【女の子と魔法と】魔導機人戦姫U 第14話〜【ロボットもの】

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151 :電気治療にかわりまして鍼治療がお送りします ◆22GPzIlmoh1a [saga sage]:2014/10/17(金) 21:31:24.71 ID:zL0Am2Zjo
 二人は正面ロビーを抜け、格納庫を見下ろす作業通路に辿り着く。

 そこは以前、空が着任初日にマリアと共にギガンティックを見下ろした場所だった。

 見渡せば、そこには全身が濃紫色に変色したヴィクセンのフレームを切除し、
 エンジンを取り出す作業をしている様が見えた。

 その傍では瑠璃華の駆るチェーロが、炎熱変換した魔力で切除された部位を焼却処分している。

瑠璃華『切除急げ! 内部の腐食がさっきよりも進んでいるぞ!』

 通信機越しで叫ぶように指示を出す瑠璃華の声は、いつになく焦りに満ちていた。

 元々、手足も頭も失っていたヴィクセンだが、胴体も既に原型を留めておらず、
 それでも尚、数台の大型パワーローダーが代わる代わる、ヴィクセンの胴体を切り刻んでいる最中だ。

空「………」

 空はその痛々しい光景を見遣り、悲しそうに目を伏せる。

 瑠璃華がああしている以上、せざるを得ない状況なのだろうが、理解と納得は別問題だ。

 明日美もそちらを見ていたようだが、すぐに視線を別の方向に向けた。

明日美「こっちを見なさい、朝霧副隊長」

空「……はい」

 明日美に促され、空は明日美の視線が向けられていた方向を見遣る。

 視線の先にあったのは格納庫の最奥、壁のような厳重なシャッターで閉ざされた場所だ。

 その壁が左右に滑るように開かれ、その奥から巨大な何かが迫り出して来る。

 ギガンティック用のハンガーだ。

 埃避けのシートを被せられたハンガーが、牽引用の巨大トラックに引かれて、格納庫内に入って来た。

 だが、それだけではない。

 ハンガーに連結された状態で、もう一両の車輌が姿を現した。

 こちらも埃避けのシートが被せられていたが、
 ギガンティック用のハンガー車輌よりも大きな車体はシート越しにも分かった。

 アルコバレーノの修理やヴィクセンのフレーム切除作業、
 アメノハバキリの修理以外にも整備員の手は余っているのか、
 数台の中型パワーローダーが二両からシートを取り去って行く。

 シートを取られたハンガーから現れたのは、白を基調とした躯体にエメラルドグリーンのアクセントが映える、
 全身に鈍色の輝きを纏わせたオリジナルギガンティックだ。

 そして、後方の車両には同じく白地に、所々に赤や青と言った七色のラインが走る、
 こちらも鈍色の輝きを持った巨大な重戦車が乗せられていた。

明日美「オリジナルギガンティック、GWF203X……クライノートと
    その専用OSS、OSS203X−ヴァッフェントレーガーよ」

空「クライノート……それに、ヴァッフェントレーガー……」

 明日美の言葉を、空は反芻する。

 確かに、その機体の姿には空も見覚えがあった。

 以前、アルフの訓練所で座学の際に見せられたクライノートそのものである。

 これが現存するオリジナルギガンティック、最後の一機。

 明日美の師である、二代目閃光、クリスティーナ・ユーリエフの愛機であったソレだ。

明日美「朝霧副隊長、あなたにはエール奪還までの間、
    クライノートのドライバーを務めて貰います」

空「わ、私がですか!?」

 淡々とした明日美の言葉に、空は驚愕する。
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