【安価とコンマで】艦これ100レス劇場【艦これ劇場】

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388 :【11/100】 ◆Fy7e1QFAIM [saga]:2015/02/14(土) 09:07:47.14 ID:kmkYAStE0
鎮守府のとある会議室。ヴェアヴォルフの面々が座って話し合っている。

霞「足柄、会議に遅れるなんて関心しないわね。それで? 良い報告ってのを聞かせてもらうわよ」

清霜「顔面蒼白じゃない? 何かあったの?」 よろよろと会議室に入ってくる足柄を見て心配する清霜

足柄「終わった……もうダメだわ……。やっぱりああいうの向いてないんだわ……何があったかは言えないけど……明日で皆とはお別れよ……」

大淀「今更隠し事なんて! これまで辛いことも苦しいことも、一緒に乗り越えてきたじゃないですか」

霞「ハァ? 今までどんだけアンタが迷惑かけてきたと思ってんのよ!? 今になって何ふざけたこと抜かしてるわけ?」

霞「大方あのクズ提督に釘を刺されてるとかそんなだと思うけど、だったら話せる範囲だけ話せば良いじゃない。それに、アンタが処分されたらどうせ私たちだって後を辿るわ」

足柄「……言われてみればそれもそうね。じゃあ話すわ」

大淀(あっさり立ち直ったー!?)

・・・・

霞「盗聴って、アンタ馬鹿じゃないの!? しかもそれがバレたって……」

足柄「チャンスかなーと思ったのよ。だって、考えてみてよ? あの提督、ここに着任してから執務室から出た事なかったのよ? その謎が明らかになるかもしれないじゃない」

大淀「結局、その第二艦隊の歓迎会で提督について何か分かったんですか? ……ストレートに話すとまずいならある程度ぼかした表現で構いませんが」

足柄「いや、それが歓迎会“では”提督については何も分からなかったわ。第二艦隊の面々に何か聞かれても『黙秘させてもらう』とかそんなんばっかり」 提督の声をやや誇張気味に真似する足柄

清霜「盗聴器がバレちゃったのは、歓迎会中の出来事?」

足柄「いや、その後よ。歓迎会後に盗聴器をそのまま提督のところへ持ってかれちゃったのよ」

足柄「その時に提督が執務室からなぜ出て来ないかがなんとなく分かったわ。分かったのは良いけれど……盗聴器についていた私の指紋を採取されて呼び出し食らってるってのが現状ね」

霞「盗聴器ねぇ……歓迎会を終わった直後に回収出来なかったの?」

足柄「にゃ!? あ? あぁ、うん。歓迎会が終わった後すぐに清掃が始まって、取りに行く余裕が無かったのよ(……そういやあん時回収すること忘れてたわ)」

霞「何突然変な声出してるのよ。でも、清掃中に取りに行くことだって出来たじゃない? ちょっとその辺はっきりしないわね」

大淀「(あっこれ足柄さん回収忘れてたんじゃ……)そんなことより、提督に盗聴器がバレて呼び出されてるんですよね!? これからどうするか考えなきゃ!」

足柄「(大淀ナイスフォロー!)そ、そうよね。どうしたらいいかしら……」

清霜「処罰が下るのは避けられないと思うけど……直接会える機会がある以上、弁解のしようはあるかも?」

霞「なるほど……一つ思いついたわ。会議が終わった後、私の部屋に来なさい足柄。稽古をつけてあげる」

足柄が霞から受けた“稽古”とは、翌日に迫った提督から受けるであろう尋問のシミュレーションするというもので、その内容は過酷かつ熾烈を極めた。
後に足柄は、『あの後三日ほど霞の顔を直視出来なかった。正直PTSDになっていてもおかしくなかったと思う』と語っている。

・・・・

翌日の執務室にて。部屋の中には提督と雪風、そして足柄がいる。

足柄「まず、盗聴していたことをお詫び申し上げます。今回の騒動は私の一存で起こしたものであり、他の艦娘との関与はありません」

足柄「いかなる処分も甘んじてお受けする覚悟です。ですが……非礼は承知の上です。どうか私の言い分を聞いて頂きたく存じ上げます」

提督(盗聴するような奴が反省するとも思えないが……しかし見事な演技だ。かなり苦しい立場で弁解せざるを得ない状況のくせに少しの迷いも見られない)

足柄「私は、提督に不信感を抱いていました。いえ、今も抱いています。その主たる理由は、常に仮面を被っていて素顔を見せない、執務室から一切出ることがなく私たち艦娘への指示も全て書類で行っている、という点です」

足柄「この鎮守府で事件があったことは事実です。ですが、そこまで露出を避けるのには、危険から身を守るため以外にも何か理由があるはずと推測しています」

足柄「貴方の私たち艦娘に対する接し方を見て、私は疑念を抱かざるを得ませんでした。今回盗聴を行ったのも、貴方の真意を探るためです」

足柄「地下の施設に引きこもって、一体何をしておられるのでしょうか。貴方は何を目的に動いているのですか?」 丁寧な口調ではあるが、次第に語気が鋭くなっていく

提督「俺の目的は……深海棲艦を殲滅し、この馬鹿げた戦いに幕を下ろすことだ。それ以外に何があるという?」

足柄「お言葉ですが提督。私の目には貴方がそれ以外に別の思惑で動いているように見て取れます。きっと他の艦娘も同じように思っているはずです!」

足柄「……私は! そんな回りくどい話が聞きたいのではありません! 貴方が腹の中で何を考えているか! それを聞かなければ納得出来ません!」

提督「答える必要はないし、お前に納得してもらう必要もない。あくまで俺は規則に基いてお前を処罰するだけだ。……話はここで終わりだ。工廠へ向かい、その場の妖精の指示を仰げ」

提督(……このまま処分するには惜しい人材なのかもしれんのだがな。追い詰められている状況にも関わらず逆にこの俺を追求するとは大した奴だ)

提督(だが、俺の目的を話すと余計面倒が起こりそうだしな。それに、立場上ここで折れてやるわけにもいかん。残念だが……)
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