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男「……いよいよメラが使える様になるとか末期だな俺は」
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365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/28(月) 22:24:28.92 ID:9yoFJfoNO
男がメラで合図+主任探し
主任は隙ついて逃走
女は糞に致命傷受けるも何者かに助けられる
だな
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/15(木) 17:43:09.46 ID:OAWmY+xMo
保守
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/26(月) 21:42:59.47 ID:Yw3MNl4VO
主任「『ヒャダルコ』……!!」
────────── バキバキパキィンッ!!
バンパイア【面白い、その程度のレベルでヒャダルコが使えるか】
バンパイア【だがその傷で大技は早計だったな! 『ベギラマ』!】キィンッ
─────ギュオオォッ!!─────
主任(っ!? ベギラマって閃光系の呪文じゃっ……!)
< ゴバァッ!!
主任「きゃぁあ……っ!!」ドサッ
主任「ぐぅぅっ! ァアァぁぁ……!!」ジタバタッ
主任(腕が熱いっ…痛い…っ!! 痛い痛い熱い熱い熱い熱い!!!)
バンパイア【さて、手間取らせたものだ】ザッ
バンパイア【この私からこれだけ逃げられたのは誉めてやろう、だがそれだけだ】
バンパイア【さぁ言え! 貴様が他のモンスターを倒していたのだろう!】
< ガシッ!
主任「ぐぁ……かはぁ…息がっ……〜〜!!」
368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/26(月) 21:56:24.69 ID:VtMbVxKGO
まってました
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/26(月) 22:17:44.93 ID:Yw3MNl4VO
─────────【『兜割り』】 ─────────
バンパイア【ッ!?】バサァッ!!
夜闇に包まれた中で響く、低い声。
主任を掴んでいた男は、黒いマントを翻して数十メートルもの距離を一瞬で後退する。
そして、その直後に俺は見た。
未だに夢に見る程、俺の脳裏に焼き付けた恐るべき追撃者の一撃。
『兜割り』……俺が出会ったモンスター達の中でも唯一にして最初に見た特技。
───── ゴガァンッッ!!
爆撃に等しい衝撃波、捲れ吹き飛ぶアスファルトの散弾。
俺は既視感を覚えるその光景を目の当たりにしながら、宙に投げ出された主任を受け止めた。
主任「…………っ……男さん!!」
男「すいません、遅くなりました」ズサァッ
男「それよりも……」
主任が何かを叫びながら俺の首に抱き着く、しかし俺はその事よりも自分の目に映っている光景から意識を逸らせずにいた。
原因は、主任の首を絞めていたモンスターらしき男の前に現れた、鎧だ。
近くの蛍光灯は既に割れていて、照らす灯りは少し離れた位置にある蛍光灯のみ。
だがその少ない灯りから生まれた影だけで、鎧の正体が分かった。
分からない筈がなかった。
男「……あの時の、さまようよろい……ッ!」
さまよう鎧…?【シィィ……】ギシッ…
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 04:34:06.32 ID:QkmlBZeq0
乙乙
待ってたで
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/28(水) 17:31:24.99 ID:UQfrdhK6O
よく見れば黒い。
暗いだけではない、鉄の鉛色とも違う。
このさまようよろいは黒の鎧なのだ、それも……今までに見たモンスターとは別格の威圧感を纏っている。
その理由は動きだ、鎧らしからぬ滑らかな挙動で黒色の盾を構えていた。
そして……手に持つのは、今俺が背負っているハードのギターケースに隠している『鋼の剣』。
男「……まさか、『じごくのよろい』になって復活した…?」
主任「男さん、あのさまようよろいを知ってるんですか…?」
男「知ってるも何も、俺は前に倒した……と思う」
男(考えれば考える程に、自信が無くなるな……)
特徴的だった細かい傷のある剣を持っている以外は全くの別物、そんなさまようよろいらしきモンスターを俺は観察する。
見れば見るほど、考えれば考えるほど、違うような気がする。
だが、そんな俺の方へ黒色のさまようよろいは視線を向けた。
さまよう鎧…?【……】ギシッ…
男(こっちを見た……?)
さまよう鎧…?【……】
さまよう鎧…?「また会ったな、人間」
男「……やっぱりあの時のッ」
バンパイア【……貴様、何者だ】
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 18:26:27.14 ID:joFRbWESo
スレタイからこうなるとは予想できなかった面白い
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/28(水) 19:15:08.77 ID:IoSiNaY60
30歳童貞が魔法を使えるようになる話かと思いきや、かなりマジなストーリーだもんな。
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 20:46:42.41 ID:POxuQIq0O
乙
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/28(水) 21:37:26.89 ID:S4DV6QxNO
モンスターは突如現れた黒色のさまようよろいに赤い眼光を向ける。
その問いかけは、警戒よりも何かを知っている上での『確認』に近いと俺は思えた。
しかし。
さまよう鎧…?「話は後だ」
取り合わない、振り向きもしない。
さまようよろいは俺の方へ意識を向けたままだった。
さまよう鎧…?「加勢する……私に続け、人間」
男「お、俺に言ってるのか…?」
さまよう鎧…?「直ぐに此処へもう一人、厄介なのが来る」
さまよう鎧…?「……どうした、私が戦った人間は手段を選ばずに足掻く戦士だった筈だが」
男「……っ、勝手な事を……!」
主任「耳を貸しては行けません男さん、モンスターの中には人間を騙す奴もいる筈です」
男「分かってる! こいつは前に俺が倒したんだ!!」
手助けをしてやる。
このモンスターはそう俺に言っていた。
敵が味方になる、なんて漫画の様な展開に胸を躍らせながら首を縦に振れるわけがなかった。
約2ヶ月前に俺が人生で初めて体験した強敵、死んでいてもおかしくなかったような化け物だ。
そんな相手を前にして、ましてや主任が戦えず、俺の腕の中にいる状況で、共に戦う事を良しとする事など出来るわけがない。
男(……それに、俺はもう…………)
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 21:52:06.84 ID:6rAgZTC8o
更新頻度高くて嬉しい
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 22:06:00.88 ID:QkmlBZeq0
乙乙
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/28(水) 22:15:26.48 ID:S4DV6QxNO
──────── ガギィンッ!!
俺は迷い、腕の中にいる主任を強く抱き寄せた瞬間。
目の前を散った火花で俺の意識が前に向いた。
眼前に立っていたのは、黒いさまようよろいだった。
男「な……」
さまよう鎧…?【シィィ……】ギシッ…ギチギチッ
左腕に携えた円盾を前に突き出したまま、右手の剣を構えて動かない。
俺はその鎧の影から向こうを見て声が出せなくなった。
バンパイア【……やはりか】ギロッ
バンパイア【貴様、『依り代』無しに……こちら側へ来ているな?】
さまよう鎧…?【シィィ…ッ】ギギギッ……
バンパイア【さては精霊の力でも借りたのか、裏切り者がぁ!!】
さまよう鎧…?「五歩下がれ、人間」ドンッ
男「っ!?」
激昂を露にして鋭い爪を鳴らして襲いかかる黒マントのモンスターは、その細い身を捻らせて一閃させた。
少なくとも俺にはそうとしか見えなかった。
────────── ジャリィンッッ
ゴッ!! ビュガッ……!!
ギギギギィンッッ ──────────
……だが俺の耳が捉える轟音が、そして数瞬前まで立っていた位置で弾けた閃光が、実際は違うと否定する。
全くの別次元だった。
目で追う事が出来ないならば避けられないのと同じ。
俺が入り込めない世界に、二体のモンスターは互角の戦いを見せていた。
主任「……化け物…っ」
男「…………」
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/29(木) 04:10:23.09 ID:9/61IbZoo
乙
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/29(木) 09:37:43.66 ID:ybeVUqSNO
主任が信じ難い物を見る目で呟いた時、俺は二体のモンスターが『どういうモンスターだったか』を思い出していた。
もしも、この二体が戦ったとしたら。
片方は攻撃方法やその姿から、恐らくは『バンパイア』だろう。
こうもりおとこ、モンスターなのかそうでないのか微妙なモンスターの上位種。
ヒャドを使える程度の奴だが、この喋るモンスター達は何らかの力が上乗せされているか、或いは『ゲームではないが故に』これだけの能力を有しているかのブーストがある。
つまり、喋るモンスターにどこまでゲームの知識が通用するかは未知数だ。
ましてや……あのさまようよろいに至っては何故か『じごくのよろい』になって復活している。
だがもしも、ゲーム通りの能力値でこの二体がぶつかったのだとしたら。
男(……本当に俺達の味方になるつもりなら)
男「俺が手を出す間もなくあいつが勝つ」
主任「え……?」
男「あの鎧は多分、じごくのよろいってモンスターだと思う……」
男「あのモンスターの怖さはゲームで初めて出てきた時から、どの作品でも大体同じなんだ……アイツは、レベルの高い勇者を一撃で瀕死にさせる特性がある」
主任「……特性…ですか」
男「そう、それは ─────── 」
地を蹴り砕き、辺りを粉砕しながらぶつかり合うモンスター達は依然として後退せずにいる。
僅かにバンパイアの方が速いのかもしれない、じごくのよろいに何度か火花が散ったのと同時に鎧に傷が入る。
しかし、じごくのよろいは焦らない。
俺と戦った時とは違う、今のこいつにはこのモンスターが動きたい通りに動ける体がある。
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/29(木) 12:12:15.43 ID:ybeVUqSNO
……そして、俺と主任が見る初めての上位モンスター同士の戦いは突如として終わりを迎えた。
────────── ズッ・・・ドッッ!!
バンパイア【ッッ……〜〜ッ…!!?】
地獄の鎧【シィィイ…ッ】ギシッ…!
それまで互角だった筈が、僅か一瞬で覆される一撃必殺。
俺はそれを知っている。
そしてそれが現実ではどのように見えるのか、時々気になっていた。
それは。
男「 ──────── 『痛恨の一撃』」
男「じごくのよろいの特性は、初めて登場した作品内で最もそれが出る確率が高かったんだ」
肩口から足元まで両断されたバンパイアは、傷口を中心に黒い煙の様な物に包まれていく。
恐らく、モンスター達が死ぬ時に散る光と黒煙と同じ物だ。
たった一撃で、俺や主任でも勝てないかもしれない敵を葬る驚異の剣撃。
俺が背負う鋼の剣と同じ物なのに、全く違う魔剣にすら見えてくる。
バンパイア【ッッ、ぬゥッ……!! 何が目的かは知らないが、それでいいのか? じごくのよろいよ……キシシッ】
地獄の鎧【……】
バンパイア【あのお方は無敵だ……精霊ルビスだろうがロトの一族だろうが、決して勝てやせんよ……】
バンパイア【この世界は……もう終わりなのだ…………闇に包まれ……て………………】
< ドサッ
────────── ポワァ・・・ン……ッ
バンパイアが地に倒れ伏せた瞬間、その体が黒煙に包まれてから光と共に散って消えていく。
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/29(木) 12:21:45.52 ID:ybeVUqSNO
< ……パサッ!
男「え?」
主任「紙、ですね」
< バサッ! バサバサバサバサバサバサァアッ!!
男「う、うわ……!?」
男(バンパイアの消えた場所から……お札かこれ!? なんで……ていうか、これ……)
< カサッ……
主任「100ドル札……こっちのは……元札…?」
男「多いのは日本の万札か、これ……あのバンパイア倒して出てきたのか」
地獄の鎧「この世界に最も適した依り代、それはこの世界の『ゴールド』だ」ギシッ…
男「……!!」
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/29(木) 12:32:10.55 ID:ybeVUqSNO
地獄の鎧「我等モンスターは、こちら側に顕現する際に依り代となる物を媒介する」
地獄の鎧「理屈は分からんがな、その事を知るのに多くの同胞がこちら側と元の世界を行き来して二年近くかかった」
男(……二年、だと)
主任「貴方は味方なんですか……?」
地獄の鎧「敵の敵は味方、が正しい」
地獄の鎧「我等が王の命によりお前達に力を貸す事になったのだ」
男「ちょっと待て……待て、駄目だ分からない! 結局お前達は何なんだよ!?」
地獄の鎧「……」
地獄の鎧「『隣の世界』から来た者、としか言えぬ」
地獄の鎧「我等が聞いている事は断片的な物だけだ、こちら側の世界とは、大昔に『誰かが引き寄せた別世界』ということらしいが……」
地獄の鎧「それ以上は恐らく誰も知らないだろうな」
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/29(木) 16:15:25.17 ID:hB8oFwiq0
乙乙
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/29(木) 17:14:50.65 ID:6ytrZQOq0
乙!
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/29(木) 18:01:32.21 ID:iLpAVHf+O
おー
ここでまた盛り上がってきたな
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/29(木) 18:16:07.39 ID:SYkmpJgro
胸熱やな
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/29(木) 21:42:00.35 ID:ybeVUqSNO
男「……本気で、別の世界から来たって言うのか」
主任「……」
男(主任も流石に困惑してるな)
男(ってか、バンパイアの言っていたのが本当なら、精霊ルビスなんて明らかに厄ネタな存在がいる事になる)
男(それと敵対していて、世界を飛び越えて来そうな魔王なんて一人しか……)
地獄の鎧「そろそろか」
男「何がだ…?」
地獄の鎧「我が右腕が戻ってくる、そうすれば一度ここを脱するぞ」
男「右腕って、もしかしてあのホイミスライムか?」
地獄の鎧「如何にも」
男「……なんで生きてるんだ、お前もそいつも」
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/29(木) 22:02:49.87 ID:ybeVUqSNO
地獄の鎧「そういった詳しい話は落ち着いてから語ってやろう」ギシッ…
男「……!」
主任「男さん、私達囲まれてませんか…?」
男「罠じゃないと良いっすね……」
主任「手を離して下さい、ホイミで体の傷は回復しました」
男「ん」スッ
主任「よ……っと、ありがとう男さん」
【【【 ォ"オ"ォ"ォ"ォ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ッッ!!! 】】】
< ヴオゥンッ
< ヴオゥンッ ヴオゥンッ >
< ヴオゥンッ
ヴオゥンッ
ヴオゥンッ
< ヴオゥンッ ヴオゥンッ >
腐った死体【ォ"ォ"オ"オ"オ"ォ"】スタンッ
腐った死体B【ォ"ォ"……オ"……】スタンッ
< スタンッ……スタッ…ズルズルッ……
主任「な……何…? 一体どこから出てきて……っ」
男「俺の近くにいてくれ主任!」バッ
< ガチャッ……チャキッ
男(今の黒煙から手品みたいに出てくる芸当……主任のマンションでも見たぞ…ッ)
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/30(金) 02:12:47.93 ID:vHlPkbKe0
久々にストーリー進んだな。おつー
次回も期待
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/30(金) 09:14:48.19 ID:TkZ1xMQ7o
地獄の鎧「……」
< ザッ……
腐った死体…?【……ソ、そノ匂い……】
腐った死体…?【じごくのよろい……カ、ナゼ…こ、此処にィル……?】
地獄の鎧「……あのお方が遂に立ち上がったのだ、『ワイトキング』……今は配下の『グール』だったか」
グール【ぁ……ァ、アのオ方…? マサカ、我等の王がっ……!?】
地獄の鎧「私は得体の知れぬ輩に使われるつもりはない、何より……これではっきりしたのだ、今の大魔王名乗る奴は我等の王ではない、偽物だ」
グール【……ッッ!!】
地獄の鎧「どちらに付くつもりだ、ここで私と人間の前に立ちはだかるのならば貴様は『王の敵』となる」
地獄の鎧「……退け、元……我が主よ」
グール【…………】
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/30(金) 09:50:23.29 ID:TkZ1xMQ7o
腐った死体C【ォ"ォ"オ"オ"オ"ッ!!】バッ
男「っ! 」ガギィンッ
主任「バギ!」キィンッ
ズバァッ!
腐った死体C【ゴ……ボォ……】ポワァン…
腐った死体B【ァ"ア"ア"ア"…ッ】
腐った死体D【ォ"ォ"オ"ォ"オ"ッ】ダッ
地獄の鎧「……それが貴様の答えか」チャキッ
グール【……】
グール【どうするかは俺が考える事だ、黙れ】バッ!
男(……くそッ、グールって言われてたなアイツ……!)ブンッ
< バシュッ
男(さっきなんか『ワイトキング』なんてとんでもない名前は聞こえるし……ぁあ! やってられるかこんなジャンプ漫画みてぇな急展開!!)ブンッ
< ズバンッ!
男(こっちは女さんが帰れたか心配だし世界がマジでヤバそうだし、あと主任の格好が殆ど下着しかないのが一番気になってきた!!)ブンッ
主任(何故か男さんが私をチラチラ見て……え? もしかして私の下着見てる? いやでもそんなこんな時に……)キィンッ! キィンッ!
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/30(金) 18:50:04.51 ID:L8Cwmwi0O
わかるわ
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/30(金) 20:05:35.76 ID:E59Vkjf70
オイ男wwwwww
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/31(土) 08:48:28.97 ID:N3pnNheiO
仕方ないね
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/31(土) 09:35:59.60 ID:wEjdxAUtO
腐った死体N【ォ"ア"ア"ア"ア"!!】
主任「ヒャド!」
< ……
主任「っ…!? 男さん!」
男「どした主任ッ」ザッ
主任「私、MPが無くなりましたっ」
男「マジか……」ブンッ
< ズバンッ!
腐った死体N【ォ"……オ"……】ポワァン…
男「ふぅ……数が多いとか、そんな問題じゃないな」
主任「やっぱりゲームの主人公って凄いですね、こんな数を相手にしても勝てるんですから」
男「ですね……って言ってる場合でもないんだよな」
男(……じごくのよろいに加勢するか、否か、迷っちまう)
男(ゲーム内のステータスを参考にした力関係、こいつら喋るモンスターには意味がない)
男(だから……グールの『攻撃力』が判断出来ない、じごくのよろいより弱いのか、それとも……原作通りなのか)
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/31(土) 19:54:35.47 ID:Si1fBhey0
乙乙
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/10/31(土) 21:34:21.16 ID:cPCqVhMNO
地獄の鎧【シィィイッ…!!】ビュォッ
< ザンッ
グール【魔法が余り使えないのは不便だ……ォ"オ"ッ……】ヨロッ
地獄の鎧【……シィィイ…】ギシッ…
グール【だが俺とて伊達に王を名乗ってはいない】
グール【例え偽物だったとしても、今は俺の主……忠義は果たす】
グール【『ピオリム』……ッ】キィンッ!
< ビュォッ!!
地獄の鎧【ッ……! シィィッ!! 】ガギィンッ
< ズザザァッ……
地獄の鎧(この私が、グールに遅れを取るだと? 奴め、さてはこちら側に顕現する際に得た力は弱点を補う呪文か……!!)
グール【ォ"オ"オ"オ"ッ!!】グルンッ
地獄の鎧【シィィッ!! シィィイッッ…!!】ガギィンッ ギィンッ
グール【『ピオリム』ッ】キィンッ!
地獄の鎧【!?】
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/01(日) 01:29:51.91 ID:Vah5hwOgO
乙
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/01(日) 12:26:31.45 ID:TvZXhknwo
追いついた
面白い
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/02(月) 09:02:17.78 ID:5xSJpsaco
只でさえゲームと違って脆弱な人間なのに、知識から外れ始めるとつらいなぁ
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/02(月) 21:50:00.20 ID:b+W2Pt4YO
男「主任! 俺に掴まって下さい!」ガシッ
主任「え、ぇっ? ちょっと男さんっ!?」
男「一度ここを離れる……囲まれたままで戦うよりも追ってきた奴を斬り伏せた方がマシだ!」
主任「でも……」
< ゴガァンッッ
地獄の鎧「ぐぉ……ぉおッッ!!」ガシャァッ…!! ドザァッ…!
男「んなっ…!? おい、お前っ……!」
地獄の鎧「チィ……正面からの一騎討ちでは私では勝てないと言うのか……ッ」
男「お前で勝てなきゃどうするんだ!」
地獄の鎧「……」
地獄の鎧「貴様と戦えば、或いは……」
男「無茶言うんじゃねぇよッ」
地獄の鎧「無茶なものか、貴様はあの日からやはり変わっておらん……そのレベルでこれだけ……」
男「……レベル…?」
地獄の鎧「ああ、貴様のレベルは……」
< ガシィッッ
地獄の鎧「グァッ……!!」ミシミシッ…!!
グール【…………】
男(い、いつの間に……っ)ぞくっ
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/02(月) 21:53:52.12 ID:ZErMBL6mo
きた
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/02(月) 22:13:10.19 ID:b+W2Pt4YO
主任「やぁッー!!」バッ!
男「主任!?」
グール【ッ……!】
< ゴッ!!
グール【ォ"……ァ、よ、ヨくもヤッたな……】
主任「…………」
主任(今、何かが変わった……?)
地獄の鎧【シィィッ!!】バッ
主任「きゃっ……!」ガシッ
地獄の鎧「投げるぞ」ボソッ
主任「え?」
─── ブワッ ───
主任(嘘……でしょ…!?)ブワァアッ
男「テメェ!! 主任を上空に投げて何がしたいんだよ!!」ダッ!
地獄の鎧「手伝え人間! その剣は自分より弱い敵を切り裂く為の物ではない!!」バッ
男「けど、俺は……ッ」
男(俺は死にたくない……!)
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/02(月) 23:42:22.99 ID:d6nEvnawO
わかる!
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/03(火) 02:05:49.23 ID:lsot57EHO
やべぇ更新来たから久々に読んだけどホント面白いなこれ
今更だけど擬音の表現マジで上手いわ
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 09:41:24.42 ID:y06T67yto
グール【チッ、『グール』の肉体が一瞬……】フラッ…
地獄の鎧【シィィッ……!!】ザッ
グール【!】
< ダンッ!!
─────────【『兜割り』】 ─────────
────── ッズドォッッ!!
グール【ッ!? ……っ、ォ"オ"オ"ッッ!!】グラッ
グール【か、体の力が抜け……っ?】
地獄の鎧「今だ……!」ギシッ…!
男(ッ、畜生が……!)
男「らァアッ!」ブンッ
グール【ッ!】バッ
< グジュッ……! ガシッ!
男「!?」
男(手で受け止められた……しかも、引けねえ…!?)
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/03(火) 10:44:03.27 ID:Y/FXw58Ko
更新増えてマジ嬉しい
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 11:19:28.70 ID:kXmUj3BXO
グール【クク……所詮は人間の村人が剣を持っているだけ、刃を録に立てられぬ攻撃などひのきのぼうにも劣るッ】
< ギチギチッ……
男「く、ぁっ……!」
男(くそ、押しても引いても剣が動かない! これヤバいんじゃ……っ)
地獄の鎧【シィ……ッ!!】
< ザクッ……!
地獄の鎧「飛べ!!」
男「は?」
男(いやまて、剣を地面に突き刺す構えってまさか……)ビクッ
地獄の鎧【シー……ッ】ギシッ…!
< バチバチバチィッ……バリバリィッ…!!
男「ざっけんなお前ぇええええ!!」バッ!
地獄の鎧「地を走れ……雷ッ!!」
──────── ギィンッ……バリバリバリィィッ!!
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 11:45:00.69 ID:kXmUj3BXO
グール【…………ッ……コホ……ァ"…】グラッ
< ビリビリッ…パチンッバチバチッ
男(……紫電を全方位に放つのか、『地を走る雷』って)スタッ
男(電圧とか感電率とかの法則は完全に無視、人間相手にこれをやったら……どう足掻いても感電死だな)
男(コイツ……さまようよろいの時とは本当に違う、今のコイツは序盤に出てきた終盤の敵みたいな理不尽な強さだ…!)
地獄の鎧【……シィィイ…】ギシッ…
地獄の鎧「……そろそろ降りてくるぞ、受け止めてやれ」
男「へ?」
< 「男……さぁぁぁぁあああああああん」
男「え」
主任「きゃぁあっ!」ドッ!
男「おぶっふぁあ!?」ドザァッ
男(主任……の桃尻が…………)ガクンッ
主任「や、やだ男さん!? 頭打ちましたか!? 大丈夫!?」
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 11:55:23.39 ID:kXmUj3BXO
地獄の鎧「……」ザッ
グール【……ゥ、ウグッ……やはりグールでは駄目か】
地獄の鎧「途中から貴様ではない意志が表れていた、あれがその肉体の本来の持ち主だな」
グール【如何にも……俺は不完全な依り代を用いても力が減少しない術を見つけたのだ】
グール【力の弱い個体を媒介に、それ以上の個体を顕現させる事で種族的弱体化を防ぐ……あのバンパイアでさえ俺には勝てなかったろう】
地獄の鎧「……通常の不完全な顕現とは違う、恐らく精神体の貴様を通して『そちらの世界』でも無事では済むまい」
グール【暫くは顕現出来ないだろうな……だが、覚えておけじごくのよろいよ】
グール【……あと一月もせぬうちに世界が『近づく』、そうなれば完全な依り代も用いて数々のモンスターが一斉にこちらへ来るだろう】
グール【よく考えろ……お前は何のために戦っているのか】シュゥゥウ……
< 【…………悪夢に勝てる者など居はしないのだ…………】
────────── ポワァ・・・ン……ッ
地獄の鎧「……」
地獄の鎧【シー……】ギシッ…
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 12:10:51.26 ID:kXmUj3BXO
腐った死体T【ォ"ォ"オ"オ"……】ピタッ
腐った死体U【……ォ"…オ"……】ユラ…ユラ…
男「くさったしたい達の動きが遅くなって来た?」
主任「やっぱりあのボスを倒したからですかね…?」
男「分からないけど、倒すなら今かもっすね」スタスタ…
< カランッ
男「……」
男(刃を立てられてない…か、もしかして俺……剣の振りとか間違ってたのかな)チャキッ
ベホマスライム【ホヨヨ…?】
男「いや、なんでもない」
男「……ん?」
ベホマスライム【ホヨヨ…♪】フワフワ
男「うぉわぁ!? ベホマスライム!?」
主任(やっぱりホイミスライムシリーズ可愛いなぁ…)
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/03(火) 13:05:43.57 ID:yDnxyr2tO
乙
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/03(火) 13:14:46.09 ID:6agFoN+n0
悪夢ってもしかしてダークドレアム?
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 14:40:53.93 ID:kXmUj3BXO
地獄の鎧「よくぞ戻った我が右腕」
ベホマスライム【ホヨヨ】コクン
地獄の鎧「此度の現界はこちら側で死ねば死ぬ、完全な敵地遠征に近い」
地獄の鎧「覚悟はいいな」
ベホマスライム【ホヨヨ…!】ムキッ!
地獄の鎧「うむ、それでこそだ」
ベホマスライム【ホヨヨ…ホヨ……】
地獄の鎧「何?……そうか、わかった」
男(あの時のホイミスライムも実はベホマスライムって……)
地獄の鎧「人間、ここを早急に離脱する」
男「ああ、あれだけ暴れてたら警察も来るだろうしな」
地獄の鎧「ケーサツ? まぁいい、だが近くの『指揮官』級が集まる危険性がある」
地獄の鎧「そしてそれだけではない、我が右腕が傷ついた人間を保護したらしくてな」
男「モンスターにやられた怪我人か」
地獄の鎧「人間にやられたそうだ、まぁ行けば分かる」ギシッ…
男(……あー、なんだこれ)
男(いつの間にか流れでさまようよろい……じゃねぇや、じごくのよろいと一緒に戦って、一緒に歩いちまってる)
男(もしかして……ゲームや漫画の勇者や主人公達はこんな感じなのかもしれない)
男(余裕がないからこそ、こうなるのかもな……)
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/03(火) 16:29:09.41 ID:4TK53dVqO
おつおつ
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/03(火) 17:40:03.26 ID:lsot57EHO
まさかの続き来てた
ホント面白いよこれ、続き期待してる
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/03(火) 17:43:01.97 ID:Y/FXw58Ko
乙
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 18:02:31.09 ID:y06T67yto
女「……」すぅ…すぅ…
男「女……さん?」
主任「大変っ! 血が……!」
ベホマスライム【ホヨヨ…】
地獄の鎧「既に回復しているそうだ」
男「そんな……何故女さんがこんな事に……」
主任「私達はモンスターと戦っていましたから、そればかりは仕方ないと思います……それにしてもこの出血量は、本当に何が起きたのか」
男(……俺のせいだよな)
男(人間にやられたって言ってた、それってつまり女さんが言うストーカーに殺されかけたんじゃないのか?)
男「ぁぁ……俺、なんてこと……っ」
地獄の鎧「後にしろ、今はその人間も連れて離脱する事を考えろ」
ベホマスライム【ホヨヨ…】
地獄の鎧「うむ、そうだな、何処か落ち着いて話せる場所を知らぬか? 家屋内ならば良いのだが」
主任「……男さん」
男「………」
男「俺の家に行こう」
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 18:57:53.08 ID:y06T67yto
【自宅】
地獄の鎧「ヌゥ、狭いな」ギシッ…
ベホマスライム【ホヨヨヨ】フワフワ
男「そりゃー、180越えの鎧甲冑のフル武装なんて一般家庭に住むなんて想定されないしな 」
主任「着替えてきました、あと男さん? シャワーが出たままになってましたよ」
男「あれ? 俺、朝以降は入ってないんだけどな……分かった」
主任「女さんは私が借りてる寝室で寝てます」
男「ん、りょーかい」
男「………それじゃ、そろそろ話して貰うぞ」チャキッ
主任「………」スッ
地獄の鎧「フ、いつ戦闘になっても良いように臨戦態勢か……おかしな奴等だ」
ベホマスライム【ホヨヨ…】プークスクスクス
男「何がおかしい」
地獄の鎧「我等がこの家屋に入れた時点で、敵意が無いという事なのだ」
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/03(火) 19:09:16.06 ID:jkn+/i9Wo
招かれないと入れない的な?
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/11/03(火) 19:12:22.48 ID:0rDncYME0
あれだろ、仲間モンスターのゴーレムとかすごい巨体だけど平然と民家に入れるとかそういうやつ
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 19:15:44.79 ID:y06T67yto
男「敵意が無いって……俺達が?」
地獄の鎧「『モンスターの』、だ」
主任「それって……」
地獄の鎧「いわば『仲間』という事だ、今の我々は貴様のな」
ベホマスライム【ホヨヨ…!】フンスッ
男「……」チラッ
主任「……」コクン
男(ある程度の警戒は続けながら、今は静かに話を聞くか)
地獄の鎧「では何処から話すべきか………やはりまずは今、こちら側で起きている事からにするか」
地獄の鎧「お前達の分かる事から話していった方が早かろう」
男「ああ」
地獄の鎧「そうだな……今、こちら側で起きているであろう混乱、それは私達モンスターの侵攻によるものだ」
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/03(火) 19:36:02.97 ID:lsot57EHO
遂に事態の全貌がみえてくるか
シャワーが嫌な予感しかしない
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 20:11:24.05 ID:y06T67yto
地獄の鎧「事の全ての始まりは四年前、我等の世界に一つの門が現れたのだ」
地獄の鎧「それは黒い、煙の様にも、闇そのものにも見える不可思議な渦……」
地獄の鎧「そこを潜ると、ランダムでこちら側へ顕現する事が出来るのだ」
男「……旅の扉か?」
地獄の鎧「やはり面白い男だな、何故それを知っているのか理解できんが……違う」
地獄の鎧「我等モンスター、そして『アレフガルド』『ムーンブルク』等といった地下世界の者は皆……『衣の残滓』と呼んでいる」
男「衣……?」
地獄の鎧「全ての魔物の王、魔王の纏っていた衣だ」
男(……!)ピクッ
主任「魔王……やっぱりいるんですね」
男「その魔王って……」
地獄の鎧「『魔界の大賢者』にして、『全てを滅ぼす者』……魔王をも統べる真の王」
地獄の鎧「………大魔王・ゾーマ様だ………」
男(………………………)
男(本物の……大魔王ゾーマが、現実にいるってのか……)
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 20:37:18.68 ID:y06T67yto
━━━━━━━━ 【予兆】
< ザッ
「……RPGでも撃ち合ったのか、この惨状は」
機動隊員A「三佐殿! 付近の住民の聴取終わりました!」ザッ
三佐「ああ、どうだった」
機動隊員A「男女が黒い西洋鎧姿の男と並び、『ホテル事件』の時みたいに暴れていた……と」
機動隊員A「それと、この現場から少し離れた路上では銃声がしたという情報もあります、同時に薬莢らしき物も見つかり、現在鑑識に回しています」
三佐「……死人は」
機動隊員A「奇妙な話ですが0……血痕らしい血痕も発見されていません」
三佐「だぁー……滅茶苦茶だな世の中、深夜に爆発騒動に銃声が当たり前とかどこの戦地だよここは日本だぞバァーロォー」
機動隊員A「うんなこと言われても……」
三佐「とりあえず異常無し、陸自に指示を仰いでから移動!」
三佐「『聖水』を付近に撒いてから、修繕業者を手配……だな」
機動隊員A「ハッ」
< 【シィィイ……】ガシャッ
三佐「『ピオリム』ッ!」キィン! < キィンッ!
機動隊員A「『スクルト』ッ!」キィン!
< ババッ!!
────────── パララララララッッ!!
さまよう鎧【ッ…!? ッッ……〜〜ッ!?】ガガガガッ!! ゴシャァアッ!!
< ポワァ・・・ンッ
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/03(火) 21:01:17.59 ID:y06T67yto
三佐「……今の何のモンスターだった?」カシャッ
機動隊員A「ちゃんと見て下さいよ!? 一般人だったらどうするんですか! ……『さまようよろい』ですよ」カシャッ
三佐「いやいや、君も気づいてるだろ? モンスターと戦闘になる瞬間に……こう、何だ? 空気が変わってるだろ」
機動隊員A「……三佐殿もそうですか」
三佐「ニュータイプとか、レベルが高いからとかとは違うねこれは」
三佐「多分そういう存在なんじゃねえかな、もしくは世界がそういう風に変わってきてるとかな」
機動隊員A「怖いこと言わんで下さいよ……」
三佐「怖がろうぜ、んでもって慣れろ、国民を守るだけじゃなく『見ることの出来ない仲間』を助けられる様にもな」
< ザザッ…「三佐さん! 応答願います! 防衛省から緊急の連絡が!」
三佐「!」
< カチャッ
三佐「こちら三佐、モンスター一体と交戦し撃破した」
< 「至急、都内の○○公園に向かって下さい! 他の機動隊や陸自の小隊も向かっています!」
三佐「何があったんだ」
< 「分かりません! 黒い……高さ約15mに半径30mにドーム状の何かが出現したんです!」
< 「おまけに第一発見者の近隣住民が通報した後に消息不明、向かった警官三名が遺体で発見されています!」
< 「この警官三名は『聖水』を摂取済みです! 各部隊が揃った後に緊急避難警報を出す予定です!」
機動隊員A「……三佐」
三佐「行くぞ、他の隊員に伝えてここを撤収……目的地へ向かう」
三佐(……今日は夜になってからやけに湿った空気だ……気味が悪い)
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/04(水) 00:22:45.97 ID:JNY9qhgT0
乙乙
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/04(水) 03:46:39.28 ID:E3Oxm2mxO
乙
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/04(水) 08:20:09.08 ID:cI0TN9lOo
・・・【男の自宅】
地獄の鎧「……最初は誰もそこへ近づこうとはしなかった、不気味なその渦を見た誰もが怯えていたのだ」
地獄の鎧「だがしかし、僅か数日後に『声』が聴こえてきた」
地獄の鎧「『声』は全ての生物に聴こえたらしい、まるで頭の中に何者かが居るようにな」
主任「その声は何と…?」
地獄の鎧「……」
地獄の鎧「『声』は自らを大魔王ゾーマと名乗った 」
地獄の鎧「『再びこの世界に蘇る時、二つの世界を悪夢で包んでやろう』」
地獄の鎧「『逃げられる者はいない、生き残れる者はいない』」
地獄の鎧「『我は破滅と殺戮の神となり蘇るのだ』、そう言っていた」
地獄の鎧「以来、世界は混乱した」
地獄の鎧「人間達は我等が王の復活の原因を探し、モンスターはどうすればいいのかを模索した 」
地獄の鎧「そんな時に現れたのが、今のこちら側へ侵攻している『魔王軍』のトップ……エビルマージという魔導士だったのだ」
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/04(水) 23:03:15.91 ID:cI0TN9lOo
主任「エビルマージ……!」ギリッ
地獄の鎧「どうやら初めて聞く名では無いようだな、なら話が早い」
男(大魔王ゾーマにエビルマージ、まさかキングヒドラとかバラモスまで出て来ないだろうな……)
男(それに……今の話、何か引っ掛かる)
男(あのゾーマが自分を『大魔王』って名乗ったのか? リメイク版ならともかく……自分を大魔王って名乗るもんか…?)
地獄の鎧「エビルマージはゾーマ様から受けた言葉を我等モンスターに伝える役目を与えられたと、そう言った」
地獄の鎧「新生魔王軍としてエビルマージを筆頭に八体の魔将……『ゾーマ八魔将』と共に、我等は知能やレベルの高いモンスターを中心に構成された」
地獄の鎧「……そして数日もしないうちに世界各地に出現した渦を使い、多くのモンスターがこちら側へ送り込まれたのだ」
地獄の鎧「当時は侵攻よりも『調査』に近く、私も戸惑いながら入った物だ」
地獄の鎧「時間をかけ、我等は渦の仕組みを解き明かし……こちら側の文化を知るために人間に擬態できるモンスターを通して、徐々に水面下から根を伸ばしていった」
男「………」
主任「……」
地獄の鎧「私が貴様に敗北して元の世界に戻されるまではこの戦争に勝ったと確信していたのだ」
地獄の鎧「お前達の周囲は既にモンスターが隠れ潜み、今も各地域を私や先程戦ったバンパイア達の様な『指揮官』が制圧しようとしている」
地獄の鎧「今にして人間の側に付けば分かるが、もう段階としては人間は遅いのだ……ここからの形勢逆転は奇跡に等しい」
432 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/05(木) 02:08:28.35 ID:aMJaS4avO
乙
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/05(木) 03:39:30.33 ID:1VsrHuOA0
乙乙
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/05(木) 09:55:43.62 ID:9mP4WW7AO
男「………」
男「何故、俺達にモンスターは見えない? なのに何故、人間にモンスターは危害を加えられる?」
地獄の鎧「何度も口に出していた『依り代』と、ここが完全な別世界なのが関係している」
地獄の鎧「まず、こちら側の人間に我等を見る事が出来ないのは元々『存在しない者』だからだ」
地獄の鎧「空想の存在であり、こちらの法則により生み出された訳でもない」
地獄の鎧「無いものを見る事が出来ないのは当たり前だろう? 我等は『まだ』そういう存在なのだ」
主任「まだ…? それってまるでこの先見えるようになるみたいな……」
男「見えるようになる、そうなんだろ? じごくのよろい」
地獄の鎧「……」コクン
地獄の鎧「ここ数ヶ月で人間と接触が可能になった時から、触れられる理由となる」
地獄の鎧「約三ヶ月前を境に、こちら側へ改めて来たモンスター達が次々とこちら側の物や人間に触れられる様になった」
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/05(木) 18:31:14.71 ID:1VsrHuOA0
乙乙
436 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/05(木) 22:21:46.37 ID:aMJaS4avO
乙
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/06(金) 09:23:57.70 ID:a0PnzMeDO
男「……は?」
男「何だよそれ、本当につい最近じゃないか……たった三ヶ月で俺達の世界に根を張り巡らせたってのか?」
地獄の鎧「否、そうではない」
地獄の鎧「モンスターという意味ではそうなるが、こちら側の世界で我等が知り得た事は多くある、しかしそれら全てを説明できる訳ではない」
地獄の鎧「話が戻るが……要は、『モンスターの姿』ではこちら側の世界にほぼ干渉出来なかったのだ」
地獄の鎧「そこで擬態が可能な……つまり人間の姿を維持できるモンスターをこちら側に送った……結果は成功、人間社会に溶け込む事ならば可能だった」
地獄の鎧「我等は元からこの世界に触れられた訳ではなかった、モンスターの姿をしている限りな」
地獄の鎧「……それが三ヶ月より以前の話だ、突然として変化が起きたのだ」
地獄の鎧「改めてこちら側に来たモンスターの多くがモンスターの姿を保ったままで、この世界に干渉出来るようになった」
地獄の鎧「一番の変化は……呪文の行使、人間に見られる事なく使える事で我等の世界よりも、非常に有効に使えた」
地獄の鎧「………こちらの存在に勘付いた者を抹殺するのにも、な」
男(やっぱりか)
主任「じゃあ……貴方達にも分からないんですね、モンスターが触れられる様になった原因は」
地獄の鎧「分からぬ」
地獄の鎧「何がきっかけで変化が起きたのか、見当も付かないと八魔将の連中も言っていた」
地獄の鎧「だが依り代が僅かに関係しているかもしれないと、そう言ったのがエビルマージだ」
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/06(金) 13:49:28.75 ID:kAbTjIOR0
乙乙
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/07(土) 22:10:42.99 ID:nLlJifW9o
う〜む、原因の方は取り敢えず棚上げするしかなさそう
それよりも問題は敵の強さだよなぁ
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/08(日) 09:29:24.69 ID:hXRsNBEbO
地獄の鎧「最初は一定量の魔力を依り代にしていたがな」
地獄の鎧「それ以外に代わりの何かを代用してはどうか、エビルマージのその言葉を基に我等は様々なモノを依り代に使った」
地獄の鎧「結果、依り代として適しているのは二種類だと分かったのだ」
地獄の鎧「一つは、私が敗北して貴様が手に入れた鋼の剣……」
男「あれか」
地獄の鎧「あのように、そのモンスターを象徴するアイテムを依り代に使う事で顕現出来る」
地獄の鎧「が、これは後に不完全な依り代と呼ばれるのだ」
地獄の鎧「完全な顕現を実現させる物……それが今まで変化の無かったこちら側と、我等モンスターの関係を一変させるだろう」
男「俺達の世界にあるゴールド、つまり金だよな? その……完全な召喚みたいなのになると、どうなるんだ」
地獄の鎧「今、こちら側で起きている事件は殆どが小規模なものだろう?」
地獄の鎧「スライムか下位のモンスターに襲われた村人が怪我をした、老人が歩けなくなったとかな」
男「……死人だって出てるんだぞ」
主任「私のいたマンションだけで何百人の人が殺されたのか……!」ガタッ
地獄の鎧「だとすれば想像しやすかろう、完全な依り代を用いて全モンスターがこちら側へ来た場合……」
地獄の鎧「その被害、そしてモンスター個々の能力は十倍以上になるのだ」
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/08(日) 10:02:18.10 ID:hXRsNBEbO
男「じ、十倍!? スライムとかもか……!?」
地獄の鎧「そのスライムすら、元々は上位の種だった可能性がある」
地獄の鎧「我等は『軍』なのだ、一匹とて『野生』のモンスターなど居ないのだぞ?」
地獄の鎧「寄せ集めとはいえ、連携が行える程度の知能と力を持ったモンスターが約三十万……そしてそれらモンスターが従える下位のモンスターの数が総勢千二百万……」
地獄の鎧「下位とはいえそのレベルは野生のそれとは比べ物にならん、こちら側の世界にいる人間ならば一匹で十人は殺せる」
地獄の鎧「………だが、これまでは不完全な顕現で一定のレベルのモンスターしか来れず、更に力も十分の一以下となっていたのだ」
地獄の鎧「私がそうだった様に……な」
男「………」
男(三十万に……、千二百万? 12000000………?)
男(いや、考えてみれば世界中に侵攻しているとすればその数は少ない……のか?)
男(……一つの国に数十万のモンスターが……? 少なくない、じごくのよろいみたいな化け物が一体いるだけで大惨事だぞ……!!)
442 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/08(日) 20:19:41.29 ID:hXRsNBEbO
主任「……あの、いいですか?」
地獄の鎧「なんだ」
主任「貴方達がこちらの世界に侵攻しているのは分かったんです……けど、何のために…?」
地獄の鎧「何のためかだと?」
地獄の鎧「フム……」チラ…
ベホマスライム【ホヨヨ…】
地獄の鎧「……表向きはエビルマージ達八魔将をトップとした、魔族の支配下に置くつもりらしい」
地獄の鎧「だが、訳が分からんのだ……」
主任「わけがわからない? 何故? 訳も分からないままに貴方達は私達を殺して傷つけて侵略をしているの?」
地獄の鎧「…………」
地獄の鎧「エビルマージからの指示がバラバラなのだ、ある地ではそこの人間を虐殺せよと命じ……ある国ではトップの人間に成り代われと命じる」
地獄の鎧「そしてこの国……『ニホン』だったか、ここでは各地域を制圧した上でいつでも人間を殺せるようにと命じられている」
地獄の鎧「……よく、分からんのだ」
地獄の鎧「まるで人間を痛め付ける事を目的としているかのように動かされている」
地獄の鎧「私はそう感じたのだ」
ベホマスライム【ホヨヨ!】
地獄の鎧「すまんお前もだったな」
主任「……」
443 :
◆3Jh764FmrU
[saga]:2015/11/09(月) 09:45:43.90 ID:CmgkfT7SO
─────【困ったことになりました】─────
─────【脳内の書き貯めが落ち着かない為、地獄の鎧の説明回で何を書けば良いのか思い付かなくなったのです】─────
─────【よって、当スレは安価モノではないのですが進行速度上昇のために緊急措置を取ります】─────
男(………何か聞きたいことがあるような気がする)
主任(………)
>>450
までで地獄の鎧に聞きたい事を自由に書き込んで下さい。
ただし、神目線による考察からのメタな質問は遠慮して頂けると有り難いです。
現時点で男や主任の知り得る情報から思い付く、或いは『ゲーム』を元にした作品内メタな質問をするのは構いません。
444 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 09:56:21.97 ID:eK+1bIJFo
DQ世界に勇者的なやつ居ないの
居たとして、依代に宿る前の魔物向こうで倒して貰えないの
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 12:18:20.35 ID:TRVrJPF5O
結局のところ地獄の鎧の目的がいまいちわからん
446 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 13:11:54.44 ID:YxUChwEAO
裏ステージの敵の有無。
こいつら居たらまず勝ち目無い。
447 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 13:31:43.57 ID:Jmah2iAB0
ワイトキングとの関係性について
448 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 14:21:59.90 ID:8eWADvgfO
向こうの世界の勢力均衡と人間について
自分が、効率的に強くなるための方法
強力な武器をくれないかとの要望
449 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 14:48:19.17 ID:YJR5d1IDO
ルビスについて
あとこちらの教会や聖水について
450 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 14:48:32.31 ID:O6Y1rtNQO
そもそも男や主任はこっちの世界の勇者になるのか
451 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 18:03:47.60 ID:nXu7Dq35o
男のレベルううううううう
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 18:39:49.48 ID:QLYD1+ivo
むこうと言ってるけど作品ごとの世界がある多重世界なのかな? 全部一緒なのかな?
かま掛けついでに他の作品のラスボスの名前を出してみる(シドーとか)
453 :
◆3Jh764FmrU
[saga]:2015/11/09(月) 22:18:26.30 ID:8+bm6nhbO
>>444
地獄の鎧「今更驚きはせんが、その『ドラクエ』とは何だ」
男「あー……」
男(一応それは伏せとくか?)
地獄の鎧「まぁいい……だが、確かに勇者はいる」
地獄の鎧「我等モンスターにその勇者一族の名を知らぬ者はいない、奴等は本物の化け物だからな」
男「……ロトなのか?」
地獄の鎧「!……そうだ、ロトの一族……今は三つに別れているがな」
地獄の鎧「そして貴様が言っていた事だがな、今現在の人間側の事は私には分からんのだ、勇者達が来ているのかすらな」
地獄の鎧「時折、モンスター達の間でそれらしき姿を見た者もいるが……我等の方が探している程だ、連絡の取りようも無い」
男「そうか……」
地獄の鎧「ワイトキングや八魔将ならば知っているかもしれないが、私は末端のモンスターでありただの『指揮官』だったからな」
>>447
男「ワイトキングってあのグール……だよな? 何者なんだ、お前の知り合いなのか」
地獄の鎧「奴は私の父、『しにがみのきし』の主だったモンスターだ」
地獄の鎧「だが直ぐに私の父は『竜王』と呼ばれている魔王の配下となり、私だけワイトキングの配下として残った」
地獄の鎧「数百年支えていたが……此度の戦争で主従関係は消えた、今の奴は偽の王の配下であり私の敵だ」
男「……ワイトキングに勝てるのか?」
地獄の鎧「無理だ」
男「え」
主任「えっ」
454 :
◆3Jh764FmrU
[saga]:2015/11/09(月) 22:18:56.12 ID:8+bm6nhbO
>>445
主任「……結局、ここまでベラベラと話続けている貴方は何が目的なんですか?」
地獄の鎧「我等が真の王の命じた通りに、人間達の味方をしに来た」
主任「ずっと気になってたんですが、やっぱり真の王……つまり、貴方達が味方になった原因は本物の『大魔王ゾーマ』が命令した……という事ですか」
地獄の鎧「そうだ」
男「会ったのか」
地獄の鎧「違う、貴様に敗北して元の世界に送られている最中に声が聞こえてきたのだ」
男「マジか……って、それじゃゾーマじゃねえかもしれないだろがそれ」
地獄の鎧「かもしれぬ」
男「おいおい……」
地獄の鎧「だがベホマスライムも聞こえていた、そしてなによりも自然とその声がゾーマ様の物だと理解した事が根拠だ」
地獄の鎧「理屈や感覚は説明できぬ、だがしかし……あれは確かにゾーマ様だった」
男「……」
>>449
男「精霊ルビスが存在するんだよな? 何か反応とか、人間に救済的な何か……無いのか?」
地獄の鎧「存在する、だが大昔にゾーマ様が封印したのをロトの勇者が救った事しか知らぬ」
地獄の鎧「伝説でしか知らないが、未だに精霊ルビスの信仰は続いている上……効果があるのを見ると、やはりまだ存在しているのだろうな」
男「じゃあ……!」
地獄の鎧「だがこの戦争に精霊ルビスが介入、或いはそれらしい力を見せた事は報告されていない」
男「………そう……か」
455 :
◆3Jh764FmrU
[saga]:2015/11/09(月) 22:19:22.70 ID:8+bm6nhbO
地獄の鎧「こちらの教会や聖水に関しては我等モンスターも把握している」
地獄の鎧「問題なのはこちらの世界の建物はどれも特殊で分かり難い、しかも聖水の効果でうっかり教会の建物に近づけば体を焼かれる」
男「やっぱり聖水の効果あるんだな」
地獄の鎧「タチが悪いのは無尽蔵に用意できる所だな」
男(主任)ヒソヒソ
主任(はい?)ヒソヒソ
男(今度タンク一杯に聖水入れたトラックに乗ってモンスター轢いてみないっすか?)ヒソヒソ
主任(悪趣味ですよ)ヒソヒソ
男(……冗談です)ヒソヒソ
456 :
◆3Jh764FmrU
[saga]:2015/11/09(月) 22:19:52.47 ID:8+bm6nhbO
>>448
地獄の鎧「勢力、か」
地獄の鎧「大昔はともかく、ここ数百年の中では『邪教団』というモンスターの集団が現れた位だな」
男「邪教……」
男(なんだっけか、んー……あ、ハーゴンか? え? いやでもさっきムーンブルクって言ってたもんな……あ?)
男(バズズとか、シドーとかいるのか!?)
地獄の鎧「ロトの一族を甘く見た者達だったがな、最期は信仰していた破壊の神と共に討ち倒されたそうだ」
男「……へ?」
主任(何だろう、高校時代……昼食の時に知らないゲームの話を目の前でされてる気分になってきた)
地獄の鎧「後は……他のモンスターの勢力を私も把握している訳ではないが、ロトの一族を恐れて世界を支配しようという輩はいないな」
地獄の鎧「人間達の間での勢力としては最強の魔法国家ムーンブルクと、アレフガルドの旧支配国家のラダトームだな」
地獄の鎧「我等の動向を知ってから連合軍を作ったらしいが、さてな……私の知る限りでは特に動きは無い」
地獄の鎧「世界のモンスターと人間の均衡を保っているのは、完全にロトの一族の存在があると言えるな」
地獄の鎧「人間については……フム」
男「何だよ」
地獄の鎧「うまく言えんが、こちらの世界に比べれば我等の世界の人間は温和な方だ」
男「そうなのか」
地獄の鎧「比較的……いや、そうだな、向こうの方が温和だ」
地獄の鎧「それと、効率的に強くなる方法についてだが」
男「ああ」
地獄の鎧「分からぬ」
男「何でですの……」
主任(ですの?)
地獄の鎧「人間の強くなる方法など、我等モンスターが知りたがると思うか?」
男「常識の範囲内でなら知ってるかと思ったんだよ」
地獄の鎧「ロトの一族は戦った数や感情一つで力が上がったりするが、後は鍛練や戦闘を積み重ねてレベルを上げるだけだな」
男(レベル、やっぱりあるんだな)
地獄の鎧「……ちなみに、強力な武器ならばこちらの世界の方が多いと思うがな」
男「ん、そうなのか?」
457 :
◆3Jh764FmrU
[saga]:2015/11/09(月) 22:20:20.01 ID:8+bm6nhbO
地獄の鎧「報告にあるこちらの世界の一般的な武器、『銃』はそれ自体がメラミ級の威力を有したボウガンだそうだな」
男「えー……メラミ? メラも結構強いと思うんだが」
地獄の鎧「銃から放たれる金属の粒は殆どのモンスターを怯ませる、しかも粒が人間の指ほど大きければ上位の種であるモンスターすら致命傷を負うのだ」
地獄の鎧「手の届かない位置から、姿や気配すら察知できぬ距離で撃たれては私ですらどうする事も出来ん」
男「……指って、小指の第一間接まで位か?」スッ
地獄の鎧「人差し指だ」
男「その口径の銃撃で……致命傷?」
地獄の鎧「ああ、恐ろしい事にな」
男「……どっちがだ」ボソッ
主任(??)
地獄の鎧「故に、私から渡せる武器など精々が貴様にやった鋼の剣だな」
男「分かった」
458 :
◆3Jh764FmrU
[saga]:2015/11/09(月) 22:20:47.67 ID:8+bm6nhbO
>>446
地獄の鎧「裏…?」
男「あー、忘れてた……何でもない」
男(こいつとの会話は現実離れし過ぎてこっちがおかしくなってくる……)
男「例えば……『しんりゅう』ってモンスターに聞き覚えは?」
地獄の鎧「知らぬ」
ベホマスライム【……】ピクッ
地獄の鎧「どうした我が右腕よ」
ベホマスライム【ホヨヨ…ホヨ】アセアセ
男「何と言ってるんだ?」
地獄の鎧「ベホマスライムの父が会った事があるそうだ」
男「ん"な"……ッ!?」
男(裏ダンのラスボスだぞ!? 嘘だろ、じゃあ上位の種って相当な化け物揃いじゃ……)
ベホマスライム【ホヨヨーン】
地獄の鎧「人間のエッチな本を貰ったらしい」
男「………」
男「何者だよスライム一族………」
地獄の鎧「貴様は何が知りたいのだ」
男「バラモスの名を持ったモンスターとかがわんさか居やしないかと、怖いんだよ……」
地獄の鎧「いるわけなかろう」
男「そ、そうなのか……」
ベホマスライム【……】
ベホマスライム【(彼の氷の洞窟にいたモンスター達は、私の父と当時の勇者様が全て倒したそうだけど……言う必要はないわね)】ホヨヨ…
459 :
◆3Jh764FmrU
[saga]:2015/11/09(月) 22:21:23.45 ID:8+bm6nhbO
>>450
(
>>451
込み)
地獄の鎧「貴様の様な勇者がいて堪るか」
男「そこまで言わんでも……」
地獄の鎧「そっちの女が普通なのだ、貴様は余りにも異常だ」
地獄の鎧「こちらの世界の事を知り過ぎている、まるで生ける伝説か何かの本の様だ」
男「あー……まぁ、な」
地獄の鎧「だけではない、貴様のレベルと強さが理解できん」
男「……?」
主任「私のレベルも分かるの…?」
地獄の鎧「貴様は『レベル14』、こちらの世界の人間でも相当な実力者だ」
主任「……そうなんですか…?」
地獄の鎧「だが男、貴様のレベルは……」
男「い、幾つなんだよ」
男(十回はレベル上がった筈だが……)
地獄の鎧「………『レベル0』だ」
男「Oh……」
主任「 」
460 :
◆3Jh764FmrU
[saga]:2015/11/09(月) 22:21:57.10 ID:8+bm6nhbO
主任「ぜ、0って……1ですら無いんですか?」
地獄の鎧「うむ」
男「それって一般人と変わらないのか…?」
地獄の鎧「こちらの世界で活躍する『スポーツ戦士』とかいう奴等は総じてレベルが2か3なのだ、だが貴様は……一般人以下だ」
地獄の鎧「そもそもが0なんてレベルは有り得ぬのだ、となれば貴様が特殊か……もしくはこちらの世界の人間にはたまにいるのか、だ」
男「……」
地獄の鎧「故に面白い、初めて会った時に貴様が私の配下の『おおきづち』を倒したのを知った時は何の冗談かと思ったぞ」
男「……だろーな」
地獄の鎧「我等の世界の勇者一族には程遠いが、もしかすると貴様はこちらの世界の勇者だったりするかもしれんな」
主任「!」チラッ
男「ないない」
男(……俺なんかが勇者だったら主任の方が勇者だよ)
>>452
地獄の鎧「シドー……聞いたことがないと思うが……」
男「邪教団の信仰している神の名前なんだが」
地獄の鎧「ロトの勇者達が倒してしまったからな、名前が広まる前に途絶えたのかもしれん」
男(マジかよ)
461 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/11/09(月) 22:29:30.61 ID:8+bm6nhbO
─────【如何でしたか】─────
─────【地獄の鎧に聞きたいことはもうありませんね?】─────
→ はい
いいえ
───── 【ある場合は書き込んで下さい、このレスから20分の間で書き込まれた事に地獄の鎧が答えます】 ─────
462 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 22:35:01.59 ID:Ovw0Ck06O
八魔将ってどんなやつら?
463 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 22:36:45.63 ID:YxUChwEAO
ロトシリーズ以外のボスについて。
もしくは、強力な野生の魔物について。
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 22:42:59.78 ID:gTP7OVnAO
理屈はともかく今のじごくのよろいはフルパワーで顕現してるんだよな
不完全な依代と違って周りの一般人から気付かれやすくなったりするのかな?むしろ逆?
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[ Aramaki★
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