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垣根帝督「はぁ? 俺はオタクじゃねえぞ」

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706 :レベル5がヤイヤイするやつ ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:00:13.26 ID:R1KunLW50


麦野「なんでまたこの面子で呼び出されなきゃならないのかしらね」

一方「知るか」

食蜂「でもこうやって集合力しちゃったんだからしょうがないわよねぇ。でも個室サロンでどうしろって言うのかしらぁ」

御坂「あ。またメールよ? えーっとなになに…
『「超能力者」のみなさまへ。昨年もお疲れさまでした。これから迎える新年度もみなさまの一層のご活躍、期待しています。ささやかながら宴の席を用意しましたので、存分にお楽しみください』
……主催が学園都市理事一同ってなってるけどこれ本当かしら? ねえ」

一方「…」

垣根「…」

麦野「…」

食蜂「えぇー…」

削板「飯食い放題ってやっぱ本当なのか。根性あんなあ、理事会」

御坂「あれ? なんでアンタたちそんなにテンション低いの?」

一方「なンでオマエは平気なンだよ。本当に差出人は理事だと思ってンのか」

垣根「仮に本物だとしても信用出来るかは別問題だろ。そこの監視カメラって本当にただの店の備品か? 向こうで馬鹿どもが腹抱えて笑ってねえ?」

麦野「うわぁ。あのバカ女ならやりかねないわー」

食蜂「あの女とか絡んでなぁい?」

削板「なーすげーぞ。これ好きなの頼んでいいんだよな!」

一方「早速食う気だぞアイツ」

御坂「まあ折角だからさ。つまんないこと考えてないで、みんなで楽しませてもらいましょうよ」

食蜂「今更疑心力を発揮したところで、意味はなさそうだしぃ……そうしましょうか?」
707 :ワイワイしてるやつ。小ネタ ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:03:11.07 ID:R1KunLW50

麦野「メニュー見た? ささやかにしたって酒の一つも出さないのかよ。シケた宴席だこと」

垣根「いや、幾ら無礼講っつっても限度があるだろ」

麦野「何、アンタそんなとこで真面目ぶりたいの?」

垣根「違えよ。俺はどんな時も、テメェの不始末を自己管理の甘さのせいにしたくねえだけだ。少々の酒くらいで堪える能力じゃねえが、おかしな言いがかりの隙をこっちで用意してやることもねえだろ」

麦野「そんなこと言って、その面で全然飲めなかったら笑えるけど。なあ?」

御坂「ねぇ、やっぱアイツって」

一方「俺に振ンな」

食蜂「う〜ん。お酒に酔った気分が味わいたいなら、手はあるけどぉ?」

垣根「テレビのリモコンって、おいおい。いいのかよ」

麦野「へ〜え? 面白そうじゃない」

食蜂「口にした飲み物をアルコールだと誤認させるくらい簡単よぉ。それに、精神のハードルを下げて酔った状態に近づけるだけだから飲酒よりは健康的なはずなんだゾ☆」

御坂「はー。催眠術で『これはお酒です』ってやるようなもんなのね」

一方「そンなン本当に効果あるのかァ?」

御坂「それはいいけど、アンタそれ自分に使っても平気な訳?」

食蜂「私の制御力はこれくらいじゃ揺るがないのよねぇ。それに、もし何かあっても記憶消去すればいいんだしぃ?」

垣根「覚えてなきゃいいのかよ。うーわー最低だなお前」

削板「何かよくわかんねえが面白そうだな」

麦野「ま。ハメはずしたっていいわよね」

御坂「そうね。校則とかそう言うのは忘れてたまには羽根伸ばしたって、ね?」

垣根「え。ちょっと待て、一方通行お前もっと向こういけよ。羽根伸ばしたらぶつかんだろ」

一方「オマエが縮めりゃいいだろォが」

削板「おっ。手伝うか?」

一方「いや、マジでは出さねェよ」

708 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:05:02.49 ID:R1KunLW50

食蜂「寸劇はその辺にしてぇ、実行させてもらっていいのかしらぁ? リモコンだと効かない人もいるわよねぇ……それじゃあ順番に頭を操作させてもらうわよぉ☆」

一方「痛ェ!」ゴッ

垣根「づッ」ガン

御坂「あいたっ!」ゴン

麦野「チッ」ゴリィ

削板「つ…っとお危ねえ!」バッ

食蜂「ちょっとぉ? やりかえさないでよぉ?!」

垣根「今素で食蜂の額割るとこだったろ」

麦野「どこの戦闘民族なのアイツ」

御坂「何か変わった感じはまだしないけど……まあ、こう言うごっこ遊びみたいなのなら平気よね」

食蜂「なぁにぃ心配なのぉ? 御坂さんったらお子様ねぇ」

麦野「それともいい子ちゃん気取りかしら」

御坂「パ、親が人前でお酒は止めときなさいって言うのよ。まだ未成年だしそんなこと絶対ありえないんだけどさー」

削板「いい親父さんじゃねえか。子どもにちゃんと注意してやれんだろ」

御坂「うーんそうなんだけど、大人になってもって言うのよね」

垣根「お嬢様ってのは親まで過保護かよ」

一方「いや……ありゃ止めといた方がいいだろォな」

麦野「なにアンタ何かしってんの」

一方「……チッ、血は争えねェって言うだろォが」

御坂「え……なに、何その反応。まさかっ私の知らないとこでマ、あの人何かしたの?!」

削板「よーし飯食おうぜ!」

麦野「どうせ払いはどっかのお偉いさんでしょ。よしっ、パーッと飲んでやろっかな」

御坂「あーもう。いくら本当には酔っぱらわなくてもほどほどにしといた方がいいんじゃない?」

麦野「なによ。飲み比べとかしてみる?」

一方「酒の強さじゃねェとこ比べてンだろ。それ」
709 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:12:48.86 ID:R1KunLW50

麦野「ほら。ぐーっといきなよ。もっとこう、ぐーっと飲んでさあ。もっと私を楽しませろよ」

垣根「ヒック、どうせ俺なんか……残念だとかメルヘンとか好き勝手散々いいやがって……何が惜しいイケメンだこんちくしょう、ぐすっ」

麦野「辛気臭いツラしてないでよね、ねえねえそのきれいな顔をジューっとやっちゃっていーい? これなら丁度タバコの火くらいよ大きさだけは」ジリジリ

垣根「あ?」

麦野「ちょっとだけ。ここんとこだけ先っぽだけ。炙ってもぉーいいかにゃあん?」

垣根「顔は止めろよばかぁ…ぐすん。俺からイケメンとってどーすんだよーろくなもんがのこらねーだろーがあぁぁ」

麦野「めそついて女々しいこと言ってんじゃねえよ! じゃあほらぁど・こ・に・してやろっかなー!!」

垣根「チッ、俺が腑抜けてっからこんなやつにもいいように言われて……内臓が、ないぞーって…くそおっ」

削板「いーっち」ゴクゴク

一方「ぎゃはッ見ろよォあれ。ここは地獄のいりぐちですかー? ってなァ。面白ェ、こっちは星がみえそォだぜェ?」ッェーイ☆

御坂「ヒック……ほらぁそれよりアンタも、もう一杯のみなさいよぉ」

一方「オマエに言われなくてものンでますゥー」プイ

御坂「なによおー! あたしのオレンジジュースがのめないっつーの? このもやしぃ!」

削板「にーいっ」ゴクゴク

一方「おおっとォ奪衣麦野が上取ったぞ、チキン野郎が三枚にオロされちまうンですかァー?」アハギャハ

御坂「ほらーもーいっぱいのみなさいってのこのばかー。なんであいつじゃなくてアンタなんかがここに座ってんのよー
このクソ第一位めは度重なる狼藉を働き美琴様まことに申し訳ございませンーって誠意をこめてえこれを一気に飲みなさいよぉおお!」ダァン!

一方「はいはいミカンを圧縮圧縮ゥ」

削板「さーんっこんじょー!! っぷはー!!」

食蜂「向こうはなんだか騒がしいしぃ、こっちはジョッキで三杯連続一気ぃ? お酒じゃないからいいの…かしらぁ」

御坂「よーしやるじゃーんそぎいたーっ!」カン

削板「こんじょーう!!」パーイ!

御坂「あははったのしくなってきたッ! ほ〜らあのんじゃうぞおー☆」

削板「いいぜ。気合入ってんな御坂!!」

食蜂「なんだか熱い人たちは意気投合しちゃってるしぃ……」
710 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:17:55.56 ID:R1KunLW50

麦野「ほーら暴れると余計なとこまでこんがりしちゃうわよ。ま、こっちはいい反応も期待してんだけどさあ」

垣根「どうせ『未元物質』仕込みだ。シャツも焦げねえよ。ふん」

麦野「なーに今度はスネてんのかにゃーん。なぁにいアンタ構って欲しいの? よーしじゃあ四つん這いになりなさい面白かったら相手してやるよ、って私がどかないと無理かこれ」

垣根「なにすんだよお踏んだら痛えだろ、別に痛くねえけど」

麦野「つまんないのー…あ。ほーらあかきねえ、アンタの爆笑もんのなっさけなーいとこ一方通行が見てるわよー」

垣根「は」

麦野「ほらほら。手振ってやるよ。おーいあくせられーたあー? 呑んでるう〜?」ブンブン

一方「ンーw」フリフリ

垣根「うっ……」

麦野「お、泣く? 格上にダッサイとこ見られてないちゃうのお? 泣き上戸のて・い・と・く・ん?」ニヤニヤ

垣根「ばーか! しね!!」

麦野「お? やーっと抵抗する気になったかにゃーん?」ジジジッ

垣根「だーかーらー顔ねらうなっつってんだろこのごりらおんなぁああ!!」ガバッ

麦野「あ゛あ゛ん?!」

一方「ぷっふー。ぎゃっはァアイツら小学生かよォ」

食蜂「ねぇえあれってまずいんじゃないのかしらぁ」

御坂「なあーにいー? いいからアンタものめーっ!!」ガッシ

食蜂「ちょっ、もごっ!」

御坂「にゃははは〜はは……ふにゃーいいきぶんー美琴さんちょっとつかれちゃいましたーぐでーん。ちきゅーのじゅーりょくにはぁ、かないませぇん」ベローン

食蜂「もぉ〜みんな自由力が高すぎるわよぉ!」

削板「おーどうした?」

食蜂「あっちの二人をほっとけないんだけどぉ。御坂さんはこんなだしぃ一方通行さんは笑ってるしぃ…喧嘩ですめばいいんだけどぉ。
エスカレートしちゃって後で私のせいだって怒られたら嫌だわぁ」

削板「よし。ちょっと根性入れてきてやる。おとなしく仲良くしてろって言ってくりゃいいか?」

食蜂「でもぉ、一応二人ともあなたより実力者でしょぉ?」

削板「こう言うのは男の仕事だ。偉そうにふんぞりかえってるだけが強さじゃねえからな」

食蜂「…なによぉ。こんなところで男子力発揮してどうするのかしらぁ」

御坂「んーなーんかあの馬鹿みたいなこと言ってたわねえ〜」

食蜂「はぁ」

御坂「んぐんぐ…ぷはー! なんでアイツはいないのよお! いくら御坂美琴さんでも呑みニケーションでまでビリビリしないわよ?!」

食蜂「それはぁ『超能力者』のパーティだからでしょぉ? なによぉ私だってねぇ――」

711 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:19:41.53 ID:R1KunLW50

垣根「あー。ちょっと酔いさめたかも。なんだあの頭の芯揺らすうるせえ説教。お、水は飲んでも普通っぽいな」

麦野「ううー私の馬鹿ーーなにしてんだかあ。吹き飛ばしてやりたーい」グデー

垣根「なにそれ。いや、散々された俺の方が凹みたい気分だけどな?」

麦野「はー。やっちゃった。私酔うとさ、近くのやつに甘えたくなるのよね」チラ

垣根「は? あれのどこがだよ。いきなり人の顔面でBBQはじめようとするののどこが甘え癖なんだか。
んなこと言ってんならその上目遣いはさっき使っとくべきだったんじゃねえの?」

麦野「ほら、えーっと…食べちゃいたいほど可愛いとか言うでしょ。それね。アンタは不味そうだけど」

垣根「今考えたろそれ。つまんねー言い訳だな」

麦野「チッ。私みたいなのが…どう甘えたってどうせ可愛くなんてないだろ。だったら何したってさ」

垣根「お前も素直じゃねえな。女ってなんでみんなこう面倒くせえんだ」

麦野「今更この私が素直になんて……なれないわよ。特にあいつ…らの前とかじゃ尚更ね」

垣根「何照れてんだか。ドン引き確定なセリフが平気で吐けるんならもう一歩じゃねえの。さっきのお前じゃないけど、そう言う反応の方がよっぽどいいぞ」

麦野「何言ってんだこの……馬鹿」

垣根「おー、いいじゃん。予行練習だ、どうだ? ひとつ口説いてやろうか?」

麦野「おい」

垣根「あ?」

麦野「ちょっと飲み直したい気分だし。ボトル追加してやるよエセホスト」

垣根「かしこまりました、お嬢様」ニッ
712 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:22:09.53 ID:R1KunLW50

削板「おっす一方通行! お? 今日は顔色普通だな?」

一方「ンー? あァ、酒じゃねェから気分は悪くねェ」

削板「なんだつまんねえな。またスゲー根性いりそうなのが出てきたら手合せしてえと思ってたのによ」

一方「(俺なンかしたか?)」

削板「さっきまでゲラゲラしてたのに盛り下がってんなあ」

一方「別にィ」

削板「あっちのやつらもそうだけどな。お前らみんな肩肘張りすぎなんだよ。余計な力がはいりすぎだ。もっと気楽にいこうぜ。な!」

一方「オマエ、酔うと暑苦しさが増すンじゃねェの」

削板「細かいことは気にすんな! よーしのもうぜ! 根性―!」カチャン!

一方「…根性ォ」チン




……



御坂「だいたいあの馬鹿はねえーばかー!」ダン!

食蜂「ばーかばーかぁ。不幸って言えばどんな目にあってもゆるされるわけじゃないんだゾ!」バン!

御坂「ほんっとにもーばかー! こっちの気もしらないでばかばかー!! うわーん!」

食蜂「ばかぁー! わぁああん!」

一方「……そンで、きっとあのガキも…そのうち、こンななって……」ミサカユビサシ

削板「うんうん。お前、今度はさっきまでの垣根みたくなってっけど平気か? のみすぎか?」

一方「それかァ……番外個体や麦野みたく品のねェことへェきで言うように……グスッ」

削板「ああ? うん。子どもの成長ってはやいな?」

一方「…芳川みてェになっても困る……ウウッ」

削板「うーん。よっぱらいの相手ってのはなかなか根性いるんだな」ポンポン

垣根「おっまえw それはマズいだろwww」

麦野「それでさぁ聞いてよお。でね、言ってやったんだよw ××を××……」

垣根「ぎゃっははは! だから、おかしいっつうのーぶっちゃけすぎだろーw」ゲラゲラ
713 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:32:54.67 ID:R1KunLW50

食蜂「さぁって充分食べて飲んだわよねぇ。そろそろみなさん気分は落ち着いたかしらぁ?」

御坂「なんかつかれた…」

一方「あンだけ騒げばそォだろォな」

垣根「麦野。お前もうさ……酒飲むか、諦めるかどっちかじゃねえの? なんでエログロな下ネタが増えてんだよ」

麦野「あぁああクソがぁあああ!」ガンガン

削板「別にあれだな。あんまり変わった感じはしねえんだな? ほんもんの酒だと違うのか?」

垣根「さーて。そろそろ気分替えて何かするか? カラオケとかあるけど」

御坂「こんなのもあるわね。『王様ゲームぽちっと』」

食蜂「随分ベタねぇ。でも命令されるのは新鮮かもぉ」

麦野「あー、確かにあんまりやったことないわそう言うの」

削板「お前らみんな王様ぶってるもんな」

垣根「ふーん。面白そうだな。お前らに命令できんの?」

御坂「えーっと。王様はこの中から選ぶんじゃなくて、名前を入力するとここからそれに合わせた命令が出てくるのね」

麦野「なーんだ残念。面白オブジェになってもらえっかなあと思ったのによお?」

垣根「チッ」

御坂「アンタたちねえ…」

食蜂「名前なんて数字でいいんじゃなぁい? 私たちならそれでわかるでしょ」

削板「俺何番だ?」

垣根「六人しかいねえし繰り上げていいんじゃねえの」

御坂「じゃあスタートするわよ」

食蜂「最初の命令は何かしらぁ」

一方「はァ。くだらねェ」

垣根「どうせゲームだ。何が出ても恨みっこなしな?」
714 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:35:30.52 ID:R1KunLW50

【6と 5が 2に 激熱おでんを 食べさせる】


麦野「なによアンタいきなりじゃない」

垣根「言いだしっぺの法則ってのがあってだな…クソ」

食蜂「操作力ならまかせてぇ☆」

削板「よっしゃあ!」


垣根「おでんきたぞー」

御坂「垣根さん…罰ゲームに使うおでんを自分で注文するってどんな気分だったのかしら」

麦野「本人に聞けば? 十三段分の階段上るよりはいい気分じゃないの」

食蜂「削板さぁん目隠しはできてるわよねぇ? それじゃあ、ど・れ・に・し・よ・う・か・し・らぁ…ストップ! それよぉ」

削板「これだな!」

垣根「げ。よりによって玉子かよ。すげえ熱い具じゃねえか。っつうかお前よく見ないで取れたな」

御坂「心の目ってあると思う?」

一方「コイツなら根性でやりそうで怖ェな」

食蜂「そのまま上げてぇ……そうそう、それで二〇センチくらい前よぉ」

削板「よし!」

垣根「あっちい!」

食蜂「もう少し右よぉ」

削板「こっちか根性!!」

垣根「ぶわっち! クソ!」

食蜂「あらぁ惜しいわぁ〜更に下よぉ」

垣根「ぶっ、食蜂!」

御坂「いやー食べさせる気ないわよね」

麦野「その方が面白いけど」

一方「辛子」

麦野「ほら。あ、柚子胡椒とって」

一方「ン」

御坂「あ。大根。それちょうだい?」

麦野「ふぁいよ」

垣根「なんでお前らが普通に食ってんだよ!! あっつ!!」
715 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:36:43.99 ID:R1KunLW50

【5が 4に 膝枕 して あげる】

食蜂「まぁ、相手が麦野さんでよかったかしらぁ」

御坂「あはは。たしかに男子にするのはちょっとね?」

垣根「こっちもほっとしてるっつうの。王様ゲームごときで不審者扱いとかされたくねーよ」

麦野「結構寝心地いいわ」

食蜂「どうもぉ」

麦野「しっかし……すっごい光景ね」ワッシ

食蜂「きゃあ?! ちょ、ちょっとぉ!」

麦野「いいでしょこれくらい。減るもんじゃないしい?」

御坂「どうせなら減らしてやって」

麦野「他人の胸って重いのね。うわーでか…アンタよくこんなのぶらさげてるわね」ユサユサ

食蜂「やめてってばぁ」

削板「あれって脂肪だろ? 邪魔なら鍛えりゃいいのにな」

垣根「あそこまであると普通にしてても邪魔そうだろ。おーすげー持ち上げてる」

一方「豊胸マシーンなンてのも意味わかンねェが……つゥかその辺にしとけ。罰ゲーム変わってンぞ」

御坂「ふ、ふーん! 何食べたらこんなになるのよ栄養ぜんぶとられてるんじゃないの?!」

麦野「ちょっと食蜂そのまま前かがみになってみて。お、見てみて御坂、顔に乗りそうじゃない? 写メ撮ってよ」

御坂「もう。はーい撮るわよー」カメラヲキドウシタゲコ

垣根「いくぞー、一たす一は〜?」

麦野「むー」ピース

食蜂「なんなのこれぇ?!」
716 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:40:22.18 ID:R1KunLW50

【変な語尾でしゃべる】

【にゃん、ゴザル、アル、常識的に考えて、ぴょん、ですの】

【4が ですの 3が アル 1が ゴザル】


麦野「ったく。ばかばかしいったらないわよね。『王様ゲーム』って言うんだからもっと面白くてよさそうなのに。いい加減に…」

垣根「むーぎーのー」ニヤニヤ

麦野「しろっつうんですの!」キリッ

垣根「ぶっ」

御坂「ぷ」

一方「いやァ、笑いごとじゃねェ…」

削板「なんだ、一方通行はもう忘れちまったのか?」

一方「笑いごとじゃないでゴザルゥ」

麦野「んんっw ぶふッ」バシバシ

御坂「一方通行はホント似合わないアルネー絶対こんなことしないキャラアルから余計ヨー」

食蜂「みしゃかさぁん」プフー

麦野「御坂こそ面白みにかけますの! どうせ一人だけ助かったなんて内心思ってるに決まってるんですの!」キリリッ

一方「麦野は開き直っているようでゴザル。諦めが早いにゴザルよォ」

削板「一方通行けっこーノリノリだな」

一方「何言ってるでゴザルかァ別にオマエらを逆にからかい倒そうなンて思ってないでゴザル」

垣根「一方通行」

一方「あァ?」

垣根「拙者って言ってみ」

一方「拙者その様に悪辣非道な考えなどこれっぽっちも抱いてゴザらンよォ?! 断じてないでゴザルゥ」

垣根「拙者w 拙者うけるww」

削板「なあ。この『常識的に考えて』って語尾なのか?」

麦野「さあ。どっかの誰かに似合わなさそうだけど。そんなのもあるんじゃね、あるんじゃないんですの?!」キリッ

御坂「もう止めてほしいアルヨー今度黒子にあったらうっかり笑いそうアルヨー」プルプル

食蜂「ぷふふw なんで麦野さんキリっとしちゃうのかしらねぇ。御坂さんちょっとかわいいわよぉw」

削板「こりゃあ麦野が優勝か?」

垣根「いや、勝負はしてねえだろ?」

一方「勝負でゴザルかァ? 拙者といざ尋常にィ」マイル

麦野「受けて立ちますの!」デスノ!

御坂「とんでもないことになてきたアルヨー」アイヤー

食蜂「もう。みんな優勝ねぇ」
717 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:41:37.90 ID:R1KunLW50

【5が 1の 嫌いなところを 二つ告白】

食蜂「王様ゲームってこんなのもあるのぉ? わたしぃ、悪口なんていえないわぁ?」

御坂「アンタ、ひとには散々言ってくれてるじゃない」

食蜂「あら。御坂さんは例外力よねぇ?」

御坂「なにおーっ?」

垣根「むしろ二つに絞るってのが難問だろ」

麦野「ほら、ちゃちゃっと進めましょ」

食蜂「えぇっとぉ……顔、じゃなくってぇ目が怖いわぁ」

御坂「目つきは確かに悪いけど……ちょっとにっこりしてみたら?」

垣根「ほーら、笑って笑って〜?」

一方「イヤだ」

垣根「まぁこいつの笑顔なんて赤ん坊がみたらショック死しそうだしな」

削板「もう一個なんかねえのか?」

麦野「でも、アンタたちお互い嫌いになるほどつきあいないわよね」

食蜂「そうねぇ……あ。その服装で近くはあんまり歩かれたくないかもぉ」

一方「クッ…!」

御坂「うっわ、そこ言っちゃうんだ」

麦野「随分ショックみたいだけど、今まで誰にも言われなかったのかしら。え、それもキツくない?」

垣根「食蜂。グッジョブ」グッ

食蜂「?」ビシッ

一方「クソがァ……」

削板「そっか? お前のもいいシャツだな!!」キョクジツキー

一方「オマエにそこは褒められたくねェ……」シマシマァ

718 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:45:36.97 ID:R1KunLW50

【6が 4の 嫌いなところを 二つ告白】


削板「まーた悪口かあ? なんだ根性のねえ命令だな」

麦野「ゲームなんだし? 遠慮なくいっても怒らないわよ」

垣根「と」

麦野「あ?」

垣根「し」

麦野「ああ?」

垣根「何だよ。まだ何も言ってねえだろ」ニヤニヤ

麦野「てっめぇ…ニヤニヤやらしーツラで笑ってんじゃねえぞ?」

垣根「おっと悪いな。セクシーなのは今にはじまったことじゃねえんだ」ドヤァ

麦野「その顔ボッコボコにしてやろうか」

削板「うーんそうだな。麦野、口が悪いぞ。女らしくねえ」

一方「ド正論だな」

御坂「あと一つって、何だと思う?」ヒソ

食蜂「さぁ? この人の思考力って一番わからないわよぉ?」ヒソヒソ

削板「もういっこか…そうだな…化粧が濃い!」

垣根「んぶっふw」

麦野「テメェもかあああぁん? 確かにベースには大分被せてあるけどさあ仕方ねえだろ。あ゛あ゛ん?」

削板「お前そんなことしなくても十分美人じゃねえか。なんで女ってのは余計なことしたがるんだ?」

麦野「……うっ」

食蜂「麦野さんがぁ」

御坂「止まったわね」

削板「なんでだ? お前ら知ってっか?」

垣根「あれだろ? 女はああやって…ああ、気合い入れてんだよ。なぁ?」

一方「ン? おォ、そうじゃねェの?」

削板「そうか。そいつで気合い入れてんなら余計なことかもしんねーが、お前はそのまんまでもすっげえ根性ある女だ。俺は! そう思うぜ!」ドバーン

麦野「うん…まあ」

御坂「なんか、悪口だったのに褒めてお説教でしめちゃったわね」

垣根「けど根性とか気合いって女相手のほめ言葉じゃねえだろ」
719 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:53:26.15 ID:R1KunLW50

【2が 5の 好きなところを 二つ告白】

垣根「え。一個しか浮かばねえ。どうみてもそれくらいしか美点がねえ」

御坂「えぇー」

麦野「ゲス」

一方「死ねよ」

削板「なんだって? 根性?」

垣根「なんだよ。じゃああえて言わねえで次な。うーん……あ! もしも能力交換しろって言われたらこいつにするかも。いい能力してるよな」

御坂「うわぁ」

麦野「さいってー」

一方「死ね」

食蜂「羽がたくさん生えるようになってもあんまり嬉しくないわぁ…」

削板「それより腹空かねえ?」



【1が 6の 好きなところを 二つ告白】

一方「ンー…」

麦野「随分悩んでるわね」

御坂「なんか褒める所はいっぱいありそうだけどね。いいひとじゃない」

垣根「褒めるってのがあいつには抵抗あんじゃねえの?」

食蜂「垣根さんってぇ、一方通行さんのことになると結構な理解力を発揮するわよねぇ」

垣根「あ? 俺は割と空気は読めんだよ」

麦野「はあ? あれで?」

垣根「読めたからって、それに俺があわせてやる義理はねえだろ?」

麦野「アンタ、舐めてんの?」

御坂「あっ、ねえねえ! じゃあ今アイツはどんな感じなの? 難しい顔しちゃってるけど」

垣根「そうだな。『この俺がガキ向け番組のヒーロー気取りみてェな野郎のことを褒めンのはてんでガラじゃねェ』……とでも思っているんだろうが」

麦野「キモっ」

削板「俺は別に気にしねえんだけどなあ」グー


一方「ンー、あァ。そォだな……余計なことを考えずにすぐ動けるってのは、なかなか出来ることじゃねェ」

食蜂「すぐ深謀力を巡らせちゃう私たちには、確かに真似出来ないかもねぇ」

麦野「はいはい。次は」

一方「後は……根性とかなンとか意味はわからねェがてめェの矜恃を貫こうって気構えは……大したモンだと、思う…ぞ」

削板「おし。一方通行、お前の気持ちはよっくわかった! ありがとな! なあ、飯頼んでいいか?」ググキュー

垣根「ぜってえ聞いてねえよこいつ。今のコメント腹の虫に全部持ってかれたぞ」

御坂「一方通行が人を褒めるなんてあんまりなさそうなのにね」

食蜂「どれだけ本能に忠実なのぉ?」

一方「もォいい。飯食ってろ」ハァ

削板「特別褒めてもらうようなことじゃねえしな。お前も肉食うか?」

一方「……食う」
720 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 02:55:55.61 ID:R1KunLW50

【6が あらためて乾杯の音頭 をとる】


削板「お前ら! 新年度だかなんだかしらねえが……明日っからも根性みせろ! よろしくな!!」

御坂「まあ、何だかんだで一〇年くらい過ごしたみたいにはここの生活もアンタたちにも慣れっこよね」

垣根「そんなか?」

麦野「アンタ昼寝でもしてたんじゃないの」

食蜂「これからも皆さんとは、なるべくトラブルは抜きでよろしくお願いしたいわぁ」

一方「はァ。なンだこのめンどくせェノリ」



削板「よぉっし。超能力者に……乾杯ッ!!」

「「「「かんぱ〜い」」」」

削板「のんのんもっかいだ。一方通行がやってないぞ!」

御坂「もー。またやるの?」

麦野「仕方ないわね」

食蜂「ほらぁ、早く混ざってよぉ」

垣根「うっわ、これだからモヤシは」

一方「関係ねェだろメルヘン野郎」

垣根「あぁ?」

削板「おーっしお前ら根性ぶつけあうのは後にしろ。いくぞー! ハイパーエキセントリックウルトラグレート……」


……
721 : ◆q7l9AKAoH. [ saga]:2016/04/23(土) 03:00:21.95 ID:R1KunLW50

なんだか背中が痛い。
起き上がるとまあ、そのはずだった。
何故か床の上に寝転がっていた麦野はぼんやり目を開けた。
頭を起こすとぐらぐらする。
うっかり飲みすぎたか、いや…でも酒は飲んでないし。
いやーそれにしたって記憶飛ばすほど飲まないよなあ、と麦野は不思議に思いながら自分の周りを見回した。
とりあえず着ているものに乱れはないからひと安心…とも言えない。
麦野は何故かふりふりの白いドレスを着ていた。
レースまみれの清楚にド派手でなんだか女の子の永遠の憧れ、みたいですごくムカついた。
なんだこりゃあ着替えた覚えはないけど、いや覚えてないだけか?

「んげっ」

体を起こそうとしたら足元の方で変な音がした。
ついでになんか踏んづけたらしい。
そっちを見ると、床の上に垣根が伸びていた。
顔ごと思い切りうつぶせになってるけど、声が出たんだし息はできてるんだろう。
こっちも何があったのか。金モールだらけのミュージカル俳優みたいな格好で寝ている。
コイツは脱ごうとしたのか、それとも着る途中だったのか上半分がほとんど脱げていた。
その背中の上にちょうど麦野のヒールがめりこんでいた。

「……なんだこりゃ」

呟きながら部屋の中を見回すと他の連中もちゃんといた。
麦野を含めてこいつらも無事かどうかはちょっと判断しづらい。

まず一人、壁の近くには削板がうずくまっていた。
コイツは何故か半被を着ている。
ハチマキ巻いたお祭り野郎だけどちょっと違うよなぁ、と麦野は首を傾げる。
アイツも寝ているのか動かずじっとしている。
観葉植物の鉢を抱えたまま寝るとか器用すぎるでしょ、と麦野はちょっと引いた。

「むにゃ…ままぁ…えへへ」

「なによぉ…なんのために折角ぅ…」

ソファーの前で御坂と食蜂が並んで寝ている。
とりあえず。
超能力者はまともなところで寝ていないで、床の上でつぶれているようだった。

御坂は何故かウエスタンブーツをはいて西部劇の登場人物みたいだし、食蜂はチアリーダーのコスプレみたいでやっぱり意味不明な格好をしていた。
御坂は、食蜂の胸を片手でわしづかんで爆睡しているがきっと見ているのは色気のなさそうなガキ臭い夢だろう。
一体私ら何してたんだろうなあ、と眉を寄せても麦野にはやっぱり何があったか思い出せない。

食蜂はばらまかれた自分のリモコンに囲まれて寝ていたから原因はそれかもしれない。
ついでに。
食べもの空のグラス、なにかゲームでもしたのかおもちゃや、クラッカーの残骸リボンに紙吹雪『今日のお楽しみ』や『残念賞』とか書かれた変なタスキ。
そのほかごちゃごちゃに汚れたテーブルの上に、アルコールの空きビンがいくつも混じっていたようにも見えたが、多分気のせいだ。
きっと。

さらに顔を動かした麦野の頬がひきつる。
ああ、何があったかわかんないけどこれよりはましよねえ…と妙なところで頭が冷静になった。
この中でも一番いい数字を頭上に頂いている一方通行はなんとまあ、セーラー服を着て転がっていた。
もちろん女子ので、この中で一番哀れで愉快で最高にわけがわからない格好だ。
ご丁寧に髪にはお花のピンまでつけて、近くに転がっている御坂に脇腹を蹴られて小さくうめいているがまだ寝ているのだろう。

そうでなければ今頃、建物ごと嵐の中につっこんだような惨状に襲われていてもおかしくない。

「はァ? そっちが、いきなりぶつかって――」

性別不詳気味でおやすみになっている第一位は。
今日び化石並みに古臭い、曲がり角でぶつかる系ヒロインな夢でもみているんだろうか。食パンのおまけつきで。

「頭いた…もっかい起きたら全部夢になってたりして……」

そんなこんなの意味不明空間で。
なんかもうすっかり考えているのが嫌になってしまった麦野は、寝心地の悪い床の上で再び目を閉じた。
このタイミングで目を覚ましたのが運が悪かっただけだ。
もう少しくらい他の連中と同じように幸せそうに夢の中にいてもいいだろう。
そう勝手に決めつけると彼女は第一発見者の責任とめんどくさそうな現実を放棄してしまうことにした。
722 : ◆q7l9AKAoH. [ saga sage]:2016/04/23(土) 03:02:24.48 ID:R1KunLW50

ドーモ。

王様ゲームは一人さびしくサイコロ振って決めた。
この春から色いろスタートしたひとも、安定継続中のひともそのほかみーんなよろしくなーって1は1はもっともらしいことを言ってお茶を濁そうとしてみたり。

>>573小波さんが垣根と麦野、削板と御坂ものませようぜ!ってなぐあいのことをいっとったのを思いだしたのでそんなかんじになった次第
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 09:12:12.32 ID:7dacqD0l0

責任放棄wwwwwwww
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 11:02:51.28 ID:6M2lgMLoo
垣根君一方通行のこと好きすぎだろ
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 12:49:03.95 ID:aQd5ftJAO
むぎのん酔い方が某ハセガワでワロタ、ビール半分燗1本までならトンデモかわいくなる可能性
でもひとりサイコロ振ってたことにもっとワロタ、小ネタにそこまで……乙ww
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 19:20:39.27 ID:8qdmd3pM0

ですのは禁書SSの鉄板ネタではないかと思うんですの
垣根「俺の未元物質に常識は通用しねえ、常識的に考えて」

昔は仲良しレベル5や女装一方(百合子)ネタ結構あったし、垣麦SSなんかもあったよなぁ……
なんてこと読んでて思ってしまって、ちょっと悲しくなった
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/26(火) 22:08:20.79 ID:dDM/9hsh0
相変わらず垣根がかわいい
お姫さまむぎのんもかわいい
おかしな集団で削板はもうまともな人にしか見えない

潜入で女装待ってる
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 02:01:29.87 ID:4xvhE2ne0

百合子と夢でぶつかったのは俺
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/06(金) 11:47:09.89 ID:AgHfFWyq0
GW中の更新はないんですかね
こどもの日の何かとか……
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/06(金) 12:57:22.09 ID:o0YgFc9O0
>>729
お前が子供になるんだよ!
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/06(金) 18:01:22.31 ID:qUFeNp0h0
>>730
こえーよw
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/06(金) 21:06:32.46 ID:OSXL2X+H0
え?垣根が死にかけのゴーグルを未元物質で助けたけど何故かショタになったって?(幻聴)
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/06(金) 21:15:15.81 ID:W/gwpM2Co
そこはショタ垣根に振り回されるスクールだろ!
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/10(火) 19:32:54.65 ID:fILB/6KFo
そういえば>>222はやらないのかにゃーん
735 : ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 03:43:46.92 ID:WBFRCfNY0

>>723
見た目はパーフェクトにせれぶりちーなのに女子中学生に早漏!とか言っちゃうわで中身があれなイメージ過ぎて。
一皮むいたらおっさんなのはフレンダ(偽)より麦野だったのでは?と疑うこの頃。

麦野「だってダルイし」
一方「だってじゃねェよ!! なンですかこりゃァ! 俺のキャパ超えそォなンですけどォ?!」

とりあえず次に目を覚ますのが第一位でさえなければ何とかリカバー出来る可能性もまだある

>>724
学園都市の闇で悪党(笑)厨二のおまけに天使でとっても同類だからな。シンパシー不可避。

>>725
「ねえアンタ名前なんて言うの?」って言わせりゃ良かったのか!ちくせうその手が。
耳を噛みたがる麦野に絡まれる垣根とか想像すると辛い。腹筋が。
人数ぴったりだしランダムさがあったほうが書いてても楽しいかな……と。いいだろw1はさびしいやつなんだ。
乙ありです。
おかげでお前が言うな感満載の「常識的に考えて」であえて煽ってくる垣根はネタにしそびれた。
いっそ逆でもいいかも。

御坂「そこはほら……常識的に考えてさ」
麦野「やっぱそうよね。常識的に考えて」
食蜂「でもぉ、理解力が足りてないと困るわよぉ? 常識的に考えて」
削板「根性でなんとかならねえか? 常識的に考えて」
一方「いや無理だろ。どっかのメルヘン野郎じゃねェンだから。常識的に考えて」
垣根「テメェら……そんなに俺が嫌いか。常識的に考えて」

常識ってなんだよ。なんだなんだよなんですか。奇妙な世界に迷い込んでSAN値が下がりそう。常識的に考え…て……

>>726

おつありですの!
くっそw
そこはかとなく馬鹿っぽいのがじわじわくるけど、普通のことを言ってるだけにも、無駄にカッコいいような気もしてしまうこのくそこんw
未元物質イリュージョンか。
垣根は、比べられる常識お持ちなんですkアッ……ハイ
SSも色々あったよなー。クロスシリアス再構成もちろん、みんなでワイワイしてんのぐう好き。

>>727
垣根がかわいいとよく聞くけど垣根はかわいいのか。
かわいいのか、カッコイイのか。
外道なのか、意外といいやつなのか。
貧乳派なのか、巨乳派なのか。
メルヘンなのか、メルヘンなのか。
真実は白いカンカン、じゃなくてカブトムシの中にあるのかもしれない。
ふりふりむぎのんは、BBA俺だ!結婚してくれ!なノリでも笑えるとおもう(小並)
乙ありです。
あれっすね例の安価ですよねそうですよね大変お待たせしてる。
ここまで読んでくれたあなたはいつもありがとう、ならお判りだろうが…
1は思いつきでネタをぶっ込むんで話をまとめるのが壊滅的に下手ですっ!
なので。結局頭と尻尾をまとめようとしてたはずなのに、どうして垣根がラーメン食ったり意外な特技が披露されてるんだろうと思う訳よ。
潜入にひつようそうな装備は責任もってなんとかしたよ!!あいつを生贄にしてな!

>>728
ありー
転入生の席は……728の隣が空いてたな。

>>729
なかったですね面目ねえ
こどもの日はひな祭りよりはなんとかなったのでせうか……?
菖蒲湯って昔入ったけど変にスパイシーな匂いするから嫌がられないだろうか。

>>730
ちょっ理不尽www
いや待てその手がまだだったな!!
よーし。729も子どもになれるように考えとくな!できたら!
『スクール』のこどもの日か……もうイベントは関係ないし日付とかどうでもいいよね(脱力)

>>731
助けてママー!?
いや今度はママにされてしまうのか
この中にどなたかお母さんはいらっしゃいませんか?!

>>732
誰得なんだそれは(困惑)
ゴーグルはまだ元気ですよ!残念。サンドリヨンの後続にはなりません。

>>733
それはとてもいい、と1はここのレスのみんなってネタくれるからいいよねありがたいねと自らの首を絞めにかかります。

>>734
おしおき確定ですよねお待たせしてます
736 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 03:46:46.87 ID:WBFRCfNY0


学園都市の中に数ある多くの学校。
その一五倍近く広大な敷地を占有している、白くて四角いシルエットの建物が並ぶその一角。
校庭は博物館のような真っ白い石畳風。
観光ガイドの風景写真や映画に出てきそうな地中海の街並みをそのまま持ってきたような雰囲気の場所だ。
戸板ひとつとっても熟練の職人が仕上げた一級品……に偽装されているだろうドアはそもそも原材料からしてつくりが違う。
厳選された木材ではなく炭素繊維の加工品だろうしそれだけでなくあちこちに最新技術をこらした設備が配置されている。
外観も雰囲気も一切損なわないように徹底されたデザイン。
露骨にセンサーとセキュリティチェックを張り巡らせたいかにも近未来的な面をアピールしている長点上機学園とはその辺りの美意識が違うらしい。
学園都市の有数校、『五本指』と言っても校風は様々なのだろう。
あちこちのセンサーで人の出入りは常に監視されているのだろうが、ここにはそう言った意識をさせないような配慮がなされていた。
温度や湿度の管理、空調を徹底し、快適な環境で美しい花を健全に保つ温室のように。

昼間なら学生にあふれている、いや少女しかいない街。
その校舎の一つ、すっかり明かりを落とした常盤台中学の中を歩くのは指定のガードマンの制服を着た人物。
本来なら施設柄、女性の職員が身に着けるはずの衣装を着ているのは場違いな少年だった。
たとえプロの治安維持要員であっても、男性は動員されないのが当たり前のこの場所ではいっそ異常だ。
おまけに定時の巡回にしては少し様子が違う。
懐中電灯どころか明かりひとつ持っていない。
それを苦にした様子もなく、何かをそっと探す様に彼は静まり返った廊下を歩いていく。

こっちも異常なしです、と無線通信に答える。
彼は暗部組織『スクール』に所属する能力者で今は任務の真っ最中だ。
学園都市でも随一の能力開発技術を誇る常盤台中学から直々に話があったと制御役は告げた。

はじまりは五日前。
校内で立て続けにおかしなことが起きはじめた。
コンピュータの無断使用。施錠された教室、図書室、資料室、研究室への進入。校内のセキュリティランクB以上のファイルへのハッキング。
そのどれもが、生徒や学校関係者の手によって行われた。
所属する風紀委員や警備員によって捜査が行われたが容疑者は口をそろえて「覚えがない。自分の部屋で寝ていたはずだ」と証言。
うそ発見器より正確無比な常盤台の女王の手による調査の元でも証言が虚偽だと断定できず。
「謎の夢遊病徘徊事件」は生徒の不安を煽り、不要な憶測と信用の低下を呼び込むこと……常盤台の名誉に傷がつくことを防ぐため情報統制と最適化がなされた。
その結果、限られた関係者のみが知ることとなったらしい。
そうして超能力者を二人も擁する名門であっても内部で解決できない問題が暗部組織である『スクール』の元に回された。
事件に関係のありそうな不審人物、犯人の確保と原因の解明が望まれている。
それも極めて内密に。
恐らくは依頼のきっかけの一つ。
校内の二人の能力者より序列の高い、組織のリーダーは。
お嬢様がたが寝静まった深夜に校舎の中をうろうろするだけの簡単な仕事の退屈さに早くも嫌気がさしはじめているようだった。

737 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 03:49:04.48 ID:WBFRCfNY0


「何かいいっスねえこう言うのも。ほら、スパイムービーみたいじゃないスか?」

おかしな人物もなし、不審な物音もなし。
まるで異常なしオールグリーンの現在。
少年の方にはのんき過ぎる発言をこぼすくらいには余裕がある。
ばーか。死ね、とヘッドセットのスピーカーから悪態が返された。
彼が着ているのは警備会社の制服。
被っているのはいつものリング状の『ゴーグル』ではなくてサバイバルゲームなんかでも使われそうな暗視ゴーグルだった。
『ゴーグル』なら、特撮ヒーローのベルトよろしく外部パーツの変更で録画はもちろん赤外線、サーモグラフィ、その他様々な機能を追加・補強出来る。
さらに、カメラをあちこち動かせば一人で複数のポイントを同時に捜索も出来てとっても便利なのだが。
女子学生の巣窟『学舎の園』と言う場所柄、残念ながら撮影機材の持ちこみは事前に断られてしまった。
また、その時リーダーから
「こいつには女の着替えを覗く趣味もねえだろ」
と余りありがたくないフォローも入ったのだが、もちろん許可してもらえなかった。
なんだか持ち主への誤解が一層深まっている気がしたが、少年も今まで訂正を挟むことがなかったのだからしかたない。

消灯時間からずいぶん経っていることもあってか、どこにも生徒どころか人の気配がない。
ゴーグル無しの少年は腕時計に目をやる。
表示された時刻は午前一時一三分。
いつもなら夜更かしして深夜アニメに備えている時間帯だ。
こう言うところで暮らしているお嬢様ともなると二四分のアニメを見るのに映画館なみのシアタールームを使ったりするのだろうか。
と、くだらないことを考えながら歩いていると前方に何か動くものが見えた。
少年は慌ててすぐ近くの曲がり角の先に潜む。

そのままこちらに向かってきた人物はまっすぐに廊下を歩いて行った。
無意識に口元を手で覆いながら少年は角から様子をうかがう。
わざわざ軍用ゴーグルを頭につけているのはこのためだ。
電灯を持っていたら、向こうからも簡単に見つけられてしまう。

前を歩いているのは後姿でも一目してわかる、気品爆発常盤台の制服姿。
校則違反のスリルと誘惑に負けてお忍びで深夜の散歩をしているお嬢様か。
それとも探している「深夜に徘徊する不審人物」の方か。
いきなり目標の背中が遠ざかる。
標的が走り出したのだ。
気づかれたか。
ちいっと舌打ち毒づくと少年は足を早める。
緊迫したシーンにありがちな靴音は広い廊下には響かない。
ソールに使われた吸音素材は少年の乱雑な足運びでさえ、猫の足元の様に静かにしてしまう。
738 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 03:51:21.08 ID:WBFRCfNY0

「待て!」

一声だけ告げると愚直にただ後を追いかける。
彼は相手を即座に取り押さえることはしなかった。
巡回を装って校内を闊歩する言い訳として着ている服だが、この格好で能力を使ったら警備の人間でないことはすぐにばれてしまう。
だが。
そんなことを考えている場合ではない筈だ。
相手のシロクロは関係ない。
こちらが発見された時点で迅速な確保が最優先、これは『スクール』の正式な任務であるからして。

さて。
走りながら少年は状況を軽く整理する。
相手は一人……恐らくは女子中学生。
動く標的を捉えること自体は難しくない。
能力開発を受けて『念動能力』を身につけたこの少年なら「コロンブスの卵」も楽々成功する程度のコントロールは出来る。
しかし自分も走りながら、逃げ回る「生卵」をヒビを付けずに奪い取れるか、と言われると途端に難易度が上がってしまう。
彼の現在の能力規模で言えば、卵を一つクランプでも使ってつまみあげろと言われるくらい難しい。
ついでに視界も狭い。
視覚頼りな能力者としては、コマンド設定後のエンターキーを押す前に再度確認が必要といったところか。
卵をつかむ力が強過ぎると当然殻は破れてしまう。
場所が悪くても同じことだ。
相手が練習用の生卵ではなく生き物で、もしかすれば無関係の生徒かもしれないと言う可能性を含めると……。

並んだ条件の中に悪いものが重なっている。
しくじった場合の嫌な、それも最悪の想像に陥りそうになった少年の胃が縮みあがった。
わずかに込み上げる吐き気をこらえて、頭を振る。
マイナス思考は演算の妨げになる。
頭で考えたように能力を動かすのに。
実現したくないイメージを膨らませていたら思考が鈍る、動きは止まる。
自分のパフォーマンスをつまらない想像一つで下げてどうするのか。うまく切り替えなくてはいけない。
後一押し、言ってみれば自信が足りない。

能力を健全に伸ばそうと思うなら、時間割り通りの開発を受けるのはもっと根本的な話だが……これは今は不要な問題だった。
面倒なルートに逸れそうだった連想ゲームを即座に終わらせると、少年はそのまま走り続けた。
追跡から五〇メートル追うごく短い間にそうして結論付けたのは。
足で追うのが一番安全な手段、だった。
その辺のなんかお高そうな棚とか植物の鉢やら置き物なんかの遮蔽物を操作して足を止める手もあるが、一応は極秘任務だ。
あまり騒がしくするわけにもいかない。
739 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 03:52:53.28 ID:WBFRCfNY0

「(不審人物を発見、現在逃走中。現在位置、C-2-17-5付近…増援頼みます!)」

無線を切り替え、別の場所で待機している心理定規に連絡。
対象は逃走に向いた能力を使えないのか、それとも校内には能力使用禁止の規則でもあって、それを大真面目に守っているのか。
インドア派寄りを自負する少年でも女子の足にまかれることはなかった。
建物の端まで追ってくると、廊下の左手にずらっと窓が並ぶ。
少ないとは言っても街灯や月明かりが視野にちらついて眩しい。
少年は暗視ゴーグルを外した。
前を走る生徒の白いシャツの袖が暗がりで目立つ。
それを頼りにひたすら走る。
常盤台生の内部寮の近くまで追い詰めた。
あと一息、と言うところまで近づいた。
少女らしき影を後を追って角を曲がると。
そこには誰もいなかった。

「消えた……だと」

肩で息をしながらぼんやりと呟いた少年は片手を上げかけて。
止めた。
普段の癖で能力を使ってゴーグルを起動しようとしたのだが今は馴染んだ感触は頭の上に無い。
この校内には彼の周辺機器をほとんど持ち込めていないことを慌てていた頭でやっと思い出した。
しかたなく自分の両目だけで周囲を確認するがさっきまで追っていた人影は見当たらない。
この校内ならいつどこに居てもおかしくない制服姿だが、消灯後にそんな格好をしているのはおかしい。
少年は息を殺して不審人物を探すが寮棟の暗い廊下にはドアの開く音一つしない。
逃げていたやつはこの並んだ扉のどこかで暮らしている生徒か、それとも隠れているのだろうか?
ほとんどの部屋はルームメイト制になっている筈だ。
自分の部屋に突然誰か入ってきたら気付くだろう。
そんな非常時にうら若き乙女が二人とも爆睡なんてほわわんで平和ボケな話は幾らお嬢さま学校でもないと思いたい。
ガードマンのコスプレをしていても、深夜にお嬢さまの部屋を一つひとつ訪ねていいのか。
制服姿で隠れているような人物があっさり見つかってくれれば話は早いのだが、その前に騒ぎになってしまうかもしれない。
生徒たちにバレて、その学園生活に支障をきたすことがあれば。
なんの為に『スクール』が日常の水面下である暗部の任務を受けたのか、その意味を問われてしまう。
一応その辺を他のメンバーに確認すると一旦戻って来いと言われてしまった。

「これ、は……怒られるな」

予知能力がなくてもわかる、暗い未来のヴィジョンにすっかり足を重くしながら。
ゴーグルの少年は来た道をとぼとぼ戻っていった。
740 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 03:54:11.16 ID:WBFRCfNY0

「えーっと今回の依頼だけど。二日目の今日も成果はさっぱり、おまけに対象とみられる人物は発見したけど確保出来ず。で、いいのよね」

「まことに、申し訳、ござい…ま……せん…ぐえっ」

帰還一撃目、入室即土下座を華麗に決めていたゴーグルの少年が動いた。
言われてからでは威力の半減する先制謝罪攻撃……自主正座から深い礼のコンボ技。
床に座った折り畳みケータイみたいになっているゴーグルの少年は潰れそうなカエルそっくりなうめき声を絞り出しながらさっきからずっとリピート設定されている謝罪をしていた。
心理定規は制裁前のデモンストレーションをしている少年から垣根に目を移すと返事を待っていた。
リーダーはうざったそうに頭を掻いてから、パソコンのモニタへ首を振った。

『本日の任務ごくろうさま、と言ってやりたいところだが、お前達がここまで使えないとは予想外だった……こちらも対策を講じている。先方と調整役を交えた話し合いを――』

「勝手にやっとけ」

制御役の話をさえぎって垣根は席を立ってしまった。
その背中に心理定規が困ったように声をかけた。

「あ。ちょっと」

「今夜はこれ以上やることもねえだろ。寝る」

うんざりしたようなリーダーはあくびをするとドアに手をかける。
ふと。
思い出したように、

「頭は上げとけ。背骨が折れるぞ」

ドアを閉める前にそう呟いた垣根の背後で床が大きくきしんだ。



741 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 03:55:32.35 ID:WBFRCfNY0

朝になって。
組織メンバーからの携帯電話の着信(なんとも嬉しくないモーニングコール)で目を覚ました垣根が『スクール』で使っていた部屋に向かうとそこにはおかしなものが置かれていた。
垣根の在籍している学校のものではない、学生服だった。
学園都市の人間のうち八割は学生だ。
学生服なんてそう珍しくもないのだが。

半袖のブラウス。
ノースリーブのサマーセーター。
その胸元には常盤台中学の校章がぬいつけてある。
そしてグレーのプリーツスカート。
繰り返す。
スカートが置いてある。
そう。

女子中学生の学校指定服だ。
きちんと畳まれた夏服がそんなところに置いてある意味がわからず睨みつけていると、しばらく様子をうかがっていた心理定規がため息をついた。

「制服を……ね。用意してもらったのよ。あなたでも着られるようにって身長にあわせて大きめにしてもらったから」

「……一応聞いてやるが、なんで制服なんだ。しかも俺かよ。お前らとうとう頭がどうにかしやがったのか」

「追って説明するから。とりあえず、直すところがないかサイズをチェックしなきゃいけないらしいから着てみてって」

はあ? といらついた視線を向けられたが心理定規は首を振って、後ろに置かれたパソコンを仰ぎ見た。
いつものエージェント、『スクール』の制御役を自称しているおかしな『電話の男』との回線がつながれていた。
なんだか画面がいつもと違ったが、垣根はとりあえずひとこと文句を言ってやった。

「普通説明が先だろ。何がどうなってやがる。おまけになんで俺が着る前提なんだよ」

【ごちゃごちゃいってないではよせいw】


何故かいつもの男の声ではなく、棒読み口調の女の子の声で返事があった。
画面に表示されたほぼひらがなのメッセージに垣根の眉がつりあがる。

「すんません! すんませーん!!垣根さん! 中身あれでもガワは俺のメクちゃんスから勘弁してください!」

なんだコラ、と今にも『未元物質』をお見舞いしそうな垣根に床の上で土下座耐久レース(本日二回目)を個人開催していたゴーグルの少年がすがりつく。
もちろんそんなことで怒りがおさまるわけがない。
見かねた心理定規の説明によると。

ヤツが今朝になって声が出せないので音声のみの通信が肉声ではないと言ったら、ゴーグルの少年がお迎えしたばかりの罰音メクちゃん派生ソフトに練習させたいと言いはじめたのだそうだ。
メールやボイスチャット用の文章読み上げ機能をリンクさせ合成音声に頼る『電話の男』は真面目に仕事をしているモードをすっかり切り替えたのか、煽る姿勢全開でキーを叩いているらしい。
先方との話し合いが長引いて話過ぎたうえに風邪気味だと言い訳していたが。
声が出ないのは別の理由だろうなんてのは今更隠すことでもなさそうだ。
おおかた、この話を聞いた『スクール』の面々のリアクションを思い浮かべて爆笑していて喉を痛めた、とかその辺だろう。


742 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 03:58:13.91 ID:WBFRCfNY0

「服をどうにかしたところで、俺は男だからな」

常識的どころか当たり前にもほどがある大前提を垣根は掲げる。
あれれー? 暗部の人に依頼したのに犯人が捕まらなかったぞ困ったなーよーしなら潜入任務にして確実に確保してもらおう、なんて話になった……誘導されたとしても。
唯一の適任者である心理定規ではなくなんでまた垣根なのか。
矛先を向けられた心理定規はつまらない質問をされたように首を振った。

「私のレベルじゃ、あの女王のいる常盤台で好き勝手させてもらえないのよ」

精神干渉が出来る能力と言っても、確かに心理定規では超能力者の『心理掌握』には敵いっこない。
おまけに女王の周りに侍る最低でも強能力以上の、働き蜂として洗脳済みの能力者たちと何かあったら形勢は圧倒的に不利なこともわかりきっている。
それでも。
何故垣根が。
何故女の格好で。
常盤台に潜入しなくてはならないというのか。

「流石にそれを着せただけで『学舎の園』に放り込むなんてことにはならないらしいから安心して」

「既にすげームカつくんだけど」

「後はこいつがあるんスよ。特注のボイストランスミッターで声も変わるみたいっス。チョーカーの裏で声帯をスキャンして、干渉波で声の波形を変える仕組みらしいっスね」

「つけてもなんともならねえけど」

「使用者認識用の起動コードを設定してもらってるんスけど、ちょっとこれ読んでみて下さい」

「あ? ……『抱いて……タイトに』?」 

渡された紙に書いてある言葉を読み上げた途端、発声している垣根の声ががらりと変わった。

『なんだこれ』

若い女の声で首をかしげる垣根の横で、一人ゴーグルの少年だけが急にテンションを上げていた。

「すげー!! 初期設定H原みたくしてって言ったら本当になってる!! チョーカー型の発声器って言ったらセリフはこれだよ半熟卵! 『スクール』の技術班ヤバいっスね!! あ、音声タイプは変更出来るらしいんで、後で好みで調整して下さいっス。お好きなCV.でどうぞ」

どうぞとかどこ向けの発言なんだかわからないが。
おかしな作業についやされた組織の人間の労力のすばらしい結果に少年のスイッチも入ってしまったらしい。

『勝手に何仕込んでんだお前』

「うわー!! ちょっとあの、俺目つぶってるんで『あんた馬鹿ァ?』って罵ってもらっていいですか。デフォが至高なのは勿論だけどあっちもちょっと気になってたんだよなー! 最終回のパラレル展開っぽくなる筈!」

「あー、あー……よし。お前、本当に救いのねえ馬鹿だな」

「垣根さんそれ地声、って痛い? ぎゃああなにこれ頭、頭痛いっス!」

目を閉じたまま悲鳴を上げる少年の頭は垣根にがしっと掴まれていた。
そこに更に、今まさにムカついているだろうリーダーの苛立ちが上乗せされて暴力的にねじ込められようとしている。

「元はっつうか、お前があん時捕まえてればこんな目に合わなくて済んだんだよな?」

「…………はい。俺がチート級の念動能力者で、バレずに不審者足止め確保そんなの楽勝だぜ一人でもM:I余裕の俺TUEEEE!が出来る大能力者とかだったら何の問題もなかったんスよね……俺がダメなやつだったばっかりに……」

がっくりしている少年の言葉通り。
昨夜の不審人物が、別の場所を巡回していた垣根の前に現れていたらあるいは。
この任務も即解決だったかもしれない。

「ほら。こいつにやらせろよ」

「彼は駄目。いざって時に能力面が頼りないし、かと言ってカメラや機材を幾つも持ち込むのは難しいわね。常盤台は貴重な能力をもった女生徒だらけよ。いくら向こうから持ちかけられた話でも学校側の許可が簡単には下りないでしょうね。その点……あなたなら、出来ないことの方が少ないんじゃない?」

【ぶっちゃけおもしろくないじゃんww】

ぐうの音もでないような正論と、不愉快な煽り。
板挟みにされた垣根はつまみ上げたブラウスを忌々しげににらんでいた。

「俺のプライドはどうなってもいいっつうのか? ああ?」

「いきなり破いたりしないでね。常盤台は制服も高いみたいだから」

743 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 04:01:19.38 ID:WBFRCfNY0

「なんつーかもう下半身が無防備過ぎねえ? 女ってよくこんなんで過ごせるな」

ぼやく垣根の目は普段から暗い目が死んだ魚にあえて寄せてみた、くらいにどよんとしていた。
暗部組織のリーダーであり超能力者が女子中学生の制服一式に袖を通したその苦悩はおしはかれない。
結果を説明するのに余計な文句がいるだろうか。
見てわかる簡単な一言で済む。

ものすごく似合わない。

残念なことにそして当たり前に。
どこからどう見てもイケメン寄りの立派な男子である垣根にスカートなんて似合う訳なかった。
性別不詳系や小柄可愛い系の男子ならそんな真似をしても、おふざけな喝采をもらいウケも取れたかもしれないが。
ホスト系イケメンを素材にするとご覧のあり様だよ! な予想を裏切らない悲惨さだった。
背は同年代の男子の中でもやや高め、おまけに足も長めのスタイルの良さが完全に裏目に出ていた。
指を十本全部使ってなんとかつまんだり引っ張ったりと少しでも腰装備の防御力を稼ごうとしていた垣根の努力も虚しく。

きっと校内ではミリ単位とかできっちり決まっていて、おまけに内部階級のサインとかステルスすぎて当人同士以外わからない些細な争いの種にもされていそうな学生服の暗部「女子のスカートの丈」。
それは今、完全に校則違反と言うか人目に触れたら最後。
風紀委員から警備員までガン首揃えてはいはいお兄さんどうしたのなんでどうしてこんなかっこしてんのと詳しくお話を聞きたがりそうな職質まっしぐらレベルになっていた。
どこから持ってきたのか申し訳程度に足元を覆うハイソックスが物悲しさをプラスしている。
そしてこの惨状も。
『スクール』の構成員にとってはまだ地獄の入り口だ。

些細なリアクションが命取りになりかねない、けっして笑ってはいけない時間がスタートする。
腹立ち紛れに吹っ飛ばされるのはまだいい。
怒りで加減してませんでした、なんていわれるとその瞬間には汚い花火の出来上がりになる。
リーダーのプライドを傷つけたものには死が待っていると言っても過言ではない。

「ぷ、ふふ……よく、似合うよ?」

「かきねさんさすがっすねー」

「心にもねえこと言ってんじゃねえぞお前ら。おいゴーグルこっち向いてみろ。首がよそ向いてんぞ」

我慢出来ずに吹き出した心理定規はスルー。
いや、睨まれていたからきちんとカウントはされているらしい。
だがまあそれくらいでいきなりかよわい女子に手をあげるなんてかっこ悪いことは、組織のリーダーはしないのだ。
となると標的は絞られてくる。
そこそこ怒りを発散できそうないい反応をして、大げさに吹っ飛ばしてもギャグで済みそうな生贄が必要になるところだ。
プラス、本件の元凶と言う十分すぎるペナルティが付いているのでズタボロにされても文句は言えないサンドバッグが。
それは十分に察しているらしいゴーグルの少年は。
面白おかしいことになっているリーダーから全力で目をそらしていた。

744 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 04:02:51.22 ID:WBFRCfNY0

「おおっと突然両目にゴミが! あぁ、目が! 目がぁぁあ!!」

「馬鹿にしてんだろ。口で言ってるうちにききやがれ。な?」

愉快な格好をした執行人が修羅か羅刹の形相で直々に笑わせにこようとしているなんてまるで洒落にならなかった。
ぎゃあぎゃあ騒ぎながらゴーグルの少年は目を両手で覆い隠して抵抗する。
心配しなくても恥ずかしい自覚はあるだろう。
ノーリアクションは本人も痛いだろう。
でも笑い飛ばすのも怖い。
何で彼らがこんな目に遭わなければならないのか。
大混乱の『スクール』をただ一人、離れた場所からこの状況を眺めているだけの『電話の男』は。

【これはこれはどこのおじょうさbんmっ、rちゅjむりうぇrなに89おp;:¥】

通信回線の向こうで死にそうになっていた。
美少女音声ソフトに読み上げられているメッセージがもはや言葉になっていない。

「だって見ても『未元物質』、見なくても『未元物質』ならまだマシに済みそうな方がいいっス!!」

通過儀礼的なお約束。
おしおき『未元物質』一閃までずいぶん手間取らせていた。
長引くと余計にリーダーの機嫌を損ねるのだが、まだこの世に未練アリアリらしい少年は呼吸を惜しんで無駄な足掻きを続けている。

『そんなにおかしいですか?』

「……あ。電話着ちゃった。ちょっとごめんね? 後はお願い」

「垣根さんそれずっりい……って心理定規の裏切り者ぉ!!」

美少女ボイスにまんまとつられて目を開けてしまったゴーグルの少年はひとり修羅場から離れていく心理定規に叫んだ。
後ろに垣根が立っている。
振り返ることは死と同義だ。
笑わない、と言う奇跡でも起きない限り。
言い逃れ出来ない罰があたるまでテンカウントも必要なさそうだ。


説明される前にまんまと着替えさせられた垣根だが、室内を粉々にするより先に今度は着用時の服のサイズを確認することになった。
フィッティングなしでも手直しいらずの完璧な仕上がりで制服を用意される方が……なんでそんなデータまで持ってるんだと気持ちが悪いだろう。
でも、不愉快な経験はせずに済んだかもしれない。
745 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 04:05:10.50 ID:WBFRCfNY0


「あの格好で全身採寸ってあんな辱めを受けたのはガキん時以来じゃねえのか。いや、あそこまでは流石に俺も覚えがねえぞ」

「仕方ないわよ。仕事だし」

「だからってなんで関係者でやるんだよ。向こうは顔見知りしかいなかったぞ」

垣根は不満そうに出てきたばかりの隣の部屋を指差した。
一応『スクール』での任務なので雑用その他は当然ながら下部組織の人間がしている。
垣根の立場的には、情けないかっこを見せなければならなかったのが面白くないのだろう。

【ぶがいしゃにみせてじょそうしゅみのレベルファイブがいるってうわさになればよかったのにw】

しばらくの間、言語になっていないひどいメッセージを送信してきていた奴も回復したらしい。
物を投げるような音がマイクに拾われていたから、さっきまでの映像に爆笑しながら机やその辺のものを叩いていたんだろう。
こいつはすっかり普段の(不真面目な)調子で面白がっている。

「お前はフォローしてえの? それとも俺の怒りにガソリンでも投げ込んでんの?」

「ある能力者の協力で、あなたの周囲は認識阻害が出来る筈よ。もしなにか不備があっても服装さえそのままなら体格くらいはある程度距離があれば見間違いでなんとかなる……と、思う……かな」

そうは言ったものの。
心理定規はさんざんなリーダーの様子に自信なさそうに肩をすくめた。
普段ならの説得力のありそうな、精一杯の助言も今は頼りない。
と、言うよりどう見ても無理な話に決まってる。

「根拠も自信もガタガタじゃねえか。っつったく何の罰ゲームなんだよこれ」

【みてるほうはもっとばつゲームだけどなwwwwあとでがぞうzipでおくってwwwww】

「垣根さん! だからそれ俺のパソコンなんですってどうか!! あとそっちも無駄に草生やすのやめてください。うちのメクちゃんはそれ全部読まなきゃいけないんスよ。変な癖がついちゃったらどうしてくれんだこの野郎」

垣根の背中を必死でおさえながらノートパソコン(私物)とインストールされたメクちゃんを必死に守ろうとするゴーグルの少年。
彼が訴える間にもだぶりゅーだぶりゅだぶだぶりゅー、と律儀な機械音声は生えた草を刈っていた。

「そんなに大事なら使わない方がよかったんじゃない?」

「俺のメクちゃんはまだ全然弄ってないんスけど文読むくらいなら何とか出来るんスよ。やっぱほら、声は出させてあげたいなーって。問題は俺の音楽センスが壊滅的なんで調教とか何をどうすりゃいいのかまるでわかんないのがっスね」

「俺が何したってんだ……」

脳内お花畑続行中なゴーグルの少年とは対照的に、精神的疲労がどんどん増えていく垣根のテンションは急降下していた。


746 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 04:06:20.83 ID:WBFRCfNY0


「でもまぁ、そうだな。あいつらも仕事は真面目にこなすよな。『当てにならない協力者だと困る』っつって一応このままでも、ゴツめの女だって言い張れるかどうか……色々写真も撮らされたし」

「え?」

「垣根さん? それって……必要でした?」

「何だよ。あのな、俺だって好き好んでそんなことしねえぞ?」

言われなくてもわかるし、そりゃあそうでしょうと思いたいことだが。
垣根は、俺はそんなつもり無いけど撮るって言うから仕方なく被写体になってやったんだと言う旨を首を傾げる二人に弁解した。

何でそうなったかもなんとなく想像がついてゴーグルの少年はこっそりパソコンの方をみた。
同じことを考えていたらしい心理定規と目があって、二人で顔を見合わせる。
あっても無くても良さそうな、それがばれたらリーダーからものすごくとっちめられそうなデータをわざわざ残そうとしたやつが『スクール』の中にいる。
まぁそんなことをさせるやつは組織の関係者でも一人しかいない……はずだった。
下部組織に命知らずのパパラッチや情報屋がいるとかならあれだが。

幸いにも絶賛修羅場真っ最中M7クラスの災難に見舞われているリーダーはそんなことを気にしている余裕もなさそうだ。
後でバレて『電話の男』の使いパシリにされただろうカメラ係の馬鹿がひどい目にあうのか。
今余計なことを教えて、キレるだろう垣根のとばっちりに巻き込まれるのか。
想定される超能力者の人災が二人の頭の中で天秤にかけられていた。

話し合いなんて状況的にできなかったが二人の心の中は一致したらしく両名見て見ぬふりで問題は始末された。
自分に悪いところがないのに巻き添えで大変な目にあうのはごめんだ。
今だと、スカート+『未元物質』=……なんてとっても恐ろしげで悪夢に出てきそうな怖いものが待っているから余計に。

「そうね、丈はもう少し伸ばすんでしょ? 何か下に履けるものを用意してもらうから。そしたらそんなに違和感はないんじゃない? ズボンの上から履いてると思えばそのうちスカートだって慣れるわよ」

変更後のサイズやらなにやらが書かれたらしい紙を見ながら……垣根の方をなるべく見ないようにしながら心理定規が冷静に伝える。
それに対するリアクションはなんとも疲れ切ったものだった。
椅子に座った垣根はため息をついて下を向いた……が、現在の無様な状況がいやおうなしに目に入ってきたのでそのまま顔を横に向ける。
頬杖に乗せられた横顔は心底不満げだ。

「慣れたくねえしシャレになってねえからな」

「後ろ姿は美少女っスよ。バレー部とか体育会系かなーって感じの」

「そうねえ。でも前から見ると……」

【じょそうしゅみのあぶないメルh】

ガターン!! と椅子が壁まで吹っ飛んで。
大慌てで少年が頭を床に擦り付ける。

「すんません! すんませーん!!」

この分では泣き土下座もリピート推奨になりそうだ。

747 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「下準備編」 ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/05/20(金) 04:07:54.20 ID:WBFRCfNY0


「見慣れるとそうでも……あるけど。まだほら、下手な男の子よりはよっぽど見れるわよ。あなたきれいな顔してるじゃない」

「これっぽっちも慰めになってねえからな」

「よく俳優とかも企画で変な服着せられたりするじゃないスか。若手イケメンの通る道だと思えば……」

「俺芸能人じゃねえよ」

すっかりげんなりしてしまったリーダーに部下二人がおろおろと声をかける。
どうやらこの制服には着用者の体力と精神力を徐々に奪う呪いでもかかっていたらしい。

【なにおまえげいのうかいとかめざしてんのwそうだねーきみグラビアとかきょうみある?】

「死ねよ」

【そんなかっこですごまれてもwwwwwあむりむりしぬくるしくてしぬわwww】

「殺すぞ?」

【wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww――

反応がなくなった。
奴はキーの上に指でも置いたまま死んだのだろうか。
エラーを起こしたような機械音声が不気味だ。

「終わったらみんなで美味いもんでも食いにいきましょう!ほら! 垣根さん元気出してくださいすんません」

「どんな脳味噌してると、テメェがんなことほざけるんだろうな?」

「俺のおごりに決まってるじゃないスか!! ええもちろんスよ! 追跡中にタゲロスした俺がぜぇんぶ悪いんスからすんません」

「『スクール』様で領収書出せるんじゃないかな」

【ていこちゃんがおしゃくしてくれるんならいくわwww】

「黙れ。誰が何だってんだ。それにお前の面に興味はねえよ」
748 : ◆q7l9AKAoH. [saga sage]:2016/05/20(金) 04:09:46.98 ID:WBFRCfNY0

ドーモ

ごーぐるはぎせいになったのだ

>>222

『スクール』さん潜入任務。垣根に制服着せる編でした。
常盤台潜入編もよろしく。
しかしまあ。
スカートやらなんやらで下がりまくってるSAN値が大変なことになっててとても辛い。
かっこいい垣根ってなんだったんだ。
確か冬川絵でそんなものを見た気がするんだけどね?幻想かな
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/20(金) 07:42:52.07 ID:RdeWhyxQ0
ワロタwwwwwwwwwwwwwwwwww
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/20(金) 12:35:45.57 ID:2arNW6ha0
乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
だめだ息が苦しいwwwwwwwwwwwwwwwwww
垣wwwwww根wwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

芯があってかっこいい
でもどこか抜けてたり愛嬌あったりネタだったりでかわいい
禁書キャラはほとんどそんな感じ
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/20(金) 14:42:04.21 ID:JVe7WSGg0
ミニスカ装備のイケメルヘンやばいwwwwwwwwwww
よく着せたなここまで本気だとは思わなかった
スクールに入りたい
ミニスカ垣根にオシオキされたい
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/20(金) 17:08:39.86 ID:QT3u+Gtyo
学園都市パワーなら顔も何とかなりそうな気がするけどねww
第5位と気が合いそうじゃないか
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/21(土) 11:50:27.18 ID:KK6QQBxV0

帝子(ていこ)ちゃんなら、あだ名はティコちゃんかな?
これは後々暗部の連絡係の中で可愛い女の子()の写真が流行る

このSSの世界線では新訳時間軸になった時、
カブトムシではなくCV.H原の女体化垣根になるフラグが立った……?
未元物質は白い=白いスーツ、未元物質による増殖=○人目だから……なるほどな!
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/21(土) 15:11:25.51 ID:Y8ey8yn8O
前にもH原出てこなかったっけ
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/21(土) 17:17:58.49 ID:jetm3kFD0
ていこちゃんがいるならおしゃくなくても行くわwwww
上条さんにも勝る下僕っぷりでひざまづいて下敷きであおぐわ
あ、その前に変声器でキ○ィさんやってもらっていいっすかwwwwww
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/21(土) 23:27:19.27 ID:d7m3MCaRo
メルヘンのヘンってドイツ語で可愛い物を表すんだって。だから「テイヘン」でよくない?
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/22(日) 12:22:58.80 ID:bE5JIH0x0
>>756
マジかじゃあヘンタイも褒め言葉になるのか
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/22(日) 23:14:25.31 ID:NwD0mHBHo
>>757
〜〜chen(○○ヘン)
がキュートな印象を与えるみたい。
女の子(麦のんは駄目)の意味のメイドヘンとか。
グリム童話の赤ずきんちゃんのタイトルも「Rotkappchen」で赤ずきん+ヘンだね。
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/02(木) 22:00:30.62 ID:l6jfnfdA0
垣根のウエイトレスもみたいな
760 : ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/06/13(月) 14:50:49.75 ID:hbVuD1SbO
ドーモ。
何だか草深いとこがwwwwww

>>749
JCになった第二位みてやって〜〜

>>750
乙ありです。

いやあもうギャグSSって時点で『かまちーの書く原作のかっこいい垣根』とはまるで違う別物であることは当然でそれも十分自覚してるんだが。
クリープ9:コーヒー1のコップの底にたまったガムシロップですらない何かをコーヒーだと言うのはいくらなんでもどうだろうなあと。
テンションおかしいのがデフォだけど、たまにふっと正気にかえるんだね。
そして原作にたち返ろうにも、もう昔の垣根がいないことを思い出してSAN値がドバッと下がる。発狂しながらネジの飛んだSS書いて以下ループ。

>>751
ドーモ!安価には全力投球します!1です!
だってみんなが女装でていこちゃんって言うからこれはもうネタを振られてると思うだろ常識的に考えて。
暗部落ちしたい人が増えてますね。頑張ろうぜ

>>752
どこの探偵ですか。
能力者使って何とかならないわけないww
学園都市ならいつもの格好で潜入してもほにゃっと何とかなってしまうに違いない。
そして、それでも垣根にスカート穿かせないとって電話のあいつがノリノリで話をふっかけたに違いないw
何より女装したのに肝心の話はまだきちんとされてないんだぜこのリーダー。
第五位とは……どうなんでしょうね?

>>753
乙ありです。
ティコちゃんwかわいいw
もし、あのノリの良さそうな『アイテム』のおねえさんにまで画像が回ってしまったら学園都市は一体どうなるんだ…

なんだってー!! ΩΩΩ
前もカブトムシ→メクちゃんとか言われてたけどTS(H原声)とかゴーグル以外誰も得しないよね。ゴーグルも嬉しくなかろう。
原形どころか性別の垣根を越えてどうすんですかこんにゃろー
ネタバレすっと今回のネタ元H原キャラは某お料理小説のアニメ版です。
万能汎用兵器な金の卵が美味しいです。アンサイクロペディアが詳しい。

>>754
たぶんゴーグルの趣味です。たぶんN登M子も好き。

>>755
罰ゲームもしてないのに愛玩奴隷>>755が発生しただと。

誉望「いいスか垣根さん……設定そのままで、テンション高めのやや高音で元気よくお願いします」
垣根『こんにちは! わたし、キ○ィ!』
心理定規「本物そっくりね」
垣根「今のでいいならここをこうすると……『どうだ。どんな風に喋ってもそれらしくなるもんだな?』
心理定規「こんなに怖いあのネコちゃんの声は聞いたことないわ」
誉望「中身って大事なんスね」

こうか。

>>756
へーすごーい756ものしりー
テイヘン……ていへん……底辺……
これは、もしも彼女の耳に入ったら審議するまでもなくもう一度絶望しろコラが入るんじゃ、と1は心配します。

>>757
バウムクーヘンのヘンもかわいいのかな。
ヘンタイがそれで許されるなら残りのタイってなんだ。
裸ネクタイ紳士のタイかなにかですか。

>>758
は〜!みんな詳しいな。勉強になる。
なぜわざわざ()付けたしw

>>759
女子sが揉めてるあいだに野郎どもに仕事してもらおうぜ。

とある給仕の超能力者

一方「チッ……お一人様ですかァ」
一方「御注文の品でェす(ベクトル操作)」

垣根「いらっしゃいませ。御注文はお決まりですか?」
垣根「まだかよ……さっさと今ここで決断しろコラ(未元物質)」

削板「らっしゃっせー!!」
削板「おっしオーダー上がったな。七番テーブルだ!(説明のできない力)」

こんなん初日で店長の胃に穴があきそう。
レベル5男衆もウエイター似合いそうじゃん。みんなで社会見学って言ってバイトしてもらえばさー
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/13(月) 22:46:34.48 ID:9+NhFjJEo
女装垣根からホモ垣根まで幅広い性癖をカバーしている猛者はおらんのか!
762 :まだセーフだよねセーフ  ◆q7l9AKAoH. :2016/06/13(月) 23:10:35.09 ID:rv1/HImr0
ウェイ…トレス、だと…

いやー改行大杉って怒られたの1久しぶりー

>>759
二次元学園祭の定番になりつつある男装女装がいいのかそうか?
そんなファミレスありなのかそれならみんなでやって麦野も呼んだ方がいいと思うよイケメン確定だよ。
御坂は何も問題ないとして食蜂さんはどうしたらいいんでしょうな。


誉望「垣根さんがバイトすることになった店でコスプレキャンペーンって……俺は三次元は適応外のオタクですが何故当然の様に衣装調達係にされてしまうんスかね。
他の奴らもいる手前ド◯キとかはペラくて駄目だろうなー。コスプレ衣装なんて俺はあてがないしそこそこのクオリティを求められても困るんスけど。あー電話の奴に連絡して何とか断りたい」

土御門「おーっとコスプレのお悩みが聞こえたぜい。それならこれがいいぜよやっぱり衣装はメイドだにゃー。そして中身はロリがベストですたい」バサッ

誉望「つっちー君?! どこから出てきたんスか」

土御門「じゃ〜ん! 『熾天使ガチメイド』〜! ロンドンの最新作だにゃー。古式ゆかしいメイドスタイルを踏まえつつ新風に鋭く斬りこむこちらの逸品はいかがぜよ」

誉望「いや。この絶妙すぎるタイミング……信用出来るのか? 何かの策略を感じる」

土御門「おおっと何だぜい。何でそんなこと言うのかにゃー? 俺たちオトモダチじゃなかったのかにゃー」

誉望「だって、女子はペッタペタのロリ派なつっちー君がどう見てもS以上の、そんなサイズのメイド服を偶然持っているとは考えづらいだろ」

土御門「いやー俺だってロリ巨乳は賛成派だぜい? 舞夏にはこの前殴られたばっかだからねーちん用を取り寄せたんだが。そっちもあてが外れてにゃー。ってなわけで喜んで進呈するぜよ。困った時はお互いさまにゃー」

誉望「そっちも困ってんだ。いやだからって俺に? その前に完璧アウトっスよこれ女子のだろ!? 俺が欲しいのはメンズなんだよこんな即死フラグじゃないやつなんだよ! 他に無いのか他に。一番いい装備を頼む」

土御門「俺が野郎の服なんか持ってても気持ち悪いだろにゃー。この『セラフ六翼エプロン』を着こなせる者はそういないんだが……
誰かに着てもらうのがメイド服の本懐の筈だ。さっ、えらばれしものよもっていきなさい」

『スクール』の制御役『丁度よかったな。そちらの親切な青年にはお礼に何かご馳走しなさい』

誉望「あたり一面死亡フラグのお花畑が見えるんだが?! 携帯は勝手に通話してるし。俺にどうしろって言うんだよ。他の服が無いならせめていいえの選択肢が欲しい!」

土御門「俺だってこいつを持って帰るのは恐ろしいんだぜい。どう見たって舞夏のじゃないからにゃー。泥沼修羅場展開はいやだにゃーガクガクブルブル。
さー、こいつで勇者になるんだにゃー。ガチと言いつつガチに見せつつゲテモノメイド服の名に恥じない仕上がりだ。
今回は過去シリーズより露出は控えめと見せかけて……ほーら実はここがこんな風になっております。なパーツ可変隠し要素付きぜよ」

誉望「うっわぁ……本当にメイド服なのかこれめいどこわい。はっ、そうか。俺はこれで死んで英霊に……なりたくない!!」

土御門「さーてAAA大先生よどうするんだにゃー。よってらっしゃいみてらっしゃい、英国直送のレアなこちらのお品物、今ならこのお値段でどうだー!」

制御役『即決でww』

誉望「ああきっちり金は取るのかマジの厄介払いか、ってお前が決めんな!!」


ウェイトレスの違いがよくわかんないからもうメイドでいいよな?!メイド!一緒にしたら義妹の拳骨不可避っぽいけど!
と1はゴリ押しで誤魔化せないものかと更に投下します。
763 : ◆q7l9AKAoH. [sage]:2016/06/13(月) 23:11:45.65 ID:rv1/HImr0
ってやってるとさげわすれるのよね
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/13(月) 23:32:24.64 ID:6/Bfwj6D0
ワロタ
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 09:39:59.46 ID:JoSKelxK0
つっちーあとの2人の分も頼んだww
ところで学園都市にはメイドフェチグラサン野郎の他に看護婦属性持ち変態カエル医者もいるんだけどね?
766 : ◆q7l9AKAoH. [saga sage]:2016/06/14(火) 15:08:56.84 ID:AHOQ1B2YO


>>761
その二つが入ってる時点で、性癖としてはそりゃーはば広くても相当絞り込まれると思います、と1は小並感を口にします。でもここ速報だからホモの人もいるんじゃねーのと加えて雑に返答しますそっから振り分けるんだがんばれ

>>764
いいぜ。笑えよwwwww

>>765
軍覇は着るんだろうか。そう言うルールだって言えば根性無さそうな服も着るんだろうか。
奴の反応はわからない。
幾ら白衣を天使たちに着せたところで、その結果が地獄絵図ならあのお医者さんも喜ばないはずだね?
看護婦さんは過去のSSであったねそれ。あれはいいものだ。
確か最初はファミレスのウェイトレスの話だったのにいつの間にか怪しいお店になりそうだよ大丈夫かな?

???「アンタの仕事は患者を救うことのはずだろ。視覚の暴力でそいつを増やしてどうするんだ! 体と心を癒してくれる優しい存在に、俺たちだって、ときめいてたんじゃなかったのか。
何でそれが……こんな恐ろしいことにならなきゃいけないんだよ。平等にするなら男もナース服に統一しろ? 無茶すぎるだろ。天使と悪魔の隣りあう病院なんか俺は週二でお世話になりたくねえよ!!
学園都市内の人工的な天使化推進計画なんて言って、服を着せただけじゃただのままごとなのはわかってんだろ。アンタの理想はそんな安いもんだったのかよ!
本当に、看護婦さんの復権を心から望むなら……学園都市の看板みてえな能力者達にこんな格好をさせるんじゃなく、制服制度の見直しをちゃんと訴えるべきだったんだ!
あとな……一方通行ならメイクとディファイ◯でイケるかも知れないなんてそんなふざけた幻想は、この俺がブチ殺す!!」

???「止めるんだ! あれは僕の『最後の希望』なんだよ!
一見して男性に見える一方通行を見事な白衣の天使に仕立て上げることではじめて、この計画の正しさを主張することが出来るんだね?
タイツの色から全体のバランス、メーキャップまで僕らがどれだけ苦労したと思ってるんだ」

???「横で深く頷いてるイケメンが、既に失敗側の代表例になってるじゃねえか!
そんな格好して似合う男がいないのはアンタもわかってんだろ。そこまでしてナース服が大事な癖に……そいつを汚してることにまだ気付かねえのかよ!
可愛いは作れるとか……言ってんじゃねえ!!」

もしも学園都市総看護士さん化……男女平等の観点からナース服の全面廃止なーんてことが起きでもして、
あの学園都市生殺与奪(物理)最後の良心みたいな方が、まかり間違って「君も白衣の天使にしてやろうかな?」な怒れる絶対ナース着せるマンなラスボス化したらこうするしか無い。
麦野のナースはとてもみたいのですこしくらい暗黒面に堕ちてほしいかもしれない。
1はきょうもげんきですネタかくのはおいしーです……かく…うま
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/14(火) 21:55:30.15 ID:upYs4CLB0
冥土返しwww必死かw
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 10:16:09.71 ID:yAqcACqE0
最初の犠牲者はアレイスターだな!
ところでイケメルヘンはどうして手伝ってるんだwwww
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 16:31:55.55 ID:fmaQAgxO0
今更だけどH原+ティコとか七つの海不可避
あと彼女とか女扱いしててワロタ
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/30(木) 22:19:53.69 ID:UdgGgVgz0
垣根もマックでコラボバーガー売ってくれ
ハッピーセット毎食買う
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/01(金) 16:13:03.03 ID:st31tiOOo
マークダターならマックって略せたのにね
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/01(金) 17:20:25.25 ID:XRB9R7/K0
>>771
「飲食無料(マックタダー)」か……
確かに素晴らしい
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/02(土) 07:57:28.28 ID:+zk5I0keo
この世の経済は貨幣との引き換えで成り立ってる・・・だが、俺の飲食無料にその常識は通用しねえ
ただの食い逃げじゃないか!
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/04(月) 09:44:00.31 ID:vOiSIG7Fo
や っ と 追 い つ い た
1レス1レスがこんなに濃いのは久々

頑張れスクール頑張れ
775 : ◆q7l9AKAoH. [sage]:2016/07/07(木) 23:59:02.15 ID:H12u75eX0

>>767
マニアックな属性持ちで天職についたどこかの医者がなんですって?

>>768
☆が最初なのww黒幕っぽいけど最後じゃないのか。
普通に似合いそうだよねww男にも女にも見える美形だし。ちょっと天地入れ替わってるけど
いやー犯人が某カエル似の方だなんて言ってませんよ?
まさか冥土帰しがそんなことを?

???さんが、とりあえずシンボルであるレベル5にナース服を着せて…ってのが計画とやらのスタート地点なんで多分。
長引くと拘束時間が増えるから人質が速やかに解放される為には犯人に協力するのが一番ですよね(棒)

???「看護婦の居ない職場なんて、僕は仕事をする気が全くもって起きない」
1「……あのガキの管理が出来ンのはコイツくらいだ。どンなアホでもな」
2「面白いもんが拝めるっつうし」
3「そうなると大勢の妹が困るのよ」
4「メンテナンスがあるし」
5「こっちにも事情力があるのよねぇ」
7「よくわかんねーけどこう言う祭りか?仮装パーティーか?」

???「よーし軍覇、お前だけでも着替えて帰るか! な?」

>>769
ぐーぐ○先生に質問不可避だった。
流石ベテランは活動量が違う。
って!ティコってシャチの方かい!探したわ!
禁書は〜シャチより〜レトリバーが好き〜!

だってこれから常盤台の生徒になってもらうのに、こっちもそれなりの扱いをしないと失礼じゃないですかー。

>>770
も?誰かやったかな?缶コーヒーはずいぶん前に第一位がやったらしいね?
偶像さまかな?

>>771
なんて高度なアナグラムだww

>>772
マックタダーww
みんなでポテトとマスタードソース山ほど頼もうぜ!!
マックには無料になるゴールドカードがあるって都市伝説は本当かな。

>>773
なんて恐ろしい超能力だ。学園都市には利益よりも損失しかない。
スタイリッシュ食い逃げwwww

>>774
初めましての方は(r
某ラーメン並みにカサの多いマシマシSSだが、ほとんど『スクール』でできてるからそのぶん濃さには自信があるぜ。
お口に合えばドーゾよろしく。


七夕だったねー
そう言えば短冊あつめるイベントってやらないなー
短冊書くんなら>>1はそうさなあ…
垣根の出番が…増えてもプラスになるとは限らないから、元気でやってくれればいいかなあ

776 :偶像さまネタのやつが出てきたんで ◆q7l9AKAoH. [sage saga]:2016/07/08(金) 00:32:57.49 ID:6jQzAlhY0


心理定規「そういえば貴方の今度のステージの話は? 進んでるの?」

誉望「えーと……ハコは第二学区に特設ステージを設営中、チケットの売り上げにあわせた十分な人数を収容できる見込みだそうっス」カチャカチャ

弓箭「なんであんなところでやるんでしょう。確かに防音設備が充分ありますけど、他にどこかなかったんですかね」

心理定規「さあ? 第一五学区のテレビ局のホールって話もあったけど、少し狭かったし……ね?」

垣根「広さだけなら二三学区の開放された区画の一部を使うとかって手も……何だよ。俺を見るな」

誉望「動画配信サイトと提携して、ステージの模様の一部をリアルタイム公開することになってます。
サイトの有料会員とファンクラブ会員にはそれぞれ延長放送枠を設けて一般視聴者との差別化もはかるそうっス。
予約視聴も公式公開するんで、地球の裏側にいても見逃さずに済みますよ」カチャカチャ

弓箭「これが準備してるグッズの案ですか。ペンライトやタオルが多いんですね」

誉望「こっちのライブ限定グッズは全て事前予約対応可、チケットコードと紐つけして会場での引き換え以外のものと記念品は通販で発送する予定で、混雑の緩和が出来る筈っス。
飛び込み想定で一部会場販売の準備もしてます。いざって時には『スクール』下部組織フル稼動で開場までには誘導も間に合わせる手筈になってるっス」

弓箭「そんなことまでさせるおつもりで……なんだか誉望さんスケジュールに随分とお詳しいですね」

垣根「ずいぶん張り切ってんな」

心理定規「『スクール』にはそう言うの詳しい人があんまりいないから。企画アドバイザーとして参加者視点からも色々意見してもらったのよ。
プロデューサーからも『珍しく役に立った』って褒められてたわ」

誉望「欲しいとこには十分ものを回さねえとって供給側には大きく幅とって貰いました。メインステージと関係ないとこでファンの不満を爆発させたら、
垣根さんの顔に泥塗ることになるんで。裏方仕事は俺ら『スクール』の本業っスからね」

弓箭「そう言うことでしたら。ステージ上の警備ならお手伝いさせてください。わたくし達でさくっとお片付けしますわ」

心理定規「バックアップは十分かしら? あなたには当日のパフォーマンスに専念してもらえそうね。テロ対策まで想定するアイドルはなかなかいないと思うけど」

電話の男『現段階で観客の動員は見込みより二〇%増、それにあわせてグッズ販売サイトのサーバーの対策と発注数を更に増やす』

誉望「うわははは! 徹夜待機を駆逐しろ! 転売ヤーに死を!! 全ての信者に恵みと幸いあれ!」

弓箭「あれは……大丈夫ですか」

心理定規「いつもより……ちょっと強めにスイッチが入っちゃってるかな?」

垣根「何だか知らねえけど。弓箭に言われてるようじゃ駄目だろうな」

弓箭「ええっ?!」

心理定規「何だか釘をさす相手がいつもと逆になっちゃったわね」

777 : ◆q7l9AKAoH. [sage saga]:2016/07/08(金) 00:37:04.01 ID:6jQzAlhY0

誉望「レア感も欲しいってことで、受注生産グッズの案が幾つかあるんスけど」

心理定規「どんなの?」

誉望「ライブTは通常とプレミアム版に3Dプリントの翼付き、こっちがジャケットで……
あとサイリウムセットを買うと光る六翼の抽選券が貰えるってのが……完全に握手券商法なんですがどうしましょう」

垣根「そのふざけてんのは潰しとく。それより、ステージサプライズでこいつをやろうと思うんだが」

心理定規「なに? ファンを何人かステージにあげて肩ハグ?……大丈夫なの」

垣根「アイドルらしく握手会ってのがしてみたかったんだが……情報機密の関係で許可がまだ下りねえ。俺にはあんまり関係ねえんだがな。
まぁ、向こうに触られるよりはこっちから行く方が安全だろ」

誉望「垣根さんなら握手会に危ない奴やどっかのスパイが乱入しても大丈夫そうっスね」

弓箭「能力で身も守れますから、ライフルとかロケット砲も効きそうにありませんしね」フゥ

垣根「こいつで試すぞ。こう……どうだ」

誉望「ぐっ、肩になんかすげープレッシャーが」ガゴッ

心理定規「女の子にはもうちょっと、優しい感じにしてあげたら? 怖いお兄さんがお財布目当てに絡んでるみたいよ」

誉望「垣根さんが視界にいなくて、こんだけ近いといつ何があるかわからない恐怖しかありません」ブルブル

弓箭「垣根さんは猛獣じゃないんですから視線をそらしても平気ですよ」

心理定規「確かに。見ようによっては、人質に取られたみたいにも見えるかな」

誉望「そうっス。首元に見えない刃物を感じる程度の緊張感です」

垣根「まあ、それも出来るな。ナイフでいいのか?」ズズズ

誉望「ひぎゃああ! 『未元物質』が! 誰か交代!!」

心理定規「えー。客観的にアドバイス出来なくならない?」

弓箭「わたくし、殿方とそこまでお近付きになるのはちょっと」

垣根「まあそん時はそん時だ。実際やれるかはわからねえしな」ポイ

誉望「アイドルとゼロ距離とかやったら、ファン同士で血を見る騒動になりそうな気もするんスけど。ステージから飴投げるとか、規模のかわいいとこで済ませませんか」

778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/08(金) 12:50:53.54 ID:gbwgQJx/o
たしかにこのSSは濃厚な●ーメンだよな!
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/08(金) 20:59:27.68 ID:moWlavWe0
未元物質の羽の雨をふわふわ降らせてキャッチすると幸せになれるとかがいいと思う
780 : ◆q7l9AKAoH. [sage saga]:2016/07/17(日) 01:17:16.20 ID:kwiSJbng0

>>778
垣根にはジャンクな飯を食ってほしいね。
フルコースも似合うが庶民派もいける。
カップ麺だって無駄にかっこよく割り箸割ってほしいよな。
えーとそれでラーメンの話だったね? そうだね。もし愉快でもあんまりうれしくはないね?
このスレはスクールカキネトウカマチマチカイギョウオオメゴーグルツラメが基本仕様だから胃もたれ注意でたのむね?
読みづらさには定評があるしね、多いときはなるべく分けていきたいね?
済んだら丼は上げて、スレはsageてお願いします。

>>779
メルヘェェェェン!
なにそのメルヘン。ステージに天使が降臨する。
ジャ=ーズばりに客席上を飛ぶのか?
それメルヘン過ぎない?平気?ファン召されない?
会場をでるとゲットした羽は消えてなくなりそうだけどいいすか。

メルヘンって散々SSでもネタにしてるけど、映画の天使悪魔系のキャラってクッソカッコイーよね。
だから垣根本気モードも神々しすぎてやばいと思う。動画で見たい。
1もはよ帝国の民になりたい。
781 :そんなわけでいつもの小ネタですね ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/07/17(日) 01:23:54.79 ID:kwiSJbng0

誉望「垣根さん、あれってうまいんスか?」

垣根「は? 何がだよ」

誉望「今CMでやってる『レベル5バーガー』っスよ。絶対偶像進化計画の一環でアイドルたちをイメージしたコラボメニューが食えるやつっス。ちなみにハッピーセットは別のチェーンのコラボっス」

垣根「ああ。あれもうはじまってたのか」

心理定規「話が出たのは随分前だものね。ええっと、確かスポンサーが……『バーガー・エンペラー』ね」

誉望「バーエンっスかあ。で、どうなんスか? うまいんスか?」

垣根「いや。食ったことねえ」

弓箭「それは……あくまで垣根さんの名を謳った商品の実情をご存じないのは……いいえ、垣根さんほど自信と輝きに満ちた存在になると、些事には心を砕かないと、そう言うものですか」フフフ

垣根「何だよ。お前ら、そんなにハンバーガー食いてえのか」

心理定規「えっ」



バーガー・エンペラー店内



弓箭「はわー……結構混んでるんですね」

心理定規「今はキャンペーン中だから普段以上に人がいるのかな」

垣根「へえ。賑わってんじゃねえか」

誉望「垣根さん、帽子とサングラスでもそんなキョロキョロしてるとバレるっスよ」

垣根「どうせ飯食いに来てる奴らばっかだろうが」ソワ

心理定規「そうね」

誉望「だと良いんスけど。はいメニューっス。順番待ってる間に何食うか決めちゃいましょう」

弓箭「ええと、これですね。『レベル5バーガー』、第一位コラボ……『イカスミバンズに特製ビーフパティを挟んだ漆黒仕上げ』」

心理定規「第二位が『ホワイトチェダーとモッツァレラ二種のチーズがこだわりの白のバーガー』……うーん」

垣根「白黒ハンバーガーって、ハロウィンの頃にどっかで見たなそんなの」

弓箭「『ハニージンジャーチキン照り焼き風バーガー』なんて言うのも美味しそうですね」

誉望「それ第五位のコラボだろ」

心理定規「じゃあこっちの『サクサクチキンとフレッシュ野菜バーガー、ソースで更にビリビリ!』って書いてあるのが第三位かしら。ふーん」

782 :らっこさんがこのスレでみれるのは、偶像様パロだけ!  ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/07/17(日) 01:26:41.83 ID:kwiSJbng0

誉望「この、『レベル5コラボメニュー、学園都市産素材一〇〇パーセント使用』ってのはブラックジョークっスかね」

弓箭「お肉の処理は早い方が良いんでしょうけど……壁の中で過ごした生きものは最期にどんな音色で啼くんでしょうね」

誉望「何で飯の前にそんなこと言うんだこの女。お肉の気持ちなんか知りたくないだろ」

弓箭「産地のしっかりしたものは、よく給食でも出るんですが意識して食べ比べたことはあまり……そんなに違うものですか?」

心理定規「壁より外の物がいいなら第三学区のお店か、第六学区の専門店かな。あるにはあるけど、隠れた名店と一緒で探してまで食べるのは大変じゃない?」

垣根「ああ言うのは付加価値込みの味なんだろ。ビル産は外れもねえし一番間違いが無いよな」

誉望「じゃあそろそろっスから席行っててください。俺注文してきますね」

弓箭「誉望さん!」

誉望「あ?」

弓箭「わたくし、行ってまいります」ハイ

心理定規「どうしたの? 珍しくやる気になってるのね」

弓箭「実はわたくしファーストフードは初めてなんです。あのカウンターでお店の方に注文するんですよね?」

誉望「お嬢様のはじめてのおつかいかよ。別にいいけど間違うなよ?」

弓箭「心配ありませんわ。暗殺術を極めたわたくしは、どんな状況でも一般人に違和感無く溶け込むことができますから」フンス

誉望「いやーそう言うことじゃ……ねえ、垣根さん?」

垣根「腹減ったな」

心理定規「いってらっしゃーい」バイバイ
783 : ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/07/17(日) 01:31:48.61 ID:kwiSJbng0

弓箭「(大丈夫、大丈夫です。周りの方の動きを見ればどうしたらいいのか大体わかりますわ……いつかクラスメイトの方とご一緒に『学舎の園』の外に出た時用の完璧なエスコートもイメトレ済みですから。
きっとこういった珍しい所に入ってみたいと思いますもの。『弓箭さんたらこんなお店までご存知ですのね』、『流石ですわ!』なーんて、ふふふふ。
わたくしったら皆さんの羨望の的……べ、別に大したことではございませんけど……頼られるのも悪くありませんわね)」

店員A「いらっしゃいませ。店内でお召し上がりですか?」

弓箭「ははははははは、はい! ええと……コラボバーガー第二位セットを三つと、オニオンリング、ナゲットを一〇ピース……マスタードソースで。
後はライトミールセットのサラダとスープを一つお願いしますわ。ドリンクは、コーラとアイスティーを二つずつ」キリッ

店員A「かしこまりました。オーダー、垣根スリー、オニオン、ナゲットW、サラダS…………以上ですね。お会計は」

弓箭「ま、マネーカードで」

店員A「ありがとうございました。それでは、お品物はお席にお持ちします。番号札をどうぞ」

弓箭「(任務完了……やりましたわ)」グッ

垣根「あ?」ガタッ

誉望「(垣根さん抑えて下さい!!)」

心理定規「何のためにそんな格好して来たの。暴れたら台無しじゃない」

垣根「チッ。馴れ馴れしく呼んでんじゃねえ」

誉望「は、ハンバーガーのことっスから」

弓箭「ふふふ。ただいま戻りました。ちゃんとオーダー出来ましたわ!」

心理定規「おかえりなさい」

店員A「お待たせしました。コラボバーガーセットのお客さま?」

心理定規「私以外よ」ニッコリ

垣根「意外とちゃんとしてんな」

誉望「っスねー。ケチャップ誰か使います?」

弓箭「思っていたよりボリュームがあるんですね」

心理定規「でもおいしそうじゃない」チラ

弓箭「よろしかったら、一口味見なさいます?」

心理定規「えっ」

弓箭「ほら、チーズがたっぷりでおいしそうです」

心理定規「じゃ、じゃあ少し……」

垣根「これくらいいかねえと味はわからねえぞ」ザンッ

心理定規「ちょっと!」

弓箭「きれいに切れてますわ。はい。心理定規さん」

心理定規「ありがとう」ハァ

誉望「さすが『未元物質』……中身が完璧ずれてないっスよ」

垣根「こう言うのはな、コツがあるんだよ」ドヤァ

784 : ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/07/17(日) 01:34:00.33 ID:kwiSJbng0

誉望「うまいっスねえ」

垣根「悪くねえな」

弓箭「他の方々はどのメニューを召し上がるんでしょうね」

心理定規「カウンターが近いから見えるかもよ」

客A「メルヘンセット、オレンジジュース」

店員B「は〜い。メルヘンワン、オレンジ」

垣根「」ガタッ

誉望「すんませんすんません!」

心理定規「いくら何でもずいぶんな呼び方じゃない?」

弓箭「あれで通じるんですね」


弓箭「この袋はなんでしょうか」

誉望「セット一つに一枚アイドルのコースターがランダムで着くんスよ。あ……」

垣根「チッ。ムカつく顔面にコーラ置いてやる」ガッ

心理定規「そう言われるとあなたの上に飲み物は置きづらいわね。あら、こっちのは色違いみたい」

弓箭「何種類かあるんですかね。そして、別に使わなくてもいいんでしょうか。ほら、あちらの方……」

客B「やったあああああ! やっと美琴ちゃんがコンプ出来たぞぉおおおおお!!」ウォオオオオ

弓箭「ハンバーガーをあんなに頼んで、泣きながら写真撮ってますもの」

垣根「……うわ」

誉望「ドルオタちがうけどきもちよくわかる。ひきわるい、つらい。とても」ウンウン

垣根「…………うっわ。大変だなお前ら」ガコ

誉望「何で椅子を蹴るんですか痛え!」

心理定規「御坂美琴のファンなのね。へえ……ああやって何セットも買う人がいるんだ」

弓箭「あんなに召しあがれるんでしょうか」

垣根「あそこまで来るともう食うかどうかは関係ねえんだろ」
785 : ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/07/17(日) 01:39:27.33 ID:kwiSJbng0

誉望「……えーっと、あ。あと対象店舗のレシートのコードでファンクラブ限定ポイントを貯めると、
特設ページで垣根さんのガチャが引け……画像が受け取れるらしいっス。アカウント取って来たんで試しにやってみましょうか?」

心理定規「へえ。どれどれ?」

誉望「結構行ったな。こいつで七回は引ける筈…………ん?」

心理定規「ハイレアって珍しいの?」

弓箭「何だか普通の写真みたいですね」

誉望「多分レアはそこそこっスかね? なんだこれ」

垣根「この前の撮影で使わなかった写真か? ったくあの野郎こんなもんを使いまわしてやがったのか」

誉望「次は……ノーマルっスね」

心理定規「前のポスターの写真ね」

誉望「んで…………あれ」

心理定規「あら。スーパーレアは?」

垣根「…………」

誉望「えーと、ここのレアリティは……あー。ノーマル、レア、ハイ、スーパー、スペシャルシークレットの五段階みたいなんですが……垣根さんこれは」

垣根「これが上から二つ目か? まだこの上があるのかよ。これ、出所やページの大元は見れねえのか」

誉望「URL弄った位じゃダメですね。いやー垣根さんが知らされてないなら俺らはもっと無理っス。暗部の系列で管理してるらしいんで
セキュリティも相当堅いんじゃ……『スクール』の情報処理班で抜けるかどうか」

垣根「チッ。おい、コラボセットあと一〇追加しろ。正面から証拠押さえてあのクソに文句言ってやる。人の画像を勝手に流しやがって」

誉望「か、垣根さん。気持ちはわかるんスけど……十数回ぽっちじゃスペシャルシークレットは引けないと思います」

786 : ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/07/17(日) 01:41:38.85 ID:kwiSJbng0

垣根「じゃあ下部組織の奴らを他の店に並ばせろ最低ノルマは一人二セットな。持ち帰りでもいいんだろ?」

心理定規「そんなに焦って確認しようとしなくてもいいんじゃない? さすがに事務所の仕事で、問題になりそうなものは使わないでしょ。
これだって別に普通の写真じゃない?」

弓箭「垣根さんって写真の写りもいいんですね。でも、何でこんな風になってるんですか」

誉望「いやー、心理定規……よく見てくださいっス。これは」

垣根「俺はムカつく仕事の時は、邪魔にならねえようにしてるが普段は……こうなる」カシャ

弓箭「あら。こちらも画像に変な光が入ってますね」

垣根「空気中の埃やチリが反射して光の球が撮れるのと同じ仕組みだろうな。『未元物質』が写り込む訳だ」

心理定規「と、なると……関係者以外にはそれとわからないでしょうけどこれは、プライベートの隠し撮りね」

弓箭「ええええええ、まださっきの写真より珍しいのがあるんですよね?」

誉望「どんな写真が使われてるんだか……考えんの怖いっスね」

垣根「あの出歯亀クソプロデューサーいつか愉快な死体にしてやる」ミシバキバキ

誉望「あー! 俺のコーラが縦にグシャッと!!」

垣根「ばーか。ボケっと見てんなよ」サッ

弓箭「床が水浸しになってしまいますよ」サッ

心理定規「能力で押さえたらどうかな」スッ

誉望「ちょっ、避難早っ! んぐ……よっしゃあコーラサルベージ!」ジャバッ

弓箭「テーブルの端から空中に集まって……なんだかそのまま飲めそうですね」

心理定規「ふふふ。まるでそこだけ無重力みたいよ」

垣根「お前もうコップいらねえな」

誉望「落ちたの飲まないっつうの。はあ……こいつ片して新しいの買ってきます。コップも欲しいっス」プルプル

787 : ◆q7l9AKAoH. [saga]:2016/07/17(日) 01:44:19.81 ID:kwiSJbng0

誉望「もしもしかきねさ〜ん!! 引けましたよ!! SSR!!」

垣根『二時間か、意外とかかったな。で? 何だった』

誉望「人海戦術で並んで出るまで回したんで早い方っス。いえ、それが……」

垣根『早く言えよ』

誉望「発表をまだ伏せてる……垣根さんの新曲の、ノンクレジットPVの視聴コードでした。こいつをフルで見るにはこれしか手段は無いって奴です」

垣根『……そうか』

誉望「俺……ちょっとPの仕事に感動してます。これは、確かにスペシャルシークレットですよ……ええ、失礼しますっス」ピッ

下っ端A「いやーみんなで山ほどバーガー買った甲斐があったっすねー」

誉望「だよなー……あ、垣根さんがみんなに今度はもっといいもん食わせてやるって言ってたぞ。組織の金で」

下っ端A「マジすか。残り持って帰って冷凍するんで、もうしばらく飯はいいっすよw」

誉望「値段一緒だし他のも頼んでみたけどうまかったな」

下っ端A「本当に、みさきちのグッズは俺が貰っちゃっていいんすか」

誉望「うん。確かCチームに第三位のファンもいたからトレードすんなら…いや、あそこは第五位のもいたかな?」

下っ端A「ちょっとSNSチェックしてきます!!」

下っ端B「誉望さん!」

誉望「どしたー?」

下っ端B「Fチームのガチャで……べ、別のが出たそうです!!」

誉望「え」
788 : ◆q7l9AKAoH. [saga sage]:2016/07/17(日) 01:53:05.79 ID:kwiSJbng0

偶像様で第一位様がやったそうですね。
マグロナルドの一日店長かー。マグロはどこのマックのもじりだっけ。
ところで麦野はまーだ偶像様にでてないんですかねえ。
表の顔はアイドル、裏の顔は闇の狩人wwwなのを期待してるんですがねえ。
似合わねえフリフリを着せられるむぎのんとかみたいだろうが!こんにゃろ!
芸能界の荒波と事務所の販売戦略に翻弄される能力者アイドルのことを思うと>>1は今日も筆がノリます。
らっこさんだってみんなと楽しくしてていいよね?っていつものやつでした。
次は小ネタより本編でお会いしたい。
またドーモ。
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/17(日) 07:29:39.60 ID:DQUW6rZ/0

ラッコちゃんを虐めまくって泣かせるべきだと最近気づいた
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/17(日) 08:05:15.47 ID:3hGoRdj0o
そう言えばこれって番外小ネタだったっけ。
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/17(日) 13:23:21.58 ID:KLQZYDPKO
プロデューサーGJ
ファンの射幸心とアイドルのイライラを全力で煽ってくるw
垣根のガチャ回したい
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/17(日) 19:52:48.89 ID:EsydBfgr0
小ネタでもいい
おもしろくてスレ落ちなければ
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/17(日) 20:15:59.23 ID:6zbv4gfDO
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/18(月) 02:36:40.58 ID:MBLJPlc70
別のSSRには何が写ってるんですかね(ゲス顔)
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/21(木) 15:40:04.88 ID:aKm1P6R2O
垣根スリーとメルヘンワンがめっちゃツボ
というかこうして書くと、なんかロボットとかの名称にも聞こえるな
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/21(木) 20:07:22.29 ID:nryLlfzS0
>>795
なら1が空中と地上戦用で2が地上と地中戦用で3が海中と地上戦用だな
もちろん武装は1がビームとトマホークで2がドリルで3がミサイルだな
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/21(木) 21:06:06.54 ID:5UTmJurro
>>796
※全ての兵器に翼がついています
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/04(木) 17:25:17.44 ID:eq+vG2Hp0
超電磁砲の新刊はよ
799 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「一日目」 ◆q7l9AKAoH. [saga ]:2016/08/10(水) 23:06:57.36 ID:TrKCylLS0

早朝の常盤台中学にやってきた垣根は耳に手をやった。
服装はまだ、あの屈辱的なものではない。
耳におさまったワイヤレスのイヤーピースは髪に隠れてしまえば見えないくらい小さいが、感触には慣れていなかった。
前日までの装備と同じように常盤台の連中に用意されたと言う無線。
それを繋いだ先で応答したのはゴーグルの少年だった。
第一声で、
「ああ〜聞きましたよ。垣根さんボイスの設定変えちゃったんスよね? 折角いい感じだったのに」と言ってきたあたり。
こいつはどんな状況でも、しようのないオタクだった。
失敗については既に反省させて一度蹴りをつけたと言っても、仮にも任務の最中なのだから遊ばずにきちんとして欲しいところだ。
そこは上の人間として垣根も釘を刺しておいたのだが。
本人は、
「俺は耳もとで美少女ボイスは慣れてるんでどんなのが来ても平気っスけどね! いやー、それが好みの子だと集中力はあがるしやる気は出るし、
聞いたセリフは忘れにくいし怒られてもご褒美なんでいいこと尽くめなんですが!!」
などと、意味の分からない供述をしており。
オタクの尖った特性に引いているリーダーの心証はおかまいなしだった。

これから、校内での活動の前に常盤台側の協力者との打ち合わせをしなくてはならない。
仕事用の端末に送られてきた添付ファイルの地図データを確認しながら足を進めていく。
呼び出された場所まで向かう間、垣根はなんてことのない会話を続ける。
この任務の間、常盤台に潜入する垣根の後方支援として組織の人間との通話回線は確保されていた。
校外からの協力が実際に必要かどうかは別としても、話し相手がいるのは暇つぶしくらいにはなる。

[別に俺は、初期設定ボイスの垣根さんにあのアニメのエンディングまで歌って貰おうとかそんなおっかないことは考えてませんよ? 本当っスよ]

「?……ちょっと今それ歌ってみろ」

[えっ何でですか]

「何がおっかねえんだよ。歌ってみろ」

[あっ…………いやいいですって。自慢じゃないんですが、俺すげー音痴なんスよ]

垣根がひっかかった部分を確認すると、ゴーグルは慌てた声をあげる。
うっかりしてしまった失言をごまかそうとしているのがバレバレだが、垣根がそんなことでやり込められるはずもない。
わかっていても馬鹿な真似をするのは、本人の馬鹿さ加減と言うか。うかつさが招く習性に近いのだ、とは心理定規のコメントだ。
同情してやりそうになるくらいは残念さ極まりないが、見逃してやるほど垣根も甘い男ではない。

「いいかどうかお前が決めることじゃねえだろ」

[じゃ、じゃあ怒らないで聞いてもらえますか]

「さっさとしろよ。何度も言わせるな」

[……『わ、た、し、翼があーるーのー♪]

「……いい度胸だなゴーグルテメェ」

ガッ、キーン! と垣根は外した小型マイクを近くのものにぶつけて、ふざけた頭の少年に大音量のノイズをお見舞いしてやった。
耳もとでバタバタした雑音と、すんませんすんませんと謝罪の言葉が繰り返される。
どうやら少年は「電話先の相手に頭を下げる」を土下座で実践しているらしい。
800 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「一日目」 ◆q7l9AKAoH. [saga ]:2016/08/10(水) 23:08:22.53 ID:TrKCylLS0

「仕置きが足りてなかったらしいな。ったく、次はもっと重くしてやる」

[そんなぁ俺本当に潰れちゃうっスよ。わあお花咲いたきれいとかそんなじゃないっスよ]

「けど能力使ってりゃまだ耐えられるだろ」

『未元物質』の攻撃手段の一つ、重圧をかけて対象を押しつぶす。
その威力を身をもって思い知らされているゴーグルの少年は、垣根の次回の制裁宣言に情けなく返事をしていたが。
続いた一言に一瞬言葉をなくしていた。

[え?]

「あ? 何、お前真面目かよ」

[え。あの、垣根さんどう言うことっスか?]

考えたらしいのだがまだ理解できていないらしい。
やっぱりこいつ馬鹿だった、と。垣根の肩の力と一緒にゴーグルの評価が落ちていく。

「お前の能力で抵抗させればあのくらいしのげるだろ。今まで馬鹿正直に我慢してたのかお前。はー、馬鹿だな」

[あの俺が言うのもなんなんスけど、ペナルティの意味あるんスかそれ?!]

「頭使えよ。ああ、馬鹿な上にドMだったのか?」

[馬鹿はともかくそっちは違います。ええー……そんな……]

別に、垣根だって憂さ晴らしに人間せんべいやパンケーキを作るようなお料理趣味はない。
向こうの能力の耐久性、と言うか限度も大体分かっている。
どこまで負荷をかけたら事故にならないか、その加減もしているし最初からそこまで悲惨な目に合わせる気がないのはゴーグルだって分かっているだろう。
体罰とリンチは違うのだ。
多分。

わかりやすい……例えばどこかの組織にブチ殺されたとかそんな理由ならまだしも。
こちらの不注意で人員を駄目にしました補充して下さい、なんて話がすんなり通らないことは垣根もわかっていた。
おまけにこの馬鹿は正規構成員なのだ。馬鹿だけど。
それなりの水準で使える人間を暗部に徴収するのだって手間がかかるだろう。
だから垣根が、わざわざつまらない理由でブチっとしたりもしないことくらいわかりそうなものだ。

それでも。
頑張ったつもりで無駄だった結果を知ってしまったゴーグルの少年は、突然のネタバレに納得も出来ないようだった。
そんな下らないやりとりをしているうちに垣根は目的地に着いた。
常盤台中学敷地内の、応接室だろうか。
生徒の集まる校舎から少し離れた、指定された場所についたことを確認すると垣根は扉を叩く。
801 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「一日目」 ◆q7l9AKAoH. [saga ]:2016/08/10(水) 23:10:25.98 ID:TrKCylLS0

「どうぞぉ」

入ってみると、部屋の中には豪奢な調度品が並んでいた。
中東の産油国の金持ちには、別宅として来賓を歓待するためだけの屋敷がある、と言う話を思い起こさせる様子だった。
その中心……大きなテーブルの前に座る少女は笑顔で、入り口に立つ垣根をうかがっている。
相手の目星は垣根にも付いていた。
この敷地の中で彼と意見を交わせるような立場の人間がそもそも少ないのだから、そこから更に学生を絞り込むのは簡単だ。

「学校側の協力者ってことはテメェが第五位、食蜂操祈か?」

「アナタが第二位の垣根帝督さんかしらぁ? そんなところに依頼力を発揮するなんて、常盤台も面白いパイプを持ってたみたいねぇ」

今朝までの話は聞いてるわぁ、と言うと食蜂は店先に並んだバッグに向けるような目で垣根を眺めた。
この手のことは、自分がするのは何とも思わないが他人にされるのは気分がよくない。
垣根は舌打ちを我慢して渋い顔でうなずく。
相手は仮にも協力者だ。ファーストコンタクトで即、心証を悪くしても仕方ない。

「挨拶が済んだところでさっさと話を進めたいもんだが……その前に、少し失礼させてもらう」

「あらぁ。そうねぇ、アナタにもセキュリティチェックに散々協力してもらってる訳だし、私は構わないわよぉ?」

ポケットから取り出したスマートフォンを振ってみせると。
女生徒は余裕の態度で、話し合い前のちょっとした確認作業に同意した。
椅子を引くと垣根は声を落としもせず連絡した。
取り出したスマホは通話には使わず、画面を操作する。

「おい。ゴーグルは置いてるな。今から言うチャンネルと映像を繋げ」

少年はそのチャンネルはブランクのはずだ、とか何とか言っていたが、垣根の舌打ちひとつですぐに言われたとおりにした。

[えっ……なんスかこれ]

「何がみえる」

[派手な部屋と女の子っス。金髪ロングでスタイル反則っぽい……垣根さん、いつの間にゴーグルに何か繋いだんスか?]

予想とぶれの少ない返答だったが、垣根は更に注文をくわえる。

「よし。前に拾った画像データがあるだろ。第五位の顔写真、それと照合しろ」


垣根はここに来る前に持ち主に黙ってゴーグルの設定を変更していた。
奴の使う機材はケーブルで直接接続するものもあれば、ワイヤレスネットワークで切り替えているものもある。
土星の輪より下部分、ケーブルで繋がれた機械はチューナーの役割もしているらしい。
そうやって登録された電子機器の中に垣根の携帯電話のカメラ機能を追加させたのだ。
クラウドはもちろん携帯端末のペアリングなど、データを共有する仕組みは幾らでもあるので簡単に同期出来た。

散々、情報漏えいがどうのと『スクール』の人間に注文を付けていた癖に。
個人の携帯端末程度なら部外者が校外から持ち込んだところで問題なかったのは、常盤台側の甘さを笑ってやるべきだったのか。
まあ個人の尊重すべきプライベートが遵守されていると思えば、そう馬鹿にすべきでもないのかもしれない。
一時代前の諜報員が聞けば歯をむいて悔しがるくらい、今やこの一台で何でも出来てしまうのは能力者だってありがたい機能だ。

ネットワーク経由で少年の目の一つになったカメラのレンズを、垣根は室内の女生徒に向ける。
『心理掌握』は対象である人間を操る能力のはずだ。
仮に垣根の見ているものが操作されていても、手元の機械の映像は誤魔化しようがないだろう。
それをそのまま、限りなく正確に確認できる手段が垣根にはひとつある。
確認させる、と言う方が言葉としてはきっと正しい。
だが。

垣根帝督の扱える選択肢の中には、手札の役割もきちんと数え上げられている。
もちろん、任務の中で虚偽の報告や手抜かりを許すほど甘い人間でもないが。
それ以上に彼に逆らううまみがないことを組織の人間はよく理解している筈だ。
そしてそんな重責は知らないだろう、通信先の少年は少し黙った後返事をした。


802 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「一日目」 ◆q7l9AKAoH. [saga ]:2016/08/10(水) 23:12:58.78 ID:TrKCylLS0

[あー、食蜂操祈ですね]

「お前には写真に写った食蜂に視えてるんだな? 確かか」

[ものすごい特殊メイク技術か、実は双子……と見せかけて食蜂操祈が最初から暗示に掛けられた替え玉だったんだよ! ってオチがなければですけど。
おっと、顔認証システムにもかけてみましたけど適合しました。そこにいるのは本人で決まりっスね]

これでいいですか、と尋ねられて垣根は一旦通話を切った。
上着のボタンを外し椅子に深く掛けると相手に向きなおる。

「こっちもビジネスだ。依頼元の不利益になる真似は極力しねえ。どうせ記録媒体も、こっちの記憶も洗う準備はあるんだろうが……必要なら今の身の回りも確認しておくか?」

「そちらの話は通ってるから、そこまでのアピール力はなくてもいいんだけどぉ。それで、アナタは満足出来たのかしらぁ」

「まあな。ちょっとした首検分だ」

垣根は大げさに肩をすくめてみせる。
向こうの用事でこうして第二位が出向いているのだ。
多少の失態があったと言ってもそれなりの対応をして欲しいところだ。
垣根帝督と言う人間を招いておいて、もし替え玉でも立てられていたらムカつく。

「いやねぇ。そんなに警戒力を発揮しないわよぉ。いくらアナタにちょーっとみんなには言えないことをしてもらおうと思ってるからって……あ、見せられないの間違いだったかしらぁ?」

「何しろそっちは常盤台の女王様だろ? 噂は聞いてるからな。こっちも気分の問題だ。
いや、仕事の前に軽く運動が必要なら付きあってもいいんだぜ。ダーツでもしてみるか? いい具合に的は目の前にあるしな」

「冗談でそんなに熱くなられても困るわぁ。野蛮力の高い人の相手はし飽きてるし、スマートな会話力を期待させてもらうんだゾ☆」

「煽ってテメェのペースに持ち込もうってパワープレイなら相手を見てやるんだな。こっちの人間でももう少しうまくやるぞ。逆効果で馬鹿見るなんざ、超能力者がしてくれるなよ」

「だからこそよぉ。アナタくらい器の広い人でないとぉ、あんな話も受けてもらえないもの。私の予想力以上に素敵な人で良かったって安心してるわぁ」

「あからさまにいきなり繕われると白々しさに拍車がかかって悲しくなってくるんだが、これ以上俺の期待を裏切るような小せえことはしねえよな?」

「もぉ、こっちが頭を下げるつもりなのに、後ろから撃ったりいきなり洗脳なんて失礼なことしないわよぉ?」

「ははは。不意打ちでテメェの好きにさせるかどうかってのまで今確かめたいのか? そうがっつくんじゃねえ」

緊張感、空気、ブチ壊し。
両者、にこやかな笑顔のまま数発の応酬。
常盤台の今後を左右しかねない力をもった、超能力者二名の会談がはじまった。


803 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「一日目」 ◆q7l9AKAoH. [saga ]:2016/08/10(水) 23:15:42.55 ID:TrKCylLS0

とりあえず本人らしいことが判明した食蜂操祈は足を組んで椅子に座っている。
制服を着ていても中学生なのか疑いたくなるプロポーションは、はたしてどんな裏技をつかうとゲットできるのか。
そんな。
能力以外もチートな中学生は話しはじめてすぐに、わかりやすくぶーたれていた。
垣根のせいでこの後、急きょ適当な理由で集会を開いて学校関係者全員の頭に細工をしなくてはいけないのがお気に召さないらしい。
おまけに早起きまでさせられたと不満そうだ。

始業時間までに簡単な説明だけしておく、と前置きして食蜂は話しだした。
今回の任務の内容はと言うと。
垣根に常盤台の生徒のふりをさせ、怪しい人物を洗い出すのが目的らしい。
対・人間関係のスキルやただの嘘つき探しなら、垣根より余程心理定規が長けていることは依頼元にも伝わっているだろうが。

あえて、何故垣根がそんな真似を、と本人が思ってしまうのはやっぱり避けられなかった。
たとえ超のつきそうな極秘任務で、限られた人間にしかこなせない仕事だと言われてもやはり不満はある。
主に扱いと服装に。

「表面力ではこの件の捜査はもうほとんどされていないわぁ。でも犯人さんは、そうじゃないことがわかってるはずよねぇ」

彼女の言う通りどこかの大馬鹿のミスで、自分を狙う動きがあることは犯人側にバレてしまっているだろう。
向こうにも警戒され、調べると言ってもやりにくくなるはずだ。

「昨日の今日っつっても数時間前だが、この先もう騒ぎが起きないって可能性はないのか。わざわざ捕まりに来るほど馬鹿でもねえんだろうが」

「この五日で、分かっているのが一〇人……恐らく、犯行に利用されていた人数よぉ」

食蜂はそう言って書類を一束テーブルに乗せる。
風紀委員の報告書か、形式ばった文章が並んでいるが。
垣根が目を通した限り、中身は昨夜までの任務の際にも伝えられていたことと変わらないようだ。


「同じ日に二人以上が確保されていることもあるわ。何度も挑戦力を示すほど、大事なことがあるみたいねぇ。
でも。この先はもう、夜間の犯行だけにこだわってもいられないと思わなぁい? 大人しく探し物だけしているなんて保証力もない訳だし」

やっと、求める情報に触れはじめた手ごたえに垣根は鼻をフンと鳴らした。
そんな垣根の視線に食蜂も、察しが早いと助かるとでも言いたげに目を細める。

組めば、強固な警備を誇るホワイトハウスさえ落としかねないと噂される常盤台の能力者たち。
そのうち数人とは言え、操られて利用されている実情を踏まえると……最悪、それらを敵に回しても制圧出来るだけの人材。
『学舎の園』の機密性を保つため人員はごく少数、出来れば単身で諜報員と警察組織両方の真似事がこなせないといけない。
だからこそ。
第二位の超能力者。垣根帝督にぜひ頼みたい、と食蜂は、ここではじめてはっきりと口にした。

「大役を任せるだけの人員力に乏しいのよぉ。それも常盤台になるべく関わりのない人がよかったから……
まさか、お願いをきいてくれそうな所にアナタがいるなんて、常盤台も幸運力だったわよねぇ」

一瞬、当たり前の賞賛に垣根も不敵に笑い返したが。
垣根にとっては迷惑な話だ。
垣根個人に対する話なら、ふざけんなとバッサリ断ってしまえたのに。
仕事を受けるのは組織の上の人間だから、暗部組織が噛んでくると垣根も反対しようにも文句を言うくらいしか出来なくなる。
804 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「一日目」 ◆q7l9AKAoH. [saga ]:2016/08/10(水) 23:21:26.54 ID:TrKCylLS0

「アナタは普通の生徒と同じように生活してもらえばいいわぁ。この時期にやってくる転入生なんて、犯人さんから見たら不審力爆発だと思うけど」

「そいつの目的が何か、当たりはついてんのか。判断材料無しでおかしなヤツを挙げていったら生徒の中でまともな人間はほとんどいなくなるんじゃねえの」

「目的力は常盤台の内部情報の持ち出しかしらぁ。純粋な産業スパイなのか他に何か、なんてところまではわからないけど今まで見つかった人たちがしていた

……させられていた内容からしてほぼ間違いないわぁ。ただ、主犯格が生徒なのか関係者なのかの判断力もつきかねてるのよねぇ」

恐らく、洗脳能力か、それに類似した技術を使っているのは間違いないだろう。
それが常盤台が導き出したこの事件の重要な手がかりだと言う。
何しろその道のプロが手を焼くほどだ。

「既に確保した中に共犯者がいる可能性は。洗脳されたふりをしたか、そう動く様に無意識に誘導させられている線は当たってんのかよ」

垣根は足を組み、質問を重ねる。
人間を操るのに何も直接頭を操作する必要はない。
感情や印象をヒントに相手の判断を、行動をそう仕向ける。
そうするのが素晴らしい、自らの選択だと思わせてこちらの狙ったカードを相手に引かせる手段があるのは、彼もよく知っている。

「そっちもねぇ……期待力は薄いわ。もしアナタなら、手駒に正直に情報力を渡すかしらぁ? 嘘を吐いている自覚のない人間ほど洗いづらくて困るからまだはっきりとは。
それに……知っている情報は幾らでも引き出せても、本人が知らないことには手が出せないでしょ?」

やれやれと食蜂が肩をすくめる。
手袋に覆われた手が上を向いた。

「ほとんど手がかりはねえってことじゃねえの。それ」

今まで一体、この女を含め常盤台の連中がなにをしていたのかと垣根は呆れそうになる。
だが彼女の『心理掌握』で被害にあった者や捜査にあたった人間への対処は既にしてあるらしい。
ただし、どこにヒントがあるかはわからないので、記憶そのものは消去していないそうだ。
その代わり。
特別なきっかけでもない限り本人の興味が事件に関する情報に向かない様に細工されていて。
彼女らの中ではそれは優先度の低い「既にどうでもいいこと」に仕立ててあると。

注目の目をそらす為にわざと多くの情報をばらまく様に。
派手な話題の裏で、起きている他の事柄を悟らせまいとする様に。
秒単位で更新されるタイムラインの流れのように、日々目につく多くのものの中に意図せず埋もれてしまっているのだ。
だから、校内でこの件に関する余計な不安や噂が広がったり騒ぎが起きることはまず心配しなくていいらしい。
風紀委員のような正規の捜査員とかちあって面倒なことになるリスクもそのおかげでないそうだが。

洗脳を施した中に真犯人がまぎれていても自分の目的を忘れたり、騒動を起こす気を無くして自然消滅していたり……なんて都合のいい話も、同じく期待できないと言う。
犯人の頭の中で特別なカテゴリに分けられているだろう事件に関する情報、記憶、感情。
そのどれもが「どうでもいい」印象のままいつまでも放っておかれるはずがないからだ。

「もしも、人間の行動をコントロールする装置なんて不快力の高い物が存在したら、私じゃ対抗出来ないでしょうし。
同系統の能力者が私の突破力の裏をかいている、って言うのが一番信ぴょう性のある仮説なんだけど」

「あ? けど何だよ。能力じゃねえなら魔法や宇宙人の仕業だなんてふざけたこと言うなよ。古臭いSF小説じゃねえんだ」

「そうなるとさしづめ……ねらわれた常盤台、かしらぁ?」

805 :>>222暗部の仕事で常盤台に潜入する垣根「一日目」 ◆q7l9AKAoH. [saga ]:2016/08/10(水) 23:22:18.95 ID:TrKCylLS0

その後食蜂は、自分の頭にテレビのリモコンを向けるとボタンを押して垣根を見ては首を傾げ……またボタンを押すと言う謎の作業を何度か繰り返していた。

「うん。これにしましょうかぁ。ちょっと目を閉じてもらえるかしらぁ」

「嫌だ」

組んだ腕を指で叩くと垣根は即座に断じていた。
特別意味も理由もない行動だが、残念ながら彼はいい返事を素直にしてやるタイプの人間ではない。

「なんでよぉ。一瞬でいいのよぉ?」

「俺が目を離した隙におかしな真似するんじゃねえだろうな」

「嫌ねぇ。上位の超能力者の癖に格下に警戒力を発揮するのぉ?」

のんびり遊んでる余裕力は無いんだゾ? と食蜂は壁に掛かった巨大な時計を指した。
垣根もこの席を引き延ばすのが目的ではない。
相手のやり方に従っている空気が嫌なだけで、一言文句をつけた時点で気は済んでいる。

「で? 何する気なんだよ」

「私の改竄力でこれから他の生徒達に何をするのか、きちんと試して貰おうと思って。アナタが協力するのに安心力は必要でしょぉ? 
それに、ここにいる以上、それらしく振舞ってもらうには他人にどう見えるのか自覚力を持ってもらわないとねぇ」

食蜂は話しながら、バッグからさまざまなリモコンを取り出して磨き上げられたテーブルの上に並べていった。
能力の使用に必要なのだろうが、他人からみると意味の分からないものだ。
テレビ、エアコン、録画用レコーダー、オーディオ……恐らくは、「十得ナイフ」の様に多様な能力を切り替えるスイッチのようなもの。
その用途の予想がなんとなくつきそうで、はっきりとはしない。
垣根はそれをながめてからうなずき返した。

「不愉快さは少しくらい減るかもな」

「でも、そうねぇ……アナタみたいな能力者に、どこまで通じるか不確定力だからぁ。やっぱり直接頭を弄らせてもらうわねぇ」

そう断ると。
食蜂はわざわざ並べたリモコンの群れをカバンに戻していった。
今から垣根に対して能力を使う、それまでは手出ししていないとアピールしたいだけの儀式めいたパフォーマンスだったのかもしれない。

食蜂の指示を聞いて。
垣根が黙って目を閉じてしばらく待っていると、何度か頭を触られた。
蜂蜜のような甘いにおいが鼻をくすぐる。
食蜂のつかっているシャンプーか何かだろうか。
じっとしていると時間は長く感じるものだが。済んだ、終わったと声がなかなか掛からない。

「まだか」

「ちょっとぉ、いきなりこっち見ないでよぉ!」

垣根が焦れて目を開けると、思っていた以上に近かった。
鼻先が触れ合うような距離にいた少女は驚いたのか目を丸くして叫ぶ。

「痛ぇ?!」

これは。
流石に予想外だった。
ごづん、と。
照れ隠しにしても可愛らしくない鈍い音が垣根の頭蓋に響いた。
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