 21:44:49.16 ID:u9mi+ny4o

330 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/16(土) 22:43:29.39 ID:Khc1dpO/O
乙です
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/28(木) 17:37:32.89 ID:7dDP0uTfO
やっと追いついたで!山城かわええなぁー!
332 : ◆vkx/VtAX92 [sage]:2016/02/07(日) 22:43:17.51 ID:4rtiat7e0
すげー久々になったけど、明日更新します
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 22:45:15.53 ID:lXVUBFiDo
報告乙
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 05:29:32.45 ID:W5+yzxVcO
全裸待機しときます
335 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/02/08(月) 21:01:51.76 ID:pglKfYgN0

その日、守備隊旗艦である航空戦艦日向はじわりと額に汗が噴き出、背筋を冷たく濡れていくのが他人のように思えていた。

日向「――化け物め」

独り心地につぶやいた言葉は、普段の自分とは似つかないほどの弱事であった。
彼女を知る者ならば思わず目を見開いたことだ。

常在戦場を理念と掲げ、上に立つ士官たる者として、油断と弱音とは無縁である女が日向という艦娘であった。
だが、それを忘れるほどに、日向が戦場掌握のために飛ばした試作型晴嵐から齎される情報は常識の範疇を軽々しく越えるものであった。
336 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/02/08(月) 21:12:20.60 ID:pglKfYgN0

――全滅だった。

駆逐艦4隻、軽巡洋艦2隻、軽空母2隻、正規空母1隻

これが日向の所属する海上警備部隊のスクランブルに際する動員戦力である。
全てが艦娘としてではなく、海上軍艦としてのカタチを取っている。だが、それらが全滅だった。

それも、わずか15分という一時間の四分の一にしか満たない、ほんのわずかな時間であることが恐ろしい。
いや、それよりも恐ろしいのは、この惨劇を作り出した犯人も日向の晴嵐は捕らえていた。

それは、わずか一人の艦娘だった。
337 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/02/08(月) 21:24:45.76 ID:pglKfYgN0

形相は、さながら船の墓場のようだ。

いまだに浮力を持ち、なんとか洋上にあるが、しかし、水底に沈むのも時間の問題だろう。
その中に、幽鬼めいて独りの艦娘が佇んでいた。

一見すれば女学生のような、ありふれたセーラー服を着ている。
しかし、顔面を覆うフェイスマスクは中世ヨーロッパの騎士が被る鎧にも見える。見方を変えるならば、黒のヴェールのようにも見えた。

そして、手には風変りな、かつての大日本帝国海軍の軍艦の砲台を象った銃をもち、背には艦娘特有のエンジンを兼ねた背嚢を背負っている。

だが、その背には、天を付くように、一門の砲身が伸びていた。
338 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/02/08(月) 21:27:29.41 ID:pglKfYgN0

そうして、おもむろに、その艦娘は手を伸ばす。無論、何を狙っているのか、日向は理解した。

晴嵐の高度を上げようと命じた途端、映像が途切れた。

しかし、日向は見逃さなかった。

その艦娘の、ヴェールに覆われていない口元が歪み、凄惨な笑みを、凶相を見せたことに。

まるで、次の獲物はお前だ、と言わんばかりに嗤ったことに。
339 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/02/08(月) 21:29:49.35 ID:pglKfYgN0

日向は急ぐ。
一刻も早く、あの化け物と戦うために。だが、いいしれぬ不安を、これまでに感じたことのないものを感じていた。
理由なんぞない、それは人を直観と呼ぶものだろう。
それは警鐘を告げている。

――近づくな、あれに触れれば首を狩り取られるぞ、と

だが、急ぐ。
戦艦であるが故、艦娘であるがゆえに、日向は船を進めた。
340 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/02/08(月) 21:30:30.71 ID:pglKfYgN0
短いですが、ここまで

仕事が忙しくてなかなか更新できなくて、すみません。明日はもっと進めます。
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 21:56:43.84 ID:o6TL4B6WO
乙です
342 : ◆vkx/VtAX92 [sage]:2016/03/01(火) 22:53:25.99 ID:08l53e+A0
色々あって書ける時間なく、今年は更新少なくてごめんなさい
明日更新します
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 22:57:22.68 ID:fpfDFPpqo
344 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/03/02(水) 22:25:40.83 ID:IqTc4lQ50

吹雪「あ、当たった〜」フゥ ヤレヤレ

吹雪「いやー、山城さんとの訓練、適当にやってただけなのに命中率が上がっててよかった」ホッ

吹雪「でも、戦艦くるみたいだし、早く移動しよう」ローラーダッシュ





吹雪「(なんでこんなことになったんだろうなー)」ハァ

吹雪「(そもそも、お母さんをいい病院入れたかっただけなのに、絶対戻れない所まで来てるよね、これ)」ハァ

吹雪「(てか、養成所に居た時にあの変なおっさんが声かけた時点で終わったのかも)」ハァ

吹雪「(いやいや、そんなこと言ってる場合じゃないよね、これ)」チラッ

マワリ<<死屍累々

吹雪「(よくて銃殺刑?)」ウーン
345 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/03/02(水) 22:29:26.25 ID:IqTc4lQ50

吹雪「(いくら艦橋をはずしてるっていっても、気絶させちゃってるし)」チラッ

吹雪「(第一、捕虜にする前に殺すつもりかもしれないし)」チラッ

吹雪「(……あー、なんでこんなことになったんだろう)」トオイメ

吹雪「少し前まで、座学がいいだけの女の子だったのに」ハァ

吹雪「ま、いっか、敵、きたし」ウン

ヒュウガ<<ドゴンドゴン

吹雪「山城さん、逃げるまで時間稼がなきゃ」ガシャコン

吹雪「私がやっつけちゃうんだから!!」キュイイイイイン!!




346 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/03/02(水) 22:39:21.22 ID:IqTc4lQ50

――一方そのころ――

??「久しぶりですね、磯風」ザッ

磯風「はぁはぁ、お、お前は!」マンシンソウイ

??「息災、というわけではなさそうですが、生きていて何よりです」

磯風「ば、馬鹿な! なぜここにいる!? ここにお前がなぜいるのだ!?」

??「ここに、谷風と浦風がいれば、同窓会なのですがね」

磯風「浜風!!」

??→浜風「本当に、お久しぶりです」

磯風「くっ!」ガシャコン

浜風「無駄です」パンッパンッ!!

磯風「ぐう!」ソウコウ ハジケ
347 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/03/02(水) 22:49:36.24 ID:IqTc4lQ50

浜風「半壊した強化外骨格なんて、ただの的ですよ、こんなおもちゃ(拳銃)で装甲がはじけます」フゥ

磯風「ちっ!」パージ

浜風「投降してください、あなたでは勝てませんよ、磯風。なんとかしてあげます」

磯風「偉くなったものだな、浜風」ハァハァ

浜風「偉くなったのはあなたでしょ? 磯風」

磯風「そうか? この磯風、いまだただの一兵卒にすぎないが?」ハァハァ

浜風「そうです。あなたは変わらない、だからそれが偉くなった証拠ですよ」カシャコン

磯風「浜風?」ハァハァ

浜風「だから、うっかりすると」

磯風「(殺気!)」キュピーン!

<<ドッコーン!!

浜風「うっかり、殺したくなっちゃうんですよね」ニッコリ
348 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/03/02(水) 22:58:05.06 ID:IqTc4lQ50

浜風「だから、投降しないでください。私が貴方を殺せれば、それだけで気分爽快だから」ドゴンドゴン!!

磯風「ぐぅ!!」カイヒ

浜風「ちょこまかと、鼠のようですね」ドゴンドゴン!

磯風「くっ!」ガシャコン!

浜風「遅いですよ」ドゴン!

磯風「がぁ!!」コロガリ

浜風「チェックメイトです」ジャキン

磯風「……があった?」

浜風「はい?」

磯風「なにがあった? かつての浜風、お前は、そんな奴じゃなかった」

浜風「……」

磯風「仲間思いで、簡単に銃を向ける奴じゃなかった。なにがあった? はまか」ドゴン!
349 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/03/02(水) 23:00:33.29 ID:IqTc4lQ50

浜風「うるさいです、耳障りですよ、磯風」ニコッ

磯風「浜風」ハァハァ

浜風「磯風、あなたにはわからないでしょうね」ニコッ



浜風「味方の死肉の味なんて」ケラケラ


350 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/03/02(水) 23:09:56.91 ID:IqTc4lQ50

磯風「……」

浜風「あのあとですね、あなたが政治のごたごたで満足に訓練も受けられないままに実戦に配備されたあと、同じようなごたごたに巻き込まれたんですよ」

浜風「南方戦線に送られ、文字通り地獄を見ました」フフッ

浜風「艦娘ってだけで味方の尻ぬぐい、撤退の殿(しんがり)を任せられるは、上は私を体のいい捨て駒としてしか見ていないは、殴られて気絶したら犯されるわ、散々でしたよ」

浜風「でも、お腹が空くのだけは勘弁ならなかった」

浜風「弾も燃料も、手元にあっても、私を人間として見てくれるひとはいなかった」

浜風「だから、必要以上の食料も持たされず、すぐ底をついたあげく、ジャングルの中を歩き回って、深海棲艦から逃げて、それで最後は死肉を喰らっていきました」

浜風「死にたくないから、でした」
351 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/03/02(水) 23:14:52.84 ID:IqTc4lQ50

浜風「でも、そんな理由じゃない、私だけじゃないって思えたからですよ」

磯風「浜風?」

浜風「あなただって、ひどい戦場に送られた、私と同じように満足に食料も食べれず、千切れた腕や脚はそのままで放置されている」

浜風「でも、貴方は、磯風は死なずにいきてる、またいつか会える。それが私の心の支えでした」

浜風「そのあと、戦線が安定し、役目無用になった私は運よくここに引き取られました」

浜風「千切れて、もう修復もできなくなった手足に義手義足をつけて、ね」ケラケラ

浜風「そうして、ある時、貴方を見ました」

浜風「大きな鎮守府の盛大な式典で、男と楽しそうに笑って歩く貴方の姿を」

浜風「あのあと、調べましたが、腕を修復したそうですね」
352 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/03/02(水) 23:19:37.47 ID:IqTc4lQ50

浜風「でも、満足にうごく腕をあなたは持ってた」

浜風「だから、更に調べたら、あなたは実戦にでていないそうですね」

浜風「私は怨みましたよ」

浜風「貴方は幸せに生きてる。でも、私はみじめに生きている」

浜風「この違いはなんなのか、絶望しました」

浜風「だから、貴方を殺すって、決めたんですよ。磯風」

磯風「浜風……」

浜風「だから、さよならです」ガシャコン

磯風「……浜風」

353 : ◆vkx/VtAX92 [saga]:2016/03/02(水) 23:20:28.40 ID:IqTc4lQ50
今日はここまで
続きは近いうちに
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/02(水) 23:31:08.98 ID:n+oZxH/jo
乙です
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/27(日) 23:11:48.20 ID:HVvK+MPSO
マダー?
356 : ◆vkx/VtAX92 [sage]:2016/04/02(土) 22:14:49.12 ID:A8Cg1xdF0

整備士2「――はーい! そこまで!!」ポチットナ

浜風「うっ!」ドサッ

磯風「整備士2!?」

整備士2「いっそかぜちゃん、一人にするなんてさびしいヨ」ケラケラケラ

磯風「い、いや、それより、整備士2、傷は――ん?」クビカシゲ
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 08:14:15.67 ID:taDT3/tho
乙?
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