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【女の子と魔法と】魔導機人戦姫U 第14話〜【ロボットもの】
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◆22GPzIlmoh1a
[saga sage]:2014/07/20(日) 21:09:18.89 ID:PGdg3XaSo
2062年、初冬――
茜が父と声を失ってから、二年と少しが経過した。
あの日を境に、幸せの絶頂にいた彼女の全てが変わってしまった。
優しく朗らかだった母は笑顔を見せる事が減り、
兄は本條家の当主としてオリジナルギガンティックを駆る訓練に明け暮れている。
幼い兄を当主に据える事に反対する分家の者達を押し留めるため、
本家直系である叔母の藤枝百合華を当主名代に置く事となった。
あの日、焼け焦げた二刀の鬼百合の拵えは直され、二年前から仏間に飾られている。
茜「………」
四歳になった茜は、仏壇の前で膝を抱えて座ったまま、
二刀の鬼百合と共に飾られている父の遺影を眺めていた。
それは、茜の日課だった。
読み書きの勉強を始めたばかりの茜は、それが終わると、
食事や風呂、トイレの時間を除いて、仏間で父の遺影を眺め続ける。
幼い少女の、その痛ましい姿に回りの大人達……特に母は胸を痛めたが、
まだたった四歳の少女に他人を気遣う余裕など無い。
その事を咎めようとする大人達も、敬愛する父だけでなく声ですら失った少女に、
苦言を呈する事が憚られ、結局はその日課もずっと続いていた。
茜「………」
茜は、父の遺影に向けて、無言で手を伸ばす。
これも、最近の茜の日課だった。
座ったままでは、決して遺影までは届かない手。
もし、この手が届いたら?
父の遺影をこの手に取る事が出来たら……、
あの日の父に手を伸ばす事が出来たら、自分は父を救えただろうか?
子供が考える“もしも”や“たら、れば”の話など、荒唐無稽な物だ。
根拠のない万能感と、夢見がちな妄想に端を発する、本当に荒唐無稽な仮の話。
まだ四歳半の少女なら、当然のように抱く可能性の話。
だが、求める可能性は限りなく苦しく、それが叶うハズも無い事と、
茜は幼いながらにして既に諦めの境地に達しようとしていた。
それもその筈。
あの爆撃の中、母の腕の中で震えているだけだった自分に、
父を助けられる筈が無いのだから。
ただ、それでも手を伸ばし続けるのは、まだ彼女自身が諦め切れていないからだ。
茜「………ッ」
どんなに伸ばしても届かない手に、彼女は次第に目の端に涙を溜めていた。
涙で霞む視界の中、茜は必死で手を伸ばし続ける。
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