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【安価とコンマで】艦これ100レス劇場【艦これ劇場】
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230 :
【74/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/10/22(水) 22:09:14.46 ID:k23KUnIa0
提督「これから始まる、じゃあダメかな?」
磯波II「……言ったでしょう? 終わりにしてください、お願いします」
提督「確かに今の記憶が無くなれば、虚しい気持ちからは脱却出来るだろう。元の人間に戻りさえすれば今までのことは全部忘れられるから」
提督「でも、それじゃあ今の君はどうなる? 何の救いも無いまま、ただ惨めな気持ちを抱えて居なくなってしまうのか? そんなの悲しすぎるだろ」
提督「君がたとえそれを望んでいるとしても、僕は……納得出来ない」
提督「君の生きていく道は全て閉ざされてしまったのであれば、やはり解体されることでしか救いが無いというのであれば、僕は君に応じよう」
提督「でも、少し待っていて欲しい。僕が納得出来るまでの時間を」
提督「君に立ち直ってくれなんて言うつもりはない。再び前を向いてくれだなんて言うつもりもない。君の抱えている辛さは、僕には分からないから」
提督「でも、本当にこれでいいのか……僕の中で、心の整理をしたい」
磯波II「……」
・・・・
朝潮「司令官」
提督「見ていたのか、さっきの」
朝潮「ええ。……自分を見ているようでした」
朝潮「司令官は……お優しいですね」
朝潮「…………」
提督「…………」
朝潮「私、司令官のことを何も分かってませんでした」
朝潮「戦果さえ上げていれば良いんだって、私は道具なんだって、そう思っていました」
朝潮「違うんです。私、私……!」
ぽろぽろと朝潮の頬から涙が零れる。
提督「もう、いいんだよ」
朝潮「……ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
提督の身体に抱きつく朝潮。そっと抱き寄せる提督。
朝潮「司令官は、私のことを大事にしてくれているのに、私は……っ」
・・・・
朝潮の頭を優しく撫でる提督。次第に朝潮の乱れていた呼吸も落ち着いていく。
朝潮「……司令官」
----------------------------------------------------------------------
朝潮の好感度+4(現在値38)
231 :
【75/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/10/22(水) 22:09:58.00 ID:k23KUnIa0
朝潮「司令官、私……」
朝潮「私……。もう、一人じゃない……司令官が居てくれる……ですよね……」
提督の胸の中で、深く息を吸う朝潮。
朝潮「司令官。私を司令官の傍に居させて下さい」
朝潮「私、司令官の気持ちに応えたいです」
朝潮「私が艦娘だから、兵器として生まれたから戦うんじゃない。私は……私を信じてくれる司令官の為に戦いたい」
朝潮「見放されたと思っていた。私はもう、兵器としての意義さえも失ってしまったと思っていた。……でも、司令官は、私のことをずっと想っていてくれた」
朝潮「今度は私の番です」
朝潮「私は戦争の道具じゃない。私は、自らの意志で……司令官のために戦います」
朝潮は提督に向かって、仰々しくお辞儀をした。
朝潮「改めて……よろしくお願い致します」
提督は朝潮に手を差し出し、握手をする。
提督「ああ、よろしく。……ふふっ」
朝潮「どうかされましたか?」
提督「いや、君らしいなと思ってね」
提督(ただ……今までの、丁寧だけどどこか突き放すような態度じゃないんだよな)
提督(朝潮なりの誠意と決意の表れ……ってところだろうか)
朝潮「何かおかしいのでしょうか?」
提督「いや、いいんだ、気にしないで。でも普段はもっと楽に接していいからね」
提督「君の言葉一つで態度を変えるような僕じゃないからさ」
----------------------------------------------------------------------
朝潮の好感度+4(現在値42)
232 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/10/22(水) 22:29:57.05 ID:k23KUnIa0
普段より投下が遅れちゃいました。とりあえず今日はここまで。
次回のエクストライベント判定
その1:コンマ値が65以上orぞろ目で発生(>>+1)
その2:コンマ値が46以上orぞろ目で発生(>>+2)
その3:コンマ値が59以上orぞろ目で発生(>>+3)
というわけで>>+1->>+3にわたってコンマでなんかなのです。
///チラシ裏///
あと25でFinish!? なワケ……あっ
これかなりギリギリだな……厳しさを感じる
艦娘図鑑がだいぶ埋まってきて良い感じ。
残りは翔鶴/舞風/大和/能代/大鳳/磯風/浦風/伊401/Bismarck/天津風/大鯨……11隻か。
もうそろそろ翔鶴は出てきてもいいと思うんですけどねぇ。
233 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/10/23(木) 08:30:53.16 ID:Sc408AEkO
とりあえず大型建造やりまくれば大体入手出来るね
234 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[sage]:2014/10/23(木) 21:59:28.64 ID:et7Qi/2n0
そぉい
235 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[sage]:2014/10/24(金) 22:31:37.65 ID:hJVNx0r20
人居ないな・・・
236 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/10/27(月) 18:09:15.69 ID:pasFAdrKO
本日21時頃投下予定。
土日に諸々あって書けなかったし今日も色々アレだったんで今から書く始末……んなわけで多少遅れるかもしれません。
レベリングやりまくってたらイベント前なのに燃料と弾薬が5000切ってて笑える、いや笑えない。
///チラシう///
アーカントス提督なら沈んだ艦娘を復活出来そう。
あ、でも艦娘って英雄ユニットってよりか神話ユニットだよな……無理かも。
もうあれ12年前のゲームになるのね。
237 :
【75Ex/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/10/27(月) 21:15:31.17 ID:tONMwFz70
提督(さて……やるべきことはやった。後は時を待つのみ、か。藤原大将との面会まであと2日……)
提督(しかし、なんというか、妙に落ち着かないな。一体これからどうなるんだろう)
提督(少し潮風でも浴びて頭を冷やすか)
・・・・
如月「あら、司令官。ここで会うのは久しぶりね。最近はあまり来なかったじゃない。悩み事?」
提督「いや、気分転換に朝焼けでも眺めようかってね。なんか執務に集中する気にもならないし」
如月「そう。一度もサボタージュしたことがない司令官が珍しいわね」
提督「サボりとは人聞きが悪いな。実は、執務仕事は数日ぐらいならやらなくても平気なんだ」
提督「僕が毎日執務をやってるのは、数日後や一週間後にやらねばならない課題をこなしているからだよ。先に潰しておけば普段こなすべき量は減るからね」
提督「……君と初めてここで会った時じゃあるまいし、さすがにこの仕事にも慣れたさ」
如月「あら、懐かしい話をするわね」
提督「日数に直してみるとまだそんなに経ってないはずなんだけどね」
如月「不思議ね。随分と長い時間を一緒に過ごした気がするわ」
提督「色々あったからねぇ」
如月「司令官……あなたは、私たちのこと……どう思ってる?」
提督「ん? 大切に思ってるさ」
如月「んもぅ、そうだけど……そうじゃなくってぇ……」
提督「え? そういう意味なの?」
如月「鈍いのかそうじゃないのかよく分かんないわね……そうよ」
如月「電や磯波なんかは結構それっぽい雰囲気出してるじゃない? それに、満潮なんか最近司令官にデレデレじゃない」
提督「デレデレて、ハハハ。満潮が? それは無いんじゃないかな」
提督「多分艦隊の皆からそういう感情を持たれてはないと思うよ。そんなに顔良くないしねぇ。目と鼻と口がついてるぐらいしか特徴のない顔だよ?」
如月「もう……真面目な話よ! その、もし、他の娘に……告白されたら……」
如月「司令官は、どうするつもりなの?」
提督「それは何かな。アレかな。遠回しに僕に告白してるのかな」
如月「バッ、バカね! 違うわよ……もぅ」耳先まで紅潮させて恥ずかしがっている
如月「もういいわ、そうやって冗談ばかり言って。知らないっ」
提督「ゴメンゴメン、冗談だよ。そういうつもりで言ったんじゃないんでしょ?」
----------------------------------------------------------------------
如月の好感度+4(現在値27)
238 :
【75Ex2/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/10/27(月) 21:23:02.97 ID:tONMwFz70
提督「そうだな……僕は、仮に君たちにそんな風に思われていたとしても、その気持ちに応えるつもりはないかな」
提督「あくまで仮の話だし、まぁ、そんなことは無いと思うけどね」
提督「君たちは、永遠に艦娘であり続けるわけじゃない。いつか、この戦いが終わったら普通の人間に戻るんだ」
提督「そしたら、普通の人間としての人生が始まるんだ。こうした戦いの日々の記憶も無くなって、僕なんかよりずっといい男の人と出逢って」
提督「そうやって幸せな人生を送って欲しい。いや、送るべきだ」
提督「そんな平和な時代が来るのが何年先か、何十年先かは分からない。ひょっとしたら、僕はその前に寿命を迎えてしまうかもしれない」
提督「でも、君たちの戦いがいつか報われる日が来るといいなって思ってる」
如月「そう……」
提督「意外に思った?」
如月「いや、あなたらしいわね」
提督「前線で戦わされる兵器のまま、常に死と隣り合わせで、何の救いも無く死んでいくなんて悲しすぎるから、ね」
提督「僕と君たちの関係は、戦争によって結ばれたものだ。それが無くなれば、離れて行くのも必然だろう。違うかい?」
如月「そうよね……(そう、そうあるべきよね……)」
如月「ねぇ、司令官。この戦いが終わるまでは……私と一緒に居てくれる?」
提督「えー……次の作戦が予定通り上手くいったら大佐も無事? なわけだし、僕がここにいる必要は無くなるっぽいしなぁ」
如月「えっ」ガーン
如月「そうなの……そっか……そうよね……」シュン
提督「あっ、冗談だって。まさかそんなにガッカリされるとは思わなかったよ」
提督「乗りかかった船だしね。ずっと傍に居ることは約束出来ないけど、まだまだ続けさせてもらうつもりさ」
提督「君を一人にはしないから、安心して」
如月「今日の司令官は……ずるいわ」
如月(……でも、そうよね。それでいいんだわ)
如月(一線を超えてはいけないわ、よね?)
如月(私はあなたの傍に居られるだけで幸せよ、司令官)
----------------------------------------------------------------------
如月の好感度+4(現在値31)
239 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/10/27(月) 21:35:56.53 ID:tONMwFz70
続きは明日(あんま書けんかった)
//チラシの裏//
夕飯がパン屋のパンって日々が続いているのでいい加減自炊しなけれヴぁ……
食費を浮かさねば……
240 :
【75Ex2_1/100】 </b> ◇Fy7e1QFAIM<b>
[saga]:2014/10/28(火) 23:24:43.64 ID:td8IUVH+0
提督(ふむ。しかし……如月の言ってた通り、もし艦隊の子たちが僕に対して好意を抱いていたとしたら僕はどうするべきか……)
提督(ま、それは無いな。ifの話を考えても意味が無い)
提督(……気を落ち着かせるつもりが余計に雑念が増えてしまったな)
提督(少しうろつくか……)
・・・・
提督(普段頭を使っているせいか、こうして無目的に出歩いているだけでも考え事してしまうな……)
提督(それにしても僕は案外無趣味なんだな。提督になる前、僕はどうやって時間を潰していたんだろう)
提督(そう考えるとずいぶんと彩りの乏しい人生だよなぁ)
提督(やれやれ……少しリラックスして次の作戦に備えようと思ったが、息抜きで気が滅入ってるようじゃダメだな)
提督(かえって普段通り執務をやっていた方が良かったのかもしれない)
皐月「おーい司令官!」
提督「やぁ皐月……何、してるの?」
水たまりに釣り糸を垂らしている皐月。
皐月「何って? もちろん釣りさ」
提督「水たまりで釣りをしてもアメンボぐらいしか釣れないと思うけど」
皐月「そんなことはないよ。ほら、こっちに来てみなって」
提督「どれど……のあッ」ズコッ
落とし穴に落下する提督。
皐月「ほら、司令官が釣れた」
提督「……なんなのこれ」
皐月「いやー、やんごとなき事情で司令官を足止めするように言われててね〜」
皐月「とはいえ落とし穴の中で一人ぼっちじゃ寂しいだろうから、よっと」
落とし穴に入ろうとする皐月。足を滑らせて背中から落下してしまう。
落ちてくる皐月を咄嗟に抱き止めた提督。
提督「めっちゃ腕痛い」
皐月「おっ、ナイス司令官。いやー、落とし穴を作るまでは良かったんだけどちょっと傾斜が急過ぎたかー」
皐月「登ることは考えてたけど降りることまではちゃんと考えてなかったなー」
皐月「いやね、司令官が今日は執務をやらないって話を聞いた電が、司令官の代わりに執務をやっておくって張り切ってたから」
皐月「その間司令官がまったり出来るようにって頼まれててね。これ本当はバラしちゃダメなんだけど」
提督「はぁ……もっと別の方法があったんじゃないの?」
皐月「いやー、これが一番面白いと思ってさ」
皐月「今朝如月が司令官と会ったって聞いて、そこから他の艦娘の情報をもとに司令官が来そうなポイントを幾つか張っておいて待ち伏せていたってワケ!」
提督「何やってんだよ……っていうか、なんなんだその謎のネットワークは」
皐月「フフフ……壁に耳あり障子に目あり、ってね。案外皆普段から司令官のことを気にかけてるんだよ」
皐月「まぁ、そんなわけだから。大人しくまったりしてもらうよ」ガサゴソ
背負っていた鞄から座布団と湯のみを取り出す。
皐月「はい司令官。普段司令官はコーヒーばっかり飲んでるからコーヒーが良いかなと思ったけど、あえて緑茶にしてみたよ」ポットを取り出し、湯のみに茶を注ぐ
提督「もうどこから突っ込んでいいのか分からないな……」
----------------------------------------------------------------------
皐月の好感度+4(現在値26)
241 :
【75Ex2_2/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/10/28(火) 23:30:21.21 ID:td8IUVH+0
督「君は時たま突拍子もないことをするけれど、今日は特にスゴイよ」
皐月「お褒めにいただき光栄だよ〜しれーかん」
提督「褒めてないからね」
・・・・
皐月「はいお弁当」
提督「あれ? 皐月が作ったの?」
皐月「いや、電が作ったんだ。ボクは見てただけ」
皐月「『磯波ほどじゃないけど、私だってやれば出来るのです!』って言ってたよ」
皐月「途中から朝潮も参加してたっけな」
皐月「朝潮ったら面白いんだ。砂糖と粉チーズ間違えちゃってさ」
提督「えぇ……」
皐月「砂糖と塩なら分かるけど、普通間違えないよねぇ?」
提督「あははは……」苦笑しながら
皐月「でもね。朝潮なりに考えがあったみたいでさ、司令官の力になりたかったみたいだよ」
皐月「朝潮が立ち直ってよかったよ……前回の作戦で朝潮に旗艦を任せるように言ったのはボクだからさ」
皐月「かえって朝潮に辛い思いをさせる結果になっちゃったなって反省してたんだ」
皐月「でも、最終的に丸く収まって良かったよ。これも司令官のおかげだね!」
提督「うーん、そうかなぁ。まぁでも、朝潮が皆と上手くやれてるなら良かったよ。安心した」
・・・・
提督「ごちそうさま。美味しかったね」
皐月「真面目な話もいいけどさ……たまにはこういう何気ない話もいいね」
提督「そうだねぇ……」茶を啜る
提督「そういえば、さっき釣り竿を持っていたけど、皐月は釣りするんだね」
皐月「そうだよ。といっても、昼はほとんどやらないけどね」
皐月「日の出前にやることが多いかな。最近はイカ釣りにハマっていてね」
皐月「イカを釣るには、エギっていう、魚釣りで言うルアー……ええと、要するにイカ用の疑似餌を使うんだ」
皐月「釣ったイカは間宮に料理してもらって、晩御飯で食べるんだ」
提督「へぇ……結構本格的にやるんだねぇ」
皐月「普段から太公望の真似事をやってるわけじゃないってことだよ」
提督「太公望ならこんな手荒な方法で人を釣ったりしないと思うけどなぁ」
皐月「違いないね。ハハハ」
----------------------------------------------------------------------
皐月の好感度+4(現在値30)
242 :
【75Ex2_3/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/10/28(火) 23:35:17.27 ID:td8IUVH+0
提督「ただいまー……と言っても、鎮守府の外に出ていたわけじゃないけど」
電「司令官さん! お帰りなさい。気分転換は出来ましたか?」
提督「うーん、まぁ、そうだね。良い刺激になったかな」
提督「どこかの誰かさんに落とし穴に突き落とされたりしたけど」ボソッ
皐月「〜♪」提督から目を逸らして口笛を吹く
電「司令官さんのために、執務仕事を全部終わらせておいたのです!」
提督「えっ!? 本当に? ありがとう、嬉しいなぁ」
提督(知ってたけど)
電「あ、あと……お昼のお弁当はどうでしたか? 美味しかったですか?」
提督「うん、美味しかったよ」
電「そうですか。それは良かったです!」
電「ところで……磯波の料理とどっちが美味しかったですか……?」
提督「うーん、言いづらいけど、磯波の手料理の方が美味しいかなぁ」
電「むぅ……そうですよね……。もっと腕を磨かなきゃダメですね」メラメラ
電「司令官! 次こそ電の本気をお見せするのです!」
提督「うん、期待してるよ」
----------------------------------------------------------------------
皐月の好感度+4(現在値34)
電の好感度+9(現在値46)
243 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/10/29(水) 00:00:56.76 ID:mVlZogtH0
ここまで。
好感度の一覧表みたいなの貼ろうと思ったけど疲れたので明日貼ります。
投下遅れてすみません。
///チラシ裏///
友人の誕生日ということで焼肉を奢りました。食費抑えようって言ってるそばから8000円飛んで行ってしまったー。
とはいえ、お金は心を豊かにするために使うべきものだよキミ。いやそんなことはねーな。
そん時話したことでも一つ。
精神分裂病ってあるじゃないっすか。
あれって、ひょっとしたら病気じゃなくて人間の進化のあり方の一種なのかもねーって話をしました。
今はまだマイノリティかもしれないけどいずれそっちが正当な進化種としてー……!
みたいなトンデモ話してました。
244 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/10/31(金) 20:42:50.27 ID:aYGysu570
あ、特に予告してませんでしたが本日21時頃投下予定。
ただこれから風呂に入るので微妙に遅れるかもってのと、
とりあえず書き溜めた無難なところで切ろうかアクセル踏み込もうか今決めあぐねてる所なんで、
>>1
が後者を選択した場合投下が数時間単位で遅れます。いずれにせよ本日中には投下しますんでよろしくお願いします。
///チラシの裏///
The Best of ThunderdomeっていうガバのCD聴いてるんですけどいいですね。超頭悪いです。(褒め言葉)
245 :
【76/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/10/31(金) 22:54:26.77 ID:aYGysu570
大井「あら、ちょっと時間いいかしら」
提督「はい、問題ありませんが」
大井「貴方……朝潮って子のことが好きなの?」
提督「へ? いや、そういうつもりはありませんが……」
大井「あら? 自分の過去を明かしたり、『君に生きていて欲しい』だなんて言うから、てっきりそういう感じなのかと思ってたわ」
提督(そういえばあの場にこの人も居たんだったな……)
提督「そういう意図でした話ではないんですけどねぇ……」アセ
大井「下心なしで言ったのなら善人すぎるというか、余計に罪深いわ……」
大井「いい? 貴方にとって艦娘は艦隊のうちの一人かもしれないけど、艦娘からしたら貴方しか居ないのよ?」
大井「あまり無闇に人の心に踏み込んでしまうと、逃げられなくなってしまうわ」
大井「『私には貴方しか居ないの。ずっと私と一緒に生きていて欲しいの』なんて言われたら、貴方はどうするつもり?」
提督「そ、そんなことは起きないと思いますが……」
大井「今起こらなくても、いずれ起こりうることよ。提督と艦娘の間で主従の関係を超えてしまうことは珍しくないことだわ」
大井「貴方のように艦娘と真摯に向き合おうとする提督なら、起こってもおかしくない。いや、いずれ貴方に想いを告げる艦娘が現れると予言出来るレベルだわ」
大井「そうやって想いを伝えたのに、ケッコンすると心に決めた子が居るなんて言われた時、艦娘はどうなると思う?」
大井「ずっと、たった一人の想い人のために戦ってきたのに、その一瞬で全てを否定されてしまうことが、どれだけ辛いことか分かっているの?」
大井「……ごめんなさい。嫌なことを思い出しちゃったわ」
大井「もし気になっている子が居るのなら、早めにアプローチした方がいいわよ。そうすれば、“選ばれなかった”子たちも諦めが着くだろうし」
大井「居ないのであれば……思わせぶりな態度はやめた方がいいわ。貴方は少し誠実すぎるのよ」
・・・・
大井「お察しの通り、私は、“選ばれなかった方”なの」
大井「元々私は南条中佐の艦隊に在籍していてね……色々あって今は三雲大佐の艦隊に属しているけれど」
大井「まぁ、ありふれた話よ。私は彼を愛していたけど、報われなかった。それだけの話」
大井「でも……艦娘の立場からしてみれば、生まれて最初の恋であり、そして、大抵は最後の恋になるの」
大井「もし、誰かに告白されたら、そのぐらいの気持ちで貴方に想いを伝えているんだ、ってことは覚えておいて」
大井「……って、私がただ単に重い女だっただけかもしれないけどね」
・・・・
提督「うーむ……」
提督(この作戦が終わったら、少し身の振り方を考えなきゃいけないかもしれないな……)
----------------------------------------------------------------------
提督は人たらしを自覚した 魅力+4(現在値50)
246 :
【77/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/10/31(金) 23:01:18.47 ID:aYGysu570
提督「いよいよ大将との面会日か……」
提督「満潮は色々勘づかれるとまずいので別室にて待機。他は……一応これから執務室で戦闘が始まっても問題ないような装備で」
提督「さすがに執務室でドンパチやり合うことはないだろうけど……」
・・・・
大将「私を動かすとは貴様も偉くなったものだな」
提督「ご足労いただき、幸甚に存じます」敬礼
大将「白々しいな。まぁいい、本題に入るぞ」
大将「と、その前に……入れ。摩耶」パチンと指を鳴らす
大将「一応、最低限度の自衛策は講じさせてもらう。といっても、あくまでここで事を構えるつもりはないがね」
摩耶「ちぇっ。牽制のためだけに呼ばれるこっちの身にもなれってなー」
大将「やかましいぞ。お前を喋らせるためにここに連れてきたわけではない。黙っていろ」
摩耶「へいへい」
大将「さて。では始めよう」
提督「改めて伺いますが……大将は深海棲艦を支配しようとしていますよね」
大将「現時点では黙秘させてもらう。なぜそう考えている?」
提督「そちらの艦隊にいた磯波を救助した後、彼女が持っていると思われる注射器を発見しています。その注射液の中にマイクロチップが入っていることを確認しました」
提督「(磯波IIに轟沈しろと命じてたことを“知っている”と言うのはまずいか。前回会った時の話と辻褄が合わなくなる)」
提督「それに、あの嵐の日に単艦で出撃させていたことを考えると……貴方はあの日に磯波を轟沈させるつもりだったと考えた方が自然」
提督「注射器の件も合わせると、深海棲艦に対して何らかの実験を行っていたことは明らかでしょう。貴方は深海棲艦をチップの力で我が物にしようとしている……というのが僕の憶測です」
提督「違いますか? 藤原大将」
大将「なかなか見事な推理だな小僧。だが、そんな風に深海棲艦を支配出来るチップがあるなら、私以外の誰かが使っているのではないか?」
提督「ええ、そうでしょう。“貴方以外にそのチップを操作することの出来る人間が居れば”、の話ですけど」
提督「ひょっとしたらそのチップは艦娘でない人間に対しても有効かもしれません」
提督「それに、貴方の今の発言は“チップを操作出来るのが貴方以外に居るかもしれない”という可能性の提示であって、貴方自身の疑惑を晴らす発言にはなりません」
大将「ほう、面白いことを言うじゃあないか。是非とも話の続きを聞きたいところだ」
提督「これも、そちらの艦隊にいた磯波の様子から結論づけたことです」
提督「彼女の貴方への忠誠心は異常だった。嵐の夜に単艦で出撃させられたにも関わらず恨み事の一つも吐かず、ただ大将への敬意を話していました」
提督「この事から、深海棲艦に使おうとしたチップを、自分の艦娘にも使用している……と僕は考えました」
提督「また、そのチップには絶対的な忠誠心を誓わせてしまうほどの力があり、大将はそのチップの力を意のままに操り人格さえも支配出来ると考えています」
大将「だそうだ。摩耶」
摩耶「60点だな」
大将「それにしても、フゥーム……磯波か。そうかまさかとは思ったが」
大将「フフフフフフフフフフフ……フフフフフフ……フフ……ハァーハッハッハッハッハッハ」
提督「!?」
大将「南条中佐による襲撃の件に気を取られ過ぎていたか。いや、タイミング的にはそれも貴様の艦娘によるものか? そんな些細なことはもはやどうでもいい」
大将「見事だな小僧よ! 面白い! やはりこうでなくては面白くない! フハハハハッ」
大将「磯波をすり替えたのだろう! 何を狙ってそうしたのかは分からんが……この私を出し抜こうというその考え、実に面白い!」
大将「よかろう。前座はこれまで。探り合いは終いだ……人払い願おう。これから貴様に真実を話してやる」
提督「分かりました。ただし、そちらの艦娘も退出させてください。銃器も部屋の外に置いてきてもらいます」
大将「良いだろう」
247 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/10/31(金) 23:07:01.63 ID:aYGysu570
【提督ステータス】
勇気:59(初期値から 18)
知性:46(初期値から 10)
魅力:50(初期値から 40)
仁徳:65(初期値から 18)
幸運:62(初期値から 0)
人徳アップにより好感度補正小発生
電・如月の好感度上昇の基本値が 0.5上昇します
【好感度まとめ】
電 :46(好感度上昇 9) 4.5*2
皐月:34(好感度上昇 4)
磯波:33(好感度上昇 6.5)
如月:31(好感度上昇 4)
満潮:56(好感度上昇 4)
朝潮:42(好感度上昇 4)
248 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/10/31(金) 23:10:06.69 ID:aYGysu570
書いてる途中で収集着かなくなっちゃったからここで一旦中断かなぁ……
無理すれば今日中にガーッと行けなくはないかもしれんけどもうちょっと元気のある時に気合入れてダーッと書いてサクッと終わらせたみある。
あと貼るとか言って貼らなかった好感度まとめもろもろ。
【提督ステータス】
勇気:59(初期値から 18)
知性:46(初期値から 10)
魅力:50(初期値から 40)
仁徳:65(初期値から 18)
幸運:62(初期値から 0)
人徳アップにより好感度補正小発生
電・如月の好感度上昇の基本値が 0.5上昇します
【好感度まとめ】
電 :46(好感度上昇 9) 4.5*2
皐月:34(好感度上昇 4)
磯波:33(好感度上昇 6.5)
如月:31(好感度上昇 4)
満潮:56(好感度上昇 4)
朝潮:42(好感度上昇 4)
249 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/11/04(火) 19:37:32.57 ID:4xa99O0T0
次回の投下は明日21時頃を予定しています。本当は今日やっときたいところですが体調がグロッキー状態で無理なのでした……。
//チ裏//
三連休は遊園地に行ってきました。一人で観覧車に乗りました。ええ、一人でね。
ソロ園地ってやつです。実際は友人と待ち合わせしてて集まるのが遅かったから一人でアトラクション乗ってただけだけですけど。
250 :
【78/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/11/05(水) 21:28:53.43 ID:CYz2oHFc0
大将「見事だな小僧。見くびっていたぞ」
大将「恐らく南条……ひいては三雲の奴から情報を受け取っているはずなのは間違いないが、それにしてもここまで辿り着くとは大した奴だ」
大将「まず……貴様、いや貴様らは勘違いしているようだがチップは万能ではない。ありとあらゆる例外が存在する」
大将「チップを使って思考や行動を支配することは可能だ。それは間違いではない。だが……」
大将「人間・艦娘に問わずチップの効力が薄い個体が存在していることを確認している。レアケースではあるが、な」
大将「艦娘の場合、チップに流されず人格を保持し続けることの出来る個体は、そうでない個体と比較して遥かに戦闘力が高く、思考力や判断力にも優れている」
大将「一方、チップに流されてしまう個体は元来より意志が弱く成長性にも乏しい。そもそも自発的に成長していこうという姿勢すらみられないのがほとんどだ」
大将「ただ命令を聞くだけの……そうだな。言うなれば、“生まれついての奴隷”か。自分で物事を考える力を持たず、一人では何かを選択することさえ出来ない弱者だ」
大将「さすがに人間相手に艦娘と同様の研究をすることは出来なかったが、恐らく人間の場合も同じだろう」
・・・・
大将「妖精の登場は人類にとって革命的だった。……旧時代の失敗は、“生まれついての奴隷”を自由へと解放してしまったことと、深海棲艦への対策が遅れたことだな」
大将「私が旧時代の負債を打ち倒し、新たな世界の頂点に立つ。それが私の望みだ」
大将「苦痛からの解放と自由の重みに耐えられない弱き奴隷には、チップの力で抗いようもないほどの圧倒的な幸福感を与え、それを得るためだけに生きるようにさせる」
大将「幸福を得るために使命を与えてやるのだ。そうして自らを生かす力のない者にも生きる意味を与えてやる」
大将「そしてチップに打ち勝てる強き精神の持ち主で新たな人類社会を創造していく。これこそこの世界の真のあるべき姿なのだ」
大将「ゆくゆくは深海棲艦も併呑し、この世界の全ての不合理を排除してやる」
大将「奴隷は奴隷として幸福に生き、支配者は支配者としてより持続可能な未来を考えながら生きる。この方法ならば妖精も半永久的に供給され続ける」
大将「私は人類を最後のステージに導くのだ」
提督「その為に貴方は自分の艦娘を踏み躙り、多くの人々を犠牲にしてきたというわけですね……!」
大将「その通りだ。私は私の望みを叶えるためなら躊躇はしない」
・・・・
提督「なぜ僕に貴方の思惑を話したのですか?」
大将「質問に質問で返すようで悪いが……、なぜ貴様は私にここに呼び出した?」
提督「……」
大将「私を謀るつもりだろう。恐らく貴様の背後には南条中佐がついているはずだ」
大将「私をここに誘き寄せる理由が無ければ、リスクを冒してまで私への疑念を話すようなことはしない」
大将「だが、貴様が私を始末しようと企んでいるのであれば、私を今この場で殺そうとしているはず」
大将「そこが解せんのだ。ゆえに策の立てようがない、貴様が私の知を凌駕しているとは思えないが……」
大将「相手の出方が分からない時はあえてこちらの手札を明かすのも戦略の一つだ。生かしておけぬレベルの秘密を知られてしまっている以上、何を話しても問題ない」
大将「もっとも、今この状況ではここから逃げるための備えしかしていないがな。貴様を殺すことによってどんな効果が起こるか分からない以上攻撃はしない」
提督「……(僕は大将に対して恨みは無いし、殺すつもりはない。だからこの作戦はこうなった。そのことで大将が混乱しているなら、ここは黙っていた方が得策だろう)」
大将「そういえば……貴様の艦娘、磯波は見事だな。見事にチップによる洗脳を回避して私の前で演技し通した」
大将「チップによる洗脳効果を最大限に発揮し私の命令を聞かせるようにするためには、身体に触れる必要がある。私の艦隊に居た磯波であれば、喜んで受け入れていたはず」
大将「貴様の所から送り込まれた磯波は、その場では不自然と思われないように上手く触れられるのを断り、切り抜けた」
大将「……ひょっとすると、触れていたとしてもチップの影響を受けなかったかもしれんな。実に良い艦だ」
提督(磯波は無事だったようだな……)
大将「貴様にとっても高く評価している艦娘のはず……」ピーッ ガッガッ
大将「通じんな……。この鎮守府内部の電波を遮断しているのか」
大将(泊地への奇襲か? ……だが泊地に居る艦娘は私の所有艦のごく一部。確かに被害はあるが、致命打にはならない。南条中佐は何を企んでいる?)
251 :
【79/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/05(水) 22:14:59.49 ID:CYz2oHFc0
川内「ピンポンパンポーン! 川内参上! 何やら泊地の方に武装した大量の艦娘が押し寄せてまーす」
突如アナウンスが室内に鳴り響く。
川内「時間的にそろそろ交戦開始じゃないかな? 早く戻った方が良いと思うけど」
川内「もし差し引きならない状況なら私が代わりに指示出しときまーす」
川内「今そっちに向かってるから、よろしくね〜」
提督「! 電・皐月は放送室前へ! 如月・朝潮はその反対方面を警戒!」
満潮「もう向かわせてるわ!」バタン!
大井「厄介なことになったわね……」
大将「満潮、か……ほう。ということは前回の奇襲も貴様だったわけか。見事なミスリードだったな」
満潮「奴はどこから来る!? 絶対にここへは近寄らせない!」
・・・・
川内「もしもーし。どうしたらいいかな提督?」
大井「上ねッ!」バアアアアン
天井めがけて砲撃をかます大井。
川内「あーあ。これじゃあ青空執務室だね〜」
大井「どうして……? 声は確かに上から……」
大将「川内ッ! 貴様に命令するッ! 全艦隊、泊地内に撤退。地上で敵を奇襲・各個撃破しつつ地下の核フィルターを目指せ!」
大将「また、磯波という艦娘が混乱に乗じて逃げ出そうとする動きを見せるはずだ。奴を逃がしてはならん。シェルター内で勾留しておけ。傷はつけるなよ」
川内「了解! じゃねっ!」
突如部屋の隅の床が動き出し、発煙が起こる。床の中に居たであろう川内は窓を割り脱出していった。
満潮「逃がしたか……ッ!」
皐月「司令官! 放送室にあったのはボイスレコーダーだったよ」
大井「してやられたわね」
・・・・
大将「奇襲を仕掛けたのは南条中佐だな。私抜きで戦うのはちと厳しい相手だが、艦隊決戦でなく地上戦……それも罠を張り巡らせてある泊地内での戦いならば話は別」
大将「シェルター内まで逃れれば対地砲撃も無効だ。これでロストの危険性は大幅に下がる」
大将「これで状況は分かった。形勢も動いた」
満潮「だからと言って、私たちがここでアンタを帰すと思う? そちらの不利には変わりないわ」
大井「艦娘は人間を意図的に殺すことは出来なくても……物理的に動けなくさせることぐらいは出来るのよ?」
大将「随分と血の気の多い部下に恵まれているようだな。その通り、このままでは依然私にとって不利な状況だ」
大将「そこで、だ。私は貴様に対して交渉を行う。応じるかどうかは任意だ」
大将「こちらの要求は、私を解放し泊地まで無事に向かわせること。そして、今後貴様に私の手足となって働いてもらうこと」
大将「提示出来る条件は、今後貴様および貴様の艦隊へ危害を加えないことの約束。今は泊地にいる貴様の磯波の無事も保障しよう」
大将「地位も約束する。艦隊も強化しよう。……この戦いが終わったら、チップが埋め込まれた人間を支配する方法も教えてやる」
提督「それで中佐を裏切れ、ということですね」
大将「明らかにそちらにとって利益の薄い提案だと思っているのだろう。だが考えてみろ。貴様らはここで私に決着を着けなければならないぐらい追い詰められている」
大将「一方私はここで艦隊に被害が出ようと、元々在籍していた鎮守府まで戻れば戦力はすぐに補充できる。邪魔な上層部も片づけ、この海軍は私の手中に落ちつつある」
大将「ここで貴様らの奇襲が成功したところで戦略的劣勢は到底拭えない」
提督「……僕個人は貴方に対して殺意を抱いてはいない。でも、貴方の野望は止めなければならないと思っている」
提督「……それに、僕が殺意を抱いていなくても、他の人もそうとは限らない。そういうことです」
提督「方法は聞かされていませんが、南条中佐は貴方を誅するつもりです。僕も、このまま貴方を好きにやらせるつもりはありません。脅しには乗りませんよ」
252 :
◆M9KinPzo02rG
[saga]:2014/11/05(水) 22:47:57.73 ID:CYz2oHFc0
大将(何か策があるのか……私を殺すための策が?)
大将(やはり私を殺すのが目的か……だが、一体どうするつもりなのだ……)
大将(ここで私が敗れては……人類の未来に影響する。手を打たねば……)
大将「…………やるしかないか」
大将「摩耶! 出番だッ! ここから退却するぞ」
摩耶「おっ、ヤバいのか? しょうがねえッ!」大将を背負う満潮
大井「逃がすわけないじゃないッ!」ババババッ
満潮「覚悟するのね」バリバリバリバリ
摩耶「ちょっ、これじゃあ逃げようにもすぐ追いつかれちまうぜ? お前を運びながら逃げるってのは無理があるって」
大将「あそこの海までで辿り着ければいい。賭けに出た」
摩耶「しょーがねえなぁ。しっかり掴まってろよなッ!」
・・・・
摩耶「うおおおッ これ以上はマジに洒落にならないぜ」血を流す摩耶
大将「これでいい」
そう言って大将は海に沈んでいった。
摩耶「おいッ!? お前何やってんだ!?」
提督「これは一体……?」
ブクブクブクブク シュウォォォォォオオオオオ
如月「何!? 大将の沈んだ場所から渦潮が……!」
北方棲姫「ヨンダカ……ニンゲン……」
巨大な北方棲姫の肩に乗る大将。
摩耶「おいおいどーなってんだよこれは!」
摩耶が人差し指を向けて叫ぶ。
大将「賭けに勝った、ということだ。毎回こうしなければ呼べないのは考えものだがな」
大将「私の命に危機が迫ることで脳波が増大し、一時的にチップへの指示を送る力を増やすことが出来る」
大将「脳の電気信号がなぜ海中だと広く伝播するか詳しい原理はまだ分かっていないが、うまく行けばチップを埋め込んだ深海棲艦を操作することが出来るというわけだ」
大将「摩耶、貴様に見せるのは初めてだったな。これが私の実験の成功例。幸いにもその中では最も強力な部類を呼び寄せることが出来た」
大将「摩耶、貴様は先に泊地へ向かえ。もう私は問題ない」
摩耶「……意味が分かんねえが、負傷し過ぎててとにかく今はそれどころじゃない、か。あばよッ!」
大将「さて、これで形勢逆転だ。軽く捻り潰してやろう」
提督「各艦……戦闘配置につけ!」
提督(勝てるのか……こんな相手に……?)
・・・・
提督「…………ッ」
提督(一瞬で艦娘が地上まで吹っ飛ばされてしまった……! 轟沈こそしていないものの、大井さん以外は大破して気を失っている。これ以上の交戦は無謀か……)
大将「ここまでだな」
大将「深海棲艦は、艦娘ではない。人間を殺すことも造作ないというわけだ」
提督(打つ手なしだな、戦力が違いすぎる…………)
提督(ここまで、か)
提督(死ぬのか、僕は……? 彼女たちを守れないのか……?)
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2014/11/05(水) 22:49:26.45 ID:wb/m0ndS0
解
254 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/05(水) 22:51:33.51 ID:CYz2oHFc0
↑は【80/100】です。(操作ミスってトリップの方に貼りつけてしまった)
本日はここまで。
ボーナスとかのアレは明日貼ります。
///チ///
今に始まったことじゃないけどちょっと今回は展開強引すぎたなと思う。いや何度か考えては消し考えては消しを繰り返した結果これが一番……って言い訳はよしとこ。反省してないけど後悔(だめじゃん)。んまぁ終盤かなっていう感じになっていきます。
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/11/06(木) 08:19:26.90 ID:+S5TN48PO
まあ残り数を考慮すると急展開も仕方ないね
あとなぜか満潮が大将背負ってるぞ
256 :
◆Fy7e1QFAIM
[sage saga]:2014/11/06(木) 12:06:55.06 ID:PiPuoDGUO
>>255
ぎゃああ……やらかしました。
そういや過去のやつとか読み返しててわりと脱字とかあったりしてうわってなることがありました。
気をつけてる“つもり”……“つもり”という慢心こそ艦これにおいてもSSにおいても厄介なのです。
/* 経過ボーナス */
以後各艦娘の好感度の基本値が 1増加します
また、提督の能力値変動イベントが発生します
能力値ボーナスは安価とコンマで決定します。
アップさせたい能力値 勇気/知性/魅力/仁徳/幸運の中から一つ選択し、
出たコンマでその選択した能力の上昇値が決定します。
///両面刷りのチラシの場合どちらが裏なのだろう///
むむむ……どういう感じでやっていこうかかなり悩むのぜ……。
指針はあれど絶対それに沿って上手くまとめ上げられる自信が無いぞ〜☆
100レスの制限が無ければ……と思うことが多々ありますが、100レス完結じゃなきゃ多分途中で心が折れてエターナっちゃうんだろうなあ。
縛りが無ければここまで展開を詰め込みまくってとにかく過激な方にエスカレートさせたりせず、ひたすら序盤の馴れ初めを冗長に書いてただろうしなぁ……。
そう考えると皮肉にも制約があった方が書きやすいのかもしれん。とはいえムツカシイぞこれぇ。
筆者のくせに展開に流されすぎじゃないですかね……立てた指針がことごとくねじ曲がっていく問題。
でも、こーゆー難しさとか辛さとかを上手いこと考えていくのが物書きというか創作全般の面白さなんじゃないかなーとは思わなくはない。思わなくはないけどこれどうすっかなー(暗に次の投下が遅れるかもと言っている)。
これは鬼が笑い出しそうな皮算用的トークなんですけど、最近この話の次の100レスのアレを軽く考えたりしてます。
次回ではゲーム性(?)とランダム性を高めてみようかな〜、とか、もうちょっと数値に厳密にやっていこうかな〜……とか。
あと、今回のではあんまりやれなかったしもうやれそうにないので、艦娘同士の絡みとかはもっとやりたいですね。
……とりあえず設定やストーリーが今回ほどゴテゴテすることは絶対ないと思います(というか意図して今回のと似たようなものを書ける自信が無いし体力も無い)。
そもそも次回やるかどうかが微妙ですけれども。
リアルもそんなに時間があるわけじゃないってのと、これ書いてるとかなり自由に使える時間が減るってのが痛い……。
やるとしたらよろしくねってわけで一つ。
257 :
◆Fy7e1QFAIM
[sage saga]:2014/11/06(木) 13:11:33.08 ID:PiPuoDGUO
あ、ボーナス用安価は>> 1です。
言ったそばからまたミスだ。うっかりさんは死ななきゃ直らないって某牙突おじさんが言ってた。
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/11/07(金) 08:13:18.57 ID:OwadHVU3O
知性
259 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/11/11(火) 19:10:06.36 ID:2gk38mB50
予告してませんでしたが多分今日21時頃から投下します。ダメそうなら明日の同時刻に投下します。
>>258
より知性+6(現在値:52)
【提督ステータス】
勇気:59(初期値から 18)
知性:52(初期値から 10)
魅力:50(初期値から 40)
仁徳:65(初期値から 18)
幸運:62(初期値から 0)
260 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/11/11(火) 21:33:56.89 ID:2gk38mB50
ンー微妙に区切りがよくないなぁ……ごめんなさい明日で……
///りーふれっと///
久々にレッドブル以外のエナジードリンク飲みました。えっとアレです。モンスターエナジーM3ってやつです。
なんとなくレッドブル以外のエナジードリンクは身体に悪い味がするという偏見を持っていたんですけど(無論そんなわけはないしレッドブルも身体に良いものではない。というか身体に悪い味ってなんだ)、アレはわりと良いやつですね。
一瞬モンスター特有の身体に悪そうな味がするんですけど、後味がわりと許される感じになってておーいいじゃんと思いました。
※全て個人の感想ですしネガキャンでもステマでも何でもありません。っていうかこんなチラシの裏の書き込みを参考にするな
261 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/11/12(水) 22:05:04.21 ID:LuV5id630
うぐ……すみません。どうにもまだ良い感じの所まで書けてないんです。
一応4レス分ぐらいまで書けてるんですけど、ちょっと変な区切り方したくないなーと思ってまして。
明日までお待ちを……。明日には必ずや投下しますので……。
262 :
【81/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/13(木) 21:10:35.23 ID:+ESOmSoh0
提督(ダメだ……何も浮かばない……!) 提督の眼前まで艦載機が迫る
大将「……ここで貴様の命を奪うことは容易い、が」
大将「ここで再度先ほどの交渉をしたい」
大将「と、言っても、貴様が交渉に応じようが拒もうが私は泊地に辿り着けるがな」
大将「私の部下にならないか? そうすれば貴様の艦娘と貴様の身の安全を約束する」
大将「一応……ここで意地を張って犬死するという選択肢も用意しておいてやるが。私は前者を強く奨めるぞ」
提督「なぜ、この状況で僕に交渉を迫るのか、教えて、下さい」 声は震え、脂汗が垂れている
大将「貴様は秘密を知っている。知っているからこそ利用価値がある」
提督「知っているからこそ、始末しなくてはならないのでは?」
大将「命を助けてやるというのだから大人しく従ったらどうかと思うが?」
提督「ここで助かったところで……一時的に助かるだけです。死ぬのは怖いですが、貴方に利用された末殺されたのでは、同じことでしょう」
大将「命の危機が迫っていてなお相手の真意を探ろうとするか、見事だな」
大将「交渉に応じるのであれば、私は貴様に危害を加える気はない。貴様が裏切らない限りはな」
大将「脅して言うことを聞くような相手でも無いか……良いだろう」
大将「まだ誰にも知られるわけにはいかなかったのだが……機を逃すよりは上策か」
大将「チップの機能そのものは機械で制御しているが、個人の意のままに動かすには自分の脳波を対象に流し込む必要がある」
大将「脳波というより……分かり易く言えば“念”のようなものだな。その力を増強させるための代償で、私の命はあと1年持たない」
大将「チップを支配する力を得るには、自らの脳にあるチップを完全に無効化しなければならない。私の場合は摘出するための手術が必要だった」
大将「しかし、チップを取り出すための手術は精神・肉体に大きな影響を及ぼす。運よく今日まで生き延びることが出来たが、そろそろ限界が近いようだ」
大将「貴様の場合……三雲大佐同様、私のチップの影響を全く受けていない。恐らくは脳にチップが入っていないのだろう」
大将「私の後継となる人間が必要だ。ここで私が滅んでしまっては、深海棲艦の脅威を無くすことも、理想的な人類社会を実現することも出来なくなる」
大将「貴様が私の意志を継ぐのだ。三雲大佐の残党狩りが終わったら適任者を探すつもりだったが、もはや貴様以外に考えられん」
大将「貴様に人類を導く資格を! さもなくば死をくれてやる! さあ、答えを聞こう!」
提督(どういうことだ!? どうなってる!? 一体どうすればいい?)
提督(僕が応じなければ、僕も、皆も、ここで殺されてしまう……!)
提督「……分かりました。貴方に従います」
大将「よろしい。泊地までついて来い」
提督(とにかく、今は様子を見るしかないか……)
北方棲鬼に乗り飛び去っていく提督を見届ける大井。
大井「…………」
・・・・
大将「貴様に教えなければならぬことは山ほどあるが、それはこの戦いが終わってからだ」
大将「南条中佐を始末する。そして明日三雲大佐を処刑する……この二つは最優先事項だ。それにしても厄介な奴らだ」
大将「貴様という人材が奴らの側についていたのは私にとって幸運だったがな。おかげでこれからやるべきことの一つが減った」
大将「この戦いが終わり次第、まずチップの埋め込まれた者を操作する方法を教える」
提督「僕は貴方のようになるつもりはありません」
大将「それでも構わない。だが、知っていれば必ず力を使いたくなるだろう。使わねばならぬ局面も出てくるだろうしな」
大将「今貴様がどう思っていようが、最終的には私の理想を実現するだろうと期待している」
提督(……余命の話は本当みたいだな。とにかく、今は従うしかないか)
提督(中佐の死を回避しなければならないが……この状況だとどう動けば良いんだろう?)
263 :
【82/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/13(木) 21:13:24.94 ID:+ESOmSoh0
足柄「厄介ね……! なんだってここはこんなに罠が張り巡らされてるのかしら! 上陸するまでは大したことなかったのに、急に敵の動きが機敏になったような気がするわ」
龍驤「まだこっちが優勢みたいやけど、長期戦になったらヤバいでぇ〜」
妙高「藤原大将の艦隊ともなると、一筋縄では行きませんね」
羽黒(それにしても……この動き……どこかに誘導されているような……?)
那智「よし! 残る敵はシェルター内だ! 突撃するぞッ!」
・・・・
ガラクタの山の上に立ち、腕を組みながら妙高たちを見下ろす夕張。
夕張「よく来たわね。私の罠はどうだったかしら? だいぶ苦戦したんじゃないかしら」ゴゴゴゴゴゴ……
足柄「そうね。でも、もう逃げ場は無いわ! 小細工はそこまでよ!」
夕張「確かに罠はもう残っていないわ。ここから先は実力勝負……!」
那智「軽巡風情が良い気になるなよ」
夕張「私たちを追い詰めたつもりでいるようだけど……わざとここまで連れてこられてたって気づいてないのかしら?」ヒュウウウウ……ドンッ!
武蔵「フッ……待ちわびたぞ! さあ宴はこれからだ!」高く跳躍し、夕張を飛び越えて妙高たちの前に現れる武蔵
羽黒「何てこと……! まだあれだけの戦力が残っていたなんて……」
足柄「流石に相手が悪いわね……」
長門「そいつの相手は私が受けよう! 戦艦長門、いざ参る!!」
陸奥「流石に私たちの出番は無いかなと思ってたんだけどね……」
陸奥「いくら大和型であっても、私たち二人が相手ならどうかしら?」
武蔵「フッフッフッ……ハァーッハッハッハッ! そうこなくてはな! そうでなくては面白くない!!」
武蔵「……この武蔵の主砲、伊達ではないぜ?」
・・・・
ドガアアアアアン ドオオオオオオン ババババババババ
大将「フッ……派手に暴れているようだな」
大将「だが、私がここに着いた以上騒動はここまでだな。おまけに今はこの化け物までもが私の味方についている。その気になれば一瞬で方がつくだろう」
大将「さて……シェルターの中ではどうなっているかな?」
武蔵「まだまだァ! その程度ではこの武蔵は倒せんぞッ!」
長門「なんのォおおおおおおお!!」
主砲は既に使い物にならず、損傷も激しい様子だったが、それでも拳一つで立ち向かっていく長門。それに対し、容赦なく砲撃の手を緩めない武蔵。
バァン!!
激しい激突音がシェルター内に響き渡る。砲撃の雨を抜けた長門の捨て身の突撃が、武蔵の鉄壁の装甲さえも弾き飛ばした!
不知火「信じられない……あの武蔵が押し負けている……!」
衝撃に吹き飛ばされ壁に激突する武蔵。力を使い果たし前のめりに倒れる長門。
シェルター内にいる全ての艦娘が、その様子を固唾を飲んで見守っていた。
武蔵「む……そこに居るのは提督か。フッ……格好悪いところを見せてしまったな。……だが、ここからが本領よ! 全砲門! 開」
大将「そこまでだ武蔵。……戦艦長門か。見事な戦いぶりだった。武蔵を本気にさせるとはな」
パチパチパチ、と拍手の音が木霊する。入口から藤原大将がゆっくりと歩いてくる。
武蔵「提督よ、なぜ止めるのだ? 奴のことだ、数分後にはまた立ち上がるぞ。提督が帰ってくるまでは遊んでいるつもりでいたが、もうその必要は無かろう」
大将「私は此奴が気に入った。うちの艦隊に欲しい」
武蔵「チッ……分かった」
264 :
【83/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/13(木) 21:19:08.92 ID:+ESOmSoh0
よろよろと立ち上がる長門に駆け寄り、その手に触れる大将。すると、それまで鬼気迫る表情だった長門の顔が和らぎ、殺気が失われた。
陸奥「う……ウソ……何者なのよアンタ……!」
満身創痍の陸奥が、息も絶え絶えになりながら声を出す。恐怖で声が震えている。
大将「諸君、これにて戦いは終わりだ。ご苦労であった」
妙高「ここまでね……大人しく降参しましょう」
中佐の艦隊に所属している艦娘は、万に一つも希望が無くなったと判断し、全員が投降した。
・・・・
大将「投降した艦娘は全て武装を外した状態でドッグに収容しておけ!」
大将「さて、私たちも此奴のチップへの情報の書き込みが終わり次第、南条中佐を探すぞ。恐らくこの泊地内に潜伏しているはずだ」
提督「高い精神力を持った人や艦はチップの影響を受けないのでは?」
大将「私は受けないとは言っていないぞ。チップが埋め込まれていないかその機能が無効化されていない限りチップの力から完全に逃れることは出来ない」
大将「人格を支配することは出来なくても無害化して従わせるぐらいなら可能だということ」
大将「それにしても妙に時間がかかるな」
提督「時間がかかる……って触っている感覚だけで分かるものなんでしょうか?」
大将「慣れの問題だ。それにしても変だ……ぞ……」バシュッ
意識を取り戻した長門に突如殴り飛ばされる提督。そのままシェルターの外まで吹き飛ばされた。
長門「フフフフ……勝った……勝ったぞ……!」
長門「南条中佐……私は今この時ほど貴方に感謝した事はないッ!」
長門「艦娘最強と謳われている武蔵に! かつての私の全てを奪ったこのチップに! そのチップを支配しているこの男に!」
長門「そしてッ! 私の命を奪ったあの光に! 私は勝ったのだッ!! ハーハッハッハッハッハッハッ」
大将「なんだコイツは……気でも狂ったか!?」
天高く指を突き上げ、大きく声を張り上げる長門。シェルターの入口のシャッターが閉まり、代わりに閉ざされていた天井が解放されていく。
雲り無き青空が広がっている。そして、一つの巨大な光がシェルターの中央めがけて突き進んでくる。
長門「天を見ろ! あれこそがッ!! あの忌々しいあれこそがッ!」
長門「私の最強の武器だ!! 貴様が最期に見る光だァああああああああああ」
大将「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ」
再度シェルターの天井が閉まっていく。シェルターの天井が完全に閉まりきるに光はシェルター内に到達する。
刹那にシェルター内が透けて見えるほど激しい光が炸裂する。
凄まじい音が海原中を駆け抜けた後、光は消えて、中の様子は何も見えなくなった。
提督(一体……何が起こったんだ……)
艦娘たちは皆一様に口を開け、目の前で起こった現象に呆気を取られていた。
・・・・
どこからともなく南条中佐が提督のもとに駆け寄ってきた。
中佐「終わったね……」
中佐「恐らく君では藤原大将を食い止めることは出来ないと予想していた」
中佐「だから私は初めからこうするつもりでいた。彼なら、仮に自分の拠点を攻撃されても敗北を認めず、逆に勝利をする方法を考えるだろう」
中佐「私の艦隊によって完全に包囲されているという不利な状況を覆すには、地上に誘き寄せて各個撃破していった方がいい」
中佐「私はこの泊地内にシェルターがあること、そして大将が戦艦武蔵を所有していることを知っていた」
中佐「地上ならあのシェルターの中以外で武蔵を暴れさせることは不可能だろう。だから、最終的にはそこで大将の艦娘は集結するだろうと予測していた」
中佐「大将がここに到着する前に艦娘たちがそうした動きをしていたので焦ったけど……全ては上手くいった。長門が時間を稼いでくれたからね」
265 :
【84/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/13(木) 21:25:42.30 ID:+ESOmSoh0
陸奥「あなたは……自分の為に長門を犠牲にしたというの!? だとしたら、あの光の中に消えていった大将とあなたは何も変わらないわ!」
中佐「ああでもしなければ私は死んでいたし、お前も長門も奴の駒になっていた」
中佐「私は……自分が生き残る為、そして愛する人を守る為なら何でもするよ」
陸奥「そんな……っ。長門はあなたの事をあんなに慕っていたじゃない……! それなのに……」
中佐「それでも、だ。それでも……だな。長門を犠牲にしてでも、私は幸せになりたかったのだ。……長門もそれを分かってくれたんだ」
陸奥「ひどいわ……そんな……」
ドゴオオオオオオオン
爆撃音が遠くから聞こえた。
中佐「まずいっ! 北方棲姫が暴れだした! チップの制御が解けたんだ!」
中佐「奴を倒さなければ結局ここで全滅してしまう! 迎え撃て!」
夕張「色んなことが起きすぎて何がなんだか分からないけど……。とにかく話はあれを倒してからになりそうね」
不知火「第十八駆逐隊、不知火……出る!」
武蔵「フッ……良いだろう。奴に勝ち逃げされた憂さを貴様で晴らさせてもらうぞッ!」
足柄「私たちも続くわよ! 撃て! 撃てー!」
龍驤「攻撃隊、発進! 一気に決めるで!」
・・・・
提督(いけない、気を失ってしまっていたようだ……)
提督(突然僕の身体が吹き飛んで……シェルターで爆発が起きて……大将は……)
提督「グッ……アッ」口から血を吐き出す
提督(身体の内側からメキメキって音がする……何本も骨が折れてるみたいだな……)
磯波「提督!? 提督っ!!」
提督「磯波か。そうだ、あの後、中佐が来て、それから……」
提督「今、何が起こっている……?」
磯波「南条中佐が北方棲姫と交戦中です。ただ、艦娘たちのほとんどが負傷しているためか苦戦を強いられているようです」
磯波「無理しないでください。私が提督の身体を背負いますから、ここから脱出しましょう」
・・・・
那智「厳しい戦況だな」
中佐(あまりここで戦いが長引くと騒動を察知した他の鎮守府から増援が来てしまう)
中佐(そうすればアレを倒すことは出来るだろうが、私は恐らく逃げる機会を失ってしまう)
中佐「死してなお、というわけだね。厄介なものを残していったもんだ……」
妙高「提督、焦っておられるのですか?」
中佐「うむ。……危険だが仕方がない、一つ手を打とう。陸奥、武蔵は突貫し北方棲姫のみを狙い打て! 他の艦も前進しつつ二人を補助しろ!」
武蔵「フッ、良いだろう。行くぞ!」
・・・・
ドゴオオオオオン……ドオオオオオン……ドンドンドンドンドーン!!!!
武蔵「うおおおおおおおッ! ありったけの砲撃を食らわせてやるぜッ!!」
夕張「やったッ! 北方棲姫が吹き飛んだ!」
足柄「一気に畳み掛けるわよ!!」
266 :
【85/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/13(木) 21:37:39.04 ID:+ESOmSoh0
武蔵「……? 待て、陸奥! そっちに艦載機が行ったぞ、仕留めろ!」
陸奥「え?」 北方棲姫の放った艦載機の群れが陸奥の眼前で爆撃を放つ。艦載機は陸奥への攻撃後も勢いを止めずそのまま海上を突き進んでいく。
龍驤「なんのッ! ウチが打ち落としたるで! ……って、おろ?」
艦隊を避けあらぬ方向を目指して飛んでいく敵艦載機。
龍驤「なんやあの動き? ウチらに攻撃もせず、本体の北方棲姫に戻るわけでもなく……一体どこに向かって飛んでるんや?」
羽黒「あの方角は……まずいです! 提督が……!」
妙高「足柄! 那智! 急ぎ後退して提督をお守りするのよ!」
那智「もう向かってるッ!」 全速力で海上を駆け抜ける足柄と那智。だが艦載機の速度には敵わない。
中佐「!? なんだコイツは……うおおおおおおおおおおおッ」
艦載機が南条中佐の身体に触れると、次々に爆発していく。足柄が駆けつけ、中佐に覆いかぶさるように爆発から守ったため、四肢は欠損していなかった。しかし……
中佐「足柄……ありがとう。…………どうやら私はここまでのようだ。意識がどんどん遠のいていく」
中佐「不思議だな。あれだけ、生きたい、生きなければ、と思っていたのに……ガハッ」
中佐「死が近づくと……こんなに心穏やかになるものなのか……」
那智「おい提督! しっかりしろ!」
中佐「この戦いが終わったら……結婚の約束をしていたのにな……。守れっ……そうに……ないや……すまない……北上……」
足柄「提督! 提督!!」 南条中佐の身体を揺さぶる足柄。しかし動く気配は見られない。
羽黒「姉さん、提督はもう……」
足柄「陸奥! ……どうしてあの時艦載機を止められなかったのよ!? いつもの貴方だったらあんな時にボーッとしていないはずよ!?」
足柄「あなたが止めていれば……」
妙高「止しなさい足柄! ……誰のせいでもないわ」
不知火「それより、今はこの状況をどうするかを考えなくてはいけないわね。まだ北方棲姫は生きているわ」
夕張「それどころか、なんか本気モードになっちゃったみたいだし……態勢を立て直さなきゃいけないわ」
龍驤「そうしようにも、負傷してるとはいえ敵はどんどんこっちに接近してきてるで? マズイなぁ……」
・・・・
海上を進む磯波と、磯波に背負われる提督。
提督「磯波……さっき爆発があった所まで連れて行ってくれないか?」
磯波「え? 危険ですよ……それに、南条中佐が今戦っているはずです」
提督「嫌な予感がする。……あんな地上の近くで爆発が起きるなんて妙じゃないか?」
提督「南条中佐が不利な状況にあったとしたら、ひょっとすると僕たちも鎮守府に戻れないかもしれない」
磯波「分かりました」
・・・・
足柄「まだ私はやれるわ! 提督の仇を討つまで沈めないわ!!」
夕張「大破してるんだから大人しくしてなさいって言ってるでしょ!」
武蔵「すまん夕張。悪い報告だ、弾薬が尽きた」
夕張「ええええええ!? もう逃げるしかないんじゃないかしら」
那智「逃げるといってもどこに逃げろというのだ! 逃げるべき場所が無いだろう」
不知火「もうこれ以上の交戦は限界に近いと思うわ……。援軍が来るまで退いた方が」
那智「だからどこにどうやって逃げるんだと言っている!」
足柄「私はまだ戦えるわ! 出しなさいよ!!」
夕張「アンタは引っ込んでなさいって言ってるでしょーが!!」
267 :
【86/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/13(木) 21:48:49.49 ID:+ESOmSoh0
提督たちが爆発地点まで辿り着くと、目の前には南条中佐の死体と、言い争いをする艦娘の姿が映った。
提督「これは……一体何があった!? 何をしてい……ウッ(声を張り上げると血が喉からこみ上げてくる……)」
夕張「貴方は……大将が言っていた子ね。見ての通りの惨状よ」
夕張「負傷艦が出ていてまともに戦えるような状況じゃない上に、逃げ場もない。前からはあの北方棲姫。とてもじゃないけどどうしようもないわ」
武蔵「待て夕張……奴に指揮を執らせてみてはどうか? 案外どうにかしてくれるかもしれんぞ?」
磯波「ちょ、ちょっと……」
提督「分かった。引き受けよう」
磯波「……提督ぅ(せっかく提督とまた会えたのに……でも、提督はこういう人ですからねぇ)」
・・・・
提督「作戦はこうだ」カキカキ
不知火「なるほど……即席の作戦にしては上等じゃないかしら」
提督「この作戦は一蓮托生の総力戦だ。僕は君たちのことは知らないし、君たちもそうだろうが……今だけは僕に力を貸して欲しい」
武蔵「乗った! 良いだろう! ……陸奥! いつまで黙りこくっている!」
武蔵「私の主砲を貸してやる。あの長門の妹艦だろう? ……やれるな?」
陸奥「……分かったわ。私がやらなきゃ……!」
・・・・
磯波「提督〜いつまでこれを続けるつもりですか〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
空を埋め尽くさんばかりの艦載機に追われる提督とそれを背負う磯波。
提督「あちらが倒れるまでだ! 他の艦娘たちを信じよう!」
武蔵「ハッハッハッ! 案ずるな! この武蔵が盾になってやるというのだ! 何を恐れることがあろう?」
提督を狙って迫りくる艦載機を殴り飛ばしていく武蔵。
武蔵「いいぞ、当ててこい! 私はここだ!」
磯波「当ててきちゃダメですってば〜」
北方棲姫「ユルサナイ…………ユルサナイユルサナイユルサナイ!」
北方棲姫の正面で逃げ回る磯波たちに対して、北方棲姫の背後から浮遊砲台を次々に破壊していく足柄たち。
足柄「許さないのは私の方よ! 観念なさい!!」
夕張「やはり敵の意識が完全に攻撃に傾いているわね……守りは薄いわ! 一気に片付けましょう」
・・・・
磯波「もう、限界ですよぉ……」ヘトヘト
提督「じゃあ、僕とここで心中になるかな」
磯波「それも良いかも……って、良くないです! 良くないですよぉ!」
武蔵「む? あの空中たこ焼きが片付いてきたな。そろそろじゃないか?」
提督「よし……! さあ勝負はここからだ!」
陸奥「私は陸奥……長門型戦艦二番艦陸奥よ! やってやる、やってやるわッ!!」
陸奥「全主砲、斉射! 撃てぇーーー!!!!」ドゴオオオオオン
那智「私たちも続くぞ! かかれッ!!」バババババッ
北方棲姫「ナメルナッ!!」 次々と艦載機を繰り出す
268 :
【87/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/13(木) 21:50:47.84 ID:+ESOmSoh0
龍驤「! あのデカブツの後ろから艦隊が接近してるみたいやで! ……やったで! 味方艦隊や!」
提督「本当か!? ……よし、なんとか助かったな」
大井「遅くなったわね。……中佐は無事逃げられたのかしら?」ドシュドシュッ
やってきた味方艦隊の雷撃によって北方棲姫は大きく態勢を崩す。
陸奥「さて……止めを刺すわよ!」
すかさず砲撃を叩き込む陸奥。ついに北方棲姫は深海に沈んでいった。
・・・・
大井「私はあの後、三雲大佐を助けに行ってたの」
大佐「幸いにも、処刑を任された人間が顔見知りでね。……私もつくづく悪運が良い。ところで、これは何があったんだ?」
提督「事の顛末を話すと長くなりますが……」 これまでの経緯を話す
大井「そう、中佐は亡くなったのね……わたし、ちょっと離れるわね」
そう言って立ち去った大井。人気のない所で泣いているのかもしれない。
大佐「何にせよ、よく頑張ってくれたね。……私の都合で、だいぶ君に辛い思いをさせてしまった」
提督「いえ、貴方のおかげで……そして今まで出会ってきた色んな人々や艦娘のおかげで、僕は少し成長出来たような気がします」
提督「人それぞれに歩んできた人生があって、色んな望みや理想を抱えて生きているんだって……」
提督「頭では分かっていた当たり前のことだけど、これまでの経験で、そのことを本当に理解することが出来ました」
大佐「そうか……。私からはもう何も言うことはないな。よくやった」
大佐「もう、これまでのように過去の出来事によって君が振り回されることはないだろう。今まで本当によく戦ってきたものだ」
大佐「私はもう隠居するよ。書類上は死亡したことになっているわけだしね。私の艦隊や中佐の艦隊は、なるべく君のもとに行くよう手配しておこう」
大佐「お疲れ様……さ、鎮守府へ届けよう」
提督(これで、終わったんだな……)
・・・・
磯波「提督……これ、返しますね」 提督の渡したお守りを手渡す
提督「ああ。それにしても、無事だったかい?」
磯波「ええ。私が大将の艦娘じゃないって気づかれそうになって焦ったこともありましたけど……このお守りがあったから」
磯波「それと、満潮にもお礼を言わなきゃ。満潮が、『身体を触れられないように』って教えてくれたんです」
提督「そうか……無事だったんだね。良かったよ」
磯波「朝潮の調子はどうですか? だいぶ思い詰めていた様子でしたけど」
提督「ああ、朝潮ならもう平気さ。彼女も……彼女なりに生きる道を決めたみたい。前よりもよく笑うようになったよ」
磯波「良かった……今度、また皆で遊園地に行きませんか?」
提督「そうだね……。やっとまた皆で過ごせるんだね。……」 突然上を向いて天を仰ぐ提督
提督「いや、幸せなことだな、と思ってね。ちょっとウルっときた」
磯波「ふふ、私も幸せですよ。また提督に会えて……良かったです」
磯波「大将の艦娘にシェルターに連れられた時、私、もうダメかもしれないって不安になったんです」
磯波「でも……私、信じてました。どんなことがあっても提督が助けに来てくれるって」
磯波「提督……私。私、ずっと提督と一緒に居たいです。提督がおじいちゃんになっても、ずっと」
磯波「だから……その、提督の、お嫁さんにしてもらえたらな……なんて」ゴニョゴニョ
提督「えっ!? ちょ、ちょっと待って! 今なんて」
磯波「聴こえてなかったんですか!? じゃあ内緒です、ふふ」
磯波(もし提督にその気があるなら……今度は提督の方から「愛してる」って言って欲しいな……)
269 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/13(木) 21:56:24.96 ID:+ESOmSoh0
----------------------------------------------------------------------
磯波の好感度+7.5*2(現在値48)
本日はここまで。
何のSSだっけこれーーー!?
何のSSだっけこれーーー!?
いつもみたく細切れで投下したくなかったのはまぁそんな感じのアレな理由です(何だそれ
///チラシ裏///
今週は著しく調子悪くて辛さがあります。他人から見て順風満帆でも当人の精神が安定してるとは限らないのよね。
頭がおかしくなりそうなので週末は早寝早起きで健康的な生活を目指します。あぁ部屋の掃除しなきゃ……。
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/11/15(土) 12:18:44.21 ID:B6FUs7NNO
あと13レス分は好感度イベントメインかな
271 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/11/18(火) 09:52:37.26 ID:e8kCF+zNO
先週の土曜で無事イベントを完走したので安心してSSの続きを書ける
>>1
です。
とりあえず次回の投下は今週の木曜日か金曜日あたりを予定しております〜。
コンマ判定(エクストラでない) >> 2
01〜58
59〜98
ゾロ目
のいずれかで今後ちょっと分岐するかもしれないし、しないかもしれない。
////チラシ裏作戦////
今回のふ……渾作戦は
>>1
のような中堅プレイヤーにはありがたい難易度でしたね〜。
資源消費量的にはあんまり有難くない感じでしたけれども……。
雪風のカットインでも耐えるとか空母水鬼硬すぎんじゃよ。
とりあえず無事朝雲もゲット。大鯨と浦風も回収して非常に良い感じです。
あとは天津風かなー。3-5だと出現率0.5%切ってるからここで取っとかないと辛いよねー。
E-2は資源消費的には優しいけどバケツには優しくないですね。ツ級が邪魔!
諸々終わり次第大型回すマンになります。備蓄? 知らない子ですね。
272 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/20(木) 08:03:34.92 ID:kcL6VY1u0
コンマ判定 >>+1
(01〜58/59〜98/ゾロ目で分岐)
上のレスで>>+2って書いたつもりがなっていなかったので↓のコンマで決定ってことで
273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/11/20(木) 09:19:50.55 ID:Kjzs2njFO
ほい
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/11/20(木) 09:55:12.37 ID:Kjzs2njFO
ここでゾロ目引いてしまったか…
275 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/20(木) 20:37:47.33 ID:kcL6VY1u0
>01〜58/59〜98/ゾロ目で分岐
>2014/11/20(木) 09:19:50.55
アッ
とりあえず本日分を22時頃から投下(予定)。待たせたわりにあんまり進まないですけれども。
////チラシ山////
山城改二ですよ山城改二!! オンラインメンテなんて粋なことしますねー。何にせよありがたい。
早速改二にしておきましたよフフフ。
276 :
【88/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/20(木) 22:38:06.46 ID:kcL6VY1u0
提督「皆……ただいま!」
皐月「司令官……! 磯波……! おかえりっ!!」
満潮「これで、終わったのね。……司令官と会ってから、長いようで短かったわね」
如月「色々あったけど、こうして終わってみると……なんだか感慨深いわね」
電「今日はお祝いなのです! こうしちゃいられないのです!」
・・・・
電「司令官さんと磯波が無事帰ってきたことを祝福して」
電「そして、こうしてまた皆で一緒に居られることに感謝して……乾杯!」
一同「乾杯!」
電「うう……やっぱり電にはこういうの似合わないと思うのです」
如月「そうかしら? わりと様になってきたんじゃない?」
電「またそうやって如月はからかって!」
如月「あら、からかってないのに。素直に褒めてるのよ?」
電「むぅ……それはそれで恥ずかしいのです」
皐月「あっ、司令官。祝いの席で水杯なんて縁起でもないからやめなよ」
提督「えっ? これだめなの? お酒はアレだしジュースって気分でもないからさ」
皐月「それは仲間と今生の別れをする時に交わすものだよ。司令官はこれから出世していくんだから、よーく覚えておかなきゃ!」
提督「出世するかどうかはともかくとして……。じゃあ、やめておくよ。お茶にしようかな」
磯波「あっ、私淹れますね」
・・・・
満潮「宴会でお茶ってのもどうなのよ……」グビグビ
提督「未成年がお酒飲んでるのもどうかと思うな……見逃すけどさ」
満潮「あら? 私今年で24歳だけど?」
提督「えっ」
如月「えっ」
電「えっ」
満潮「えっ」
満潮「何よその反応は……。艦娘になってからは歳を取らないんだから当たり前でしょ?」
磯波「知りませんでした……」
朝潮「そうだったんですか」
提督「また一つ知られざる驚愕の事実が……」
満潮「……何よ、もう」シュン
満潮「悪かったわね! 幼くて!」グビッグビッ
如月「そんなに飲んだら酔い潰れるわよ?」
----------------------------------------------------------------------
全員の好感度+6(ステータスや秘書艦による±補正なし)
電 :52
皐月:40
磯波:54
如月:37
満潮:62
朝潮:48
277 :
【89/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/20(木) 22:40:10.72 ID:kcL6VY1u0
磯波「そのに時提督が駆けつけてあの北方棲鬼を倒したんですよ!」
鎮守府に帰ってくるまでの話をする磯波。
提督「僕が倒したみたいな言い方はやめてよ。ただ、僕の推測が当たって、大将や大佐の艦隊たちがうまく立ち回ってくれたからどうにかなっただけさ」
如月「あらあら、謙遜しちゃって」
提督「あの時は珍しくイレギュラー要素が無かったのも大きいかな。……もちろん戦闘中に限っての話だけど」
提督「大将に連れられて来た時にはもう訳が分からなかったよ。ただ、どんな状況になっても対応出来るように、冷静になれるよう心がけていたかな」
提督「冷静になれていたかどうかはともかく……こうして無事帰ってこれて良かったよ」
提督「磯波も、ありがとう。君のおかげで生きて帰ってくることが出来た」
磯波「お礼を言うのは……私の方ですよ」顔を赤らめる
フゥーンと満潮が荒い鼻息を鳴らす。
提督「? どうした満潮?」
満潮「べ・つ・に! なんでもないわよーだ」グビグビ
電「酔ってるのです?」
皐月「酔ってるね」
満潮「酔っ払ってなんかないわよ〜……やってらんないわ」フラフラと立ち上がる
提督「おい危ないってば!」転びそうになった満潮を抱きかかえる提督
提督「どうやら満潮は相当酔いが回ってるみたいだ。ちょっと寝室まで運んでくるよ」
満潮「酔っ払ってないってばー」いわゆるお姫様抱っこで運搬される満潮
・・・・
提督「……ッ!(まだ身体が痛むな……生身の人間が戦艦に殴られれば当たり前か。多少手加減はされてたんだろうけど……)」
提督(抱っこなんてするもんじゃなかった……)敷布団の上に満潮をそっと下ろす
満潮「……どこか痛むの? 辛そうな顔してる」
提督「ああ、ちょっと負傷してね」
満潮「そう……。貴方が生きていて、本当に良かったわ」
満潮に布団をかける提督。提督の顔が近づくと、彼の後頭部に手を伸ばして自分の顔に引き寄せる満潮。
目と目が合う。息が重なる。
提督(近い……)
満潮「……ねえ。貴方は、これからどうしようと思ってる? どうしたいの?」
満潮「わたしはね…………」
思わず息を呑む提督。咄嗟のことでまだ状況を理解出来ていない。
提督「?」
満潮「ううん、なんでもない」
パッと手を離す満潮。
提督「? ……そうか。おやすみ、満潮」
満潮「おやすみ……」瞼を閉じる満潮。提督は部屋を出ようとする。
満潮「……大好き」ボソッ
部屋の外で、ずれた帽子をしっかりと被り直す提督。
提督(何だったんだ……今の)
----------------------------------------------------------------------
満潮の好感度+5(現在値61)
278 :
◆HYjm56wlGG8b
[saga sage]:2014/11/20(木) 22:50:13.70 ID:kcL6VY1u0
本当はなにげにもう少しストックがあるのですが今日はこの辺りで一旦切ります。
ゾロ目ねぇ……そうねえ……。出さないと思ってたんだけどねぇ……。
こういう時はエクストライベントで少し時間を稼ぎつつうんぬんかんぬん(発想がこずるい)。
次回のエクストライベント判定
その1:コンマ値が50以上orぞろ目で発生(>>+1)
その2:コンマ値が62以上orぞろ目で発生(>>+2)
その3:コンマ値が55以上orぞろ目で発生(>>+3)
というわけで>>+1->>+3にわたってコンマでほにゃららです。
////チラ氏////
最近2048というブラウザゲーにはまりました。わりと有名らしいんで知ってる人は知ってるかもしれません。
気がついたら何時間もやっていて時間浪費感がパないです。悔しい、でもハマっちゃう。
某クリッカーといい、ひたすら数字が増えていく系のゲームは人間を堕落させますナ(しかしそういうゲームが好きなのである)。
279 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/11/20(木) 23:43:07.06 ID:NNmCKszVo
乙です!
あれアプリにもあるよね!
280 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/11/21(金) 07:40:50.52 ID:ZQC3gqeqO
どうや
281 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/11/21(金) 08:27:33.15 ID:RtIsy4y6O
ほい
282 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/11/25(火) 21:54:04.12 ID:ZjA2FjEE0
>こういう時はエクストライベントで少し時間を稼ぎつつうんぬんかんぬん(発想がこずるい)。
>2014/11/20(木) 23:43:07.06
>2014/11/21(金) 07:40:50.52
>2014/11/21(金) 08:27:33.15
全弾不発……だと……。まぁ『以上』って書いたから起こり辛いのは仕方ないんだけれども(本当は以下って書いたつもりだった。“つもり”だったのだ……)
それでは続き〜……は明日21時頃投下予定(特に何も問題がなければ)。
////チラシの裏////
Bismarckキタコレ!!!!11!!1!1Bismarckですよ!!!111!1!1
こいつはありがてえ。残るは大和・大鳳・伊401・能代、か……結構多いな。
ボーキを死ぬほど喰う大鳳と満遍なくゴッソリ削っていく大和が鬼門ですね……。
伊401と能代は多分次のイベントでもS勝利ドロップなんかでゲットできる(とか勝手に妄想してる)のでそんなに焦らんでも良いでしょう。
283 :
【90/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/26(水) 21:52:19.01 ID:EMJHDLGH0
提督「……………………」
皐月「どしたの司令官? 渋い顔して」
提督(『提督……私。私、ずっと提督と一緒に居たいです』『貴方は、これからどうしようと思ってる? どうしたいの?』……)
――『私には貴方しか居ないの。ずっと私と一緒に生きていて欲しいの』なんて言われたら、貴方はどうするつもり?
提督(うーむ……どうしたもんかな……)
皐月「司令官、大丈夫かい?」
提督「あっ、うん。まぁ、大丈夫ではあるんだが」
提督、辺りをキョロキョロと見回す。
提督「すまないが、ちょっと相談に乗ってくれないか?」
皐月「いいよー! 任せときなっ」
・・・・
提督「いやね、その……。着任した頃と比べるとだいぶ艦隊の皆と仲良くなれたのは良いんだが」
皐月「あはははっ! 初めの頃の司令官はちんちくりんだったからなー」
皐月「ちょっと背が伸びたんじゃない? 声も低くなった気がするし」
皐月「心なしか顔もシュッとしたよね。なんていうか、色々乗り越えてきた感じがするよ」
提督「ありがとう、なんか恥ずかしいな。いやね、相談の内容は……」
提督「これは、その、僕の思い上がりかもしれないんだけれど……。どうも最近艦隊のうちの何人かから主従の関係を超えた感情を向けられているような気がするんだよ」
皐月「ンー……回りくどい言い方だね。つまり、司令官はモテモテだってこと?」
提督「いや、僕が勝手にそう思ってるだけなんだけれども……というか、モテモテでもないし……。ただ、有り体に言えばその事でちょっと悩んでる」
皐月「イヤなの?」
提督「嫌じゃないが……正直、好意を向けられた所で、どうしたらいいか分からないよ。僕の立場は不安定だし、そもそもこれからも提督としてやっていけるかも不安だし」
提督「それに……この戦いが終わったら。僕と君たちとの関係は無くなるからさ。それなのに、関係を繋ぎ止めるような真似をしても良いんだろうかって思うんだ」
皐月「ケッコンカッコカリという制度がある。……小馬鹿にしたような名前だけど、“海軍内では”婚約関係として認められるようだ」
皐月「上に申請すれば貰えるみたいだ……もっとも、ケッコンカッコカリをするためには高い練度が必要とされるらしいけど」
皐月「ただ、カッコカリとはいえまがりなりにも婚約だ。そういう関係になってしまえばたとえ戦いが終わっても一緒に居ることは出来るんじゃないかな」
皐月「さすがに艤装や装備は没収されると思うけどね。……司令官が望むなら、いっそそういうのもアリなんじゃないかなーと思うよ」
皐月「なんならボクとするかい? ケッコン」
提督「む」
皐月「ジョーダンだよ」
提督「分かってるって」
皐月「気になっている子が居るなら、自分から距離を詰めてみるのもいいんじゃない? ケッコンどうこうは抜きにしてね」
提督「って言われてもなぁ……今までそんな目で見てなかったから、うーん」
皐月「司令官も案外奥手だねぇ〜……。ま、焦ることでもないさ。ちょっとは自分の気持ちと向き合ってみたらどうかな?」
・・・・
提督「自分の気持ちと、ね……」 ポケットに手を突っ込みながら廊下を歩く
電「あっ、司令官さん。話があるのです……」
提督「ん? どうした」
----------------------------------------------------------------------
皐月の好感度+5(現在値45)
284 :
【91/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/26(水) 22:04:57.23 ID:EMJHDLGH0
電「司令官さん……私、何か変われましたか?」
提督「え……?」
電「司令官さんは、たくさん悩んで、たくさん迷って……でも、成長して前に進んできたじゃないですか」
電「私はどうなのかな、って思うのです。司令官さんから見て、電はどうでしたか?」
提督「変われた……んじゃないかな。出会った頃より、なんていうか、芯が強くなった、というか……上手く言い表わせないけれど」
電「そうですか……」
電「私は……。自分では、何も変わらなかったと思ってるのです。いや、何も変えることが出来なかった」
電「司令官さんと会った時、私、きっとこの人の下でなら自分を変えることが出来るかなって思ってたんです」
電「……艦娘になる前のことは憶えていないけど。私、いつも泣き虫で……弱くて。お姉ちゃんに守ってもらってばかりだったのです」
電「ずっと変わらなきゃって思ってたのに。だから、司令官さんに会った時に、私の夢をのことを話したのに……」
電「結局、何も変われなかったのかなって思うのです」
電「……ごめんなさい。自分の中で結論が出てる話なのに呼び出して」
提督「僕はそうは思わないけどね……。電は立派にやってくれているよ」電の頭を優しく撫でる
撫でられた手をそっと払う電。
電「でも、何だか……このままだと、司令官さんが、私の手の届かないどこか遠くに行ってしまう気がして」
電「私は、司令官さんのことが好きだから……ずっと、ずっと一緒に居たいから……」
電「電……もっともっと頑張ります! 司令官の隣に並んでも恥ずかしくないぐらい、立派になってみせるのです!」
電「だから……少しだけ、待っていて欲しいのです……!」
電の真剣な眼差しが突き刺さる。目を潤ませているものの、その瞳はギラギラと輝いているように見えた。
提督「ああ。待ってるよ……」
そう言って再び電の頭を撫でる提督。
提督(でも……きっと、君がこうして僕に、自分の抱いている感情を伝えることが出来ているというだけでも)
提督(君は自分の中の何かを変えることが出来たんじゃないかな……)
・・・・
電「はわわ……ち、違うのです。こんな話をするつもりじゃ無かったのです」
電「ただ、司令官さんから見てどう見えているか聞きたかっただけなのに……なんだか気持ちを抑えきれなくて……」
電「恥ずかしいのです……」
電「司令官さん。電のこと……」
電「……やっぱり、今聞くのはやめるのです」
提督(……薄々感づいてはいたけれど、な)
提督(こういう時、僕はどうすればいいんだろう?)
天を仰ぐ提督。ふと外の景色が目に映る。窓の外は雪が降っているようだ。
285 :
【92100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/26(水) 22:15:59.47 ID:EMJHDLGH0
廊下を並んで歩く提督と電。
提督「そういえば……君たちと最初に会ったのは夏だったね」
電「随分前のことに思えるのです」
提督「ここに来る前はどうしてたの? 士官学校に居たってのは知ってるけれど」
電「電は……うーん。特に何か話すこともないですね……」
電「私が艦娘になりたての頃は、雷という姉がいつも私のことを可愛がってくれてましたね。……今も元気にしてるのかなぁ」
提督「それはつまり……実の姉ってこと?」
電「はい、多分。艦娘になる前の記憶はほとんど無いのですが……どうにもそうみたいなのです。後から書類で知って驚きました」
電「姉妹といえば……司令官さん、ここに来た時面白い勘違いしてましたね」
提督「蒸し返さないでくれって。姉妹艦だからって実の姉妹とは限らないって知らなかったんだからしょうがないじゃない」
電「その理屈だと吹雪型や陽炎型がえらいことになってしまうのです……」
提督「どんな艦種や艦型になるかっていうのは、適性によって決まるものなの?」
電「そうですね……基本的にはそうみたいです。後から変わる子も居ましたけど」
提督「なるほどね。最初に艦娘を生み出した人は、どうやって個々人の適性とかを発見したんだろう。……それを言い出したらどうやって生み出したかも気になるところだけど」
電「艦娘が生まれたのが、ええと確か公式文書では34年前だったはずだから……。ひょっとしたら存命かもしれませんね」
提督「ふむふむ……。しかし、奇妙だなぁ」
提督「艦娘の艤装は妖精しか作れないじゃない? でも妖精っていうのは基本的に人間の命令を理解して実行する、いわば高度な人工知能のようなものなわけで……」
電「人間の求める結果を提示してやり、その過程を例示してあげると、自分なりに思考・効率化して成果物を生成したりサービスを提供したりする……」
電「従来のコンピュータやロボットと違ってプログラミングの必要が無く、独自の学習能力を持った労働装置……とかそんな定義だと習った気がします」
提督「そう。妖精っていうのは思考能力や経験知を活用することが出来るけど、意志や目的は持たない。だから、新しい何かを発明することは出来ないはずだよね」
提督「と、いうことは最初の艦娘は間違いなく人間の手によって生まれたはず。例のチップもそうだろう」
提督「艦娘を作った人……まぁ個人で作ったはずは無いんだろうけど、一体どんな人だろうかと気になってね」
提督「艦娘を作ったのも勿論のこと、その製造方法を妖精に理解させたっていうのは、よほど妖精について詳しく知っている人間じゃないと無理だと思うんだ」
電「というと……?」
提督「ドックや工廠で働く妖精たちの様子を見るに、相当複雑なことをやっているから人間じゃ真似出来ないって思ったんだよ」
提督「うちの工廠はボロくて使い物にならないけど……っていうか、よくよく考えたら前任の提督が居たにも関わらず工廠がほぼ使い物にならない状態っていうのはおかしいよね?」
電「それは前任の提督に聞くしかないのです」
提督「じゃあ無理か……って話逸れたね。いや、妖精の技術はとても人間業じゃないなと思ったわけですよ」
提督「でも妖精の技術の根底にあるのは人間の過去の発明なわけで……。そんな人類の歩みを妖精に理解させることが出来るような天才がこの世に居るのかなーというのが僕の疑問なのですよ」
電「はい(なんでちょっと目がキラキラしてるんです……?)」
提督「あ、ここからの話はトンデモな妄想話ね。そこで僕の中では一つの仮説という名の妄想が浮かんだ」
提督「妖精を発明し、それから数年で突如歴史の表舞台から姿を消し消息不明となった……天之教授という人物だ」
提督「歴史の表舞台から姿を消したと言っても、死が確認されたわけじゃない。ひょっとしたら彼が艦娘を作ったんじゃないかってね」
電「妖精が発明されてから艦娘が誕生してからだと……ええと、ざっと53年ですか。可能性はゼロじゃないけれど……流石に無理がある気がするのです」
提督「だよなー。妖精を発明した時の天之教授の年齢が確か34だか35だったっけ。90歳っていうと万が一生きていたとしても耄碌してそうだね」
電「深海棲艦が初めて観測されたのが2099年で、そこから艦娘が誕生するまでの十数年の間……ごく初期には関わっていた可能性はあるかもしれないですね」
提督「ま、そうだったにしても今は生きてないだろうから真実は分からないけどね」
提督「全てが終わっても、大将はどうやってチップを操っていたんだろうとか、それをどうやって知ったんだろうとか、謎が残るなと思ったんだ……」
提督「今となっては万事が丸く収まったから別になんでも良いっちゃ良いんだけど、ね。ちょっと気になるってだけさ」
286 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/26(水) 22:21:21.53 ID:EMJHDLGH0
----------------------------------------------------------------------
電の好感度+9*2(現在値70)
エクストライベント発生
>>+1(コンマの値が48以上orぞろ目で発生)
エクストライベント未発生なら本日の投下はここまでになります。
287 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/26(水) 23:00:57.54 ID:EMJHDLGH0
……と思ったけど眠気的に限界が来たので今日はここまで。
>>286
のエクストライベントは>>+1で(コンマの値が48以上orぞろ目で発生) 。
ぶっちゃけチラシの裏に何かを書く余力すらないレベルで疲弊している。これでまだ水曜日ってのがな……。
もうちょっとで終わるしそろそろ各艦娘に関するメタ的視点でのあれこれ書くのを解禁しちゃっていいかもしれん。
と言ってもあくまで本編優先だけど。何にせよ今は体力が無いので寝ます。
一応続きはある程度書けてるので、明日もある程度の所まで投下出来そう……かな? 微妙。
288 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/11/26(水) 23:04:50.11 ID:iBS33HL2o
乙
289 :
◆Fy7e1QFAIM
[sage saga]:2014/11/27(木) 20:45:03.32 ID:VXAa/DJwO
>2014/11/26(水) 23:04:50.11
おっ、では次回の投下はエクストライベントから。
……残念ながら今日は投下できないのです。明日21時頃に投下いたします(リアルがアレなので最悪明後日に延期するかも)。
290 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/29(土) 21:27:06.47 ID:IORVghUa0
さって、そいじゃ行きますかっと!
ちょいと投下間隔が疎らになるけれどお許しくだされ(と言いつついつもと同じぐらいかも)
291 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/11/29(土) 21:27:31.99 ID:IORVghUa0
さって、そいじゃ行きますかっと!
ちょいと投下間隔が疎らになるけれどお許しくだされ(と言いつついつもと同じぐらいかも)
292 :
【92Ex/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/29(土) 21:31:06.51 ID:IORVghUa0
朝潮「司令官、司令官!」
提督「むにゃ……。あれ? 寝てた?」
提督「いやーこの時期は風呂に入るとどうも眠くなってしまってね」
朝潮「浴槽で眠るのは危険ですよ。それから、これを。風呂上がりに私が飲む予定だったのですが……水分補給にどうぞ」
朝潮からフルーツ牛乳を手渡される。
提督「ん……ありがとう。気が利いてるね」ゴクゴク
提督「……ところで、何で朝潮がここに?」
バスタオル一枚に身を包んだ朝潮を物珍しそうにじっと見る提督。
朝潮「いえ、お風呂に入ろうとしたら司令官が居たものですから……」
少し気恥ずかしそうに顔を赤らめる。
提督「ん、ああそうか。交代の時間を過ぎていたか……そんなになるまで寝ていたとは不覚だったな」
提督「ごめん、すぐに出るから……」
朝潮「あ、いえ。司令官はそのままで大丈夫です……ゆっくり浸かっていて下さい」
朝潮「司令官と一緒に入っても大丈夫なように、バスタオル巻いて入りますから!」
提督「え? あぁ(なにゆえ一緒に入る前提なのさ……話したいことでもあるんだろうか)」
・・・・
提督「どうしたの? 身体、洗わないの?」
シャワーの湯を出して身体を濡らしているが、一向にバスタオルを取ろうとしない朝潮。
朝潮「…………」
提督「裸を見たいとかそういうやらしい意味で言ったんじゃないんだ。そうだよね、いや失礼。見ている僕が悪いね! 洗っている間後ろ向いてるよ」
提督「洗い終わったら言ってね!」
提督(我ながらデリカシーに欠ける……というか、そもそもこの状況がおかしいんだが……風呂から出るに出づらい妙な雰囲気に……)
朝潮「しれいかん……」小声で囁く
朝潮「……背中、流してくれませんか?」
提督「!? ……えっ? えっ、僕は良いけど……良いわけ?」
・・・・
纏っていたバスタオルを脱ぎ捨てる朝潮。
朝潮「……ずっと、憧れていたんです。こういうの」
朝潮「背中に傷があるから、本当は司令官には見せたくなかったんです。だから、バスタオルなんか巻いていたんですけど……」
朝潮「司令官になら……。いえ、なんでもありません」
朝潮の濡れた髪が、艶々と綺麗に光っている。
提督は、朝潮の古傷でいっぱいの背中を、そっと優しく撫でるように拭いていく。
293 :
【92Ex2/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/29(土) 21:50:54.99 ID:IORVghUa0
朝潮「……本来なら、艦娘になる前に受けた傷なんて、艦娘になった後も残っているはずが無いんです」
朝潮「形は人間であっても、中身は列記とした兵器ですから。それでもなお残り続けているのは、私が艦娘になる前の精神の影響が強い、と……艦娘になりたての頃にそう伝えられました」
朝潮「私は……艦娘になる前の記憶を全く覚えていませんが、背中の傷に触れると、すごく嫌な気持ちになります。今でも少し……」
朝潮「この傷は……かつての私の精神が未熟だったせいで艦娘になってもなお残り続けている呪いのようなものだと……そう言い聞かせてきました」
朝潮「司令官から見たら、何ともないただの傷かもしれないでしょうが……。私にとっては、恥ずべきものであり、忌々しく思っていました」
どうして自分に触れさせているのか、と言いたかったのだが、雰囲気に呑まれて言葉が出てこない提督。
朝潮「私は、ずっと……自分を肯定してくれる人を探していたのかもしれません。ひょっとしたら、艦娘になる前から、ずっと……」
朝潮「認めたくはないけれど……寂しかったんだと、思います……。弱い自分が嫌いで、そんな自分を消してしまおうと足掻いていました」
朝潮「でも、こうして司令官と一緒に色んなことを乗り越えてきて、それは違うんだなって思うようになったんです」
朝潮「私は、弱い……普通の人間です。心を殺して兵器の振りをしても、自分の心からは逃げられないんだなって……」
朝潮「今でもそんな弱い自分が許せないけれど。でも、司令官と一緒なら、乗り越えていけそうな気がして……」
朝潮「司令官となら……この傷ですら、いつか受け入れられる日が来るって。そう思うのです」
こちらを振り向く朝潮。澄んだ瞳で提督を見つめる。
朝潮「すみません、私の感傷に司令官を付き合わせてしまって」
背中の傷に覆いかぶさるように朝潮を抱き包む提督。振り向いた朝潮の顔とは反対の側に顔を俯けている。
提督「…………今まで、君の辛さに気づけなくて、すまなかった」
熱いシャワーの流水と、朝潮の体温が身体に伝わる。
朝潮「良いんです……謝らないで下さい。私は、司令官のおかげで変われたのですから」
朝潮「ありがとう、ございます……。安直な言葉ですけど、口下手な私には……今の自分の気持ちを表す言葉が、これしか浮かびません」
朝潮「司令官の傍に居て、辛いことも悔しいことも多く経験しました。けれど、今振り返ってみると、これで良かったんだなって思います」
朝潮「私は一人ぼっちなんかじゃない。司令官が居て、艦隊の皆が居るんだって。そう気づけたことを幸せに思います」
朝潮「そう気づかせてくれた司令官を、かけがえの無い存在に、思います……」
朝潮が提督の方に顔を向ける。目が潤んでいる。じっとこちらを見つめている。
満潮「こおおぉぉぉぉらああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
・・・・
満潮「何でこの時間にアンタが居るのよ!? どういうことなの!?」
提督「あ……いや……これはそのう……」
朝潮「司令官が湯船で寝ていたので、私が起こして、ついでに背中を洗ってもらっていました!」
満潮「なるほど……て、なんでそうなるのよ!? アンタもアンタで、どうしてホイホイと引き受けちゃうのよこの助平!!」
提督「返す言葉もございません(傍から見ればそうだよなぁ……)」
如月「それにしても、もうちょっと見守っていても良かったんじゃない? わざわざあんなに良い雰囲気だったのに割って入るなんて……ねぇ満潮ちゃん?」
提督(見られてたのか……)
満潮「うるさいわよ!! それ以上喋ったらコロス!!」ポイポイポイ ドガアアアアアア
提督「お、オイ! 馬鹿やめろ!! 爆雷投げんな!! こっちに投げんな!!」
皐月「ハハハッ、いつにも増して愉快なバスタイムだね」降り注ぐ爆雷を避けながら
朝潮「演習ですね、分かります!」全速力で逃げながら
如月「違うと思うわ……」タオルを使って爆雷を弾き飛ばしながら
294 :
【92Ex3/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/29(土) 22:18:29.21 ID:IORVghUa0
満潮「反省しなさいよ! 今後はこんな事が起こらないように!!」
如月「やっとほとぼりが冷めたわね……」
満潮「また吹っ飛ばされたいのかしら?」
如月「え、遠慮しときまーす」
提督(で、なんで僕は未だに風呂に入ったままなんだ……いつになったら出れるんだ……)
提督(とにかく、平静さを取り戻そう。落ち着かなきゃ……)ブクブク……
朝潮「司令官! それは行儀が良くないと思います」
提督「いや、これも作戦行動の一つで……」
提督(そもそも風呂に行儀なんてあるのか……?)
朝潮「からかわないで下さい!」
皐月「朝潮もだいぶ司令官のことが分かるようになってきたねぇ」クスクス
如月「それで、司令官はどう思ってるの?」
提督「それはどういう……」
如月「ここの艦隊に居る子を、どういう目で見てるのか聞きたいのよ。……単刀直入に聞くわ。誰が好きなの?」
提督「えっ」
満潮「えっ」
皐月(おっ、これは面白いぞ……! さぁどういう回答をするんだい司令官?)
如月「しらばっくれてもダメよ。居るんでしょ、気になってる子ぐらいは」
満潮「ね、ねぇ、その話今しなくても良くない?」
皐月(普段強気な満潮が一転して弱気に……! よっぽど司令官のこと好きなんだねぇ)
如月「あら、貴方の好きな司令官の内心が聞けるチャンスなのよ? 聞かなくて良いの?」
満潮「ぐっ……。好きなんかじゃ、ないわよ……」顔を赤くしながら提督から目を逸らしている
如月「素直じゃないわね」
朝潮「わっ、私も……今は。今は、聞きたくないです。その答え」
朝潮「でも、もしも私を……いえ。なんでもありません」
如月「あら? 皆ノリが悪いのね……。ならいいわ」
如月「この後、司令官に聞かせてもらうことにするわね。一対一でお話しましょう?」
提督(如月……!)ブクブクブクブク
皐月(おお、如月も攻勢に出たな! 満潮が目に見えるほどにうろたえている! 朝潮も少し不安げな表情を見せる!)
満潮「いいわ、好きにしなさい……」震えた声で呟く
・・・・
提督「なんというか……えらい事に……」
皐月「如月のあの様子だと当たり障りの無い返事じゃきっと……ねぇ?」
提督「覚悟するしか、無いよなぁ……色々と」
皐月「居るの?」
提督「……今は、まだ内緒だ。恥ずかしい」
皐月「シャイだねえ」
提督「やかましい」
----------------------------------------------------------------------
朝潮の好感度+5(現在値53)
満潮の好感度+5(現在値66)
皐月の好感度+5(現在値50)
295 :
【93/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/29(土) 22:55:15.62 ID:IORVghUa0
提督「……如月を見なかった? 呼ばれてたんだけど」
磯波「いえ……何かご用ですか?」
提督「呼ばれてるんだ。待ち合わせの場所に行っても居ないんで探してる」
磯波「そうですか……。さっき工廠に行くところを見かけましたが……」
提督「そっか、ありがとう。行ってくる」
・・・・
提督「工廠に来たのはいいが、何だ……? 誰も居ないじゃないか……」
ガゴンッ!
提督「何の音だ? 工廠の奥の部屋から物音が……」
ダンッ!! ダンッ!! ダンッ!!
提督「銃声!? 一体何が起こっているんだ……如月!」ガチャッ
如月「司令官……逃げて!」
武装を身に纏う如月。血塗れた姿で立っている。
部屋の最奥にある水槽のガラスは砕け散り、水が流れ出ている。
背中がバックリと裂けた深海棲艦の――駆逐イ級の死骸が部屋に横たわっている。
かつて雷という駆逐艦だったという深海棲艦だ。死骸の中には、モニターや小型の機器が詰め込まれていた。
そして……如月に対峙しているのは、深海棲艦――戦艦レ級と呼ばれる艦種。
体格こそ人間大ではあるものの……間違いなくコイツは敵である、と提督は瞬時に察知した。
提督「何があった!?」
如月「説明は後よ! 逃げて!」
提督「いや、君を置いて逃げるわけにはいかない!」
レ級「おっ、本丸が来たな。予定変更! そっちが先ッ!!」
提督の喉元をレ級の爪が掠める。
レ級「恐怖したか? 死ぬのは恐ろしいか?」
提督の首から、一滴のツーと血が流れる。レ級が間髪入れずに提督の首を締め上げる。
提督「お前は、何者だ……」
レ級「これから死ぬのにそんなことを知って何になるのカナァ〜?」
如月「貴方の相手はッ! この私よッ!!」ダダンッ
レ級「今良いとこなんだから……邪魔するな!!」バゴォッ
如月の放つ機銃を物ともせず、レ級は如月を蹴り飛ばす。
提督「如月!!」
レ級「他人より自分の心配をしたらどうかな?」
一歩一歩、わざとらしくゆっくりと提督との距離を詰めていくレ級。
提督「ッ……!」バンッ! バンッ!
レ級「ナァナァナァ……。さっき機銃が全然聞いてなかったの見たろ? 鉄砲なんか聞くわけ無いジャン」
レ級「仮にも軍人だろ? しっかりしろよなぁ……恐怖で頭がやられたのか? ガッカリだ、全くガッカリだな!」ゴシャアッ
レ級の振り下ろした拳を間一髪で避ける提督。鉄板で出来た床に穴が開く。
レ級「あーあー。そんなんであの大将を差し置いて生き残っちゃうなんてなー。運が良かっただけかー。期待はずれすぎるゾォ〜?」
提督を挑発するように間延びした話し方をするレ級。提督は腰を抜かしながらも後ずさる。やがて壁にぶつかり、逃げ場がなくなる。
レ級「さ、どうやって殺して欲しい?」
296 :
【94/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/29(土) 23:16:53.21 ID:IORVghUa0
提督(時間を稼げるのはここまでか……音に気づいて誰か来ると思ったがそんなはずもないか)
レ級「じゃ、サヨナラだ」ドゴオオオオオオオオオン
如月の放つ雷撃が炸裂。
如月「言ったでしょ? 貴方の相手は、この私って。見くびらないで欲しいわね、私を。そして私の司令官も!」
如月「大井さんから貰ったこの五連装酸素魚雷で、決着をつけるわッ!」ドゴオオオオオオオオオオオオオオオ
レ級「チッ! これはまともに食らうわけにはいかないか! うおオオッ」
駆逐イ級の死骸を盾に雷撃を受け止めるレ級。
レ級「あとで食べようと思ってたんだがナ……もう食べれそうな所残ってないか」
雷撃を受けズタズタになった駆逐イ級をポイと投げ捨てる。
如月「まだよ!! 次発装填……!」
再び魚雷を構える如月。だが、既にレ級が眼前に迫っている!
レ級「バカめが! 同じ手は二度食らわないッ! 次の一撃が来る前に仕留めてやる……!」
如月「ッ!!」
如月の首を掴み、壁に叩きつけるレ級。
如月「ぐッ……あッ、あッ……。フ、フッ……。見くびらないで、欲しいわね……ッ!」
レ級「その強がりがあと何秒持つかな?」首を締め付ける力をさらに強めるレ級。
如月は、自分の意識が途絶える寸前に、ニッと笑った。そして、魚雷発射管を握りつぶし、その場で爆発した。
レ級「ぐッ…………オオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!!!!!」
・・・・
提督「如月……? 如月!? 無事か!?」倒れている如月に駆け寄る提督
如月「ふふ……最後に見るのが司令官だなんて……私は幸せ者ね」
如月「私じゃない誰かと……幸せになって、ね……しれい、かん」
提督「如月!? 如月ィィィーーーー!!!!」
穏やかな表情で目を閉じる如月。
レ級「はーっ、はーっ……。ッうウ、とんでもないことしでかすナ……」
レ級「いくら戦艦レ級の身体とはいえ、まだ生成が不完全だから普通に痛いナ」
瓦礫の中から這い出てくるレ級。提督はキッとレ級を睨みつける。
レ級「おいおいそんなに睨むんじゃないよ。アンタら人間と同様、“自分が生き残る為にやった事”でしょーがァ?」
レ級「そして、多分アンタもここで生かしておくとやがてアタシの不利になるだろう……死んでもらうよン」
提督の背後に移動し飛び掛るレ級。成す術もなく組み伏せられる提督。
レ級「いや〜……良い部下じゃないか。泣かせるね!」提督の頭を床に叩きつける
レ級「見てたよ。アンタの今までの行動全部」
レ級「ここの水槽の存在に気づかれた時は焦ったが……アンタが間抜けで助かった。敵を水槽の中で飼育してるだなんてアホ極まれりだよなァ」
レ級「そもそも不審に思わなかったのか? 清浦中将の飼育してた深海棲艦はアタシが入ってた駆逐以外皆死んでるってのに、一体だけ生き残りがあるだなんて」
レ級「ま、こっちとしちゃ助かったけどね。身体の生成が終わるまで生き残れたどころか、邪魔な連中を全部排除してくれちゃうんだもの。嬉しいねえ、最高だよ……ウフフ」
提督「お前、ただの深海棲艦じゃないな……何者なんだ」
レ級「フフフ? 知りたい? 知りたい? 知りたい? 知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい?」ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン
提督の頭を執拗に叩きつける。
レ級「良いこと思いついちゃった。冥土の土産に教えてあげるかわりにィ〜……簡単に死なないでね?」
----------------------------------------------------------------------
如月の好感度+5*2(現在値47)※
>>294
で如月の加算分を忘れてたのでここで加算
297 :
【95/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/11/29(土) 23:29:39.64 ID:IORVghUa0
レ級「この鎮守府内の様子や各鎮守府内の動向をあの駆逐の中から見ていたよ。……アンタの妄想通り、艦娘を作ったのは妖精の産みの親……そしてそれはこのアタシだ」
レ級「正確には、アタシの中にある記憶の持ち主だナ。天之教授、だっけカァ? 妖精を開発した天之教授は、深海棲艦登場後に軍に協力するようになった」
レ級「で、紆余曲折あって追放された。そもそも学者と戦争屋じゃ意見が合わなかったみたいでネ〜。追放後間もなくしてその教授は寿命で死んだよ」
レ級「ただ、天之教授は秘密裡にチップを軍より先に完成させていた。そのチップは今出回ってるチップよりも遥かに高度なもので、精神を完全に支配し、記憶を移すことだって出来る」
レ級「そのチップを使って自分を追放した物部元帥に……憑依? って感じだな。物部元帥を中心にチップの導入や艦娘の開発が行われていった」
レ級「が、その物部元帥もアンタも知る三雲大佐に暗殺されちまった。元帥が死の直前に講じた策が、他人のチップに自分の記憶や思考を拡散させるという方法だ」
レ級「ただ、所詮国家で量産された粗悪品のチップ。こうするしかなかったとはいえ、失敗だったな。結果として物部元帥の記憶や意思の情報は藤原大将と清浦中将に伝播した」
レ級「藤原大将に関しては当初は記憶も精神も完全に支配していたようだが……数年しか持たなかった。その後は物部元帥の思想や意思が完全に追い出されてしまった」
レ級「ただ中途半端に記憶が残ったせいで、チップの操作する方法を知ってしまったらしいが、な」
レ級「もう一方の清浦中将も失敗だった。記憶は完全に継承されず、精神の支配にもやたら時間がかかった。完全に支配し切った直後に自殺されてこのザマだ」
レ級「奴はありとあらゆる対策を講じてきたため……かなり厄介だったよ。チップ内の精神情報を残すには、深海棲艦に遺伝子情報を植えつけるという賭けに出るしかなかった」
レ級「結果として生まれたのがアタシだ。清浦中将から得た遺伝子情報はチップの最初の記憶までの全てを保持していたが、精神はカスカスに劣化して使い物にならなかった」
レ級「だから肉体と精神は深海棲艦のアタシが生まれたってワケだ。勉強になったかなァ〜?」
・・・・
レ級「じゃ、深海棲艦らしく人間を絶望の淵に沈めてあげようか」
提督の右腕をグイと掴み取るレ級。痛みで身体を動かそうとするも、レ級が背中の上に乗っているため動けない。
レ級「フフフフ……いやー深海棲艦って楽しいねぇ!」
ベキベキベキベキベキッ!
レ級は力を入れ提督の右腕を強く引っ張り……もぎ取った。
提督「がアアアアアアアアアアアアァァァ……アアァァアァアアアアアアァア」
レ級「フフフフフ、人間って腕が千切れるとこんな悲鳴を上げるんだ。おもしろーい」
レ級が提督から離れ、如月の方へ向かう。提督は腕を失った痛みで苦しみ悶え、のたうち回っている。
レ級「ほらー。腕だようでうでー?」
如月の顔の前にもぎ取った提督の腕を近づけるも、如月は目を瞑ったままでいる。
レ級「ちぇー! いつまで寝てんだよー! ムカつくなぁ……ムカつくなァ!!」ガンガンガンガンガンガンガン
如月の腹を何度も何度も踏みつける。
提督「やめろ……やめろオオオ!!!!」
腕の無くなった方の肩を押さえながら、提督がレ級に向かっていく。だが、痛みと恐怖で足が竦み、前のめりに転んでしまう。
レ級「バカだなぁ……やめるわけないでしょ? こんなに楽しいのに。ほら、よく見とけ? 今から面白いものを見せてあげるから」
ベキベキッ……ゴリュッ! ゴリュッ!
如月の顔の上で、提督の腕を内側の骨が突き出るほどの強さで捻っている。腕から出てくる血が、如月の顔を伝って流れ落ちる。
提督「やめろ……やめろ……」
レ級「いやあ、せっかく綺麗な顔をしてたから化粧してやっただけだよ。アンタの血でね!」ベキベキ
提督は、怒りで身体を震わせていた。腕を失った肩からは、その怒りを体現するかのように血が吹き出ていた。
レ級「次は、この腕の肉を食べさせてみるってのはどうかな? 如月ちゃんも食べたいって言ってるよォ?」
満面の笑みを浮かべるレ級。腕から肉の一部をちぎり取る。
提督の腕の肉片を如月の口元まで持っていこうとするレ級。
298 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/11/29(土) 23:33:26.14 ID:IORVghUa0
エディタの問題か知らないけどいつも改行が変になるなー。
今日はここまで。もうちょっと書きたいところだがたまには闇度の高い箇所で区切るのも良いだろう。
さてあと5レスなわけですが果たしてまともに終わるのか怪しくなってきてますね。
こんなギリギリのタイミングでぶっ込みまくりだしわりとマジで何やってんだ自分感半端ない。
いやでもなんとか終わる感じに持っていくアレは出来てるんだよ書けてないだけで! 書けてないんじゃ結局ダメじゃん! そして書けたところでそれ5レスでどうにかなるもんなのかという闇。
299 :
【96/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/12/07(日) 00:42:32.82 ID:mU/i97FX0
提督「ッ!」 タッタッタッ
レ級に駆け寄る提督。先刻までと違い、痛みも恐怖も意に介していない様子で、その瞳は怒りに燃えていた。
レ級「気でも狂ったか? 人間ごときに何が出来る?」
この時、レ級は提督が激情に流されて自分に殴りかかろうとしていると考えていた。だが、レ級の予想に反して提督は冷静だった。怒りこそすれ、彼の今までの人生の中で最も精神的に沈着でいた。
提督は、腕の千切れた方の肩を突き出して、その肩をわざと刺激して血を噴出させ、レ級の視界を塞ぐ。
次に提督は瞬時にピストルを取り出してレ級の口の中に銃口を突っ込む。躊躇いなく引き金を引く提督。ターン、と乾いた音が部屋に響く。
レ級「ガッ、ゲホッ……ゴホッ……!(馬鹿な、隙を突かれただと!? 人間相手に!?)」
口から血を吐くレ級。提督はうずくまっているレ級の目の前に立って見下ろす。
レ級「良い気になるなよ人間が……! この程度で死んじまうほどヤワにはできてない!」
提督は、レ級が態勢を立て直してもなおその場から離れる素振りを見せず、直立不動のままレ級を睨む。
レ級(なんだこいつ……なぜ逃げない? なぜ突っ立っている!? この状況で何故動こうとしない……?)
提督はこの時、レ級をいかに挑発し、正常な判断力を失わせるかの一点に集中していた。そしてその狙いは功を奏する。
レ級「クソ……人間のくせに、舐めた真似を! 痛ぶりながら殺してやる……」
提督の顔に手を伸ばすレ級。その手は提督の左目へ向かっていく。
提督(痛くない、痛くない……! 恐れるな、少しでも恐れを前に出すな……)
提督の左目に指を突き刺すレ級。目の周りの皮膚に指めり込んでいく。だが提督は一言も声を上げることをしなかった。
レ級(なんだこいつ……なんだこいつは……? なぜこっちを見据えたままでいられる!?)
提督はレ級の一瞬の動揺を見逃さなかった。お返しと言わんばかりにレ級の目に向けて弾丸を放つ。
レ級「があああああああああああッ!! ぐッ……ぐォッ」
提督(もう同じ手は通用しないだろう。一旦距離を置くッ!)
レ級「クソッ! クソッ! もういい、殺してやる! 今すぐにだ!!」
提督(もう回復しただと……! クッ、逃げる隙も無い!)
提督に猛烈な勢いで飛びかかるレ級。殺意を剥き出しにしたレ級が提督の首を手で貫こうとする。
皐月「させるかよッ!!」 レ級と提督の間に割って入る皐月
腰に携えていた白い鞘から刀を抜き、レ級を切りつける皐月。
皐月「司令官! 逃げてくれ。ボクなら心配いらない! ……今のボクは誰にも負けないさ。それよりも早く手当てを!」
無言で頷き如月のもとへ駆け寄る提督。両手に抱えて運ぼうとしたが、右手が無いことに気づき、仕方なく如月を引きずりながら部屋の外に出て行く。
レ級「逃がすか!」
レ級は提督を追おうとするが、仁王立ちの皐月に行く先を塞がれる。
皐月「悪いけど……今日のボク、すっげー機嫌悪いよ……」ゴゴゴ……
・・・・
提督「皐月! 無事か!?」
レ級「ぐぐぐぐグググググ……殺してやる! 殺してやる! 殺してやる!!」ブオンッ!
皐月「そんなッ! 攻撃がッ! 当たるかよッ!」ダンッ! ダンッ! ズバァッ!
レ級が距離を置くと砲撃を放ち、レ級が距離を詰めると刀で斬りつける皐月。
レ級(まずい……増援か……! クソッ! この場で全員殺してや)
レ級、提督と目が合う。自分よりも痛手を、それも命を失いかねないほどの重傷を負っているにも関わらず、冷静に、冷徹にこちらを見据えている提督に対して、レ級はこの時生まれて初めて恐怖を感じた。
レ級(腕を千切られ目を潰されてるってのに、なんなんだこいつは……なんなんだこいつの狂気じみた執着は……!)
提督「満潮は皐月の援護を。電と磯波はここから二手に別れて逃走経路の遮断を。念のため朝潮は僕の傍に居てくれ」
レ級(……既に損傷著しい。武装も無い状態では、この不利な状況を覆すのは難しいか!)
300 :
【97/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/12/07(日) 00:44:37.93 ID:mU/i97FX0
提督「どうした? 何を逃げ回っている。僕はここに居るぞ」
満潮「もっとも、私が指一本触れさせないけどね!」バシュッと勢いよく放った魚雷がレ級に的中する
レ級(ッ! グググ……こいつら、油断ならない! ダメだ、逃げなくては! こんな所で殺されるわけにはいかないッ!)
レ級「ォオオオオ!!!!」 鋼鉄の壁を殴り壊し、鎮守府の外へ逃走するレ級。
朝潮「追撃しますか?」
提督「いや、いい。この後、一旦皆を集めてくれ。この鎮守府にいる者全てだ」
・・・・
提督「さっき逃げたあのレ級……間違いなく僕たちを攻撃してくるだろう。奴なら他の深海棲艦を率いてこの鎮守府を襲撃してくるぐらいのことはするだろう」
提督「そして、そうなった時に、僕たちにはどうすることも出来ない。戦力差に圧倒的な開きがありすぎるからだ」
電「つまり……どうするのです?」
提督「逃げる」
皐月「なるほど」
満潮「なるほど、じゃないわよ! 逃げた先で奇襲に遭ったら意味がないわ。そもそもアテはあるの?」
提督「故南条中佐の鎮守府に向かう。あそこが一番近いからね」
提督「既に上に許可は取ってあって、中佐の保持していた全艦隊の指揮権を得ている。この作戦の話もしてあるから問題ない」
提督「……仮に僕らがここを離れていたことを敵に察知されても、中佐の艦隊であれば数日間は戦えるだろう。数日もあれば他の鎮守府からの支援艦隊が到着する」
提督「で、僕らを倒そうとノコノコと群がっている深海棲艦を、他の鎮守府から来た多勢の支援艦隊で深海棲艦を包囲、掃討……というのが僕たちが生き残る唯一の道だ」
如月「私たちの様子を見ていたあのレ級なら、司令官が何条中佐の鎮守府へ逃げる可能性は想像できるんじゃないかしら」
提督「そう、そこなんだ。最悪なのは、中佐の鎮守府に僕らが辿り着く前に察知され襲撃を受けること。そうなってしまったら……かなり厳しい事態になるだろう」
提督「あとは……とんでもない数の敵が押し寄せて故中佐の艦隊をもってしても御しきれない、ってのも怖いかな」
電「なるほど……。とにかく、敵に悟られる前に中佐の鎮守府へ辿り着くことが大事ですね。いつ出発するのです?」
提督「明日だ。敵の立場になってみれば、相手が何か思いつく前に潰しておくべきだと考えるだろう。特に、あのレ級は今回相当痛い目を見たはずだからね」
提督「腕を取られて目も抉られかけたが、奴に与えた精神的なダメージを考慮すればなかなか上手く動けたと思うよ。今回の僕はね」
提督「相手が完全に慢心しきっていたから、というのが大きいけれど。なんにせよ、勝てると思っていた相手に叩きのめされて、奴は相当苛立っているはずだ」
提督「どれだけ智謀に長けていて力を持っていようと、感情をむき出しにして怒ったり相手を舐めきったりしているようではたいした相手じゃないよ」
皐月「おっ、言うねえ」
提督「まぁ、たいした相手じゃないなんて言っている時点で僕も慢心してるっちゃしてるかもしれないけどね……。ただ、人間と深海棲艦の本質的な違い、みたいなものは感じたかな。上手くは言えないけど」
提督「今の僕なら、なんとか出来そうな気がする、かな。……たまにはちょっと強気な発言もしてみる」
如月「フフ、素敵よ司令官」
磯波「ところで……その腕や目は大丈夫なんですか? 提督」
提督「全然大丈夫じゃないはずだけど、今のところは感覚がおかしくなってるのかあまり痛みを感じないね」
提督「一応、腕の方は傷の部分を焼いて止血したし、目も眼球自体に損傷は無いらしいから。まぁ、良いんじゃないかな」
提督(生きていることが奇跡だったらしいし、どうやらすぐに大病院で本格的な手当てを受けないと死んでしまうらしいが……今は心配をかけるし黙っておこう)
磯波「せめて傷が治るまで待っても良いと思うのですが……」
提督「さっきも言った理由で、それは出来ないよ。それに、傷の痛みの感覚が戻ってきてまともに指揮が出来なくなるなんてみっともないことは避けたい」
理性的な話し方や冷静な思考とは対照的に、提督の身体は極度の興奮状態にあった。興奮によって生み出される脳内物質が、麻酔薬の代わりとして働いていたのだった。
朝潮「司令官……」
提督「そんな心配そうな顔で見ないで。大丈夫だよ」
提督「各員。十分に休息を取り明日に備えること! 必要なものは全て持ち出せるよう準備も頼む」
301 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/07(日) 01:05:13.77 ID:mU/i97FX0
突然の無告知投下。たった2レスですケド……。
では、ぼちぼち〆させていただくというわけで、提督が誰とくっつくか投票で決めたいと思います。
結局投票なんかい、って? まぁ良いじゃないか……。
各艦娘の好感度は今こんな感じです。
【好感度まとめ】
電 :70
皐月:50
磯波:54
如月:47
満潮:66
朝潮:53
/****************************/
今から12/08(月) 23:59:59.99まで、
『最終的に誰とエンディングを迎えるのかを決めるための投票』を開始します。
1IDにつき1回まで、選べるのは艦隊のうち1人だけでお願いします。
また、投票期間中についたレスの内、コンマがゾロ目だったレスの数だけエクストライベントが発生します。
/****************************/
///チラシの裏///
1IDにつき1回までなので実は今日投票して明日投票すれば2回投票できてしまうのは内緒。内緒とか言って書いちゃうのどうかと思うけど。
レスがつかなかったらどうしよう。そんときゃそん時で適当にやります(おい
というか更新滞ってて申し訳ない。今週はマジできつかったので書いてる余裕無かったっす。
以下は死ぬほどどうでもいい夢の話なので読まなくていいです。
自分用のメモ。
なぜか自分が女性になっていて、男性と二人で居るのですよ。
で、薄緑色に塗られた鉄の壁が広がる廊下を二人で走っているのですよ(研究所みたいな施設の中なのかな?)。どうも切迫した状況なようでした。
で、廊下を走り抜けた先の広間で、なんか突然触手めいた機械が出てきたのですよ。エロ同人みたいな!
一緒にいた男性は、その触手めいた機械にコード的なものを脳に挿されて、呻き声を上げ消滅してしまいました。
男性が消えた痕に、白く輝くクリスタル(ダイヤモンドに近い?)みたいなものが落ちていたんですが、そのクリスタルは機械に回収されてしまったんですね。
で、平面ホログラム映像的なものに映った機械のオペレーター的人物が、金を払うなら突然このクリスタルを返してやろう的な提案をしてきました。
そのあたりから突然夢の中の表現がやたらゲーム的になってきて、んで、夢の中の私はなんかよく分からないままそのクリスタルを3600円(円というかその世界での3600円に値する電子通貨的なものを)支払って手に入れました。
その後広間から奥に進むと突然『「全国ヤっちゃった連盟」に加入しました』的意味不明メッセージの通知とともに、幾名かの可愛らしいキャラクター(全員女性)の画像のカットイン的に表示され、その「全国ヤっちゃった連盟」の加盟者らしき人物の連絡先情報を手に入れました。
どうもその世界では、パートナー(私の場合は自分がさっきまで一緒にいた男性)を失うことはヤバいことらしく、そのことが他のキャラクター(?)に知れ渡ったようで、そのヤバいことやらかした者同士が生き抜いていくためのネットワークに組み込まれたっぽい。
そこいら辺で眠気から意識が覚醒してきて、「いや意味分からなさすぎてついていけないよ!?」ってなって起床しました。
夢って大概意味不明だよね。文字に起こすと余計に意味不明。一体なんのゲームだったんだアレ。
っていうか「全ヤ連(あまりにもアレなので略した)」ってお前、色々と最低すぎるだろ……。
ユング先生曰く、「夢の意味? ああ、大概欲求不満だよ欲求不満」ってことらしいですしこれもきっと私の欲求不満が生み出したカオスな幻想なのでしょう……。
まぁ今週しんどかったし変な夢見ても仕方ないか・・・・。
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/12/07(日) 01:11:51.98 ID:TwOQmaVzO
電
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/12/07(日) 01:48:39.22 ID:jY87euyHo
満潮
304 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/12/07(日) 03:13:36.69 ID:XJtC52Npo
電
305 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/12/07(日) 09:10:41.23 ID:bTP35dUmo
満潮
306 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/12/08(月) 22:12:03.58 ID:3PYUNoOwo
如月
307 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/12/08(月) 22:13:17.63 ID:chCpW8wtO
如月
308 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/12/08(月) 22:40:19.73 ID:5AfDeIacO
電
309 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/09(火) 19:55:28.24 ID:SoX8togh0
結果発表
電:3
如月:2
満潮:2
というわけで電ENDになります。なるっぽいです。むしろ飛ばしていきます(何
投票受付中にコンマ値がゾロ目だったレスが1つあったためエクストライベントが1回発生します。
///チラシの浦の戦い///
えっクリスマス仕様の龍驤改二ですって!? マジで!?
実の娘の誕生日と同じぐらい嬉しいし喜ばしいです。いや実の娘どころか実の嫁も居ないんですけど。
あとは時報が実装されたらもはやこの世に未練は無い……って感じです。いやさすがにそれは未練無さすぎるな。
あと、せっかく今年最後ですし5-5攻略に乗り出してます。
数回挑んだことはあったんですけど(空母2軽空母1ルート)、エリレビーム&ボス前で逸れる羅針盤でこりゃ敵わねーわと判断して諦めてました。
しかーし!今回は大型艦建造で手に入れた武蔵を実戦投入、各艦を三重キラ付けで支援艦隊も全員キラ付けと、わりと勝ちに行く感じでやってます。まぁこのぐらいやってやっとスタートラインってとこさね。
Bismarck dreiにするのに設計図二枚消費しちゃうんで設計図不足に陥ってるんすよね〜。
今月は5-5の勲章さえも貰っておきたいところです。
雲龍改用の設計図をゲットせにゃあならんのでね……。
ん?何?先に雲龍改にするのを優先させた方が良い?烈風(六〇一空)が手に入るから?
いや、んなこと分かってるけどBismarck手に入ったの嬉しかったんだからしょうがないじゃない。そりゃdreiにもしたくなるさ。
それとつい最近まで翔鶴が手に入らなかったので後回しになってましたのよ。
(瑞鶴翔鶴で艦隊組む任務をこなさないと雲龍関係の任務が出現しない)
とまあ相変わらずな艦これライフなのでした。
310 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/12/09(火) 20:45:59.05 ID:SoX8togh0
次回の投下で完結させる予定です(と言っても何日かに分ける可能性はありますが)。
あと、エクストライベントのエクストライベントの発生判定も置いておきますので例によってコンマ値によって発生したりしなかったりします。
>>+1(00〜70で発生)
次回完結……というわけで少し時間を稼がせてください。
場繋ぎってことで突然ですがメタ的視点でもろもろ語ります。
特に本編には関係しませんが、、裏話的要素は強いです。
『尺の都合』という単語が頻出しますが、これは尺が短すぎてエピソードを書けなかったのではなく、
>>1
の先見性の無さと文章力の低さによってエピソードを回収しきれなかったということを意味します。要は言い訳です。
----------------------------------------------------------------------
[[朝潮についてのアレコレ]]
というわけで最初に紹介するトップバッターは朝潮。いや、特に理由は無いけれど。
強いていうなら趣味。どうでもいい話ですが
>>1
は3-2攻略の際、朝潮を連れて行きました(そして、このお話に登場する駆逐艦の中では、朝潮ぐらいしかまともに育っていない
>>1
なのであった…)。
さて本編に関する言及。
・実はヤンデレにするつもりだった
さらっと衝撃の事実かもしれませんが、まぁちょくちょくそれに近い描写挟んでたし察した人も居るかもしれません。
最初は、頭は良いけどどこかズレてるみたいな適当な配役で考えてたんですけど(おい)、朝潮みたいな真面目な子が徐々に提督に依存していって自分を抑えきれなくなっていったら面白いなぁフフフとか企んでました。
結局そうはならなかったのは尺の都合が大きいですね。
一人にそこまでエピソードを割けなかったっていうのが大きいです。
あの真面目な朝潮が病むって相当ヤバい量の闇を書かなきゃいけなさそうですし……。
序盤から予めそういう流れで動かしておけばもうちょっと違ったんでしょうけど。
・さらに黒い話
背中の傷の話があるじゃないですか。
艦娘になる前に虐待されていたのかもしれない、っていう。
実はその虐待していた親を登場させる予定だったんですよね。
で、その親との邂逅時に記憶は無いものの無意識下でのトラウマが蘇り……っていう感じですね。まぁあるあるな奴です。
精神的に困窮している状態でも変わらず優しく接してくれる提督に対し強い慕情を抱き、そして彼に対する執着も次第に増していく……みたいな。あるあるだけど黒いね。
ちなみにその朝潮を虐待していた親というのは藤原大将ということにする予定でした。予定でしたがしませんでした。
尺の都合もありますし、なんかこうオリキャラを絡めて長々やるのはこっちのモチベもキツいし読んでる側も飽きそうだし……って理由です。
全ての物事に辻褄を合わせること自体は出来なくはないです一応。
ただ、それをやることによって失われるレス数・その失われたレス数でやれるであろう各艦娘とのエピソードを天秤にかけた結果、不要だな〜と思って削った話が多いです特にオリキャラ周り。
整合性よりは物語的な勢いを取ったのは英断かなと自分では思っています。
最初っからしっかりあれこれ練っておけばこんな風に右往左往せずには済んだんだろうけどね。
・このお話における朝潮
まず、朝潮というキャラの性質上、恋心を抱くようになるには相当時間がかかるんだろうな、というのが私の見解でした。
指輪渡しても作戦会議と勘違いするような子ですし。
どうやってそういう気持ちにさせようかなーと悩んだ末の↑二つの話なのですが、結局病むってほど病むこともなくデレることも終盤までなく。
作中では提督の次にあれこれ悩んでいたキャラだと思います。
彼女の悩みは根本的に『人の気持ちが分からない』ことに起因するものだったんじゃないかなー、とか作者的にはそう思ってます。
でも、本来の彼女は人の気持ちが分からない、なんて狭量な子じゃないはずなんですけどね。
過去のトラウマや艦娘としての気負いを抱えていて、彼女はそれらを重く受け止めてしまったんだと思います。
自分で自分を追い詰め続けた結果、人の心も自分の心も分からなくなってしまったんでしょう。多分。
提督は、そんな朝潮に対して真摯に向き合い続けて、ようやく話の終盤で彼女の心を開くことに成功しています。
いや微妙に彼上手くやれたかどうか自信なさげだったけど。でも彼の気持ちはちゃんと朝潮に届いてます。作者がそういうんだからそうなんじゃないの多分。
それからの朝潮は、その感情が敬意なのか愛情なのかは自分でも分からないけれど、提督とともに前を向いて成長していきたい、と考えているようです。
最初に会った時は立場上提督に対して敬意を払っていただけなのが、人間的に尊敬するようになった……ってのはわりと大きな変化かもしれませんね。
まぁ他の艦娘はもっと大きな感情の変化があったりしてますが……。
ただ、その変化の過程で彼女は自分を傷つけることをやめ、人を拒絶しなくなりました。これが彼女の一番の成長ですね。
真っ直ぐであるが故に自分を追い詰めてしまったけれど、真っ直ぐであるが故に間違いに気づいても立ち直れたんじゃないかなー。
序盤はパッとせず中盤は暗く、恋愛的な描写も少ないのでイマイチ華がない感じの配役にしてしまって作者的には惜しいことしたなと思ってます。
あとは、本来聡明な子なはずなのにあんまりそういう風に描く機会が無かったのが残念。いや、タイミングってあるじゃない?(という言い訳)
ただ、艦隊の中ではなんだかんだ一番精神的に成長した子なんじゃないかなーと思います。
艦隊の6人の中だと、一番もう一回なんかで書く機会があったら書きたい子ですね。
いや、書き直したいとかじゃなくて、次はもっと生き生きした朝潮を書けたらなーとね。
『主人公と最終的にイチャイチャできる関係にまで持っていかなければいけない』という自分の中での制約が無ければもっともっと自由に描けてたのかなーと思います。
これはこれでまぁ悪くないのかなーとも思ってますけど(どっちだよ)。
----------------------------------------------------------------------
こんな感じで本編のストックが書き終わるまで続けてきます。
まぁどれだけ知った風な事が書いてあっても所詮いち二次創作のいち解釈に過ぎないです。
自分なりに個々のキャラと向き合ってはいるつもりですが、だからと言ってそんなの1人の人間の薄っぺらい解釈に過ぎないってことです。
わざわざこんなクソ読み辛いスレにここまでついて来れてる人相手にわざわざ書くまでもないとは思うけど……書かねばならぬ気がしたから一応書いておく。
あ、あと上にも書きましたがエクストライベントのエクストライベントは>>+1です(00〜70で発生)。
311 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/12/10(水) 04:47:14.82 ID:A5BEvAufo
ぽい
312 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/10(水) 20:18:21.36 ID:f5lSrW6u0
>2014/12/10(水) 04:47:14.82
ということでエクストライベントのエクストライベントも発生です。
さすがにもうエクストライベントは打ち止めですです。
----------------------------------------------------------------------
[[如月についてのアレコレ]]
二番は誰にしようか迷いましたが如月で。
如月も良いキャラだよね〜。良いよね〜スレてるようで初心なの良いよね〜最高だよね〜アツいよね〜。
・ある種全ての元凶
全ての元凶と言っても、実は黒幕だった! とかそんな話じゃありません。メタ的な話。
設定がワチャワチャし始めた時期はちょうど序盤〜中盤の如月のエピソードあたりからです。
そして提督が艦娘たちとグイグイ親密になっていくようなエピソードが盛り込まれるのも大体如月の後からです。
――暗い過去に囚われて心を閉ざしてしまった少女。少年はそんな少女の秘密を知り、彼女の抱えてきた孤独に触れる。かくして物語の歯車は動き始める。
とか、ねぇ。ベタだけどこれだけで一冊本書けちゃうって感じじゃん。ずるいよね。
……設定に関しては後先考えず滅茶苦茶に突っ込んだので如月あんま関係ないんですけれども。
ただ、しばらくの間『如月のあのエピソードに負けないように』というプレッシャーが
>>1
の中でついて回ってました。
おかげでどんどん過激な方へ突っ走ることに……。
・純情ガール如月
如月のキャラ的に、艦娘の中で言えばわりと提督に媚びるタイプじゃないですか。
結構大胆……というかDMM的アプローチ(隠喩)してくるじゃないですか。
ただ、今回のスレの都合上、提督の初期ステータス不足によって、如月は好感度の伸びが低い設定でした。
その為、最初の方は提督のことなんて興味もない、ぐらいの感じに調整してました。
それに伴って、自分の心の中を明かさない、みたいなミステリアスなキャラにしようかなーというのが当初の目論見でした。
ただ、皮肉にも一番純情なキャラクターになったのではなかろうかと、振り返ってみてそう思います。
上記にも書いた例のエピソードで自分の過去を明かしてグッと距離を縮めるのですが、
グッと距離を縮めすぎて好感度以上に提督と仲睦まじい関係になりつつあって焦ったのをよく覚えています。
あんまり縮めすぎると彼女がぶっちぎりの一番になってしまうので、他の艦娘の好感度の底上げもしつつ、彼女の配役も変えていきました。
提督はほとんど如月の過去や心の闇を知ってしまったので、彼女に対して気兼ねなく接することが出来るのですよ。気心が知れている、ってやつですね。
だから、あのエピソードの後の二人は、冗談を言い合ったり、時折漫才のようなやり取りをしています。
ちょうど友達以上恋人未満、って感じですかね。いやあ青春だ(黙
ただ、如月は提督の心を知らなくて。
たとえば提督が朝潮に対して話した「自分の両親が死んだ時に思ったこと」なんて如月にとっては知りもしない話なんですよ。
(まぁそんなこと人にベラベラ喋るもんでもないけど)
普段は自分に対して冗談みたいなことしか言わないくせに、いざとなるとものすごく真剣な顔を見せる。
如月は提督のそういうところに強く心惹かれているようです。
でも、それって如月にだけ見せている一面じゃないんですよね。
提督は提督なりに真摯に艦娘たちと接しているつもりなのだろうけれど、その真摯さや平等さが如月にとってはとても苦しいようです。
本心では提督のことを愛していますからね。
ただ、その想いを提督に知られてしまったら、提督はもう如月に対して今までのように接することは出来なくなるでしょうし、そうなると提督を困らせてしまう。
ちょっと話を逸らして提督の話をすると、実際提督は異性への関心や興味といった欲求を抑圧しています。
自分が年齢的に十分に成熟していないことの自覚、地位が不安定でいつどんな目に遭うか分からないという危機感、
生死の淵で戦う艦娘たちと前線に出すらしないで指示を出すだけの自分という現実に対する負い目から、魅力的な艦娘たちを前にしても禁欲的だったのでした。
提督のそうした考えを聞いていた如月は、提督への想いを押し殺し続けてきました。
えと、ということにして甘い態度のわりに低い好感度を表してたんですね〜。
ただ、そういういじらしい描写をしてしまうと全体のパワーバランス(?)に影響が出るのと尺の圧迫が辛そうだったのでほとんど書いてないです。
物語終盤で如月がしれっと提督に想い人が居ないかを聞いてくるのは、その感情の抑制が効かなくなってしまったからです。
これ以上耐えるのは辛くて、本当は自分のことを見て欲しいけれど、
それが叶わないのならいっそ提督が自分以外の誰かとくっついてしまえば諦めがつくから……という、彼女なりの覚悟なようです。
その前に提督と朝潮が良い雰囲気になっていた、ってのも彼女の行動を後押ししたのでしょう。
結果的には提督に回答を聞くどころか邪魔が入ってしまって大変なことになってしまったのですが……。
如月に関してはそんな感じです。他の二次創作と比較してもここまで純情な如月はそんなに居ないんじゃないでしょうか。
自分的にはわりと如月っぽく描けたんじゃないかなーと思っています。自分で言うのもなんだけど。
ただ強いて言うのであれば、ああいうキャラなんだからもうちょっとやらしい話とかさせても良かったんじゃないかなとは思わなくはない。
作中の如月がピュアすぎるので以外に思われるかもしれませんが
>>1
的にはえっちい如月も好きですよ。あっまた余計なことを書いてしまった。
----------------------------------------------------------------------
え? こんなん書いててちゃんと本編書けてるのかって?
ま、ま〜……進んでるんじゃないかな、多分。
一応ぼちぼち進んでます。パーセンテージで言うと12%ぐらい(えぇ
313 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/11(木) 19:57:54.76 ID:y+qoJnKE0
----------------------------------------------------------------------
[[皐月についてのアレコレ]]
続いて皐月。
ドヤ顔かわいい系ですがアホの子だったりやたら自信過剰ってほどでもないという居そうであんまり居ないキャラ。
史実エピソード的にはわりと武勲艦だしねえ(
>>1
はあんまり史実詳しくないけど)。
このお話的にはわりと特殊な立ち位置のキャラになりました。
・スペック盛りすぎた
はい。駆逐の皮を被った軽巡みたいなことになってしまった……。
いやまぁ実際強くてニューゲームみたいな設定でごまかしてますけれども。
レ級と戦う時に白い鞘の刀を持ってたのは申し訳程度の史実要素です。
地上戦だし刀の方が良いって判断したんじゃないんすかね。
そのわりにその「強くてニューゲーム」の話はほとんど出てきませんでしたね。
というかほぼ全く触れてないっすね。
まぁ、蛇足かな〜とか思って書いてないです。尺にも限りがあるしね……。
このお話ではパッと出てすぐ退場してしまった長門ですが、実は皐月の過去の記憶と関係があったり……とか、そのぐらい。
・一番扱いが難しかったキャラ
扱いが難しいっていうとキャラそのものを否定しているニュアンスも含まれてるように思われるかもしれませんがそんなことは無いです。
ただ、「このストーリー上で周りのキャラと差別化し」「あの提督と絡ませて」「恋愛フラグを立たせる流れに持っていく」のが困難でした。
っていうか3つ目の「恋愛フラグを立たせる流れに持っていく」は断念したレベルで難しかったです。
差別化自体はわりと楽でしたけどね。
当初からあんまりこの子には闇を持たせたくないなーと思ってまして。
悲しい過去とか暗い感情とか似合わない気がするんですよ皐月には。
だから皐月の過去の描写は避けるつもりでした。
ただ、改二の実装が待たれる程度には武勲艦ですし、理由なく強いのもなんか妙だよなーとか余計なこと考えてみたり。
そんな感じの理由で能力値だけ引き継ぎみたいな設定になったんすよねー。かえって不自然だったかもなぁ……。
そういうわけで提督との関係は他の艦娘と違って、「現在」にクローズアップした関係にしていこうかなと思ったわけですよ。
思ったわけですが! 難しいんだなこれが。
日常においてはロマンチックな出来事が起こるなんて稀ですし、平時のやり取りはきっと他愛もないものなんですよこのお話においても。
だからその……他の艦娘と比べるとどうしても破壊力(?)が低くなってしまうんですよね。
たとえば提督と如月の間には「二人だけの秘密」がたくさんあるじゃないですか。
満潮なんかも後半でだいぶ提督にしか見せない表情をいっぱいするじゃないですか。
そういうのが無いんですよ日常では!
戦闘時は輝くんですが中盤ではわりと戦闘シーン的なものもあんまり無かったんで……。
あと、ですねぇ。この子わりとメンタル強いんですよね。
それがかえってイチャイチャさせる上では厄介なんですよ!
朝潮みたく他人を精神的に拒絶していたり、電みたいに自分と提督を比較して引け目を感じて切なくなったりしてないんですよ。
この話の中では欠点らしい欠点が無い子なので、作者的に難攻不落でした。いやマジで。
・唯一「フラグを折った」キャラ
上にも書いた通り、このお話の中での皐月は作者的に厄介でした。
強いてフラグを立てる道があるとするならば、対等の友人関係から次第にお互いを意識しだし……という最も現実的に起こりうる流れになるかなと思います。
が、この話の中では提督と艦娘という明確な上下が存在する関係なわけで、
皐月の方はそんなことを意識していなくても提督はどこかでいつもそのことを考えているわけですね。
なので、提督の心の垣根を取っ払わなければならぬ、と。
ただ、他の艦娘がぐいぐいとアプローチしていく中で、
何気ない日常の中で友人のような関係からお互いを意識するようになるほど心の距離が縮まるまでに一体何レスを使わねばならぬのだろう……。
そんなことを考えた結果、皐月に関しては唯一明確にフラグが立ってないキャラにしました。
『立たないフラグに、意味はあるんでしょうか……?』
というわけで「フラグが立たない」キャラとして定まった後の皐月について少し。
とりあえずエンディングを迎えるキャラではないので、若干フェードアウトさせてます。
とはいっても露骨に出番を減らしたりってのは無く、明確に“攻略対象のヒロイン”としての描写から“異性の友人”って描写にシフトしたって感じです。
ただ、そういう描写に変えたことによってかえって皐月らしさが表現出来たんじゃないかなと思ってます。
天真爛漫だけど子供っぽすぎるわけじゃない。
なんというか、こう、爽やかなキャラになったんじゃないかなーと。
あと、わりとこの子頭脳派よね(この作品の中では)。
特に意識したわけじゃないんだけど相当頭の切れるキャラみたいな立ち位置になってますね。なんでだろ。
なんていうか……アレ。
気がついたらスペックや立ち位置的に「よくある前作の主人公」みたいな感じになりました。
(一応書いておきますけどこのお話に前作なんてありませんからねファンタジーやメルヘンじゃあないんですから)
せっかくなので、皐月をヒロインに据えるならどんな提督が良いか考えてみたんですけど、
わりと変態じみてる、というか熱烈にアピールしてくるぐらいの提督が向いてるんじゃないでしょうか。
(本作の)あの提督はシャイなので、皐月に対して「かわいいね!」の一言も言えないんですよ多分。
(まぁ見た目の年齢的にほぼ同じぐらいだし仕方ないっちゃ仕方ないが)
皐月に対して「かわいいね!」は基本中の基本です。それぐらいかわいがってやらんでどうする。
ロリコ……じゃなかった、父性愛に満ち溢れてるタイプの提督になし崩し的に攻略されていくのが良いと思います。
だんだん自分でも何言ってるか分からなくなったのでこの辺で〆。
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314 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/15(月) 19:49:02.18 ID:z5JKjTrw0
オリョクルしながらプレゼント貰えるとか最高でち!
北か南に進めばろ号が消化でき、ボスマスに逸れればプレゼント……これはありがたい
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[[磯波についてのアレコレ]]
クリスマスボイスの追加された今激アツの磯波です。吹雪型は基本激アツですね。
そんな激アツ吹雪型の中でもトップクラスに激アツな磯波です。
・作者の用意した「正解」
うわいきなりなんて事書いちまったんだろう。というか、こんな事書いてしまって良いんだろうか。書かない方が良い気がするぞ。
でも読んでる側からすると、こういう話が面白いのかなと思って書いてみます。
後半に差し掛かる辺りまでは特に「正解」を定めずに、つまり敢えてメインヒロイン的存在を拵えず進んでいったわけですが、物語を終わらせるためには最終的に誰か一人を選ばなければならない。
そこで作者目線での白羽の矢が立ったのは磯波でした。ではその謎に迫っていきましょうか。
・実はエース級のキャラ
磯波に関しては序盤からかなり良い感じに提督にアピール出来てましたね。
料理が得意な設定は史実ネタとか関係なくなんかそういう感じがするなと思ってつけ足しただけですハイ。
磯波って朝ごはん作ってくれそうな気がするじゃん!? ……しない? あぁそう。
ごく最初の頃はちょっとお姉さん的立ち位置でしたね。
ただ、如月の話以降色々動き出してきてそれに伴って磯波のキャラも今のようなポジションに。
序盤〜中盤まで隙の無い動きで常に二番候補三番候補ぐらいのポジションを維持していたってという強者です。
二番候補三番候補というと大した事ないように思えるかもしれませんが、なんかしらエピソードをつければそのキャラの持つ相対的な重みも変動するわけで。
そんな重みの変動の激しい環境下でも常にある程度アピール出来ていた磯波は中々デキる子です。
しかもさほどエピソード的には本気を出していない(=まだまだグイグイ踏み込んで書こうと思えば書ける)のに既に十分他のキャラと渡り合えるぐらいの力を発揮してるので、作者目線だと結構驚異的な存在でした。
そのポテンシャルを危惧して一旦途中退場させてますハイ。
入れ替わりで登場したのが磯波IIですが……いくらフラグが立つ対象じゃないからってもうちょっとエピソードを割くべきだったなあとやや後悔。まぁ途中退場させるつもりだったし。
このお話は攻略対象外のキャラの扱いがぞんざい過ぎるよなー。
ちなみに磯波IIは作中では「二号(いそなみにごう)」と呼ばれているらしいです。
どっかに書いたと思ったらそんなことは無かったので今ここに書いときます。
で、後半再会を果たす二人です。磯波ちゃんしれっと告白してますね。うん。よくある。
っていうか終始こんな感じの距離感でしたね。
磯波は、奥手な性格のように見えてあの提督に対しては結構積極的なんですよね。
威圧的な提督、というか、普通に自分より年上でいかにも提督って感じの提督ならこんな風にはならなかったんでしょうけど。
あの提督の、微妙に頼りないけど真剣に頑張ってるところとかが磯波の琴線に触れたんじゃないですかね。
磯波は惚れ込んだら一途みたいな、都会に出てきた田舎娘的危うさがあるので、恋心を抱く対象が提督みたいな草食系をこじらせたみたいな人で良かったです(謎の親心)。
提督は提督で、あんまりアプローチされるとたじろいで身構えちゃうタイプだけど、磯波の場合それを上手く回避してスッと提督の間合いに入っているようなことが多いです。
作者目線でも磯波に関してはエピソードを書くのにほとんど苦労した記憶が無く、わりと扱い易いキャラでした。
ちょくちょく顔を出して要所要所でかっさらって行くのも中々やるなぁ、と。
あんまり目立たれても困る&他キャラのエピソードが忙しくて尺が足りなかったという理由で後半はちょっと出番控えめですけど。
・「正解」とは何なのかを考える
と、ここまで書くとやっぱり磯波がメインヒロインだったんや! って感じですね。
(勿論この子だけ贔屓したなんて事はなくて、「書いていたらこうなった」ってだけですけれど)
提督が誰とくっつくかの投票では、磯波が一番投票あるのかなと予想していました(しかし結果的にその予想は見当違いなものとなるのであった)。
ここから先は磯波の話からちょっと逸れます。最後の投票に参加してくださった方、ご協力ありがとうございます。
ええと、その方々は恐らく、投票したそのキャラが
・魅力的だった
・報われて欲しかった
・提督にとって相応しいと思った(または“提督が”そのキャラに相応しいと思った)
の3つの要素で判断したのかなと思います。
もちろんそのキャラが個人的に好きだったとかそういうのもも多いにあると思いますけどね。
磯波の場合は第一項・第三項は結構満たしてるかなーと自分では思ってるんですけど、第二項の要素は薄いんじゃないかなと。
で、投票結果から鑑みるに第二項が一番投票に影響した要素なのだろう、というのが作者的分析です。
いや……だって如月とか満潮とかさ……作者からしても報われて欲しいもん……うん。
と、ここから話は電についてに移るわけですが磯波から完全に逸れてしまうので一旦ここで区切ります。
読んでる人から見てどうだったかは分かりませんが作者的には一番自信のあるキャラでした。
一番自信があったからこそ出し惜しみしちゃったかなー、とも思いますが。
というわけで作者が投票するのであれば磯波に投票してました。なんだかんだお似合いな気がするしね、二人。
だが待って欲しい、こんなことを敢えて書くということは、だ。ということは、ですよ?
ここから先の(つまりEDまでの)電のエピソードでは作者的に自信のあった磯波や投票の多かった如月、満潮たちを超えるぐらい魅力的に書かなきゃならんわけで! ならんわけで!
「他の子も良いけど、やっぱり電と結ばれるべくして結ばれたな!」というところを魅せつけてやらにゃならんわけで! ならんわけで!
えぇ〜……やれるかなぁ……期待に応えられる自信が無い癖に妙に期待を煽る書き方するというマゾプレイ。
この後のわずか数レスで一体どうするつもりなんだお前は! と自問自答。
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今んとこ42%ぐらい進んでます。
そんだけしか進んでないのかって感じですけど実際そんだけしか進んでないからしょうがない。
315 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/18(木) 19:11:30.00 ID:wbB2ywX00
今週末あたりには投下でき……たらいいなあ。
現状の見通しだと無理っぽいけどこういうのは勢いに乗りさえすればサクサク進むので、なんとかこうビッグウェーブに乗りたいですね。
遅くとも来週中には〜と言っておきます。
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[[満潮についてのアレコレ]]
ツンデレと性格がキツいのはちょっと違うんじゃあないかなと思う今日この頃。
一般的にツンデレと呼ばれている艦娘たちの場合は素直になれないからツンツンしてるんじゃなくて(もちろんそれもあるにはあるけど)、
純粋に愛を知らなくて人間不信に陥ってるだけな気がしますね。
皆何だかんだ暗い過去を背負ってるしね……。
あーでも叢雲は普通にただのツンデレだと思います(ひどい言い様である)。
・ツンデ……ツンデレ、なのか?
上で書いたことをいきなりひっくり返すようでアレなのですが満潮はツンデレで行くつもりでした。
開始した当初は満潮に対する造詣が浅かったんだ……後でデレれば良いよねとか甘っちょろいこと考えてたんだ……。
しかし最終的にツンデレとしてもなんか妙な感じになってしまった……。
例えるなら、程よい辛さのカレーを作ろうとして、適当にスパイスとかぶっこんでたら途中でなんかちょっと辛いよなこれちょっと違うよなってなって、
林檎とか蜂蜜とか砂糖とか甘いものを手当たり次第に入れていったら結果的にケミカルX的ストレンジフルなものが出来ちゃったみたいな。
後半デレデレさせ過ぎたなあと後悔している。
いや、というよりはツンからデレの過程をもうちょっと書いておくべきだったんですねぇ。
……まあそんな作者的言い訳はつまらないから置いておいて。彼女の話をしましょうか。
・満潮孤独の青春
最初に結構キツい態度で当たってますがまあこれは予定調和というかキャラ的に仕方のないところですね。
前々から書いているように当初はわりとダメな感じの未熟な提督にする感じだったので、こうやってムチでビシバシしばいてくれる子は必要だなと。
ただ、例の如月の話以降提督のキャラが変わってしまったというか、もうそれまでの甘ったれみたいな感じじゃダメだなと思うのですよ。作者がじゃなくて提督がね。
それに伴って各キャラの立ち位置も変わっていったっていう感じですね。
満潮の場合は何かを抱えているけど、それを打ち明けるわけにはいかなくて……孤軍奮闘しているって感じですね。
最初のうちは提督のことを信頼するに値しないと思っていて、独りで自分の過去の清算をしようとしています。
ある程度提督が信頼出来るなと思えるようになってもその姿勢は変わらないままで。
一瞬自分の抱えているものを提督に話そうと迷ったりするけど結局突き放すような態度を取ってみたり。
跳ねっ返り娘に見えてどこかで人を恐れている部分があるのかもしれません。
(まあ過去の話から顧みるにロクな上官じゃなかったんだろうし彼女なりのトラウマもあるのかもしれない……)
・その心の闇に迫る
で、彼女なりに独自に行動していたらそれが仇となって提督にあれこれ打ち明けなければならない羽目になってしまうんですよね。
後から振り返ってみると多分その方が彼女にとっては幸せだったと思いますが。
なぜって、あそこで提督に打ち明けていなければ彼女独りで戦い続けていたでしょうし、そもそも提督に対して恋愛感情を抱くことも無かったでしょう。
様々な偶然が重なって彼女の殺害対象であった藤原大将は死に、(その後の展開はともかくとして)彼女の目的は結果的に果たされたわけですが……。
以前の彼女であれば、自分の手で決着をつけられなかったことを口惜しく思い、死に場所を捜し求めてたりしそうですね。
提督に恋に落ちるまでの満潮の心は、かつての自分の提督に対する憎悪やチップによる支配に対する復讐への執念で占められていましたから。
(例によって尺の都合でほとんど描写してないけど)彼女にとっては復讐だけが生き甲斐のような状態でした。
今でもなんだかんだその事については彼女なりに色々思うところがありそうですが……今の満潮はきっと大丈夫でしょう。
提督への恋心……もまぁそうですがあくまでそれは副次的に発生したもので、提督が彼女の辛さや苦しみを受け入れてあげたことが、彼女を大きく変えた要因でしょう。
彼女は艦娘になってからずっと孤独でして、誰とも心を通わすことなく十数年の時を過ごしています。
同じ艦隊の仲間に対しても、ある程度ビジネスライクな関係になることはあれど、大概皆沈んで居なくなってしまうのだから信用はすれど心を開くまでの関係になろうとは思わないんでしょうね。
提督の、愚直なぐらい真剣な姿勢や満潮という人格そのものを受け入れようとする温情を感じ取った時から、憎しみや不信によって止まっていた彼女の歯車は動き出したんでしょう。
ちょっと動き出しすぎ? な気もしなくはありませんが。
でも、意固地になって閉ざしてた心さえも開いてしまうような相手を前にして恋に落ちるな・愛情を抱くなというのも無理な話じゃないですかね。
きっと提督への愛を自覚してからの彼女の日々は、それまでと比べると彩りに満ち溢れたものなんでしょう。
ええと……その恋は結果として報われるものでは無いんですけれども。
ただ、恋なんて所詮恋で(?)、提督の想い人にはなれなかったということを知ってなお彼女は提督を愛することはやめないでしょうし、再び彼女の心が閉ざされることもないでしょう。
・お酒は二十歳になってから
作中の満潮が24歳という設定がポロッと出ましたが、身体年齢的には提督よりちょい上ぐらいなのでビール飲んじゃダメだと思います。
一応艦娘でも(人間と比べると速度が著しく遅くなるが)身体的に成長するという設定ですが……でもダメだと思います。
「酒ッ! 飲まずにはいられないッ!」な過去もあったんでしょうけど。
ちなみに、彼女がチップについて知っていたのは最初に配属されたのが物部元帥の艦隊だったからっていうことにしてます。
年齢的には彼女が10歳ぐらいの頃でしょうか。
まぁそれから十数年も暗い感情だけを抱えて生きてりゃグレるわな……。
意識を朦朧とさせて精神的苦痛をかき消すタイプの飲み方なので悪酔いします。ダメですね。
如月とは別の方向で暗い感じの過去を持ったキャラ、というか、悲惨さでは如月を上回ってそうですね。不幸なんて比べるものじゃないけれど。
そこんところ若干差別化に迷った記憶があります。
結果としては上手くいったんじゃないかなと思いますがどうなんでしょう。
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今週と来週を耐え抜けば休みだけど中々しんどいネー。あー、あと大掃除しなきゃ……。
316 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/25(木) 21:11:36.95 ID:X5Qa3Rg/0
突然ですが明日投下いきます。どっかしらで区切るので2日に渡っての投下になりますが。
電についてのアレコレを書いてたはずが消えててバックアップも残ってないという……。仕方ないのでそれも明日ってことで。
今日は疲れてるので明日に備えて力を溜めます(何
317 :
【97Ex/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/26(金) 21:02:38.58 ID:LqPWl3cN0
自室で荷物をまとめている提督。
提督(必要な物は全部まとめた、と。これで僕の支度は終わったな。なんだか遠足みたいだな)
提督(そんな気楽なものじゃないけれど……)
提督「如月。居るんだろう? ……話、しようか」
如月「ごめんなさい」
如月の表情はいつになく暗く、目の端には涙を浮かべていた。
如月「私のせいで……そんなに傷ついてしまって……」
提督「良いんだ。君を守れた。僕も生きてる。それだけで十分だよ」
如月「私があの時司令官を呼んでいなければ、司令官はこんな目に遭わなくて済んだのにって考えたら……どう償っていいのか分からなくて」
提督(確かに如月の言う通り、彼女に呼ばれていなければ腕を失うことは無かっただろう)
提督(だが、僕はこのことを幸運だと考えている。彼女に呼び出されなければ、あれだけの脅威が潜伏していたこと。そして今まさにその脅威が動き出さんとしていたことを知れなかったからだ)
提督(如月に呼び出されていなければ、僕はあのレ級に先手を打たれて為す術なく殺されていただろう。かえって幸運だったと言うべきだ)
如月「ごめんなさい……うっ、うう」
提督(そんな話をした所で、彼女の心を晴らすことは出来ないだろうけど)
提督はハンカチを取り出して如月の涙を拭う。利き手でない左手なせいか動作がぎこちない。
提督「ねぇ、如月」
提督「僕は、君と出逢ったおかげで変われたんだ。君と会ったから、君と居たからここまで来れたんだ」
提督「初めて会った時のことを覚えているかな。君は僕のことなんて気にも留めないで、上の空だったよね」
提督「それからしばらくして、君がこれまでにどういう風に過ごしてきたかって話を聞いて。そう、あの工廠の奥の部屋で」
提督「僕はあの時、生まれて初めて心の底から誰かを救いたいって思ったんだ。救いたいなんて言葉は傲慢で、僕の独り善がりなのかもしれないけど……でも」
提督「僕は君の抱えていた悲しみから……君を救いたかった。君の眼に映るもの全てが、哀しみと空しさで埋め尽くされていくのに耐えられなかった」
提督(あの時の如月に対しての行動が、本当に彼女の心を救えたのかどうかは分からない。僕自身、上手くやれたのか今でも自信がない。だけど……そう)
提督「あの時から僕は、君たちの提督として相応しい人間にならなきゃって、そう決めたんだ」
提督「誰にも悲しんで欲しくなかった。僕の無力で、君や他の艦隊の子を傷つけてはならない、悲しませたくないって、そう思ったんだ」
提督「空回りも多かったけど……でも、今の僕は自分の望むものになれたと思う」
提督「あのレ級に襲われた時、僕は死を確信した。軽蔑するかもしれないけど、あの時の僕は恐怖で足が動かなくなっていた。あまりの痛みに思考することさえ放棄しようとしていた」
提督「……奴が君を穢そうとした時、急に力が湧いてきたんだ。その力が怒りなのか覚悟なのかは分からない。気がつくと身体が動いていたんだ」
提督「腕を失ってなお、僕は君を守り抜くことが出来た。ちっぽけなただの人間が、深海棲艦相手に、立ち向かっていくことが出来たんだ」
提督「僕はこのことをとても誇りに感じる。僕は失った右腕以上に大きな物を得たんだ」
提督「大切な君を守ることが出来た、深海棲艦に自分一人で立ち向かうことが出来た……僕にとっては失った腕よりも遥かに価値のあることなんだ。だから君は気に病む必要なんかない」
提督「まだ時間はかかるだろうけど……深海棲艦との戦いも、きっと終わらせることが出来る。根拠は無いけど……今はそう確信している」
318 :
【97Ex2/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/26(金) 21:03:45.73 ID:LqPWl3cN0
提督が話を終える頃には、如月はもう泣き止んでいた。
如月は、両手を後ろに組んで、モジモジと気恥ずかしげな様子で提督を見つめる。
如月「司令官。一つ、お願いがあるの」
如月はぴとっと提督に身を寄せ抱き締めると、胸に顔を埋めた。
如月「しばらく……私が満足するまで、このままで居させて?」
上目使いで提督を見上げる如月。提督は少しドギマギしながら無言で頷く。
提督が頷いたのを確認すると、如月は再び顔を埋める。
スウと深呼吸をするような音が聞こえる。安らかに眠っているかのような如月の吐息が聞こえる。
かと思えば、突然しゃくり上げたかのような震えが提督の身体を伝ってくる。
その間提督には如月の表情が分からなかった。泣いているのか、笑っているのか、分からなかった。
そんな振る舞いを数回繰り返す。如月が提督を抱き締める両腕の力は、未だに緩まらない。
・・・・
如月が、どういう意図でこんなことをしているのかは分からない。
提督「…………」
僕は言葉を発することが出来なかった。きっとこれは悲しいことなのだと悟ったから。
提督(如月はきっと……)
如月はきっと、今に至るまで僕への感情を押し殺してきたのだと感じ取った。
提督と艦娘という関係を逸脱することへの後ろめたさなのか、僕に想い人が居ると察しているからなのか、迷惑をかけたくないからなのか。何故かは分からない。
ただ、今の彼女は、僕のことを想っていて……恐らく、僕はその想いに応えることは出来ないのだろう。
そんな事を考えていたら、とても悲しい気持ちになってきた。
目頭が熱くなる。情けないところは見せられないから、僕以上に如月は悲しんでいるはずだから、と涙が零れないように天井を見上げる。
薄ぼんやりした電球の明かりがゆらゆらと揺れている。
ああ、明日の朝にはこの鎮守府を離れて、もう二度と戻ることは無いのだろう。
今までの思い出がどっと押し寄せて感情がこみ上げそうになったので、僕は平静を保つべく深く息を吸う。
如月「? どうしたの?」
提督「ううん、なんでもないんだ」
震え声にならないよう意識して声を出したら、かえって変な声になってしまう。
如月「ふふ、ヘンな司令官」
先ほどまでの泣き顔が嘘のようにけろりとした様子だ。
如月「……付き合ってくれてありがとう」
僕を抱きしめていた腕をぱっと離し、部屋を出ようとする如月。
去り際に如月が振り返る。
如月「司令官……ありがとう」
どこか納得したような、安らかな顔だった。
319 :
【97Ex2_1/100】 >>318は97Ex_2の間違いです
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/26(金) 21:19:06.23 ID:LqPWl3cN0
提督(……)
ベッドに横たわり、放心状態でボーッとしている提督。
提督(寝た方が良いって分かってるのにな)
腕を失った右肩の鈍痛が、提督の眠気を削ぐ。
提督(やれやれ……しっかりしないと!)
提督は起き上がり明日の作戦のための資料を読み始める。
提督(何も起こらなければこんな資料は要らないんだがな……)
提督(これまでの経験から考えて、そう甘くは無いんだろうな。『不測の事態』を前もって予測し、対策を練っているぐらいじゃなきゃ)
提督「如月……」ボソリ
ハァ、と溜息をつく提督。
提督「頭が回らんな……」
コンコンとドアを叩く音がする。
提督「どうぞ」
電「司令官さん、お疲れ様です」ガチャッ
提督「別に疲れてないさ」
電「如月が司令官さんを呼んでいたって言ってたので来たのですが……」
提督「如月が……?」
電「?」
提督(如月は気づいたのだろうか……。しかし、仮に気づいたとしてどうしてこんなことをするんだ?)
提督「いや、なんでもない。用は無いから、もう部屋に戻っていい」
提督「明日も早いしね」
提督は上の空の様子で、まるで独り言を呟くような調子で声を発した。
電「司令官さん。電はここなのです……目を見て話して欲しいのです」
提督「ごめん……今はそっとしておいて欲しいかも」
提督「その、なんていうか、疲れてる」
電(目の下に隈が浮かんでるのです。昨日から一睡もしていないんでしょうか……?)
電「司令官さん、ちょっと待ってて欲しいのです!」タターッ
・・・・
電「司令官さん、お疲れのようですから。はい」
電「蜂蜜入りのホットミルクなのです」
提督「戻っていいって言ったんだけどな…………でも、ありがと」ズズッ
電「司令官さん……。何があったのか、ちょっとずつで良いから話してもらえませんか?」
提督「……電。如月は君にここに来るように言った時、どんな様子だった?」
電「? 普段通りでしたよ」
提督「そうかい(気丈だな……如月)」
320 :
【97Ex2_2/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/26(金) 21:20:35.19 ID:LqPWl3cN0
提督は、先程までの如月とのやり取りを淡々と話した。
電はその間、何も言葉を発さなかった。
提督「最初はたぶん……僕に対する罪悪感で部屋に訪れたんだと思う」
提督「だけど。その後、僕を抱き締めてきたのには、理由があると思う」
提督「恐らく、如月は僕のことを愛してくれていて。きっと、すごくすごく好きで居てくれたんだと思う」
提督「ずっとそんな気持ちを抱えていたんだと思う」
提督「如月は何も言わなかったから、本当のことは分からない。でも、あの時の彼女の仕草で、そう感じ取ったんだ」
提督「如月は……ああすることで、僕への想いを断ち切ろうとしたんだと思う」
提督は、まるで夢でも見ているかのように、ぼんやりとした様子でぽつりぽつりと言葉を漏らす。
提督「それを分かってもなお……僕は、彼女の想いに応えることは出来ないんだ」
電「どうして……ですか?」
提督「僕にも、好きな人が居るんだ。だから……如月の想いを察することは出来ても、応えるわけにはいかなかった」
提督は、ベッドに身体を横たえる。枕に顔を埋める。
提督「……如月を傷つけてしまって、しかも、多分もうこの先どうすることも出来ないんだな、って」
提督(如月……今は、部屋で一人で泣いているんだろうな……。なんとなくだけど、そんな気がする)
提督「あそこで僕が、如月を引き止めていたなら、きっと如月の心を救ってあげられたんだと思う」
提督「でも、僕はそれをやらなかったんだ。彼女の痛みを知っているからなおさら……自分の気持ちに嘘はつきたくなかった」
提督「自分の気持ちに嘘をついて接しても、余計に彼女を傷つけてしまうだろうから」
提督「だから……彼女を受け入れることは出来なかった」
提督「それってすごく哀しいことなんだと思う。でも、仕方ないことだとも思う」
提督「仕方ないことなんだろうけど……やるせない」
・・・・
電(司令官と如月は……似た者同士なのかもしれませんね)
電(だから、お互いの痛みが分かるのかもしれない)
電(如月はあんなふうに飄々としていても、辛い気持ちや寂しい気持ちはずっと我慢してる……)
電(司令官もきっとそうなのでしょう……)
提督「情緒不安定なのかな……情けないところ見せてごめん」
提督「ごめん。やっぱり僕、疲れてるみたいだ」
提督はベッドから身を起こすと、少し困ったような、力ない笑顔で電に微笑む。
電(司令官、そんな顔しないで欲しいのです)
電(そんな顔をして……私の遠くへ離そうとしないで欲しいのです)
電「司令官……。今夜は、電がずっとお傍に居ます」
電は、ギュッと拳を握って、目を瞑る。それから深呼吸して、何かを思い切ったように強く言い放つ。
電「私は! 司令官さんと違って、頭も悪いし失敗ばかりで……」
電「司令官さんの辛い気持ちも、哀しい気持ちも、少しも楽にしてあげられないかもしれない」
電「でも……でも、司令官さんには、笑っていて欲しいのです。だから……」
電の言葉が詰まったタイミングで提督が話を切り出す。
提督「ありがとう、電」
提督「(心配かけてしまったか……やはり如月のことは、話すべきじゃなかったな)」
321 :
【97Ex2_3/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/26(金) 21:21:39.37 ID:LqPWl3cN0
提督「少し、甘ったれていたのかも……突然のことで、精神的に動揺していたんだ」
提督「そうだな……このやるせなさも、乗り越えていかなきゃいけないね」
提督「僕は君たちの提督だ。……強くならなきゃ」
提督「心配かけてごめん。僕の為を思ってくれて言ったんだろう。ありがとう」
提督「もう、大丈夫だから」
提督は電の頭を撫でようとする。
が、その手は払いのけられ、提督はベッドに押し倒される。
提督「!?」
電「何勝手に自己完結させようとしてるんですかァ!」
電「全然大丈夫なんかじゃないのですッ!」
電「司令官は! ずっと私に隠してきたのです!」
電「辛いと思ったことも! 哀しいと思ったことも! 皆一人で背負い込んできたのです!」
電「司令官は強くなんかならなくていい! 辛い気持ちを押し殺す必要なんてないのです!」
電「情けなくてもいいから、みっともなくてもいいからぁ!」
電「司令官には……私が、居ますからっ……!」
荒い呼吸を整える電。しかし、感情が昂ぶっているせいか頬が紅潮している。
電の今まで見せたことのない態度に、提督は固唾を飲む。
絞り出すかのように、言葉を発する電。
電「教えて欲しいのです。私に、全部。……」
電「司令官さんの苦しみも、全部、知りたいのです……」
今にも泣き出しそうな潤んだ目で提督を見つめる、電。
提督は、その目を真剣な眼差しで見つめ返し、……唇を重ねた。
・・・・
提督を強く強く抱き締める電。
堪え切れなくなった電の目の端から、ぽろりぽろりと零れ落ちる涙。提督の頬を伝う。
それは、ほんの僅かな時間の出来事だった。
しかし、二人にとっては永遠の意味を持つ出来事だった。
322 :
【97Ex2_4/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga sage]:2014/12/26(金) 21:22:08.54 ID:LqPWl3cN0
唇が離れる。
電は、力が抜けたように、へなへなと提督の上に倒れ込む。
左腕で電の背中を包み込むようにぎゅっと抱く提督。
提督「両の手で抱きしめられないのが、残念だな……」
電「……ぐす。どうして、私、なんですか……?」
電「嬉しい、けど、わたし、司令官に避けられてると思って、えぐ……」
提督「そう勘違いさせてしまったなら、すまないね。僕は電のこと、好きだよ」
提督「本当に、ごめん。そっか……辛い思いをさせてたのかな」
電「うぅん。司令官と一緒に過ごしていて、辛かったことなんて一度だって無いですよ……?」
電「ひっぐ……いつも、幸せでした」
はにかみながら笑う電。
提督「避けていたわけじゃないんだ」
提督「ただ……本当は、ずっとはぐらかすつもりでいたんだ。ずっと嘘をついていているつもりだったんだ」
提督「誰か一人を選ばなきゃいけないって、僕にとっては辛くて……それならいっそ、誰にも興味が無い振りをして、独りぼっちになれば良いのかなって」
提督「そんなずるいことを考えていたんだ。全てが終わったら……自分の気持ちと向き合おうって思ってたのに、逃げようとしたんだ」
提督「でも、他の皆には薄々感づかれてみたい。それが君だとまでは分からなかったみたいだけど、僕にも好きな人が居るって事を」
提督「……みんな、色んな事を一緒に乗り越えてきた仲だもんね、隠し通せるわけ無かったんだ」
提督「僕は…………電。君のことが好きだ。気づかないふりをして自分を誤魔化してきたけど、もう、抑えられないみたい」
提督「……君を、誰よりも愛おしく感じるんだ。電……んっ」
不意に唇を塞がれる提督。
電「嬉しいです……司令官……」
電「嬉しい……嬉しい……」
啄ばむように、何度も何度も提督の口を塞ぐ電。
電「んっ……ふっ……ふふ」
電「しあわせ、なのです……」
二人は抱き合ったまま眠りに落ちていった。
323 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/12/26(金) 21:24:18.37 ID:LqPWl3cN0
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[[電についてのアレコレ]]
トリを飾るのはもちろん電。いやぁ……やってくれましたね。
・作者目線での苦労
電はわりと人気の高いキャラで、それなりに読む側も目が肥えてるようなので、ちゃんとした電が描けてるかわりと不安でした。
ちゃんとした電って何だよって話ですが。いや、期待に沿えてるかなあ、とか、キャラから外れてないかなあ、とかそういうのですよ。
わりとそこいら辺は問題ないようで今更ホッとしています。なんだかんだ魅力的に書けてたなら良かったなあと思います。
作者的にはわりと自信が無かっただったので、投票で電に票が集まったのはわりと衝撃受けてました。
電は……なんだかんだ一番苦労したかもしれません。
第一に、好感度ですかね。アレで一人だけガンガン突出していくもんなんで、かなり困りましたね。
別に*2のボーナスを無くしてしまえば良かったんですけど。あるいは別の子にボーナスを付け替えるか。
ただ、提督の立場から考えると秘書艦を変える必要性って無いし、無理に秘書艦を別の子に変えるためのイベントを起こそうっていう発想も沸かなかったので、結局そのままでした。
結果として一人だけ好感度がガンガン上がっていき、かなり動かし辛いキャラになってしまった……。
中盤以降はもう好感度とか知るかと吹っ切れて程々の頻度で登場するようになりますが。
・本題
上記の理由や他のキャラとの差別化に悩まされたキャラである電なのですが、どうやって彼女を動かしていったかというと、キャラクターの目線に立って思考し、描写することで対応しました。
このキャラならこの場面でこういうことを考えてこんな風に動くだろう、と推測しながら動かしています。
他のキャラも場面場面でそういう書き方をしていますが、電と提督は特にそういうことが多かったですね。
提督に関しては、お前作者の意図に反して勝手に動き過ぎって感じのことが多いんですけど。
キャラは薄いわりに「ここではこういうことをする」という思考ルーチンだけはわりと確立されてるキャラなので、結構振り回されることが多かったですネー。
話を電に戻しまして。
電は、結構自分に対して厳しい見方をしていますね。
ごく最初の方に提督に自分の理想を語っておきながら、後半では自分は何も出来なかった・何も変えることが出来なかったという旨の話をしています。
「自分を変えたい」とか「戦いが無くしたい」とか、そういう理想を抱いてはいるけれど、現実には自分ではどうすることも出来なくて……というのが彼女なりの苦悩なようです。
そうした葛藤は提督やかつての満潮なんかもしていたりするのですが……電の場合は特に悩みが大きいみたいですね。
本当は彼女だってしっかり成長しているんですけど、彼女の中では納得がいっていないようです。
というのも、彼女に最も身近な提督の場合、「皆を守りたい」とか「誰も悲しませたくない」とかそういう信念のもと行動していって、実際にそれが出来るぐらいに成長していますからね。
彼と比べると劣等感のようなものを感じてしまうんでしょう。
……彼も彼でアレですけど。結局提督は、本質的には他人に心を開いていないのかも。
自分一人で悩んで、自分一人で乗り越えて……だから、成長はしているけれど常にどこか孤独を抱えているっていう。
そんな提督の心の動きのようなものを察知して押し倒した電は中々良い仕事しましたね!(押し倒したといってもやらしいニュアンスじゃないからな!)
衝動的な行動ではありましたが、それが提督の心を動かしたのかなと。
電の本気の片鱗のようなものを作者は感じますね。
・再び話は逸れて 〜作者的場面解説
……これは作者の持論ですけど。
他人から感情をぶつけられると滅茶苦茶しんどいのですよ。その情が強ければ強いほど。ええと……分かりやすい話をすると、負の感情を吐露されて辛いと感じない人なんて居ませんよね。
人から死ねだの殺したいだの思われて平気で居られる人なんて、ある種の狂人ですからね。精神的に強者だとは思いますが……。
(まあ、そういう言葉を投げかけてきた相手を人間じゃなく虫ケラ程度にしか認識していなければ「あー虫がなんか言ってるなー」程度で済みますけど……それはそれで悲しい)正の感情ならばどうか、というと、実はこれも時と場合によるのですよね。
今回のお話の例だと、提督は如月の情愛を悟った時に、哀しみのような感情を抱いていますよね。
提督も如月に対して恋愛感情とまではいかないまでもとても大切に想っていたにも関わらず。
説明するまでも無いですが、提督が悲しくなった理由は、彼女の持っていたある種の“一つになりたい願望”に応えられないから、ですよね(やらしい意味じゃないからな!)。
ええと……他人からの自分に向けられる強い感情というのは、それが親愛であれ憎悪であれ、精神を強く揺さぶってきますよね、という話がしたいのでした。
ここで、如月の内面を知ってしまった提督は、これから決戦だというのに疲弊していますね。
そんな最中に電が部屋を訪れるのでした。
提督は、独り言のように自分の悩み、というか、彼の心の中にあるやるせなさについて口を滑らせています。
彼にしては珍しく精神的に参っていたのかもしれませんね。
で、電はそんな提督を見て、自分が本当にその役に相応しいか自信は無いけれど、貴方を苦しみや哀しみから救いたい……意味合い的にはそんな感じのことを言ってますね。
ただ、電にそう言われた時に提督は自分の取り留めのない空虚感を打ち明けてしまったことを後悔しています。
電を心配させてしまったと考えたからです(まあ確かに多少は心配してますけど……)。
そう思った提督は、すぐに立ち直り、自分を奮い立たせています。
先程も書いたように、自分一人で悩んで、自分一人で乗り越えようとしたわけですね。
しかし! 提督のその態度を見て電は激昂するわけですね。
辛いはずなのに誰に頼ろうともせず、独りで抱え込もうとする姿勢が気に食わなかったわけです。
まぁ……「貴方の為に傍に居ますから(=私に頼って下さいね)」って言われてんのに「大丈夫だから」って返しは野暮ったいというか無粋ですよね。
そこはお言葉に甘えろっつーの。
提督なりには気遣っているつもりみたいですけどかえって失礼ですよねこれ。電が怒りに近い感情を抱くのも無理はない。
(次のレスにつづく)
324 :
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/12/26(金) 21:26:10.05 ID:LqPWl3cN0
こういう態度に提督の本質があるのかなーと。
彼は確かに提督に相応しい存在と呼べるまでに成長してはいますし、艦娘たちに心から向き合っていますが、一方で自分の心の内は誰にも明かしていないわけです。
というか、彼が真剣な悩みを相談したのって満潮ぐらいですしね。
それだって満潮の方が半ば強引に提督の方に向かってきたから打ち明けただけで。
電や満潮だけでなく他の艦娘全員から彼の抱えているそういう精神的な苦しみを察されていて、その“精神的な”苦しみを皆心配しているのに、提督は誰にも打ち明けようとしない、と。
ただ、彼には彼なりの考えもあって。
答えの出る悩みは人に相談出来ても、答えのない悩みは打ち明けた所で聞いてる側はどうしようもないじゃないですか。
例えば、「上手くいくか不安」という悩みに対して、より「上手くいく方法」を一緒に考えてあげることは出来ても、「不安」そのものは当人以外にはどうにも出来ないですよね。
つまり、“精神的な”苦しみは他人が解決しようがないんですよ。
今回のケースでは提督は電に対して、「仕方ない」と割りきっているけれど「やるせない」という“精神的な”苦しみをうっかり打ち明けてしまったんですね。
そんなことをしても電を心配させるだけで何の意味もない、それなのに口を滑らせてしまった、と考えたから打ち明けた後で後悔したわけですよ。
そして、電の心配を取り払うべく自分自身の精神を向上させて「やるせなさ」を強引に克服しようとした……というわけだ。
・理性対感情
これまで通り提督がなんだかんだ精神的に成長して終わり……ならこのエピソードはここまで複雑にならないんですが。
上に書いた通り電は提督のそんな態度に黙っていられなかったわけで。
電は提督を押し倒した後に、自分の思いの丈をストレートにぶつけます。
提督の苦しみも悲しみも、たとえ何も解決出来なかったとしても受け止めたいと!
そう強く強く提督の心に訴えかけるわけですよ!
対する提督の行動は……!? ってな感じでしたよね。
これはちょっと理解出来ない行動かもしれません。
というか、作者だったらここでそれ!? ナンデ!? って思っちゃいます。
思っちゃいますけどあの提督はあの場面だとああいうことをするんです。
……ええと、かなり“感情的な”行動なので論理的に説明するのが作者でも難しいというかぶっちゃけ作者でさえよく分かってないんですけど。
一応、作者目線で提督の行動を論理的に分析しますね。
前述の通り提督は心のどこかで艦娘と距離を置いていて、その理由は心の内面の解決しようのない葛藤を打ち明けても無駄だと考えているからでした。
一方電は、なんだお前それがどうしたと。
たとえ無駄だろうがなんだろうが、私は貴方の心の深淵に触れたいし、その為なら私は貴方の痛みや悲しみでさえも受け止めたい、と言うわけですよ!
ここでもし提督が理性的な行動を取るとするならば考えうる選択肢は二つである。
・それでもなお電を拒み、苦しみを抱え続ける
・自分の抱えている漠然とした苦しみや悲しみを電に打ち明ける
もっと頭の働く人なら他の選択肢も浮かぶかもしれませんが作者はとりあえず二つしか浮かびませんでした。
で、結局そのどっちでもありませんでした。
なぜ提督は電に口付けをしたのか……。
うーん、作者もあんまり説明出来ないんだけどなぁ。
その、彼の過去の行動を振り返るに、言葉で説明したり出来ない時に、身体に触れるなどの行為で意図や気持ちを伝えていたことがあるじゃないですか。
今回もその一例……と言ってしまえば簡単なのですが、それも納得いく説明じゃないと思うので……。
電に押し倒されて想いを伝えられてなお、彼の胸中を想像してみますかね。
まず第一に動揺だ。心配をかけまいという振る舞いがかえって相手を不興を買ってしまったのなら戸惑うだろう。
で、第二に、電の言葉の分析をするに違いない。
彼女は今激しく興奮しているが、その原因は何か。
……自分のその心配をかけまいという態度が気に入らなかったのだと悟る。
また、自分の心の澱でさえも受け止めたいという彼女の強い想いを知る。
ひょっとしたら、そんな風に自分を募ってくれる彼女を愛おしいと思うのかもしれません。
というかキスするぐらいだしそう思ったのでしょう。
だから唇を重ねた、と。
んんんん〜、やっぱり作者的には納得いかないぞ……。
納得いかないのになんでそんな展開にしてそんな描写をしたんだっつー話ですが……でも、この提督なら絶対こういうことするよな! とは思うんですよ。
多分作者には理解出来ない「愛」的サムシングが彼を突き動かしたんでしょう。
まぁ、その。「本当ははぐらかすつもりだった/嘘をついているつもりだった」から察するに、電を愛してはいたけれどそれを打ち明けるつもりは無かったんでしょう。
提督の中で、電への想いを封じ込め続けることは精神的な苦しみの一つでしょうし、それを打ち明けることによって電の想いに応えた……って解釈が妥当かなぁ。
なんていうか、ある意味提督と電の二人だけの世界みたいな領域になってしまったので、もう作者には分からん。
ごめんなさい。電についてとか書いておきながら全然触れてませんでした。だって……前に一度書いてたやつが消えちゃったのが悪いんだし……。
一つだけ電に関する後悔は、朝潮と仲直りするエピソードが尺の都合で書けなかったことですかね。
電が朝潮に対して、提督のことを何も分かっていないと叱咤していますが、あの後で自分も朝潮の苦しみを分かってあげられなかったんだなって反省してたりします。
そこのところ描写したかったなぁ……今となっては過ぎてしまったのでアレですがねー。
エンディングを添い遂げるヒロインとして相応しく描けたかどうかは分かりませんが、ここまで提督に精神的に喰らいついたのは電だけですね。
そういう意味ではトゥルーエンド? ……ですかねぇ。
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……色々となげーよ馬鹿! とセルフツッコミ。
エクストライベントを自重なしで悪用するとこうなるということじゃ。
とりあえず前編おしまい。
明日の投下でエンディングです。
325 :
【98/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/12/27(土) 21:30:17.68 ID:l7+8oZPc0
朝潮「いよいよですね……」
水平線の彼方から陽光がちらつく。
満潮「本当に行くの? 昼になってからでも良いんじゃない?」
提督「いや、これ以上長居するのは良くない。……僕の心情的に」
皐月「感傷的だねぇ」
如月「男は過去に生きて女は未来に生きるのよ」ニヤケ顔の如月
提督「……違いないね。だが!」
提督「今僕が見るべきは『現在』だ。過去の想いを繋ぎ、未来を切り拓くためにもッ!」
提督「これから僕たちに襲い来るであろう脅威を打ち破る! その為に皆、力を貸して欲しい」
電「……暁の水平線に、勝利を刻むのです!」
提督(それ僕が言いたかったんだけどなー)
・・・・
磯波「今の所は順調ですね。敵も見かけませんし」
提督「そうでなきゃ困るよ……まだ目を凝らせば僕たちの鎮守府が見えるぐらいの距離だよ?」
間宮に背負われている提督。
提督「鎮守府内のありったけの物資や装備、資料を運んでるわけだから、航行速度は普段の半分ぐらいなのかな」
提督「昼戦では機動力が売りの水雷戦隊だけど、その機動力さえ今は削がれている状態だからね……。命あっての物種だから敵が来たらある程度海に捨てるのも考えてるけど、なるべくなら運びきりたい」
提督「あと、僕のことはともかく、今後も美味しい晩御飯を食べられる日々が続いて欲しいなら間宮さんは最優先で守るように」
間宮「向こうの鎮守府に着いたら腕によりをかけてご馳走するので、頑張って下さいね」
皐月「よしっ、こうしちゃいられない! 全速前進!」キラキラ
航行速度を上昇させる艦娘たち。
提督(たった一言で皆を戦意高揚状態にさせるとは……。逆立ちしてもこの人には勝てないな……)
提督(それにしても……寒い! 早朝よりは幾分かマシになったが、潮風が突き刺さるように冷たい)
提督(そのくせ、腕を無くした方の肩が灼けるように熱い。血液が全部そこに持ってかれてるみたいだ……)
提督(意識を保っていられるかどうか怪しいぞ……)
・・・・
満潮「背後に敵影! ……と言っても、こっちに向かって来ているわけじゃないみたい。離れていくわ」
満潮「その数……あー、まともにやり合ったら勝てそうにないわね。数え切れないわ、100隻超えてるんじゃないの」双眼鏡を覗く満潮
満潮「戦艦が多いわね。幸い空母の類は少ないから、索敵機がここまで来る心配は無さそう。全艦私たちの鎮守府の方へ向かってるわ」
提督「“今のところは”無事でいられそうだね。それにしても、まさかここまで早く奇襲してくるとはね……朝のうちに抜錨していなかったらと思うとゾッとするよ」
提督(遠くで砲音が聞こえる……。敵の奇襲がもっと遅ければ、せめてあと数日ぐらい待ってくれていたのなら、あの鎮守府も守るつもりだったんだけど……そんなに待ってくれるほど優しい相手では無いか)
朝潮「司令官。後ろから追手が来る恐れはありますか?」先頭を進む朝潮、一瞬提督の方を振り返る
提督「いや敵の偵察範囲から外れている現時点では問題ない。無理して速度を上げなくてもいいよ。新しい鎮守府にいち早く着くことは大事だが、それさえ出来れば万事上手くいくというわけではないからね」
提督「なるだけ戦力を温存しておきたい。総力戦になるだろうから。……あっちに向かった連中とは後々交戦することになるだろうけど、しばらく時間稼ぎ出来ると思うから心配要らない」
提督「僕らの居た鎮守府は確かにボロい鎮守府ではあったけど、仮にも艦娘を収容している施設だからね。生半可な砲撃で破壊出来るほどヤワな建造物じゃないよ。完全に破壊するには時間がかかるだろう」
磯波「でも、あそこに私たちが居ないことを敵に気づかれたらまずいですよね……」
提督「その通り。だからある程度策は練っておいた。……もし僕たちがまだあの鎮守府に居たとしたらどうする? 正面から戦っても勝ち目は無いし逃げ場も無い。ならば最も安全な場所で敵を各個撃破しつつ味方の増援を待つよね」
提督「だから、『鎮守府内でも堅牢な場所のどこかに逃げた』という設定のもと色々と罠を仕掛けておいた(北方棲鬼を撃退したあの後、夕張に色々と聞いておいたのが活きたかな……)」
提督「敵が鎮守府に上陸して僕たちを捜すようなことをしても、それなりに時間は稼げると思う」
提督(とりあえず一つ目の障壁はギリギリ回避出来たといえるだろう。問題はこの先だ……)
326 :
【99/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/12/27(土) 21:59:47.92 ID:l7+8oZPc0
朝潮「いよいよですね……」
水平線の彼方から陽光がちらつく。
満潮「本当に行くの? 昼になってからでも良いんじゃない?」
提督「いや、これ以上長居するのは良くない。……僕の心情的に」
皐月「感傷的だねぇ」
如月「男は過去に生きて女は未来に生きるのよ」ニヤケ顔の如月
提督「……違いないね。だが!」
提督「今僕が見るべきは『現在』だ。過去の想いを繋ぎ、未来を切り拓くためにもッ!」
提督「これから僕たちに襲い来るであろう脅威を打ち破る! その為に皆、力を貸して欲しい」
電「……暁の水平線に、勝利を刻むのです!」
提督(それ僕が言いたかったんだけどなー)
・・・・
磯波「今の所は順調ですね。敵も見かけませんし」
提督「そうでなきゃ困るよ……まだ目を凝らせば僕たちの鎮守府が見えるぐらいの距離だよ?」
間宮に背負われている提督。
提督「鎮守府内のありったけの物資や装備、資料を運んでるわけだから、航行速度は普段の半分ぐらいなのかな」
提督「昼戦では機動力が売りの水雷戦隊だけど、その機動力さえ今は削がれている状態だからね……。命あっての物種だから敵が来たらある程度海に捨てるのも考えてるけど、なるべくなら運びきりたい」
提督「あと、僕のことはともかく、今後も美味しい晩御飯を食べられる日々が続いて欲しいなら間宮さんは最優先で守るように」
間宮「向こうの鎮守府に着いたら腕によりをかけてご馳走するので、頑張って下さいね」
皐月「よしっ、こうしちゃいられない! 全速前進!」キラキラ
航行速度を上昇させる艦娘たち。
提督(たった一言で皆を戦意高揚状態にさせるとは……。逆立ちしてもこの人には勝てないな……)
提督(それにしても……寒い! 早朝よりは幾分かマシになったが、潮風が突き刺さるように冷たい)
提督(そのくせ、腕を無くした方の肩が灼けるように熱い。血液が全部そこに持ってかれてるみたいだ……)
提督(意識を保っていられるかどうか怪しいぞ……)
・・・・
満潮「背後に敵影! ……と言っても、こっちに向かって来ているわけじゃないみたい。離れていくわ」
満潮「その数……あー、まともにやり合ったら勝てそうにないわね。数え切れないわ、100隻超えてるんじゃないの」双眼鏡を覗く満潮
満潮「戦艦が多いわね。幸い空母の類は少ないから、索敵機がここまで来る心配は無さそう。全艦私たちの鎮守府の方へ向かってるわ」
提督「“今のところは”無事でいられそうだね。それにしても、まさかここまで早く奇襲してくるとはね……朝のうちに抜錨していなかったらと思うとゾッとするよ」
提督(遠くで砲音が聞こえる……。敵の奇襲がもっと遅ければ、せめてあと数日ぐらい待ってくれていたのなら、あの鎮守府も守るつもりだったんだけど……そんなに待ってくれるほど優しい相手では無いか)
朝潮「司令官。後ろから追手が来る恐れはありますか?」先頭を進む朝潮、一瞬提督の方を振り返る
提督「いや敵の偵察範囲から外れている現時点では問題ない。無理して速度を上げなくてもいいよ。新しい鎮守府にいち早く着くことは大事だが、それさえ出来れば万事上手くいくというわけではないからね」
提督「なるだけ戦力を温存しておきたい。総力戦になるだろうから。……あっちに向かった連中とは後々交戦することになるだろうけど、しばらく時間稼ぎ出来ると思うから心配要らない」
提督「僕らの居た鎮守府は確かにボロい鎮守府ではあったけど、仮にも艦娘を収容している施設だからね。生半可な砲撃で破壊出来るほどヤワな建造物じゃないよ。完全に破壊するには時間がかかるだろう」
磯波「でも、あそこに私たちが居ないことを敵に気づかれたらまずいですよね……」
提督「その通り。だからある程度策は練っておいた。……もし僕たちがまだあの鎮守府に居たとしたらどうする? 正面から戦っても勝ち目は無いし逃げ場も無い。ならば最も安全な場所で敵を各個撃破しつつ味方の増援を待つよね」
提督「だから、『鎮守府内でも堅牢な場所のどこかに逃げた』という設定のもと色々と罠を仕掛けておいた(北方棲鬼を撃退したあの後、夕張に色々と聞いておいたのが活きたかな……)」
提督「敵が鎮守府に上陸して僕たちを捜すようなことをしても、それなりに時間は稼げると思う」
提督(とりあえず一つ目の障壁はギリギリ回避出来たといえるだろう。問題はこの先だ……)
327 :
【100/100】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/12/27(土) 22:36:06.23 ID:l7+8oZPc0
提督「なんとか、生きて鎮守府まで辿り着けたな……」
羽黒「し、司令官さん? ……ようこそ、新しい鎮守府へ。あっ、あのっ、私は今修理中で…………」服が破れている羽黒。中破状態のようだ
羽黒「見ないでえええええええぇぇぇぇ」提督の顔に手袋を投げつける
提督「ああ、歓迎ありがとう。今の状況を教えて欲しいな」後ろを向く提督
羽黒「今は、敵増援が次々にやって来るので、あの、皆代わる代わる入渠している状態です。ただ、陸奥さんが……」
提督「……彼女が撤退すると戦力が大幅に下がり艦隊の士気にも影響するから退くに退けない、というわけか」
羽黒「あのっ……で、でも。私たち、頑張りますからっ! 行ってきます!」再び戦場に向かっていく羽黒。提督が声をかける間もなく走り去っていった
提督(あれ、入渠は……?)
・・・・
那智「作戦完了だ、敵艦隊は壊走した。だが、こちらも被害が大きい。私は無事だが、他の連中が……」無線で提督に報告する那智
提督「分かった、よくやった! 後続があるかもしれないから、損傷の小さい艦は待機。他は帰投してくれ。……特に陸奥はよくやってくれた。しっかり休んでくれ」
提督「ほっと一息、か」胸を撫で下ろす提督
妙高「見事な首尾でしたね。お疲れ様です」
提督「ありがとう。でも、正念場はここからだ……。ね、電?」
電「はい、どこまでもお供します……ふふ」ニコリと不敵な笑みを浮かべる電
妙高「?」
・・・・
提督(各艦への補給が終わった、次の戦いへの準備も出来つつある。順調なはずだが、妙だ……静か過ぎる。僕が敵の立場なら、ここまで回復出来る時間を与えてやりなどしないが……)
提督「陸奥の修復にはまだかかりそうかな?」
如月「ええ、まだみたい。それにしても浮かない顔ね。不安なの?」間宮のアイスをシャクシャクと食べ進める如月
提督「ああ、ちょっと上手く行き過ぎてる気が……」
満潮「司令官、敵主力大隊がこっちに接近してる! あの中に司令官を襲った戦艦レ級も居るみたいだわ!」
皐月「司令官! さっきの敵艦隊の第二波だ! 指示お願い!」
磯波「提督! た、大変です! 敵の支援部隊と思しき艦隊がこちらに接近して来てます!」
見張りの艦から次々と敵艦隊発見の報告が届く。
提督「おいでなすった……! なるほど、こういうこと……全方位から強襲、ね。えげつないことをする」額に手を当て渋い表情をする提督
如月「ふふ、予想通りじゃない」急いでアイスを食べきり戦場へ向かう用意をする如月
提督「ううーむ。予想していたよりちょっと……いやかなり、ひょっとすると最悪なぐらい酷いが……。まぁ、ある意味作戦通りだ。僕がやるべき事に変わりはない」
提督「全艦出撃! 敵艦を各個撃破。ただし全戦力を以って真っ向勝負のような戦い方はダメだ。ヒット・アンド・アウェイ……というか、逃げながら戦うぐらいでいい」
足柄「ちょっとー! 何よそれ!? 右を向いても左を向いても敵だらけじゃない! こんなの暴れるなっていう方が無理よ!」足柄、無線越しに怒鳴る
提督「今はなるべくこちらの被害を少なく敵の数を確実に減らすことが大事だ(と言っても難しいだろうけど……)。僕に策があるので、しばらくは時間稼ぎをお願いしたい」
提督(ウォーモンガーだなぁ……士気が高いのは良いことだけれど……。重巡ともなると駆逐艦とは考え方がだいぶ異なるのか)
提督「さて、朝潮。君にはここに残ってもらう。負傷した艦は即座に退かせて入渠させるように。陸奥が回復するまではとにかく守勢に徹してくれ」
提督「夜が明けるまでに、敵の空母の数が減っていたら嬉しいかなあ……なんて」縄で提督の体を自分の艤装に結びつけている電。提督は片手に探照灯を抱えている。
朝潮「分かりました。……司令官、ご武運を!」提督に敬礼する朝潮
電「これでどれだけ激しく動いても海に落ちることは無いと思うのです。気休めにしかならないかもしれませんが、装備はタービンと艦本式缶を持っていくのです」
電「さぁ……司令官、行きましょう。少し気が早いけど……新婚旅行カッコカリ? なのです」
提督「はははっ……うん、確かに気が早いね。でも、……悪くない。君となら、どこまでも行けるかもしれないな」
執務室の窓から飛び降り、異形群がる百鬼夜行を突貫し、荒れ狂う海原を疾風迅雷の如く駆け抜けていく提督と電。
暗澹とした闇の中でも、二人の瞳の中には暁の水平線に昇る光が燦然と輝いていた。
328 :
【ED_1】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/12/27(土) 22:37:10.60 ID:l7+8oZPc0
提督「……ん、んん」
満潮「おそよう。一週間ぶりのお目覚めね」
提督「一週間!? そうか、そんなに寝ていたか……」
満潮「当たり前じゃない。アンタ生死の境を彷徨ってたのよ?」
提督「おぉう、それは……。心配かけたね」
満潮「……いいわ。それより、どうしてあんな賭けに出たの? 何か確信があったとか?」
提督「あんな賭け? あぁ、電と敵陣に突っ込んで行った時のことか」
提督「確信と言うほどのものでもないが……」
提督「深海棲艦の行動原理は、地上の人間や艦娘への怒りであり、憎しみであり、悪意だ」
提督「たとえ知性を持っていようが、それは変わりない。残忍な深海棲艦なら、いかなる時でも冷徹だと思うかもしれないが、そうではない」
提督「レ級と対峙した時に、そう感じたんだ。奴が冷静だったなら僕はあの場面で三回ぐらい殺されていただろう」
提督「奴が僕を殺しそびれたのは、もちろん僕を人間だと侮り慢心していたのもあるけれど、それだけじゃない」
満潮「?」
提督「……冷静になんかなれないんだよ。感情のある生き物はね」
提督「皮肉にも、抱いている感情が強ければ強いほど冷静さを欠いてしまう」
提督「深海棲艦は憎悪に支配されている。この世の全てを滅ぼしてしまいたいほどに大きな憎しみに」
提督「今の僕は多分、奴らにとって最も大きな倒すべき敵に見えているんだろう」
提督「だから、敵の注意を惹けると思った。敵の動きを乱せると思った」
提督「それが予想以上に上手くいったようで、この鎮守府への集中攻撃を少し緩和することが出来た。それだけだよ」
満潮「確かに、司令官が海に出たおかげで敵の総攻撃は避けられたけど……。それにしたってやっぱり危険だったんじゃない?」
提督「そうだねぇ。……ひょっとすると僕も冷静じゃなかったのかもしれない」
提督「一応予め呼んでいた故大将の艦隊……武蔵たちが来るであろう方向に進んでいたから、その援軍と合流出来れば死なないで済むのかなーと思ってたんだ」
提督「道中でやられてた危険性は多いにあったけどね」
ベッドから身を起こす提督。
提督「電となら、どこまでも行ける気がしたんだよ。……やっぱりあの時は僕も冷静じゃなかったみたいだ」
満潮「ノロケてるの? はぁ……」
提督「あっ、いやそういうわけじゃないんだけどね」
329 :
【ED_2】
◆Fy7e1QFAIM
[saga]:2014/12/27(土) 22:40:48.61 ID:l7+8oZPc0
朝潮「司令官! 朝潮、お見舞いに上がりました!」
皐月「おぉー、司令官生きてるねぇ! 嬉しいなぁ」
提督「あぁ、ありがとう」
満潮「あら二人とも。電はまだなの?」
皐月「まだかかるみたいだよ……ぷぷっ」
満潮「何笑ってんのよ」
皐月「いや、なんでもない」
朝潮「それにしても……司令官、ご無事で何よりですっ!」
皐月「いやー皆心配したんだよー。特に電がさぁ……電が、ふふ」
朝潮「こら! 皐月……ふふっ」
提督「どうしたんだ二人とも」
皐月「いやなんでもないよ。……そういえば、司令官が出撃していた時の朝潮、凄かったんだよ?」
皐月「まるで司令官みたいに艦隊を上手く運用出来てたよ。陸奥が回復するまでは防戦しながらも敵艦隊を突き崩してさ」
皐月「ちょうど司令官が武蔵たちを連れてこっちに戻ってきたぐらいのタイミングで陸奥が回復したから、その後反撃に出てさ」
皐月「いやあ、あん時は爽快だったねぇ!」
提督「朝潮、ご苦労様だったね。他の皆もよくやってくれた」
朝潮「い、いえ……あの時は司令官に大任を任されて、少し舞い上がっていたというか……」
朝潮「結果として上手くいっただけで、あまり冷静でいられたかどうか……」
朝潮「それに、司令官を襲ったレ級だって逃してしまいましたし……まだまだです」
満潮「ふふっ」
朝潮「?」
満潮「“冷静じゃない”っていうのも、時には大事なのかもしれないわね。司令官」
満潮「貴方の言うように、人も艦娘も深海棲艦も、論理的な生き物じゃない」
満潮「でも、抱いた想いや願いが、運命を切り拓くこともあるのかもしれない……そう思ったのよ」
提督「そうかもしれないね」
満潮「貴方ならきっと、深海棲艦だっていつか……」
提督「あぁ。いつか、深海棲艦が……それが、人類の望む終末の具現だったとしても……」
提督「乗り越えてみせるさ」
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