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瑞鶴「もう二度と離さない」
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118 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
:2015/06/12(金) 07:49:40.46 ID:lJa1hltvO
こちらではお久しぶりです。
後少しで雪風の方が一段落つくので、それからこちらを更新します。早ければ明日、遅くとも7日以内に更新する予定です
もう少々お待ちください
もう少し先になりますが、雪風が終わったら当面の間こちら一本に絞りますので更新スピードが上がる筈です……
では、また来ますね
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/06/12(金) 09:36:10.51 ID:BTMVFQQSO
了解です
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/06/12(金) 11:03:22.11 ID:1RN3NCn5o
了解
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/06/13(土) 09:22:26.76 ID:weGxeC5w0
応援してますよー
122 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/19(金) 23:19:26.44 ID:6Ei6P9RuO
陽炎「司令、みんな、お待たせ!!」
提督「待っていたぞ」
陽炎「北方の敵艦隊を撃破するまでに時間がかかっちゃったから、ね」
提督「損害は無かったんだな?」
陽炎「浦風が至近弾で損傷しちゃったけど、戦闘には影響ないわ」
提督「そうか。では敵主力艦隊へ突撃してくれ。制空権は瑞鳳と瑞鶴で死守している。今ならば上空にそれ程気を取られずに接近出来る」
陽炎「うん! 私達だけで終わらせれるように頑張るから!」
提督「ああ。頼んだぞ」
陽炎「みんな、突撃するわよ!!」
不知火「隊列はどうしますか? 複縦陣にしますか?」
陽炎「単縦陣!」
不知火「分かりました。では、参りましょう」
陽炎「みんなあと一斉射分は魚雷が残っているわよね? 発射準備は整えておいて」
初風「了解。それまでは?」
陽炎「主砲を撃って撃って撃ちまくるわよ!」
初風「予想通りの返答をありがとう」
陽炎「何、皮肉?」
初風「皮肉じゃ無くて嘲笑」
陽炎「ふーん、初風も言うようになったわね」
初風「私はどっかのお馬鹿な姉の妹だからね」
陽炎「不知火、あんた酷い事言われてるわよ?」
不知火「言われているのは陽炎です」
陽炎「不知火も酷いわね」
不知火「事実ですから」
陽炎「もう少し姉を敬ってくれてもいいと思うんだけどね〜っと、そろそろ敵戦艦の射程に入るわね……敵に気付かれるまではこのまま直線的に行くわよ。みんな絶対に気を抜かないでね!」
全員「はい!!」
…………。
123 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/19(金) 23:20:14.47 ID:6Ei6P9RuO
ル級「!?」ズドーン!!
陽炎「敵に気付かれた! 回避! 回避!!」
バシャーン
陽炎「みんな無事?」
舞風「みんな無事だよ! 陽炎お姉ちゃん!」
陽炎「ん! 敵に気付かれたから回避運動始めるわよ!」
磯風「陽炎、一つ聞きたいのだが」
陽炎「何?」
磯風「敵の重巡がこちらに向かってきてるぞ」
陽炎「分かってるわよ。でも、これで良いのよ」
磯風「そうなのか?」
陽炎「そうよ。出来れば私達だけで敵主力艦隊を撃破したいんだけど、しょうがないわね」
磯風「ん? 何かあるのか?」
陽炎「まあね。だけど私達はいつも通り全力を尽くすのみよ。敵重巡が射程に入り次第集中砲火で落とすわよ」
雪風「はい! 頑張ります!!」
陽炎「そうね。期待してるわよ」
雪風「はい!!」
陽炎「比叡さん、聞こえますか?」
比叡「聞こえるよ! 何か敵の戦艦と重巡が陽炎ちゃんの方に砲撃を始めたけど、大丈夫?」
陽炎「今は大丈夫です。出来れば、敵の攻撃が私達の方に集中している内に敵の戦艦を倒して貰えると助かります」
比叡「分かった! じゃあ、こっちは被弾覚悟で敵の戦艦を落とす!」
陽炎「お願いします! こっちは重巡と空母を狙います!」
比叡「こっちが終わったら援護射撃するから!」
陽炎「はい! 通信切ります!」
124 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/19(金) 23:20:44.93 ID:6Ei6P9RuO
比叡「熊野、その場に止まって!」
熊野「何を言っているんですの!? 止まったら格好の的ですわ!!」
比叡「攻撃は今陽炎ちゃん達に集中してる。目下の脅威は陽炎ちゃん達の魚雷だから」
熊野「それでもリスクはありますわ」
比叡「このまま撃ち合って弾切れを起こすよりはマシ。それに、陽炎ちゃん達が作ってくれたチャンスだもん。活かさない手はないよ」
熊野「……分かりましたわ。従います」
比叡「ありがと」
熊野「行きますわよ……第一主砲発射!!」ズドーン!
比叡「第一主砲撃てぇ〜!!」ズドーン!
バッシャーン
比叡「近!! 仰角微調整! 続いて第二主砲撃てぇ〜!!」ズドーン!
バッシャーン
比叡「近!! 仰角再調整!! 第三主砲発射!!」ズドーン!
ズドーン!!
ル級「!!?」
比叡「敵戦艦に命中!!」
熊野「とぉぉおぉおおおお!!」ズドーン!
ズドーン!
ル級「!!?」
熊野「私の主砲も命中しましたわ」
比叡「このまま押し潰す!! 第四主砲発射!!」ズドーン!
125 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/19(金) 23:21:24.14 ID:6Ei6P9RuO
陽炎「比叡さんが敵の戦艦を落とした!!」
不知火「敵重巡がそろそろ射程に入ります」
陽炎「みんな、砲撃戦に入るわよ!! 準備はいい?」
磯風「この磯風に任せろ」
谷風「谷風さん、磯風には負けらんねえなぁ」
天津風「時津風、行くわよ」
時津風「雪風〜撃って撃って〜!!」
雪風「はい!!」
初風「あんた達はもう少し緊張感を持ちなさいよ」
舞風「野分、一緒に頑張ろ〜!!」
野分「そうね」
陽炎「お喋りはそこまで! 目標敵重巡! 全艦砲撃開始!! 全門斉射!! ってぇ〜!!」ズドン! ズドン!
リ級「!!?」
陽炎「弾幕を絶やさないで!! 撃て! 撃て!!」
リ級「!!?」
不知火「流石に駆逐艦の方では重巡の装甲は中々破れませんね」
ズドーン!!
リ級「!!?」
舞風「重巡が爆発した!!?」
陽炎「比叡さんと熊野さんの援護射撃ね!!」
不知火「陽炎、敵の主砲が全て使用不可になってます」
126 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/19(金) 23:21:50.34 ID:6Ei6P9RuO
陽炎「主砲は敵の重巡に固定。だけどこのまま敵の空母を落としにかかるわよ!! 全艦最大戦速!!」
全員「了解!!」
陽炎「沈め!!」ズドン!
リ級「」
陽炎「やった!! 沈んだ!!」
不知火「あとは敵空母のみですね」
陽炎「雷撃準備!! 取り舵!!」
陽炎「…………全艦魚雷一斉射!!」バシュッ
ヲ級「!!?」
ヲ級「!!」
野分「一隻が回避中!! もう魚雷が!!」
陽炎「ゴーヤ、今よ!!」
伊58「魚雷発射!!」
ズドーン!!
………………………………
………………
……
127 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/19(金) 23:24:39.94 ID:6Ei6P9RuO
訂正
>>25
提督「以上が今回の演習参加艦になる。呼ばれなかった卯月と文月、時雨、浦風、磯風、長波は鎮守府近海の哨戒任務に当たってくれ」
訂正後
提督「以上が今回の演習参加艦になる。呼ばれなかった卯月と文月、時雨、谷風、磯風、長波は鎮守府近海の哨戒任務に当たってくれ」
128 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/19(金) 23:28:36.76 ID:6Ei6P9RuO
今日はこれで終わりです
次回の更新でオリョールは終わりです
なかなかこちらを更新出来なくてすみません……
どうやら浦風を二回カウントしており、谷風を入れ忘れていたので訂正です
また来ますね!
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/06/19(金) 23:32:00.31 ID:JzjoHcyJO
乙です
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/06/20(土) 10:02:12.16 ID:7iBwdKQSO
乙です
131 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
:2015/06/25(木) 09:27:11.21 ID:iIBtZmixO
おはようございます。
恐らく今日の夜に更新かけます。
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/06/25(木) 09:44:31.77 ID:9PZhV3LSO
了解です
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/06/25(木) 11:36:03.66 ID:n2hbdB5Yo
把握
134 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
:2015/06/25(木) 22:50:15.26 ID:pdwIrXluO
提督「もうこの海域に敵の反応はないな」
乗組員「はい! 各レーダー共に反応ありません!」
提督「了解した。御苦労だったな」
乗組員「いえ、もったいなきお言葉……っと艦長、第三艦隊より連絡が入ってます」
提督「繋いでくれ」
乗組員「はい」
夕張「提督聞こえます?」
提督「ああ」
夕張「こちら第三艦隊は、東部オリョール海南方の敵輸送艦隊を2つ殲滅しました。提督の予想通り、敵の輸送艦が出張ってました」
提督「私からは何もフォローが出来なかったが、良くやってくれた。お前達に損害は出ているか?」
夕張「最初に遭遇した敵艦隊の戦艦の砲撃で摩耶が、軽空母の艦載機による至近弾で青葉と川内が小破してますが、それ以外は特には無いです」
提督「その後の敵艦隊は無傷で済んだんだな?」
夕張「はい。島影に沿って敵艦隊に接近して、敵の軽空母に奇襲をかけて撃沈するのに成功したので、敵艦隊は混乱に落ち入り統率が全く取れなくなってましたから」
提督「本当によくやってくれたな夕張」
夕張「はい! どういたしましてです!」
提督「では、お前達も朝霧に帰投してくれ。周囲の索敵、警戒は済んでいるか?」
夕張「バッチリです!」
提督「流石だ。打ち合わせた合流地点まで来てくれ。そこで合流だ」
夕張「了解です!」
……………………。
135 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/25(木) 22:50:44.49 ID:pdwIrXluO
響「司令官、第一艦隊戻って来たよ」
提督「お疲れ様。よくやってくれた」ナデナデ
響「これは……中々いいな」
秋月「ぁ……」
響「司令官、彼女にも私と同じ事をしてあげてくれないか?」
提督「秋月、来なさい」
秋月「あ、いや、私は……」
提督「来るんだ」
秋月「はい……」
提督「素晴らしい活躍だった。対空射撃は誰よりも正確で、艦隊防空の要を任せるに足るものだった。ありがとう」ナデナデ
秋月「あ、ありがとうございます……!!」
提督「二人は奥で休んでなさい。じきに他の艦隊の子も帰ってくる。ゆっくり出来るのは今だけだ」
響「そうだね。秋月、行こう」
秋月「はい!」
提督「お前達も奥でゆっくり休むと良い。特に比叡と熊野は他の誰よりも集中力が必要なポジションでの戦闘だった。かなり疲れているだろう?」
熊野「そうですわね……少し疲れてしまいましたわ。では、お言葉に甘えてお休みさせて頂きます」
提督「目が覚めたら私の所に来てくれ。今日気付いた事はその時に話そう。お前達もその方がいいだろう?」
比叡「そうですね……流石に今から話し合いは辛いかも……」
提督「だろうな。ゆっくりして来なさい」
比叡「はい! では、また後で!」
136 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/25(木) 22:51:14.16 ID:pdwIrXluO
瑞鶴「提督さん、ただいま!」
瑞鳳「ただいま、提督!」
提督「おかえり。瑞鳳、瑞鶴」
瑞鶴「提督さん、瑞鶴のフォローをしてくれてありがとね!」
提督「私は当たり前の事をしただけだ。それに実際に艦載機を動かしていたのは瑞鶴、お前だ。初めての実戦はどうだった?」
瑞鶴「すっごく緊張したけど、何とか大きな失敗はしないで済んだかな」
提督「初めての実戦で緊張するのは極々あまり前の事だ。それが普通だ」
瑞鶴「うん!」
提督「二人も疲れただろう。奥で」
陽炎「司令!!」バッ ギュー
提督「おっと……その声は陽炎か。おかえり」
陽炎「うん! ただいま!! 私達凄く頑張ったよ!!」
提督「お前ならやれると信じていたよ。完璧だった」ナデナデ
陽炎「えへへへへ!」
舞風「あ〜!! 陽炎お姉ちゃんが提督に撫でられてる!! いいないいな!! 舞風にもやってよ〜!!」
初風「あーあーダラシない顔しちゃって。そんなんじゃ私達妹に示しがつかないわね」
陽炎「司令にだけなんだからいいでしょ!」
初風「はいはい」
時津風「雪風〜しれ〜の頭に登ろ登ろ〜!!」
雪風「そんな事したら司令、怒っちゃいますよ!!」
時津風「大丈夫大丈夫!!」
舞風「提督! 私の頭撫でて!!」
陽炎「こら、舞風!!」
瑞鶴「後で出直そうか」
瑞鳳「……そうね」
………………………………
………………
……
137 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/25(木) 22:54:11.80 ID:pdwIrXluO
東部オリョール海域を制圧し、資源地帯を手に入れる事が出来た。これで私達はこの終わりが見えない戦争の継続力は増した。これらは全て彼女達のお陰だ
そして、今回の作戦で確信できた事がある。多数の艦隊で一つの海域を攻めるのは有効であった。やはり少数での出撃よりも圧倒的に生存率が上がる。そして、奇襲を受ける可能性も減る
しかし、まだまだ課題は残っている。最も重大な欠点は出撃して外洋に出る艦娘の数が多ければ多いほど、鎮守府の護りは脆弱なものになることだ
艦娘の数を増やすか……いや、今これ以上艦娘を増やしても育成が追いつかない。無理をしたら瑞鶴や伊58の育成にも支障が出るだろう。それは少しずつ戦力を増やして行く方が良いだろう
では、国内の鎮守府に援軍の派遣を要請するか……これも駄目だ。他の鎮守府も人員が足りない。こちらに戦力を割いて貰うのはほぼ不可能だろう
そうなるとやはり、鎮守府は通常の艦艇で防衛するのが最も現実的だ。だが、果たして回して貰えるかどうか……
まあいい、そちらは後日瑞鳳と詰めよう。
それよりも、今はあの娘達を褒めてやらないとな。彼女達は命を賭けてくれているのだから
………………………………。
138 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/06/25(木) 22:55:35.21 ID:pdwIrXluO
今日はこれまでです!
今、雪風の方で苦戦しているのですが、多分次の更新は雪風の方になります。多分……
また来ますね!
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/06/25(木) 23:13:51.51 ID:hzAmlFUOO
乙です
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/06/26(金) 10:04:54.66 ID:8cqXarJSO
乙です
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/06/26(金) 13:01:38.19 ID:KXBT2P9M0
乙です
142 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
:2015/07/21(火) 15:33:22.38 ID:5gaZ7O6oO
こちらではお久しぶりです!
今日か明日の夜に更新する予定です。
出来なかったらごめんなさい……
また来ますね!
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/07/21(火) 16:18:44.10 ID:Aefxw5dRo
了解
144 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/07/22(水) 23:16:59.90 ID:mRWGUJTzO
鎮守府
瑞鳳「じゃあ、作戦の成功を祝して……乾杯!」
全員「かんぱーい!!」
瑞鳳「提督、お疲れ様でした!」
提督「お前達の頑張りのお陰だよ。ありがとう」
瑞鳳「いえ……そんなこと……」
瑞鶴「私、提督さんのフォローが無かったら何も出来なかったと思うんだ。だから、やっぱり提督さんのお陰だよ!」
提督「実際に艦載機を操ったのは私では無い。瑞鶴が自分で動かしていたのだからな」
瑞鶴「でもやっぱり〜」
提督「お前は艦娘になってから日が浅いのにも関わらずに私の期待に応えた。十分過ぎる働きだ」
瑞鶴「う、うん」
提督「瑞鳳も良くやってくれた。言葉にはしていなかったが、瑞鶴のフォローをしていたな」
瑞鶴「そうなの!?」
瑞鳳「やっぱりバレちゃってたか」
瑞鶴「ごめん、本当にありがと」
瑞鳳「ううん。私が勝手にやってた事だから気にしないで」
瑞鶴「私って迷惑かけてばっかりだね……」
145 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/07/22(水) 23:21:47.39 ID:mRWGUJTzO
瑞鳳「そんなことないよ! 私だって最初は失敗ばっかりだったんだから!」
瑞鶴「そうなの?」
提督「ああ。瑞鳳も最初は苦労したな」
瑞鳳「そうね。完全に手探りで艦載機の運用を模索したもんね」
瑞鶴「どういうこと? 手探り?」
提督「私が着任した当時……と言ってもそれ程前の話では無いのだが、空母は殆ど運用されていなかったんだ。ただ唯一呉では鳳翔が着任していたのだが、かつての戦争の様な運用が難しいという理由で放置されていた」
瑞鶴「えっ!? 鳳翔さんもいるの!?」
提督「ああ。他の空母だと、舞鶴に龍驤と赤城、呉に加賀と千歳、佐世保に蒼龍と千代田、飛鷹がいたかな?」
瑞鶴「そうなんだ!? へー、私達以外にもいっぱいいるんだね!」
提督「会う機会があるといいな。……話が逸れたな。当時唯一空母を配下に置いていた呉が何もしなかった為、情報は皆無だった。そして、そのような時期に瑞鳳が来てくれたんだ」
瑞鳳「提督ったら、最初私を見た時に驚いてたよね」
提督「まさか本当に空母が出来るとは思っていなかったからな。最初の建造で空母なんて聞いた事がない」
瑞鳳「そうだね〜」
瑞鶴「そんなに珍しいの?」
提督「ああ。当時は完全に海を封鎖されていたから資源もかなり少なかった。だから他の鎮守府ではより少ない資源で建造をし、艦娘の数を増やす事を重視していた。だが、私は航空戦力の必要性を思い知った為空母の建造を重視したんだ」
瑞鶴「じゃあ、瑞鳳って特別なんだ……」
提督「ああ、この子は特別だな」
瑞鶴「っ……」
提督「瑞鳳が着任してからも本当に大変だった。空母艦娘の特性や艦載機の特性を探り、更に運用方法を探り、戦術を探りと、試行錯誤の繰り返しだった。だが、その苦労のお陰で今の空母の運用方法が確立したのだから、あの毎日は有意義だったな」
瑞鳳「うん! 提督のお陰で私達に限らず他の鎮守府の空母も闘えるようになったんだもんね!」
146 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/07/22(水) 23:22:43.97 ID:mRWGUJTzO
瑞鶴「提督さんと瑞鳳って本当に凄いね」
提督「どうした瑞鶴。顔色が悪いぞ? 体調が悪いのか?」
瑞鶴「そういう訳じゃないんだけど、ちょっと、ね……」
提督「何かあったのならば言いなさい。私の言動が原因ならば詫びよう」
瑞鶴「ううん! 本当にそんなのじゃないの! ただ、提督さんと瑞鳳って凄く強い絆があるんだなって……ね」
瑞鶴 (そう、私が入り込む隙間が無いくらい……)
瑞鳳「あっ……」
提督「……そういう事か。瑞鶴」
瑞鶴「えっ!? 何!? 分かったの!?」
提督「何となくだがな……瑞鳳は最も付き合いが長い艦娘の一人だ。だから信頼関係が厚いのは当たり前の事だ。それに比べ瑞鶴は最近着任したばかりで、まだお互いの事を知りきれていない。そうだろう?」
瑞鶴「まあ……」
提督「だが間違いなく、今後共に進むに連れて私と瑞鶴の間で信頼関係は築かれるだろう。お前にとってのスタートラインはそこからではないのか? だから今落ち込む必要は無い」
瑞鶴「うん……」
提督「だが一応警告はしておこう。私はお前の上官だ。それは分かっているな?」
瑞鶴「うん?」
提督「ならば私と特別な関係になりたいなどと考えるのは止めておいた方が良い。もしもこれが杞憂ならばそれで良いのだがな」
瑞鶴「うぇっ!?」
提督「…………お前もだぞ、瑞鳳」
瑞鳳「そんなの関係無いもん!」
提督「と、まあ言う事を聞かないのもいるんだがな」
瑞鶴「陽炎ちゃんもそうだよね?」
提督「まあ……そうだな」
147 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/07/22(水) 23:23:58.37 ID:mRWGUJTzO
瑞鶴「ねえ、提督さん」
提督「なんだ?」
瑞鶴「私、頑張ってみる! 提督さんに振り向いて貰えるように!」
提督「冗談……では無いんだな」
瑞鶴「うん。まだこれが恋心なのかは分からないよ。だけど、私は提督さんに対して好意を持ってる。それは間違いないと思うんだ」
提督「…………はぁ……」
瑞鶴「もしかして……嫌?」
提督「そうではない。だが、司令官としては好ましい状況ではないな。場合によっては艦隊運用に支障が出る」
瑞鶴「でも、提督さんとしては、嫌だって思っている訳じゃないんだね?」
提督「お前を嫌がる理由はないからな」
瑞鶴「その言い方はちょっと傷つくかも……」
提督「すまない」
瑞鶴「じゃあ、頭撫でてくれたら許してあげる」
提督「何を言っているんだ」
瑞鶴「じゃないと許してあげないからね」
瑞鳳「提督?」ムッ
提督「……分かった。瑞鶴、瑞鳳。来なさい」
瑞鶴「ん」
瑞鳳「はい!」
陽炎「あ!! 司令! ずるい!! 私も撫でてよ!!」タッタッタッ
舞風「提督〜! 私も頑張ったから撫でてよ〜!」
時津風「あー司令がみんなと遊んでるー! 時津風も遊ぶ遊ぶー!! 雪風も行くよー!」
雪風「わっ!? 引っ張らないで下さい〜!!」
148 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/07/22(水) 23:24:24.24 ID:mRWGUJTzO
初風「また始まったわ……」
野分「うぅ……」
初風「ん? あんたも混ざりたいの?」
野分「いえ……陽炎姉さんや司令に迷惑がかかりますから……」
初風「大丈夫よ。あんたが入ったところで何も変わらないわよ。行って来なさい」
野分「は……はい……」トコトコ
初風「ねえ、不知火姉さん」
不知火「なんですか?」
初風「野分って、ああ見えて甘えん坊よね」
不知火「そうですね。流石は陽炎の妹です」
初風「その理論だと、私や不知火姉さんまで甘えん坊になるんだけど?」
不知火「事実ですから」
初風「はっ?」
不知火「陽炎型はみんなそうですよ。全員甘えん坊です」
初風「……不知火姉さんって鋭いのか鈍いのか時々分からなくなるわ」
不知火「傷付きました。お詫びに不知火の頭を撫でて下さい」
初風「全然面白くないわよ」
不知火「そうですか」
初風「不知火姉さんの冗談って笑えない」
不知火「陽炎ならば笑うのですが」
初風「陽炎姉さんは沸点が低いだけよ。陽炎姉さんが特別なの」
不知火「ふむ」
初風「ほんと、陽炎型って変人ばっか……」
……………。
149 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/07/22(水) 23:27:17.08 ID:mRWGUJTzO
提督「そろそろお開きにするぞ。残りたい者は残るが良い。明日は近海の哨戒と遠征班以外は休みにする」
比叡「さっすが司令!!」
提督「何かあれば私の部屋に来なさい。それと、このあと部屋を散らかしたらその者が責任もって片付けろ。では、後は自由にしてくれ」ガチャッ
瑞鳳「瑞鶴はこの後どうするの?」
瑞鶴「どうしよっかな〜」
川内「帰らせないよ〜!! 今日は朝まで夜戦だ〜!!」
瑞鶴「や、夜戦!?」
川内「それに今日のメインは瑞鶴とゴーヤなんだから帰っちゃやだー!!」
熊野「そうれすわ!! すぃかくが帰りゅなんてわたくひ熊野が許しましぇんわ!!」
瑞鶴「いや、熊野は部屋に戻った方がいいわよ」
熊野「そんなことにゃいれすわ!!」
瑞鶴「ごめん、私は熊野を部屋に送るついでに戻るよ」
川内「ちぇ! じゃあゴーヤは貰ってくから! ゴーヤ! 夜戦だよ!!」グイッ
伊58「や、やめるでち!!」
川内「比叡、ゴーヤを連れて来たよ〜」
比叡「朝まで一緒だからね!」
伊58「だ、だれか助けてくだち!!」
瑞鳳「私も熊野運ぶの手伝うね」
瑞鶴「うん、お願い。せーの!」
熊野「とぉぉぉぉぉおお……」スウスウ
瑞鶴「重……」
…………。
150 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/07/22(水) 23:27:48.88 ID:mRWGUJTzO
パタン
瑞鶴「重かった……」
瑞鳳「寝てるを運ぶの、大変だもんね……」
瑞鶴「まあ、無事に部屋に送る事が出来てよかったね。ありがと」
瑞鳳「どういたしまして! もう、瑞鶴は寝るの?」
瑞鶴「そのつもり。でも、その前にお風呂入ってくる。瑞鳳は?」
瑞鳳「もう先にお風呂入っておいたから大丈夫。じゃあ、私先に寝るね! おやすみ!」
瑞鶴「おやすみ〜」
瑞鶴「それじゃ、お風呂入っちゃお。誰もいなければいいな〜」スタスタ
乗組員「っ!!」タッタッタッ
瑞鶴「あれ? あの人って朝霧の乗組員だよね? どうしたんだろ?」
乗組員「中将! 入ります!!」ガチャッ バタン
瑞鶴「何であんなに慌てて……」
「……です! ………………と……は……!!」
「……と!? それは…………か!?」
「……………………です!」
「…………った…………に手…………」
「…………します!」
バタン タッタッタッ
瑞鶴「今のは一体何だったの……!?」
瑞鶴「…………なんか嫌な予感がする……」
………………………………。
151 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/07/22(水) 23:30:03.12 ID:mRWGUJTzO
今日はここまでです!
久しぶりに日常編書きましたが、なんて楽なんでしょうか
砂糖吐きそうになりながら書きましたが……
また来ますね!
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/07/22(水) 23:30:58.04 ID:Ps6rn1OcO
乙です
153 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/06(木) 02:42:08.11 ID:COwaYRGfO
翌日
コンコン
提督「瑞鳳いるか?」
瑞鳳「提督? 入っていいよ」
提督「失礼する」ガチャッ
瑞鳳「提督何か飲み……何かあったの?」
提督「ああ」
瑞鳳「すぐ行きます。瑞鶴、ちょっと行ってくるね」
瑞鶴「うん……でも、行く前に教えて。提督さん、何があったの?」
提督「そんな大した事ではない。ちょっとしたトラブルだ」
瑞鶴「嘘。私昨日見ちゃったんだ。提督さんの部下の人が凄い慌てて提督のところに行ったの」
瑞鳳「瑞鶴! 盗み聴きしてたの!?」
瑞鶴「違うよ! ただ、あの後お風呂に向かってたら偶然見ちゃただけなの! 内容までは聴いてないよ!」
提督「分かった。それならば仕方ない……瑞鶴も一緒に来るんだ」
瑞鶴「いいの?」
提督「このまま何も言わなければ、無根拠な憶測などが鎮守府に広がる恐れがあるからな。それに、お前も気になってしょうがないだろう?」
瑞鶴「まあ……」
提督「二人とも先に行っててくれ。私は陽炎を連れてくる」
瑞鳳「はい!」
…………。
154 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/06(木) 02:42:50.76 ID:COwaYRGfO
提督「待たせたな」
瑞鳳「いえ、大丈夫です」
陽炎「一体何があったの? 私達だけを突然呼び出すってことは、何かあったんでしょ?」
提督「そうだ。実際にこれまでで一番の非常事態と言えるだろう」
瑞鳳「教えて下さい……」
提督「…………欧州へ向かった呉、佐世保、舞鶴3鎮守府の主力艦隊が壊滅した」
陽炎「嘘……でしょ……!?」
提督「本当だ。数名は何とか帰還したそうだが、ほぼ全員が轟沈したとの事だ」
瑞鶴「提督さん……まさか」
瑞鳳「私達が代わりに行かなければならないのね?」
提督「ああ。間違い無くかなり厳しい戦いになるだろう」
瑞鶴「大湊は一緒に出撃しないの?」
提督「大湊はガラ空きになる本土の防衛の為に出撃しない事になっている」
瑞鶴「なんかズルい……」
提督「今回戦力が壊滅した3鎮守府は、これから戦力の再構築をする事になる為、防衛能力は皆無に等しい。また、私達は大湊が横須賀の防衛をする為、全戦力を今回の作戦に投入出来る。関節的にだが、大湊のお陰で私達は最大戦力で作戦に赴く事が出来るのだよ」
瑞鳳「でも、私達だけでは呉、佐世保、舞鶴連合艦隊の半分程度の戦力です。連合艦隊でも勝てなかった敵に私達が勝てるとは思えません」
提督「真っ正面からならば瑞鳳の言う通り不可能だろうな」
陽炎「何か策があるのね?」
提督「一応だがな。それと、連合艦隊よりも有利な点がある」
陽炎「有利な点?」
提督「まだリランカ島はこちらの手の内にある。連合艦隊の様にリランカ島の攻略を行う必要がない。そして、策に関してだが……」
提督「奇襲を行う」
………………………………。
155 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/06(木) 02:43:28.14 ID:COwaYRGfO
リランカ島
提督「そろそろ夕方になるか」
瑞鳳「とうとう作戦開始ね……」
提督「そうだな。不安か?」
瑞鳳「うん……だけど、提督が考えた作戦だもん。私頑張るからね!」
提督「ありがとう」
陽炎「司令! そろそろよね?」
提督「そうだ。近海の様子は?」
陽炎「問題なし! 潜水艦の反応も無いわ!」
提督「敵の偵察機も確認出来ず。条件は揃ったな」
夕張「提督。一応最後に作戦内容と艦隊編成の再確認をお願いしたいかな」
提督「分かった。作戦内容から確認する。作戦内容はアンズ環礁に巣食う敵艦隊及び飛行場を壊滅させる事にある。あくまでも制圧では無く壊滅だ。この艦隊がドイツとコンタクトを取り帰投する時間さえ稼げれば良い。その為には迅速な進軍が不可欠となる。それを心がけてくれ」
全員「はい!」
提督「艦隊編成の確認だ。第一艦隊旗艦瑞鳳。随伴艦に瑞鶴、秋月、電、雷の4名。第二艦隊旗艦陽炎。随伴艦に不知火、野分、舞風の3名。第三艦隊旗艦初風。随伴艦に雪風、天津風、時津風、浦風、磯風、谷風の6名。第四艦隊旗艦川内。随伴艦に長波、響、時雨、夕立、春雨の5名。第五艦隊旗艦比叡。随伴艦に熊野、青葉、摩耶、夕張の4名。そして潜水部隊のゴーヤと囮部隊の卯月、文月だ」
夕張「で、この前言われた通りに動けばいいのよね?」
提督「そういう事だ。当たり前だが、各々臨機応変に行動してくれ」
全員「はい!」
提督「作戦を始めよう。お前達旗艦は随伴艦全員に朝霧へ乗り込む様に伝えてくれ。出撃だ」
………………。
156 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/06(木) 02:43:58.26 ID:COwaYRGfO
アンズ環礁沖
提督「瑞鳳、陽炎、初風、川内、比叡。配置に着いたな?」
川内「着いた着いた! 早く夜戦させてよ! やーせーん!!」
提督「少しお前は黙るんだ」
川内「えー」
提督「横須賀へ戻ったら私が直々に白兵訓練を行おう」
川内「いや、それだけは!」
提督「己の愚かさを呪うがいい」
川内「そんな……」
提督「第一艦隊以外は別命あるまで待機。瑞鳳と瑞鶴は艦攻隊を発艦させよ」
全員「了解!」
提督「これは詰め将棋のような物だ。一手間違えれば一気にこの作戦は瓦解する可能性がある。絶対に気だけは抜くなよ」
全員「了解!」
提督「夜襲を開始する! 艦攻隊は『車懸かり竜巻戦法』を実施せよ!」
157 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/06(木) 02:44:52.79 ID:COwaYRGfO
今日はこれで終わりです!
また来ますね!
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/06(木) 06:02:26.86 ID:vfleB2ako
乙です
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/06(木) 11:21:03.39 ID:G6MaBmoSO
乙です
160 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/21(金) 23:49:52.62 ID:QxUQB6JNO
闇夜の中、瑞鳳と瑞鶴の導きに従い流星が飛び行く。向かうは比叡の32号水上電探が捉えた敵艦隊であった。
「多分この近辺にいるはずなんだけど……」
「瑞鶴、お前の流星隊もまだ敵艦隊を視認出来ていないか?」
「うん……」
瑞鳳と瑞鶴は初めての戦法であるからだろう、二人の顔から緊張と戸惑いを見て取れる。
瑞鳳と瑞鶴は夜間での航空機の誘導という、不慣れな事をさせてなお周囲の警戒させるのは危険である為、艦載機を射出後は朝霧の艦橋で艦載機の指揮を執らせていた。
「焦らなくてもいい。見落としだけに気をつけろ」
「はい……」
「うん……」
返事も精彩が欠いている。やはり、夜間の飛行の指揮はかなり厳しいのだろう。
「あれ?」
瑞鳳が何かに気付いたような声をあげた。そして、緊張と焦りで蒼ざめていた顔はみるみる赤みを帯びて、終いには喜色を浮かべた。
「見つけた!!」
「よくやった! 座標は?」
「データを転送します! 瑞鶴にも送るからこっちに誘導して!」
「了解! すぐに向かわせるわ!」
瑞鶴の顔からも焦りの色が消えた。
「うん! 提督、私の航空隊はどうすればいいの?」
「爆弾を装備した流星以外は敵の上空を旋回させるんだ。瑞鶴の航空隊は私の指示があるまで近くで待機させろ」
「「了解!」」
「敵艦、対空射撃を開始しました!!」
「今だ! 敵の対空砲火の光を狙え!!」
「雷装流星、全機雷撃開始!!」
瑞鳳の掛け声から十数秒、轟音が当たり日に響き渡った
161 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/21(金) 23:50:21.61 ID:QxUQB6JNO
提督「敵の状態は!?」
瑞鳳「敵重巡大破! 機関停止!!」
提督「よくやった! 上空に残していた艦爆でそいつを狙え!」
瑞鳳「爆装流星、全機急降下!!」
ヒューン ズドーン!!
瑞鳳「敵艦炎上!! やったぁ!!」
提督「瑞鶴、別の艦にも同じく雷撃、爆撃の順で攻撃を行うんだ!!」
瑞鶴「うん! 対空砲火確認! いっけぇ!!」
ズドーン!!
瑞鶴「敵戦艦、機関停止! そして炎上し始めたわ!!」
提督「完璧だ! 瑞鶴、瑞鳳は朝霧から退艦し、近くにいる秋月、雷、電と合流。合流後艦載機の着艦の為に灯火管制を行え。指示を出したらに照明灯を点灯させるんだ」
瑞鳳「了解!」
提督「第四艦隊、炎に照らし出されている敵の艦隊に向けて突撃!」
川内「待ってました!! 夜戦だぁ〜!! 第四艦隊全艦突撃よ!!」
提督「文月、卯月! 探照灯照射!! 前もって知らせた座標へ向かって最大戦速で航行!!」
文月「ふぁ〜こわいよこわいよ〜」
卯月「探照灯照射だぴょん!!」
ズドーン! ズドーン!
卯月「うびゃぁぁ!!?」
文月「うってきたよ〜!!」
提督「瑞鳳、瑞鶴。敵が探照灯に惹きつけられている間に照明灯を点灯! 着艦させるんだ!」
瑞鶴「は、はい!」
162 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/21(金) 23:51:43.03 ID:QxUQB6JNO
文月「しれいか〜ん! てきがずっとついてくるよ〜!! こわいよ〜!」
卯月「たすけてほしいぴょん!!」
提督「初風。その位置から文月と卯月は見えるな?」
初風「すぐ近くね。よく見えるわ。ついでに敵も丸見えよ」
提督「魚雷を斉射した後に敵の横から殴り込むんだ。出来るか?」
初風「当たり前よ」
提督「同士討ちにだけは気を付けるんだ。必ず可能な限り陣形を維持。それだけでも被害や指揮系統の混乱は抑える事が出来る」
初風「大丈夫よ。私達に任せなさい」
提督「頼むぞ。第三艦隊、行動開始!!」
初風「了解!!」
提督「陽炎」
陽炎「ん。なあに?」
提督「文月が照らし出している敵艦隊が見えるか?」
陽炎「初風が襲っているのと別の、戦艦や重巡がゴロゴロいるやつ?」
提督「そうだ。頼めるか?」
陽炎「うん! もちろん司令の為なら!」
提督「気を付けろよ」
陽炎「ありがと! じゃあ、また後でね!!」
陽炎「不知火! 野分! 舞風! 第二艦隊行っくわよー!!」
不知火「陽炎、また惚気てましたね」
舞風「あはは! 陽炎お姉ちゃん顔真っ赤〜」
野分「あ、舞風……そんな事言ったら……」
陽炎「何で真っ暗なのにそんなことが分かるのよ!」
舞風「陽炎お姉ちゃん可愛い〜!」
陽炎「もうっ! ほら、行くわよ!!」
不知火「了解」
陽炎「いつも通り肉薄するわよ! 二水戦の誇り、見せつけてやるのよ!!」
163 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/21(金) 23:52:09.76 ID:QxUQB6JNO
提督「比叡。各艦隊が敵の遊撃部隊や主力艦隊と交戦に入った。今なら邪魔をされない筈だ」
比叡「はい! さっすが司令ですね!」
提督「いや、これはみんながよくやってくれているからだ。私はそのキッカケを作ったに過ぎない」
比叡「それでも、私は尊敬しますよ」
提督「そうか。ありがとう」
比叡「はい!」
提督「さて、全員三式弾又は零式弾を装填しているか?」
比叡「私の第一主砲の一門以外には全て装填済みです!」
提督「うむ。では、射撃地点に移動後すぐに始めてくれ」
比叡「了解!」
提督「あと少しで瑞鳳と瑞鶴の爆撃機が発艦可能になるから、援護で回そう。それまでは第五艦隊だけで頑張ってくれ」
比叡「司令の御期待にお応え出来る様に頑張ります!!」
提督「ああ」
比叡「射撃地点に到着! 行きます!!」
比叡「照明弾発射!! 続いて全艦、砲撃開始!! 全門斉射!! 撃て〜!!」ズドーン!!
泊地水鬼「ッ!!?」
………………………………
………………
……
164 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/21(金) 23:54:00.24 ID:QxUQB6JNO
比叡「敵泊地沈黙!! 壊滅させる事に成功しました!!」
提督「終わったか……」
瑞鳳「提督、この後は独逸まで行きますか?」
提督「そうだな」
瑞鳳「分かりました。みんな、一旦朝霧に帰投しま……」
天津風「あれ?」
初風「どうしたの?」
天津風「何か水中から音が……」
提督「なんだと!? 第三艦隊対潜戦闘準備! 止まると魚雷でやられる! すぐに動くんだ!!」
初風「了解! 全員ペアを組んで攻撃と観にに役割を分けなさい! グズグズするんじゃ無いわよ!!」
天津風「浮上して来てるわ!!」
初風「え!? なんですって!?」
天津風「あと少しで完全に浮上するわよ! みんな警戒して!!」
バッシャーン!!
U511「み……つけ、た!!」
天津風「ええ!?」
初風「……艦娘!?」
U511「たすけ、て!」
初風「え?」
U511「ユーをたすけて!」
初風「提督、どうするのよ?」
提督「朝霧に連れてきてくれ」
初風「分かったわ。ちょっと一緒に来て」グイッ
U511「は、い……」
………………………………。
165 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/22(土) 00:01:18.85 ID:C7YwcKxyO
今日はこれで終わりです
無事夏イベ完走しました。このSSで江風と風雲と照月を出したいと思ってきました(笑)
また来ますね!
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/22(土) 00:59:45.75 ID:RXAGdbddO
乙です
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/22(土) 09:46:42.48 ID:aJGzYGlSO
乙です
そういや艦これ未実装だけど旧日本軍に夜間戦闘機月光ってのあったんだよな
168 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/22(土) 22:45:56.05 ID:um9iMNsw0
>>167
ありましたね。確か極光に斜銃を取り付けて夜間戦闘機化したとか……
いつか運営が月光を実装してくれるといいですね!
実は月光を出そうか迷ったのですが、今回は史実の戦法にあやかって、第七五二航空隊の野中一家が得意としていたこの車懸かり竜巻き戦法を少しだけアレンジして出してみました。
(艦これSSで一度この戦法を使ってみたいという小さな夢が叶いました)
幸運な事に丁度ゲームの方でも艦載機の熟練度が実装されたので、高練度を要求されたこの戦法的にも丁度良かったですね。
今日は更新出来ません……申し訳ありません!
169 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/26(水) 22:45:09.80 ID:dmCi+6+rO
朝霧
提督「初風、ご苦労だった」
初風「これも任務の一つよ。で、私は出て行った方がいいのかしら?」
提督「そうだな……頼む」
初風「一応部屋の外で待機してるから、何かあったら呼び出すのよ」
提督「ああ」
初風「それじゃ」ガチャッ パタン
提督「さて」
U511「ぅぅ……」
提督「改めて聞こうか。君の名前を教えてくれないか?」
U511「ユ、U-511……」
提督「U……では、君はドイツのUボートの艦娘か。そして……511と言うと……」
U511「ユー、前は、日本に来た、よ……」
提督「やはりか。そうすると日本では……」
U511「呂500って……呼ばれた……」
提督「やはりか。では、伊58の事は知っているか?」
U511「うん……知ってる」
提督「そうか。今は出撃しているが、暫くしたら戻る。その時に紹介しよう」
U511「ダンケ……」
170 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/26(水) 22:46:50.20 ID:dmCi+6+rO
提督「で、だ。君がこの様な所にいる理由を話してくれないか。初風に助けてと言っていたと聞いたが」
U511「…………」
提督「話したく無いか?」
U511「あ、の……」
提督「ゆっくりでいいぞ」
U511「あの、ね…………ドイツが……」
提督「ドイツが?」
U511「みんな、死んじゃった……」
提督「なんだと!?」
U511「ひっ!?」
提督「すまない。だが、どういうことなんだ。もう少し詳しく説明して貰えると助かる」
U511「何から、話せばいい、の?」
提督「そうだな……では、君が生き残った理由とドイツの現状を教えて欲しい」
U511「分かった……」
171 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/26(水) 22:47:52.97 ID:dmCi+6+rO
U511「ユーはね、イタリアに行ってた、の」
提督「イタリア? 何か理由があったのか?」
U511「イタリアと、連絡が、取れなくなった、から……」
提督「君がイタリアの様子を探れという事だったのかな?」
U511「うん」
提督「で、イタリアの様子はやはり」
U511「艦娘も、人間もいなかった……深海棲艦しか、いなかった、よ」
提督「そうか……」
U511「それでね、ドイツにね、戻ったらね……みんな死んじゃってた……」
提督「誰も艦娘が残っていなかったのか?」
U511「ビスマルク姉さんも、マックスもみんな、みんな居なかった……」
提督「人間は……?」
U511「地上もね、深海棲艦の砲撃や、爆撃を……いっぱい、いっぱい受けてた……」
提督「だが、それならば」
U511「もう、地上には草木も無かった……」
提督「何故だ……何故そこまでして……」
U511「それでね、ユー、逃げてきたの……海の上にもね、深海棲艦がいっぱいいたよ……」
提督「この艦隊で突破は出来るか?」
U511「無理……絶対に死んじゃうよ」
提督「分かった……U511、君はどうする?」
U511「ユーが?」
提督「そうだ。このまま別の国まで逃げるか、日本まで私達と共に向かうかだ」
172 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/26(水) 22:48:39.69 ID:dmCi+6+rO
U511「ユー、日本に行く、よ……」
提督「分かった。君を助ける事が出来て良かった。ここまで来た甲斐があったよ」
U511「うん……ダンケ……」
提督「ドイツから敵の勢力下ここまで逃げてくるのに疲れただろう。休んで来るといい」
U511「いいの?」
提督「勿論だ。他の子に案内させよう……初風、いるな?」
初風「いるわよ」ガチャ
提督「この子を仮眠室まで連れて行ってあげてくれ」
初風「いいわよ。ほら、私に着いて来なさい。案内するから」
U511「うん……」
提督「では、よろしく頼むぞ」
初風「ん」パタン
提督「ふぅ……」
提督「なあ、中尉よ」
乗組員「はい」
提督「あのドイツが滅んだ。この様な事が信じられるか?」
乗組員「いえ、正直申し上げますと未だに信じる事が出来ません」
提督「私もだよ。どうやら我々はあまりにも強大すぎる存在を相手に戦争をしているようだ」
乗組員「はい」
提督「私が次に何を言うか分かるかな?」
乗組員「ええ、勿論」
提督「聞こうか」
乗組員「だが、それでも死ぬ訳にはいかない。生き抜かねば意味が無い……ですよね?」
提督「フフ……流石だな」
乗組員「伊達に何年も中将の部下をやっておりませんよ。それに、貴方の下に配属されている者ならば全員が同じ答えを言うでしょうね」
提督「大将や元帥殿に聞かれたら間違い無く島流しだろうな」
乗組員「だからこそ私達は貴方に付いて行くのですよ。そして艦娘の子達も」
提督「有り難いな。私は部下に恵まれているよ」
乗組員「私達も上官に恵まれていますのでお互い様です」
提督「そんなこと……」
コンコン コン
瑞鳳「瑞鳳と瑞鶴です」
乗組員「艦娘の子ですね。では、私は朝霧を反転させ撤退する準備と指揮に取り掛かります」
提督「ああ。頼んだ」
173 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/26(水) 22:49:43.10 ID:dmCi+6+rO
ガチャ
瑞鳳「失礼します……って、あれ?」
乗組員「お疲れ様です。中将はお返ししますね」
瑞鳳「え、あ、ありがとうございます……」
乗組員「では中将、失礼します」パタン
瑞鶴「提督さん。あの人、何かあったの?」
提督「朝霧の事で少しな」
瑞鶴「そうなんだ〜」
瑞鳳「あ、そうだ……第一艦隊戻りました。他にも第二、第三、第四艦隊と、文月ちゃんと卯月ちゃん、ゴーヤちゃんが帰投済みです」
提督「第五艦隊は?」
瑞鳳「第五艦隊は敵の奥深くまで潜り込んでいたので、少しだけ遅れているみたいです」
提督「分かった」
瑞鳳「提督、何かあったの? 知らない子が初風ちゃんと一緒に歩いてたけど」
瑞鶴「あの白い子だよね。私も気になっていたんだ〜」
提督「後ほど他の者にも公表するが、あの子も横須賀鎮守府の一員になる」
瑞鳳「えっ!?」
瑞鶴「え、何か変なの?」
瑞鳳「う、ううん。そんな事無いよ」
瑞鶴「瑞鳳、声が上ずってるよ。何が変なの?」
瑞鳳「提督……どうしよう……」
提督「瑞鶴、すまないが一旦この部屋から出ていて欲しい。ここに陽炎を呼んで3人で話し合わねばならない」
瑞鶴「私も居ちゃ駄目なの?」
提督「悪いが、まだそれは厳しいな。信用をしているしていないという話では無く、最も鎮守府について分かっているこの2人では無いと駄目なんだ」
174 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/26(水) 22:50:21.85 ID:dmCi+6+rO
瑞鶴「…………うん」
提督「この話が終わったら他の誰よりも先に先に瑞鶴に話そう。だから少し我慢してくれ」
瑞鶴「約束だからね」
提督「ああ」
瑞鶴「私、陽炎ちゃん呼んでくるね。そしたら部屋で待ってるから」
提督「ありがとう」
瑞鶴「それじゃ、ね」パタン
瑞鳳「何だか、瑞鶴に悪い事しちゃった気がする……悲しそうだった」
提督「こればかりは仕方ない……とはいえ、同感だ」
瑞鳳「でも、それでも瑞鶴には聞かせる事が出来無い話なんだよね?」
提督「そうだ。こればかりはお前と陽炎以外に相談は出来無い」
瑞鳳「もしかして……独逸の事?」
提督「その通りだ」
瑞鳳「そうね……分かりました。陽炎ちゃんが来たらすぐに話しましょ」
提督「ああ」
………………………………。
175 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/26(水) 22:53:37.38 ID:dmCi+6+rO
>>160
訂正
精彩が欠いている。
↓
精彩を欠いている。
瑞鳳の掛け声から十数秒、轟音が当たり日に響き渡った
↓
瑞鳳の掛け声から十数秒、轟音が辺りに響き渡った
176 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/08/26(水) 22:54:25.15 ID:dmCi+6+rO
今日はここまでです。
また来ますね!
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/26(水) 23:51:27.47 ID:HGzPjI9uO
乙です
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/27(木) 09:48:51.06 ID:Gy2fx+1SO
乙です
179 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/09/19(土) 13:18:16.53 ID:m7YBAZT/O
こんにちは!
今日の夜に更新します! もう暫くお待ち下さい!
180 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/09/19(土) 22:07:44.44 ID:8JlgYtFZO
コンコン コン
提督「私だ」
瑞鶴「うん、入っていいよ」
カチャッ パタン
提督「待たせたな」
瑞鶴「大丈夫……」
提督「顔が暗いぞ」
瑞鶴「まあ、ね……」
提督「仕方がなかったとはいえ、申し訳なかった」
瑞鶴「それは分かってるし、納得もしてるよ。だけどね、とても嫌になっちゃったの」
提督「私がか?」
瑞鶴「…………私、嫉妬しちゃったんだ。陽炎ちゃんに。そして瑞鳳に。そういう訳では無いのは分かっているのに、どうしても嫉妬心を抱いてしまうのそんな私自身が嫌になっちゃったの」
提督「そうか……」
瑞鶴「ごめんね、提督さん。突然こんな事を言われたって困っちゃうよね」
提督「私に関わって来る以上、反応に困る話題ではあるな」
瑞鶴「うん……」
提督「だが一つだけ言えるのは、もしも私が逆の立場でも同じ感情を覚えてしまうだろう。こればかりは理屈で割り切る事は到底出来ない」
181 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/09/19(土) 22:08:25.50 ID:8JlgYtFZO
瑞鶴「提督さんも?」
提督「私も一応人間だからな」
瑞鶴「ちょっと予想外だな。提督さんってあまり表情を表に出さないから」
提督「それは私が提督という立場にあるからだ。私の感情で艦隊を指揮するなどという事があってはならない。それで仲間が死に追い込まれるよりは自分の感情を抑える方がずっといい」
瑞鶴「大変だね、提督さんって」
提督「慣れたよ」
瑞鶴「でも、私には提督さんみたいにこの気持ちを抑えるのは無理だよ……」
提督「ならば、その感情を抑えなければいい」
瑞鶴「え?」
提督「勿論嫉妬心を瑞鳳や陽炎への憎しみに変えてはいけない。だが、その感情をバネに更なる自身の向上を目指せばいい」
瑞鶴「でも私自身が自分を赦せないよ」
提督「いつかお前が成長して心に余裕が出来れば、その嫌な自分も許容する事が出来るだろう」
瑞鶴「やっぱり提督さんって優しいね」
提督「そんなこと無いさ。それよりも瑞鶴、落ち着いたか?」
瑞鶴「さっきよりはね。まだ少しモヤモヤしてるけど」
提督「今から重要な話をするが大丈夫か?」
瑞鶴「うん。それは大丈夫だよ」
182 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/09/19(土) 22:09:14.74 ID:8JlgYtFZO
提督「では、約束通りお前に先程陽炎や瑞鳳と話して来た事を伝えよう……」
提督「ドイツが滅んだ」
瑞鶴「えっ!?」
提督「ドイツだけでは無い。イタリアも深海棲艦の手に落ちた。まだ生き残っている国はあるやもしれんが、ヨーロッパが完全に壊滅するのも時間の問題だ」
瑞鶴「嘘だよね……」
提督「残念ながら真実だ。これらの情報は先程私達の戦力に組み入れられたU511から伝えられた」
瑞鶴「でも……その子が嘘をついている可能性も」
提督「メリットが何一つ無い。嘘を付いているのがバレれば良くて深海棲艦が跋扈するこの海に放り出され、悪ければ発覚し次第射殺。それに今ドイツを助ける為に進軍中の艦隊を追い返せばドイツの危機は更に広がる。理由が無いんだ」
瑞鶴「そうだよね……」
提督「私は横須賀に戻り次第大本営に向かう。今回の件は万が一にも漏洩させる訳に行かない。そして確実に伝えねばならない」
瑞鶴「じゃあ、私も付いて行く!」
提督「それは出来ない」
瑞鶴「私じゃ駄目なの?」
提督「いいや、駄目ではない。しかし、瑞鶴である必要も無い」
瑞鶴「そんな……」
提督「鎮守府の内情を把握していて、尚且つ護衛を任せることが出来るのは今の所瑞鳳のみだ。ついでに言えば瑞鳳は位の高い人間への礼節も弁えている」
瑞鶴「じゃあ、結局は絶対に無理なんだね……」
提督「そうでも無いぞ。もしも瑞鶴に瑞鳳のメリットを上回る何かがあるのならば私は瑞鶴を同行させるだろう。どうだ?」
瑞鶴「私の長所……」
183 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/09/19(土) 22:11:15.82 ID:8JlgYtFZO
瑞鶴「艦載機を飛ばして鎮守府に連絡が取れる」
提督「瑞鳳でも同じ事が出来る」
瑞鶴「瑞鳳よりも艦載機の搭載数が多い」
提督「確かにそれはメリットだ。だが、それだけでは瑞鳳以上の魅力を感じる事は出来ない」
瑞鶴「速さや装甲、耐久力なら……」
提督「弱いな」
瑞鶴「馬力は誰にも……」
提督「本気で言っているのか?」
瑞鶴「…………」
提督「終わりか?」
瑞鶴「駄目……私じゃ瑞鳳に勝つなんて出来ない……」
提督「そうか。残念だ」
瑞鶴「私ってやっぱり駄目だな……これじゃあ瑞鳳の劣化……あれ?」
提督「どうした?」
瑞鶴「ちょっと待って……もしかしたら……」
提督「何かに気付いた様だな」
瑞鶴「提督さん。何個か質問してもいい?」
提督「ああ。勿論だ」
184 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/09/19(土) 22:12:30.82 ID:8JlgYtFZO
瑞鶴「今まで瑞鳳以外に同行した艦娘はいるの?」
提督「いないな」
瑞鶴「もしも私を選んでくれた場合はマナーや仕事内容を教えてくれるの?」
提督「勿論だ」
瑞鶴「じゃあ、最後に……提督さんは瑞鶴を試したでしょ?」
提督「ふっ……良く気付いたな」
瑞鶴「私に少しも期待してなかったら残念なんて言葉は出ないもん」
提督「ああ、そうだな。では瑞鶴の言葉を聴こうか」
瑞鶴「私は瑞鳳に対して戦闘力、情報量、礼節のどれを取っても負けてるわ。だけど、だからこそ提督さんは瑞鶴を選ぶメリットがあるわ」
提督「ふむ」
瑞鶴「もしも瑞鳳が鎮守府や海域から動けなくなった場合、瑞鳳の代わりに提督さんと同行出来る艦娘が今いない。それが緊急時や提督さんの安全がかなり危険な状態の場合命取りになる可能性がある。だから今の内に提督さんは、他に何人か瑞鳳と同じ様に動ける艦娘を育成する事でその様な事態は回避出来る」
提督「他には?」
瑞鶴「瑞鳳よりも練度や経験は低いけど、私は瑞鳳と同じ様な運用が出来るわ。だから今まで軽空母瑞鳳として出来ていた事は私にも可能」
提督「この二つだけか?」
瑞鶴「ううん。あともう一つ。最大の練度と経験を持つ瑞鳳が鎮守府に残る事で鎮守府の防衛能力は今現在よりも大きく跳ね上がるわ。もしも私が鎮守府に残ったとしても艦載機という戦力が増えるものの、有事の際の指揮や判断は今までとさして変わらない。だけど瑞鳳が残れば適切な判断や指示を出せる艦娘が増える。だから、瑞鳳より劣っている私を同行させた方が鎮守府の安全に繋がるの」
提督「ほう」
瑞鶴「どう、提督さん? これが瑞鶴を選ぶ事のメリットだよ」
提督「所々突っ込みどころがあるが、ほぼ満点だ」
瑞鶴「じゃあ、今回は!?」
提督「瑞鶴を連れて行こう。頼んだぞ」
瑞鶴「やったぁ!!!!」
提督「そんなに嬉しいか?」
瑞鶴「うん!! 当たり前じゃない!」
提督「そうか。だが、横須賀に戻るまでの間、出来る限り仕来りやマナーを詰め込ませるから覚悟しておくがいい」
瑞鶴「それでも私、頑張るから!」
提督「ああ」
………………………………。
185 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/09/19(土) 22:14:02.55 ID:8JlgYtFZO
今日はここまでです!
正式に9/25翔鶴改二実装が発表されましたね。
瑞鶴は今年中とのことですが、早く実装して貰いたいものです。
また来ますね!
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/19(土) 22:56:56.59 ID:FjtTLHIIo
乙です
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/20(日) 10:05:22.83 ID:E4WNs1WSO
乙です
188 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/03(土) 22:23:29.71 ID:G0wWZCfOO
鎮守府
バタバタ
瑞鶴「わー!! わー!! 飛行甲板忘れてた!!」
陽炎「瑞鶴さん……」
瑞鳳「それは……忘れちゃだめだよ……」
瑞鶴「ふぅ……終わった……」
提督「瑞鶴、そろそろ時間だ。準備は出来たか?」
瑞鶴「うん。万全! ……とは言えないけど多分大丈夫」
提督「日用品等が足りなかったら向こうで買えばいい。鎮守府でしか準備出来ない物は確実に持ったな?」
瑞鶴「それは大丈夫だよ! ……多分」
提督「まあいい、行くぞ。瑞鳳、陽炎。後の事は任せたぞ」
陽炎「任せて! でも、司令がいないと私寂しいから、出来る限り早く帰って来てね!」
提督「善処するよ」
瑞鳳「提督」
提督「ん?」
瑞鳳「行ってらっしゃい」
提督「ああ。行ってくるよ」
ガチャ
瑞鶴「行ってきます!」
陽炎・瑞鳳「頑張ってね!」
瑞鶴「うん!」
パタン
………………………………。
189 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/03(土) 22:24:24.10 ID:G0wWZCfOO
大本営
コツ コツ コツ コツ
提督「…………」
瑞鶴「…………」
提督「…………」
瑞鶴「…………」
提督「瑞鶴」
瑞鶴「ひゃっ、ヒャイ!!?」
提督「やはりか……」
瑞鶴「だ、だってこんな所はじ、はじめ、初めてき、来たんだもん!」
提督「緊張するなとは言わん。むしろ適度な緊張感は必要だ」
瑞鶴「はい! はい!」ブンブン
提督「だが、お前は緊張し過ぎだ。その状態で部屋に入る訳には行かない」
瑞鶴「で、で、でもぉ……」ガタガタ
提督「こっちを向きなさい」
瑞鶴「うん……へっ!!?」
提督「……」スッ
瑞鶴「て、提督さん! ち、近い! 近いよぉ〜!! か、顔が!! あっ……」
提督「ふむ」グニー
瑞鶴「ひ、ひゃい!! へいほふはん! ひはひっへ!!」
提督「よし、終わりだ」パッ
瑞鶴「ひ、ひっどいよ提督さん! 頬っぺたちょっと痛かったんだけど!!」ポカポカ
提督「こらこら、やめなさい」
瑞鶴「んむー!!」
190 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/03(土) 22:25:19.14 ID:G0wWZCfOO
提督「で、どうだ? 緊張はほぐれたか?」
瑞鶴「え? 緊張? あっ!」
提督「大丈夫な様だな」
瑞鶴「本当だ……あんなに緊張してたのに……」
提督「人間予想外の事が起きると、それまでの事を忘れてしまうからな」
瑞鶴「でも……」
提督「ん?」
瑞鶴「残念だったな……」
提督「私は誰にでも簡単にはキスはせんよ」
瑞鶴「もう! 提督さんズルいよ」
提督「ああ、何とでも言うがいい」
瑞鶴「はあ……」
提督「何だ? 私に愛想が尽きたか?」
瑞鶴「ううん、その逆。提督さんってこんイタズラ好きな所もあるんだなって」
提督「まあ多少は、な。鎮守府での職務中にはは絶対に出さないが」
瑞鶴「じゃあどうして私の前では出してくれたの?」
提督「私が堅苦しい空気を纏っていたら瑞鶴はもっと緊張してしまっていただろう? だからだ」
191 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/03(土) 22:25:56.60 ID:G0wWZCfOO
瑞鶴「そこは、今は瑞鶴しか居ないからだ、とか言ってくれる所じゃないの?」
提督「ああ、勿論言わない。私は事実を述べる迄だ」
瑞鶴「意地悪!」
提督「そうか、お前はみんなの前で吊るし上げられたいのか? お前の人には言えないような弱みやクセは全て知っているぞ」
瑞鶴「な、何で!!? 何で提督さんがそんな事を!!?」
提督「瑞鳳がな」
瑞鶴「瑞鳳……って、瑞鳳が何で!!?」
提督「相部屋だろう?」
瑞鶴「それはそうだけど、出逢ってまだ一ヶ月とちょっとだよ!!? そんな短期間にどうして!!」
提督「瑞鳳の観察眼を舐めない方がいい。私でさえも嘘を見抜かれる。怖い子だよ、瑞鳳は」
瑞鶴「提督さんの嘘って?」
提督「瑞鳳や陽炎を部屋に返した後、睡眠時間を削って書類仕事を進めた日の朝に対面して数秒でバレた。いつもよりも目が細くなっているって指摘されたよ」
瑞鶴「…………」
提督「何か私に言う事は?」
瑞鶴「提督さんに向かって暴言を吐いてしまってごめんなさい……」
提督「よかろう……さて、お喋りはここまでだ」
瑞鶴「え? あ!」
提督「中では元帥殿や大将、そして私と同階級の佐世保、舞鶴、呉、大湊の提督が待っている」
瑞鶴「うん、じゃなくて………はい!」
提督「基本的には教えた通りにしていればいい。もしも瑞鶴の発言を求められたらその時は発言をするんだ。大丈夫だと思うが、粗相の無い様に気を緩めるなよ」
瑞鶴「はい!」
提督「心の準備は?」
瑞鶴「大丈夫です」
提督「ああ」
コンコン コンコン
192 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/03(土) 22:26:36.45 ID:G0wWZCfOO
コンコン コンコン
大将「誰だ?」
提督「横須賀鎮守府を預かっております提督と、秘書艦の瑞鶴です」
大将「お前か。入りなさい」
提督「はっ。失礼します」
カチャッ パタン
提督「お待たせしてしまい大変申し訳ありません」
大将「よい。お前には酷な任務を頼んでしまったからな。ご苦労だった」
提督「いえ、私には勿体無きお言葉です」
大将「謙遜ばかりしていると嫌味になってしまう。その悪い癖は直した方がいい」
提督「はっ!」
大将「まあ座るが良い」
提督「では、御言葉に甘えて……」スッ
瑞鶴「ぁ……失礼します」スッ
元帥「その娘は……確か初めてだったな」
提督「最近新たに建造した翔鶴型航空母艦二番艦の瑞鶴です」
元帥「前回迄は瑞鳳を秘書艦として同伴させていたが、何故変えた?」
提督「これ迄は瑞鳳を秘書艦として同伴させておりましたが、正直申し上げますと私と瑞鳳が鎮守府不在の間は、鎮守府の機能は大幅に低下しておりました」
元帥「そうだったな」
提督「しかし、瑞鶴を秘書艦として登用することによって瑞鳳を鎮守府に残す事が可能となりました」
提督「もしも私が不在の間に鎮守府に何かしらの危機が訪れても、鎮守府の内情を最も把握している彼女ならば私と同等の指揮が取れ、臨機応変に問題へ対処出来る様になります」
元帥「ふむ」
提督「そして瑞鶴自身に関してですが、瑞鶴には瑞鳳と同等以上の性能を発揮する事が出来ます。これが初めての任務という事もあり、礼儀作法等は些か瑞鳳には劣るものの、何度もこの様な場を経験すればそれも様になるでしょう」
元帥「彼女を同伴させる事にはメリットがある為変更したのだな?」
提督「はい」
元帥「うむ。了解した」
提督「はっ!」
元帥「では、全員揃った事だ。今回の任務に関する横須賀の中将からの報告を聞こうではないか」
193 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/03(土) 22:27:17.55 ID:G0wWZCfOO
今日はここまでです!
また来ますね!
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/03(土) 22:31:31.99 ID:jea6gEcyO
乙です
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/04(日) 09:54:09.84 ID:84rmTysSO
乙です
196 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/27(火) 23:04:27.76 ID:YDXfldbHO
では、報告をさせて頂きます。
私達横須賀鎮守府は皆様がご存知の通り欧州の生き残りの国とコンタクトを取る為に出撃することになりました。
その第一段階として、リランカ島を基点とし、深海棲艦の拠点であるアンズ環礁を攻略しました。
リランカに到着するまでの間損害を受けずに無傷で済んだのは呉、舞鶴、佐世保鎮守府が敵を撃退して下さったお陰です。誠にありがとうございました。
アンズ環礁攻略につきましては先に報告させて頂いておりますので端折らせて頂きます。今回の本題はこの後です。
アンズ環礁制圧後我等は西進し欧州に突入しようと準備を整えていたのですが、そんな我等の前にとある艦娘が現れました。
ドイツ所属のUボートの艦娘、U-511です。彼女はドイツ軍の命令で人間や艦娘が生き残っていたイタリアへ派遣されていました。
ですが、イタリアに到着した彼女が見た光景は、深海棲艦が跋扈し人間も艦娘も全員が消え去った深海棲艦の世界でした。
生存者がいない事を確認した彼女はドイツに戻りイタリアの現状を報告しようとしたとの事でしたが、彼女がドイツを離れていた十数日の間にドイツも深海棲艦に滅ぼされていたとの事でした。ドイツも人間艦娘共々全滅したと報告を受けております。
帰るべき場所を喪った彼女は、記憶に残っているもう一つの母国である日本を目指し、奇跡的にアンズ環礁で私達に遭遇する事が出来ました。
これが今回の作戦で得る事が出来た情報になります。
197 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/27(火) 23:05:07.35 ID:YDXfldbHO
元帥「…………」
大将「…………」
呉提督「やはり欧州は深海棲艦の手に落ちていたのか」
佐世保提督「横須賀に合流したU-511が偽りの情報を提供している可能性は?」
提督「それは無いでしょう。嘘を吐いて彼女が得る事が出来るメリットはありません。又、深海棲艦の制圧下にある広い海域を単独で横断するのはリスクが余りにも高すぎます。ドイツも限られた防衛の戦力を無下に手放したりしないでしょう」
佐世保提督「確かに」
舞鶴提督「もしも西側がその様な状況なのだとしたら、もはや欧州は全滅したと考えた方がいいか」
提督「ええ、そうですね。何せ最大の戦力を有していたイタリアとドイツが陥落したのですから」
大湊提督「このままだと近い内に日本は深海棲艦に取り囲まれる事になりかねない」
提督「本来ならば攻勢に出るべきなのですが、虎の子の呉、佐世保、舞鶴が壊滅してしまった今、戦力を回復させる迄は我が横須賀と大湊が中心となって近海や海上輸送ラインを守らねばならないでしょう」
大湊提督「そうですね……」
大将「元帥」
元帥「うむ」
大将「本来ならばそうするのが筋であろう。だが、そうはいかない」
提督「どういう事でしょうか?」
大将「東部オリョールだ。横須賀の力で漸く手に入れた資源地帯だが、あそこを護る為にはもう少し先まで日本の制圧下にある海域を広げた方がいい」
提督「具体的にはどこまで戦線を拡大するつもりでしょうか?」
大将「お前はSN作戦を知っているか?」
提督「大東亜戦争初期に帝國海軍が立案し、アメリカのウォッチタワー作戦により失敗に終わってしまったあのSN作戦でしょうか?」
大将「そうだ。我らはもう一度ソロモン、ニューギニアの制海権を取り戻す……つまり、これは第二次SN作戦とでも言うべきか」
198 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/27(火) 23:05:35.93 ID:YDXfldbHO
提督「大将……それは、またあの泥沼の戦いを繰り返すという事ですか!?」
大将「いや、それは違う。作戦の詳細は横須賀で決めて欲しいと思っている。かつてと同じ過ちを繰り返さない為にも」
提督「まさかこの作戦を横須賀のみで行えと仰るのですか?」
大将「勿論他の鎮守府と連携してくれて構わない。だがお前も知っている通り大湊と横須賀以外の戦力は壊滅。故に立て直している真っ最中だ。あまり無茶な命令はしてはならぬ」
提督「……分かりました。この作戦、我等横須賀鎮守府が請け負いましょう」
大将「頼んだぞ」
提督「はっ」
大将「最も重要な案件はこれで終わりだな。では、その他の取り決めをしようではないか」
………………………………
………………
……
199 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/27(火) 23:06:36.16 ID:YDXfldbHO
大本営 客室
ガチャ パタン
提督「ふぅ……瑞鶴、もう気を抜いていいぞ」
瑞鶴「提督さん……一言言っていい……?」
提督「なんだ?」
瑞鶴「怖かったよぉぉぉぉぉぉ!! 緊張した!! 本当に緊張したよぉ〜!」
提督「よく出来ていたぞ。これなら今後瑞鶴を連れてきても大丈夫だろうな」
瑞鶴「提督さんに褒めて貰えて嬉しいんだけど震えが止まらないの! あの場所ピリピリし過ぎだよ!!」
提督「それは仕方ない。慣れてくれとしか言えん……が、今回は大将と元帥が異様に殺気を放っていたな……」
瑞鶴「私達が作戦を中止したから……?」
提督「いや、あの判断が間違っていたのならば今回の会議は私を裁く為のものになっていただろう。それに新たな作戦の作成を任せるなんてあり得ない」
瑞鶴「そうだね……引き受けちゃって大丈夫だったの?」
提督「正直に言うとあまり良くはない。が、私が作戦の詳細を立案出来るのならば、他の者に任せるよりはリスクはまだ低いだろう」
瑞鶴「でも、提督さんの負担が増えるよね? 毎日夜更かしなんかしたらダメなんだからね!」
提督「それは約束出来ない……というよりも無理だ」
瑞鶴「むー!」
提督「とりあえずは私達も戦力の補充をしないといけないな。鎮守府に戻ったら建造をしないとならないな」
瑞鶴「分かった!」
提督「うむ。まあその話は明日以降じっくり詰めていこう。それよりも明日は夜が明けたらすぐにここを出て横須賀に戻る。もう寝る支度をしなさい」
瑞鶴「そうだね。じゃあ、提督さんからお風呂入って来る?」
提督「私は後でいい。瑞鶴から入って来るがいい」
瑞鶴「でも……」
提督「上官や部下は関係ない。気にするな」
瑞鶴「うん……じゃあさ……」
提督「何だ?」
瑞鶴「あの……一緒にお風呂入、る?」
200 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/27(火) 23:07:34.75 ID:YDXfldbHO
提督「ほう、そんなに地獄を見たいのか? いい度胸をしている」
瑞鶴「わー嘘!! 嘘!! ごめんなさい!!」
提督「今のお前には手を出さんし、何をどうしようとは全く考えていない」
瑞鶴「それって男としてどうなの……?」
提督「瑞鶴?」
瑞鶴「何でもない! 何も言ってません!! お風呂先に入って来るね!!」バタバタ
提督「やっと行ったか」
………………。
提督「瑞鶴、電気を消すぞ」
瑞鶴「うん」
パチッ
瑞鶴「提督さん……」
提督「何だ?」
瑞鶴「私、今日ちゃんと提督さんが求める事をちゃんとこなす事が出来たのかな?」
提督「ああ。しっかり出来ていたよ」
瑞鶴「ありがと……提督さん。私、これからも頑張るからね。提督さんと並べる用になるまで頑張るから」
提督「頼むよ。期待している」
瑞鶴「うん! ……おやすみ、提督さん」
提督「おやすみ、瑞鶴」
瑞鶴「幸せ、だな……」
………………………………。
201 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/10/27(火) 23:08:51.00 ID:YDXfldbHO
今日はここまでです!
瑞鶴改二が今週金曜日に正式に決定しましたね!
金曜日が本当に楽しみでしょうがないです!
また来ますね!
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/27(火) 23:32:29.86 ID:XJEGVBM4O
乙です
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 09:45:52.49 ID:qLlFQsBSO
乙です
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/08(日) 15:10:01.44 ID:+PFKyLa00
>>192
瑞鶴の答えと同じことしか言ってないから「ほぼ満点」の満点に足りない部分の答えが分かんないんだよなぁ
205 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/11/10(火) 23:57:31.30 ID:MTCNdNFbO
間が空いてしまって申し訳ないです。本当ならば瑞鶴改二実装日に更新をかけたかったのですが、仕事が忙しくて文章製作が出来ませんでした……
出来れば明日にでも更新をしたいと思います。もう暫くお待ち下さい……
>>204
物語本編の解釈に若干関わる部分ですので疑問に答えるかどうか迷ったのですが、少しだけ答えさせて頂きます。
貴方が仰る通り瑞鶴に対しては「ほぼ正解」と答えたにも関わらず、元帥達への弁解では瑞鶴の回答とほぼ同じ事しか言っていません。
では、何故その様な事が起きたのか。それは、提督が元帥達に告げるべき事柄では無い理由、つまり提督の私情だからです。
まだ完結どころか佳境にも入っていない為、私情についての明言はあえて避けますが、恐らく簡単に想像が出来るかと思います。
206 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/11/12(木) 22:07:00.42 ID:63OwZI8NO
横須賀
文月「えんせいかんたい、きとうしたよ〜」
瑞鳳「お疲れ様。文月ちゃん達はこの後は休んでてね」
文月「は〜い」
瑞鳳「入れ替わりで時雨ちゃん、夕立ちゃん、春雨ちゃんは遠征に出撃してね」
時雨「うん。分かったよ」
コンコン
瑞鳳「は〜い」
陽炎「瑞鳳さん、司令が帰って来たわよ!」
瑞鳳「教えてくれてありがとう! あと少しでひと段落着くから後から行くわね」
陽炎「じゃあ、私は先に行ってるわ」
瑞鳳「うん」
時雨「じゃあ、僕達は行ってくるね。提督には宜しくね」
瑞鳳「ちゃんと伝えておくね。行ってらっしゃい」
春雨「失礼しました」
パタン
瑞鳳「えっと……」サラサラ
瑞鳳「うん。これで提督に直ぐに引き継ぎが出来るかな?」
瑞鳳「よし! 提督のお出迎えに行かないと!」
ガチャ パタン
207 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/11/12(木) 22:07:35.95 ID:63OwZI8NO
パタパタ
陽炎「司令!!」
提督「お出迎えご苦労、陽炎。ただいま」
陽炎「おかえり! 瑞鶴さんもお疲れ様!」
瑞鶴「うん。ありがと」
陽炎「司令と瑞鶴さんはこれからどうするの? 少し休む?」
提督「そうだな。瑞鶴は今日一日休ませるが、私はこのまま業務に戻るよ。瑞鶴もそれでいいな?」
瑞鶴「なんだか私だけ休むのも申し訳ないけど……今回は甘えちゃおうかな」
提督「気にしなくていいぞ。ゆっくり休んでくれ」
瑞鶴「は〜い」
陽炎「じゃあ今日は私が司令の補佐をするわね」
提督「いいのか?」
陽炎「もちろん!」
提督「では、頼むぞ」
陽炎「了解!」
パタパタ
提督「ん?」
陽炎「瑞鳳さんかな?」
瑞鳳「ここかな? 居た!」
提督「瑞鳳、戻ったよ」
瑞鳳「提督、お帰りなさい」
提督「ああ。ただいま」
208 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/11/12(木) 22:08:04.62 ID:63OwZI8NO
提督「私が留守の間鎮守府は大丈夫だったか?」
瑞鳳「大丈夫です。特に大きなトラブルは無かったよ」
提督「なら良かった。ご苦労だった」
瑞鳳「はい! 提督の方は何かあったの?」
提督「問題が発生した」
陽炎「問題って?」
提督「今すぐにでは無いが、近い内に大規模作戦がまた始まる。それも、横須賀鎮守府が作戦の立案と指揮を行う事になる」
陽炎「嘘でしょ!!? 」
提督「残念ながら本当だ」
瑞鳳「一体何処に、どうして攻めるの?」
提督「SN作戦」
陽炎「SN……まさか!!?」
提督「そう。ソロモン、ニューギニアまでの戦線拡大だ」
陽炎「そんな……よりにもよってどうして……」
提督「東部オリョールの安全を確保する為だそうだ」
瑞鳳「横須賀、大湊以外の鎮守府の戦力が壊滅した今だからこそ、最大の資源地帯である東部オリョールを奪われる訳には行かない……ということ?」
提督「その通りだ。だから大本営はこの作戦の遂行を命じたのだろう……と言いたいのだが、理由は全く見当つかないが別の理由がありそうだ」
瑞鶴「うん。私も同感。元帥さんや大将さんの様子や空気が何か変だった」
瑞鳳「そうなんだ……」
提督「まあ今はSN作戦について考えを纏めねばならない。明日にこの4人で話し合うとしよう」
瑞鶴「うん!」
陽炎「了解!」
瑞鳳「分かりました」
提督「では、瑞鶴はこのまま休みなさい。陽炎は私の補佐。瑞鳳は引き継ぎの連絡を頼む」
瑞鶴「提督さんも瑞鳳、陽炎ちゃん頑張ってね」
瑞鳳「ありがとね。瑞鶴もお疲れ様。ゆっくり休んで」
瑞鶴「そうさせて貰うわ。お休みなさい」
陽炎「お休みなさい」
…………。
209 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/11/12(木) 22:09:05.47 ID:63OwZI8NO
今日は短いですが終わりです
一日更新がズレてしまい申し訳ありません。
また来ますね
210 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/12/08(火) 17:52:43.74 ID:QW/L9RXrO
長らく間を空けてしまいまして申し訳ありません
あと少しで時間に余裕が出来るので更新は今しばらくお待ち下さい
本当に申し訳ありません
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/12/08(火) 18:00:47.96 ID:a+r4FrWSO
了解です
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/12/08(火) 21:50:33.15 ID:594N+tz7O
そう…
213 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/12/17(木) 23:21:31.70 ID:/z/2JLtHO
瑞鳳「これで引き継ぎは全部かな」
提督「瑞鳳のお陰で特にトラブルも無かった様だな」
瑞鳳「ううん、みんなが頑張ったお陰です!」
提督「それもあるだろうが、ここは素直に褒められておきなさい」
瑞鳳「えへへ、ありがと」
提督「うむ」
陽炎「むー」
提督「陽炎」
陽炎「ずるい」
提督「返事になっていないぞ」
陽炎「だって瑞鳳さんばかり褒めてずるいわよ!」
提督「陽炎には後で言うつもりだったのだがな」
陽炎「ふーん。それじゃあ、許してあげる!」
提督「さて、陽炎。仕事だ。私について来てくれ」
陽炎「ん? なあに? 何かするの?」
提督「建造だ」
陽炎「建造? どうして?」
提督「今後の為に少しでも早く戦力を増強せねばならないからな。今は一日でも時間が惜しい」
陽炎「もしかして、明日話し合うSN作戦にも関係があるの?」
提督「そうだな。まだ私個人の考えだが、多数の艦娘が必ず必要になると予想される」
陽炎「分かったわ。じゃあ、行こう! ほらっ!」
提督「こら、急かすな。瑞鳳、暫くこの部屋で留守番しててくれ」
瑞鳳「はい」
陽炎「司令! 司令ってばー!!」
提督「今行く」
…………。
214 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/12/17(木) 23:22:28.99 ID:/z/2JLtHO
工廠
提督「建造妖精、いるか?」
建造妖精「ン?」
提督「いるな。建造をして欲しい」
建造妖精「シゲンー」
提督「これくらいで、駆逐艦と軽巡を計8隻程作れるか?」
建造妖精「マカセテー」
提督「では任せよう。これはお土産だ」スッ
建造妖精「!? モナカ!!」
提督「そうだ。後で食べてくれ」
建造妖精「アリガトー!! ガンバルー!!」
陽炎「凄く嬉しそうね」
提督「そうだな」
建造妖精「アトデキテー!」
提督「ああ。頼む」
陽炎「よろしくね!」
建造妖精「ウン!」
215 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/12/17(木) 23:23:01.95 ID:/z/2JLtHO
陽炎「これで終わり?」
提督「いや、まだやらねばならない事がある。予備の装備に異常や不具合が無いか確認して、それから足りない物や必要になるであろう装備を補充しなければならない」
陽炎「でも、私じゃ艦載機や大きい砲塔は使えないわよ?」
提督「それは分かっている。それはそれぞれに適した艦娘にやって貰う」
陽炎「そしたら……まさか」
提督「一番数が必要になるであろう駆逐艦が搭載する砲塔や機銃、魚雷発射管、その他もろもろの装備を確認して貰いたい」
陽炎「やっぱりね。それって、もしかして全部確認するの?」
提督「ああ。今度の作戦ではかなり多くの装備を運用する事になると予想している」
陽炎「流石にそれは大変そうね……」
提督「大変だが、私も出来る範囲は手伝おう」
陽炎「分かったわ! それじゃ、装備品の保管庫に行きましょ!」
………………。
216 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/12/17(木) 23:24:17.18 ID:/z/2JLtHO
ズドン! ズドン! バシュッ
提督「どうだ?」
陽炎「うーん……この左のB型砲は照準が若干ズレてるわね」
提督「ふむ……右の方は?」
陽炎「こっちは良好。異常は無いわ」
提督「左のB型は修理、不可ならば破棄か。魚雷発射管はどうだ?」
陽炎「角度調整の精度が少し悪いかな。ガクッ、ガクッって感じで変な動きをしてる」
提督「分かった。これも修理の依頼をしておく」
陽炎「よろしく! それで、次は?」
提督「今ので終わりだ。お疲れ様」
陽炎「疲れた〜」
提督「後で間宮で好きな物を食べるといい」
陽炎「やったぁ!!」
建造妖精「ア、イター」
提督「建造妖精か。終わったのか?」
建造妖精「オワッター!」
提督「ご苦労だった。私達も丁度今用事が済んだところだ。工廠に戻ろう」
陽炎「はーい!」
建造妖精「ウンー!」
217 :
ずいずい
◆9eWjFae4dI
[saga]:2015/12/17(木) 23:47:10.25 ID:/z/2JLtHO
工廠
提督「では、連れて来てくれ」
建造妖精「ツレテクルー」タッタッタッ
陽炎「誰が来るのかなー?」
提督「さあな。あと少しで分かるさ」
陽炎「まあね。だけど、ちょっとワクワクしちゃう。妹が来たら嬉しいな」
提督「やはり妹が増えると嬉しいか?」
陽炎「もちろん! だって可愛い妹達だもん!」
提督「そうか。そうなのかもしれんな」
建造妖精「オマタセー」
陽炎「12人? ん?」
提督「……随分と多く無いか?」
建造妖精「サービスサービスー!」
提督「…………」
陽炎「この装備……もしかして陽炎型?」
提督「では、全員自己紹介をしてくれ」
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