【女の子と魔法と】魔導機人戦姫U 第14話〜【ロボットもの】

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31 :3スレ目にかわりまして4スレ目がお送りします ◆22GPzIlmoh1a [saga sage]:2014/07/20(日) 21:29:33.37 ID:PGdg3XaSo
 その瞬間、紗樹の拘束が弱まり――と言っても、殆ど力など入れていなかったが――、
 レミィは立ち上がって、紗樹を見下ろす。

レミィ「私はキツネだぁっ!」

紗樹「き、キツネ!?」

 怒声で断言するレミィに、紗樹は愕然と叫ぶ。

 そう、レミィにとって、犬扱いは禁句である。

 どのくらい禁句かと言えば、彼女が普段から気にしている、
 年齢にそぐわないスレンダーな体型よりも優先度に勝る禁句だ。

 しかし――

紗樹「つまり、ワンちゃんの尻尾よりもモフモフ!」

 ――対して堪えた様子もなく、フサフサのレミィの尻尾を見遣って、
 また目の色を変えて輝かせた。

 だが、紗樹がふさふさの尻尾に飛び掛かろうとした瞬間、
 彼女は背後から遼によって羽交い締めにされてしまう。

遼「東雲先輩、これ以上、恥を上塗りしないで下さい!」

紗樹「は、離して徳倉君!?

   そ、そこに、そこにモフモフの尻尾があるのよっ!
   自然保護官の適性無しの私がモフモフの尻尾に触る機会なんて、
   この先、一生無いかもしれないのよ!?」

 羽交い締めした遼を必死に振り払おうとする紗樹だが、
 頭一つ違う身長差の前には、足が持ち上がってしまい、ジタバタと藻掻く事しか出来ない。

レミィ「うぅぅ〜……っ!」

 対するレミィも羞恥と怒りで顔を真っ赤にして紗樹を睨み付けているが、
 紗樹の目はレミィの頭頂……そこで怒りに震えているキツネ耳に釘付けだ。

紗樹「嗚呼……モフモフぅ……」

 転んでもただでは起きないとは、こう言う時にでも使える言葉だろう。

 そして、周囲が唖然呆然とする中、レオンは腹を抱えて笑っている。

空(何だか、もう……しっちゃかめっちゃかだ……)

 空はその光景を見遣りながら、心の中で呆然と呟いた。


 しかし、そんな騒ぎがあったにも拘わらず、歓迎会は再開され、
 機体の搬入作業を行っていた整備班や手空きの職員達も合流し、
 時折、レミィと紗樹が奇妙なおいかけっこを披露する一面を見せながら、賑やかに終わった。
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