【安価とコンマで】艦これ100レス劇場【艦これ劇場】

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44 :【13/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/07/29(火) 20:53:26.85 ID:teLAOzCc0
提督「いやー、最近執務室に籠もりっきりで健全とは言い難い生活をしてるなー」

提督「カップ麺もいい加減飽きたし、たまには食堂でも行くか」


・・・・


提督「それにしても、ガランとしてるなぁ。僕を含めても7人しか利用者が居ないんじゃそりゃそうか……」

間宮「あら提督、お疲れ様です。提督がここに来るのは珍しいですね」

提督「さすがに毎日カップ麺ばかり食べてると手料理が恋しくなってね」

間宮「そんな食生活じゃ体調崩しちゃいますよ! 今提督のために腕によりをかけて作りますから、待っていてくださいね」


磯波「お疲れ様です、司令官」

提督「おお、磯波か。今日もご苦労様」

提督「磯波もこれからご飯?」

磯波「はい。ふふっ」

磯波「あっいえ、すみません。さっきの司令官のやり取りが面白かったもので……」

提督「へ? どこが」

磯波「母親に世話を焼かれる子供みたいでした」

提督「改善しなければならないとは思っているんだが、任務をこなしたり指示を出したり勉強したりしていると、寝食にあてる時間が減ってしまうんでね」

提督(うーん、みんな僕を司令官と思ってないような気がするんだよな。なんか、こう、生暖かい目で見守られてる感が……)

磯波「さっきの間宮さんも言ってましたけど、カップ麺ばかりじゃダメですよ」

磯波「間宮さんほど手の凝ったものは作れませんが、朝ごはんぐらいなら作ってあげますよ。司令官、いつも朝ごはん食べてませんよね?」

提督「いや、もともと遅起きだから昼食で朝の分と昼の分をいっぺんに摂ってたんだよ。最近は朝早く起きるようになったから、ちょっとお腹が空くけどね」

磯波「倒れられても困りますから、忙しくない時は私が毎朝ご飯を作ってあげますよ」

提督「えっ!? 良いの?」

磯波「ええ、出撃のない日の私たちは結構暇なんですよ。この鎮守府だと人数の関係で遠征にも行けませんし……」

磯波「それに、めげずに頑張っている司令官の力になりたいんです」

提督「そ、そうか……ありがとう。すまないね」

磯波「〜♪」

提督「なんで機嫌良さそうなの?」

磯波「いえ、自分に弟が出来たみたいで……」

提督「は、はぁ」

提督(相変わらず遠慮がちな性格は変わっていないけど、僕の前だとわりと打ち解けた態度を取るようになってきたな)

提督(それにしても、弟かぁ……部下に弟として接される上司ってどうなんだそれ)

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磯波の好感度+1(現在値2)
前2レスの二人の好感度を書き忘れたので併記
電の好感度+2(現在値5)
朝潮の好感度+1(現在値2)

ここで突然のコンマイベント
>>+1のコンマが40〜99だった場合追加イベント発生
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 20:54:33.56 ID:MLj6bweAo
せいや
46 :【13Ex/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/07/29(火) 21:17:29.82 ID:teLAOzCc0
/* エクストライベントについて */
>>1の気まぐれでたまに起こす突発イベントをエクストライベントと勝手に命名しました。
発生条件は毎回指定しますが、コンマによって決定されます。
提督のステータスが高いと発生可能性が若干アップするようです。
(ちなみに今回の場合運が高かったため少し発生範囲が広まったっぽい)

エクストライベントはレス数にカウントされない扱いですが、好感度は変動します。



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磯波「おはようございます」

提督「おはよう……本当に朝ごはん作ってきたんだな……(まだ電も起きていない時間なのに、早起きだな)」

提督「なんていうか、その、すまんね」

磯波「良いんですよ。提督は頑張っていますから」

磯波「さ、召し上がれ」コト

つ 鯵の塩焼き/ご飯/豆腐とわかめの味噌汁/小松菜のおひたし

提督「いただきます」

提督「ううっ……ありがたい……」モグモグ

提督「正直感動してる、本当に嬉しい」パクパク

提督「作るの大変じゃなかった?」

磯波「いえ、いつも作ってるので、平気です」

磯波(ほんとはちょっぴりいつもより頑張りました……)

提督「すごく美味しいよ。インスタント食品とは比べ物にならないね」

磯波「お口に合ったみたいで嬉しいです」


・・・・


提督「ごちそうさま。いやホント磯波は素晴らしいね!」←感極まりすぎて若干テンションがおかしくなってる

磯波「〜♪」

磯波「ふふっ、明日も作ってあげますね」

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磯波の好感度+1(現在値3)
47 :【14/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/07/29(火) 21:29:54.29 ID:teLAOzCc0
ザザーン ザザーン

提督「どうした?」

如月「いえ、別に。ただ、海を眺めているだけよ」

提督「こうして夕焼けの海を眺めているなんて、何か悩みごとでもあるんじゃないかと思ってね」

如月「悩みなんてないわ。日課よ」

如月「日の沈んでいく海を眺めるのが好きなの。空も海も地平も、オレンジ色の景色に染まっていくのが、どこか心を惹かれるのよね」

提督「詩的だね。気持ちは分かるけど。風流でいいじゃないか」

如月「夕方まで寝癖の跳ねてる人に風流を語られるとは思わなかったわ」

提督「えっ、嘘!? おかしいな〜、電に梳かしてもらったはずなんだけど」

如月「それくらい自分でやりなさいよ……」

如月「ほら、ちょうど櫛持ってるから、梳いてあげるわよ」


・・・・


ザァァァ

提督「……」

如月「……」

如月「司令官は私たちのことをどう思っているの?」

提督「どうって……まだ、分からないや」

提督「ここに来て日も浅いのもあるけど、それだけじゃない」

提督「僕とほとんど歳が変わらない君たちが、命懸けで国を護っていることということに対して、頭では理解しているんだけど……正直言って、まだそのことを実感出来ていない。僕には君たちのことが兵器には見えないよ」

如月「そう……例の、朝潮の大佐さんの役に立つために司令官になったと言っていたけれど」

如月「後悔してない?」

提督「後悔はしていない。僕はあの人に恩があるから。それに、大佐さんだって最初は冗談で言ってたんだ」

提督「ただ、僕はあの人が何か深刻な悩みを抱えているように見えたし、力になりたかったんだ」

提督「とはいえ、あの人が本気でこうして手配してくるとは思わなかったし、それで何の説明もしてこなかったことに対しても変だなぁと思う」

サァァァ

如月「……」

提督「……」

如月「……これからあなたはどうするの? どうしたいの?」

提督「僕は……どうするんだろう。自分でも分からないや」

提督「大佐さんと会えるのもまだ先みたいだし。何も無ければこのまま君たちの司令官としてやっていくんだろうな」

如月「自分のことなのに随分客観的な言い回しをするのね」

提督「自分がこれからどうするかも、この先どうしたいかも分からないんだ」

提督「ただなんとなく、その場の感情で流されて生きているだけなのかもな……」

如月「そう……それじゃあ、私と一緒ね」

如月「前の艦隊にいた頃にね、すごく仲の良かった子がいたの」

如月「その子が撃沈して、すごく落ち込んだわ。強くなろうって思った。でも、私が頑張ったところで、駆逐艦が努力したところで戦艦や空母にはなれないのよ」

如月「それでも必死に戦って、必死に戦っていたのに、私一人が生き延びて、司令官だった方も責任を取って自害されて……私も、自分がこれからどうしたらいいのか分からないのよ」

提督「如月……」

如月「な〜んちゃって。湿っぽい話になっちゃったわよね。気にしないでいいのよ? それに、前に司令官の秘密を聞いちゃったから、司令官も私の秘密も知っていないとフェアじゃないでしょ?」

如月「司令官。もし時間があったら、またここで会いましょう? 私はいつもここにいるから」
48 : ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/07/29(火) 21:31:19.41 ID:teLAOzCc0
また書き忘れたので好感度補足。今日はここまでです。(力尽きました)

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如月の好感度+0.5(現在値1.5)
49 : ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/07/29(火) 21:42:29.48 ID:teLAOzCc0
次回は皐月と満潮のエピソードです。あと、ちょっと物語が動き出すかもしれません。
エクストライベントは今後も気まぐれで発生します。
今回は試験的に即興で書きましたが、エクストライベントも余裕があれば書き溜めておく……かも。



/////いつものチラ裏/////
如月のエピソードが長すぎて行数制限食らいました。でも行数が長けりゃ良い話ってわけでもないからね、うん。
それと、今日はアレでした。ついに一線を越えてしまいました。



ジョジョ……艦これってのは艦娘の保有数に限界があるよなぁ……
おれが短い人生で学んだことは…………
提督は最大保有数100で切り盛りしようとすればするほど予期せぬレア駆逐で策がくずされるってことだ!
無課金を超えるものにならねばな…………
おれは無課金をやめるぞ!ジョジョーーッ!

おれは無課金を超越するッ!
ジョジョ! おまえの金でだァーッ!!
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 21:47:57.02 ID:rA89kHoWo
おつ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/29(火) 21:55:05.24 ID:MW3vt/5A0
むしろ150でもきついんですがそれは……

この提督誰か沈んだら覚醒しそう(小並感)
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 21:59:53.66 ID:AQlYQH+1o
乙なのです。
実装されているキャラでも130越えるし仕方ないね。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/08/01(金) 15:52:26.42 ID:dQ4M/913O
待ってるで
54 : ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/02(土) 10:29:12.01 ID:ZnLoGIJT0
予告はしてませんが投下開始なう。とりあえず土日は書け次第投下していくスタイルで行くっぽい?
今日明日でガンガン書き進めていきたいところ。
55 :【15/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/02(土) 10:35:00.07 ID:ZnLoGIJT0
僕たちの艦隊は、全員駆逐艦で構成されている艦隊だが、その中でもある程度戦力に開きがある。

最も戦力として頼りになるのは満潮だ。相変わらず僕に対しての態度は最悪だが、その仕事ぶりに関しては一目置かざるをえない。

次点で朝潮・如月と続く。朝潮は大佐の艦隊に居た頃の強力な装備を活かして、敵に強力な一撃を与えることが出来る。
攻撃力が高ければ当然それだけ交戦時間が短くなり、自分の被害も抑えることが出来る。無傷で帰ってくることが多いのも彼女の優れている点だ。

如月は、唯一この艦隊の中で大幅な改装を経ている艦だ。幾度となく近代化回収もなされいてるようで、前の艦隊で大事にされていたことが伺える。
装備の差で単純火力では朝潮に劣るが、見事な戦闘センスを持っていて、攻め時と引き際をよく心得ているようだ。敵との駆け引きが得意なのかもしれない。

そして、最近めざましい成長を見せているのが皐月だ。装備はここに着任したとき支給された初期装備、実戦での経験もここに来てからのはずだが、それが信じられないほどの戦果を上げている。
その戦果は朝潮や如月に引けを取らず、時には満潮にさえ匹敵するほどの力を発揮することがある。ただ、皐月の欠点は、受けてくる被害も大きい点だ。
艦隊の中で一番ボロボロで帰ってくるのも彼女だ。最もダメージを受けているはずなのに、「今日も派手にやられちゃったー。でも、その分活躍したけどな!」だなんて笑っているのが常だ。
その姿は僕の気持ちを清々しいものにさせるが、いつかふっと消えていなくなってしまうかもしれないと思うと、やはり恐ろしさを感じる。

磯波は戦闘能力は4人と比べると大幅に劣るが、それでも毎回それなりに安定した戦果を上げている。艦隊で最も堅実な動きをするのが彼女の特徴だ。
大きな活躍は期待出来ないが、無茶をしない。もう少し積極的に動いてくれても問題はない気がするが……。

電は、最前線で戦えるような強さは無いが、後方から味方のサポートに徹している。自分の力量を弁えた上での、最も有効な立ち回りだろう。一対一での戦闘はめっぽう苦手なようなので、なるべく彼女が孤立しないような編隊を意識する必要がある。

これらの考察は、演習や任務での働きぶりから分析したものだが、あくまで指揮官として経験の浅い僕の観点によるものだ。僕自身が未熟であることを忘れてはならない。彼女たちの力を最大限に引き出すのが僕の仕事だ。


・・・・


提督「満潮、よく来てくれたな」

満潮「アンタの方から呼び出すなんて、珍しいじゃない。どうしたの? クビにでもなった?」

満潮「私としてはそういう方向性の話だと嬉しいんだけど」

提督(つらい)

提督「あー、残念ながらそういう話じゃなくてだね」

提督「実は、近々大規模な作戦がある。この鎮守府の近くにある製油所地帯沿岸部で敵襲があったみたいでね」

提督「急遽、近場にいる僕たちに白羽の矢が立ったらしい。明日、正式に会議を行おうと思っている」

満潮「それが私を呼び出す理由と何の関係があるのかしら」

提督「会議の前にある程度考えをまとめておいたから、少し添削して欲しい。……といっても、報せが届いたのが今日だから、そんなに練れてはいないけど」

満潮「いいわ、聞くだけ聞いてあげる」

提督「まず、今回の作戦の舞台となる場所は、製油所地帯という要地になる。ゆえに、これまでの作戦と違って失敗が許されず、また、敵を完全に殲滅することが勝利条件となる」

満潮「確か襲撃してきた敵艦隊は軽巡洋艦や重巡洋艦がメインの編成なんでしょ?」

提督「その通り。僕たちは先鋒部隊として敵に当たり、味方の増援部隊が来たら撤退する。これが今回の任務。増援部隊は到着までに一日かかるそうだ」

提督「昼戦では駆逐艦・軽巡洋艦にのみターゲットを絞って砲撃を行う。攻撃よりも回避行動に専念して欲しい」

提督「夜戦では敵艦隊に肉薄、雷撃戦を展開する。その場の状況にもよるが、基本的には敵の一部の艦戦のみを狙って全戦力で攻撃する」

提督「僕たちの艦隊じゃあ、敵艦を各個撃破出来るほどの戦力はないからね。君なら出来るだろうが、全員に君と同じような芸当をしろと言うわけにもいかんだろう。で、敵艦隊に対する分析及び現地の情報だが……」


・・・・


提督「とまぁ、こんなところかな。見当違いなことを言っていたなら指摘して欲しい」

満潮「……平凡ね。ただ、悪くないと思うわ。最初の頃のどうしようもなさと比べると、相当勉強してることが伺えるわね」

提督「まさか君からお褒めの言葉をいただけるとは思っていなかったよ、驚いた」

満潮「今日の今日でこれぐらい構想が浮かんでいれば十分じゃない? まだまだ詰めなきゃならない点も多いけどね」

満潮「ただ、大事なのは結果よ。どれだけ立派な作戦であっても、結果が伴わければ何の意味もないわ」

満潮「力を認められなければ、誰からも相手にされない。それを肝に銘じておくことね」

バタン

提督(ほ、褒められた……)ガッツポーズ

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満潮の好感度+1(現在値2)
56 :【16/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/02(土) 10:42:06.17 ID:ZnLoGIJT0
いよいよ、僕たちにとって初の大規模作戦となる1-3作戦(今回の作戦の通称だ)の決行日となった。

皐月「司令官! いよいよ敵が見えたよ!」

提督「そ、そそ、そうか。敵はまだこちらに気づいていないか?」

満潮「なんでアンタが緊張してんのよ……声が上ずってるわよ。今のところは特に問題ないわ。ただ、敵の数が多いからこのまま戦うと不利そうね」

提督「分かった。敵艦隊とは距離を置け。チャンスが来ない限りは距離を詰めるな。敵に気取られないように気をつけて」

満潮(昼戦では極力攻めない姿勢なのね……セオリー通りではあるけれど、これだと夜戦でかなり多くの敵を相手にすることになるかもしれないわね)

皐月「司令官。それも悪くないけど、ボクにいい考えがある」


・・・・


皐月「へへっ、どうかな? 司令官」

提督「いや、それはかなり危険だろう」

満潮「そうは言うけど、この敵の数だと夜戦で仕留めようにも退路を封じられて逃げ場が無くなるかもしれないわよ」

電「司令官。電は皐月のアイデアに賛成なのです。皐月ならやれるのです」

朝潮「ここである程度敵に打撃を与えておく必要があるかと思います!」

皐月「この策は哨戒任務のとき一度成功したことがあるんだ。自信がある」

提督「しかし……本気で言ってるの? 死ぬのが怖くないのか、皐月」

皐月「ボクを信じて。司令官、必ず生きて帰ってくる。だから許可を……」

提督「……分かった。約束だ」


・・・・


僕は、震えていた。この鎮守府からでもその活躍ぶりが見えるほど敵が一網打尽に沈んでいくのである。
たった六隻の駆逐艦で、それも昼戦で、真っ向から戦えばあからさまに苦戦を強いられるような局面であるにも関わらず、彼女たちは戦場を支配していた。

皐月の考えた作戦とは、皐月が敵の駆逐艦に擬態して、敵艦隊に紛れ込み、至近距離から攻撃。敵艦隊を混乱に陥れ、敵が撤退するであろう位置に潜んでいた他のメンバーがこれを強襲する……というものだった。
皐月は、これまでの警備任務で、敵の艦隊の行動パターンを分析していたらしい。

まず、深海棲艦の特性の一つに、非常に索敵能力が低いというものがある。どうも深海棲艦というのは視力以外では敵を感知出来ないようで、
また、その視力もかなり退化している(といっても、これはあくまで相手が駆逐艦や軽巡洋艦のときの話である。人型に近い重巡洋艦や戦艦、空母・潜水艦となると話は別だ)

皐月は、敵のこの特性を利用出来ないかと考え、倒した敵駆逐艦を頭の上に置いて、自分は水中に身を潜めてみて、バレないかどうか実験したことがあるらしい。
結果としては失敗で、すぐに発見され痛い目を見たらしい。

だが、皐月は懲りずに実験を続けていった。呼吸の数や心拍を極力減らし死んだフリに近い状態でこの方法で接近してみたところ、敵に気付かれずに敵艦隊に同行することが出来たらしい。
ひょっとすると深海棲艦には精気を察知する能力があるのかもしれない。

また、皐月はこの後も敵艦隊にまつわる様々な実験を繰り返し、パニックに陥ったときの敵艦隊の行動も分析した。敵艦隊は、正面からの交戦だと、こちらが撤退(あるいは敵を振り切って進撃)するまで、全艦撃沈するまで戦い続ける。
しかし、奇襲を受けた際の動きはそれと異なり、激しく動揺し、蜘蛛の子を散らしたかのように隊列が乱れる。
各艦が散り散りになっても、動きにはある程度法則性があるようで、逃げ惑いながらも一定地点を目指して逃走、そこでまた隊列を再編しているようだ。
(ただ、重巡洋艦以上のレベルの艦となってくると、奇襲を受けても冷静に対処されてしまうらしい。人型の艦の方が知性が高いようだ)

今回、皐月たちの目の前にいた敵の数は多かったが、重巡洋艦の数はわずか数隻だった。そのため、皐月はまず重巡洋艦に密かに接近して察知される前に雷撃で全艦沈没させた。
案の定パニックに陥った敵艦隊は散り散りになり、予測ポイントで待機していた満潮たちに掃討された。
この作戦前に、敵が頻繁に観測される場所の情報を得ていたのが役立った。

皐月の奇策により、敵の先鋒隊は壊滅。パニックにつられてやってきた第二波となる部隊も、
先鋒隊があまりにも混乱しているためか状況を掴めずに味方に向かって砲撃をしてしまい、そこから敵艦隊が疑心暗鬼に陥り味方同士で勝手に砲撃戦を始めた。
撃ち合っていた敵艦隊が互いに疲弊して残存兵力が少なくなったところで皐月たちが猛追し、これを殲滅した。


・・・・


提督「見事だ皐月。君は天才だな」

皐月「へっへーん♪ ボクのこと、見なおしてくれた?」

皐月「でも、ボクがここまでやれたのは司令官がボクのことを信じてくれたからだよ」

皐月「ボク、これからももーっと頑張るからね! 期待しててよね」
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皐月の好感度+1(現在値2)
57 :【17/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/02(土) 10:53:39.32 ID:ZnLoGIJT0
提督「昼戦で十分過ぎるほど戦果を上げている。あとはもう味方の援軍が来るまで待機で十分だろう」

提督「皆、お疲れ様。帰港したらご褒美をあげよう」

皐月「ご褒美って何でもいいの?」

提督「あぁ、なんでもいいよ。実現出来る範囲でだけどね〜」

磯波「ふふふ……楽しみです」

朝潮「朝潮は、パフェというものを一度食べてみたいです!」

電「電もパフェが良いのです」

提督(皆子供だな……)

如月「如月は、提督が欲しいわぁ」

提督「!?」

満潮「冗談に決まってるじゃない。如月もあまりからかわないのよ」

如月「私はいつだって本気よ〜」


・・・・

磯波「味方艦隊が来るのはいつ頃になるでしょうか」

満潮「朝には到着予定よ……ふわぁ〜」

皐月「満潮が欠伸なんて珍しいね」

満潮「わ、悪かったわね。私だって眠ければ欠伸ぐらい出るわよ」

如月「私もう無理〜。電ちゃん、朝が来たら起こしてね」

電「はわわ、如月、寝ちゃダメなのです」


朝潮「皆さん! 前方にこちらへ接近してくる艦影を見つけました! ……あれは、戦艦!?」

満潮「戦艦ですって!? さすがに予想外だったわ……数は?」

朝潮「数はさほど多くないようですが……、ここからだと雷巡・軽巡が一隻、駆逐艦が数隻見えます」

皐月「敵の殿軍といったところみたいだね。それにしてもまだこんな隠し球を残していたとは、腕が鳴るね!」

電「如月、起きるのです!」ムギュー

如月「ちょっと! ほっぺたつねらないでよ。起きてるってば」

磯波「司令官、大変です。敵戦艦がこちらに接近しているようです。まだ気づかれてはいないみたいですが……このまま戦わずに済むとも思えません。どうすればいいでしょうか」

提督「それは本当か!? まずいことになったな」

提督(事前の調査情報や本部報告によると戦艦は居ないはずだったんだがな。こういう事態も予測しておかなきゃダメってことか……)

朝潮「敵の艦隊の数自体は少ないようですが、戦艦が脅威ですね。戦艦以外の艦はほとんどが損傷しているようです。恐らく昼戦での生き残りを寄せ集めた編成でしょう」

提督(敵の残存兵力はもう無いみたいだな……。あくまで僕たちと決着をつけに来たというわけか)

満潮「戦艦を無視して短時間で雑魚を掃討、完了次第退却して味方援軍を待つのも一つの手ではあるわね。あの戦艦はどうやら低速艦のようだし、私たちなら振り切れない相手ではないわ」

提督(朝まで持ちこたえれば味方の増援部隊が来る予定だが……どうする?)

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安価>>+3
(選択肢によって提督のステータスに影響)
→戦艦を狙う →戦艦以外を狙う
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 11:48:03.40 ID:WUHeTLN/O
戦艦以外を狙う
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 11:54:57.67 ID:WUHeTLN/O
Kskst
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 12:23:54.40 ID:xLSVXPdmO
戦艦以外
61 :【18/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/02(土) 13:19:18.13 ID:ZnLoGIJT0
提督(夜戦といえど戦艦相手では厳しいな。轟沈の危険性が高い)

提督「よし、隊列を複縦陣にしろ! 戦艦は相手にせず、周りの雑魚を掃討」

提督「敵戦艦の動きに注意しつつ、敵雷巡・軽巡を集中して狙い撃て。砲雷撃戦、開始する!」

朝潮「一発必中! 肉薄するわ!」

如月「ふふっ、ゾクゾクしちゃうわ」

電「電の本気を見るのです!」バシュッバシュッ

皐月「沈んじゃえ!」シュッ ドゴオオオン

雷巡チ級「ガアアァ」ゴポゴポゴポ……

如月「ふふっ、まだよ! ありったけの魚雷を打ち込んであげる」シュッ バゴォォォォォ……

・・・・

皐月「戦艦以外は片付いたね。どうする?」

提督「……そうだな、空が白んできた。無傷の戦艦相手にこれ以上の交戦は危険だ。敵の砲撃に注意しつつ後退してくれ」

電「ちょうど援軍が来たみたいなのです」

提督「分かった。僕たちの役目は終了だな。帰港してくれ」

足柄「先鋒隊の皆、援軍に来たわ! ふふ……戦場が、勝利が私を呼んでいるわ!」

足柄「って、あら……戦艦1隻しか残ってないってどういうことなのよ」

妙高「既にだいぶ掃討されているみたいね。少し拍子抜けだけど、任務を遂行しましょう」

足柄「えぇ〜……せっかく気合入れてきたのにガッカリだわ」

・・・・

提督「みんなお疲れ様。よく頑張ってくれたね。今日はゆっくり休んでくれ」

電「提督もお疲れ様なのです」

提督「僕は何もしていないさ。実際に戦っていないわけだから疲れてもいないよ」

磯波「一昨日から一睡もしていないんでしょう? 提督こそお休みになってください」

提督「うーん、まぁ、そうだね。そうするよ。ただ……まだまだ君たちの指揮官としてちゃんとやれてる自信がないなぁ」

満潮「そう? でも、勝てば官軍なのよ。アンタの指揮で私たちは勝利できた。そういうことなんだから自信持ちなさい」

如月「それより、ご褒美の話なんだけど〜」

提督「あぁ〜そんなこと言ったね。分かった分かった、パフェな」

皐月「ボク、せっかくだから遊園地に行きたいな」

提督「!?」

如月「私は〜、新しいお洋服が欲しいかしら」

提督「え、エート、……どうしよう」

満潮「面倒だから全員分にパフェを奢って洋服を買って遊園地に連れて行けばいいんじゃない?」

提督「何が面倒なんだよ! 何も面倒な要素ないよ!」

皐月「それ良いね。ナイスアイデアだ!」

提督「全然ナイスじゃないってばー」

このあと滅茶苦茶自腹を切った。

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選択:戦艦以外を狙う(>>60
過酷な戦場を乗り越えて艦娘たちとの絆が深まった
全員の好感度+2(ステータスや秘書艦による±補正なし)

堅実な判断により艦娘の被害を抑えることができた
知性+5
仁徳+5
62 : ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/02(土) 13:31:05.37 ID:ZnLoGIJT0
ここまでの数値もろもろまとめ

【好感度まとめ】
電:7(好感度上昇+2) 秘書艦
皐月:4(好感度上昇+1)
磯波:5(好感度上昇+1)
如月:3.5(好感度上昇+0.5)
満潮:4(好感度上昇+1)
朝潮:4(好感度上昇+1)

【提督ステータス】
勇気:41
知性:36(初期値から+5)
魅力:10
仁徳:47(初期値から+5)
幸運:62

今日はまだ投下あります。
ただ、書き溜めしてないので速度は遅いです。



/////チラ裏リズム/////
大まかな話の流れは出来てるんだけどテキスト化していく作業がつらみ。
スレ立てた時はイチャコラする話を書こうと思って立てたのに、もうこれ何のSSか分かんねぇな。
イチャコラは当分先になるかな……そもそもこの話でイチャコラ出来るのかな……?(遠い目)

さっきの安価の待ち時間で書き進めようと思ってたのに部屋が汚すぎてやる気起きないまま時間過ぎたという体たらく。
部屋の掃除が終わったら続きを書く作業に戻ります。(と言いつつ昼寝する可能性がある)
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/08/02(土) 16:46:44.16 ID:Qsc/CdIHO
ちなみに、さっきの安価で戦艦狙いだったら
どうなってたんですかねぇ
64 :【19/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/02(土) 20:17:54.60 ID:ZnLoGIJT0
提督「やれやれ……しばらくは何も買い物出来ないな……昨日の馬鹿騒ぎで財布がスッカラカンだ」

電「司令官さんは優し過ぎるのです。何も本当に遊園地に連れてってくれなくても良かったのです」

提督「ま、最前線で戦ってる君らと違って僕は座ってるだけだからね。それよりも君らに楽しんでもらえたなら何よりだ。あと、似合ってるぞ。その服」

電「はわわ、照れちゃいます」

提督「さて、報告書他もろもろの書類を片付けましょうかね」

磯波「司令官。朝ごはんが出来ましたよー。電の分も作ってきました」

提督「あぁ、ありがとう。いつもすまないね。まずはご飯を優先しよう」

磯波「あのぅ……演習の時間まで、私もここでご一緒しても良いでしょうか?」

提督「あぁ、もちろん構わないよ」

・・・・

提督「ふーむ。何やら、また大規模作戦があるっぽいねぇ。休む暇もないというわけか」ペラリ

電「『南西諸島の防衛ライン上に敵侵攻艦隊を補足』……ですか」

提督「近いからという理由だけで出撃させられる我々の身にもなって欲しいね」

磯波「でも、前回の作戦での結果を本部からかなり評価されてるみたいですね」

提督「とはいえ、これ駆逐艦六隻でどうにかしろっていうの無茶だろ……」

満潮「前回の作戦で無茶を可能にしちゃったもんだから今回も無茶な作戦が来たのよ」

提督「み、満潮。いつからそこに」

満潮「何よ。私が居ちゃ悪い? 演習まで暇だったから来たのよ」

提督「うーむ……困難な作戦を突破したら更に難題が来るというのは腑に落ちないなぁ」

提督「敵艦隊の掃討、それが出来なきゃ敵艦隊の規模を調査して報告しろ、ってさ」

磯波「前回のように戦艦が相手なのでしょうか?」

提督「戦艦はいない……が、敵艦隊の編成に空母が組み込まれている可能性が高い。周辺を飛行していた索敵機が打ち落とされたらしい」

提督「制空権が完全に相手に渡ってる状態で、敵艦隊がどのくらいの規模かも具体的なデータがないまま戦えって相当無茶苦茶な指示だぞ」

提督「表向きでは褒め称えておいて、本当は僕たちのことを殺そうとしてるんじゃないかと本部に対して疑念を持ちそうだよ」

電(司令官……珍しく怒ってるのです)

磯波「……………………」ガタッ

磯波「司令官。こっちに来てください」ポンポン

提督「きゅ、急にどうした磯波。ソファに何かあるのか?」

磯波「隣に座ってください」

提督「えっ、ちょっと、どうしたの?」

磯波「司令官、すごくストレスが溜まってるようでしたので、少し横になってお休みなってください。その……膝枕しますから」

満潮「してくれるって言ってるんだからしてもらいなさいよ。というか、隣に座っちゃったんだしもうしてもらうしかないんじゃない?」ニヤ

提督「えー……なんか……何かがおかしいよ……」(でも横になる)

満潮「磯波は大胆ねぇ〜」ニヤニヤ

磯波「そ、そんなんじゃなくて、司令官に少しでも楽になってもらおうと……」

提督「ねぇ僕本当にこんなことしてていいの? そ、それどころじゃない気が」

磯波「ふふふ、良いんですよ。気持ちを楽にしないと頭も働きませんよ?」ナデナデ

電(……ちょっとジェラシーなのです)
----------------------------------------------------------------------
電の好感度+2(現在値9)
磯波の好感度+1(現在値6)
満潮の好感度+1(現在値5)
65 : ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/02(土) 20:41:02.61 ID:ZnLoGIJT0
>>63
安価が出てから内容書いてたのでアレですけど、単縦陣で敵戦艦に突貫→敵戦艦を轟沈させるも残りの敵に囲まれる→陣形を維持したまま反転し脱出、みたいな展開を考えてました。(1レス増えてたかも)
結果論的には戦艦を狙った方が優れた戦果を上げることが出来てたっぽいです。
正直戦艦を狙う方で安価来るかなーと踏んでたんですけど、意外でしたね。
ただ、こっちを選んだことによってこの先の展開はちょっと変わりました。
いわゆるβ世界線というやつです。(ネタバレになるからまだ書けないけど)

安価のイベントでどういう選択を取るかによって、今後の展開はもちろん、主人公の思考や性格にも若干変化を生じさせてます。
これは>>1の持論だけど、人間は窮地に陥ったときの行動で本質が見えると思うのです。
(今回はさほどピンチではなかったけど)



/////チラ裏という名の懺悔とか/////
あああああああああああああああああああああやっぱり磯波デレさせすぎたんじゃあああああああああああああああ(後悔)
これじゃあ他のキャラももっと魅力的な描写しなきゃ不公平だよなぁぁぁぁ難しいよぉぉぉぉぉ。
いや、でもいきなり戦いの後にまた戦いって辛いじゃん? つかの間の安息が欲しかったんです。
その結果がこれなんです。相当悩んだ末GOサインを出してしまった自分がいる。

ついたレスは無視してるようでわりと見てます。
なんかキャラに対するレスがついたら「ほぉ〜なるほど〜じゃあもうちょっと良い感じのエピソード考えるか〜」とか微妙に展開を足したり、
逆に特に触れられてないキャラがいたら「ちょっとテコ入れしなきゃな〜」とかそんなことを考えながら書いてます。

口で言ったり頭で考えたりするのは簡単だけど、いざ形にするとなると難しいね……orz
66 : ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/02(土) 21:36:43.12 ID:ZnLoGIJT0
今日は疲れたので投下は一旦打ちとめです(書き溜め作業は続けるつもりですが)
家から一歩も出てない自分がなぜ疲れているのかは謎である
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 21:37:12.04 ID:POYgrgVPo
おつー
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/08/02(土) 22:40:00.66 ID:q17TUjYu0
乙です
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/08/05(火) 20:51:30.64 ID:MsO/cgJt0
わっふるわっふる
70 : ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/06(水) 00:35:57.89 ID:m8dB9jwT0
本日の21:00頃に投下を予定しております。
現時点で全然書き溜めできてないんですけど、
こうして退路を断っておけば書かざるをえなくなるでしょう多分。多分ね
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/08/06(水) 08:14:42.78 ID:XQWRwbh50
期待してるでー
72 : ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/06(水) 13:29:02.14 ID:/iikEvSGO
うろ覚えだからトリップミスってるかもしれんけど>>1です。
今日はちょっと都合が悪くなったので投下出来ないかもしれないのです。
わざわざ報告するほどのことでもない気がするけど事前予告したから一応書いとくのね。
今日がダメだった場合は明日投下するです。



///チラ裏///
どれだけ高く美味しい料理であっても信頼できない人間とする食事はまずい
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/07(木) 01:47:17.46 ID:wefW3X/eo
磯波ちゃんとなら何を食べても美味しいのよ
74 :【20/100】 ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/07(木) 21:21:23.15 ID:kz7pwXy70
提督「演習後で疲れているところ済まないが、これから作戦会議を行いたい」

提督「電、磯波、満潮は既に聞いていると思うが、南西諸島防衛線上に敵侵攻艦隊を補足した。僕たちはこの敵艦隊と交戦する。通称1-4作戦、だそうだ。この作戦には難点が二つある。第一に、敵の規模が分からないこと。第二に、敵艦隊に空母が存在する可能性が高いということだ」

提督「一応、『撃滅せよ』と言われてはいるが、それが困難なようであれば敵艦隊がどれぐらいの規模かを報告しろとのこと。制空権が完全に相手方にあって、かつ敵の規模も分からない。この状況下で勝利を収めるのは難しいだろう」

皐月「艦載機を全部撃ち落せば良いんでしょ? 簡単じゃん」ドヤァ

提督「確かに皐月ならそれが出来かねないのが恐ろしいところだが……劣勢を前提に敵と正面から対抗するのは危険だろう。それに、敵空母の規模によっては大空襲を受ける恐れもある。この作戦は危険性が高いので功を焦らず慎重に行きたい。僕たちはあくまで斥候として今回の作戦に臨もう」

朝潮「機銃を装備していく必要がありそうですね」

提督「ああ、対空装備は必須となるだろう。逆に言うと、それぐらいしか対策が浮かばないのが辛いところだな……。敵制空域内に入ったら、敵艦載機の動きに注意する。察知される前に迎撃する。なるべく目立った動きをしない、……ぐらいか。当たり前すぎる話しか出来なくて申し訳ないが」

提督「敵艦隊と遭遇した際は、敵空母の動きに注意しつつ、機動力の高い駆逐艦や軽巡のみを狙って攻撃する。追われると厄介だからね。可能性は低いが、もし敵艦隊に戦艦が居た場合は気づかれる前にそのままUターンすること。それから……」

・・・・

提督「作戦は以上。特に何も無ければこれで解散だ。ゆっくり休んでくれ。今日の分の仕事はもうないし、電も帰っていいよ」

ゾロゾロ

提督「? 朝潮、何か話でもあるのかな」

朝潮「いえ、話というほどではないのですが……司令官は、少し悲観的すぎませんか? 確かに、今回の作戦は厳しいものになるでしょうし、司令官の見通しは正しいとは思います。ただ、戦う前から弱気になっていては、艦隊の士気に支障が出るかと」

提督「弱気、というか、ハナから勝てると思っていないからね。とはいえ、朝潮の言う通り……指揮官の考え方としてはまずかったかな」

朝潮「あ、いえ……司令官のことを非難しているわけではありません。ただ、戦場では何が起こるか分かりません。司令官の考えているように厳しい状況になる可能性もありますが、逆に勝機が見える可能性もあります。
私たちの被害を抑えることを考えるのは戦略的に正しい判断ですが、被害を出さないことを考えているだけでは重要な局面で勝機を逃がすことに繋がりはしないでしょうか」

提督「君の言うとおりだな。ぐうの音も出ないよ。……つくづく凡将だな。僕は」

朝潮「私たちは、国家のため、任務のために戦っています。そして、司令官の為にも戦っているのです。司令官の期待に戦果で応えるのが私たちの使命です。
司令官が望んでいようがいまいが、私たちは司令官に尽くします。だから、私たちを信頼して欲しいのです」

朝潮「仮に、作戦が失敗して、私や他の誰かが沈むようなことがあっても。それは司令官の指揮のせいではありません。司令官の期待に応えられなかった私たちの咎です。
……だから、私たちが沈むことを恐れないでください。私たちを失ったとしても、その歩みを止めないでください」

朝潮「司令官は、私たち艦娘の希望なのです。司令官が諦めない限り、私たちも諦めずに戦い続けることができます」

提督「……ごめん、朝潮。少し、一人になって考えたい……席を外してもらえるか?」

朝潮「はい、少し感情的になってしまいました。出すぎた真似を致しまして申し訳ありません」ペコッ

・・・・

満潮「聞いてたわよ」壁に寄りかかって腕を組みながら

朝潮「盗み聞きとは関心しませんね」

満潮「ふふっ……」

朝潮「何を笑っているんですか」

満潮「いや、ご褒美にパフェが食べたいなんて言ってたアンタが言ったセリフかと思うと、ね」

朝潮「」カァァァァ

満潮「冗談よ。ただ、私の言いたかったことを代わりに言ってくれてスッとしたわ。アンタも言う時は言うのね」

満潮「…………」

満潮「……どうなるのかしらね、私たち」

朝潮「私は、司令官を信じています。司令官ならきっと、この先何があっても乗り越えていけると」

満潮「アンタが羨ましいわ。ハッキリ言って私はこの国の為にも人の為にも戦う気にはなれないわ」

朝潮「満潮は何のために戦っているんですか?」

満潮「……復讐よ」

朝潮「復讐?」

満潮「朝潮、アンタには分からないでしょうね。ま、機会があったらいつか教えてあげるわ。じゃあね」カツーン カツーン カツーン

朝潮「行ってしまった……」
----------------------------------------------------------------------
朝潮:5(好感度上昇+1)
75 : ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/07(木) 21:51:14.94 ID:kz7pwXy70
/* 経過ボーナス */
いつまで経っても好感度+1だとフラグが立つ気配がなさそうなので経過ボーナスなるものを追加しました。

経過ボーナス概要
・20レス突破ごとに好感度の基本値が+1増加します
・20レス突破時に能力値変動イベントが発生します

能力値ボーナスは安価とコンマで決定します。
アップさせたい能力値 勇気/知性/魅力/仁徳/幸運の中から一つ選択し、
出たコンマでその選択した能力の上昇値が決定します。

00〜20:上昇値+2
21〜40:上昇値+4
41〜60:上昇値+6
61〜80:上昇値+8
81〜90:上昇値+10
91〜99:上昇値+12
ぞろ目だとさらに追加で能力値ボーナス発生。


【好感度まとめ】
電:9(好感度上昇+4) 秘書艦なので基本値2*2
皐月:4(好感度上昇+2)
磯波:6(好感度上昇+2)
如月:3.5(好感度上昇+1.5)
満潮:5(好感度上昇+2)
朝潮:5(好感度上昇+2)

というわけで
アップさせたい能力値を決定してください(勇気/知性/魅力/仁徳/幸運の中から一つ)
>>+2
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/07(木) 21:52:13.07 ID:YvOp4ujXo
魅力
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/07(木) 22:48:10.63 ID:hN8Oa2mfo
勇気
78 : ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/07(木) 23:07:45.38 ID:kz7pwXy70
>>77より勇気が8上昇

【提督ステータス】
勇気:49(初期値から+8)
知性:36(初期値から+5)
魅力:10
仁徳:47(初期値から+5)
幸運:62

ちょっと滞ってましたけど今日はまだ投下あります
79 :【21/100】 ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/07(木) 23:09:07.63 ID:kz7pwXy70
提督(……僕は、彼女たちの希望か)

提督(希望、ね)

皐月「しれーかん! 聞こえてる?」

皐月「敵の空域内に入ったよ!」

提督「ん、分かった。敵艦載機は?」

皐月「数機、こっちに迫ってきてるけどまだ気づかれてないみたい。どうする?」

提督「出来れば短時間で仕留めたい。敵艦載機に集結されて総爆撃を食らうのは避けたいからね。出来るか?」

皐月「まっかせてよ!」 バン!バン!

磯波「あたって!」 ダダダダ

・・・・

如月「ざっとこんなものね」

朝潮「司令官、敵艦載機を殲滅しました。今のところこちらに被害はありません」

提督「よし、よくやった。敵艦載機の本隊に注意しつつ、進撃してくれ」

満潮(敵の攻勢が妙に緩いわね……そろそろ仕掛けてきてもいいはずだけど)

電「司令官、敵の偵察艦隊が見えたのです。交戦しますか?」

提督「編成は? 勝てそうならば打って出よう」

電「重巡1隻、軽巡1隻、駆逐艦3隻です。今の電たちなら、問題ないのです」

提督「分かった。交戦しよう。ただ、天気が悪く視界も良くない。敵の至近弾に気をつけてくれ」

・・・・

朝潮「敵艦隊を撃退しました! 追撃しますか?」

提督「いや、やめておこう。ある程度被害を与えておけば十分だ」

如月「ちょっと〜、なんかイヤな音してない……?」 ブロロロロロ

磯波「敵艦載機を捕捉! 100機近い数がこちらに向かって接近しています」

電「撤退していた敵の艦隊が反転してきたのです! その背後からさらに敵増援が!」

満潮「囮だったというわけね……。空と海からの挟撃、逃げ場は無さそうね」

朝潮「司令官、ご指示を」

提督(どうする!? このままでは全滅だ!)

提督(……ハッ! この状況下なら……そうだ、その可能性はある。賭けに出るか)

提督「皆聞いてくれ! 策がある! 作戦としては下の下の、最悪なものだ! だが、僕にはこれしか思い浮かばなかった!」

提督「背後の艦載機を振り切り、正面の敵艦隊を中央突破してくれ!」

満潮「追い詰められて頭がどうかした!? この状況でどうやれっていうのよ! 第一、そんなことして何になるの?」

提督「満潮・如月・磯波・電は敵艦隊を蹴散らしながら前進! 皐月・朝潮は後衛で艦載機を片っ端から撃ち落せ!」

提督「僕は指示を出した! 説明は後でする!」

如月「期待していいのよね? ふふっ、突貫するわ!」

磯波「が、頑張ります! えいっ」シューン!ドドォン!

電「電の本気を見るのです!」ババババババ

皐月「さてと、今度もボクのカッコいい所見せちゃおうかな!」スチャッ バゴォォン

皐月「いやー、撃てば当たるってのは気持ちがいいね」バリバリバリバリバリ

朝潮「MVPは譲りませんよ?」バァン!バァン!バァン!
80 :【22/100】 ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/07(木) 23:14:24.91 ID:kz7pwXy70
満潮「敵艦隊を中央突破するにしても、この数じゃ倒しても倒してもキリがないわ!」

如月「艦載機に進路を先回りされつつあるわね……」

提督「(厳しいか……)分かった。ならば……前衛部隊は砲撃を最低限に抑えてくれ。この作戦は極論敵を攻撃する必要がない。ただ敵の前に出ることだけに注力してくれ。全艦! 敵艦の間隙をすり抜けて前進! 突破後もとにかく前進だ!」

・・・・

朝潮「一応、全艦突破出来ました」

満潮「突破出来ただけで、状況は余計に酷いことになったけどね。前から先回りした艦載機から攻撃を受けて、後ろからは猛烈な数の追手が来てる。しかも、敵の本隊も近づいてるみたいよ、敵空母の影が見えるわ!」

提督「いや、これでいい。皐月・満潮は前衛に出て敵艦載機を撃ち落としながら全速力で前進。如月と朝潮は背後の艦隊を砲撃で迎え打て。といっても、あまり必死になって戦う必要はない。あくまで少し敵の数が減ったらいいなぐらいの気持ちで。それから、砲撃はなるべく海面近くから発射してくれ。電と磯波はとにかく皐月と満潮についていくことだけを考えてくれ。余裕があればサポートしてもいい」

如月「海面近く……?」

提督「おまじないにでも思ってくれればいい」

如月「ふふっ、りょーかい。今日の司令官はなかなか素敵よ。今この状況がすごく楽しいわ!」

皐月「同感だよ如月。まったく最高だね!」

満潮「アンタ達なかなか狂ってるわね」

皐月「そういう満潮だってさっきからニヤけっぱなしじゃないか」

満潮「そうね、指示の意味は全く分からないけど、……不思議と高翌揚するわ」

・・・・

皐月「……っつぅ!いったいじゃんかさぁ!」ドガァ

満潮「さすがに、そろそろ厳しくなってきたわね……」

提督(あの皐月や満潮ですら限界が近いみたいだな……無理もない。だが、もう少し耐えれば……)

提督「電、磯波。皐月と満潮に代わり前衛へ。敵を撃ち落とし、指定ポイントへ」

電「二人が頑張ってくれたから、だいぶ敵の艦載機が減ってきたのです」

磯波「それだけじゃない……これは……!」 シュオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオォォォォォォォォ

提督(来たか……!)

提督「皆! 死んだらゴメン!」

ババババババババゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴァァァァアアアアアアァァアァア

・・・・

提督「電、磯波、皐月、如月、朝潮、満潮。生きてるか?」

電「全員無事、なのです。本当に良かったのです」

磯波「今、私たちはちょうど台風の目に入ったみたいで、あの、とりあえず……助かりました」

皐月「ふぁぁー、ボク、マジで死ぬかと思ったぁー……」

如月「司令官はこれを待っていたわけね」

提督「待っていたわけじゃない。どちらかといえば祈っていたに近いよ。もう賭けに出るしかないと思ってね」

朝潮「海面近くで砲撃させたのにも何か理由が?」

提督「砲火の熱で君たちの場所を中心に上昇気流が起きたら良いな、ってね。もっとも、そう上手くは行かなかったし、そもそもそれで台風が起こせるだなんて思ってもなかったけど。ただ、土地的にも時期的にも台風が起こる可能性が高いエリアでの戦闘だったから、ああいう指示を出したんだ」

提督「台風の発生場所が予測出来たのはほぼまぐれなんだけどね。とりあえず過去の周辺地域の記録を漁って、その中で最も発生する可能性の高いエリア数ヶ所まで絞り込んで、あとは勘。ここまで上手くいくとは思わなかったから、僕が一番驚いてる」

皐月「さっすがだね司令官。おつかれっ!」

満潮「そこまで考えてたなら、ちゃんと説明しなさいよ……。私達が戦ってる最中にでも説明くらい出来たでしょ」

提督「ごめんね満潮。正直これは本当に自信が無かった。無理だと言われるのが怖かったから、虚勢を張るために言えなかったんだよ」

満潮「何よそれ、いくら何でもそこまで聞き分け悪く無いわ。ちゃんと何をするか分かっていればもっと戦えたわよ」

満潮「ただ、そういう風に思わせていたのはすまなかったわね。確かに最初の頃の私はアンタのことを軽蔑していたけど、今はもう司令官だと認めているわ……これからよろしく頼むわよ、司令官」

提督「こちらこそ、よろしく。満潮」
81 :【23/100】 ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/08(金) 00:16:41.08 ID:arMeYhhu0
提督「皆、本当によくやってくれた。生きて帰ってきてくれて良かった」

皐月「今日の司令官は冴えてたね。カッコ良かったよ」

提督「えへへへ……ただ、まぁ、なんていうかその、今回は幸運だった。天候も勿論のこと、誰一人大破することなく戦いの終盤まで迎えられたのが大きいよ。誰か一人でも航行速度が低下していたら多分こうはなっていなかった。
それから、台風が発生した時も、君たちだけあまり被害を受けずに敵艦に直撃したのも幸運だった」

提督「もうこれ以上無茶な戦いはゴメンだね……」グッタリ

提督「君たちにも、かなり無理をさせたね。ゆっくり休んでく、れ……」クー

如月「司令官もよっぽど疲れたのね。机に突っ伏したまま寝ちゃって」

電「電が司令官を部屋まで運びますから、皆も休んでください」

・・・・

提督「ん……」

電「司令官さん、お疲れ様です」

提督「あ、部屋まで運んでくれたのか。ありがとね」

提督「僕が起きるまで、ずっとこの部屋に居たの? 君だって疲れているだろう」

電「司令官さんとお話したいのです……」

提督「そっか。分かった」

電「司令官さんは、これからどうするのですか?」

提督「分からないな。何かやりたいことがあるわけじゃないし、偉くなろうっていう気もないな」

提督「とはいえ仕事がないと生きていけないし、……今は何より君らを失わないために戦いたいと思う」

提督「まだまだ未熟だし、今回の作戦だって本当に運によって助かったようなものだけど……それでも、僕は君らのために生きていきたいなと、そう思ってる。漠然とした考えだけどね」

電「司令官さんは……本当に電たちのことを大切に思ってくれているのですね」

提督「あぁ」

電「司令官さんは優しいのですね」

提督「優しいというか……うーん、そういうことじゃないんだよ。どうしても、君らの命を背負っているということを考えるとね……」

提督「君らの命が失われることが、それも僕のせいで失われることが何よりも怖い。臆病なだけなんだよ、僕は」

電「……司令官さん」ギュッと提督の手を握る

電「司令官さんは、臆病なんかじゃないです。今日だって、司令官さんの決断で私たちは生きていられたのです」

電「司令官は電の誇りなのです。だから、もっと自信を持って欲しいのです……」

提督「ありがとう。そうだな……もう少し強気にならなきゃダメ……か」

電「はわわ、ダメじゃないのです。司令官は今のままで良いのです」

電「でも、不安になったら……電が司令官の側に居るのです」

電「だから、どんな時でも、一人で抱え込まないで欲しいのです」

提督「助かるよ……ありがとう」
----------------------------------------------------------------------
過酷な戦場を乗り越えて艦娘たちとの絆が深まった
全員の好感度+2(>>79 ステータスや秘書艦による±補正なし)

満潮の好感度+2(>>80)
電の好感度+4(今回)
82 : ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/08(金) 00:30:57.73 ID:arMeYhhu0
日付跨いでしまった……とりあえず投下はここまで。

【好感度まとめ】
電:15(好感度上昇+4) 秘書艦
皐月:6(好感度上昇+2)
磯波:8(好感度上昇+2)
如月:5.5(好感度上昇+1.5)
満潮:9(好感度上昇+2)
朝潮:7(好感度上昇+2)

///チラ裏///
軍記物を書きたいわけじゃないのに戦闘の描写細かく書きすぎたというかアレね。戦闘シーンも難しいね。
とりあえずしばらくバトルっぽい部分は無いのでこれでようやく書きたいものが書ける……のかな? 分からんけれども。
そろそろストーリー動かしていきたいので各パラメータを試験的に動かしやすくしてみたり。
でもあくまでストーリーありきだから数値に縛られすぎて面白さを削がないように……意識していても難しいや。

明日からイベント海域ですねー。資源ALL2万ちょいバケツ200個だけど超えられるかしら?
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/08(金) 00:33:20.65 ID:Hx4APi46o
おつおつ
84 :【24/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/08(金) 16:01:22.81 ID:ceq9D4BgO
提督(1-4作戦の報告書の類も概ね片付いたし、たまには鎮守府内を出歩いてみるかな?、っと)

提督(あれは……如月か? 鋼材と燃料なんか持って、何してるんだ……?)

・・・・

提督(工廠に入っていったな……)

提督(装備の開発でもするのか? いや、ここの工廠の機材は古びていて使い物にならないし、妖精も居ないはず)

提督(気になるな。一体何のために……? あ、工廠の奥の部屋に進んでいったぞ)ガシャン

提督(あれは……水槽? 随分大きい水槽だな。サメでも飼っているのか?)

如月「司令官。見ているんでしょう? 出てきて下さい」

提督「如月……それは一体……? 鋼材と燃料なんか持ちだして、ここで何をしている?」

如月「隠してもしょうがないわね。この水槽に居るのは……私たち艦娘の成れの果てよ」

提督(あれは……深海棲艦……! かなり小型だし、体の一部が欠けているように見えるが……)

提督「如月! お前一体、何を……」ガラガラ……ボトン

如月「何って、補給よ。深海棲艦も、必要なものは艦娘と同じなのよ」

提督「……説明してくれないか」

如月「いいわ。教えてあげる。私たち艦娘は、轟沈すると深海棲艦になるのよ」

如月「戦いに敗れて暗い海の底に沈み深海棲艦に成り下がるか、解体されて艦娘だった頃の記憶を失った普通の人間に戻るか、それが私たちの辿る末路よ」

如月「この水槽にいる子は、かつて私とともに戦っていた子よ……」

・・・・

如月「私の前の司令官、清浦中将は、ここの鎮守府で指揮を執っていた」

如月「有能で聡明な方だったわ。おまけに人柄も良かった。私たち艦娘を、戦争の道具じゃなく、一人の人間として接してくれていた」

如月「ただ、ある大戦で、中将は主力艦隊の1割を失ったの。最終的に勝利を収めたんだけど、彼は精神が壊れてしまったのよ」

如月「彼は、戦いが終わった後、抜け殻のようになってしまった。私が声をかけても、ただうわ言のように沈んだ艦の名前を呟くだけだった」

如月「それからしばらくして、彼は異常なほど執務に集中するようになったわ。そして……海域攻略中に、深海棲艦となったかつて自分の艦隊にいた子を発見したという報告を聞いて、彼は狂喜した」

如月「彼は、私や他の生き残りたちに自分が沈めて深海棲艦にしてしまった艦娘を拿捕するように命じたわ」

如月「そうして出来たのがこの水槽よ。ここは、かつて私の指揮官だった人が治めていた鎮守府」

如月「この水槽には、本当はもっと多くの深海棲艦となった艦が居たのよ。最も賑わっていたときは、あの海域で沈んだ娘が全員居たんだけどね」

如月「この水槽では、沈んだ艦全員を収容するには狭すぎたみたいね。間もなくして、大型艦は皆死んでしまったわ」

如月「それから、重巡・軽巡と続いていった。最後の一人であるこの子以外皆居なくなるまで、清浦中将は深海棲艦を艦娘に戻す研究をしていたけど」

如月「研究の結果分かったことは、それは不可能だ、ということだけだった。また、深海棲艦は艦の怨念から生まれた、負の感情の塊なようなもの。だから、深海棲艦となった艦に対して、かつて艦娘だった頃と同じように愛情を持って接し続けていた中将の行動がかえって仇となって、深海棲艦の死を助長させていたようだわ」

如月「最期に彼は、艦娘を私を除いて全員解体して、命を絶った。最後に残ったこの子を私に託してね」

如月「この子が深海棲艦になる前の名前は、雷よ。私を庇って沈んでいった艦。そして、今の艦隊の……電の姉よ」

如月「本当に……運命とは皮肉なものね」

提督「…………」膝から崩れ落ちる

提督(言葉が出ない……なんだよそれ……。なんだよそれは……)ポロ……ポロ……

如月「私たち艦娘は艤装の力で自殺することが出来ないのよ。戦って沈むか、解体されるまで、恐らく数百年は生き続ける。残酷な話よね。もう涙も枯れたわ」

如月「ごめんね。本当に……ごめんなさい。こんな話聞きたくなかったでしょう?」

如月「私たちと出会わなければ、いや、私と出会わなければ。こうしてこの場面を見ていなければ、こんな風にはならなかったのにね……」

如月「私なんて最初からいなければ良かったのよ」

如月「……ごめんなさい。今日はもう休ませてくれるかしら。また、明日になれば元通りになるから」

提督「……」
85 : ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/08(金) 16:02:42.96 ID:ceq9D4BgO
突然の投下
そして突然のイベント発生
提督の勇気が試される

【コンマイベント発生】
(重要度の高い分岐点なのでエクストライベント扱いではないです)
00?49:イベント未発生
50?99:イベント発生
イベント未発生だと通常通り別の艦娘とのエピソードになります。
イベントが発生すると追加エピソードが発生します。

>> 1
86 : ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/08(金) 16:04:48.44 ID:ceq9D4BgO
スマヒョからの投稿でなんでなんかミスったっぽい
↓のコンマで決定ってことで
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/08(金) 16:05:14.76 ID:OGU0Q9/sO
縺薙%
88 :【25/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/08(金) 16:24:29.09 ID:ceq9D4BgO
提督「……分かったよ」

提督「……」

提督「……僕は、覚悟を決めた」立ち上がって如月の肩を強く掴む

提督「……僕は」

提督「君を!」

提督「君たちを!」

提督「絶対に……絶対に救ってみせる!」

提督「こんな悲しい事があってはならない。僕は、君たちを、この先振りかかるであろう全ての悲しみから守ってみせる」

提督「如月。僕とともに生きてくれ」

提督「……これは、単なる僕のエゴだ。君たちを救いたいという気持ちも、君たちを守りたいという気持ちも」

提督「きっと君は死んで楽になりたいのだろう。僕が同じ立場ならそう思う。だが、僕は君に生きていて欲しい」

提督「僕が君の生きる希望になる! 僕を信じてくれ……僕の為に生きてくれ!」

如月「あ……ああっ……はい……!」提督の胸に顔を埋める

如月「わ、私……司令官……うぅっ……あぁっ……」グスッ

提督(僕は……もう、迷わない)

----------------------------------------------------------------------
如月の好感度+3(前レス+今回、現在値8.5)

艦娘たちのために生きていく決意を固めた
勇気+10(現在値59)
知性+10(現在値46)
仁徳+10(現在値57)
魅力+30(現在値40)
89 : ◆Fy7e1QFAIM [sage]:2014/08/08(金) 16:26:39.58 ID:ceq9D4BgO
///////全部チラ裏///////

ああああああああああああもうだめだ、おしまいだああああ
助けてくれ、どうしてこうなった

なんでこんな展開に……(お前が用意した展開じゃろがい)
風呂敷広げ過ぎると後々爆死するということはわかっていただろうにのうワグナス
ここでコンマイベントが発生してしまったがために今後の展開は再構築し直します
というわけで今日の投下はスットプするでよ
発生していなければもうちょっと書き進め易かったし構想通りの展開で進めていくつもりだったんだけどしょうがない
EDもきっと今>>1が考えてるものとは変わったものになるでしょう

もうアレだ。うん、改二的なアレだ。
でも主人公をここまで強化するということはこの先にさらに過酷な運命を用意しなければならないのであってうんぬんかんぬん。
まぁ魅力 30でも納得出来るかなと思って大盤振る舞いしたけど今後は多分ない

あとアイヒョーンからだと半角プラスとか投稿出来ないっぽいね。ちい覚えた
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/08(金) 16:32:14.91 ID:8EABiul+O
チラシの裏って量じゃねーぞ!w
序盤が終わって中盤へって所でイベントは必須だよね
如月ちゃんがグッとヒロイン化したのでこれからに期待
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/08/09(土) 21:12:02.86 ID:JADSCG9W0
取り敢えずsagaを入れよう、艦これだと度々引っかかるから
こんな風に
92 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/12(火) 21:03:34.29 ID:HLMliGRu0
明日午前2:00頃投下します。時間が時間なので安価とかコンマとかそういうのはありません。
長い休みって昼夜逆転しますよね。ダメ人間だね、そうだね。

>>91
過去の投下見返したらsagaって入力したつもりがsageってなってるのが結構多くてアレでした。
そしてsagaとsage併記できるのは知りませんでした。
以後気をつけます〜。



///チラ裏///
E-1突破しました。二軍だけじゃなく主力艦何隻か連れてきたのにボス到達率7割ぐらいなのが泣けた。
戦艦入れたからボスまで辿り着いたら確殺だったけどね。
ただ榛名改二入れたのは後々のことを考えると戦略的ミスかも。
E-5まで突破出来ればいいや勢なので平気だとは思うけれど……。三正面作戦? 何それおいしいの?

各資材はまだ20000切ってない(むしろ増えた)けどバケツが210→190になったのが辛い。
まさか初っ端からバケツ20も使うと思ってなかったから苦しみがある。
93 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/13(水) 02:38:26.84 ID:PQ0ETDFH0
投下しますにょ。
といっても1レス分しか出来てないです。
でも現在進行形で書いてます。とりあえず今回はちょうど今書いてる分までの投下を予定しております。
94 :【26/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/13(水) 02:55:57.58 ID:PQ0ETDFH0
皐月「司令官。お・は・よ!」ベッドで寝ている提督の上にのしかかる

提督「ん〜……おはよう」

皐月「さ、ご褒美ご褒美♪ ほら早く服着替えてっ」

提督「あ〜、そうだったね。分かった分かった。着替えるから退いて」

・・・・

提督「ご褒美ってこんなんで良かったの? せっかくの休日だし、外出許可取っても良かったんだよ?」

皐月「いや、これで良いんだ。司令官と話をする時間が欲しかったからね。こうやって晴れた穏やかな海を眺めながら話をするのも良いじゃないか」

提督「まぁ……皐月がそれでいいなら構わないけど。ただ演習でのあの活躍ぶりのご褒美としてはちょっと足りないんじゃないかなと思っただけで」

皐月「良いんだよ。最近の司令官は特に忙しそうだったからね。むしろこっちが申し訳ないぐらいだ」

提督「んー、実はそんなに忙しくないんだよ。こないだの大規模作戦みたいなのが来れば話は別だけど、日々の執務でやるべき事はそんなに多くないんだ。直接の仕事とはあまり関係ない事に時間を割いてる方が多いかな。
僕にはまだ知らないことが多すぎるんだよねぇ……もっと知らなければならないんだよ。君たちについて、深海棲艦について、この戦いについて……」

提督「前任の提督が残した手記や資料が見つかったんだよ。それらに目を通してるんだけど、一つの単語を理解するのにも時間がかかる始末でね〜……。
どうにも僕が知らない闇が、誰も知らないような闇が隠されている気がするんだよ、この戦いそのものにね。それを知った所で僕に何が出来るかは分からないけれど」

皐月「……司令官。何か悩みがあるよね? 一人で抱え込むのは悪い癖だよ」

提督「そういうわけじゃないんだが……ただ、君たちにも話せないようなことがあることは事実だ。いずれ話す時が来るかもしれないが、僕自身、まだ分かっていないことが多いから、今はまだ」

皐月「電には相談していないのかい? 秘書艦でしょ」

提督「いや、電には……特に話せない。未だに僕は、動揺してる。でも、なんとかしなきゃっていう気持ちばかりが逸ってしまって……今すぐ何かが出来るわけじゃないんだけどね」

皐月「ボクに聞かせてよ。……ボクも、話を聞いたところで司令官の力になれるかどうかは分からないけど。でも、司令官の力になりたいんだ」

提督「…………」

・・・・

皐月に数日前の如月の話をした。艦娘は轟沈すると深海棲艦になるということ、前任の清浦中将と如月の関係、そしてこの工廠には深海棲艦となった電の姉……雷が居ることを。

提督「艦娘が深海棲艦に対抗しうる唯一の兵器だということは分かってる。ただ、僕は、君たちにこんな残酷な結末しか用意されていないことが……許せないんだ。
ただの義憤だ……ただの自己陶酔だ……君たちが沈んでも僕は悲しくなるだけで、僕が死ぬわけじゃない……そう、頭では理解している。僕のことを冷酷な奴だと見下すかもしれないけど、最近はずっとそんなことを考えている」

提督「でも、君たちがこんな残酷な仕組みの中で生かされていることが僕には納得出来ない。君たちは兵器かもしれないが、僕は君たちのことを完全に兵器だと割り切ることが出来ない。
君たちだって、自分のことを使い捨ての兵器だと思って戦っているわけじゃないだろ」

提督「僕は君たちを救いたい。それが僕の願いだ。たとえどんなことがあっても君たちを……」

皐月「司令官……ボクはね。司令官にそんなことを言って欲しくはない。そんな悲しい顔をしながら話す司令官を見たくない」

提督「皐月……どういうことかな?」

皐月「近頃の司令官は……どこか変わったよ。遠い目をしながら、何かを思い詰めたような真剣な顔をして。僕や磯波が話しかけても、うわの空で」

皐月「司令官は……ボクたちの為に命を捨てるつもりじゃないのかな……いや、今そのつもりはなくても、いずれそうなりそうで。少し怖いよ」

皐月「磯波とも、話をしてたんだ。最近、特にここ数日の司令官は様子が変だって。まさかここまで深刻な話だとは思わなかったけど、何か悩みを抱えていて、どうにかしようと必死なんだって」

皐月「ボクたちの為に自分を犠牲にしようとしているなら、もしその覚悟を決めているなら、それは……それはやめて欲しい」

皐月「ボクの辿る道が解体か、深海棲艦になるか、どうなるかは分からない。でもね、ボクは、そうした現実を知ってなお、前のように他愛もない話をしてた頃の、ちょっと抜けてるけど優しくて明るい司令官であって欲しいと思う。
令官がボクたちのことを大切に思っているように、ボクは司令官のことを大切に思ってる。ボクは司令官の笑顔を守りたいんだ」

皐月「その為にボクは戦果を上げ続ける。ボクは司令官の為に、どんな作戦でも成功させてみせる。誰よりも強くなってみせる。でも、それはボク自身を犠牲にして叶えたい願いじゃない。絶対にボクは沈まない。艦隊の誰も沈ませない」

提督「皐月、君は強いな……精神的にも……」

皐月「司令官はさ、少し深刻に捉えすぎだよ。確かに司令官の言うとおり、艦娘の末路は悲惨な道しか残されていないのかもしれない。でも、それはこの戦いが続けばの話だ。
ボクがこの海の全ての深海棲艦を倒せば、それで済む話だろ? ま、ボクじゃなくてもいいけどさ」

皐月「司令官が不安なら、ボクが司令官の希望になるよ。司令官が挫けそうなら、ボクが司令官に希望を見せてあげる。この先にどんな試練が待ち受けていても……ボクは司令官と共にあるから」

皐月「ボクで不満なら、他の子だっているからさ……。きっと、皆司令官のことを大事に思ってる。司令官がボクたちのことを想ってくれているようにね」

皐月「だーかーらー司令官はもっとラクにしてて良いんだよ? むぎゅー」提督のほっぺをつねる

提督「皐月……頼りになるな……君は。心配してくれてありがとう、話したら少し気分が落ち着いた」
----------------------------------------------------------------------
皐月の好感度+2(現在値8)
95 :【27/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/13(水) 04:18:57.37 ID:PQ0ETDFH0
大佐さんへの面会のための願書を書いてから数ヶ月。何かの手違いで受理されていなかったのかと、再び願書を書こうとしていた矢先だった。

電「司令官さん。三雲大佐という方が、面会に来ているのです」

提督「大佐さん? おかしいな、事前に連絡が来るはずなんだけど……。とにかく会ってみよう」

・・・・

提督「大佐さん、お久し振りです」

朝潮「三雲大佐、ご無沙汰しております!」

大佐「やぁ、久しぶりだね。そっちの子は秘書艦かな?」

電「電なのです。よろしくお願いします」

提督「知りたいことは色々ありますが……まず、なぜ突然僕のもとへ訪れたんですか? 願書を出したから、事前に連絡ぐらい来ると思ってたんですけど」

大佐「あぁ……じゃあその辺の話からするかな。一通り説明をするから聞いていてくれ。少し長くなる」

提督(大佐さんがこういう口ぶりをするってことは、話し終わるまで口を挟まないでくれということだな……)

大佐「まず、今まで君に会えなかった理由はだね。私は大本営の連中から目をつけられている。恐らく私は……次の海域攻略作戦が終わった後、軍法会議にかけられ死刑になるだろう」

大佐「私はね、クーデターの嫌疑をかけられている。ま、クーデターを企んでいることは事実だがね。全ての証拠を抹消しているから証拠不十分で立証出来んはずなのだが……。
連中が遂に業を煮やしたのか、私とは全く関係ない別件の不祥事を私がやったということにして、始末するつもりらしい。もっとも、それをするのは海域攻略作戦終了後になるだろうが。
あの海域を私以外の無能が攻略することは出来んだろうしな」

大佐「とまあそんなわけで、君とも簡単には会えない状況だったんだよ。君まで目をつけられるようになってしまっては困る。
君が私に会うための願書を申請したという事や、君と私の関係性、その他君に関する過去の経歴の抹消・偽装……紆余曲折あって会えるのに時間がかかってしまったんだ」

大佐「……で、私が君なら、年齢や名前などを偽装してまで君を提督にした理由か、私がしようとしているクーデターの内容について聞くと思う。
なので、説明しよう。まずは前者について説明する。君にこの鎮守府の提督として着任してもらった理由について話す」

大佐「かつて君に提督として海軍で働くように提案した時があったと思うが、あの時の私は相当切羽詰った状況にあった。
うまく切り抜けられたからこうして首の皮が繋がっているものの、下手すれば養子である君にまで危険が及びかねない状況だった。
だから、君の経歴を隠し、かつ、私から距離を離す必要があった。提督にならないかという話は冗談に近かったがね」

大佐「君が他の道を望んでいれば、コネを使ってどうにか誰かに引き取ってもらう予定だった。だが、君は私の力になってくれたいと言ってくれた。
また、君の力ですら借りたいほどの状況が近づきつつあった。私としても苦渋の決断ではあったが、君にここで働いてもらうことにした」

大佐「……君の顔を見るに、相当苦労したようだね。何も聞かなくても目を見れば分かる。君にほとんど説明しておかなかったのは、私の失敗だったな。私の想定では、君はここまで成長する予定ではなかった。
息子に向かって言うようなことではないが、君のことだからいざ提督になったものの、よく分からないまま漫然と数ヶ月ぐらいは過ごしてくれるだろう、ここまで指揮官として力をつけることはないだろうというのが私の見通しだった。
この鎮守府は他所と比べて敵襲も穏やかだし、基本的に君には再び私と会えるようになるまで平穏な日常を送っていてもらう予定だった」

大佐「……1-3作戦、1-4作戦は完全に想定外だったな。人の動きは読めても深海棲艦の動きまでは読めん。1-3作戦の時は南条中佐……ええと、あの時は妙高型の重巡洋艦を指揮していたかな。
彼に増援として向かわせたが、1-4作戦では一切手助けが出来なかった。1-3作戦は事前に情報を得ていたが、1-4作戦は緊急の指令だったようで、情報が私の耳に入った頃に君はもう既に出撃していた。
よくあの無謀な作戦を遂行したな。私的な感情抜きにしても、軍人として敬意を払えるよ」

提督「運が良かっただけですよ。本当に……あれは運が良かった」

大佐「だが、艦娘の命を守ることを真剣に考えていなければあんな策は思い浮かばんよ。分の悪い賭けではあったが……誰も失わない方法ならあの作戦以外選択肢は無かっただろう。
結果として誰も失っていないわけだし、誇っていいだろう。その前の1-3作戦も見事だった。本来ならこうして私と再会してから君に提督としてのイロハを叩き込むつもりだったが、もはやその必要性はなさそうだな」

提督「いくら敵襲がほとんど無く支援に回ることが多いこの鎮守府といえど、士官学校に通ってすらいない僕が指揮を執るのはおかしい気がします。どうして僕を選んだんでしょうか? ……話の途中ですみません」

大佐「いや、良い質問だ。そのことについても触れようと思っていたのだが、どのタイミングで話そうか迷っていた。じゃあ、そのことについて少し話そうか」
96 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/13(水) 05:44:57.28 ID:PQ0ETDFH0
ア・・・・ゴメンナサイ・・・・
力尽キマシタ・・・・
寝マス・・・・
起キタラ続キ書キマスンデ何卒・・・・
97 :【28/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/13(水) 12:19:12.08 ID:PQ0ETDFH0
大佐「結論から話すと、士官学校の連中はほぼ全員使い物にならない。……小学生の頃に打った注射を覚えているかい? 国民予防接種という名前だったかな。あれには超小型のマイクロチップが埋め込まれている。
注射によって体内に入ったマイクロチップは循環する血液内に紛れ込み脳に留まる。マイクロチップによって注射された人間の脳波をコントロールし、危険思想等を未然に防ぐ……らしいな。
SFのような話だが事実だ。そして、海軍士官学校に入る連中は全員再びこの国民予防接種を受ける。子供の頃に受けたやつよりもより強力で、具体的に脳を支配出来るものを埋め込まれる」

大佐「少し脱線するが、子供の頃の国民予防接種によって埋め込まれるチップは、人によって全く効かないらしい。
というか、子供の頃は脳が成長過程であり、あまり強力なチップを埋め込むと発達障害を引き起こす恐れがあるため微弱なものしか使えず、
また、年齢の成長とともに脳の構造が変化していくためチップが機能し辛いらしい。ま、大人になると軍人だけでなく公務員や大企業の社員もこの国民予防接種を受けることになるんだがな。
大人になると脳の形成が完了しているため、このチップの効力が高まる。その気になれば記憶の改竄や具体的な行動の指示も出来るらしいな」

大佐「脱線ついでに、もう一つ話しておくか。このチップは艦娘にも埋め込まれている。これは脳にとって非常に強力な影響を与えるマイクロチップだ。
このチップを埋め込まれた女性は、従来の人格とは別に艦娘としての人格を持つようになる。この艦娘としての人格は、与えられた艤装によって決定される。
艤装は第二次世界大戦の時代に活躍した艦戦になぞらえて生成された武装だ。その艤装の情報をチップが読み取って艦娘としての人格が形成される。
艦娘となった女性は、この『艦娘としての人格』に人格を支配されるが、解体され自分の艤装を失った場合、『艦娘としての人格』情報の全てが抹消され、従来の人格に戻る」

大佐「艤装を失った元艦娘は再び一般社会に復帰することになるのだが、艦娘であった期間の記憶は残っていないし、人によっては後遺症が残ったり精神障害を患ったりすることがあるようで、表沙汰にはなっていないが問題になっている。
艦娘自体この海軍内でも少佐以上の人間しか知らない極秘兵器だから、世間では局所的記憶障害なんて言葉で片付けているらしいがね」

大佐「話がそれてしまったが、チップを埋め込まれていない人間を潜り込ませておく必要があった。
君に会うのにここまで時間がかかった理由の一つに、政府が管理するデータベースから君が子供の頃に埋め込まれたチップの発信していた情報を削除するのに手間取った。ここまでいいかな」

大佐「で、私のこれからに関する話をする前に……何かまだ質問がありそうだね、聞こうか」

提督「ここの鎮守府の前任である故清浦中将について、ご存知ありませんか? 中将の遺した手記に三雲大佐という記述があったもので……」

大佐「清浦か……。彼は私の幼馴染であり、海軍で唯一の友人だった。アイアンボトムサウンドでは共に戦ったよ……。彼はあの戦いで多くの犠牲を出しながらも戦果をあげて中将になった。それからは縁遠くなってしまったな……。
私なんかより比較にならないほど聡明な奴だったが、情に篤すぎたんだろうな……。自責に駆られて頭をやられてしまったんだろう」

提督「中将が大佐さんのために残したものがあるようです。後で見てもらえますか?」

大佐「(今じゃまずいのか?)……今更だが、大佐さんはやめよう。大佐は他にも居るしな」

提督「大佐さん本名教えてくれないじゃないですか。親戚で義理の親のはずなのに大佐さんは謎が多すぎるんですよ」

大佐「本名などとうに捨てたよ。とりあえず三雲で頼む。分かってると思うが私が義理の親だという話はするなよ? 今はそうじゃないということになってるんだからな。
君のことは今でも実の息子のように思っているが、立場上は赤の他人になるということを覚えておいてくれ」

・・・・

それから、昼食を摂ることになり話は一度中断された。昼食後、電と朝潮を解散させ、三雲大佐と工廠奥の部屋へと向かった。

大佐「これは……」

提督「清浦中将がかつて艦隊に加えていた艦娘だった……今は深海棲艦となった存在です」

大佐「詳しく聞かせてくれ」

僕は、三雲大佐に如月から聞いた事を話した。

大佐「そうか……確かに轟沈した艦娘は深海棲艦になる。だが、実際に深海棲艦となった艦娘を拿捕し、研究していたのは驚きだな……。しかし、彼が精神を病んだのも頷けるな、これは。
このおびただしい量の手記は、この水槽に居る深海棲艦となった彼女や死んでしまった他の元艦娘を救いたい一心で行った研究の記録なんだろう、常人にはここまで書けんよ。……惜しい男を亡くしたな」

大佐「せめて私が居てやれれば……いや、そんな程度で彼を救うことは出来なかったか。しかしこの水槽や手記を君以外の人間に発見されていたら大変なことになっていたな。
沈んだ艦娘が深海棲艦になるという事実は、私や清浦といった前線で戦っている者の中でも実際に深海棲艦となった元艦娘と邂逅したことのある、極めて少数の人間しか知らない情報だ。
上層部の人間はオカルトだと思い込んでいるが、な」

大佐「この手記が知れ渡れば、対深海棲艦への研究は進むことだろう。だがそれは、倫理に反する艦娘への実験が行われる危険性も孕んでいる。
いや、行われるだろう。清浦の手記では、深海棲艦の習性等の研究については書いてあっても、轟沈した艦娘がどのように深海棲艦になるのか、実際に意図的に沈めてみるなどといった非人道的な実験はついては行われていない。
だが、上の奴ら、いや、士官学校の連中も含め、海軍にいるほぼ全ての人間は艦娘を道具としか思っていない。そういう風に考えるように脳を支配されているからな」

大佐「清浦のような超例外も居なくはないがな。だが、上の連中がその気になれば人格だって書き換えてしまうことが出来る。恐ろしい話だな」
98 :【29/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/13(水) 13:59:46.92 ID:PQ0ETDFH0
大佐「さて、私が行おうとしているクーデターとは、まず、政府のマイクロチップの情報を管理しているコンピュータを破壊することだ。
このコンピュータを破壊することによって、艦娘は自分の意志を持つようになり、上官の指示のままに動く道具でなくなる。
その後私は自由になった艦娘とともにこの国の各所にあるマイクロチップへデータを送受信している施設を破壊する。
これで全国民と艦娘の脳の支配を無効化し、私を中心とする新たな政府・新たな海軍を樹立する」

提督「これは僕の主観は除いた意見なのですが、艦娘が自由意志を持つようになったら、それはそれで問題が起きると思います……。
艦娘が自由意志を持ったら、大佐の思惑通り動いてくれるという確証はなくなるかと。それに、もし艦娘に武装蜂起されたら人類は対抗する術がなくなると思いますが」

大佐「その通りだ。だが、前者については問題ない。チップによる脳の支配を解消してやり、その事実を広く知らしめれば私は大衆の支持を得ることができる。
艦娘だって私のために自らの意志で動いてくれるだろう。後者については……その可能性はあるだろうな」

大佐「だが私は、もし艦娘が人類に反旗を翻すことが起こるとするならば、それは人類が淘汰されるべき時が来たということだと考えている。
母体となっていた人間の意志を強引に乗っ取り、兵器としての人格を植えつける。そして彼女たちを使い捨ての道具のように消費していく。
人類、とりわけ私たち提督は、国防のためという大義名分を隠れ蓑に自分たちの欲望のためだけに艦娘を利用していたようなろくでもない連中だ。報復されても文句は言えんだろう」

大佐「と、私の主観は置いておいて、艦娘が蜂起する可能性は低いとみていいだろう。彼女たちは強力な武力を持っているが、逆に言えばそれだけだ。
脳は人並みだし、彼女たちとて不死身ではない。メンテナンスを怠れば力も衰える。妖精の力を借りるにも、その妖精のエネルギーの供給源は人間から提供されている。
人類の母数が減れば当然妖精の絶対数も減る。妖精の数が減ってしまっては彼女たちは自分自身を維持できなくなる。……一種の食物連鎖みたいだな」

・・・・

大佐「……少し近現代史の話をするか。20世紀に第二次世界大戦で敗戦した日本は、紆余曲折あって復興するも21世紀初頭から中期にかけて、人口の減少や国力の低下に悩まされることになる。
そこで発明されたのが、妖精というものだ。私も詳しい原理は分からんが、この妖精は人間の多幸感、夢や希望といった、プラスの精神エネルギーを糧に行動したり増殖したりする。
この妖精が発明されてから世界情勢は一変した。妖精は人類に対し、無限に近い労働力を提供した。かつて人間が行っていた労働は全て妖精が担うようになったため、
人間に労働の義務を課さなくても社会が成立するようになった。食糧問題・エネルギー問題が破竹の勢いで解消していき、国民が物質的に豊かになったため領土問題や国家間のいざこざも激減。
労働に縛られることのなくなった人間たちは、みな己の幸福追求のために活動するようになった。……遥か昔から人類が渇望していたユートピアが実現したのだ」

大佐「ここまでが21世紀後期の話だ。ここまでは良かったんだ。しかし、21世紀の世紀末が近づくと、少しずつ状況は変わっていく。
妖精によって労働を奪われ、かつ自分にとって何が幸福か見出せない人間による自殺が起き始める。また、人の平穏や幸福を邪魔することだけに生き甲斐を感じるようになった哀れな者による、テロ行為も多発する。
どうも人類は世紀末が近づくと定期的に世界を滅ぼしたくなるらしいな。そして、2099年に、その破滅願望は満たされることになる」

大佐「突如地球の周回軌道上にある存在する人工衛星のほとんどが機能しなくなり、国家間での情報伝達が滞った。次に、旅客機や貨物機の墜落事故が多発するようになった。
それから間もなくして、各地に深海棲艦が出没するようになった。深海棲艦には従来のあらゆる兵器が通用せず、人類は成すすべもなく滅ぼされていくだけかに思われた。
絶望的な状況によって人類の希望は奪われ、その影響で妖精の数も大幅に減少。妖精に支えられていた社会制度は瓦解し、人類は再び餓えの苦しみを思い出す。生命を脅かされる恐怖を思い出す」

大佐「そこで生まれたのが君の脳にも埋め込まれているマイクロチップだ。このマイクロチップで、深海棲艦に関する記憶を抹消し、国民の多くから恐怖を強制的に拭い去った。
思想を統制し、国家のために尽力するように洗脳していった。洗脳した国民や、生き残りのごく僅かな妖精を使って誕生した深海棲艦に対抗する唯一の兵器が艦娘だ」

大佐「私が生まれたのはちょうどその時期だった。私は様々な幸運に助けられ国民予防接種を受けないままこの歳まで生き永らえているがな。
私の世代だとまだ国民予防接種制度……いや、マイクロチップ制度の導入にゴタゴタしていた時期でな。
もっとも、制度が固定化されてからは職に就けばこの注射を打たれるようになった。私と同じかそれより上の世代の人間でもこの注射から逃げられた人はそう多くはないだろうな」

大佐「と、私の話はさておき、艦娘が誕生してから数十年経過し、人口は減少しつつあるものの妖精の数は少しずつ回復傾向に。
艦娘を運用し深海棲艦を倒すための機関である海軍のシステムも安定化し、現在に至るというわけだ」
99 :【30/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/13(水) 15:55:31.10 ID:PQ0ETDFH0
大佐「これはあくまで私の妄想であり、何か裏打ちされた情報があるわけではないが。
私はね。深海棲艦は、人間の持つ破滅願望が呼び寄せたものだと思う。
マイクロチップの発明も、人類にDNAレベルで埋め込まれた奴隷意識……自主的な行動を否定し、支配者への服従を第一とするような思考によって生まれたものだと思う。
いかなる発明もその需要がなければ生み出されない。需要がなければ生み出されたところでそのまま風化する。
マイクロチップがここまで流布したのは、人類にとって需要があったからだ」

大佐「これはチップの力で国民を支配したいごく少数の支配者のために生まれたものじゃないと私は考えている。
勿論、現実としてそのための道具として使われているが、マイクロチップが導入されてから自殺が激減した。
思想を統制されているとはいえ、自分を死へと追い込むような強い衝動までチップで制御することは出来ない。
にもかかわらず自殺が激減した理由は、人間の多くは奴隷のように生きることを望んでいるのではなかろうか」

大佐「だが、それでも私はそうした奴隷としての生き方は人類のあるべき姿ではないと思う。全ての人間は自由意志を持って生きるべきだ。
そうやって生きていけるように教育していくのが、生きる意義を見出せない人間に対しても自分なりの生き方を見つけることの出来るように支えていくのが、
それが正しい社会のあり方だと私は考えているし、私はそれを実現するつもりでいる。
私の使命はこの国の人々を支配から解き放ち、全ての深海棲艦を打ち倒すことだ。私はその為に生きている」

大佐「……私はもう、そう長くはない。勘の良い奴に狙われてしまって、私の一挙一動は監視されている。
こうして君に会うのにも相当苦労したぐらいだ。だから、君に私の意志を継いでもらいたい。私に代わって、艦娘を救い、人々を支配から解放し、深海棲艦を打ち倒すのだ」

提督(『ボクたちの為に自分を犠牲にしようとしているなら、もしその覚悟を決めているなら、それは……それはやめて欲しい 』)

提督「大佐さん……いえ、三雲大佐。大佐の仰っていることは理解できたし、その意図も分かりました。
ですが……今の僕には、大佐の考えを全面的に支持することは出来ません。
僕は貴方の理想のために命を賭けるわけにはいかないし、貴方がこうして自分の理想のために命を捨てるような道を歩んでいたことにも納得が行きません。
僕を引き取ってくれたご恩はありますが……すみません」

大佐「それはそうだろう。私がこれまで見てきたものを君は知らんだろうし、そういう反応をするだろうと思っていた。それでいい。
だがな、私はもはや後には引き返せない。それに、人は自分の理想や願いのためなら喜んで死ねるものだ。私とて例外ではない」

提督「僕は、人間に命よりも大事なものがあるようには思えません……」

大佐「君は何のために生きている? ただ生きているだけの人生に何の価値がある?
寿命が来るのを待つためだけに生きているのか? 人間は意志なくしては生きていけない。
私は自分の意志で、私なりの理想を実現するために生きている。その為なら、私はどんなことでもする」

大佐「……今君に理解してもらう必要はない。だが、布石は敷いておく。私は君がやがて私の意志を継ぐと賭けている。
もう準備は粗方出来ている。各地の監視の薄い鎮守府では、既に私の理想に賛同する人間や艦娘を配置してある」

大佐「時期的には1年後になるか。その頃に、各地で叛乱が起こることになっている。君がその指導者になれば、多くの者が君の側につくだろう。
もう既にそういう風に根回ししている。私の意志を継ぐならば君しかいない。私は君の為に打てる手を尽くしておく」

提督「なぜそこまで僕を動かそうとしているのか、分かりかねます」

大佐「いや、私は君を私の手足として動いてもらおうとは思っていないし、そんなことを望んではいない。私は君を私の奴隷にするつもりはない。
だが、いずれ君は自ずから私の意志を継ぐようになる。君の成長ぶりを見て、私はそう確信した。
君ほど艦娘を想っている人間はこの海軍には居ないよ。君ならば、きっとこの闇を振り払ってくれると信じている。
だからこそ、将来の君の為に私は布石を敷いておく。君がこの世界の希望になるのだ。私が成し得なかった望みを果たしてくれ」

提督「…………」

大佐「今はまだ、私に言っていることが分からなくてもいい。私の考えに同意できなければそれでもいい。君の信じる道を行け。君が正しいと思う生き方を選んでくれ。
君は君らしく生きてくれれば私はそれで構わない」

大佐「私は私の思うように生きるし、君は君の思うとおりに生きろ。君の歩む道の先に幸せがあることを祈っている。では、そろそろお別れだ。もう会うこともないだろう。朝潮にもよろしく言っておいてくれ」

・・・・

提督「今まで、お世話になりました。……未だに混乱してるけど、僕は大佐さんに会えて良かったです。恩義を抜きにそう思います。今日の話は僕の中でまだ納得出来ていませんが、それでも、貴方を尊敬しています」

大佐「ああ、私も君に出会えて良かった。最後に成長した君の姿が見れて良かった。さらばだ」
100 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/13(水) 16:02:19.20 ID:PQ0ETDFH0
投下ここまで。

設定語りなっげーよ! もっと小出しにするとかうまい手は無かったんかと。
自分で書いててこれもう分かんねえなとなる始末……反省。
とりあえずこんな感じの土台からあれやこれや流れを作っていくよ。
(初期の構想から大幅に外れているので結構試行錯誤しながら進めてます)

ぶっちゃけ自分でもこれから話がどうなっていくか分からなくなってきた、ヤバイ。
とりあえずここから先はこういうめんどくさい話は減って艦娘が活躍したりするようになるんじゃないかな。



///チラ裏///
さぎょいぷは 効率悪い やめておけ(よみ人しらず)
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/13(水) 18:05:08.56 ID:lByvEyMj0

この世界観説明がもうちょい短かければ読み易いんだが…
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/15(金) 01:53:34.46 ID:FhV/oIl/0
失礼だとは思うが意外と重厚だった設定に思わずワロタ
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/15(金) 02:02:19.55 ID:FhV/oIl/0
途中送信しちまった、要するに

BALLSじみた作業機械・妖精によって人類は黄金時代を築いたが同時に破滅願望も発生
破滅願望の具現として深海棲艦が出現、対処療法として政府は思考を操作するマイクロチップを流布
主人公の恩人はそれが気に入らないのでクーデターを起こすが死にそうなので主人公に引継ぎを頼む、ついでに深海棲艦も倒して☆

ってことでいいよね?
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/15(金) 04:31:09.31 ID:UPTZ7VSAo
乙 昔のアメリカ映画の「禁断の惑星」って映画思い出したわ
105 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/18(月) 02:46:23.80 ID:cjnecbb00
次の投下は本日の21:00頃を予定しております。
とりあえず頭を使わなくても問題なく読める感じのパートに突入するはずですのでご安心を(ぉ
どうでもいいけどこの『(ぉ』に古代インターネッツのかほりを感じますね。



///以下チラ裏という名の盛大な言い訳なので見たくない人は見ない方がいい///
ちゅ、忠告はしたからな……。例によって本編にはほぼ関係ないです。

27-30レス目の話は皆さんの考えてるような感じで正しいです。
いやーちょっと詰め込みすぎたかなあと後悔しております。
ここでライトノベルとかゲームとかだったら固有名詞がたくさん出るような感じになってたんでしょうけど、そこ本題じゃないんで……本題じゃないから3レス以内で収めてえや……とか詰め込んだらぐちゃぐちゃになりました。
まぁあんまり重要な部分ではないので訳わかんなかったら読み飛ばしてOKですです。

そう、いわば27-30レス目のあれやこれやは料理にたとえるならオリーブオイル。
分かるか分からないかぐらいのギリギリのラインでちょっぴり使用すると「おっ」となるアレです。
それを今回は何の考えもなく大量にダバァとぶち撒けてしまったのであー勿体無いなーみたいな感じです。
オリーブオイルをdisってるわけではないのでオリーブオイル教信者の方は各自別の例えで脳内保管して下さい。



だったら話の内容を分割して小出しにすればいいのにね。っていうね。
だがな! 世の中の伏線には二つの「型」が二つある。
一つ! 綿密に先の展開を考えた上でちびちび未来への布石としてチラ見せしていくスタイル。
そして二つ目! 片っ端から伏線っぽいものをブン投げまくって後から回収していくスタイル。
普通に考えれば第一の型が賢い選択だろう。だがしかし、ここで>>1は二の型を選んだのだ!
そう、全知全能の大天才である未来の自分ならば、奇跡的なまでに超絶な閃きを発揮して後からブン投げた伏線めいた謎のフラグを全部なんとかしてくれるんじゃないか! そう信じたのであった!!

……んなわけあらへんがな。
しかし既に予め練っていた構想にこの設定を混ぜ込んでちょっとずつブレンドさせていくのは破綻しそうで無理っぽいっていうかそもそも予め練っていた構想が今滅びかけてるし、
新しく構想を考えてそれに沿って作っていく……っていうのもまためんどくせーとかなって安易な選択をしたことは事実。
それっぽい設定は書いたけど全部が全部ストーリーに深く関わってくるとは限らないよ。
っていうか、どうなの? 死に設定じゃないんですか? どうなんですか先生。そこんとこどうなんすか先生。
ちなみに我々の業界ではこの二の型を「伏線地引き網漁」と言います。
言いません。今勝手に私が考えました。いやでもね、伏線地引き網漁もね、作品にプログレッシブなアトモスフィアをエンハンスしてなんかきっと非常にエフェクティブな感じになることもあるんだよ。多分ね。いやそんなことねえや。



なんかシリアスというか妙ちくりんな流れだったけど次回から突然茶番パートに入ります。
茶番というか、これ以上劇薬を混ぜすぎると収集つかなくなりそうなので、中和剤的な。
まぁほんのちょっぴり黒いこと書くと、なんかこれ以上うわーな展開ならばある程度絆が深まってからうわーした方がいいかな的なうわ何す(ry
あと今までの流れがカオスすぎたからここでちょっと小休止入れると需要的にもナイスか……どうなんだそこんところ、みたいな。
チラシの裏とはいえそういう打算的なことを書くのはアレなのでは。
チラシの裏だから>>1以外の天地宇宙万物の諸々は読んでないに違いないはずだから問題ないか。問題ないな(自己完結)


今日から仕事だし、しかも全く眠れないみたいな、そんな状況によるつらみが爆発して深夜のテンスョンでわけのわからないことを書いているけどあまり気にしてはいけないよ。
深夜テンションの、それもチラシの裏に書いてあることなんだから全部アテにならないTAWAGOTOですぞよ。おやすみ!
106 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/18(月) 20:58:51.58 ID:cjnecbb00
投下します。あ、投下前に一個補足。
提督の魅力値が人並みにまで上昇している状態ですので、如月の好感度上昇のマイナス補正は消えました。
如月の好感度の現在値は8.5ですが、端数があるとなんか嫌なので+0.5上昇させときます。

----------------------------------------------------------------------
皐月の好感度+0.5(現在値9)
107 :【31/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/18(月) 21:02:02.05 ID:cjnecbb00
提督「んーーーーーーー」

電「司令官、ヘンな声をあげてどうしたのですか?」

如月「久しぶりに随分間抜けな顔してるわねぇ」

提督「如月、君は極めて失礼だな。いやね、例の大佐さん、三雲大佐に会ったんだけれども……」

電「国民の脳に小型マイクロチップが埋め込まれてる……みたいな話ですよね。途中から電と朝潮は演習で離れちゃったからその先の話は分かりませんけど……」

如月「何よそれ? そんな陰謀論めいた話してたの?」

提督「うん、その話なんだけど……なんかもう、頭の中で整理できないまま訳わかんなくなっちゃってさー」

提督「考えてもどうにかなるようなことじゃないんだけどね。軽く説明すると……」カクカクシカジカ

提督「と、こんな感じ。僕もいまいち理解出来てないんだけどね」

提督「大佐がそのチップによる支配制度を破壊するためにクーデターを企ててるんだけど」

提督「大佐は命を狙われてて実現が困難な状況にあるから、僕がその意志を継ぐように、いや正確には、僕がその意志を継ぐように志した時のためにお膳立てしてるみたい」

電「司令官さんはもし三雲大佐が仰っていたように……大佐が処刑されてしまったらどうするつもりですか?」

提督「今のところは、どうするつもりもないかな。僕に何かを出来るかどうかも分からないしね」

提督「心情的にすごく複雑な感じだ。恩のある三雲大佐が死んでしまったら悲しいし、でも、チップがどうのとか言われても実感沸かないし……」

提督「今回ばかりは僕がどうにかできる話じゃないよなぁ。考えてもしょうがないという結論しか出てこなくて困ってる」

如月「結論が出てるならそれでいいじゃない。今特に動けることもないわけだし、出来ることがないなら仕方ないんじゃない?」

提督「そうなんだけどさー……そうだよなぁ」机に突っ伏す

・・・・

提督「(まずいなぁ……全然執務に集中できないぞ。やっぱり精神的に動揺してるのか?)」ボーッ

電「司令官さん。司令官さん」

如月「ほれっ」提督の口にクッキーをねじ込む

提督「んみゅっ!?」

如月「ふふふ」

電「あっ、如月ずるいのです! ……司令官さん、電のも食べて欲しいのです」

提督「あ、ああ。ありがとう。しかし、突然どうしたの」モグモグ

電「休日に、磯波に教えてもらって私と如月でクッキーを焼いたのです。本当はもっと作ったんだけど、艦隊の他の子にもあげたら減っちゃったのです」

提督「そうか。それにしても、いつの間に君たちそんな仲良くなってたの?」

如月「司令官がしかめっ面して一人で考え事してる間にじゃないかしら」

提督「ちょっと疎外感を感じるからそういう言い方はやめてくれないか」

電「司令官さんはもっと私たちとコミュニケーションを取った方が良いと思うのです……皆もっと司令官さんとお話したいと思ってるのです」

提督「……そうだねぇ。最近は色々なことがあってちょっと僕に余裕が無かったんだ。しばらく顔を合わせてない子もいるぐらいだもんなぁ」

提督(1-4作戦、如月から話されたこの鎮守府の過去、大佐の話……。僕にとっては強烈な出来事が常に押し寄せてめまぐるしく変化していたように思えた日々だったけれど、彼女たちにとってはさほど起伏のない日常だったのかもしれないな……)

提督(彼女たちから見て僕が思い詰めてるように映るのも、大規模作戦があるわけでもないのに忙しそうにしている僕のことを気にしてのことかもしれないな)

提督(彼女たちを守りたいだなんて言いながら、実生活ではほとんど気にかけてやれていなかったのは反省だな……)

如月「また何か考え込んでるの? 急に黙り込まないでよ」

提督「いや、確かに君たちとの会話を怠っていたと思ってね。すまないなと反省している」

電「……司令官さんともっと一緒に過ごせるように、電は皆と色々考えてみたのです」

電「そこで、……そ、そのぅ、これ言わなきゃダメですか。内容だけ説明すればいいような気が……」モゾモゾ

如月「秘書艦だし、それを言うのも貴方の仕事の一つよ。行きなさい電、貴方の本気を見せるのよ!」

電(なんか損な役回りが多い気がするのです……)
108 :【32/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/18(月) 21:06:54.76 ID:cjnecbb00
電「し、し、『司令官とドウセイカッコカリ』プロジェクト! な、なのです!」どこからともなくテロップを出す

提督「……」腕を組んで数秒考え込み

提督「よく分からんがとりあえずていっ」如月に軽くチョップ

如月「女の子に手をあげるなんてひどいじゃない。いじわる」

提督「僕も女の子にチョップしたのは初めてだよ。このなんかすごい倫理的にアレそうなアレは君が考えたんだろう? うちの秘書艦にセクハラしないでもらえるか」

如月「(語彙力……)な、名前は私が考えたけど、内容はちゃんと皆で考えたのよ?」

電「……コホン。私は他の子よりも秘書艦として司令官と居る時間が長いはずなのに、司令官のことはまだ全然分からないのです」

電「電が秘書艦のお仕事が終わった後、いつも司令官は私のことを部屋に帰らせるのに、司令官さんは残って執務室で文献を読み漁ったり資料を集めて回ったり……」

電「電は、あんまり司令官さんの力になれていないような気がするのです」

提督「いや、まぁ、秘書艦の仕事をしたり演習したり哨戒任務をこなしたりじゃあ大変かなって。僕に無理につき合わせて翌日に響いたら困るなって」

如月「私たち艦娘は、司令官が思ってるより案外タフなのよ? 気を遣いすぎじゃないかしら」

提督「う、うーん。そうなのかなぁ……。でも、電はちゃんと役に立ってるよ。頼りにしている」

電「ありがとう、なのです。でも、このままじゃいつまで経っても司令官の本心が分からないままな気がするのです。もっと司令官に近づきたいのです」

電「そして、それは他の皆も思ってることなのです。だから……」

電「今日から毎日、司令官さんと一緒に生活するのです」

提督「え、えー……それはどういうことかな」

如月「司令官と一緒にご飯を食べて、一緒に執務をして、一緒の布団で寝るのよ」

提督「はぁ」

如月「何よその淡白な反応は? お望みとあらばお風呂も……」

提督「ええと、電、如月に代わって説明頼む」

如月「うぅー……扱い酷くなぁい?」

電「概ね如月の言っている通りなのです。お風呂はちょっと恥ずかしいですけど、その、司令官がお望みとあらば……」

提督「さすがに部下にそんなことを頼んだらパワハラだよ。……同衾や風呂は冗談にしても、君たちが僕の一日を観察するという認識でいいかな?」

如月「観察て……かなりドライな言い方するわね」

提督「君の言い方がウェットすぎるだけだ」

如月「もぅー、司令官も好きなんだから……♪」

提督「……しかし、僕の一日を観察するにしても、君たちも演習や任務があるわけだから、休日でもない限り難しいんじゃないか? 正直休日はもっと有意義なことに使って欲しいよ」

如月(スルーされた……)

電「日替わりで艦隊のうちの一人が司令官と一緒に過ごすのです。任務なら5人でも問題ないのです」

提督「そうか。まぁ僕はいつも通りに過ごすだけだし構わないんだが……君や如月以外の子はそれを是としているのか? 満潮なんかは嫌がりそうな気がするが」

電「それについては問題ないのです。皆司令官さんのことを知りたがっているのです」

提督「僕のことを知りたいって……特に何か隠し事をしているわけでは……」

如月「司令官は鈍感なのねぇ」

提督「え? そういう意味なの?」

如月「(おっ食いついた)ご想像にお任せします〜♪」

提督「ふーむ、まぁいいや。冗談と解釈しておくよ」

電「じゃ、じゃあ『ドウセイカッコカリ』の許可を……」

提督「言わんでいいから! その、内容自体は許可するけれど、後で名前は変えておいてくれ。事情を知らない人からあらぬ誤解を受けそうだしね」

----------------------------------------------------------------------
電の好感度+8(前レス+今回 現在値23)
如月の好感度+4(前レス+今回 現在値13) ※>>106で皐月の好感度と書いてありますが、ミスです。如月の好感度です
109 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/18(月) 21:15:33.95 ID:cjnecbb00
ここでエクストライベントの判定いきます。
>>+2のコンマ値がゾロ目または13の倍数または23の倍数ならエクストライベント突入なのです。
(13,23,26,39,46,52,65,69,78,91,92またはぞろ目)

というわけで
>>+2
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/18(月) 21:16:13.76 ID:VszOxY1lo
えくすとらー
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/18(月) 21:16:39.57 ID:b0ZLXY8Bo
とうっ
112 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/18(月) 21:31:09.33 ID:cjnecbb00
結果が出ましたね。というわけで通常ルートで行きます……と言いたいところだが、君らにはもう一度エクストライベントのフラグを立ててもらう。
ってなわけでもう一回エクストライベント行きます。
ちなみに前回のエクストライベントとは別のイベントなのです。今流行りの二正面作戦ってやつです。

>>+1のコンマ値がゾロ目または8の倍数・13の倍数・18の倍数・23の倍数のいずれかならエクストライベント突入なのです。
(8,13,16,18,23,24,26,32,36,39,40,46,48,52,54,56,64,65,69,72,78,80,90,91,92,96またはぞろ目)

前回より発生率は結構高いが果たして……?
>>+1
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/18(月) 21:31:58.13 ID:b0ZLXY8Bo
せいや
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/18(月) 21:32:21.52 ID:VszOxY1lo
二兎追うものは・・・
115 :【33/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/18(月) 21:38:57.24 ID:cjnecbb00
コンマ値が13だったのでエクストライベントが発生します。(>>113より)
----------------------------------------------------------------------
提督「ふむ、で、例のアレの初日は電か」

電「一日よろしくお願いします、なのです」

提督「とはいえ、電とは毎日顔を合わせているから別段どうということもなさそうな気がするな」

電「今日は秘書艦の仕事はお休みしたいのです」

提督「えっ?」

電「秘書艦の仕事は、代わりに朝潮にやってもらうのです。……ダメですか?」

提督「い、いや、ダメじゃないが……朝潮なら問題ないだろうし、僕は構わないよ」

電「じゃあ今日は司令官さんのお傍で過ごすのです」

提督「は、はぁ……(なんか妙に慣れないな)」

・・・・

磯波「提督、おはようございます。朝ご飯ですよー」

提督「いつもありがとう磯波。いただきます」

朝潮「司令官! この書類はどう処理すれば良いんでしょうか」

提督「あぁ、それはだね……」カクカクシカジカ

皐月「おはよーしれーかん! 朝のトレーニング行ってくるから演習場の鍵貸して!」バタン

提督「りょーかい。ほらっ」鍵を投げる

皐月「サンキュー! よーし今日も頑張るぞー」

磯波「提督、今日はちょっといつもと味付けを変えてみたんですけど……どうでしょうか?」

提督「うんっ、美味しいよ。個人的には前の味より好きかな」

磯波「えへへ……嬉しいです」

朝潮「司令官宛に本部から電文が届いていました。ご確認を」

提督「おっと。どうせ大したことない内容なんだろうけど……分かった。目を通しておこう」

電(むむぅ〜……どうして今日に限ってこんなに賑やかなのです……?)

・・・・

提督「今日は珍しく朝からバタバタしてたな〜……」

電「ふぅー……やっと二人っきりになれたのです」

提督「えっそれはどういう意味なのカナ」

電「はわわ、今のは言葉の綾なのです。その、司令官さんとゆっくりお話するような機会が今まで無かったので、ちょっぴり楽しみにしてたのです」

提督「そっか。じゃあ、お話するかい? ……と言っても、改まって話すようなことは無いかなぁ」

電「じゃあ、司令官さんに質問なのです! 司令官さんは、ここに来る前は何をしていたのですか?」

電「三雲大佐の話を聞いた後、如月から司令官さんの経歴を聞いて驚いたのです」

提督(そういや朝潮と如月にしか話してなかったな)

提督「普通に学生だったよ。戦争……というか、その影響で起こった事故で両親が死んじゃってからは、大佐さんの元に引き取られて、その間はずっと学校に通ってなかったからほとんどまともな教育を受けてないんだけどね」

電「はわわ、ごめんなさい! 無神経でした……」

提督「あーいや、いいんだよ。ただ、この話は雰囲気暗くなるからよそうか」

電(司令官さん……一瞬悲しそうな顔をしたのです)
----------------------------------------------------------------------
電の好感度+4(現在値27)

ついでに他の艦娘の好感度もわずかに上昇した
磯波の好感度+1(現在値9)
朝潮の好感度+1(現在値8)
皐月の好感度+1(現在値9)
116 :【33Ex/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/18(月) 21:42:18.40 ID:cjnecbb00
夜の出来事

電「今日は司令官さんとたくさんお話できて良かったのです」

提督「そっか、それは良かった。……電気消すよ」パチッ

提督(まさか一緒に寝ることになるとは……さすがに布団は別々だが……ちょっと落ち着かないな)

提督「…………」

電「…………」

電「…………司令官さん」

電「司令官さんが、本当は士官学校を出ていなかったこととか、私とほとんど年齢が変わらなかったこととか、如月から詳しい話を聞いてすごく驚いたのです」

電「バレたら大変だからそんなこと言えないのは分かってます……でも。電には、打ち明けて欲しかったのです」

電「……司令官さんの秘書艦になれて、電は嬉しかったです。初めての艦隊で、経験のある他の子を差し置いていきなり秘書艦になれて舞い上がっていたのもあるけれど」

電「司令官さんのような優しい人のもとで働けて良かったって、心の底からそう思ったのです」

電「だからこそ…………って、わがまま、ですよね……」

電「今日はなんだか、司令官さんに、無茶なことばっかり言ってるような気がします。ごめんなさい……」

電「でも、もっと私に頼って欲しいのです……司令官さんのためになりたいのです……」
電「空回りしちゃってますよね……はは……」

提督「」電の側に近寄り、頭を撫でる

電「どうしたのですか……?」

提督「言うべき言葉が見つからなかったから……」

提督「『電はちゃんと僕の役に立っているよ』とか『そんなに想っていてくれてありがとう』とか『そんな思いをさせてすまない』とか『僕も頑張るから』とか……どれも言葉にするとなんか違うなって。これしか浮かばなかった」

提督「本当は抱き寄せようかなと思ったけど、嫌がるかなと思ってね」

電「ぁ……司令官さん……ぎゅって……ぎゅってして欲しいのです……」

提督「電……」ギュッ

電「司令官さん……ぁ……しあわせ……zzZ」

・・・・

提督(寝たか……)

提督(冷静に考えると、僕、部下にとんでもないことしちゃったんじゃないか……?)

提督(やましい気持ちがあったわけじゃないけれど、見る人が見たらアウトだよね……)
提督(あまり衝動的なことをするもんじゃないな……)

提督(とにかく、離れて自分の布団に戻ろう……)

電「しれー……かん……」ムギュッ

提督(…………もうちょっとこのままでいいか)

提督(あ……意識が……)zzz

翌朝電に会いに来た如月に発見され誤解を解くのに1時間かかった。
----------------------------------------------------------------------
電の好感度+4(現在値31)
117 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/18(月) 21:49:38.15 ID:cjnecbb00
本日はここまで。
エピソード的に美味しい方のイベントはきっちり発生させてるあたりコンマ取得の練度が高いですね。

【好感度まとめ】
電:31(好感度上昇+4) 秘書艦
皐月:9(好感度上昇+2)
磯波:9(好感度上昇+2)
如月:13(好感度上昇+2)
満潮:9(好感度上昇+2)
朝潮:8(好感度上昇+2)

誰がどう見てもヤバイぐらい数値が偏ってますが、ちゃんと後から他の子も平等になるようにゴリゴリ書いていきますのでご安心を。
秘書艦ボーナスが何気にえげつないですね。

///チラ裏///
こういうエピソードをニヤニヤしながら書くのが非常に楽しいです。傍から見ると大変キモいことでしょう。
それとは全く関係ないけどE-2超えました。おめでとう。ありがとう。なんかレンゴウカンタイとか言われてもわけわかめなのでwikiを見ながらどうにかしてゆきます。
118 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/19(火) 23:13:44.59 ID:75zdlKSK0
次回の投下は明日21時頃を予定しております。
----------------------------------------------------------------------

約1/3超えたということで、これまで読んでなかった人や過去分を読むのが面倒だという人向けに、色々と酷いあらすじを下記に用意しておきました。
パラメータが色々あったり安価やコンマがちょくちょく発生したり中々慌しいように見えるスレではありますが、
実際はそんなことはなく結構適当に進行していくので、時間がある時の暇潰し用コンテンツとしてスナック菓子を食べるような感覚でお読みください。
一応、完走(100レス分到達して完結)まではやり切るつもりなのでもしよろしければお付き合い願います。



これまでのあらすじ(ver0.33)
提督:しっかりしなきゃなー
電:好感度が一人だけ飛びぬけて高い
皐月:そんなことより戦闘しようぜ!
如月:紆余曲折あってデレた
朝潮:実は33レスまで進んでても未だに真面目ってこととパフェが好きってことぐらいしかよく分かってない
満潮:べ、別にアンタのことなんか(ryってなるほどデレるに至らないほど出番が来ないツンデレ
磯波:お前は新妻か

その他もろもろの流れ
提督「なんか突然提督になった」
提督「大規模作戦で何とかしたり艦娘が轟沈すると深海棲艦になることを知ったりなんやかんやあった」
大佐「話は聞かせてもらった! 人類は滅亡する!! 国民の脳内にマイクロチップが埋め込まれてたんだよ!!」※別に人類は滅亡しません
提督「な、なんだってー」
大佐「自分はもう死ぬのでお前なんとかしろ(丸投げ)」
提督「知らんがな」

提督「どうすっかなー俺もなー」
艦娘「構ってくだち(超意訳)」
提督「はぁ」
艦娘「ドウセイカッコカリ!」
提督「どういうことなの……」

※ 本編はこんなノリではありません














///チラ裏///
何が面白いのか分からないけど今日一日中頭の中から離れなかった謎のAAを貼って寝ます。

                                 ,.へ
  ___                             ム  i
 「 ヒ_i〉                            ゝ 〈
 ト ノ                           iニ(()
 i  {              ____           |  ヽ
 i  i           /__,  , ‐-\           i   }
 |   i         /(●)   ( ● )\       {、  λ
 ト−┤.      /    (__人__)    \    ,ノ  ̄ ,!
 i   ゝ、_     |     ´ ̄`       | ,. '´ハ   ,!
. ヽ、    `` 、,__\              /" \  ヽ/
   \ノ ノ   ハ ̄r/:::r―--―/::7   ノ    /
       ヽ.      ヽ::〈; . '::. :' |::/   /   ,. "
        `ー 、    \ヽ::. ;:::|/     r'"
     / ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
     | 答 |     ニ カ ラ グ ア       │|
     \_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
119 :【34/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/20(水) 20:35:39.82 ID:goPJzb3e0
朝潮「提督! 今日はよろしくお願いします!」

提督「ということは……今日は朝潮か」

朝潮「しっかりと司令官の動きを目に焼き付けておく所存であります!」

提督(なんか勘違いしてないか……? いやむしろこれが正しいのか……?)

朝潮「」ジーッ

提督「ど、どうしたのカナ? 僕何か悪いことしたのかな?」

朝潮「いえ、普段の任務の代わりとしてこうして司令官のお近くに居られる機会を与えられているのですから、出来る限り注視して今後の糧としようかと」

提督「(この子真面目なのか天然なのか分からんな……)見ているだけでは退屈だろう。折角だから僕が普段どんなことをしているのか説明しようかい?」

朝潮「ありがとうございます! ご指導ご鞭撻、よろしくお願いします!」

提督「いやいやそんなに畏まらなくていいから。というか、そこまで本格的にやらないから退屈しのぎぐらいの気持ちで聞いてくれて構わないよ」

・・・・

提督「これは資源に関する書類だね。資源の推移や今後の運用に関する取り決めを行う」
提督「それからこれは全体宛てに書かれた最前線部隊の戦況報告書。逆にこっちは現在の状況をお偉方に伝えるための報告書」

提督「……とまぁ、色々話していったけどこんな感じかな。実を言うと一日あたりの提督としての作業そのものは本気を出せば一時間で終わるぐらいの量しか無いんだよ」

提督「もっとも、それはここが僻地だからであって、もっと階級が高くて前線で戦ってる人ならそうはいかないんだろうけどね」

朝潮「では、司令官は執務が終わってからはどのように過ごされているのでしょうか?」
提督「こういう資料や書籍、論文に目を通している」ドスン

朝潮「膨大な量ですね……」

提督「ここの鎮守府はえらくボロいが、どういうわけか書斎だけはしっかりしていてね」
120 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/20(水) 20:37:36.07 ID:goPJzb3e0
フライング投下

そしてエクストライベント判定
>>+1(コンマの数値が6のつく数または60以上で発生)
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/20(水) 20:37:58.63 ID:sSbzjntNo
666
122 :【34Ex/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/20(水) 21:21:34.57 ID:goPJzb3e0
提督「対深海棲艦との戦術論や兵器に関する書物は勿論のこと、艦娘の生態に関する本なんかもあるんだよ」

提督「ちなみに、その本に書いてあったんだけど、艦娘というのは戦闘でMVPを取る以外にも、自分の好きなものを食べたり、自分の好きなことをしていると、戦意が高揚するらしい」

提督「戦意が高揚している状態で戦闘すると、普段よりも性能が上がる……トカナントカ」

提督「と、いうわけで、物は試しだ。今から間宮の所に行ってパフェでも食べるかい?」
朝潮「よ、よろしいのですか!?」パアァァ

・・・・

間宮「どうぞ」

提督「さ、召し上がれ」

朝潮「いただきます……んっ、美味しいです」パクリ

提督(すごい幸せそうな表情で食べてるな……)

朝潮「んぅ〜〜♪ ……はっ、すみません! 少し気が緩みました」

提督「いや、いいんだ。君が喜んでくれたなら何よりだ」

朝潮「こうして提督に奢ってもらうまで、今までこういうスイーツの類を今まで食べたことが無かったんですよ」

朝潮「ですから、少し舞い上がってしまって……申し訳ありません」

提督「いやいや、構わないんだ。ゆっくりお食べよ」

提督(前回1-3作戦が終わった頃に奢ってあげたアレが初めてだったのかな? しかし、それまで一度も食べたことが無いってのは意外だな……)

朝潮「て、提督」

・・・・

ザアアアアアアアアアア

提督「おっとこれは不幸だな。にわか雨に見舞われるとは」

朝潮「執務室に戻るにはどうしてもこの雨を抜けていかねばなりませんね……」

提督「あと一時間もすれば止むような気がするから、ここで雨宿りしてようか」

朝潮「いえ、私が傘を持って参りますので!」ダッダッダッ

提督「え、ちょっと待……行っちゃったか」

・・・・

朝潮「はぁ……はぁ……司令官。傘です」

提督「おお、ありがとう……。って朝潮、びしょ濡れじゃないか」

朝潮「走って行っても、結構濡れますね」ザアアアアアアアア

提督(服が透けてて目のやり場に困るな……ん?)

提督「……朝潮」ザアアアアアアアア

朝潮「どうされましたか? 司令官」

提督「背中に痣があるが……どうしたんだ?」

朝潮「あぁ、私にも分からないんですよ。艦娘になる前に出来た痣のようで、思い出せないんです」

提督「そうか……(気になるな……)」
----------------------------------------------------------------------
朝潮の好感度+4(現在値12)
123 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/20(水) 21:41:04.59 ID:goPJzb3e0
すいません夕飯食べてました
エクストライベントのエクストライベント発動
>>+1(コンマの数値が6のつく数だと発生)
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/20(水) 21:42:42.39 ID:M5SFxShPo
うりゃ
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/20(水) 21:42:56.36 ID:RFAWfeXqo
126 :【35/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/20(水) 22:20:16.67 ID:goPJzb3e0
コンマ値が39だったのでエクストライベントは発生しません。(>>124より)
----------------------------------------------------------------------
提督(朝潮のあの痣は何が原因なんだろうか……本人も分からないみたいだし知る術もないか)

提督「ふぅー……」

朝潮「提督。こちらにいらしたんですね」

提督「風呂上がりの夕涼みに、ね」

朝潮「そうでしたか。では、私もちょうどお風呂から出たところですし、ご一緒させていただきます」

提督「ああ、構わないよ(昨日もそうだったけど、彼女たちの勤務時間が終わった後も一緒に居るのはなんか慣れないな……)」

朝潮「……三雲大佐についてどう思われますか? 昨日電からいくつか話を聞いたのですが」

提督「尊敬しているよ、ただ……。電から大佐の目的についての話は聞いてるかな?」

朝潮「ええ、昨日聞きました。……私も大佐殿には感謝と敬意の念がありますが、納得出来ませんでした」

朝潮「私には……クーデターは愚かな行動に思えます。なぜそこまで艦娘の側に立って物事を考えるのでしょうか。行動の必要性を感じられません」

提督「……僕も大佐の行動を全面的に賛同するわけじゃないけれど、ちょっと言い過ぎなんじゃないか」

提督「他の鎮守府では、艦娘に手をあげたり慰み者にする提督も少なくはないそうだ。艦娘は提督の命令に反抗することは出来ないからね」

朝潮「そうでしたか……」

提督「そうした現状を顧みれば大佐の行動は倫理的には正当な行動だと思うし、また、そうした現状を是とするこの仕組みそのものに僕も憤りを感じている」

朝潮「しかし、相手は大将や元帥級の面々です。それらを敵に回してまでやろうというのは……」

提督「そこなんだよなぁ。大佐ほどの人材なら順当に出世していけるだろうし、偉くなって力を得てからクーデターを企てる方が実現する可能性は高いと思うんだよ」

提督「そもそも僕が物心ついた頃からずっと大佐だったことも今になってみると奇妙だよな……」

朝潮「何か別の狙いがあるのでしょうか。それとも、今そのように動かざるをえない理由が……?」

提督「分からないな……」

・・・・

朝潮「司令官。私たち艦娘は、あくまで兵器です」

提督「改まって、どうしたんだ?」

朝潮「そんな私たちが意志を持ってしまうことが、果たして正しいのでしょうか?」

提督「まるで今の自分に意志がないみたいな言い方をするんだね」

朝潮「そういうわけではありませんが、私は司令官に尽くし、戦果を上げることが艦娘の本懐であり、存在意義だと考えています」

朝潮「しかし、チップによる制御を失うことで、自分の欲望のままに動き出す艦娘も現れることでしょう。戦争に勝ち深海棲艦を滅ぼすという使命さえも忘れて」

朝潮「にもかかわらず、どうして命の危険を冒してまで大佐は私たちに自由意志のままに行動できてしまうように画策しているんでしょうか」

提督(どうも艦娘が感情のない兵器として使われることが正しい、とでも言わんばかりの口ぶりなのが気になるんだよな……うーむ)

提督「仮に僕が理不尽かつ君の意にそぐわない命令……そうだな、例えば、次回から一切の武装を外した状態で出撃してもらう。なんて言った時に君は本心から従いたいと思うか?」

提督「そんな無意味で無謀なことはしたくないだろう。だが君たちは艦娘だ。司令官の命令には抗うことが出来ないようになっている。だから僕が本気でそう命じれば断れない」

提督「もちろん、僕は実際にそんな命令は出さないが、他の鎮守府ではそうじゃない……ってことなんだろう」

朝潮「そうですか……いえ。分かりました。失礼します」

提督(納得行っていない様子だな……何か彼女なりに思う事があるんだろうか)

----------------------------------------------------------------------
朝潮の好感度+2(現在値14)
127 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/20(水) 22:30:47.30 ID:goPJzb3e0
本日はここまで。
エクストライベントのエクストライベントは発生しなかったけど一応エクストライベントが発生したので何かのフラグは立ちました。
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/20(水) 22:36:44.60 ID:RFAWfeXqo
おつおつ
129 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/25(月) 19:34:03.01 ID:MS2m4m4E0
突然ですが本日21時に投下予定です。よろしくお願いします。



///チラシの///
やっとこさE-4超えました。あきつ百裂拳が良い感じでした。
え? 遅いって? いいんだよウチは平和を愛するゆるふわ聯合艦隊なんだよ。
ゆるふわなのは軍規じゃなく練度だと専らの噂です。
ボーキが8000切っててかなりヤバい感じですね。E-5超えるのが先か資源が尽きるのが先かというチキンレース。

ん? 2014年夏イベントに「本土強襲」なんてありませんよ……。
ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。(磯風から目を逸らしつつ
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/25(月) 20:04:27.94 ID:QwPgxO/Eo
>>129
明石「アルミ大増産只今大好評販売中!旬の八八資源セットもお買い得ですよ!」
131 :【36/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/25(月) 21:01:31.80 ID:MS2m4m4E0
如月「しれーかんっ」

提督「何ですか」

如月「ふふっ、呼んでみただけよ♪」

提督「もうそれ三回目だぞ。何か用があるなら口にしてもらわないとこっちも対応のしようがないんだけどなー」

如月「司令官、自分から話しかけてくれないじゃなーい。せっかく同棲してるんだからもっとコミュニケーションを……ね?」

提督「あの、何さりげなくカッコカリ取っ払ってるんですか。っていうかドウセイカッコカリって名前は変えてって言ったよね」

如月「だから同棲。これなら良いでしょ?」

提督「もっとダメだよ!!」

如月「ドウセイカッコカリのことをドウセイカッコカリって言っちゃいけないならドウセイカッコカリを何て言えばいいのよ?」

提督「いや定例視察会とかで良いんじゃないかな」

如月「司令官、私に対して冷たいわよね……電ちゃんとは互いに抱きしめあいながら寝てたのに……しくしく」

提督「いやアレはだなあ……前も説明した通り、かける言葉が見つからなかったら〜(って弁解としては苦しいか)」

如月「分かってるわよ。司令官が下心からそんなことする人じゃないことは分かってるわ」

如月「で・も、もし他の子にこのことを話しちゃったらきっと大変よね〜」

提督「うっ、うぐ、なんだね君は。この僕を脅しているのかね」

如月「ううん、そんなことないわよぉ? でも、これで私と積極的にお話する気になったでしょ?」

提督「やれやれ。ま、良いだろう」

----------------------------------------------------------------------
如月の好感度+2(現在値15)

エクストライベント判定>>+1(コンマの数値が偶数なら発生)
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/25(月) 21:04:13.55 ID:riMPdz0Vo
それっ
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/25(月) 21:04:16.61 ID:SW3Qzx1vo
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/25(月) 21:07:26.42 ID:zvVsvdbfO
ゾ、ゾロ目だから(震え声)
135 :【37/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/25(月) 21:09:01.97 ID:MS2m4m4E0
エクストライベント未発生(>>132より)
----------------------------------------------------------------------

提督「あ、そういえばさ」

如月「どうしたの?」

提督「イマイチ艦隊の子たちの人間関係が良くわかんないのよね」

提督「如月が電と仲良いのは見てて分かるんだけど、磯波とも比較的よく喋ってるの見て意外だなーって」

如月「電はからかい甲斐があるから……♪ 磯波とは趣味が合うのかもしれないわ。あの子案外ロマンチストなのよ」

提督「ほほう。それは知らなかったな」

如月「私はそれ以外の子とはあまり喋らないわねぇ。磯波と皐月、朝潮と満潮あたりは比較的仲良くやってるみたいね」

如月「それと、皐月は満潮を尊敬している節があるみたいよ。逆に満潮も皐月を評価しているようだし。電と朝潮も業務的な話ならよくしているみたいね」

如月「私が分かるのはこのくらいかしら」

提督「6人しかいない組織なのに、ほとんど交流がなされてないってまずいよね……うーん」

提督「とはいえ指揮官の僕ですら上手くやれてない感じの子が……なぁ、はぁ。いや、その子らに対する愚痴とかじゃなくてね」

如月「満潮と……朝潮あたりかしら? あいつら真面目すぎるからしょうがないわよ」

提督「名前を出すんじゃないよ名前を。あとあいつら呼ばわりもやめなさい」

如月「でも、司令官のことを評価はしているみたいよ。ちゃんと指示は聞いてくれるんだしビジネスライクで良いんじゃない?」

提督「君さぁ……興味のない相手に対してはとことん冷たいんだね。そういうのどうかと思うなー」ジトーッ

如月「別に私は興味がないだけで敵意があるわけじゃないのよ? 向こうから何か仕掛けてくるようなら話は別だけどね」

如月「って、私の話はどうでもいいのよ。司令官はあの二人に対して何が困ってるの?」

提督「困ってるわけじゃないよ。ただ、相手の考えてることが分からなくて、だから、僕の考えもどういう風に伝えたらいいのかな……って」

如月「困ってるじゃないの。とはいえ、そういう問題となるとすぐに解決するのは難しそうねぇ」

提督「そっか……そうだよなぁ」

如月「……私と司令官も、あの時工廠に向かっていく私を追っていなかったら、こんな風に話を出来る関係じゃなかったかもしれないわね」

如月「何かキッカケとなる出来事が起こるまでは距離を詰められなくても仕方ないんじゃないかしら。あの二人、何か秘密を抱えているわ」

如月「その秘密を知らない限り、あの子たちの真意は分からないと思うわね」

如月「心を閉ざしているわけではないと思うけど……事情を知らない人間に対して、自分の行動の真意は説明出来ないでしょう。目的だけ説明したところでその経緯も話さなければ理解されないだろうし」

如月「そういう事情を向こうから打ち明けてくれるような関係になれるまで、本来ならとても長い時間をかけて接していかなければならないわ」

如月「司令官が気に病むことじゃないわ。今噛み合わないのは仕方のないことよ」

提督「ありがとう、如月。少し気が楽になったよ」

如月「ふふふふ♪」ニコッ

・・・・

朝潮(昨日の司令官の私に対する態度が気になったので少し様子を伺おうとしたら……)執務室の扉の前で聞き耳を立てる朝潮

朝潮(『あの二人、何か秘密を抱えているわ』……)

朝潮(まずいことになりましたね……私はどうやら司令官や他の方たちに、何か隠していることがあると疑念を持たれているみたいです……)

朝潮(どうにかして誤解を解かなければ……)

朝潮(しかし、いきなり何も隠していることなど無いと言ってもかえって不審ですよね……)

朝潮(どうにも昨日の夜から嫌な胸騒ぎがします……)

----------------------------------------------------------------------
如月の好感度+2(現在値17)
136 :【38/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/25(月) 21:57:28.30 ID:MS2m4m4E0
皐月「ふーっ、つっかれたぁー」

提督「お疲れ様。朝からそんなにトレーニングしててよく平気でいられるね」タオルを渡す

提督(しかし……他の子らと比べると凄いトレーニング量じゃないか? なんで皐月はこんなにハードな内容を涼しい顔でこなせるんだ……)

皐月「慣れると意外と大したことないもんだよ。日課さ日課」フキフキ

提督「そういえば、こうして話すのも久しぶりだよね」

皐月「そうかな? 頻度は前と変わってないような気がするけど」

提督「皐月から話しかけてくれることが減ったような気がするんだよね。前までは忙しくてあまり相手出来なかったのが、僕に余裕が出来て時間を持て余すようになったからかもしれないけど」

提督「ドウセイカッコカ……じゃなくて、艦娘たちに一日中見られてるせいであまり調べ物とかが出来なくなって微妙に時間の使い方に困ってるんだよ」

提督「人と一緒に居た方が暇ってのも奇妙なもんだけど、そのおかげか普段気にならなかったことに目がいくようになってね」

皐月「よしよし、ボクと話が出来なくて寂しかったんだね〜」ナデナデ

提督「うーん、どっちかっていうと、皐月は放っておくと何をするか分からないから定期的に目を光らせておきたいなぁっていうのがあるな」

皐月「司令官は失礼だなぁ、もう」

提督「ハハハ、でも元気そうで何よりだよ」

提督「気のせいかもしれないが、最近なんだか遠い目をしていることが多かったからね。ちょっと気にしてたんだよ」

皐月「……」ボーッ

提督「皐月? おーい」

皐月「ん? ああ、司令官。どうしたの?」

提督「いや、何でもない(上の空だな……皐月がボーッとしてるなんて珍しい)」
----------------------------------------------------------------------
皐月の好感度+2(現在値11)

エクストライベント判定>>+1(コンマの数値が奇数なら発生)
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/25(月) 21:58:08.32 ID:QwPgxO/Eo
gp@「
138 :【39/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/25(月) 22:04:48.39 ID:MS2m4m4E0
エクストライベント未発生(>>137より)
----------------------------------------------------------------------
皐月「提督……その、大したことじゃないんだけど……」

皐月「最近、とても眠いんだよね。妙な夢を見ることが多いし……」

提督「夢?」

皐月「そう、夢。その夢で、ボクは別の鎮守府にいる戦艦で。なんて名前か、どんな姿かは思い出せないけど、とっても強い戦艦でさ。向かう所敵なしだったんだよ」

皐月「ただ、その夢の中のボクが属している艦隊司令部の方針で、弾薬や燃料の消費が著しい戦艦や空母を解体することになった」

皐月「夢の中のボクは戦果を出してたから、解体を免れることになった。でも、他の艦はそうじゃない。だから、他の艦を助けるために、ギリギリまで敵艦隊を削って他の艦に手柄を取らせるようにした」

皐月「そんなことをしていたからか、急遽ボクが解体されることになったとさ。ここで夢はおしまい」

提督「皐月……」

皐月「夢の中のボク、バカだよねぇ。余計なことをしなければ戦艦のままでいられたのに。でもね、なぜかその夢の中で、ボクはいつだって清々しい気分だった」

皐月「敵を圧倒的な力でなぎ払い、国の為に尽くし、多くの人から感謝され……艦娘としての幸せをたくさん享受出来ていた。解体されるのも、不思議と嫌じゃなかった。他の子を救えるなら、それもいいか。ってね」

提督「もしかして、皐月……。これは何の根拠もない当てずっぽうなんだが……その夢は、君のかつての記憶じゃないのか?」

提督(艤装を解体されれば、艦娘としての記憶は失われ、ただの人に戻る。だが……一度艦娘だった人間が再び艦娘になったら……?)

皐月「そう。ボクも、ひょっとしたらそうかもしれないって思い始めてたんだ。だから、一つ試したいことがある。今朝行ったばかりですまないけど、もう一回演習場について来てくれるかな?」

・・・・

提督「……20.3cm連装砲か。こんなものを持ってきてどうするんだ?」

皐月「ボクはね。自分自身の力が、明らかに駆逐艦のそれを凌駕していると思っているんだ。思い上がりかもしれないけどね」

皐月「駆逐艦として生まれた艦が、軽巡洋艦や重巡洋艦にしか装備出来ない武装をまともに扱えるはずがないはずだ」

皐月「だけど、もしボクと提督の仮説が正しい……つまり、ボクがかつて戦艦で、その頃の記憶や経験が今のボクに何らかの影響を与えているならば」

皐月「これを扱えるはずだ。さすがに35.6cm連装砲とかだと、体格的な問題で持てないだろうから、これでテストしてみる」

提督「なるほど…………しかし、もし何かあったらどうするんだ?」

皐月「その時のために司令官が居るんだろ? じゃ、撃つよ。見ててね」

バアアアアン!!!!

提督(なんて威力だ……それに凄まじい音……)

提督「皐月! 大丈夫か!? 怪我はないか?」

皐月「うん全然平気。これならちょっと練習すれば実戦でも使えるね」ケラケラ

皐月「よし! これではっきり分かった。ボクは、かつて、『皐月』になる前に艦娘だった事がある」

皐月「そして、その頃の経験が、今のボクに何かしら作用している」

皐月(かつてのボクとしての人格はどこへ行ってしまったんだろう……)

提督「皐月? おーい」

皐月「あ、ごめん。またボーッとしてた? でも、これで疑問は解消したからぐっすり眠れそうだよ」

提督「そうか、それは良かった(今後の大幅な戦力アップが期待できそうだな……)」

・・・・

提督「この後、夕食なんてどうかな? たまには二人で食べるのも悪くないかなって」

皐月(妙な気配を感じる……)

皐月「いや、今日は遠慮しておくよ。ちょっと気になることが出来たから」

提督「そっか。じゃあ、食堂行ってくるね」

皐月(司令官は行ったか……)

皐月「さっきからボクたちの後をつけていたのは誰かな? いつからそこにいた!」
----------------------------------------------------------------------
皐月の好感度+2(現在値13)
139 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/25(月) 22:11:45.73 ID:MS2m4m4E0
本日はここまで。
どうも今日はコンマが振るいませんネ。
エクストライベントが発生してたら如月のお話だけで本日分を終わりにする予定だったんですけど、
2レスだけの投稿じゃ寂しいってことで急遽書きかけのやつをキリの良いところまで仕上げました。

エクストライベントはどっかでリサイクルして使用する可能性が高いので、
今起こらなくてもわりと大丈夫なものが多いっぽい?

///チラシ///
>>130 わりと現実感ある選択肢だからやめてくだち

E-5攻略中。夜戦大破撤退のせいで第二艦隊旗艦の川内ばっかりキラキラしていく
140 : ◆Fy7e1QFAIM [saga sage]:2014/08/28(木) 23:36:42.37 ID:xkZqcYo80
明日21:00頃投下予定

///チラうら///
今日投下するつもりだったのに出来なかったのは艦これのせいです。仕方ないね。
いやでも無事E-5は超えましたよ。
最終的に燃料711弾薬7101鋼材14978ボーキ3344バケツ74になったけど超えましたよ。
早霜清霜もゲットしましたよ。欲を言えば大鯨が欲しかったけどボーキが85しか残ってないのでさすがにもうね……。
初風や矢矧も手に入ったことだし十分な収穫ですなンフフフ。

これからはまた溜めた資材を大型艦建造につぎ込む日々に戻るんや……(ダメ提督特有の発想)
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/29(金) 00:00:49.55 ID:ludpJsxV0
結局来なかったか
142 :【40/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/29(金) 21:02:46.08 ID:wHHgS7aM0
朝潮「……」無言で物陰から顔を出す

皐月「……朝潮だったか。後ろからコソコソつけてきて何の用だい?」

朝潮「いえ、特には……」

皐月「説明してもらいたいな」

朝潮「……分かりました」

・・・・

皐月「なるほど。君は司令官に自分が誤解されていると思っているわけだ。で、司令官の様子が気になって後をつけていた、と」

朝潮「私は、私なりに艦娘としての任を全うしているつもりです。司令官に隠し事などもっての他です」

朝潮「ですが、司令官は……私のことを何かしら疑っているのだと思います。……私よりは如月の言葉の方が信用出来るでしょう」

皐月「君は何か勘違いしているな」

皐月「如月は君が何か秘密を抱えていると言ったようだが、会話のニュアンス的に、それは君が何か企みがあるという意味じゃないと思う」

朝潮「え……?」

皐月「告げ口でもされたと思っているのかもしれないが、確たる証拠もなく人を貶めるほど如月は酷い奴じゃないよ」

皐月「そうじゃなく、君が何かしら悩みを抱えている、って司令官に伝えたんじゃないかな。断片的にしか話を聞き取れなかった君が勘違いしただけで」

朝潮「そう……でしょうか」

皐月「むしろ、どうして君がそんな会話を聞いて、自分の立場が脅かされていると感じたかの方がボクは不思議に思うけどね」

朝潮「司令官は電や如月、磯波と話していることがほとんどです。それに、この間司令官と過ごした時も、妙に歯切れの悪そうな態度だったので……」

皐月「だからといって、司令官が贔屓するような真似をしたことは無いだろう。心配し過ぎじゃないかな」

朝潮「しかし……もし、司令官に快く思われていなかったら……」

朝潮「私たちは……この国を守り、深海棲艦を滅ぼすために存在しています」

朝潮「そして、そのための具体的な指示は司令官によって出されます。司令官から出される命を果たすことこそが私たち艦娘の本懐ではありませんか?」

朝潮「私が何か粗相をしてしまったのか、あるいは、私の戦果に不満なのではないか……もし、そうだったらどうしようかと……」

皐月「司令官は朝潮のことをそんな風には思っていないよ」

皐月「君は根詰めすぎなんだよ。司令官じゃないボクですら心配になるぐらいだ。司令官は君のことを気にかけているんじゃないかな」

朝潮(司令官が……私を?)

皐月「艦娘としての本懐がどーだとか、司令官はそんなことどうでもいいんだよ。ボクや君が無事ならね」

朝潮「そう、ですか……」

朝潮(しかし……やはり理解できません。私たちは兵器です。兵器としての使命を果たすべきです)

朝潮(司令官も、三雲大佐も……いったい何故艦娘を庇護しようとするのでしょうか……)

皐月「とにかく、司令官は君のことをそんな風に思ってないから大丈夫。少し気楽にいこう、なっ?」

朝潮「はい……」
143 : ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2014/08/29(金) 21:14:04.89 ID:wHHgS7aM0
/* 経過ボーナス */
投下途中ですが40レス突破したので経過ボーナスです
以後各艦娘の好感度の基本値が+1増加します
また、提督の能力値変動イベントが発生します

能力値ボーナスは安価とコンマで決定します。
アップさせたい能力値 勇気/知性/魅力/仁徳/幸運の中から一つ選択し、
出たコンマでその選択した能力の上昇値が決定します。
詳しくは>>75


【好感度まとめ】
電:31(好感度上昇+6) 秘書艦なので基本値3*2
皐月:13(好感度上昇+3)
磯波:9(好感度上昇+3)
如月:17(好感度上昇+3)
満潮:9(好感度上昇+3)
朝潮:14(好感度上昇+3)

というわけで
アップさせたい能力値を決定してください(勇気/知性/魅力/仁徳/幸運の中から一つ)
>>+2
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