【安価とコンマで】艦これ100レス劇場【艦これ劇場】

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392 :【15/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2015/02/14(土) 09:14:42.22 ID:kmkYAStE0
レストランで食事をしている提督・翔鶴・瑞鶴。
鎮守府内にはこのような艦娘専用(厳密には鎮守府内で働く職員らも含まれる)の娯楽施設や商業施設が設置されている。

提督(……前回の歓迎会が、無目的で行われたものだったとはな……。人事異動を暗に勧めているとか少しでも考えた俺が馬鹿だったようだ)

提督(利害以外の理由で動く人間の思考ルーチンはわからん……。ま、いくつか気になることはある。せっかくだから話を聞いてみるか)

瑞鶴「提督さん、悩み事? 歓迎会の話をしたあたりから、急に黙っちゃって」

提督「……いや、最近響の様子が妙でな。何か気づいたことはないか?」

瑞鶴「あー、なんか第四艦隊の人達とやり合ってたみたい。詳しくは知らないけど……第四艦隊の面子の中には響の姉妹艦も居るみたいだし」

提督「暁、雷、電の三名だな(彼女たちもクロ……なのだろうか。だとしたら響には酷な依頼をしてしまったかもしれん。雪風あたりに尋問させるべきだったか……いや、アイツじゃ無理か)」

提督「戦場での様子はどうだ? ……疲労を訴えていたり、不調だったりしてはいないか?」

翔鶴「戦場では普段通りですね。別段問題ないように思えますが……」

提督「そうか。ならば問題ない。精神的な不調が影響して沈まれては困る(……とはいえ、ヴェールヌイのことは心配だな。後で話をしてみるか)」

瑞鶴「てーとくさん、意外とメンタル的な部分気にかけてるんだね。そういう感情的な部分は全部切り捨ててる人かと思ったけど」

提督「精神面での不調も馬鹿にできたものではないぞ。現に第二艦隊の榛名と霧島は個人的な対立によって双方の戦果に悪影響を及ぼしているではないか」

翔鶴「確かにそうですねぇ……。あの二人はちょっと心配です。二人とも悪い人ではないのですけれど……」

瑞鶴「提督さんの歓迎会の時も、なんか水面下で揉めてたっぽいしねぇ……。っていうか、前はあんなに仲悪くなかったよね。どうしてああなっちゃったんだろ」

提督(……子供の喧嘩じゃあるまいし、仕事なのだから割り切って欲しいものなのだが。とはいえ、何かしら事情はあるんだろうな)

加賀「あら五航戦と……提督? 珍しいですね」

提督「あぁ、加賀か。もし良かったら相席どうだ?」

加賀「そうね。赤城さんも今は居ないし……そうするわ」

・・・・

提督「第一艦隊の様子はどうだ? ま、報告書から粗方の想像はつくが」

加賀「連携を意識した途端、皆総崩れになるわね。それぞれが単騎で敵と当たることが多かった経験が邪魔して、一丸になって敵を倒すというイメージが難しいみたい」

加賀「私や赤城さん、飛龍と、空母の方は比較的足並みが揃うようになってきたけれど……戦艦の人たちとは反りが合わないわね」

瑞鶴「そんなことでは後輩に抜かれるのも時間の問題ですねぇ〜」

加賀「五航戦は口先に見合った実力さえあれば文句ないのだけれど。問題はそんな事を言える資格が無いぐらいに練度がお粗末なことね」

提督「やめんか。……第一艦隊の戦艦と反りが合わないと言っていたな、加賀。原因は金剛だろう?」

加賀「ええ。……ハッキリ言ってあの人とはうまくやっていけないわ。他の人もそう思っているんじゃないかしら」

提督「個で最強であっても、全体の足を引っ張るようであれば集団戦では使えんな。……奴曰く『“精神的不調”で上手くいっていない』ようだが」

提督「……近いうちに、第一・第二艦隊の大規模な再編を行うつもりだ。これまでのような出来合いの艦隊編成ではなく“来るべき深海棲艦との最後決戦”を想定した編成だ」

提督「いかに第一艦隊のお前たちが個での戦いに絶対の自信があろうと、深海棲艦の力はそれさえも上回る。練度も経験も上回るほどの圧倒的な性能でお前たちの前に立ち塞がるだろう」

提督「そうした脅威を打ち払うためには高度な連携が不可欠となる。それを肝に銘じておくように」

加賀「ええ……承知しました」

提督「不確定な情報が多いため今話せることは僅かだが……正規空母であるお前たちの活躍には期待している。修練を怠らぬように」

・・・・

空母用の訓練場。矢を射る翔鶴と、その様子を見ている加賀。

加賀「翔鶴。……迷いが見えるわ。一射絶命よ、忘れたの? 放った一本の矢に全てを懸ける気概でなくては、正規空母は務まらないわ」

翔鶴「どうしても、最後の戦い、というもののイメージが沸かなくて……」 構えを解く翔鶴

加賀「そうね、私も同じだわ。でも、あの提督は冗談であんなことを言うような方ではないはずよ。……覚悟と勝算を持って、本気で言っているのでしょう」

翔鶴「戦いが終わったら、私たちはどうなるんでしょうか。どうすればいいんでしょうか」

加賀「……一射絶命。私が今の貴方に言えるのはそれだけね。全ての迷いを捨て去り、己自らが真善美を体現する存在となった時、究極の一射は完成する……」

加賀「その境地に辿り着いた時、全てが分かると思うわ。私も、赤城さんでさえも、未だその片鱗しか見えていないけれど……ね」
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