主任男「今月の目標は前線基地構築か、ツライな」

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79 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/01/30(金) 00:09:00.09 ID:hCeSjjgB0
短いけど本日はこれだけ。

ちょっと方向性が安定しない…。
少し先々を練りながら書き溜めます。
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/01(日) 08:37:01.87 ID:WjJohGx6O
おつ
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/09(月) 01:12:16.41 ID:1H099oeO0
乙あげ
いっち見てるかー?エタるなよー

早くGンマー制覇の結末を見たい
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/02/25(水) 22:01:09.22 ID:LeC1UOOKO
スレ落ち回避の定期便ですよっと。

後輩女はどうした?
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/02(月) 02:04:19.47 ID:zZ1Q6S/7O
再開熱望!
一ヶ月開いてもまだ待ってるからなー
気楽に書きたいもの書けばいいさー
84 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/05(木) 23:29:57.06 ID:kukrysw90

ーー 給油施設跡 通信男 ーー


タタン、チュイン、チュイン、バシュ

「グッ」バタッ「クソっ!健康管理いいーん!」


身体のすぐ脇を弾が飛び交い、定期的に誰かが呻き声をあげる。


カカカ、カシュン、カシュン

端末『タスククリア、視認中心に目標設定』

通信男「早く彼を移動させて下さい、バックアップします」クイッ

「おう!」ダダッ、ズルズル


昨日からの昼夜連勤に課員全員疲労困憊だ。

進捗してきている彼方も勢いが緩んできている。
お互い似たような状況だし、きっと僕達と同じ気持ちなんだろうな…。


端末『主任男:通信男ーちょっと来ーい』


何だ?この忙しい時に

通信男「折衝中で手が離せないのですが」カシュン


「アイツもまだ退職してない、誰か来てくれ!」
「行くぞ!いち、にの、さん!!」

カカカ、カシュン、カシュン


端末『主任男:良いから来い。状況説明しろ』


「よし!早く健康管理委員のとこに…」
「お前も左手に被災して…」
「問題無い!次だ次…」


通信男「はぁ、分かりました。キリの良い所で戻ります」カカカ


通信男「すみません、ちょっと席外します」

「おー気をつけろよー」
「こっちは俺らがやっとくから気にすんなー」

カシュン、カシュン
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/05(木) 23:43:13.17 ID:PfYzz9pI0
生きてたんかワレェ!
86 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/06(金) 00:15:52.69 ID:DM4/2I9p0

ーー 給油施設跡 主任男 ーー


通信男「何でしょうか?結構忙しいのですが」

態度わるっ!あからさまに不機嫌そうだな…


主任男「現在の業務環境を主査に説明ならお前が一番良いと思ってな」

主査「集中してた所すまんな、説明頼む」


通信男「確かに主任男さんは説明苦手ですもんね、分かりました」スッ

この野郎…何気に毒吐きやがって
まぁ肝が座ってきた良い傾向と見よう。…説明下手は事実だし…。


通信男「こちらのPADをご覧下さい」

主査「ん?これは?」

通信男「先方の人員分布と工数増減を時系列で可視化したものです」


周辺地図に人数と時間が表示されていて、移動軌跡に線が引かれている。


通信男「3係が支店に向かう際に迂回して観測機を設置してくれたおかげで
先方にも課題があることが分かってきました」

主査「全然分からん、端的に頼む」


コイツの悪いとこは説明が回りくどいことだな、主査が若干イラついている。


通信男「先方のこの係が特徴的なのですが…」

主査「同一地域内を行ったり来たりしてるな、補充か?」

通信男「だと思います、それなのに人員は補充されてなさそうです。
本現場周辺全体を見ても工数がだんだん減少して充当されて無いようです」


主査「物資補充しかできてないってことか…」

通信男「恐らくは。原因は不明ですが支店との連携が取れていないと推察されます」


不確かな情報で業務計画を立てるのは失敗してくれと言っているようなものだ。
しかし、仮定で課題を設定し計画を立てる必要があるのも事実だ。

まだ俺ではこの場面での判断はできない。


主査「ふーん…。じゃ進行すっか」


技術1係長「……。え?」
通信男「いや、先方の孤立は推定でして…」

主査「日頃から言ってるだろ?分かんないこといくら考えても無駄だって、
できない、やらない理由考えてたって事態は好転しねぇよ」

通信男「しかし、相手の全容や此方の通信体制も…」


主査「だ、か、ら、リスクヘッジしながら進めりゃ見えてくるものがあるって」

主任男「とはいえ結構なリスクですよね。進める根拠は?」


主査/先輩男/主任男「ただのカンだ!」


やっぱな。誰だよこの人管理職にしたの。
通信男が口開けたまま呆けてるじゃん。
87 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/06(金) 00:23:19.18 ID:K0/EH/8PO
>>80-83
すみません、保守ありがとうございました。
暖かいお言葉ありがとうございます。

>85
リアルが正直死にそうです、主任男達の現場より状況悪いです。

書き溜め、構想練り。一切できせません(キッパリ)
なのでまたグダグダで続きます、お付き合いお願いします!
88 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/06(金) 00:33:32.23 ID:DM4/2I9p0









「クソまたアイツらだ!どこに隠れてやがった」

「本部、地点情報機での感知は?」



「なっ!いつの間に!?」


ザザッ、プツッ




.
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/06(金) 19:23:53.75 ID:onXqARl4o
おっ待ってた!
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/03/07(土) 22:33:58.63 ID:F9w5+6UwO
>>88
意味深やな…

ところで主任男よ、一緒に吠えるなw
91 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/08(日) 01:51:49.35 ID:zqOukXdpO

ーー 出張所跡 後輩女 ーー


チュイーン、バチバチバチ
ガコガコガコガコ


工機男「そっち完了したか?」ガッチョン

ウェーイ、ウィッス、オーケーッス


橋の崩落から難を逃れた資材を駆使して工機班が仮事務所を設営してくれている。

この短時間で簡易プレハブに防御壁、塹壕を完成させる手際は流石の一言に尽きる。


端末『IT女:AFV事務所格納。定点業務継続』

バシュバシュバシュ


センサーが射出され上空に浮かぶ。
端末の感知範囲が広がるのが確認できる。

対空防御も可能なAFVを半固定砲台としたことでここの業務精度は格段に良くなった。


端末『主査:後輩女、技能さんを送った。交代で工機と一緒に自班に復帰しろ』

後輩女「了解しました」


AFVの機動力、進捗能力が貼り付けになるのは痛いが課題の方向性を縛る為には仕方ない。


警戒業務に当たりながら技能班の到着を待つ。

ここ数時間は折衝も無く落ち着いているので若干気が抜けてきている。

ダメね、集中しなくちゃ。



程なくして技能班が2班到着し引き継ぎを行う。


後輩女「では給油所跡に戻ります。撤収準備大丈夫ですか?」

工機男「ぬ、問題無い。宜しく頼む」ムキッ



身体拡張ツールと資材の残りを満載した台車を引きながら出張所へと急ぐ。


何トンも有りそうな台車を引いて行くので進行が遅く………ならない…。

むしろ速い。


この人の身体は一体どうなっているんだろう?

92 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/08(日) 02:31:48.52 ID:zqOukXdpO





「国道は定置進捗だらけだ、迂回しろ」

「迂回路組からの連絡途絶えました!」


「スナイパー!スナイパー!」ブツッ




93 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/08(日) 02:34:08.74 ID:zqOukXdpO
>>89-90
支援あざまーす。
何とかストーリー展開を考えつけました。

牛歩ながらも頑張ります。
94 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/08(日) 22:51:24.42 ID:GxggmXoM0

ーー 給油施設跡 主任男 ーー


主任男「左から来てるぞ、新人女気を付けろ」

新人女「うぃっす」カシュン、カシュン


現在、合流した後輩女達と共に北からの進捗に対応している最中だ。


後輩女「タスク34番まで完了、残り業務の確認お願いします」

通信男「先方情報最新化しました。残タスクおおよそ25。北西11時方向に観測弾追加下さい」


後輩女「了解」カチャ、カシン。パシューウ

主任男「後輩女、観測弾の残数に気を付けろ」


この付近の業務は大分整理できた。

これなら次の課題に着手できそうだ。


端末『主査:技術2係、西の瓦礫を迂回して北に進行、技能Agrは東側から牽制』


先輩男「よーし、露払い頼むね2班のみんな」


1班の半分は定点業務で不在。つまり俺たちから着手開始か、責任重大だな…。


主任男「スリーマンセル形成、後輩女、新人女、通信男。モブA、新人男、特技男」

一同「了解」ササッ


主任男「相互連携、報連相をしっかり、安全作業で行こう」

一同「ヨシッ!」


連続機動的業務だ、ほんの少しの綻びでも全体業務が瓦解する。



新人女「うー」ソワソワ

後輩女「どうしたの?大丈夫?」

新人女「大丈夫っす、緊張してるだけっす」

特技男「ま、ミスっても俺達がフォローするさ、気楽に行こうぜ」


通信男「技能Agr配置に着きました」

主任男「さて、行きますか。遅れるなよ」タタッ


麗らかな天気、気持ちの良い午後の陽射しを浴びながらのピクニックの始まりだ。


タタッ、スッ。クイクイッ。

コクッ、タタタッ。

95 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/09(月) 01:08:53.49 ID:NxqBeGNT0

ーー 国道No.400脇 進行中 特技男 ーー


端末『主任男:特技男、後輩女』クイッ

コクッ。…パスッパスパスパスッ、パスパスッ


通信男のデータ分析で分かった事がもう一つ

限定範囲ステルスの作用で彼方さんの電子の目も潰れているということ。

つまり先方は俺達を光学補足から逃がしたら探査できない。諸刃の剣ということ。


端末『後輩女:タスククリア、視認範囲に目標無し』タタタッ


班内内線で連携しながら進捗すれば攻め手側の方が圧倒的に有利な環境で仕事ができる。


端末『主任男:そろそろ気付かれる頃だ。通信男、電波状況を常に把握しとけ』

端末『通信男:了解しました』


無音に徹する為、サプレッサー付きのハンドガンで進捗を進める。

道具を選ばず人外の命中精度を出す後輩女さんに尊敬を超え恐怖すら感じる。


端末『新人女:10時方向、先方人員発見。距離30、人数…4名』


ここ暫くで気付いた事もある。新人女の目標発見能力だ。

後輩女さんや主任男さんよりも早く異常を検知し、課題を見つけ出す。


端末『主任男:新人女、新人男やってみろ』

端末『新人女:うぇ!無理ですよ』ブンブン


端末『後輩女:やる前から無理とか言わない、サッサとしないとこっちが補足されるわよ』


端末『新人女/新人男:はい』スチャ


端末『新人男:新人女、声掛け頼む』

端末『新人女:了解、いち、にの、さん』パスパスパスッ

パスパスパスッ


あっ…やべっ。撃ち漏らしやがった。 パスッパスッ


端末『後輩女:40点。新人男、端末のサイティングと目視の調整甘い。
新人女、構えがブレ過ぎ』


俺が構える前に進捗完了…左右撃ちわけてこの速さとか…


端末『主任男:よし、進むぞ。くれぐれも音を立てるなよ』タタッ


最後尾でポイントマンをしているモブAさんに合図し進行を続ける。

目標ポイントまでもう少しだ。

96 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/09(月) 01:17:03.01 ID:NxqBeGNT0
本日の投下終了。
早くこのグダグダを抜け出したい…
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/10(火) 20:47:56.89 ID:B1VT4qg+O

モブA最後尾っすか...それ...
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/03/11(水) 07:28:48.71 ID:IujFQqATO
>>97
大丈夫、モブAだしw

そして、見てみたいぞ>工機男の進捗
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/12(木) 00:30:39.12 ID:9Iref/8Go
>>98
そこにクレーターがあるじゃろ?
その向こうにもクレーターがあるじゃろ?
それを追っていけば見られるんじゃないか?
100 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/12(木) 23:33:00.69 ID:Vq14TXFd0

ーー 給油施設跡 主査 ーー


北側からの進捗はもう下火になってきたな。

あとは2係で後方から詰めれば課題完結だろう。


進行を見守る中、端末が緊急受信を報せる。


端末『IT女:高速接近物確認。迎撃準備』

主査「?」

俺の端末には特に感知がないが何だ?


主査「IT女どういうことだ?詳細報告してくれ」

端末『IT女:VSL全門開扉。連続射出開始』


端末『IT女:機動車6台確認。3台進捗完了。射程外離脱3台。給油施設跡方向進行確認』


ちっ、高速機動車を出して来やがった。
孤立化しているここのエリアへのテコ入れか…

既に何台も機動車潰してるのにまだ追加だと…
…リスクを犯してまでなぜここに固執する?


主査「技術1係ぃ!東側へ備えろ!高速機動車来るぞ!」

端末『技術1係長:いや、備えろと言われましても…』

主査「RPGでも防御ネットでも何でもいーから手を打ってくれ!」

端末『技術1係長:無理です、ほんと無理ですって。
あーもぅ文句言ってても仕方無い!行くぞみんな!』

端末『一同:はい!』

ウハーマジスカー。キッツイスネー


弱音とヤケクソと共に給油施設跡を出て行く技術1係長達の背中を見送る。

対処しろ言ったものの無理がある…すまない…



『…キタゾー…カカカ…バシュ…グアー…』


機動車が1台スタッフしているのが見える。

有刺ネットの敷設が間に合ったようだ、良くやってくれた。


端末『技術1係長:ネット敷設完了、2台目沈黙!』


端末『技術1係長:踏ん張れお前ら!クソッ!1台そちらに抜けました、すみません!』


白煙を上げる2台の脇をすり抜け車両がこちらに突っ込んでくる。


主査「ちょっと席を外す!技術4係長、ここを頼む!」ダダダッ


部下だけ苦労させて突っ立っていられるか!


主査「そこの技能さん!一緒に来てくれ!」

ウェーイ、オレラモイクゾー、ハシレー
101 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/13(金) 00:32:41.34 ID:TqY9fzZ40


主査「RPG斉射!」

バシュ、バシュ、バシュ、ズン、ズズン


ドルルルルル、チュンチュンチュンチュン

「ぐぁ!」「うおっ!」「退避ー!」


止まらないか…。


機動車が目の前に迫ってくる。

せめて、タイヤ一個でも潰せれば。


カチャ、ピンッピンッ


来やがれクソッタレ、吹き飛ばしてやる。
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/13(金) 23:54:55.20 ID:TqY9fzZ40


『P-EXsystem起動キー確認…認証OK』

『system起動シーケンス…スタート』

『起動率…30%,65%,95%…起動完了』


「各機能系作動チェック」



『上腕部…OK、下腕部…OK、脚部…OK』

『……各機能作動確認完了』


「データリンク、ローカル環境に設定」


『リンクシステム接続…情報同期率60%』

『現精度で情報更新』


『システム、オールグリーン。P-EX稼働開始』

『安全作業に留意しましょう』

103 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/15(日) 23:34:28.95 ID:x5ZPi3lM0

ーー 給油施設跡東部 主査 ーー


ガキン!


『捨て身は愚将の策、貴殿には似合いませんぞ』


ガションガション
キュンキュンキュン、バシュ、ズガーン


機動車が消え、大きな影が目の前を覆う。


主査「工機男か?すまない、助かった」

手に持ったグレネードのピンを戻しオレンジと黒の機体を見上げる。


端末『工機男:いや、こちらこそ対応が遅くなり申し訳無い、準備しておくべきだった…』



端末『IT女:北北東機動車反応2。レンジ外、移動開始』


主査「いや、動くなIT女。こっちは心配無い。な、工機男」

端末『IT女:???…状況検索…了解、現業務継続』


端末『工機男:無論。追加工数対処に向かう』

ガション、キュィーン…ブワッ、バシュ


強化外骨格『P-EX』を纏った工数男が飛び出して行く


ガションガション、ガションガション


工機A「大丈夫っすか?主査さん」ガション

工機B「ウチの大将がこっち回れって」ガチャン


主査「あぁ無事だよ、ありがとう。
…それにしても工機男のあの機体って…」


工機A「あぁ、あれですか。上にも内緒で大分改造してあるんで…
高機動型複合支援機体とでも言えば良いのか…」


…なんじゃそりゃ…


カッ…ズガーン…ズガーン


向こうの方で盛大に土煙りが上がる。

…あっちは任せておいて大丈夫だな。
104 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/16(月) 00:08:37.40 ID:OHJhGXPz0


ガッチョンガッチョン

ソコドイテー
オーイジュウデンキモッテコーイ


工機男の機体が工機A、工機Bに担がれ戻ってきた。


話を聞くと全力稼働では10分が限度らしい。

高出力化故の燃費の悪さだな…。


給油施設跡の端っこでソーラーパネルをつなぎ充電を始めた。

横で体育座りをして休む工機男とセットで日向ぼっこしているみたいだ。


技術1係長「ただいま戻りました」ボロッ


満身創痍ながらも一人も退職することなく帰席する辺り、流石1係1班だな。


主査「お疲れ、少し休んで下さい」

技術1係長「いえ、こんな工数不足の中で我々だけ休んでられないです」カチャカチャ


技術1係長「よーしお前らー補充できたか?元の作業に戻るぞー」

リョウカイデース。ホラオイテクゾー


技術1係長「では行って参ります」タタッ

技術1係長「頑張って今日中にここは終わらせちゃいましょう」ニカッ

モウヒトフンバリー。イクゾー。オー


笑顔を称えながら駆け出していく技術1係の面々

北の進捗に戻る背中を見送る。


…さて、俺ももうひと頑張りしますか。



105 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/16(月) 01:23:22.93 ID:OHJhGXPz0
>>97-99 支援あざまっす。

中々本題が進まない今日この頃…
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/03/16(月) 15:21:04.11 ID:XYV+qEOXO
>>103
これぞ………これぞパワードスーツ!!
…真剣こいてクレーター作りそうだな(汗
107 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/17(火) 00:36:59.95 ID:bNb5yTwo0

ーー 国道脇 飲食店跡 通信男 ーー


ササッ、ヒュパ、パスパスパスッ


端末『後輩女:5S完了、店内に進入どうぞ』


端末『主任男:了解、2班、3班中に入れ、4班は周辺警戒を宜しく』


迂回の末、先方背後の飲食店跡に浸入した。

ここまで何組かの定点業務員と折衝してきたし我々の進捗が認識されるのも時間の問題ですね。


端末『主任男:業務計画の確認をします、4班長中に来て下さい
その間、各自も目標管理アプリ確認のこと』


主任男さんの呼び掛けに各自が端末を操作する。


端末『個別目標と達成状況を表示します』ピッ

・経路Aを進行し定点業務員を進捗…完了
・経路Bから迂回し飲食店跡に浸入…完了
・飲食店跡内から他チーム応援進捗…未完
・指示に従い給油施設跡方面へ進行…未完
・進行経路上の先方社員を全員進捗…未完

端末『表示を終了します』ピピッ


…何回見てもざっくり過ぎですね…。

(主任男:詳細は臨機応変に)とか言ってましたが、臨機応変は詳細指示じゃないですし…。


端末『周辺通信波の周期変更を確認しました』


!!!定期のアルゴリズム変更にしては早い。

先方に察知された証拠だ。


通信男「主任男さん、先方通信周期変更。本チームが補足された可能性が高いです」


班長達の後ろに行き主任男さんに耳打ちする。


主任男「予定より早いけど行くよ!」ガバッ


主任男「各班進捗開始。安全作業で行こう!」

一同「ヨシッ!」ダダダッ

108 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/17(火) 01:14:54.73 ID:bNb5yTwo0
もう一本と思ってたのですが挫折。
本日の投下完了です。

>>107 彼は掘削機の類ですかw
新型機体はもう少しファンキーな機能が付いてる…かも…
(今から考えるのは内緒)
109 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/03/17(火) 01:51:34.18 ID:bNb5yTwo0
>>108おぅふ安価ミス
>>106さんでした。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/03/17(火) 21:20:51.92 ID:FbtUxlkkO
>>109
パンチ一発でクレーターは男の浪漫でしょ?
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/04/06(月) 02:02:38.28 ID:1q8XmpRr0
スレ落ち回避ですよっと。
>>1 また激務時期なんかね?
決算前後だし仕方ねえか…
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/04/20(月) 23:52:09.89 ID:j2YplA1OO
>>111
年度末の亡霊と言う話も…

かくいう自身の仕事場(年度始めに配属)も亡霊がそこかしこにw

自分「これの納期って(汗」
上司A「よくある話w」
上司B「一週間前に要望変更するからw」
自分「笑い事じゃない希ガス」
上司s「気にしたら負けw」
自分「はぁ(・ω・;)」
113 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/05/02(土) 00:56:55.79 ID:80NhHaO50
>>111 >>112すみません、忙しさを言い訳にサボっております…。
ボチボチ再開しますので暫し猶予をば
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/05/24(日) 20:02:36.02 ID:OBFFzrwSO
保線作業ならぬ保守作業ですぉ󾭜

>113
年度開けて忙しいのって嫌になりますよね。
暇でも問題ディスガ
115 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/08(月) 23:57:35.20 ID:Ahn/N7y6O
ーー 国道NO.400 主任男 ーー


主任男「3班は右、2班は左。4班はバックアップ」ダダッ

主任男「各自目視にて目標全容確認を励行。先方一人も見逃すなよ」ズサッ、カシュン、カカ


端末『『『了解!!』』』


端末『通信男:確認結果集約、一元化シート作成開始します』


カシュン、カシュン、タタン、タタタタ

端末『後輩女:左方詳細確認完了、報告します』

端末『3班長:右方詳細確認完了、報告します』

タタタタ、タタン、タタタ、カシュン、カカカ


端末『通信男:一元化シート作成完了、点検お願いします』ピピッ


主任男「内容確認……OKだ。中距離通信封鎖解除、主査に送れ」カカカ


端末『通信男:了解です』

カシュン、カシュン、タタタタ、タタン


主任男「新人男!右だ!ボケッとすんな!」カカカ

端末『特技男:事前予測よりちょっと多くないですか?キツイっすね』


端末『タスク 1,2,5クリア.残タスクも抜け漏れ無いよう注意しましょう』

ターン、ビシッ、ターン、ビシッ


主任男「チッ!後輩女、あの影にいる目標が停滞項になりそうだ、頼む」


端末『後輩女:了解しました。新人女、カバーお願いね』

端末『新人女:了解したっす!』

カシュン、ターン、パシュ


端末『主査:2係、現在位置キープ。こちらを上げるよ、誤進捗に注意しろ』

ポスッポスッポスッ……ヒュー


主任男「迫撃進捗くるぞ!頭下げろ!」ガバッ
116 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/09(火) 00:34:09.73 ID:Lfjzkk+8O
ーー 国道NO.400 後輩女 ーー


ズガッズガッ、カッ、ズスーン

パラパラパラ、コン、コン

砂埃が舞い上がり、降りかかる土や石が端末を叩く。


ビチャッ


目の前に見知らぬ誰かの手首が落ちる。


後輩女「あぁもうこんな時間か…」


巻き付いた時計の針を見て夕方が近づいていることを再認識する。


ピチャピチャピチャ

バイザーに水滴が付く、ウザったい…。


「う、うわぁー!!」ダダッ、タタタン


混乱した先方がこちらに走り込んでくる。

カシュン

新人女「クリアっす、次!」スチャッ


カシュン「ぐぁ!」 カシュン「うぐぉお…」

小気味良いリズムで新人女が進捗を進める。
うん、やればちゃんとできるじゃない。


スッ、キラッ

パシュ 「がぁ!」カシン

馬鹿ね、キルフラッシュも着けないで…
どんな教育受けてきたんだろう?


後輩女「主任男さん、目標進捗完了しました
見た感じ狙撃係は終わりっぽいです」


端末『主任男:サンキュー、引き続き業務継続ヨロシク。あっ新人女ちょっと出過ぎだ、下がれ』


パシュ、カシン。
端末『タスククリア、次目標を…』

パシュ、カシン。
端末『タスククリア、次目標を…』


『そっち行ったぞー』

『え?どっち?あーいたいた』カカカ、ドシュドシュドシュ


カシュン、カカカ

「ひ、ひぃ」「あごごごごぉ」「うぐぼぉ」


カカカ、カシュン、カシュン……
117 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/09(火) 01:04:11.83 ID:Lfjzkk+8O
ーー 国道NO.400 コンビニ跡 主任男 ーー


主任男「全員相互健康チェック、その後ツール及び残弾確認」


3班に一人退職者が出ただけで進捗は完了した。

そのまま300m程前進し、国道脇にあるコンビニに腰を下ろした。


新人女「複数名擦過傷程度の被災がありますが、業務には問題無しッス」ぺこり

主任男「はい、報告ご苦労さん。じゃあ外の警戒よろしくね」

新人女「ウッス」タタッ


主任男「あっ、新人女!」

新人女「?」ピタッ、クルッ


主任男「さっきの進捗、基本も踏まえていて良くできてたぞ、その調子でな」

新人女「!! ウッス!」ダダッ



特技男「こらー調子乗ってんなー」コツン

新人女「うっす」


主任男「ははっ」


スッ

後輩女「はい、どうぞ。電源系生きてたのでちょっと頂いちゃいました」

主任男「おっ、ありがと」

後輩女から差し出されたコーヒーを受け取り視線を外に移す。


後輩女「そろそろ日が暮れますねー。主査からは何か?」


主任男「あー、ここで定地業務と周囲のスクリーニングだって」

後輩女「いつまでですか?」


主任男「明日の朝まで」

後輩女「この人数で?」


主任男「この人数で」

後輩女「え?無理じゃないですか?」


確かに三班20人で昨夜レベルの業務は無理だ。


主任男「主査も言ってたんだけど何か変なんだよなー」

後輩女「何がです?」カシゲ


主任男「いや、このコンビニも折衝無しで確保できたじゃん」

後輩女「確かに……。そういえば昨日から先方の工数が更に減ってる感じはしますね」

118 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/09(火) 01:11:40.76 ID:Lfjzkk+8O


主任男「多分なんだけどここら辺一帯、先方さん殆どいないんじゃないかって」


後輩女「……でももし居たら?」


主任男「それを試すのに一晩そこにいろって」


後輩女「…それって囮ってことでは?」




主任男「………そうだね」



夕焼けが綺麗だなー。

明日もきっと晴れだなー。
119 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/09(火) 01:16:28.16 ID:Lfjzkk+8O
本日の投下終了。

>>114保守ありがとうごさいます。
長らく中断していて申し訳ありませんでした。
何とか落ち着いたので間が空かないよう更新します。

待って頂いているのとても励みになります!
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/09(火) 10:56:14.23 ID:6BMl+K0bO
乙。展開忘れてるなぁ、読み直さんと
121 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/10(水) 00:47:12.59 ID:EX/cM/Jk0
ーー 給油施設跡 主査 ーー


端末『IT女:北北東飛来物接近、軌跡予測…給油施設跡。
速度質量解析…射出進捗。数6、到達予測45秒後』


主査「リモートで本施設の対空迎撃ツール作動!
AFVから届く防御ネット、地対空クラスターでも何でもいい!兎に角総動員で止めろ!」


端末『IT女:了解。命令事項処理完了済。』


ズン、ズズン…ガンガンガンガン

端末『IT女:処理完了。追加進捗検知無』


IT女の報告と共に破片が屋根を叩く。

こんな深夜に良くやってくれるわ、休む暇も与えないってか…。



主査「テントの課員、無事か?健康管理委員、即時確認、報告のこと」

主査「地上進捗の可能性もある、夜勤組の応援に各班2名警戒業務に入れ」


端末『技術1係長:了解です、各係毎に点呼、確認。非常時だ、騒ぐな焦るな。』



技術1係長を中心に冷静さを取り戻せている、まずは安心だな。


点呼の後、各員が周囲に散っていく。



端末『IT女:フローティングセンサー残量減。連続警戒可能時間 48時間』


うー庶務課不在が痛いなー。
せめて支店との連携を再構築できればなー。



主査「了解、把握。あー助かったよIT女。お前も少しは寝ろよ」


端末『IT女:適宜休息取得中。留意不要』


さよですか…と言いたいがアイツ体力ねぇしちと 心配だな…。


技術1係長「全班健康チェック完了しました。退職 0名、軽傷 複数名、不休業被災 2名です」


主査「ふぅ、まぁ良かった。被災者のケアをし通常業務にシフト、1係長も寝て下さい」


技術1係長「はい。…主査もお休みになって下さいね」ペコ


主査「ありがとう、おやすみなさい」



IT女の能力のお陰で電波障害下でもこの程度で済んだ。

とはいえ…その分を差し引いても出張所が無力化された時の進捗授受環境はやはりおかしい…


余りに一方的過ぎる……何か引っ掛かる…。
122 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/10(水) 00:59:25.02 ID:EX/cM/Jk0
本日の投下終了。

>>119…奇遇ですね、俺もです。
とか言ってる場合じゃないですね、すみません。
123 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/10(水) 02:06:55.76 ID:mLCY31eaO
>>122また誤爆orz
>>120さんでした…ダメだなこりゃ…
124 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/10(水) 23:14:10.37 ID:kRKKvxPRO
ーー コンビニ跡 早朝 特技男 ーー


♪…チャンチャラチャチャチャチャ…チャンチャラ♪
ウデヲマエカラウエニ……♪


特技男「うるせぇ…」パチッ


顔を上げ外を見ると新人女が体操をしているのが見えた。

朝から音がデケェんだよ。

……。…。!!ってこんな現場のど真ん中で朝の体操!?


特技男「あのバカッ!」ダダダッ



ブチッ

新人女「お、おはよう…ごさいます…。な、何か…?」ビクビク


特技男「何か? じゃねえよ!こんな折衝区域の中で大音量流してんじゃねぇよ」


新人女「あ……ごめんな…さい。でも…規則で朝の体操は…決められてるので…」オドオド



特技男「規則ってお前」

主任男「オメーも十分ウルセェよ」コツン


特技男「あっおはようございます。ですが…」


主任男さんは俺への言葉もソコソコに新人女の置いたラジオをじっと見ている。



主任男「なぁ新人女。さっきの音源て何?」


新人女「え?…ラジオ…ですが…」

主任男「音源データでは無く?」

新人女「はい、放送のです。何か問題あったでしょうか?」



主任男「………。おいっ通信男!来い事件だ!」


通信男「はっはい!何でしょうか!?」ダダッ


外の騒ぎを聞きつけ仮眠を取っていた全員が外に出てきた。


主任男「これを聞け」ポチッ


♪サイゴニオオキクシンコキュー…♪
125 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/10(水) 23:40:38.86 ID:kRKKvxPRO

通信男「ただの朝の体操ですね」
一同「」ウンウン


主任男「ただの?これ、ラジオ放送だぜ」



通信男「!!!」ガバッ、ピッピッピッ

通信男「やはり!放送波帯はマスクされてません!」


特技男「つまり?」ハテナ


通信男「長距離通信できるんですよ、この周波数帯なら!」



主任男「すぐ周波数解析に入れ。長波、短波、デジタル、アナログ。あらゆる周波数を確認だ」

主任男「通信はまだするなよ。先方に気取ら無いよう注意しろ」


通信男「はいっ!」ピッピッピッ、ピッピッ


主任男「良くやった新人女。お手柄だ」ヨシヨシ


新人女「///」


主任男「よーし、テコ入れ案が出せそうだ。特技男、通信男、新人女と給油施設跡へ
主査に詳細をF to Fで報連相、新人女の改善案をしっかり伝えてな」


通信男「あと2分で解析完了します」

特技男「了解、準備完了後即移動開始します」


うん、天然て才能だな。





126 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/10(水) 23:51:05.85 ID:kRKKvxPRO
本日の投下終了。

このペースでいきたい(願望)
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/11(木) 12:22:14.37 ID:ze17yIOro
無線封鎖解除ですね!乙!
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/11(木) 18:44:34.14 ID:ZGA2vw6F0
罠くせぇ。傍受とかされてそう
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/12(金) 00:27:11.38 ID:9MzQ79bFO
>>126
お疲れ様です(`・ω・´)ゞ

ぁれ?脳内でラジオ体操第一がエンドレス…

>>128
あれでしょ。パンピーに迷惑かけちゃ駄目な感じのジュネーブ条約擬きでしょう。
これ破ったら、回りみんなでフクロ桶とか
130 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/12(金) 22:52:17.05 ID:5zlyIYFx0
ーー 給油施設跡 主査 ーー

カクカクシカジカ


IT女「AFV遠隔管理システム確認中。2分中断希望」



主査「内容は把握した。あとはどうやって橋向こうの本店にこの事を伝えるかだなー」



IT女にも来てもらって対応検討してるけど中々良い案が出ない…。


東側の警戒も鑑みると余り長い時間引き止めておきたくないし、
引き止めた分だけIT女の業務負荷が上がるしで困ったもんだ。


通信男「あの、考えたことがあるのですが…」


主査「ん、思い付くことがあったら何でも言え
間違えても何でもまずは案を出すのが肝要だよ」

先輩男「そうだよ、別に議論するのに職位も立場も関係無いから。
現状を打開できるアイデアなら全力で実行する。理念その四だね」


議論に権力を持ち込むな。
広く意見を求めろ、視野の狭さは行く道を狭める。
…か。管理課長にもう一回教え込みたい理念だな



通信男「では…。支店が無事ならの前提になりすが…」クイッ


通信男「まず通信自体は各支店レベルなら必ず設置されている指向性アンテナを使用します。
あれなら各周波数に応じた授受ができるはずです」


主査「うん、確かに。で、チャンネルの確保と先方に対する隠蔽はどうする?」


通信男「はい、危機管理マニュアルを見て初め知ったのですが、非常時通信要領というのがありまして…」


主査「あーそんな項目あった気がする」



通信男「都市伝説に近いですが各支店には生体通信機が設置されてるとのことです。
率直に言うと伝書鳩ですね。そんな冗談みたいな手段に頼らざるを得ないです」


先輩男「いるいる。屋上で休んでる時に良く餌あげてたよ」


IT女「ローカルサーバー接続、支店情報確認…。生体通信機設置確認」


ホントにいるんだ…知らんかった。



通信男「次に情報隠蔽ですが、先輩男さんとIT女さんのお力を借りたです」


先輩男「俺?」 IT女「…」


通信男「はい、主査に支店へ行ってもらうのが一番早いのですが、この状況だと無理かと」

通信男「ですので先輩男さんに支店へ行って頂き、営業用端末で暗号化中継、IT女さんが受信
支店との距離は営業用端末同士ならギリギリレンジ内だと思いますので」



131 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/12(金) 23:15:06.33 ID:1AO0sPqeO

主査「本案採用。良く練れてる、提案ありがとう」


うん、若いのもちゃんと育ってるな。

これでもっと積極的に発言、行動してくれれば更に申し分ないんけどなー。



主査「IT女は仮出張所に戻れ、先輩男は橋で自班を拾って支店へ向かえ、
二人とも4係から一班ずつ連れてけ」


IT女「了解、4係4班召集」ピピッ

先輩男「了解、4係3班宜しくねー」



主査「あ、あと通信男、お前は先輩男に同行しろ。残りの二人は自班に戻って。
そーだ、主任男に2係長代理だって伝えといて、2,3,4班はアイツに任せた」


通信男「え?あっ、はい」


特技男「了解です、伝えます。では失礼します」

新人女「します」ペコッ


よーし、PDCA回せる環境になってきたなー。

あと一踏ん張りだ。



…しかし…支店に向かった技術3係から音沙汰が無いのが気になるな…。


主査「先輩男、油断すんなよ。課題形成しっかりなー」


先輩男「んー了解」ヒラヒラ



さて、次の計画立てなきゃな。


132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/06/12(金) 23:33:37.99 ID:5zlyIYFx0
本日の投下終了

>>127->>129支援あざっす
停滞無いよう進めます(=゚ω゚)ゞ
133 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/13(土) 00:31:27.90 ID:Dx3Qudk50
そしてエライ間違いをさっき見つけてまった。

ーー 株式会社TEA 技術部 主任男 ーー

1レス目冒頭。
これ、平社員の時もなんだけど、
主任男の所属部は「営業部」だ orz
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/14(日) 19:47:38.41 ID:1IKKvi+no
先方さんの得意分野間違えてたら即退職ものっすよ
135 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/14(日) 22:53:05.36 ID:pp0P6lbb0
ーー S県西部 Y町 ??女 ーー



??女「えっ!?何これ!嘘でしょ」


端末に表示されている社内発令を何回見ても信じられない。


??男「ははっ、アイツらか。ざまぁねぇな」



??女「うるさい、貴方は黙ってて!」ギロッ


??男「おーコワ。どうでもいーけど早く管理項目終わらせたいんだが。
あんなクソ技術らの懲罰情報なんか放っておいてくれよ」


この男は無視だ、無視。
あーでもムカつくあとで在らぬ噂を流しておこう。



??女「営業課長、取れますか?教えてもらいたいことが…」


端末『営業課長:なんだ?管理項目の内容完遂したのか?やけに早いな』


??女「すみません、自業務では無いのですが…」





.
136 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/14(日) 23:22:29.72 ID:pp0P6lbb0
ーー 支店方面へ移動中 通信男 ーー


先輩男「暫定シェア内だけど油断しないでねー」


支店までが普通に歩いて30分ちょっと。

警戒移動だからまぁ60分てとこかな?



この一帯はシェアみたいなもんだし、支店に着いてからの通信基盤構築が本番だな。

即時稼働できるようにしないと…。



…帯域が……フィルターを……いや…

…ランダムに……



先輩男「二列縦隊、3m間隔」サッ


…いや、設定自体を……


コツン


通信男「あっ」


いつのまにか目の前に先輩男さんが立っていて僕の端末に木の枝を突き付けている。


先輩男「指示出てるんだからちゃんと聞こうね
手番間違えると即退職だよ」ニコッ


通信男「す、すみません」アセアセ


そ、そうだ。目の前の状況に集中しなきゃ




…あそこを冗長化して……バックアップを…



ドンッ

通信男「痛つっ!あ、すみません」


いかん、考えごとして前の班員にぶつか……



技術4D「カヒュッ」ズルズル、ゴトッ



通信男「え?」



首?なんで目の前に人の首が落ちてるんだ?



技術4D「」カクッ、バタッ…ビクビク

137 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/14(日) 23:51:14.42 ID:pp0P6lbb0

端末『技術4Dさんの退職届けを受理しました』



先輩男「散開!誰かお客様確認した者は?」


「いいえ!」「まったく」


先輩男「通信男くん、見えなかったか?」


通信男「すみません、気が付いたら既に…」



何が起きたんだ?
ただ歩いてた、目の前の班員の首が落ちた。


訳が分からない。何も居なかったし何も見えなかった…。



ダダッ、ガサガサ

草の葉先が首に刺さりかゆい、気持ち悪い。


通信男「ウゲッ」ゲロゲロ


さっきの光景を思い出し草むらに朝食を全部戻した。




端末『先輩男:ステルスに光学迷彩か…みんな周囲確認に注力』



カシュカシュ

端末『技術4Fさんの退職届けを受理しました』


先輩男「ちぃ!モブC、マーカー散布!動体感知で!」


モブC「了解」バシュ、パラパラ


一瞬赤いフリップが点滅し、すぐ消えた。



先輩男「そこぉ!!!」ボグッ


???「ウグッ」ズザー


裏拳で虚空を打ち抜くとフリップがまた点滅する


カシュカシュカシュ

バス、バス


先輩男さんのベストに穴が開く


先輩男「っ痛」カカカカ、バッ


バスバスバスドシュ
138 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/15(月) 00:02:54.86 ID:u/JbI+c50

ポタッポタッ


路面に赤いシミが広がっていく



???「チッ…」


舌打ちが一つ聞こえ赤いシミは広がりを止めた



通信男「お帰りになった?」


先輩男「みたいだね。おーイテ」サスサス


モブD「大丈夫ですか?見せて下さい」


先輩男「あーヘーキヘーキ。ベストに穴が空いただけ、心配ありがと」


先輩男「みんなー今の営技さんねー。また進捗しにくると思うから気ぃ張ってねー」


先輩男「ね、通信男くん」


通信男「は、はいっ!すみません」



退職者二人を保護バックに入れ日陰に置いた。

回収班に依頼できる様にGPS記録も…
ちくしょう、GPS使えないじゃないか!


仕方無い、電柱の番地表示を画像取得する。


支店までの道のりは後半分。

気が重い…。


139 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/15(月) 00:29:35.09 ID:u/JbI+c50
本日の投下終了

>>134ホントっすね。
しかも2スレ連続で同じ間違いとか…懲罰ものですね。
140 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/15(月) 23:42:51.12 ID:u/JbI+c50
ーー 国道NO.400 主任男 ーー


係長代理かぁ…管理業務増えるってことだよな…


後輩女「主任男さん、国道東側のスクリーニング完了です。…って聞いてます?」



主任男「ん、あぁごめん。じゃあ次は西だね、4班にお願いしよう」


後輩女「さっきお願いしておきました。見開き良いエリアなのでそんなに時間も掛からないかと」



コンビニを後にして更に北にある工場跡まで歩を進めた。

ここまで折衝無し。気持ち悪いくらい静かだ。



後輩女「2,3班は?北上の準備でもしますか?」


主任男「いや、北上の指示はまだ出てないし、まずはここの東西を固めよう
ところで東側の観測業務は?」


後輩女「現在は3班が従事してますが何せ密度が薄いです。
さっき主査に技能さんの補充要請をしました」



主任男「じゃあ、技能さん来るまで交代で実施。
まず2班はツール整備、少ししたら3班と入れ替えて」


後輩女「了解です」


ここから先は一気に建物密集度が上がる。

国道NO.350も近づき先方の力の入れ具合も変わってくるだろう。


支店、本店との連携回復後じゃないと捌ける仕事じゃない。



…それにしてもやだなぁ組織運営とか…ガラじゃない…。

後輩女の方が合ってるよなー。


端末『技術4班長:周囲確認完了、観測機設置完了、いまから帰席します』


主任男「はい、了解。気を付けて戻って下さい」


あー大勢の業務管理預かるとかストレスだ…。


どうにか上手く実務だけやる方法無いかなぁ。

141 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/15(月) 23:53:30.47 ID:MVigAXqsO
ーー 工場跡東側 警戒業務中 特技男 ーー


人、少なくね?


主任男さん、通信男が抜けて5名しかいないし、
カバー範囲案外広いし。


端末『後輩女:モブAさん、東側もう少し向こうもお願いできますか?
私の位置からだと死角が多くて…』


それでも通常の倍以上のレンジをケアしてるのが恐ろしい。


特技男「それにしてもお客様来ないですね
昨日までの折衝は何だったんでしょう?」



端末『主任男:無駄口叩いてんな。と言いたいとこだが、全くその通りだな…』



端末『後輩女:先方さんのエリアカバー率が低過ぎるんですよね…
運営してたのかって疑問に思うくらい地域密着度が低く見えますし』



特技男「それにも関わらず、支店も出張所も業務進行度合いが妙に悪い…」



端末『新人女:お互いに示し合わせてサボってたんじゃ無いっすか?』アハハ


端末『モブA:お前じゃないんだからさぁ』アキレ


端末『新人女:私はサボんないっす!』プンプン


アハハ、フザケテンナー、シゴトシロー



端末『主任男:……。』端末『後輩女:……。』



端末『主査:賑やかだな2係。いま技能さんが給油施設跡を出た。
もうすぐ行くので待っててくれ』



端末『主任男:すみません、了解です。…主査、ちょっとお話しがあるのですが…』


端末『主査:ん?何だ?さっさと言えよ』


端末『主任男:直接話したいのですが、そちら戻っても良いですか?』


端末『主査:ああ、技能さんと入れ替わりでお前だけなら良いぞ』


端末『主任男:はい、では』



ヤケに深刻そうな口調だな。
オープンじゃなくて個人で話せば良いのに…


端末『主任男:技能さん到着後、西側を2,3,4班でローテーション管理。
追加指示あるまで継続のこと』
142 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/16(火) 00:05:18.77 ID:nFp6KC2rO
本日の投下終了。

中途半端ですみません。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/16(火) 15:05:29.00 ID:yrmNLln5O
先輩男ヤバス…大丈夫ですよね?

>>135
ぉ、今回初出の(ネタバレ検出

あれ?男の方に引っ掛かるものがない(・・;)
144 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/16(火) 23:04:03.68 ID:sVj1HyEY0
ーー 国道NO.400 主任男 ーー


主任男「後輩女、ちょっと行ってくる。後は頼むわ」


後輩女「了解です」



ブワッ、バシュン


俺の勘違いなら良いんだけど…

主査ももう違和感の正体はある程度見えてるんだろうな。




流れて行く景色の中、給油施設跡より手前で主査の姿を見つける。


ドギャギャ、バシュウ



主任男「あれ?何でワザワザこんなとこに?」


主査「周りに人がいると話せない内容だろ?お前が来てから席外すより違和感は無いだろ」


主任男「確かにそうですね。と、言うことはお話しの内容も?」


主査「あぁ、ある程度な。この業務域一帯の"違和感"だろ?」



やっぱり主査も気付いてたか…。

後は俺の馬鹿げた想像とどれだけギャップがあるかだな。



主任男「ええ、端的に意見具申しますと……」


主査「企業スパイか談合の類か?」


主任男「はい。北の業務に従事して思いましたが
この一帯はいくら何でもバランスおかしいです」


主任男「加えて我々が業務開始するタイミングでの先方の重点進捗や…」



主査「不自然過ぎる出張所の無防備さ、とかな」



主査「事実なら職務規定違反どころか背任行為、即懲戒解雇だな。違反者の目星は?」


主任男「確証はありませんが何となくは」


主査「俺もだ。となると後はどこまで引き込まれてるかが問題だな…」


………最悪の想定が当たらないことを願おう。

145 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/16(火) 23:35:55.07 ID:sVj1HyEY0
ーー T川支流土手沿い 通信男 ーー


モブC「ここにも…」


保管バッグが3つ、道の脇に置かれている。

所属、指名欄には3係の記載が見える。



通信男「これで18人目ですね…」


3係の班長さんの名前も2名ほど確認した。

ここまでで3班は半分以上の工数を損失していることになる。



人の心配ができる立場では無いが只々残りの課員の無事を祈りたい。



先輩男「ここからまた視界悪くなるからね、課題検出に注力。異常、即横展開を心掛けて」スタスタ



モブD「すみません、一回休憩とツール確認をさせて頂きたいです」ゲソー


一同「」ウンウン


先輩男「…んじゃ15分休憩ー」ヨッコイショ



その後営技さんと思われる相手からはコンタクトが無いが、その沈黙が逆に怖い。

気を張ったままの進行は精神だけじゃなく体力も削り取っていく。



通信男「それにしても何でこの一帯って観測機が一切設置されてないんでしょうか?」



先輩男「確かに変だよね。先方さんに潰されたってのも考えにくいし」ゴクゴク、プハー



まぁステルス光学迷彩相手に観測機もクソも無いんだけど一般進捗考えると不自然ですね。


この先の地域も観測機があれば少しは負担軽減できて効率化と工数ロス防止が見込めるのに…。



先輩男「よしっ、行こっか。みんな、何か起こるのを前提に思考、行動しよう。
色々な状況を想定しよう、そうすれば少しは落ち着けるからね」



何か起きる事が前提……。

残り三分の一、気持ちも足取りも重いけど僕たちがやらなきゃ、進まなきゃ。

146 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/17(水) 00:15:43.17 ID:FecwaYhL0


『BNF、BNF。T川方面一般Grの定期連絡が途絶えました』


「報告ありがとう、最後の報告から予測すると全員が被災、退職か。あちらも腕っこきだな…」


「 "アレ" を三体工数追加、先方支店との連携防止を第一優先、河川側は注視のみで良い」



「先行投入したサーベイ1の状況は?」


『バイタルしか取れてませんが、軽度被災の反応有り。活動は正常に継続してる模様』



「…そうか、引き続き重点監視のこと」


『了解しました』プツッ



「さて、俺も少しは働くか。現場に出る、俺のツールを用意しろ」




,

147 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/17(水) 00:29:15.20 ID:FecwaYhL0
本日の投下終了

>>143いつも支援ありがとうございます。
??男はきっと知ってる人ですよー
148 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/17(水) 23:19:46.61 ID:Vtf481YPO
ーー 住宅街進行中 通信男 ーー


ここら辺の住宅は境界が高めの生垣だから視界が遮られ易い…。


道も細いし、いま置かれている状況に対しては最悪の業務環境ですね。



端末『先輩男:会話及び内線の使用封鎖。音出さないようにね』


先輩男さんからのメールで緊張が更に助長される



無音状態のまま、ナメクジが這うような速度で住宅街を進んでいく。



ピチャン、ピチャン


ん?雨?



ピチャン、ピチャン


首筋に垂れた水滴を手で拭い何気無くそれを見る



通信男「!!!」んグッ


水滴の元を見上げ、思わず自分の口を手で塞いだ


通信男「ウグップ」ピシャピシャ


口を塞いだ指の隙間から吐瀉物が溢れる。


先輩男「どうしたの、通信男くん?」ボソ



通信男「ウプ」クイックイッ


頭上を指差し見ることを促す。

全員が異常に気付き上を向き立ち尽くす。



モブD「な、なんだよ…なんなんだよこれ…」



道の上を覆った太い木の枝に3係員だった"モノ"がまるで実のようにぶら下がっている。


その数は一人や二人じゃない…。



モブC「クソッ!いま降ろしてやるからな!ちくしょう!ちくしょう…」
149 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/17(水) 23:51:48.29 ID:FecwaYhL0


先輩男「モブC!やめろ!近づくな!」



モブC「な!?ウワッ!」


バシュン、ギュイーン


先輩男「全員散開、周囲警戒を厳にして」ヒュッ


指示を出しながら先輩男さんがモブCさんを吊るしているワイヤーにナイフを投げる。


バシン、…カラン、カラン



先輩男「チッ」サッ、ヒロイ


カシュン、カシュン、ビシンッ、ビシンッ



特殊鋼線なのか弾が当たっても切れない…。


ヒュパッ

モブC「クッ」タラー


待ち伏せられてた!?



技術2D「モブCさん!」カカカ


技術3B「ウグッ」ドシュドシュ


端末『技術3Bさんの退職届けを受理しました』


技術2D「あ…あ……」ガクガク



先輩男「全員、進捗中止!まだ3係に息の有る課員がいるぞ」


先輩男「通信男くん、至急バイタルチェック。できるよね」


スパッ

モブC「ガぁッ、先輩男さん俺に構わず退避して下さい」


あ、あぁ、モブCさんが…



先輩男「通信男ぉ!!」バン


通信男「っ痛、は、はい!」ハッ、ピピピ


150 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/18(木) 14:17:55.78 ID:7/SH4bE+O



先輩男「モブD、捕縛ネット弾あるなら周辺に連続発射!」



モブD「有ります、了解」バシュ、バシュ、バシュ

先輩男「あそこの太い枝に集中射撃!よく狙ってね」カカカ


カカカカ、カカカカ、バキバキ


バシュン

広がったネットが空中で何かに巻き付く。


モブD「よしっ!掛かった!」



通信男「報告!バイタル確認完了、感知三名。データ共有掛けます」ピピッ

先輩男「そろそろ折れるよ、各々落下位置を予測してその課員のケア
俺とモブDは先方さんの牽制に入る」


先輩男「通信男くんは周囲詳細のスクリーニング。観測機そこらにバラまいて強制稼働」


一同「了解」ダダッ

通信男「了解」ガサゴソ、ポイッポイッ



スパッスパッ、バサン


浮いていたネットが切り刻まれ地面落下した。


通信男「観測機稼働完了、グループ内同期させます!」ピピッ、ピピピ


通信男「っ!目の…前…」


僕の目の前に赤いフリップが点滅している。


通信男「あっ……」

フリップが更に近づく、反応できない……
151 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/18(木) 14:20:00.62 ID:7/SH4bE+O
昨日の分投下完了

寝落ちました。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/18(木) 18:57:42.43 ID:Lk5Cr59To
怖い戦場だな
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/19(金) 00:30:58.21 ID:hj9qGgNYO
通信男…(´・ω・`)ゞ
154 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/19(金) 23:51:52.12 ID:t1RBnJa5O
ーー 国道NO.400 特技男 ーー


モブA「よーし、次行くよー」

ツカレター、ドッチダー?



通信男「あ、この民家に2,3台ありますー」

オーアッタアッタ、ガチャン、カチャカチャ
イクゾー、セーノ


バリケードの為に並べる車を探して民家を覗き回る。空き巣みたいだな、俺。


これで高機動車の動きが封じられれば給油施設跡の業務も楽になるからなー。


東側ルートも同じ作業をしてるはずだけどあっちは……


新人女「車が飛んでるっす」ホヘー


通信男「馬鹿なこと言って無いでさっさと…」


…ホントだ、飛んでる。


平地の向こうの道路で車両が舞い飛び積み上がっていくのが見える。

ははっ工機男さんか、無茶苦茶だなあの人。


まぁこれで暫くは凌げるはず…


技術23B「! 観測機 4番に感有り。は、早い!何だ?」



全員が一斉にそちらを向くが何も姿が見えない


ガゥン、ガゥン


端末『技術23Bさんの退職届けを受理…』
端末『技術25Dさんの退職届けを……』


班員たちの頭が弾け飛び崩れ落ちていく、クッ光学迷彩か!?


主任男「総員、散開!退避!!!」ブワッ、バシュン


新人女「きゃっ」フラッ



周りの社員が散り、真ん中を割って主任男さんが飛び出す。


新人女「私も…」ダッ、ガシッ

通信男「相手はマネージャー級だし、俺たちが居ても邪魔になるだけだ」フルフル



主任男さんで駄目なら何がなんでも全員で止めるしか無い、信じているけど覚悟も決めるか…。



155 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/21(日) 20:36:17.53 ID:puB8FmX9O
ーー 国道NO.400 折衝中 主任男 ーー


はえーし見えねーし。

周りに係員もいるから派手にバラまけねーし


主任男「ま、取り敢えず…よっと」カシュ、カシュ


ガゥン、ガゥン!

危ねっ!


技術23C「ぐぁっ!」ドシュ


チッ、まずは係員を退避させないと無駄に労災が出ちゃうな…



カシン、パシュ


???「チッ!」バシュ


景色が歪んだ、そこか!


主査男「さんきゅー後輩女、ナイスフォロー」



スラッ、ガシン

主任男「お世話に!なりっ、ますっ!」カシン、カシン



端末『近接対象情報分析』

『FHW株式会社 営業本部付け特務主査 リボ男』


ガゥン、ガゥン


げっ、やっぱマネージャーかよ。バッ



リボ男「班長風情の割にはやるな」キュパ

カランカラン


カートが地面に落ち転がる。




とにかく先方をしっかり顕在化するのが最優先だな…。


主任男「総員、端末の電源緊急オフ!」


主任男「特技男、キャンセラー発動!」


特技男お手製の即席EMPツールだけど効けばラッキー。


特技男「了解」ポチッ、ヴォン
156 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/21(日) 20:40:00.81 ID:puB8FmX9O


リボ男「クッ」バチバチバチッ



特技男「見えた!」


主任男「改めて、よろしくっお願いっします!」

ブワッ、バシュン



リボ男「おわっ!」ガシッ


リボルバーの先についたナイフで俺の全力進捗を受け止める。

やるな。だけど…


主任男「まだまだぁ!」カシン、カシン


リボ男「おっと、中々やるな」カシン、カシン、スチャ


ガゥン、ガゥン


主任男「ウワッと!」カシュ、カシュ


リボ男「よっ、ほっと」ヒュパ、ヒュパ、ガゥン


主任男「グッ」スパッ、タラー


2丁の拳銃を巧みに操り、攻守のラグも隙も全く無い。


先輩男さんレベルだな…やべぇ押されてる。



ヒュッ、ビュッ、ヒュパ、スパッ

カシン、スパッ


主任男「クソッ」

身体の各所から血が垂れる、急所は外せているが、このままじゃジリ貧だな。



カシン、パシュ


リボ男「クッ」ババッ


リボ男「さっきから五月蝿いお嬢さんだな」バシュン



後輩女「!」


主任男「後輩女!」ブワッ


157 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/21(日) 20:42:18.85 ID:h4kDMQIn0


ヤベ、間に合わな…いや!

主任男「フンッ」カチッ、ドンッ!


視界が狭まり、リボ男が目の前に迫る。


リボ男「な、何ぃ!」クルッ


主任男「ふんぬ!」ググッ


加速Gに押し戻されながら足を前に出す。


主任男「どりゃぁ!」ドンッ

リボ男「ぐへあ!」ズシャー、ガランガラン



キン、キン、カラン、カラン…


バシュー

端末『強制冷却モード作動、利用可能まであと……』



主任男「総員、一斉射撃!」カカカ


カカカ、カカカ、ポイッ、ズズン、カカカ…



モブA「やったか!?」



158 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/21(日) 20:46:26.62 ID:h4kDMQIn0
週末分、投下完了。
安定しませぬ(-。-;

>>152怖くない仕事場は無いのです。
>>153ちょ、まだ早いwww
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/21(日) 23:52:04.52 ID:oA+zhSGtO
>>157
バカッ!モブAその台詞は自爆コマンド若しくはミスコマンドだ!

>>158
ぇー…早すぎる?
160 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/22(月) 21:16:37.33 ID:KcGXlDzKO
ーー 給油施設跡 主査 ーー


技術11A「国道北側2係の反応消失!」


技術11B「技術2係1班混成グループも座標消失!」


端末『IT女:飛行物体光学確認。ヘリ型輸送機一機。移動方向…支店方面』


なんだ、なんだ、いきなり。


やけに状況が騒がしくなってきたな。



主査「先輩男のとこは引き続きモニターを続けろ、主任男のとこは技能2-1を送って」


ヘリ型…まだそんな虎の子を隠してたのか…。



周りがこれだけ動くってことは



カカカ、カカカ

グワー、オマエラナニヲ!……



主査「やっぱりか。技術1係長、予定通りお願いします」スタスタ


技術1係長「はい」コクッ



建物の外に出ると技能2係長と複数の班員が銃を構え施設を制圧している。


技能2係長「そのまま、手を上げて出てきて下さい。危害は加えたくない」スチャ


主査「分かった、抵抗はしない」スタスタ


技能2係長「物分かりが良くて助かります。ほら、他の方も」クイクイッ



主査「全員ツールを下に置け、言うことを聞くんだ」


ガチャガチャガチャ


武装解除され壁際に一列に並ばされる。


主査「頼む、部下には危害を加えないで…」

ゴスンッ

主査「ぐう…」


技能12A「勝手に喋るな!」


やれやれ容赦無しかよ…
161 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/22(月) 22:45:08.30 ID:KcGXlDzKO

技能2係長「さて、主査さん。幾つか聞きたいことが有るのですがね」


主査「何だ?」ギロッ


優然と歩く技能2係長を睨み上げる、余裕っぷりが気に入らない。


技能2係長「まず、ここへの業務派遣を決めたのはどなたかな?」


主査「営業部長と本部企画会議だが?」


技能2係長「次に今節の業務指示は一般営業か、特務かというと?」


主査「質問の意図が分から…」ゴスッ

技能12A「いいから聞かれたことに答えろ!」


主査「ペッ!一般営業だよ、トロトロやってる技能に変わってここのシェア取れってな」

おー痛ぇ、このヤロウ覚えとけ。



技能2係長「ふーん、じゃあ特に内定等々の業務は聞いて無いと?」


主査「あぁ、アンタ方がFHWとつるんで進行停滞させてたとか、
本店にもその手引きしてるヤツがいるとかなんて何も聞いてねえよ」

技能2係長「おや?理解してましたか?」ハハッ


主査「全部分からねぇと気持ち悪いタチでね
頼む、最後に教えてくれ。どこまで巻き込んでる?」


技能2係長「何で教えなきゃ…と言いたいところですが、特別に。
簡単に言えばこちら岸の役職全員ですよ、技能1課長、支店長、その他課長陣。
本店側は私も教えてもらえてませんがね」


技能2係長「あぁ、係長では私くらいですね。あとの馬鹿どもは何も知りません」ククッ


支店長もだと?ヤバイ、先輩男達を戻さないと


主査「IT女、記録は?」

端末『IT女:改変不可承認付動画、音声。記録完了』


主査「よし、次だ、やってくれ!」


端末『IT女:了解。技能1課員、社員ID…削除。ツール使用権限…削除』


技能2係長「んなっ!?」ピピ、プツッ

技能12A「クソッ」カチッカチッ


技術1係長「全員動くな。主査、どうしますか?」スチャ


主査「この人数の管理、維持は不可能。また、社規に照らしても懲戒特別実施案件に符合
技能2係長を除き全員を即時懲戒解雇とする」


主査「あっ俺にも銃貸して」ヒョイ

主査「全員、構え!ッテェ!」カカカ、カカカ…ピチャピチャ
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/23(火) 00:06:40.47 ID:ROJpaU9No
職務規定違反だからね(´・ω・`)
仕方ないね(´・ω・`)
163 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 00:43:26.38 ID:wkEI5s9c0
ーー 国道NO.400 後輩女 ーー


ピピッ

給油施設跡の社員認識が一気に消失した。

主査の方でも何かあったのか?


主任男「気を抜くな!まだ進捗完了して無いぞ!」


モクモク、ブワッ

新人女「うわっ!」カシュン、カシュン


リボ男「っしょっと!」バシュン


後輩女「なっ」バッ

まずい、この距離じゃ躱しきれ…。


ドシュ

モブA「クッ、ガハッ」ポタポタ


後輩女「モブAさん!」パシュパシュパシュ



リボ男「おっと、外したか」ババッ


リボ男「おー痛え、脇腹吹き飛んだかと思ったよ」サスサス

リボ男「やってくれるねぇ、そこの班長さんよっ!」ブワッバシュン



主任男「ちぃ、総、員、退避、だ。俺に、任せとけ!」カシン、カシン



二発連続で射出機動を使ったせいか主任男さんの動きが鈍い。

先方の進捗に押し込まれているように見える。


カシン、カシン、ヒュパ、カシン、スパッ



後輩女「モブAさん!モブAさん!?」ダキッ

モブA「///」グデー


バラバラバラバラバラバラバラバラ


後輩女「!」ズルッ、ゴン

モブA「痛え…」


ヘリ!?こんな過疎地域に!?


リボ男「あーもう来ちゃったか。んじゃ俺、あっち行かなきゃだから。じゃね」バシュン


主任男「な、ふざけんな!待てっ!」


ヘリも先方主査も支店方面に向かって姿を消した。
164 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 00:48:25.32 ID:wkEI5s9c0
ーー ちょっと休憩 とある日の2係 ーー


特技男「はーい、じゃあみんな大好きOFFJTの時間だよー」


ワーパチパチパチ


新人女「特技男さーん…」ハーイ

特技男「ここでは先生と呼びなさい!」ヒュッ、ゴビシッ

新人女「あうっ、じゃあせんせーい!」ハイハーイ


特技男「はい、新人女くん」ユビサシッ


新人女「この時間って、お給料出…あぅっ」ゴビシッ


特技男「はいっ、何を言ってるか先生良く分かりませーん。じゃあ進めますよー」イイカナー


一同「は、はーい」


特技男「ではみんな、初等教育で習ったと思うけど "名刺交換" から復習しようか?」


特技男「できる人ー、挙手ー」


ハイハイ、ハーイ


特技男「んん…一人だけ元気が無いなー、新人男。前に来て先生にやってみて」コイコイ


新人男「ちっ、くだらねぇ。何でこんなこと今更…」ボソッ


特技男「あれ?名刺交換もまともにできないのかー、先生悲しーぞ」ニヤニヤ


新人男「やりますよ、はいっ」スッ


特技男「あっ!まーい!!!」ゴビシン!

新人男「なっ!」ドゴッ、メキャン…ピクピク


特技男「はい、そんな気の抜けた名刺交換では交換どころか接近すらもできません!」


技術2Y「せ、先生、新人男くんが起きませーん」ペシペシ

特技男「やる気の無い子は放っておきなさい!」


特技男「名刺交換というのは、お互いの端末同士が近接することで固有コードを読みとり…」


技術2Z「! 先生ー、新人女さんが寝てまーす」チクリ


特技男「ふんぬ!」ヒュバ!ゴビシッ!

新人女「あぅっ!」バタッ、ピクピク


特技男「さて、続けますよ。固有コードを読みとりアルゴリズム解析を掛けることで、
相手の所属、氏名、階級が分かる技術でしたね」


技術2Y「せ、先生ー。新人女さんも起きませーん」ペシペシ

165 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 00:51:51.27 ID:wkEI5s9c0


特技男「元々は確実に折衝完了したのを確認する為、バイタルを直接確認したのが始まりです」

一同「へぇー」


特技男「最近はアルゴリズム解析精度も上がり、相手社員の基本情報くらいは取れるようになりました。」

新人女「うぅ」ノソノソ 新人男「ちっ、くそ」ボソッ


特技男「では、問題!」ジャジャン

特技男「名刺交換が履行しない状況が幾つかあります。端末不良、ステルス化、あと一つは?」


一同「うーん…」ナヤミ


新人女「あっ!」ピーン

特技男「おっ、じゃあ新人女くん」


新人女「端末被っていくの忘れた時っす!」

特技男「論!外!!」ヒュッ、ゴビシ!


新人女「あぅっ!だって前節危うく…」ナミダメ

特技男「はい、新人女くんは後で個別に話し合いましょうねー」ギロッ


特技男「正解は〈初めてお会いする会社の方〉でした」

技術2W「しつもーん、じゃあどうして私達が初めて会った方でも名刺交換できるんですか?」


特技男「おっ、良い質問ですねー。その為にいるのが〈営業さん〉です」

特技男「我々に先立って現場入りし名刺を頂いてくることで情報を蓄積し、先方の基礎アルゴリズムが解析できるようになるんです。営業さんに感謝しましょうね」

一同「はーい」


特技男「じゃあ最後にもう一回、名刺交換を実践してみましょう」

特技男「あそこに歩いているモブAさん相手に先生が見本を見せるのでよーく見ておくように」

一同「はーい」ワクワク


特技男「フッ!」シュバッ、ゴスッ!

モブA「クボォ!」ゴロンゴロン、ズザー


モブA「」ピクピク

技術2Y「せ、先生ー。モ、モブAさんが息してませーん」


特技男「放っておきなさい。では、新人男くん。次にあそこの角から出てくる人に名刺を頂いてきて下さい」


新人男「ハッ、やりゃあいいんだろ」ダダッ

工機男「ぬ?」ムキムキ

新人男「エッ?」バィン!ズガッ!ゴロゴロ


特技男「と、いうことで、名刺交換は大胆さと慎重さが必要だと分かりましたね」

一同「は、はーい」


特技男「ではまた次回」バイバイ
166 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 01:02:35.81 ID:wkEI5s9c0
本日の投下完了。

>>162会社では規則が絶対ですからね。
人間性より良識より社規が優先です、当然ですを

>>164-165
痛い作者の前書き、後書き風に書いてみました。
何かやってみたくなったんです。許して下さい…。

他の用語、技術解説も検討してます。
誰かが代わりに書いてくれても良かとよ。
167 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 22:54:06.26 ID:wkEI5s9c0
ーー 住宅街 通信男 ーー


先輩男「どりゃっ!」ガンッ


???「グッ」ズサー


先輩男「危なかったねー。大丈夫?通信男くん?」プラプラ



拳を振りながら先輩男さんが僕に問い掛ける。


通信男「あ、はい、大丈夫…」ガクガク、ペタン


足に力が入らない、立ち上がれない…。



先輩男「ハハハッ、そこで休んでなよ。俺、久々に頭にきちゃった」コキコキ


モブCさんの身体が不自然に捻じ曲り、地面に転がっている。

虚ろな瞳でこちらをみているが、全身血まみれでもう物言うことは無い…。



???「シィッ!」ババッ

フリップが動く、周囲の景色が一瞬揺らめく



先輩男「フッ」ヒュパ

???「ギャッ!」ドサッ


先輩男「よいしょっと!」ドガッ、ボグッ

???「グッ、ゴボッ」ボタボタ


何も無い空間を先輩男さんが蹴り上げる、その度に見えない何かが呻き声を上げる。



先輩男「何?こんなもん?」ヒュパ、スパッ


???「ガアァァ」ボトッ


切り離された手首が地面に姿を現わす。

流れ出る血が居場所を明確に示している。



???「…ロス、コ…ロス…」ガバッ

先輩男「はぁ?誰が誰をだ?」ヒュパン


ボトッ

今度は膝から下が…


???「コ…ロス、コロス」ズリズリ

血だまりが地面を動く


先輩男「だから、誰が誰をだって聞いてんだよ」ガスッガスッ
168 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 23:27:19.36 ID:wkEI5s9c0

シュパッ、バチバチバチバチ


端末の配線が切れ、光学迷彩が解除される。




先輩男「コイツ……エリ男?だったっけか?」ゴスッゴスッ


先輩男さんが打ち付けながら呟く


???「ギィ、コ、コ、ロ…ス」ズリズリ


先輩男「何でこんなとこに?教育班に送られたはずじゃ…」ヒュパ


ボトッ


右手が切り落とされ、這いずることすらできなくなった ソレ を見下ろす。


???「ギ、ギィ…コ…ロ…」ガクッ





先輩男「!」バッ


バラバラバラバラバラバラ

ブワッ


通信男「ヘ…リ?」


バラバラバラバラバラバラ……



169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/23(火) 23:33:57.25 ID:U91cfDJmo
どこまでなのか
170 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 23:50:55.59 ID:wkEI5s9c0




『サーベイ1の活動停止を確認』



『チッ、役立たずが…。だが貴重なサンプルだ。確実に回収させろ』



『了解、目標座標に折衝相手と思われる一団を確認。指示願います』



『適当に進捗しとけ、サーベイ2,3,4投下後に離脱。燃料費もバカにならん』



『了解、サーベイ2,3,4稼働確認後、適宜離脱』

『回収後は支店への帰席で設定します』




.
171 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/24(水) 00:07:43.91 ID:3R93X98P0
本日の投下完了。

>>169 ???投下が?ですかね?
レス間空いてすみません、書いちゃあげ、書いちゃあげなのでトロいです。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/24(水) 19:14:27.35 ID:yH5dDcifO
先輩男つぇぇー

ヘリはUH-1辺りかな?
173 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/25(木) 00:11:42.24 ID:Ek43KXCU0



……ザザッ



『な、何なんだコイツら』


『カカカ、カカカ』

『う、うわー来るなー!!』



『通信男くん、観測機の出力最大、モニタ精度上げて』



…………


『カシュン、カシュン、カカカ』



『クソッ!またヤラレ!!グワッ!』


………


『ヨシッ!一匹やったぞ!』


『…な、なんだ。コイツら同じ顔……』


…………


『円形防御。ってもぅ人数いないね。ハハッ』


………


『グッ、せめてもう一匹だけでも…』

『先輩男さん!腕が!!もういいです!下がってくだ…』


…………


『ガフッ…モブD…通信男を連れて逃げろ…』


『しかし、先輩男さんが!』


『俺はいーから、早く行けぇ!』



『ドンッ、バシャーン』ブツッ



記録時間:32分25秒



映像はここで終わっている。


.

174 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/25(木) 00:15:18.35 ID:Ek43KXCU0
諸事情兼ね合い、今日はこれだけ。

>>172 どちらかというとCH系のイメージですね。
装備全般も西側装備が頭に浮かんでます
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/25(木) 12:49:09.10 ID:kowK/1e5o
>>169
投下に文句はないっす、自由にやってください
癒着がどこまで進んでるのかな? そのラインで線引きして考えていいのかな?と
先読みにならない様に曖昧に書きました
176 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/25(木) 23:03:56.60 ID:Uk5h/tRzO
ーー 給油施設跡 映像確認中 主任男 ーー


主査「……」主任男「……」

後輩女「……」技術1係長「……」



先方のヘリ展開とモブD、通信男が川辺に流れ着いてから一夜が過ぎていた。


モブDの抱えていた先輩男さんの端末と、二人の端末の映像記録を編集した動画。

確認した中身は受け入れ難いものだった…。



IT女「先輩男Gr損失、業務実行能力低下率 20%」


主査「と、まぁこんな感じだ…あとは二人が目を覚ましたら詳細を聞き取ろう」スッ


スタスタ


主査が足早に出て行く。

残された全員も押し黙り言葉を発することができない。



IT女「警戒業務再開、定位置移動。追加詳細情報共有希望」スクッ、スタスタ



技術1係長「私も施設周辺の定常業務に戻ります。西からの警戒、レベル上げないとですね…」スクッ、スタスタ



主任男「さて、俺達も担当業務に戻るか…」


後輩女「…何なんですかアレ?」ボソッ


主任男「いや、今議論しても仕方…」

後輩女「オカシイですよ!先方の詳細不明人員も皆さんの冷めた反応も!」



主任男「感情的になるな、判断が鈍る。見て、分析して確実なことだけで論理構築しろ」

後輩女「……。アレがまだこの一帯で展開されてるかと思うと虫唾が走ります」



後輩女「あんな、あんなワケの分からない存在さっさと消してしまいましょう」


混乱する気持ちは分かるが珍しく感情的だな…


しかし画面に映り込んだ ナニカ の顔が見たことあるのが気に掛かる。


エリ男……だよな…あれ。

映像で確認できただけで二人いた…他ニ体もだとすると……



本当にワケが分からない、考えると頭が痛くなってくる。


はっきりした答えが出せるまで考えるのはやめだ。
177 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/25(木) 23:40:14.49 ID:Ek43KXCU0
ーー 給油施設跡 通信男 ーー


通信男「うわあぁあっ!」ガバッ


どこだ、ここ?

それより、 アレ はどこに?

先輩男さんは?1係の皆は?



ガチャ


通信男「!!」ビクゥ、ガバッ



主査「目が覚めたか、落ち着け。そこから出てこい」


主査?じゃあここは…


恐る恐るベットの裏から這い出て主査の方を向く



ガラガラガラ、ガランガラン


通信男「っうわっ!」ガバッ


アー、ワリーワリー。
コノヤローヒヤリハットダゾー。



主査「混乱する気持ちは分かるがしっかりしろ。ここは給油施設跡、先方はいない」


主査「大丈夫、大丈夫だ」ギュ



通信男「主査……」


モブD「ウグッ…ここは?」ムクッ


モブD「……あぁ…あの後落ちちまったか…」



隣のベッドに寝ていたモブDさんも目を覚ました


僕と違って至って落ち着いているように見える。



主査「目を覚ましたばかりでスマンが色々と聞きたいことがある…」ストッ


ベッドの脇にある椅子に座り僕達二人に向き直る




……あの悪夢を話さなきゃなのか……。


178 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/26(金) 00:21:47.99 ID:O2CnuZsF0
>>175 おーなるほど。私的には先読み大歓迎です(アイデア出しサボりの為?何のことですか?)
読者もそんなにいないので自由にどーぞー。

>>177 誤記訂正
誤:先輩男さんは?1係の皆は?
正:先輩男さんは?1班の皆は?

ってことで本日は投下終了
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