主任男「今月の目標は前線基地構築か、ツライな」

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137 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/14(日) 23:51:14.42 ID:pp0P6lbb0

端末『技術4Dさんの退職届けを受理しました』



先輩男「散開!誰かお客様確認した者は?」


「いいえ!」「まったく」


先輩男「通信男くん、見えなかったか?」


通信男「すみません、気が付いたら既に…」



何が起きたんだ?
ただ歩いてた、目の前の班員の首が落ちた。


訳が分からない。何も居なかったし何も見えなかった…。



ダダッ、ガサガサ

草の葉先が首に刺さりかゆい、気持ち悪い。


通信男「ウゲッ」ゲロゲロ


さっきの光景を思い出し草むらに朝食を全部戻した。




端末『先輩男:ステルスに光学迷彩か…みんな周囲確認に注力』



カシュカシュ

端末『技術4Fさんの退職届けを受理しました』


先輩男「ちぃ!モブC、マーカー散布!動体感知で!」


モブC「了解」バシュ、パラパラ


一瞬赤いフリップが点滅し、すぐ消えた。



先輩男「そこぉ!!!」ボグッ


???「ウグッ」ズザー


裏拳で虚空を打ち抜くとフリップがまた点滅する


カシュカシュカシュ

バス、バス


先輩男さんのベストに穴が開く


先輩男「っ痛」カカカカ、バッ


バスバスバスドシュ
138 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/15(月) 00:02:54.86 ID:u/JbI+c50

ポタッポタッ


路面に赤いシミが広がっていく



???「チッ…」


舌打ちが一つ聞こえ赤いシミは広がりを止めた



通信男「お帰りになった?」


先輩男「みたいだね。おーイテ」サスサス


モブD「大丈夫ですか?見せて下さい」


先輩男「あーヘーキヘーキ。ベストに穴が空いただけ、心配ありがと」


先輩男「みんなー今の営技さんねー。また進捗しにくると思うから気ぃ張ってねー」


先輩男「ね、通信男くん」


通信男「は、はいっ!すみません」



退職者二人を保護バックに入れ日陰に置いた。

回収班に依頼できる様にGPS記録も…
ちくしょう、GPS使えないじゃないか!


仕方無い、電柱の番地表示を画像取得する。


支店までの道のりは後半分。

気が重い…。


139 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/15(月) 00:29:35.09 ID:u/JbI+c50
本日の投下終了

>>134ホントっすね。
しかも2スレ連続で同じ間違いとか…懲罰ものですね。
140 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/15(月) 23:42:51.12 ID:u/JbI+c50
ーー 国道NO.400 主任男 ーー


係長代理かぁ…管理業務増えるってことだよな…


後輩女「主任男さん、国道東側のスクリーニング完了です。…って聞いてます?」



主任男「ん、あぁごめん。じゃあ次は西だね、4班にお願いしよう」


後輩女「さっきお願いしておきました。見開き良いエリアなのでそんなに時間も掛からないかと」



コンビニを後にして更に北にある工場跡まで歩を進めた。

ここまで折衝無し。気持ち悪いくらい静かだ。



後輩女「2,3班は?北上の準備でもしますか?」


主任男「いや、北上の指示はまだ出てないし、まずはここの東西を固めよう
ところで東側の観測業務は?」


後輩女「現在は3班が従事してますが何せ密度が薄いです。
さっき主査に技能さんの補充要請をしました」



主任男「じゃあ、技能さん来るまで交代で実施。
まず2班はツール整備、少ししたら3班と入れ替えて」


後輩女「了解です」


ここから先は一気に建物密集度が上がる。

国道NO.350も近づき先方の力の入れ具合も変わってくるだろう。


支店、本店との連携回復後じゃないと捌ける仕事じゃない。



…それにしてもやだなぁ組織運営とか…ガラじゃない…。

後輩女の方が合ってるよなー。


端末『技術4班長:周囲確認完了、観測機設置完了、いまから帰席します』


主任男「はい、了解。気を付けて戻って下さい」


あー大勢の業務管理預かるとかストレスだ…。


どうにか上手く実務だけやる方法無いかなぁ。

141 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/15(月) 23:53:30.47 ID:MVigAXqsO
ーー 工場跡東側 警戒業務中 特技男 ーー


人、少なくね?


主任男さん、通信男が抜けて5名しかいないし、
カバー範囲案外広いし。


端末『後輩女:モブAさん、東側もう少し向こうもお願いできますか?
私の位置からだと死角が多くて…』


それでも通常の倍以上のレンジをケアしてるのが恐ろしい。


特技男「それにしてもお客様来ないですね
昨日までの折衝は何だったんでしょう?」



端末『主任男:無駄口叩いてんな。と言いたいとこだが、全くその通りだな…』



端末『後輩女:先方さんのエリアカバー率が低過ぎるんですよね…
運営してたのかって疑問に思うくらい地域密着度が低く見えますし』



特技男「それにも関わらず、支店も出張所も業務進行度合いが妙に悪い…」



端末『新人女:お互いに示し合わせてサボってたんじゃ無いっすか?』アハハ


端末『モブA:お前じゃないんだからさぁ』アキレ


端末『新人女:私はサボんないっす!』プンプン


アハハ、フザケテンナー、シゴトシロー



端末『主任男:……。』端末『後輩女:……。』



端末『主査:賑やかだな2係。いま技能さんが給油施設跡を出た。
もうすぐ行くので待っててくれ』



端末『主任男:すみません、了解です。…主査、ちょっとお話しがあるのですが…』


端末『主査:ん?何だ?さっさと言えよ』


端末『主任男:直接話したいのですが、そちら戻っても良いですか?』


端末『主査:ああ、技能さんと入れ替わりでお前だけなら良いぞ』


端末『主任男:はい、では』



ヤケに深刻そうな口調だな。
オープンじゃなくて個人で話せば良いのに…


端末『主任男:技能さん到着後、西側を2,3,4班でローテーション管理。
追加指示あるまで継続のこと』
142 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/16(火) 00:05:18.77 ID:nFp6KC2rO
本日の投下終了。

中途半端ですみません。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/16(火) 15:05:29.00 ID:yrmNLln5O
先輩男ヤバス…大丈夫ですよね?

>>135
ぉ、今回初出の(ネタバレ検出

あれ?男の方に引っ掛かるものがない(・・;)
144 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/16(火) 23:04:03.68 ID:sVj1HyEY0
ーー 国道NO.400 主任男 ーー


主任男「後輩女、ちょっと行ってくる。後は頼むわ」


後輩女「了解です」



ブワッ、バシュン


俺の勘違いなら良いんだけど…

主査ももう違和感の正体はある程度見えてるんだろうな。




流れて行く景色の中、給油施設跡より手前で主査の姿を見つける。


ドギャギャ、バシュウ



主任男「あれ?何でワザワザこんなとこに?」


主査「周りに人がいると話せない内容だろ?お前が来てから席外すより違和感は無いだろ」


主任男「確かにそうですね。と、言うことはお話しの内容も?」


主査「あぁ、ある程度な。この業務域一帯の"違和感"だろ?」



やっぱり主査も気付いてたか…。

後は俺の馬鹿げた想像とどれだけギャップがあるかだな。



主任男「ええ、端的に意見具申しますと……」


主査「企業スパイか談合の類か?」


主任男「はい。北の業務に従事して思いましたが
この一帯はいくら何でもバランスおかしいです」


主任男「加えて我々が業務開始するタイミングでの先方の重点進捗や…」



主査「不自然過ぎる出張所の無防備さ、とかな」



主査「事実なら職務規定違反どころか背任行為、即懲戒解雇だな。違反者の目星は?」


主任男「確証はありませんが何となくは」


主査「俺もだ。となると後はどこまで引き込まれてるかが問題だな…」


………最悪の想定が当たらないことを願おう。

145 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/16(火) 23:35:55.07 ID:sVj1HyEY0
ーー T川支流土手沿い 通信男 ーー


モブC「ここにも…」


保管バッグが3つ、道の脇に置かれている。

所属、指名欄には3係の記載が見える。



通信男「これで18人目ですね…」


3係の班長さんの名前も2名ほど確認した。

ここまでで3班は半分以上の工数を損失していることになる。



人の心配ができる立場では無いが只々残りの課員の無事を祈りたい。



先輩男「ここからまた視界悪くなるからね、課題検出に注力。異常、即横展開を心掛けて」スタスタ



モブD「すみません、一回休憩とツール確認をさせて頂きたいです」ゲソー


一同「」ウンウン


先輩男「…んじゃ15分休憩ー」ヨッコイショ



その後営技さんと思われる相手からはコンタクトが無いが、その沈黙が逆に怖い。

気を張ったままの進行は精神だけじゃなく体力も削り取っていく。



通信男「それにしても何でこの一帯って観測機が一切設置されてないんでしょうか?」



先輩男「確かに変だよね。先方さんに潰されたってのも考えにくいし」ゴクゴク、プハー



まぁステルス光学迷彩相手に観測機もクソも無いんだけど一般進捗考えると不自然ですね。


この先の地域も観測機があれば少しは負担軽減できて効率化と工数ロス防止が見込めるのに…。



先輩男「よしっ、行こっか。みんな、何か起こるのを前提に思考、行動しよう。
色々な状況を想定しよう、そうすれば少しは落ち着けるからね」



何か起きる事が前提……。

残り三分の一、気持ちも足取りも重いけど僕たちがやらなきゃ、進まなきゃ。

146 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/17(水) 00:15:43.17 ID:FecwaYhL0


『BNF、BNF。T川方面一般Grの定期連絡が途絶えました』


「報告ありがとう、最後の報告から予測すると全員が被災、退職か。あちらも腕っこきだな…」


「 "アレ" を三体工数追加、先方支店との連携防止を第一優先、河川側は注視のみで良い」



「先行投入したサーベイ1の状況は?」


『バイタルしか取れてませんが、軽度被災の反応有り。活動は正常に継続してる模様』



「…そうか、引き続き重点監視のこと」


『了解しました』プツッ



「さて、俺も少しは働くか。現場に出る、俺のツールを用意しろ」




,

147 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/17(水) 00:29:15.20 ID:FecwaYhL0
本日の投下終了

>>143いつも支援ありがとうございます。
??男はきっと知ってる人ですよー
148 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/17(水) 23:19:46.61 ID:Vtf481YPO
ーー 住宅街進行中 通信男 ーー


ここら辺の住宅は境界が高めの生垣だから視界が遮られ易い…。


道も細いし、いま置かれている状況に対しては最悪の業務環境ですね。



端末『先輩男:会話及び内線の使用封鎖。音出さないようにね』


先輩男さんからのメールで緊張が更に助長される



無音状態のまま、ナメクジが這うような速度で住宅街を進んでいく。



ピチャン、ピチャン


ん?雨?



ピチャン、ピチャン


首筋に垂れた水滴を手で拭い何気無くそれを見る



通信男「!!!」んグッ


水滴の元を見上げ、思わず自分の口を手で塞いだ


通信男「ウグップ」ピシャピシャ


口を塞いだ指の隙間から吐瀉物が溢れる。


先輩男「どうしたの、通信男くん?」ボソ



通信男「ウプ」クイックイッ


頭上を指差し見ることを促す。

全員が異常に気付き上を向き立ち尽くす。



モブD「な、なんだよ…なんなんだよこれ…」



道の上を覆った太い木の枝に3係員だった"モノ"がまるで実のようにぶら下がっている。


その数は一人や二人じゃない…。



モブC「クソッ!いま降ろしてやるからな!ちくしょう!ちくしょう…」
149 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/17(水) 23:51:48.29 ID:FecwaYhL0


先輩男「モブC!やめろ!近づくな!」



モブC「な!?ウワッ!」


バシュン、ギュイーン


先輩男「全員散開、周囲警戒を厳にして」ヒュッ


指示を出しながら先輩男さんがモブCさんを吊るしているワイヤーにナイフを投げる。


バシン、…カラン、カラン



先輩男「チッ」サッ、ヒロイ


カシュン、カシュン、ビシンッ、ビシンッ



特殊鋼線なのか弾が当たっても切れない…。


ヒュパッ

モブC「クッ」タラー


待ち伏せられてた!?



技術2D「モブCさん!」カカカ


技術3B「ウグッ」ドシュドシュ


端末『技術3Bさんの退職届けを受理しました』


技術2D「あ…あ……」ガクガク



先輩男「全員、進捗中止!まだ3係に息の有る課員がいるぞ」


先輩男「通信男くん、至急バイタルチェック。できるよね」


スパッ

モブC「ガぁッ、先輩男さん俺に構わず退避して下さい」


あ、あぁ、モブCさんが…



先輩男「通信男ぉ!!」バン


通信男「っ痛、は、はい!」ハッ、ピピピ


150 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/18(木) 14:17:55.78 ID:7/SH4bE+O



先輩男「モブD、捕縛ネット弾あるなら周辺に連続発射!」



モブD「有ります、了解」バシュ、バシュ、バシュ

先輩男「あそこの太い枝に集中射撃!よく狙ってね」カカカ


カカカカ、カカカカ、バキバキ


バシュン

広がったネットが空中で何かに巻き付く。


モブD「よしっ!掛かった!」



通信男「報告!バイタル確認完了、感知三名。データ共有掛けます」ピピッ

先輩男「そろそろ折れるよ、各々落下位置を予測してその課員のケア
俺とモブDは先方さんの牽制に入る」


先輩男「通信男くんは周囲詳細のスクリーニング。観測機そこらにバラまいて強制稼働」


一同「了解」ダダッ

通信男「了解」ガサゴソ、ポイッポイッ



スパッスパッ、バサン


浮いていたネットが切り刻まれ地面落下した。


通信男「観測機稼働完了、グループ内同期させます!」ピピッ、ピピピ


通信男「っ!目の…前…」


僕の目の前に赤いフリップが点滅している。


通信男「あっ……」

フリップが更に近づく、反応できない……
151 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/18(木) 14:20:00.62 ID:7/SH4bE+O
昨日の分投下完了

寝落ちました。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/18(木) 18:57:42.43 ID:Lk5Cr59To
怖い戦場だな
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/19(金) 00:30:58.21 ID:hj9qGgNYO
通信男…(´・ω・`)ゞ
154 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/19(金) 23:51:52.12 ID:t1RBnJa5O
ーー 国道NO.400 特技男 ーー


モブA「よーし、次行くよー」

ツカレター、ドッチダー?



通信男「あ、この民家に2,3台ありますー」

オーアッタアッタ、ガチャン、カチャカチャ
イクゾー、セーノ


バリケードの為に並べる車を探して民家を覗き回る。空き巣みたいだな、俺。


これで高機動車の動きが封じられれば給油施設跡の業務も楽になるからなー。


東側ルートも同じ作業をしてるはずだけどあっちは……


新人女「車が飛んでるっす」ホヘー


通信男「馬鹿なこと言って無いでさっさと…」


…ホントだ、飛んでる。


平地の向こうの道路で車両が舞い飛び積み上がっていくのが見える。

ははっ工機男さんか、無茶苦茶だなあの人。


まぁこれで暫くは凌げるはず…


技術23B「! 観測機 4番に感有り。は、早い!何だ?」



全員が一斉にそちらを向くが何も姿が見えない


ガゥン、ガゥン


端末『技術23Bさんの退職届けを受理…』
端末『技術25Dさんの退職届けを……』


班員たちの頭が弾け飛び崩れ落ちていく、クッ光学迷彩か!?


主任男「総員、散開!退避!!!」ブワッ、バシュン


新人女「きゃっ」フラッ



周りの社員が散り、真ん中を割って主任男さんが飛び出す。


新人女「私も…」ダッ、ガシッ

通信男「相手はマネージャー級だし、俺たちが居ても邪魔になるだけだ」フルフル



主任男さんで駄目なら何がなんでも全員で止めるしか無い、信じているけど覚悟も決めるか…。



155 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/21(日) 20:36:17.53 ID:puB8FmX9O
ーー 国道NO.400 折衝中 主任男 ーー


はえーし見えねーし。

周りに係員もいるから派手にバラまけねーし


主任男「ま、取り敢えず…よっと」カシュ、カシュ


ガゥン、ガゥン!

危ねっ!


技術23C「ぐぁっ!」ドシュ


チッ、まずは係員を退避させないと無駄に労災が出ちゃうな…



カシン、パシュ


???「チッ!」バシュ


景色が歪んだ、そこか!


主査男「さんきゅー後輩女、ナイスフォロー」



スラッ、ガシン

主任男「お世話に!なりっ、ますっ!」カシン、カシン



端末『近接対象情報分析』

『FHW株式会社 営業本部付け特務主査 リボ男』


ガゥン、ガゥン


げっ、やっぱマネージャーかよ。バッ



リボ男「班長風情の割にはやるな」キュパ

カランカラン


カートが地面に落ち転がる。




とにかく先方をしっかり顕在化するのが最優先だな…。


主任男「総員、端末の電源緊急オフ!」


主任男「特技男、キャンセラー発動!」


特技男お手製の即席EMPツールだけど効けばラッキー。


特技男「了解」ポチッ、ヴォン
156 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/21(日) 20:40:00.81 ID:puB8FmX9O


リボ男「クッ」バチバチバチッ



特技男「見えた!」


主任男「改めて、よろしくっお願いっします!」

ブワッ、バシュン



リボ男「おわっ!」ガシッ


リボルバーの先についたナイフで俺の全力進捗を受け止める。

やるな。だけど…


主任男「まだまだぁ!」カシン、カシン


リボ男「おっと、中々やるな」カシン、カシン、スチャ


ガゥン、ガゥン


主任男「ウワッと!」カシュ、カシュ


リボ男「よっ、ほっと」ヒュパ、ヒュパ、ガゥン


主任男「グッ」スパッ、タラー


2丁の拳銃を巧みに操り、攻守のラグも隙も全く無い。


先輩男さんレベルだな…やべぇ押されてる。



ヒュッ、ビュッ、ヒュパ、スパッ

カシン、スパッ


主任男「クソッ」

身体の各所から血が垂れる、急所は外せているが、このままじゃジリ貧だな。



カシン、パシュ


リボ男「クッ」ババッ


リボ男「さっきから五月蝿いお嬢さんだな」バシュン



後輩女「!」


主任男「後輩女!」ブワッ


157 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/21(日) 20:42:18.85 ID:h4kDMQIn0


ヤベ、間に合わな…いや!

主任男「フンッ」カチッ、ドンッ!


視界が狭まり、リボ男が目の前に迫る。


リボ男「な、何ぃ!」クルッ


主任男「ふんぬ!」ググッ


加速Gに押し戻されながら足を前に出す。


主任男「どりゃぁ!」ドンッ

リボ男「ぐへあ!」ズシャー、ガランガラン



キン、キン、カラン、カラン…


バシュー

端末『強制冷却モード作動、利用可能まであと……』



主任男「総員、一斉射撃!」カカカ


カカカ、カカカ、ポイッ、ズズン、カカカ…



モブA「やったか!?」



158 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/21(日) 20:46:26.62 ID:h4kDMQIn0
週末分、投下完了。
安定しませぬ(-。-;

>>152怖くない仕事場は無いのです。
>>153ちょ、まだ早いwww
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/21(日) 23:52:04.52 ID:oA+zhSGtO
>>157
バカッ!モブAその台詞は自爆コマンド若しくはミスコマンドだ!

>>158
ぇー…早すぎる?
160 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/22(月) 21:16:37.33 ID:KcGXlDzKO
ーー 給油施設跡 主査 ーー


技術11A「国道北側2係の反応消失!」


技術11B「技術2係1班混成グループも座標消失!」


端末『IT女:飛行物体光学確認。ヘリ型輸送機一機。移動方向…支店方面』


なんだ、なんだ、いきなり。


やけに状況が騒がしくなってきたな。



主査「先輩男のとこは引き続きモニターを続けろ、主任男のとこは技能2-1を送って」


ヘリ型…まだそんな虎の子を隠してたのか…。



周りがこれだけ動くってことは



カカカ、カカカ

グワー、オマエラナニヲ!……



主査「やっぱりか。技術1係長、予定通りお願いします」スタスタ


技術1係長「はい」コクッ



建物の外に出ると技能2係長と複数の班員が銃を構え施設を制圧している。


技能2係長「そのまま、手を上げて出てきて下さい。危害は加えたくない」スチャ


主査「分かった、抵抗はしない」スタスタ


技能2係長「物分かりが良くて助かります。ほら、他の方も」クイクイッ



主査「全員ツールを下に置け、言うことを聞くんだ」


ガチャガチャガチャ


武装解除され壁際に一列に並ばされる。


主査「頼む、部下には危害を加えないで…」

ゴスンッ

主査「ぐう…」


技能12A「勝手に喋るな!」


やれやれ容赦無しかよ…
161 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/22(月) 22:45:08.30 ID:KcGXlDzKO

技能2係長「さて、主査さん。幾つか聞きたいことが有るのですがね」


主査「何だ?」ギロッ


優然と歩く技能2係長を睨み上げる、余裕っぷりが気に入らない。


技能2係長「まず、ここへの業務派遣を決めたのはどなたかな?」


主査「営業部長と本部企画会議だが?」


技能2係長「次に今節の業務指示は一般営業か、特務かというと?」


主査「質問の意図が分から…」ゴスッ

技能12A「いいから聞かれたことに答えろ!」


主査「ペッ!一般営業だよ、トロトロやってる技能に変わってここのシェア取れってな」

おー痛ぇ、このヤロウ覚えとけ。



技能2係長「ふーん、じゃあ特に内定等々の業務は聞いて無いと?」


主査「あぁ、アンタ方がFHWとつるんで進行停滞させてたとか、
本店にもその手引きしてるヤツがいるとかなんて何も聞いてねえよ」

技能2係長「おや?理解してましたか?」ハハッ


主査「全部分からねぇと気持ち悪いタチでね
頼む、最後に教えてくれ。どこまで巻き込んでる?」


技能2係長「何で教えなきゃ…と言いたいところですが、特別に。
簡単に言えばこちら岸の役職全員ですよ、技能1課長、支店長、その他課長陣。
本店側は私も教えてもらえてませんがね」


技能2係長「あぁ、係長では私くらいですね。あとの馬鹿どもは何も知りません」ククッ


支店長もだと?ヤバイ、先輩男達を戻さないと


主査「IT女、記録は?」

端末『IT女:改変不可承認付動画、音声。記録完了』


主査「よし、次だ、やってくれ!」


端末『IT女:了解。技能1課員、社員ID…削除。ツール使用権限…削除』


技能2係長「んなっ!?」ピピ、プツッ

技能12A「クソッ」カチッカチッ


技術1係長「全員動くな。主査、どうしますか?」スチャ


主査「この人数の管理、維持は不可能。また、社規に照らしても懲戒特別実施案件に符合
技能2係長を除き全員を即時懲戒解雇とする」


主査「あっ俺にも銃貸して」ヒョイ

主査「全員、構え!ッテェ!」カカカ、カカカ…ピチャピチャ
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/23(火) 00:06:40.47 ID:ROJpaU9No
職務規定違反だからね(´・ω・`)
仕方ないね(´・ω・`)
163 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 00:43:26.38 ID:wkEI5s9c0
ーー 国道NO.400 後輩女 ーー


ピピッ

給油施設跡の社員認識が一気に消失した。

主査の方でも何かあったのか?


主任男「気を抜くな!まだ進捗完了して無いぞ!」


モクモク、ブワッ

新人女「うわっ!」カシュン、カシュン


リボ男「っしょっと!」バシュン


後輩女「なっ」バッ

まずい、この距離じゃ躱しきれ…。


ドシュ

モブA「クッ、ガハッ」ポタポタ


後輩女「モブAさん!」パシュパシュパシュ



リボ男「おっと、外したか」ババッ


リボ男「おー痛え、脇腹吹き飛んだかと思ったよ」サスサス

リボ男「やってくれるねぇ、そこの班長さんよっ!」ブワッバシュン



主任男「ちぃ、総、員、退避、だ。俺に、任せとけ!」カシン、カシン



二発連続で射出機動を使ったせいか主任男さんの動きが鈍い。

先方の進捗に押し込まれているように見える。


カシン、カシン、ヒュパ、カシン、スパッ



後輩女「モブAさん!モブAさん!?」ダキッ

モブA「///」グデー


バラバラバラバラバラバラバラバラ


後輩女「!」ズルッ、ゴン

モブA「痛え…」


ヘリ!?こんな過疎地域に!?


リボ男「あーもう来ちゃったか。んじゃ俺、あっち行かなきゃだから。じゃね」バシュン


主任男「な、ふざけんな!待てっ!」


ヘリも先方主査も支店方面に向かって姿を消した。
164 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 00:48:25.32 ID:wkEI5s9c0
ーー ちょっと休憩 とある日の2係 ーー


特技男「はーい、じゃあみんな大好きOFFJTの時間だよー」


ワーパチパチパチ


新人女「特技男さーん…」ハーイ

特技男「ここでは先生と呼びなさい!」ヒュッ、ゴビシッ

新人女「あうっ、じゃあせんせーい!」ハイハーイ


特技男「はい、新人女くん」ユビサシッ


新人女「この時間って、お給料出…あぅっ」ゴビシッ


特技男「はいっ、何を言ってるか先生良く分かりませーん。じゃあ進めますよー」イイカナー


一同「は、はーい」


特技男「ではみんな、初等教育で習ったと思うけど "名刺交換" から復習しようか?」


特技男「できる人ー、挙手ー」


ハイハイ、ハーイ


特技男「んん…一人だけ元気が無いなー、新人男。前に来て先生にやってみて」コイコイ


新人男「ちっ、くだらねぇ。何でこんなこと今更…」ボソッ


特技男「あれ?名刺交換もまともにできないのかー、先生悲しーぞ」ニヤニヤ


新人男「やりますよ、はいっ」スッ


特技男「あっ!まーい!!!」ゴビシン!

新人男「なっ!」ドゴッ、メキャン…ピクピク


特技男「はい、そんな気の抜けた名刺交換では交換どころか接近すらもできません!」


技術2Y「せ、先生、新人男くんが起きませーん」ペシペシ

特技男「やる気の無い子は放っておきなさい!」


特技男「名刺交換というのは、お互いの端末同士が近接することで固有コードを読みとり…」


技術2Z「! 先生ー、新人女さんが寝てまーす」チクリ


特技男「ふんぬ!」ヒュバ!ゴビシッ!

新人女「あぅっ!」バタッ、ピクピク


特技男「さて、続けますよ。固有コードを読みとりアルゴリズム解析を掛けることで、
相手の所属、氏名、階級が分かる技術でしたね」


技術2Y「せ、先生ー。新人女さんも起きませーん」ペシペシ

165 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 00:51:51.27 ID:wkEI5s9c0


特技男「元々は確実に折衝完了したのを確認する為、バイタルを直接確認したのが始まりです」

一同「へぇー」


特技男「最近はアルゴリズム解析精度も上がり、相手社員の基本情報くらいは取れるようになりました。」

新人女「うぅ」ノソノソ 新人男「ちっ、くそ」ボソッ


特技男「では、問題!」ジャジャン

特技男「名刺交換が履行しない状況が幾つかあります。端末不良、ステルス化、あと一つは?」


一同「うーん…」ナヤミ


新人女「あっ!」ピーン

特技男「おっ、じゃあ新人女くん」


新人女「端末被っていくの忘れた時っす!」

特技男「論!外!!」ヒュッ、ゴビシ!


新人女「あぅっ!だって前節危うく…」ナミダメ

特技男「はい、新人女くんは後で個別に話し合いましょうねー」ギロッ


特技男「正解は〈初めてお会いする会社の方〉でした」

技術2W「しつもーん、じゃあどうして私達が初めて会った方でも名刺交換できるんですか?」


特技男「おっ、良い質問ですねー。その為にいるのが〈営業さん〉です」

特技男「我々に先立って現場入りし名刺を頂いてくることで情報を蓄積し、先方の基礎アルゴリズムが解析できるようになるんです。営業さんに感謝しましょうね」

一同「はーい」


特技男「じゃあ最後にもう一回、名刺交換を実践してみましょう」

特技男「あそこに歩いているモブAさん相手に先生が見本を見せるのでよーく見ておくように」

一同「はーい」ワクワク


特技男「フッ!」シュバッ、ゴスッ!

モブA「クボォ!」ゴロンゴロン、ズザー


モブA「」ピクピク

技術2Y「せ、先生ー。モ、モブAさんが息してませーん」


特技男「放っておきなさい。では、新人男くん。次にあそこの角から出てくる人に名刺を頂いてきて下さい」


新人男「ハッ、やりゃあいいんだろ」ダダッ

工機男「ぬ?」ムキムキ

新人男「エッ?」バィン!ズガッ!ゴロゴロ


特技男「と、いうことで、名刺交換は大胆さと慎重さが必要だと分かりましたね」

一同「は、はーい」


特技男「ではまた次回」バイバイ
166 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 01:02:35.81 ID:wkEI5s9c0
本日の投下完了。

>>162会社では規則が絶対ですからね。
人間性より良識より社規が優先です、当然ですを

>>164-165
痛い作者の前書き、後書き風に書いてみました。
何かやってみたくなったんです。許して下さい…。

他の用語、技術解説も検討してます。
誰かが代わりに書いてくれても良かとよ。
167 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 22:54:06.26 ID:wkEI5s9c0
ーー 住宅街 通信男 ーー


先輩男「どりゃっ!」ガンッ


???「グッ」ズサー


先輩男「危なかったねー。大丈夫?通信男くん?」プラプラ



拳を振りながら先輩男さんが僕に問い掛ける。


通信男「あ、はい、大丈夫…」ガクガク、ペタン


足に力が入らない、立ち上がれない…。



先輩男「ハハハッ、そこで休んでなよ。俺、久々に頭にきちゃった」コキコキ


モブCさんの身体が不自然に捻じ曲り、地面に転がっている。

虚ろな瞳でこちらをみているが、全身血まみれでもう物言うことは無い…。



???「シィッ!」ババッ

フリップが動く、周囲の景色が一瞬揺らめく



先輩男「フッ」ヒュパ

???「ギャッ!」ドサッ


先輩男「よいしょっと!」ドガッ、ボグッ

???「グッ、ゴボッ」ボタボタ


何も無い空間を先輩男さんが蹴り上げる、その度に見えない何かが呻き声を上げる。



先輩男「何?こんなもん?」ヒュパ、スパッ


???「ガアァァ」ボトッ


切り離された手首が地面に姿を現わす。

流れ出る血が居場所を明確に示している。



???「…ロス、コ…ロス…」ガバッ

先輩男「はぁ?誰が誰をだ?」ヒュパン


ボトッ

今度は膝から下が…


???「コ…ロス、コロス」ズリズリ

血だまりが地面を動く


先輩男「だから、誰が誰をだって聞いてんだよ」ガスッガスッ
168 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 23:27:19.36 ID:wkEI5s9c0

シュパッ、バチバチバチバチ


端末の配線が切れ、光学迷彩が解除される。




先輩男「コイツ……エリ男?だったっけか?」ゴスッゴスッ


先輩男さんが打ち付けながら呟く


???「ギィ、コ、コ、ロ…ス」ズリズリ


先輩男「何でこんなとこに?教育班に送られたはずじゃ…」ヒュパ


ボトッ


右手が切り落とされ、這いずることすらできなくなった ソレ を見下ろす。


???「ギ、ギィ…コ…ロ…」ガクッ





先輩男「!」バッ


バラバラバラバラバラバラ

ブワッ


通信男「ヘ…リ?」


バラバラバラバラバラバラ……



169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/23(火) 23:33:57.25 ID:U91cfDJmo
どこまでなのか
170 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/23(火) 23:50:55.59 ID:wkEI5s9c0




『サーベイ1の活動停止を確認』



『チッ、役立たずが…。だが貴重なサンプルだ。確実に回収させろ』



『了解、目標座標に折衝相手と思われる一団を確認。指示願います』



『適当に進捗しとけ、サーベイ2,3,4投下後に離脱。燃料費もバカにならん』



『了解、サーベイ2,3,4稼働確認後、適宜離脱』

『回収後は支店への帰席で設定します』




.
171 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/24(水) 00:07:43.91 ID:3R93X98P0
本日の投下完了。

>>169 ???投下が?ですかね?
レス間空いてすみません、書いちゃあげ、書いちゃあげなのでトロいです。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/24(水) 19:14:27.35 ID:yH5dDcifO
先輩男つぇぇー

ヘリはUH-1辺りかな?
173 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/25(木) 00:11:42.24 ID:Ek43KXCU0



……ザザッ



『な、何なんだコイツら』


『カカカ、カカカ』

『う、うわー来るなー!!』



『通信男くん、観測機の出力最大、モニタ精度上げて』



…………


『カシュン、カシュン、カカカ』



『クソッ!またヤラレ!!グワッ!』


………


『ヨシッ!一匹やったぞ!』


『…な、なんだ。コイツら同じ顔……』


…………


『円形防御。ってもぅ人数いないね。ハハッ』


………


『グッ、せめてもう一匹だけでも…』

『先輩男さん!腕が!!もういいです!下がってくだ…』


…………


『ガフッ…モブD…通信男を連れて逃げろ…』


『しかし、先輩男さんが!』


『俺はいーから、早く行けぇ!』



『ドンッ、バシャーン』ブツッ



記録時間:32分25秒



映像はここで終わっている。


.

174 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/25(木) 00:15:18.35 ID:Ek43KXCU0
諸事情兼ね合い、今日はこれだけ。

>>172 どちらかというとCH系のイメージですね。
装備全般も西側装備が頭に浮かんでます
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/25(木) 12:49:09.10 ID:kowK/1e5o
>>169
投下に文句はないっす、自由にやってください
癒着がどこまで進んでるのかな? そのラインで線引きして考えていいのかな?と
先読みにならない様に曖昧に書きました
176 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/25(木) 23:03:56.60 ID:Uk5h/tRzO
ーー 給油施設跡 映像確認中 主任男 ーー


主査「……」主任男「……」

後輩女「……」技術1係長「……」



先方のヘリ展開とモブD、通信男が川辺に流れ着いてから一夜が過ぎていた。


モブDの抱えていた先輩男さんの端末と、二人の端末の映像記録を編集した動画。

確認した中身は受け入れ難いものだった…。



IT女「先輩男Gr損失、業務実行能力低下率 20%」


主査「と、まぁこんな感じだ…あとは二人が目を覚ましたら詳細を聞き取ろう」スッ


スタスタ


主査が足早に出て行く。

残された全員も押し黙り言葉を発することができない。



IT女「警戒業務再開、定位置移動。追加詳細情報共有希望」スクッ、スタスタ



技術1係長「私も施設周辺の定常業務に戻ります。西からの警戒、レベル上げないとですね…」スクッ、スタスタ



主任男「さて、俺達も担当業務に戻るか…」


後輩女「…何なんですかアレ?」ボソッ


主任男「いや、今議論しても仕方…」

後輩女「オカシイですよ!先方の詳細不明人員も皆さんの冷めた反応も!」



主任男「感情的になるな、判断が鈍る。見て、分析して確実なことだけで論理構築しろ」

後輩女「……。アレがまだこの一帯で展開されてるかと思うと虫唾が走ります」



後輩女「あんな、あんなワケの分からない存在さっさと消してしまいましょう」


混乱する気持ちは分かるが珍しく感情的だな…


しかし画面に映り込んだ ナニカ の顔が見たことあるのが気に掛かる。


エリ男……だよな…あれ。

映像で確認できただけで二人いた…他ニ体もだとすると……



本当にワケが分からない、考えると頭が痛くなってくる。


はっきりした答えが出せるまで考えるのはやめだ。
177 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/25(木) 23:40:14.49 ID:Ek43KXCU0
ーー 給油施設跡 通信男 ーー


通信男「うわあぁあっ!」ガバッ


どこだ、ここ?

それより、 アレ はどこに?

先輩男さんは?1係の皆は?



ガチャ


通信男「!!」ビクゥ、ガバッ



主査「目が覚めたか、落ち着け。そこから出てこい」


主査?じゃあここは…


恐る恐るベットの裏から這い出て主査の方を向く



ガラガラガラ、ガランガラン


通信男「っうわっ!」ガバッ


アー、ワリーワリー。
コノヤローヒヤリハットダゾー。



主査「混乱する気持ちは分かるがしっかりしろ。ここは給油施設跡、先方はいない」


主査「大丈夫、大丈夫だ」ギュ



通信男「主査……」


モブD「ウグッ…ここは?」ムクッ


モブD「……あぁ…あの後落ちちまったか…」



隣のベッドに寝ていたモブDさんも目を覚ました


僕と違って至って落ち着いているように見える。



主査「目を覚ましたばかりでスマンが色々と聞きたいことがある…」ストッ


ベッドの脇にある椅子に座り僕達二人に向き直る




……あの悪夢を話さなきゃなのか……。


178 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/26(金) 00:21:47.99 ID:O2CnuZsF0
>>175 おーなるほど。私的には先読み大歓迎です(アイデア出しサボりの為?何のことですか?)
読者もそんなにいないので自由にどーぞー。

>>177 誤記訂正
誤:先輩男さんは?1係の皆は?
正:先輩男さんは?1班の皆は?

ってことで本日は投下終了
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/26(金) 14:41:29.78 ID:7YwgmbtYO
いい奴から先に逝くんだよなぁ…

先輩男に敬礼(`・ω・´)ゞ
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/26(金) 22:58:22.33 ID:EzwuCnHko
あの先輩男がそう簡単にやられるわけがない!

それより、いつも冷静で俺の大好きな後輩女が取り乱してるほうが心配だ
181 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/26(金) 23:07:20.88 ID:gg/SusSGO
ーー 国道NO.400 特技男 ーー


険しい表情で主任男さん達が戻ってきた。

二人とも黙り込んでる、係もその雰囲気のせいかピリピリしていて空気が重い。



特技男「お考え中のところ申し訳ありません、再編成された人員の配置を相談差し上げたいのですが…」


主任男「あーわりー。草案作って持ってきてくんね?」


特技男「はい、任せて頂けるならやっときますが…」



何があったのだろう…

支店周りの状況も分からない。

北進するかどうかの判断も付かない。


まずは無難に現状維持の業務配分にするか。


…………………
……………
………


特技男「できました、確認お願いします」ピラッ


主任男「ん?あーありがとう。……いや、これじゃダメじゃね?
もっと能動的に動ける配置にしとかないと北と西のケア効かないよ。やり直し」



……なんじゃそりゃ。先に言ってくれよ…。


特技男「はぁ、すみません。直します」


…………………
……………
………


特技男「お願いします」


主任男「えーと、はいはい。おーそうしちゃったかー。これだと給油施設跡への集約動線悪くない?」


主任男「あー、いいや。後輩女、悪いけど業務配置やってくんない?特技男のヤツも参考にして」


…なら最初から後輩女さんがやれば良かったんじゃね?


………………

後輩女「確認お願いします」スッ


主任男「…うん、そーだね、良いと思う。主査にデータ共有…
いや、誰かにハンドキャリーしてもらって」



特技男「あ、じゃあ俺が行ってきます」


主任男「ん、おー悪いな。じゃあ頼むわ」
182 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/27(土) 00:01:14.08 ID:d/cP/qUlO


主任男「あー、行く前に一旦技術係と技能班長だけ集めて。話しておきたいことがある」


この雰囲気の原因か…深刻そうだな…


ーー 建物前 みんな集合中 ーー


主任男「端的に情報共有する。3係及び2係1班が支店連絡業務中にほぼ全員退職した」


ザワザワ、エ!?センパイオトコサンノトコ?


え!?マジで!?通信男は?先輩男さんは?


主任男「二名は給油施設跡で一時休業中で、残りの社員は状況不明だ。
この事案の発生により、工数も業務遂行能力も大幅に低下している」



主任男さん達の様子がおかしかった理由がやっと分かった。


俺以上に1班と親交のあった二人はもっとショックを受けてるだろうな…。


主任男「取り敢えず業務自体は現状維持を最優先するが給油施設跡への緊急移動等有り得る」


なるほど、それであの配置か。

もっと目的を最初に確認すれば良かった…。


主任男「状況も不安定、工数低下も著しいがそんな時こそ基本に立ち返ろう。
みんな原理原則に基づいて確実な業務を心掛けてくれ」



ハイ。 マジカー。 コノサキドーナルンダー


みんなが口々に不安を漏らす。


孤立、工数減少、減っていく備品、不透明な環境


俺も正直なところ不安で仕方無い。


だけど、見えない不安に振り回されるくらいなら打破する為に頭を使おう。


うん、まずは足元の業務をしっかりこなそう。

183 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/27(土) 02:57:03.65 ID:d/cP/qUlO
ぐたりました、ごめんなさい。
本日投下終了です。
184 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/27(土) 21:41:59.52 ID:nHDM7X0q0
ーー 給油施設跡 主査 ーー


主査「よし、と」パラパラ


再編成の内容確認完了っと。


さて、次は…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

給油施設跡:技術26名、技能20名、工機3名
仮出張所:技術7名
北拠点:技術24名、28名、工機3名
T橋:技術6名、技能5名

在職:技術63名、技能53名、工機6名=122名
退職/不明/休業:技術54名、技能91名=145名
(懲戒解雇者を含む)
損耗率約55%

進捗:278件 不確実:46件

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カタカタ、カコン、カタカタカタ


工数実績表では社員一人一人の退職がただの "ー1" でしか表示されない。

これが俺のマネージメントの結果だと思うと不甲斐ない気持ちになり気分も沈む。


それにしても損耗率が55%か…壊滅判定と。
懲戒を含むとはいえ自分がこんな数字叩き出すとは思わなかった。

ははっボーナスゼロとか当たり前の報いだな。


パタン


PCを閉じ天井を仰ぎ、目を瞑る。




ピピッ

…ん?


端末『統合業務管理システムアップデート開始
……ファームウェア書き換え:完了
……サーバー接続ルート変更:完了
……暗号化管理ロジック変更:完了
……通信アルゴリズム…………』


なんだなんだなんだ???

建物の外では同じ様に課員達がざわめいている



主査「おい、IT女!何が起きてる!?」


端末『IT女:端末障害原因究明。技能2係長端末破棄依頼』


端末障害?先方の電子撹乱への対抗措置ができたのか?


主査「良く分からんが技能2係長の端末を破壊すればいいってことだな?」ダダッ

185 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/27(土) 21:58:42.36 ID:nHDM7X0q0


ガチャッ


主査「後で色々聞くことができたが、まぁいい。貰ってくぞ」ガバッ、ダッ


カカカカカカ、ボンッ


主査「破棄完了した。次はどうすれば良い?」


端末『IT女:信号途絶確認。他依頼無』



端末『システムバッファリング完了
再起動シーケンステスト完了』


端末『再起動します。暫くお待ち下さい』プツッ



何だか良く分からないが、これで目と耳が取り戻せることを期待するか。




端末『IT女:取り敢えず再起動処理完了っと』

おっ平常モードだ。


主査「どーした、珍しいな」

端末『IT女:うー疲れた。私の端末とAFVのローカルサーバーも一回落としちゃったからやること無いし』


主査「全部落としたってことか?何分掛かるんだ?その間大丈夫か?」


端末『IT女:5分くらいかなー。平気かは分かんないよー。
だから物理作業側を強化しといてね』


主査「おいおい、先に言えよ。
…総員に業務連絡、現在システム復旧の為、約10分間OA使用不可
光学による警戒を強化せよ」



主査「で?説明頼むわ」


端末『IT女:うーん。簡単に言うと端末の機能障害は先方からのジャミングじゃなくて
共有ネットワーク内での阻害プログラムのせいだった。ってところかしら』


主査「うん、なるほど。全然分からん」


端末『IT女:更に簡単に言うと、技能1課員の端末がウィルスみたいなのを垂れ流してたのよ』

端末『IT女:T橋渡ってすぐにG県側サーバーとデータリンクさせるルーターがあるんだけど
多分リンク時に強制的に仕込まれたのね…』


主査「いやでも端末のプログラムとかサーバー系の管理保守って…」


端末『IT女:そ、管理部の管轄。現場の所轄課じゃどうこうできるレベルじゃないわ』


主査「そうゆうことか…」

端末『IT女:そうゆうことね。じゃあそろそろ立ち上がるから、じゃーねー』
186 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/27(土) 22:25:47.84 ID:YZFz5rC+O
取り敢えず今日はここまで。

>>179-180 いつもあざっす。
ここから更に迷走しますのでお付き合いお願いします。
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/27(土) 23:28:30.62 ID:bwCZ0w0Qo
平常モードIT女の口調かわいいwww
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/28(日) 09:48:24.90 ID:RXU2Wv6yO
これ、一部の管理職にも内通者がいるパターンジャマイカ?

事務口調じゃないIT女がなんか可愛い。

そうかー、主査さんはこれで落ちたのかー。
189 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/28(日) 23:25:59.22 ID:/bWGGSUGO


ーー 本店第三会議室 ーー



営業部長「ウチの主査達がそんなことする訳なかろう!何回言ったら分かるんだ!」


管理課長「そうは言っても一方的な報告の途絶、出張所でおきた惨状、何よりも証人がねぇ…」


技能1課長「あのタイミングでのOA補助の停止、先方からの遠隔進捗、
その後の技能1課の総退職。偶然では説明できません」



人事参与「……」


管理課長「現状、T橋も遮断されてて召還できませんが、それに関わっている可能性すら…
解雇を視野に入れた懲戒が妥当と判断し…」


営業部長「貴様、その良く回る口を一回閉じろ。懲戒の判断、内容はお前ごときが発令して良いことでは無い」



人事参与「…まぁ、落ち着いて下さい営業部長。
本部長とも相談はしますが、当面の措置としては主査の管理権限剥奪及び先輩男、主任男、後輩女の出勤停止を命じます」


営業部長「くっ」ギリギリ

管理課長「妥当かと」フッ


人事参与「但し、先日の発令は撤回。
正規実施は本社帰席後の査問結果によるとし、現時点では事実未確定とします」



管理課長「なっ!それでは何も変わらんじゃないか」


人事参与「いや、事実確認しなきゃ正式決定無理でしょ?状況証拠と証言だけじゃねぇ」


技能1課長「私が虚偽報告しているとでも…」



人事参与「私は現場の実務には精通してないが、現在の対FHW社案件が抜き差しならない状況なくらい分かってる」


人事参与「不確定な判断で、いま技術課を業務停止したら利益が出るのは先方なのでは?」


営業部長「その通りだ。主査が潔白ならG県営業状況は維持若しくは好転する。
もしも、もしも背任が事実ならどっちにしてもFHW社にシェアを奪われる、それだけだ」


管理課長「とはいえっ!ちっ…いや…分かりました。失礼する」

ズダッ、カツカツカツ、バタン


190 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/28(日) 23:41:27.17 ID:/bWGGSUGO




営業部長「寛大な措置、感謝する」ペコ


人事参与「いや、頭を上げて下さいよ部長」


人事参与「どちらかと言うと営業部長が管理課長をどうにかしちゃうかの方がヒヤヒヤでしたよ」


営業部長「私がそんな事する訳無かろう」


人事参与「お忘れですか?私は課長時代に企画部長を引き摺り回すのを止めようとして
あなたと一緒にN町を一周した男ですよ」フフッ


営業部長「む、むぅ。それを言われると…スマン」


人事参与「あの経験のお陰で多面的に物事を考えられる力が付けられました」



人事参与「ま、第一あのプログラムの終了過程者のあの子たちが我々に弓を引く訳も有りませんしね」



営業部長「……」



人事参与「しかし、収穫もありました」


営業部長「こんな茶番のどこにだ?」



人事参与「本当に査定が必要なのがどこなのかが分かりましたよ。
前々から調査してた件ともつながりが見えてきました」


営業部長「…あの件か……」

人事参与「えぇ、営業部長にもお力添え頂くことになるでしょう。その時は宜しくお願いします」





.
191 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/28(日) 23:53:20.07 ID:gI22zl/m0





リボ男『ちっバカが、嗅ぎつけられたのか?』


『いえ、まだ確証は得られてないかと』



リボ男『まぁいいや、どっちにしても目障りになってきたからさっさと片付けておくか…』



『あ、あの例の件は?』


リボ男『あー検討してるよ、いーから黙って働けや』


『は、はい。お願いします』プツッ




リボ男『コイツもそろそろ潮時だな…』




.
192 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/29(月) 00:08:23.80 ID:3BnHJ5yq0
本日分投下完了。

>>187-188 主査とご飯してる時とか気になりますよねー。
仕事とプライベートのギャップは私も好物です。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/29(月) 00:16:59.72 ID:6SbE274Ko
>>192
余裕が出来たらそのうち番外編で高級中華店希望です
194 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/29(月) 23:24:36.10 ID:GcM7u9qA0
ーー 北拠点 後輩女 ーー


端末『新しい構成ファイルを確認しました
システム構成再確認中…完了
データベース接続確認…完了
業務連携システム確認…完了
衛星情報利用権限確認…完了
メールサーバー接続確認…エラー
……ステップ94構築不良、管理者に問い合わせて下さい
一つ以上の機能限定で業務管理システム稼働します』


………………ピピッ


端末『明るい未来を地域にお届け、TEA.incです
お世話になります』



端末『安全衛生より:KY励行、標準手番遵守。安全作業に留意しゼロ災で行こう、ヨシッ!』


端末『労務管理課より:今月は今期の締め月です。労務実績表は25日までに提出して下さい』


端末『管理課より:備品使用実績表、来期使用計画表の提出期限遵守。遅滞部署は使用制限を掛けます』



内線は使えない?他のシステムは正常なのにおかしい…。


とはいえ、業務アプリと視覚拡張は復帰か。

やっと標準作業に戻れる。



後輩女「視覚拡張オン、衛星同期確認」

端末『現在4機の衛星が使用可能です。各衛星の状態遷移を表示します』



3,4日間は連続運用可能ね。良かった。

195 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/29(月) 23:46:25.27 ID:GcM7u9qA0
ーー 北拠点 主任男 ーー


システム復旧か、この最悪な環境の中でも少しは光明が見えてきたか…。


主任男「広域表示、S県K市」


端末『広域地点情報を表示します』



うん、川向こうの社員状況も定点観測機情報も取れてるな。



主任男「広域表示、G県O市」

まぁ北側はブラックアウトして……ん?



何でこんなとこに観測機?

しかもこの波形、先方に認識されてない、ということは新型だなこれ…


少なくともウチの課がセットしたのじゃない。


一体誰が……


196 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/29(月) 23:47:16.11 ID:GcM7u9qA0
ーー 給油施設跡 主査 ーー


システム復旧は良いとして、何で通信系統だけは停止したままなんだ?
下り側の通信はできるけど上り側は停止したまま?


主査「IT女、どういうことだ?」


端末『原因分析中.仮設1…本店側ブロックプログラム稼働.仮説2…当方通信インフラ社員ID削除
仮説3…仮説1,仮説2複合』



主査「意図的な妨害しか考えられないってことか…」


端末『IT女:攻性プログラム浸入.…駆逐完了.
ロジック解析…パターン類推……特異点確認、…仮説報告…SE男….うわぁ……』



SE男?アイツか?確か同期だったような気が…


どっちにしても管理部の中に課題があるのは分かった。


さて、ここG県からどうやって対応するかな…




…ん?いまIT女が一瞬素に戻ってたような気が…


197 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/30(火) 00:21:19.74 ID:7RTgjxqH0




SE男「デュフフフ、IT女タン」ハァハァ


SE男「やっと僕のプログラムに気付いてくれたね」ニヤニヤ



SE男「あーIT女タンにボクのプログラムが駆逐されてるー。もっと駆逐してー」カタカタカタカタ…



ーーーーーーーーーーーー


IT女「!」ゾワゾワッ

キョロキョロ

IT女「?」


ーーーーーーーーーーーー


SE男「デュフ、デュフフ。でも回復ルートは全部抑えてあるし、rootパスもランダムに変更してるから無駄だよー」バリボリ


プシュ、ゴキュゴキュ


SE男「ぶはー、ゲフゥ。あ、IT女タン人形の着替えの時間だデュフ、デュフ」ハァハァ、ピラリ


198 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/30(火) 00:35:25.98 ID:7RTgjxqH0
本日の投下完了

>>193 了解です…が、S県帰ってからだから大分先ですね。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/06/30(火) 00:49:58.32 ID:jvfzYJVpO
き 、キメェ…
って、このバカも向こう側かよorz
…前期にこんなキモいの居たっけ?(汗)
200 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/30(火) 23:25:13.77 ID:iIPe0xFaO
ーー 北拠点 特技男 ーー



新人女「わー直ったっす!これでまたバリバリ進捗できるっす!」ピョンピョン


特技男「五月蝿い、騒ぐな。と言いたいとこだがホントだな。ホッとするよな」


新人女「はーい。でもPDAも端末もロクに機能しないんじゃ不安で仕方なかったんっす」



特技男「ったく。早く次の外回りの準備しとけよ。新人男もな」フッ




モブA「………」


特技男「あれ?モブAさん何見てるんですか?」


椅子に座り静かに手元を見つめるモブAさん。

いつも無駄に明るいモブAさんが寂しげな表情をしているのは珍しい…傷が痛むのかな?



モブA「あぁ、ちょっとね…」


特技男「写真?ですか?」

新人女「わーこれモブAさん?若いー」ノゾキ



モブA「うん、モブB、モブC、モブDと俺だよ。新人教育の後に撮ったやつ」ピラッ


特技男「ってことは四人は同期だったんですか?」


モブA「そう、言ってなかったっけ?若手大幅採用の時期だったからね」


新人女「それでも同班同直で四人も同期って珍しいっすね」


モブA「うん、だけどもう二人になっちゃった。モブDとも係は一緒だけど班は違うしね」


特技男「モブDさん、ご無事だったんですね」


モブA「うん、だけど主任男さんに聞いたら先輩男さんが所在不明だって…」



特技男「え!?じゃあ休業中の二人って…」


モブA「通信男とモブDだよ、二人が無事で良かったよな…ホントに…」



無事だったのは先輩男さんだと思ってた…でも同じ班の通信男が無事だったのは正直に嬉しい。


こんな時どんな表情をすれば良いんだろう…




201 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/06/30(火) 23:45:47.38 ID:iIPe0xFaO
ーー 北拠点 主任男 ーー


端末『主査:IT女のお陰で端末が復旧した。これでいくらかは作業環境の安全が確保された』


端末『主査:と、いうことで…』



どうしよう、この流れイヤな予感がする。



主任男「支店の状況確認…とか?」


端末『主査:ピンポーン、正解。お前らが西にシフト、俺らが北にシフト』



後輩女「それだと給油施設跡がガラ空きになりますが」


端末『主査:あぁ、先方の詳細不明人員の懸念だろ?それは良いとこ2名+αだし世話無い。
しかも端末も復旧してる、対応は可能だよ』


主任男「もし給油施設跡を抑えられたら?」


端末『主査:そんときゃAFVで地点進捗して潰しちまえば良いさ。なんだったら工機男も緊急対応できる』



後輩女「なるほど、確かにここに留まっても何も打開策無いですしね、理解しました」


端末『主査:とはいえ、支店までの間は不確定要素満載の課題の塊みたいな工程だ。
お前らがもしも何て事になったらウチの課はもう機能しねぇからな』



端末『主査:KY、なぜなぜを励行して、くれぐれもゼロ災を心掛けてくれ』


主任男/後輩女「はい!」


端末『主査:シフトは45分後、俺のチームがそっちに着いたら即出発しろ』


端末『主査:IT女聞いてるよな、良いな?』


端末『IT女:了解』



さて、忙しくなりそうだな。


202 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/01(水) 00:06:59.63 ID:5Yg/5Kd+O
ーー 給油施設跡 通信男 ーー


眼を閉じるとあの光景が蘇る。吊るされた3係。

血まみれになっていくモブCさん。

一人づつ地に伏せていく係の皆。

壊されていく先輩男さん。


地面に横たわる二体の同じ顔の ナニカ 。


まるで悪夢の中に放り込まれたかの様な現場。


もう嫌だ、二度とあんな目に会いたくない。


ガチャ

通信男「!」バッ

主査さんか…。


主査「調子はどうだ?そろそろここを移動するから準備をしてくれ」


モブD「了解」

通信男「了解…です…」


技能2課長「う、うむ。すまんがそこの若い子、肩を貸してくれんか?」


通信男「あ、はい」タタッ


奥のベッドにいた技能2課長さんから呼ばれ肩をお貸しする。

切断した足の傷口の経過も良く、顔色も悪く無い



技能2課長「いやー安全衛生の緊急対処セットなぞ役に立たんと思ってたが、助けられたな」


主査「あ、気が付かないですみません、これ作ってきました」

技能2課長「おお、すまん。君もありがとう、助かったよ」


廃材を利用して作ったと思われる松葉杖を受け取り僕の肩を離れる。



技能2課長「うん、これ良くできてるな。工機の方が作ってくれたのか?」


主任「ああ、はい。丁度班長レベルがいたので良かったです」


技能2課長「……。主査さん、私のツールは?」

主査「無事ですよ、あちらに置いてあります」

技能2課長「そうか、すまんがツールとその工機の方を呼んでもらいたいんだが平気かな?」


主査「ええ、まだ時間もあるので大丈夫です。通信男、すまんが頼むわ」



通信男「あ、はい。了解しました」タタッ

203 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/01(水) 00:37:27.87 ID:h1ox152e0


工機男「何か御用で?」ムキッ

工機男さんと共に事務所に入りツールをテーブルに置く。


主査「忙しい中すまない、技能2課長さんが話があるそうだ、聞いたとこお前なら可能だと思う」


工機男「何なりと」

技能2課長「すまんな、これなんだが…」


ガチャガチャ、ドン


技能2課長「これを……ここを……」

工機男「成る程、ではここは……」


技能2課長さんのツールを見ながら二人が何か相談している。


工機男「この程度なら約15分。しかし有り合わせ故、耐久性は……」

技能2課長「なに、この節だけ保てば良い」


工機男「承知。…おい、工具」

ウェーイ、ドウゾッス

バチバチバチバチ、キコキコ、カチャカチャ


工機男「如何か?」

技能2課長「ここの補強をもう少し…」


……………………
……………


バシュン

主査「おー高えなー」アングリ


スタッ

技能2課長「すまん、ここの締め込みをもう少し」


バシュン…スタッ、バシュン、バシュ、バシュ

スタッ

技能2課長「うむ、片足くらい無くてもどうにかなるものだな。これなら業務にも入れる」


えっ?足を切断してて、昨日まで意識が無かったのに、業務?折衝?するって?


通信男「あっ技能2課長さん、血が!」

技能2課長「おっと、まだ少し滲んでくるな。おい」

ウィッス、ココッスネ。…オッケーッス

バシュン

飛翔機動。跳躍力を最大まで上げ、空中でも姿勢変化ができるツールと聞いた。

いくら凄いツールを持っているとしても片足を無くすような酷い目に遭った直後なのに…

そんなモチベーション僕は発揮できない…。
204 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/01(水) 00:46:42.93 ID:h1ox152e0
本日の投下完了

>>199 彼は引き篭もりらしいので前節も出て来てないようです。
205 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/02(木) 22:52:01.01 ID:aaizLcVL0
ーー 北拠点 集合中 主任男 ーー


東側、西側の外回り組以外は集合してる。

後は主査が来るのを待って、西側組を回収して本格的に業務開始だな。


40名を超す大所帯の統括は初体験だし、更に先輩男さんですら折衝完了できなかった相手。


気合いを入れたところで本当に俺の実務能力でこなせる仕事なのか不安になる。



特技男「各所観測機正常稼動を確認」


新人女「健康状態確認完了、軽傷ありますが全員進捗可能っす」


後輩女「目標設定、相互扶助体制確認完了。各員の手持ち備品確認完了。
少し心許ないですが十分進捗可能なレベルです」



主任男「はい了解、報告ありがとう。あとグループ毎の業務分担最終擦り合わせよろしくね」


後輩女/モブA/特技男「了解」



グループを任せた三人にしても班単位の集約、統制経験は少ない。

何か一本、このチームの背骨となる仕掛けが欲しい…。



端末『主査:到着まで5分、そっちに補充三名先に行かせるから分配決めてなー』


補充?嬉しい報せだけどワザワザ誰を?


…………………


技能2課長「待たせたな、よろしく頼む」

通信男/モブD「お願いします」


主任男「技能2課長、もう平気なんですか?
え?っていうか現場出るんですか?」


技能2課長「ウチの課員をこれだけヤラレて黙ってられるか。チームは君の直下に編入させてもらう」


主任男「いや、マネージャーが主任の下なんて聞いたこと無いですよ」


技能2課長「いや、君はいま係長代理だからな。技能は技術の下に入るのが通例だ、頼むよ」ニカッ


心強い、が本当に俺の下に入れて良いの?

いや、経営資源、あるものは躊躇せず使うのが基本だ。ありがたく申し出を受けよう。


主任男「では、技能2課長、モブD、通信男は俺の直下で特命。他の配置は予定通りで」


主任男「じゃあみんな行くぞ!安全作業に留意して、ゼロ災で行こう!」


一同「「「ヨシッ!!」」」

206 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/02(木) 23:48:57.84 ID:aaizLcVL0
ーー 西側シェア外縁地域 後輩女 ーー


後輩女「視覚拡張オン、光学、中域、詳細の順で表示」


小さな川を渡り住宅地を進む。そろそろ最後の観測機影響範囲から外れる。

ここからは名実共にシェア圏外、実営業活動地域だ。



新人女「うぅ…」キョロキョロ


何人かの経験が浅い社員達は初めてのシェア外業務になる、緊張は計り知れないだろう。


ふと自分が初めてシェア獲得業務をした時のことを思い出す。


うん。主査、先輩男さん、主任男さん、同期男さんがいて心強かったのを鮮明に覚えている。

この子達にとって私がそうならなきゃなんだ。



住宅が増え入り組んできた。先頭を進む特技男グループの姿が見えなくなる。


端末『特技男:異常無しだが少し視界が悪い。進行ペース落とします』



午後一に出発したから夕方までには支店に着ける予定。


時間はそんなに無いが焦る訳にもいかない。


ピピッ

端末『新規観測点確認、フィードバックします』


堅実に観測機を設置しながら進行していく。


いつ来るのか アイツラ は…。



あんな モノ この世界から跡形も無く全て消し去ってやる。
207 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/02(木) 23:57:50.96 ID:aaizLcVL0
ーー 住宅地 先頭組 特技男 ーー


今回初めてグループリーダーを任された。何人かいる班長さんでは無く若手の俺にだ。


主任男さんの期待を裏切らないように業務実績を上げないと…。



新人男「観測機設置完了しました」


特技男「了解。チェックシートで手順確認したか?」


新人男「いえ…セットアップアプリでやったし必要は…」


特技男「お前、観測機の重要性分かってんのか?みんなの安全が掛かってんだぞ!チェックしろ」


新人男「はぁ…」ピッピッ

……………


新人男「チェック完了、異常無し」ムスッ


特技男「了解、この後も確実作業を心掛けてくれ」


新人男「はぁ…」



慎重に住宅街の中を進む、歩みは遅くなるが確実性重視だ。


端末『後輩女:こちらのGrの視認範囲から外れた、気を付けて』


特技男「了解。この先暫くは地形が入り組んでいるようです、警戒度を上げて進行する」


特技男「と、いうことで皆さん周辺確認、課題抽出をしっかりお願いします」


ウェーイ、オマエソッチミテナー。オー



端末『タスク検出、メイン画面に表示』ピッ


メイン画面に矢印が表示される。その数、1,2,3,4……!ヤベッ団体さんだこれ!


特技男「総員、一次進捗後左右遮蔽物に!ご挨拶遅れると食われます、迅速に!」カカカ


カカカ、カカカ、カシュンカシュン

特技男「こちらAGr。先方さんと対面中、ご挨拶完了。本格折衝開始する」カシュン


端末『タスククリア、次目標を設定します』

タタタタ、タタン、タタタタ


少し遅れて先方からの進捗がくる。

あれ?こちらを認識してなかった?


端末『主任男:後輩女Grが追い着くまで積極対応するな、安全第一だ』

特技男「了解、お待ちしてます」カシュン
208 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/03(金) 00:23:21.84 ID:L8zrIjAAO


タタタン、タタタン、カシュン、タタタ


チッ、ここ場所悪いな…。囲まれてるじゃん。


特技男「あそこの倉庫に入ります、ここはやるので先に入って下さい」カシュン


タタッ、ダダダッ、コッチダー

よし、これで少しは落ちつ……


技能21D「ギャア!」
技能21K「ぐわっ!クソっ」ゴロゴロ


端末『技能21Dさんの退職…』


特技男「どうしました!大丈夫ですか!?」

技能21J「くっ!あ、あれ」ユビサシ



倉庫の入り口にワイヤートラップとボーガンが仕掛けられている。


ブシュ

特技男「健康管理委員さん!お願いします」


技能さんの腕にささった矢を抜き、周囲を見回す


技能21G「そいつが健康管理委員だよ」カシュン、カシュン。クイクイッ


倉庫入り口の柱に縫い付けられた課員が指差される。


俺の指示が元で技能さんを一人退職させてしまった…。

タタタ、タタタ、タタン
カカカ、カシュン、カシュン


技能21F「おいっリーダーさんよぉ、どうすんだい?」


特技男「トラップは俺が解除します、少しここで踏ん張って下さい」カチャカチャ、パチン

タタタタ、カシュン、タタン、カシュン

リョウカイ、ハヤクタノムゾー、ウワッ


事前に仕掛けられてるってことはここに誘い込まれたか?


特技男「オッケーです、中にどうぞ」

タタタタ、ビシッ、ビシッ、タタタタ
カシュン、カシュン


ハイレハイレー。ホントニダイジョブカ?


特技男「BGrが来るまでここで進捗します」カシュン、カシュン


端末『先方情報を更新します』ピピッ

交差点向こうの民家の周辺が真っ赤だ…備品足りるかコレ?
209 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/03(金) 00:47:46.63 ID:/l14ROKI0
本日の投下完了
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/07/03(金) 18:47:12.88 ID:g+YpSWxco
(`・ω・´)ゞ
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/07/03(金) 20:21:35.93 ID:nzwzmIwNo
多少の損害は織り込み済みで人材を育てる為にデカイ山やらせるものだが
損害が人命だとどんな考えになるのかな
212 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/04(土) 21:16:34.29 ID:1wqJaWLNO
ーー 住宅地 二番目組 後輩女 ーー


特技男の組が先方に引っ掛かった。

端末で確認する限りは定地業務の相手っぽい。



後輩女「前の組のフォロー入りますので少し急ぎます、左右見通し悪いので注意して下さい」


リョウカーイ。イソゲー。イヤアセンナヨ。


ビシッ、ビシッ


後輩女「進捗確認、先方の折衝範囲に入りました、遮蔽物に入って下さい」チラッ


と言う前に皆さん折衝準備に入ってる。

人数は少ないけどその分実務を乗り越えてきた現場経験豊かな方々だから指示出しも楽だわ。



後輩女「あそこの角の先方さんを私が落としますのでその隙に交差点まで進んで下さい。
新人女はその後ろからバックアップして」



端末『『『リョウカイ』』っす』



視覚拡張をメインに…あら、画角取れないか…

光学スコープでも十分な距離だしいっか。


パシュ、カシン。端末『タスククリア……』

後輩女「オッケーです、どうぞ」パシュ、カシン


ダダーガッチャガッチャ



端末『技能22A:先方を肉眼で捕捉、個別進捗しても?』


後輩女「構いません、お願いします」パシュ

カシュン、カシュン、タタタタ、カシュン


後輩女「特技男、取れる?右前の先方さんは沈黙、そこから左側いける?」


端末『特技男:すんません、ちょっと無理っすね。待避位置しくじりました』



端末『主任男:モブD、焼夷進捗。交差点左前民家二軒』

端末『モブD:了解』ポフ、ポフ



ボン、ボン。ゴゥ


「グォアァァ」「アァアァァア」


端末『主任男:ほら、特技男、早く詰めろ』

端末『特技男:は、はい。皆さん行きます!付いて来て下さい』
213 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/04(土) 22:10:07.54 ID:6UyAOk7n0


端末『主任男:後輩女、その奥150mと200m。左右に観測弾』


後輩女「は、はい」アセッ

カシン、パシューウ、カシン、パシューウ


端末『先方情報を更新します』ピピッ


端末『主任男:2課長さん、屋根の上の頼みます』


端末『2課長:了解した』バシュン……カカカ

カカカ、パゥ、ズズン


端末『認識目標全数クリア、次タスク無し』


端末『主任男:ほら、さっさと先に進むぞ』



パチパチ、メラメラ


「アヂィヨォォ」「タ、タスケ…」

カカカ、カシュン、カシュン

「ギャッ!」「グアッ」



端末『主任男:どうした前ニ班?早く先行しろ。後ろ詰まってるぞ』



後輩女「民家の消火は?このままでは延焼して…」


端末『主任男:は?何言ってんだ?そんな工数あるワケねーだろが』


後輩女「しかし、これでは……」


パンッ!

主任男「ゴチャゴチャ言うヒマあるならサッサと進行しろ。
この先にいるのは先輩男さんすら業務完遂できなかった相手だぞ、無駄な仕事すんな」


端末の後頭部を叩かれる。

いつの間にか追い付かれていたようだ。



後輩女「はい…」


確かにまだ先は長い。支店でも何があるか分からないし、こんな所でロスを出してる場合じゃない


業務に集中しろ。目的だけを果たせ。
我が社の利益以外に労力を払うな。


頭の中を目標達成だけに塗り替えろ。



214 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/04(土) 23:30:30.00 ID:6UyAOk7n0
ーー 支店まであと1km 主任男 ーー


いっそこの住宅地片っ端から全部燃やしちゃえば良いんじゃね?


なーんて良くない思考が廻る。

シェア化した後の生産効率を考慮すると、なるべく損害無く仕事を済ませたい。


……だけどT橋落ちちゃってるし、ここって本当に独占地域にできるの?


もはや支店っていうより独立支社になっちゃうような気が……。



端末『モブA:こちらCGr、右方お客様確認。
…約12名、こちらで対応します』


主任男「いや、お前は休んどけよ。俺がやっとく」バシュン



バシュン……


見えた。見たとこ技能のみの外回り班だな。


主任男「対面折衝でセット、タスク構成最適化」

スラッ


端末『標準工程を元に近接順に設定』ピピッ


モニターに赤点滅の矢印が表示される。

若手か…。あっという間に先方さんの表情が読める位置まで距離が詰まる。


ヒュパッ「クカッ」ドキャッ、バシュン

端末『タスククリア、次の…』



シュパ、ゴリッ

「ア゛ア゛ァァ」プシュー、バシュン


チッ骨に当たったか…刃は?…問題無いな。



シュパッ、バシュ、シュ、ゴトッ

端末『タスク…』端末『タスク…』…………


…………………………


ヒュッ、ピピッ

主任男「処理完了っと。帰席する」フゥ


あーそういえば昨日ナイフ研ぐの忘れたなー。

今夜はちゃんと研いでおかないとな。


バシュン
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/04(土) 23:48:51.09 ID:6UyAOk7n0
本日の投下完了。

>>210 ( ´ ・ω・ )ゞ

>>211 会社では個人なんて関係無く、ただの工数でしかないのです。
無くなったらそれだけ。
退職、病欠、休職者はいなくなるだけ。
216 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/05(日) 23:06:10.61 ID:+QBU40l/0
ーー 中規模倉庫前 通信男 ーー


遠目に主任男さんが進捗してるのが見える。


無音機動を巧みに操り先方外回り班を処理しているのが分かる。


あっという間に地に伏せていく先方さん。



まるで昨日の僕たちの様に一人また一人削られていく…。


通信男「ウプッ」ハァハァ



後輩女「大丈夫?」サスサス

特技男「顔色悪いぞ、平気か?」



打ち合わせにきた二人が心配そうに僕の顔を覗き込む。



主任男「ほい、お待たせ」スタスタ


後輩女「あっ主任男さん、バイザー汚れてますよ」フキフキ


主任男「サンキュー。うし時間も無い、ちゃっちゃとやっちゃおう。通信男、工程確認」


主任男さん、2課長さん、後輩女、特技男さんの四人で僕とPADを囲む。



通信男「は、はい。この先のT字路で左右にルートが分かれます」

通信男「右は距離としては最短ですが住宅の密集度が高いです。左は……うっ……」


主任男「昨日の現場を通るルートか……」


お願いだから左ルートは選択しないで欲しい。

あそこをまた通ると言うだけで…



通信男「……」ゼェゼェ


主任男「真ん中かな」ボソッ

217 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/05(日) 23:29:37.35 ID:+QBU40l/0


後輩女「あーなるほど。とか言わないですよ、そんな道無いですし」


主任男「あるじゃん。ほらココから…」

T字路を無視して水田の真ん中をなぞる。

主任男「ココ通れば最短ルートじゃん」



特技男「ここの一帯水田ですよ、足場ロクに取れるワケ無いじゃ…」


主任男「誰がこんな状況の中で田んぼやんのよ。これ衛星写真の更新時期古過ぎでしょ。
ほれ周り見てみ、ここらも水田の表示だけどカラカラの平地でしょ?」



2課長「確かに一理あるな。見開きも良いし、距離も最短。主任男くんに賛成だ」


後輩女「怖いのは遠隔、地点進捗だけ…でもアプリも復旧してるし、ベストかも…」


特技男「ただ支店前の密集地区はどうしても回避できない、と。うーん悩ましいですね」



主任男「じゃあここか、ここ通る?俺は良いけど先頭はお前よ?」


特技男「うん、こっちにしましょう。Grの相互認識もし易いし」ウンウン


後輩女「傾向から予測するとT字路の突き当たり、ここ先方さんいますよね。
まずはその課題処理しちゃいましょうか」



確かに衛星写真がかなり古い。

業務実態の無い地域なら分かるけどこんな業務過多な場所で更新しないことがあるんだ。



主任男「じゃあそれで決定な。マップもアテにできなそうだから慎重に進もう」


一同「了解」

218 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/05(日) 23:35:42.79 ID:+QBU40l/0
ーー T字路前の民家 後輩女 ーー


予想に反してルート分岐位置での折衝は軽くて、先方一班を処理して終了した。


民家ガレージの上に登り雑木林に進むAGrを見守っている。


端末『特技男:進入します、やっぱ視界悪いな…。バックアップお願いします』


ガサガサガサ


風で木々が揺れざわめく。
辺りを包む静寂に緊張が高まる。


端末『特技男:通過っと。おい、新人男。そこに観測機セットして。
…えーと林は約15m。極めて視界が悪いので後続注意下さい』


端末『主任男:了解。Gr員全員が林を抜けたら一旦待機。BGr、後に続け』



ガサガサガサガサガサ



新人女「あそこ!何か動いてるっす!」ユビサシ


端末『特技男:ッツ!AGr!早く林を抜け…。クソッ』カカカ


カカカ、カカカ、カシュン


端末『特技男:闇雲に進捗しないで、まずは林を抜けるのを最優先…こっちだ!早く!』


カカカ、カカカ…

来た。間違い無い アイツ らね。


端末『特技男:チクショウ!二人退職!…後ろの人員!向こうに戻って!』


カカカ、カカカ…


後輩女「各員、林入り口付近まで移動。AGrの補助をお願い。
間違えても中には絶対入らないで」キリキリ


屋根に伏せスコープの照準を合わせる。


後輩女「倍率20:1mで固定。観測機リンク」


もぉ…B系統ちゃんとセットできて無いじゃない…
熱感系が取れれば捗るのに…。


端末『主任男:特技男、簡易EMPツールは?』

端末『特技男:観測機に余裕無かったから作って無いです、すいません!』カカカ



後輩女「モブDさん、拡散マーカーとスモークをお願いします。
スモークも林の上から散布する感じで。あっ薄目ってできますか?」


端末『モブD:了解』ポフ、ポフ、パーン
219 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/05(日) 23:37:10.44 ID:+QBU40l/0


木の下の方は枝も少なくて視界がある程度は通るし、片肺稼働とはいえ観測機でマーカーも取れてる。


どうせ光学認識できないしOA進捗に終始しよう



モクモク、ユラ

パシュ、カシン。バキッ


木の枝が弾け飛び、赤いフリップも同時に飛び退く。外しちゃったか…。



端末『特技男:技術2Z!走れー!』


薄いスモークの中林の中からこっちに向かって一人走ってくるのが見える、だけど…

後輩女「ダメ、そこじゃ木の影になって射線が取れない。もっと右に行っ……」


端末『技術2Z:はぁはぁ!た、助け…あっ…』


ガサガサ、シュパッ


ガクガクガク、タッタッ、パタ


指令系統を林に落とし、それを失った身体だけが民家の庭先に辿り着き倒れ込む。


後輩女「クッ」パシュ、カシン。パシュ、カシン


ビシッ、バシュ


よしっ!浅いけど、弾着判定。

これならどうにもならない訳じゃ無い。



端末『特技男:うおぉぉ!クソッタレがぁ!』

カカカ、ダダダッ、カカカ



え!?何してるの特技男!


後輩女「やばっ」パシュ、カシン、パシュ…


カシン、カシン


後輩女「給弾!誰か特技男をバックアップ!」


端末『主任男:了解』


バシュン

220 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/06(月) 00:03:19.82 ID:1al7kJg60
ーー 雑木林へダッシュ 特技男 ーー


クソッ!ウチのグループの!若いヤツを!!


特技男「うおぉぉ!クソッタレがぁ!」

カカカ、ダダダッ、カカカ


よくも!よくも!!


バシュン、ガシッ、ズルズルーー

特技男「おぅふ!」ゴフッ


なん…だ…?主任男…さ…ん?



主任男「アホ、お前が冷静さを欠いてどうする。お前の行動がグループの行動になるんだぞ」


バシュン、ドサッ


主任男「そこで頭冷やしてろ」バシュン

特技男「は、はい」


カシュン、カシュン

ガサガサ、カシュン、パシュ、ドシュ


端末『主任男:後輩女、左から流していって先方さんの移動範囲限定して』

端末『後輩女:了解です。二体いますよね?どちらからで?』


端末『主任男:どうやら左右で役割分担してる風だから課題の切り分けしよう。左からかな?』

端末『後輩女:了解』

パシュ、カシュン


特技男「主任男さん、頭冷えました!右、南側の先方は俺のグループで対処させて下さい」


端末『主任男:…対応方針は?』

カカカ、カシュン、パシュ

特技男「折衝完了では無く、左方、北側対処の為の引きつけ役です。ゼロ災mustでやります」


端末『主任男:うん、良いだろう。頼んだぞ』

ガサガサ、カシュン、カシュン


特技男「はい!」



特技男「AGr注目、南側一体に対する牽制業務開始。各自この後送付するタスクに従い進捗願います」


特技男「民家側の人員はBGrと合流して下さい。くれぐれも林には進入しないで。安全第一、ゼロ災で行こう」


端末『一同:よし』ボソボソ

221 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/06(月) 00:12:10.40 ID:1al7kJg60
本日の投下終了

ちょっと詰まり気味なので一休みしようかと思います。
OFFJT何かリクエストありませんか?
222 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/06(月) 16:06:16.77 ID:6OvgsqtCO
OFFJT課題

1.ツール(火器)制御について
2.端末(一般用)機能について
3.業務アプリの紹介
4.営業部技術課のお仕事

辺りの予定。
他に分かり難いものあれば教えて下さい。
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/07/06(月) 23:11:12.08 ID:5JuqCTTPo
個人的には各中核メンバーの技量が知りたいかな?
主任男が近距離折衝、後輩女が遠距離折衝がそれぞれ得意……ってのは分かるけど、どの程度のレベルなのかが知りたい。
例えば
後輩女「対物ライフルで観測データありなら、3000mで5cmグルービング余裕です」
みたいな。
224 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/08(水) 00:14:42.38 ID:lE5IeXx2O
ーー 雑木林の中 主任男 ーー


カシュ、カシュ、ビシッ、ビシッ


弾着近いな…完全に光学認識されてるな。


主任男「解析アプリ起動、メイン画面に予測情報を表示、タスクに設定。後輩女と同期」

端末『解析精度 75%.表示速度、位置に誤差が発生します』


表示が飛び飛びだけどないより全然マシか。


カシュン、カシュン


端末『後輩女:移動速度早いですね、何か手を打たないと進捗し難くて仕方ないです』



確かに移動速度を制限するか、光学、OAで顕在化するかしないとジリ貧だよな。


カシュ、ビシッ


あ゛ーーーーイラつく!!



端末『後輩女:……無視しましょう』

主任男「え?」

端末『後輩女:無視して進んじゃえば良いんですよ』


何言ってんのこの娘?


端末『後輩女:現在、状況は拮抗してて、他の人員は手が空いている状態です。
私たちで引き付けている間にこの林を迂回して先に行っちゃいましょう』


主任男「追い掛けて来た場合は?」カシュン

ビシッ、ビシッ


端末『後輩女:朝に見た映像でも先方は複数の足場を活用した業務形態のようです。
平地での業務能力は低いと予想されます』


確かにそうだな…。
じゃあ…わざわざこの林の中で進捗してる俺って…


主任男「採用。2課長さん、民家側の人員を取りまとめて迂回の先導をお願いします」


端末『2課長:了解した』


主任男「特技男、号令あるまで現業務継続。工数減るけど集中切らすなよ」


端末『特技男:了解しました』


さてと、もう一踏ん張りしますか。

225 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/08(水) 00:45:36.83 ID:lE5IeXx2O
ーー 雑木林迂回中 通信男 ーー


カシュ、カシュ、カカカ、カシュン

ガサガサガサガサ


パシュ、カカカ


左の林から進捗の音が聞こえてくる。

ビシッビシッ


少し離れているのに流れ弾が飛んでくる。


2課長「つまらない事で労災出すなよ。慎重に素早く行動するんだ」


WGの半数で北に向かって迂回進路を取る。

林の中では主任男さんと アレ が……


通信男「くっ…う!」ゼェゼェ


どうしてもあの光景を思い出してしまう。




……ダメだ…このままじゃ……。



モブD「大丈夫か?」


通信男「ゴホッゴホッ」



あんな モノ に負けてたまるか…



モブD「おい!健康管理委員、頼む!」



… アイツ らを……


……跡形も無く消し去ってやる……




通信男「…モブDさん、これ借ります!」ガバッゴソゴソ


モブD「なっ、おま!何を!」



通信男「ちょっとやりたい事ができました。先に行ってて下さい!」ダダッ


2課長「待てっ、君が行っても足手まといだ!戻りなさい!」


226 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/08(水) 01:14:29.09 ID:lE5IeXx2O



通信男「これを…」カチャカチャ


観測機は指向性波長を出すことで各情報を収集している。


カチャカチャカチャ


先方の探査から隠蔽する為に出力を絞っているけど…


端末『後輩女:!あなたまで何してるの!?早く戻りなさい!』



通信男「ここを…」カチャ、ピ、ピー


通信男「こうすれば」


出力制限が解除されて、強力な電磁波を出す!



主任男「何してんだ!退職したいのか!」カカカ


通信男「これで…」スチャ


それをワイヤーの入った捕縛用ネットに接続、拡散的に増幅してやれば


通信男「くたばれ!」バシュッ



ブワッ、バチバチバチ


サベ3「グガ!?」バチバチバチ


通信男「主任男さん!後輩女さん!今です!!」


サベ3「グッ」カシュカシュ、ドシュ


主任男「光学迷彩が解けた!?後輩女!」


カカカカカ、パシュパシュ、ドシュドシュドシュ


ドサッ



へっ、ざまぁみろ……ですね…。


……………。
227 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/08(水) 01:31:11.08 ID:8kDm0vuW0
本日の投下完了

>>223 了解です、ちょっと違う表現になるかもですが…
しかし詰まった……どうしてくれよう?
228 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/09(木) 03:01:25.17 ID:bj9MuuCu0
ーー という訳でまた休憩 とある日の2係 ーー


特技男「さて、今日は…」


新人女「特技お…先生ー、今日こそはこの時間は残ぎょ…あぅっ!」ゴビシッ

特技男「はい、先生も自己啓発で点けてるんだから黙って聞こうねー」ニコッ

一同(目が笑ってない…)ガクブル



特技男「では、気を取り直して!今日はみんなの相棒!進捗ツールについて勉強しましょー」


一同「はーい」ワーパチパチパチ


特技男「まずは基本からおさらいしようか?みんなに貸与されているツール。
これはいつでも使えるのかなー?」

技術2Z「はーい、労務管理システムと連動してて、許可が無いと使えませーん」


特技男「うん、正解。正確には業務従事時、若しくは別途申請をした時。だね」


特技男「許可が無いと使用どころかロッカーから持ち出すことすらできません。
だから射撃訓練時は訓練場にあるツールを使うんですねー」

技術2V「じゃあ、許可が出ればいつでも使えるんですか?」


特技男「それはNOだね。基本的にみんなのツールには認証システムが組み込まれていて、
社員認識しないと使えないようになってます。
加えて、場所や任意の指示で動作を制限できるようにもなってまーす」


技術2V「何でですか?」ハテナ


特技男「少し考えれば分かるよね。もし先方にツールを奪われてしまった。あー大変!
でもこの仕組みがあれば先方に利用されることは無いから安心!ってことだよ」


一同「へーなるほどー」ウンウン



特技男「ちなみに社員だったら誰が拾っても使えるようになってます」


特技男「周りみんなが労災で、自分のツールが故障、破損した時、誰かに借りなきゃだもんね」


技術2W「あっ確かにこの間、現場実習の時に新人女さんに僕のツール取られて使われたー」


新人女「う……」チラッ


特技男「……」ニコニコ、ビキビキ
(テメー恥かかせんなって言ってんだろ(怒))


一同(なんだろう…心の声が聞こえる…)


特技男「ちなみに今期から誰が何発撃った、進捗完了した。ってのもシステムで記録されるようになりましたー」


特技男「班長さん達が仕事が減った!楽できるー。って大喜びしてるのは内緒だよー」


一同「はーい」


主任男「ん?」チラッ
229 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/09(木) 03:02:26.40 ID:bj9MuuCu0


特技男「まぁツールの勉強で座学ばかりもつまんないし、取り敢えず訓練場行こうか?」


新人女「行くっす!こんなオモチャの模擬銃じゃ無くて本物撃ちまくるっす!」キラキラ


特技男「はい、さっさと行くよー」ひょい


新人女「あ……すみません……」オドッ


ワイワイ、ゾロゾロ…



特技男「ここからは実包取扱区域だからおふざけゼロな。現場だと思って真剣に!」


一同「はい!」ピリピリ


特技男「実際にツール見ていこうか。教育課さん、お願いします」


教育課「はい、お待ち下さい」ゴトゴトゴト


特技男「誰かに説明してもらおうかな?じゃあ新人女、各ツール説明してみて」



新人女「わ、私ですか…。はい分かりました…」


新人女「ここに出ているのが、間接社員が使用する一般ツールになります。左が汎用主機B型、5.56mm弾使用、装弾数30発、進捗範囲約300m。これに加えて光学機器が3セット貸与されます。一般社員の大半が使用するツールで各員同士での補給品の互換性を高めています。一部の認定された社員、おおよそ班に一人か二人に地点進捗OPが追加で貸与されます。次に右が汎用補助機C型、9mm弾使用、装弾数15発、進捗範囲約50m。こちらについても補給品互換性の為、間接社員の大半が同じ物を使用しています。C型は操作し易さと装弾数に着目しており、進捗能力は平均的です。申請により汎用補助機B型も選択する事ができます。こちらは.45口径規格、装弾数7発、進捗範囲約50m。C型に対し進捗完遂能力が高いとされています。尚使用には所属長の承認が必要です。間接社員については更に各ツールに合わせた消音器が貸与され、業務形態に合わせた運用が可能になっています。
また…」ブツブツ


特技男「ストップ、ストップ、そこまでで良い。早い長い、みんなついてきてない」


特技男「まったく、ON、OFF極端だなお前…。新人女の解答で正解だ。
ここまでで何か質問あるか?」フゥ



技術2R「先生ーしつもーん。たまに違うツールを使ってる方がいるんですが何でですかー?」



特技男「あーあれはね、特別な教育課程を受けて認定された人は専門ツールを支給されるんだ」


特技男「詳しくは年間教育計画にも載っているが、主な講座を簡単に言うと、
まず先生も持っている"総合情報管理技術者" これは業務情報の集約、分析知識で、情報管理PADと観測機が貸与される。
後は"大容量業務処理技術者" 大量且つ同時発生する進捗処理の技術で、大型特殊B型、ま、支援ツールだね。が貸与。…おっ」



カシュンカシュンカシュン、パスパスパス

カシン、パシュ、カシン、パシュ



特技男「おー丁度良いとこに、"総合進捗技術上級者"の先輩男さんと、
"特殊遠隔進捗技術者"の後輩女さんがいますねー。お話を聞いてみましょー」


一同「はーい」ワクワク

230 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/09(木) 03:03:25.19 ID:bj9MuuCu0


特技男「すみませーん。お話伺っても宜しいでしょーか?」ブンブン


先輩男「あー自己啓だっけ?お疲れ様」コト

後輩女「良いですよ、何でしょうか?」ニコ


特技男「お二人のツールと技術基準について教えて頂きたいのですが?」


先輩男「良いよー、ツールと技術基準ね。
ええっと、ツールは汎用主機B型、みんなのと同じだね。
サブは汎用補助機B型、これはちょっと違う.45口径のヤツだね」


後輩女「私のは、特殊狙撃機A型。.30M弾、装弾数 10発、進捗範囲は約2000m。
サブは小型主機C型っていう9mmのフルオートか補助C型を使い分けてるわ」


一同「へー」


先輩男「技術基準ねー…。見せた方が早いかな?」スチャ


カシュンカシュン、パスパス


スゲー、ハエー。ザワザワザワ


先輩男「正確に素早く進捗できるかっていうのが基準になってるんだ。
うーん…大体だけど持ち替え無しで初弾0.2秒、5名進捗4秒が目安かな?」


一同「?」ゼンゼンワカラン


特技男「まー簡単にいうと先生の倍、みんなの3倍くらいの実務能力ってことだ」


先輩男「今は処理速度の早い端末使ってるから楽になったけど前は目視でタスク設定してたなー」


後輩女「サラッと凄いこと言いますね…。あっと、次は私の技術基準ですね。
えーと、私の場合は特殊教育課程を修了すれば誰でももらえます」


特技男「誰でもって…。そもそも精密進捗成績が優の人しか受講資格が無い教育ですよね。
新人男、ちょっとあの的に精密進捗してみ」


新人男「はい」スチャ

新人男「安全確認ヨシッ、周囲状況ヨシッ、進捗開始」カシュン、…カシュン、…カシュン


特技男「はい、上のモニター見て。50m目視進捗で中心付近1発、円内2発ね。
新人としては平均より良いくらいかな?」


特技男「後輩女さん、汎用機でお願いできますか?」


後輩女「はいはい」スチャ

カシュンカシュンカシュン


「あれ?」ハテナ
「穴一つしか無いよ」「他は外れた?」ボソボソ


特技男「違う違う。あれ、全弾中心命中だよ」

エッ!マジカ!?ウソデショ?
231 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/09(木) 03:04:54.60 ID:bj9MuuCu0


特技男「と、いう人たちが選抜されて行われる教育後に認められる資格なんだよー。
ちなみに後輩女さん、最大進捗距離はどれくらいなんですか?」


後輩女「うーん…。業務環境にもよるんだけど通常OA補助での進捗で1200m/5cm
衛星リンクの拡張補助で2000m/10cmくらいが限界かなー?」


「え!?ここから寮まで届くってこと?」
「衛星リンク?何それ凄そう」

ザワザワザワザワ


特技男「はいはい静かに!」


後輩女「今使ってるこの子の素性が良いのよ。選抜機を貸与してもらえたから」


特技男「教育課程成績優秀者の特典ですよね」

後輩女「運が良かっただけよ」ニコ



特技男「ではお二人ともありがとうございました」

一同「ありがとうございましたー」ペコッ


後輩女「どういたしまして」ペコッ

先輩男「うん、引き続き頑張ってねー」フリフリ



特技男「じゃあお待ちかね、実射訓練して終わろっか?みんな用意してー」


一同「はーい」ガヤガヤ、ワラワラ


新人女「やっぱ本物は違うっす!ガンガン訓練するっす!」フンス


特技男「落ち着け」ゴン

新人女「あぅっ」ナミダメ


特技男「我々は訓練に入ります。ではまた次回」バイバイ

232 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/09(木) 07:54:38.83 ID:vznJ4/ECO
OFFJT第二回終了です。
時期的には今期の頭、新入社員研修が終わったあと辺りでしょうか?


他にも分かりにくい制度、仕組み、その他ありましたら言って頂けたら幸いです。

次から本編に戻ります。
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/07/09(木) 08:19:57.34 ID:jvNiHo2+o
工数扱いされたら日本人かイスラム以外は逃げ出すな
234 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/11(土) 00:06:59.81 ID:t+r8hJZp0



「本店からの追加工数を中心に支店に向かったようね」


「マズくないですか?何も知らなかったら支店からの折衝に耐えられるかどうか…」


「大丈夫よ。多分あの子達のチームだもの」フフ



『例の先方社員が2ブロック先に御来訪。どうしますか?』


「分かったわ、いま行きます。ご挨拶はまだ待っててね」スチャ、タタッ



(支店前で合流かしら?急がないとね)



235 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/11(土) 00:32:08.57 ID:4v3IRuaRO
ーー 仮出張所 AFV内 主査 ーー



主査「どうだ?回復できそうか?」


IT女「通信系統全面遮断痕跡確認.復旧確率……3%」カタカタカタ、タン、カタカタ



IT女で3%か…。つまり無理ってことだな。


主査「参ったなぁ…。でもアプリのライセンスはきちんと取れてるんだろ?半端な妨害だな」


IT女「…ライセンスサーバー所轄,IT事業部.通信インフラ所轄,本社管理部」カタカタ



主査「つまり管理部の中にこの事態の真因があるって訳だな。
あっ!アプリ動くなら労務管理sysとかのコメントで連絡すれば…」ピーン


IT女「不可.アプリ通信,ライセンスキー受信専用.端末CPU稼働,相互通信無」フゥヤレヤレ


主査「…アプリ自体は端末にあって、ライセンスを取得してるだけってこと?
あと、いま馬鹿にした?ねぇ馬鹿にした?」



IT女「…別支店or単独サーバー経由,通信ルート構築トライ」カタカタカタカタ、タン


主査「…引き続き頼む、俺は北拠点に戻るわ」カンカンカン、ガチャ


スタッ。オツカレシター、イジョウナシッス


主査「うん、ご苦労様。この後もよろしくな」スタスタ


アイツ絶対に馬鹿にしてやがった…。



しかし…大体状況が見えてきたな。



予想が正しければ本店回りの業務環境もヤバイ気がする。

誰か気が付いて対処してくれれば良いんだが…

236 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2015/07/11(土) 00:35:10.46 ID:4v3IRuaRO



『……という訳だ、お前達はすぐにこっちに戻って内定と業務環境の復旧をしてもらいたい』


??女「了解しました。確かにさっきから出てたサーバーの通信シグナルが気になってたんです」



『俺にその手のことを話すな。最近のIT技術など分かる訳がなかろう』


??女「申し訳ありません部長。移動しながら早急に対応致します」



『うむ、エリ男くんの実地研修の仕上げも兼ねて動いてくれ』



『頼んだぞ、営技女』プツッ

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