主任男「今月の目標は前線基地構築か、ツライな」

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1 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2014/12/22(月) 23:17:08.73 ID:DrEO6+ax0

ーー 株式会社TEA 技術部 主任男 ーー

主任男「おはよー」

始業25分前


後輩女「おはよーございます」ペコッ

モブA「おはよーっす」ふぁー

通信男「おはようございます」スチャ、クイッ


班員達の座るテーブルに付き挨拶を交わす。
まだ人の少ないオフィスは何処と無く静かで寂しい空気が流れている。


主任男「あれ?モブA出社早いじゃん、珍しい」

モブA「たまには早く来ても良いじゃないですか」


取り留めの無い会話をしながらモバイルPCを確認する

安全衛生関係の連絡と教育関連の資料提出の催促がメールで届いている。

主任男「やべ、出し忘れてた…今書いちゃうか」


班員の教育記録を開き履歴を改訂する。

後輩女、モブA、通信男、新人男、新人女、特技男っと。よし、OKかな?

後輩女「あーまだ出して無かったんですね。主任補佐の私も怒られるんですよ」プンプン

主任男「スミマセン…」

後輩女「もー、いつも期限守らないんですから……」ガミガミ


特技男「ハハッ、また朝から夫婦喧嘩ですか?」

後輩女「なっ、ち、違います!」プンスカ

モブA「お、特技男おはよーっす」

特技男「おはよーございます」ストッ


始業5分前、殆どの席が埋まる。


新人男「」ストッ
新人女「」ストッ

主任男「おー二人ともおはよー」

新人男「はよっす」ボソッ
新人女「おはようございます」ボソッ

新人二人が着席し班の全員が揃った。


始業のチャイムが鳴る。さて今節が始まった。
ここから5日間、24時間拘束の業務だ。


まぁ業務は何をするかと言えば相も変わらず

『戦争』

だ。


ー・ー 前期業務報告 ー・ー
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419257818
2 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2014/12/22(月) 23:21:57.58 ID:DrEO6+ax0

ーー ミーティングテーブル 主任男 ーー


朝のミーティングを始めようとすると係長がテーブルに来た。

今の俺の班、技術課2係2班を前に受け持っていた主任だ。何だか恐い顔をしている。

主査「主任男、ちょっと」コイコイ


主任男「何ですか?」

主査「何ですか?じゃねえよ。また提出期限遅れやがって。
物資消費の抑制計画と前節の成績考課表も今日提出だから忘れんなよ」コツン

主任男「スミマセン…」

主査「ん、分かれば宜しい。じゃ、今節もよろしくな」スタスタ


この体制になってもうすぐ1期が過ぎようとしている。正直、班長の仕事はまだ慣れない。


後輩女「主任男さーん、始めましょー」

主任男「おお、すまん。じゃあ始めるか」ストッ


気を取り直し業務の確認を行う。


前節まではH市側の現場に従事していた。

G県との境界に数本ある橋の内のひとつである新J大橋周りでの進捗だったが、
前節最後に事もあろうかその橋をFHW社が破壊しやがった。

旧J橋もかなり前に落とされており、これでG県への足掛かりはT橋と取水堰のみとなった。


特技男「今節はどこで業務展開するんですか?」

こいつは元々本部ベンチマーク班に所属していたがローテーションでウチに来た。

本人の希望で現場業務に関わりたいとのことで馴染みのある俺の班に配属された。

主任男「ん、あぁ。知っての通りH市での進捗は前節で終了した。
幸いG県側に取り残された社員もいなくてそちらは業務撤退の方向で決まった」


モブA「おー取り残されたの居なかったんだ、良かったー」

通信男「…そうは見えませんでしたが…」


主任男「なのでO市周辺の業務に回ることになる。はーいこっちに注目ー」ポチッ、ブゥン

ミーティングテーブルに据え付けられたPCにO市周辺地図が表示される。

半年前、先方の出張所、支店をシェアにし橋の西側地域に小さいながらも支店を出した。

そこ中心の地図だが、そこから広角画面に切り替えO市全体を表示する。


主任男「じゃあ後輩女、O市廻りの現状を説明して」

後輩女「はい、では…」スッ

レーザーポインタを取り出し説明を始める。
ずっと概要説明を任せ続けただけに慣れている。

だって俺が説明するより分かりやすいんだもん。


後輩女「ここがG県とを繋ぐT橋です。現状は我が社の管轄地となっており、
常時50名を越す技能班が詰めています」

後輩女「橋北岸から西側、ここの位置に我が社の支店が設けられています。
いつも思うんですが非効率極まり無い支店配置ですね…」
3 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2014/12/22(月) 23:33:57.07 ID:DrEO6+ax0

>>1 URLミスりました。

ー・ー 前期業務報告 ー・ー
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409935579/

前節支援頂いた方々ありがとうございました。
また宜しくお願します。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2014/12/23(火) 00:08:20.75 ID:QUQpFjmGo
前節に引き続き期待
5 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2014/12/23(火) 00:27:19.77 ID:8P1SKPp2O

主任男「まぁまぁ、北東方向の業務がすんなりいけば支店ができてたはずなんだよね」

後輩女「そうですね。そのせいもあって進捗は思わしくありません。
西側はこの住宅地で足止めを食って国道まで辿りつけず」

後輩女「東側に至っては全然手前の工場群地帯までも届いていないのが実情です。
辛うじてこの場所にある出張所が先方を食い止める拠り所になっています」


主任男「はい、ありがとう後輩女。ってことで何となく予想はついたかな?
今節はその東側のテコ入れ業務でーす」


モブA「マジかー、あそこ退職率高いって噂だよなー」

特技男「技能職のでしょ?我々なら大丈夫なんじゃないですか?」


モブAの言う通りかなりの激務地域だ。

理由は簡単。守りやすく攻めにくい工場群に籠られているから。

S県での業務の様に双方が折衝進捗し合えばお互いに付け入る隙ができるが、
定置での現状維持業務をされると中々に成果が出にくい。


主任男「特技男、技能職だからとか軽々しく言うな。
定点折衝ではお前より上だぞ、理念その五だ、忘れるな」

特技男「出会う全ての人を師と思え。必ず自分には無いものを持っている。それを盗め。ですか?」

後輩女「そーだね、特技男は前節も技能班さんに大分助けられてたじゃない。
そうじゃなかったらあんな軽度の労災じゃ済んでなかったよ」


特技男「うっ…。スミマセンでした」

主任男「俺たちに謝る必要は無い。経験を蓄積して成長すれば良い。分かったな」


主任男「新人男、新人女、何か質問は?前節でのことでも良いぞ」

新人男「いえ特には」
新人女「何もありません」

……ま、いっか。


6 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2014/12/23(火) 00:40:12.52 ID:upQ4Mkyb0
本日の投下終了。

>>4 あざまっす

またも書き溜め無しのノープラン発進です。
進捗遅いですがお付き合いお願いします。
7 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2014/12/24(水) 00:36:02.13 ID:ELc5f/2Y0

ーー 準備室 後輩女 ーー

結局出張所での業務確認ということで朝のミーティングは終了。

各自ツールを整え連絡車プラットホームに集合ということになった。


自分のロッカーへと進み作業着を装着する。

防弾ベストは今節から伸縮性の良い動き易いものに、
『端末』と呼ばれるヘルメット型OA端末は探査機能を中心に性能向上がなされた。


後輩女「じゃあ、新人女、相互安全チェックしましょう」

新人女「はい」


後輩女「液晶表示…ヨシッ」ビシッ
新人女「よし」ボソッ

『株式会社 TEA 営業3部 技術課 2係2班 新人女
110145 顕著な異常無し』

社員IDと健康状態をチェック

メール、内線、その他業務アプリをチェック

後輩女「各ツール異常無し、ヨシッ」ビシッ
新人女「よし」ボソッ

ツールの正常稼動を確認し隣の部屋に移る。

端末の自動認識で自分のロッカーに誘導される。


後輩女「024538、後輩女、装備受領」
端末『業務状況:従事中、装備携帯:許可』

ロックが外れ扉を開く
我が愛銃が姿を現わす。夏のボーナスで買ったスコープが光り輝いている。

うーやっぱり可愛い。。。


後輩女「新人女行くよ、準備良い?」クルッ

新人女「はいっ!いつでも!やっぱこれが無いと落ち着かないっス!」ジャキッ


後輩女「う、うん。張り切るのは現場出てからね、落ち着こうね」タラ

何度目でもこの娘の性格には慣れない…。


プラットホームに出て列へと向かう。
私たちが最後のようだ、急いで列へと並ぶ。


端末『2分00秒後 連絡車到着予定』

主任男「装備最終確認、忘れ物するなよー」


新人女「今回の現場は撃ちまくれるんでしょうか?」キラキラ

特技男「お前なー…ま、いっか」ハァ


モブA「来たぞー、無駄口やめろー」


連絡車が滑り込んできて、扉が開く。
車内に吸い込まれて行く1班の面子。

節が始まる実感が高まる。
今節はどんな業務が待っているんだろう?
8 :1 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2014/12/24(水) 00:41:54.06 ID:ELc5f/2Y0

ーー 連絡車内 主任男 ーー


主任男「みんな席に着いたな、じゃあ業務詳細説明するぞー」

班毎に分けられたテーブル、中央のモニターの電源を入れる。


テーブルが若干手狭だ…。
今期から班の編成が5人から7人に変更になった。

係長レベルで先期の振り返りを実施した結果、労災減員時の職務遂行能力を維持する為、
技術班一班当たりの人員増が提言され承諾された

しかし、急に人も設備も対応できるはずも無く、人員は新人採用で賄い、
設備は5人用を無理矢理7人で使用しているので、色々と歪みが出ている。


主任男「モニターに注目ー。後輩女がざっと説明してくれたが今回の起点はここの出張所だ」

主任男「T橋を越えて約1km地点にある施設だが、何せこの周辺すらも完全シェア化できてない」


端末『間も無くT橋に接近。G県との交錯域に入ります』


主任男「つまり、今アナウンスがあった通りシェア交錯地域の出張所だ。
何が起きても不思議じゃない地域だというのを念頭に置いてくれ」

事実橋の東側地域では毎日の様に折衝が行われており、出張所への間接折衝もある。


特技男「業務目標は出張所の安定化ですか?シェアの拡大ですか?」

主任男「ストレートに答えると 両方 だな」

特技男「また抽象的ですね…」


主任男「本部も考えあぐねているようだね。
何せH市ルートが業務展開不能になって急に決まった話だからなぁ」

通信男「しかし業務目標が明確で無くては私達としても個別目標に落とし込めません」クイッ


主任男「まぁ出張所にいけば仕事は嫌でも山ほどあるよ、その中で業務形成するさ」


班員達の意見も最もだ…。
正直、この指示では業務計画の立てようが無い。

希薄な業務目標、混乱気味の指揮系統…。

多数の不安と共に連絡車はG県へと近づく
9 :広報班 ◆tsERP5rFx9iS [saga]:2014/12/24(水) 00:59:28.63 ID:ELc5f/2Y0
ーーー会社案内ーーー

各企業の地域毎シェア(統括地)争いが激化している業務環境で、
弊社は精力的に支店(占領基点)を増やし、新地域における販売力(地域資源獲得)強化を行っております。

国家、地域行政の崩壊した昨今、各地域の土地、住民様の
管理、運用を行い皆様により暮らしをお届けすることが、
弊社の使命と認識し日々企業活動に励んでおります。


株式会社 TEA
(temporary employment agency.inc)
S県北部を本拠地とする中堅会社
・地域開拓事業部
・建築事業部
・人材開発事業部
・IT事業部
の4事業部で構成

社員 32500名
統括行政区 13地区
包括住民数 72万人

勤務は独自カレンダーによる。
寮、社宅完備。
年金、社会保険無し。
労働傷病は会社にて治療を保証。
給与、休暇は別途規定により定める。

尚、弊社への問い合わせはできません。
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