スパイク「七煌宝珠?」

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424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/06(水) 21:24:34.07 ID:5Q5b+KwmO
>>423
頼むからageないでくれ
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/19(火) 20:30:38.33 ID:LFslOWYko
このスレが立って今日で丸二年か
二周年おめでとう!
426 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/07/20(水) 01:55:18.14 ID:XX6I4z1kO
うわっ
そんな経ちますか…
長い事お付き合いいただいている皆さんありがとうございます
久々に軽くオマケだけ…

ーーおまけーー
スパイク「なぁ旦那」

ジェット「あ?どうした」

スパイク「アンタは年上派か?年下派か?」

ジェット「…急に何だ?頭でも打ったのか?」

スパイク「女の好みの話だよ。男同士、たまにはこう言う下世話な話もいいだろ」

ジェット「お前と上品な会話をした覚えがないがな」

スパイク「それ誰かと勘違いしてるぜ」

ジェット「はぁ…で?女の好みがどっちかって?俺ぁ断然年下だな」

スパイク「…ろr」

ジェット「違う!年下って言っても自分の年齢より2、3歳下くらいだ」

スパイク「へぇ、そりゃまた何でだ?」

ジェット「まず余り歳が離れていると一緒にいても疲れる。年上だと、多少気を使ってしまいこれまた疲れる」

スパイク「…要するに一緒にいて楽なのが年下だと」

ジェット「あぁ」
427 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/07/20(水) 02:13:00.17 ID:XX6I4z1kO
ジェット「そういうお前はどうなんだ?」

スパイク「どちらかと言われるとどちらでもなかったんだが…」

ジェット「?」

スパイク「同い年が一番気を許せるかな、と思っていたんだ、昔は」

ジェット「今は違うのか」

スパイク「あぁ、ここ数年は年下ばかりの環境に身を置いているからな…」

ジェット「…まぁな。フェイは扱いが難しいが、他はエドにレンにフィロ、か…」

スパイク「そんな環境下で俺は年上派だったんだと気付いたよ」

ジェット「…そうか。だがスパイク、冷静になれ」

スパイク「ん?」

ジェット「お前にとっての年上って言えば、もうアラフォー間近、いや突入しちゃってるんじゃねぇか?」

スパイク「…旦那、アンタの好み最高だぜ。心から共感した」

ジェット「それで良いのか、お前…?」
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/20(水) 06:38:57.67 ID:agF91djfo
おつ
429 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:51:18.70 ID:uO8khG9iO
フェイ「で?またアンタはオンナノコを引っ掛けて来たってワケぇ?」

クード「説明聞いてなかったのかよ⁉︎」

ココウェット「私はグレイアーツ君一筋だしぃ」

フィロ「なんだかボケ担当の人ばっかりでツッコミが追い付いてないネ…」

クード「俺の境遇解ってくれるのはフィロだけだよ…」

レン「…」クイクイ

クード「ん?どうしたんだ、レン?」

レン「……。なんでもない」
430 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:52:17.28 ID:uO8khG9iO
フェイ(なぁんか甘ったるい空気になってるわね…)

ココウェット(いや、それくらいワカンでしょ!何コイツ、グレイアーツ君より朴念仁⁉︎)

フィロ「たははは…クー君今のは流石に…レンちゃんどっか行っちゃったし…」

クード「え?俺なんかやらかした⁉︎」

ココウェット「アンタまだ気付いてないわけぇ⁉︎信じらんない…あの娘可哀想になってきたわ…」

クード「えぇー…そんな事言われたってさぁ…」

フェイ「良いからさっさと行きなさいよこの馬鹿!」

クード「うぇえ⁉︎なんで怒られてんの⁉︎」
431 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:53:17.27 ID:uO8khG9iO
フェイ「ったく…。そう言えば、もう一人の馬鹿はどうしてんのかしら」

フィロ「んん?…あー!スパイクさんの事!」

ココウェット「言われてみれば、聞いてたより1人少ないわね」

フェイ「そっちの馬鹿はヘマして捕まってんのよ…」

ココウェット「捕まってるって、この船で?」

フェイ「えぇ、しょーもない賞金首捕まえようとして衛兵に捕らえられたのよ」

フィロ「でもおかしな話だよネー?スパイクさんは寧ろ、この船をその賞金首さんから未然に守ろうとしてたわけなのに…」

ココウェット「で?捕まった後は何処に連れて行かれたの?」
432 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:53:54.61 ID:uO8khG9iO
フェイ「それがまた変なのよね…。最下層の牢屋に捕らえられてるって」

ココウェット「最下層、ねぇ…」

フィロ「何か思い当たる事でもあるの?」

ココウェット「いや、ちょっとね。私達が貴女達を襲撃する時にどうやって居場所突き止めたと思う?」

フェイ「そりゃあ明るいうちから探し回ってたんじゃない?」

ココウェット「夜を選んだのは邪魔が入りにくい様にする為。それに、貴女達の外見的特徴は軽くしか教えられていないから大人数の中から見つけ出すのは不可能ね」

フィロ「…その話、今関係あるのかなー?」
433 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:54:49.14 ID:uO8khG9iO
ココウェット「大ありよ。実はエディルレイドだけに反応するレーダーを使ったの」

フェイ「へぇ、そんな便利なものがあんのね〜…」

ココウェット「ここからが本題。実はその時、レーダーにはレヴェリーメザーランス以外に無数のエディルレイドの反応があったの」

フェイ「…?」

ココウェット「それでも、そんな中からレヴェリーメザーランスを見付けられたのは、そのエディルレイド達が一箇所に集まっていたからよ」

フィロ「…まさか」

ココウェット「この船の最下層、貴女達のお仲間が捕まってる所にね」
434 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:55:44.12 ID:uO8khG9iO
フェイ「…どういう事よ?」

ココウェット「恐らく、この船は表向きは豪華客船だけど、それは違法にエディルレイドを取引する為のカムフラージュって事」

フィロ「イリーガルな事してるからやけに強い衛兵さんだとか牢屋だとかがある、って考えたら、確かに矛盾は無いカモ?」

フェイ「つまり何、あの馬鹿は結構な窮地ってワケ⁉︎」

ココウェット「予想通りならね。それに、私とグレイアーツ君が知らされてないとなるとオルガナイトは関与していないって事でもある。だから、レヴェリーメザーランスについても最悪邪魔なら消せってなるかもね」
435 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:56:55.34 ID:uO8khG9iO
フェイ「…チッ。折角面倒事が一個片付いたと思ったらもっと面倒になってんじゃないのよ!何でこう男って余計なトラブルばっか持ち込むのかしら…」

フィロ「えーと…もしそうだとするなら、クー君達も結構ヤバくないかな?さっきの騒ぎで多分警戒態勢になっちゃってるんじゃ…」

フェイ「ったくどいつもこいつも‼︎何だってのよ⁉︎ほら、ボサッとしてないでアイツら探すわよ‼︎」

ココウェット「何だか報告にあったのと大分違うのね。少しだけ…羨ましい」

フェイ「なに、何か言った?」

ココウェット「何でもないわよ」

フィロ「…」
436 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/08/15(月) 08:04:03.72 ID:uO8khG9iO
本日ここまで
オマケその頃の2人
ーーーー
スパイク「…ったく、いつ出られるんだこれ?」

ジェット『まぁ、クー達も一件落着した様だし、そろそろ救出してくれるんじゃねぇのか?』

スパイク「はぁ…折角の豪華客船だってのに牢屋で過ごすなんて予想してなかったぜ」

ジェット『お前は今回役に立ってねぇんだ、諦めろ』

スパイク「少なくとも新たな盗みが出ることは防いだだろ」

ジェット『一緒に捕まってちゃ世話ねぇがな』

スパイク「女子供への優しさを少しは俺にも分けて欲しいぜ…」

ジェット『なら優しくしたいと思える振る舞いをしてくれ』

スパイク「…取り敢えずロリっぽい格好すればいいのか?」

ジェット『そんなおぞましいものは冷蔵庫に閉じ込めて宇宙に捨てる』

スパイク「アレと同じ扱いかよ…」
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/15(月) 11:02:49.47 ID:iqUsRiTHo
おつおつ
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/16(金) 16:23:06.15 ID:5nb9fHVrO
待機
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 17:50:45.81 ID:qu14ejV7O
そろそろ
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 23:57:28.27 ID:R/4hXr8Lo
そろそろー
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/17(月) 14:42:29.95 ID:BKx0Vb0CO
おーうい
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/22(土) 14:07:53.16 ID:uJxIOaLHO
おうーい
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/24(月) 18:14:28.58 ID:fJeWVfjWO
はよー
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 18:00:10.32 ID:hXsAcu9gO
はーよー
445 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:00:34.00 ID:jIaQU5M/O
何か色々ありまして…
私情を挟むべきではないと思いますので謝罪だけはさせていただきます…
スレ建て当初の気持ち通り、時間は掛かっても完結はさせたいと思います…
顔も出せず申し訳なかったです…
とりあえず少しだけ投下してきます…
446 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:01:12.32 ID:jIaQU5M/O
レン「……」

クード「なぁ、レン。何が嫌だったのか言ってくれなきゃ解んないぜ」

レン「わからない」

クード「?」

レン「私にも…わからないの。何でクーにあんな態度とっちゃったのか」

クード「…そっか」

レン「うん」

クード「なら、それは後で考えれば良いか。兎に角戻ろうぜ」

レン「…うん」
447 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:02:03.45 ID:jIaQU5M/O
警備員「ちょっとそこのキミ達、さっき物凄い音が聞こえたんだけど何か知らないかな?」

クード「へ?あー…」

クード(これって俺らのせいってバレたらやっぱ不味いよなぁ…)

レン「少し喧嘩してただけだから大丈夫」

警備員「喧嘩?それにしちゃ船全体が揺れるくらいの衝撃だったけど」

クード「いや、あのーほら、ちょっと火薬持ってる奴がいて…」

警備員「それはキミの知り合いかい?そんな危険人物は放っておけないから何処にいるか教えてくれないか」

クード「えっ⁉︎」

警備員「ん?何か問題があるかな?それとも…嘘でもついたのかな?」

クード「いやぁ…なんってーか、その…」
448 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:02:41.95 ID:jIaQU5M/O
レン「待って!クーは多分私の為に嘘をついたの…」

警備員「ほう…君の為に、ね」

レン「実は…私はエディルレイドなの」

クード「レン⁉︎」

レン「さっきも私の力を奪おうと襲われて、それを撃退しただけで…」

警備員「…エディルレイドか。可哀想に…そんな身分でなければ…」

クード(あれ、何かイイ感じ?)

警備員「こうして俺もお前らの前に立ちはだかる必要もなかったんだがな」
449 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:03:29.38 ID:jIaQU5M/O
そう言うと、警備員は腰に提げた警棒の柄を強く引っ張った。
キラリと月明かりを反射したと思った時にはクードの前髪を数センチ切り落としていた。

クード「な、なななな何だ⁉︎」

警備員は警棒に刀を仕込んでいたのだ。それを抜くと同時にクードに斬りかかっていた。
クードは、突っ込んでくる警備員の勢いに驚いて尻餅を着いたことで、辛うじて回避できたのだった。

レン「クー!」

警備員「リアクトされると面倒だ」

警備員は懐からナイフを取り出すと、レンにめがけて投げつける。
1つも命中はしないが、レンの服を掠めて行くことで、レンの身動きを封じてしまった。
450 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:04:17.84 ID:jIaQU5M/O
警備員「誰が貴様らを襲ったのかは知らんが、誰かに狙われるという事はそれなりに希少価値のある石なのだろう?プレジャーを殺して、商品に加えてやる」

クード「商品…?っ‼︎お前、ブローカーか⁉︎」

警備員「ふ、俺はその使いっ走りだがな」

自嘲気味に言うと、再び勢いよく突っ込んでくる。
今度は不意打ちではなかったため、なんとかアンゲルで受け止める。

クード「くっ…」

警備員「そんな小さな武器でよくやるもんだ」

クード「るせぇ!」
451 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:05:31.42 ID:jIaQU5M/O
アンゲルで剣を弾き何とか距離を取ると、周囲を見回す。
アンゲルを使うにあたって一番の利点は上下方向への移動が可能な事だ。

警備員「残念だがこの甲板ではそれの使い途も乏しいようだな」

彼の言う通り、上方が開けているこの空間ではアンゲルの利点を生かしきれない。
警備員は切っ先をクードに向けたままジリジリと詰めてくる。

クード(どうすりゃいいんだ⁉︎この距離じゃ、レンとのリアクトも間に合わない…!どうにかアンゲルでひとっ飛び出来ればっ…)

警備員が距離を詰めるのに合わせて、クードも一歩一歩下がる。
改めて周りを見るが、甲板の端をグルリと囲う手すりしかない。
しかし、アンゲルに収縮機能はなく、あくまでも振子運動を利用した移動がメインだ。
452 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:06:35.85 ID:jIaQU5M/O
警備員「諦めたらどうだ?素直に命を差し出すなら、彼女の航海中の安全は保障しよう。尤も、その後の事は使いっ走りの俺にはどうにも出来んがな」

クード「へっ、使いっ走りごときに降参してたまるかよ」

警備員「口だけは達者だな。だが…それもこれまでの様だ」

そう言うと警備員は剣を一段高く構える。
クードは更に後ずさろうとするが、下ろした腕がカツン、と手すりに触れる。
最早言葉はなかった。何も言わず、ただ剣を振り下ろした。

クード「痛いのは御免だぜ!」

しかしクードは不敵に笑うと、バク転でもする様にそのまま海へと飛び込む。

レン「クー⁉︎」
453 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:07:28.59 ID:jIaQU5M/O
警備員「チッ」

確実に殺せねば、レンの能力を利用できないため、警備員は少し焦る。

警備員「まぁこんな海のど真ん中に落ちたら生きてはいられんだろうが…」

一応、と言った感じで端まで行き海面を確認しようとする。
しかしそこで、彼は手すりに何かが引っ掛かっている事に気付く。

警備員「…っ!アレは!」

クードのアンゲルだった。
すぐに駆け寄り、ロープを切り落としてやろうとしたが、既に遅かった。

クード「レン!リアクトだ!」
454 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:08:20.87 ID:jIaQU5M/O
手すりに腕をぶつけた時に、アンゲルを引っ掛け、充分な長さ分落下した後、勢いそのままにレンのところへと大ジャンプをしていたのだ。

警備員「くっ…」

気付いてすぐにナイフを投擲するが、そこにはもう風の障壁が存在していた。

クード「そんな攻撃、オレとレンに掛かれば屁でもねぇぜ!」

クードが右手を軽く振るうと、警備員は壁に叩きつけられる。すぐに気を失った様だ。

クード「あー…マジで焦ったぜ…。今回ばかりは流石にダメかと思った…」

レン『クー、らしくないね』

クード「ま、勝ったから結果オーライっしょ」
455 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:09:15.70 ID:jIaQU5M/O
リアクトを解くのも忘れてのんびりと談笑していた二人だったが、急にダッダッダッダと複数の足音が聞こえてきた。

クード「な、何だ⁉︎」

レン『もしかしたら、あの人が応援呼んでたのかも…』

直ぐに包囲される二人。全員がハンドガンで武装している。

クード「丁度いいや。あのオッサンだけじゃ物足りなかったんだ!」

リーダーらしき人物の手が振り下ろされると同時、一斉に360度から射撃された。
しかし、リジェクトアウトを展開している二人には一発の弾丸も届かない。
456 : ◆d/8j7bKhKM [sagasage]:2016/10/30(日) 03:10:12.22 ID:jIaQU5M/O
クード「…っても流石にこの状態が続くのはキツイな」

レン『でも、まだ。今動いたら何処か隙間ができちゃうかもしれない。そうじゃなくても連戦だから…』

クード「あぁ、解った。もうちょっと耐えてくれよ、レン」

そうして暫く、相手の銃撃をやり過ごしていた。

クード「ハンドガンの装弾数なんてたかが知れてるから、すぐに隙が出来ると思ったけど…」

レン『順番に入れ替えてるみたいだね』

クード「どうすっかなぁ…。いっそ一か八か飛び出してって…」

クードがしびれを切らしそうになった時、唐突に包囲の一角が崩れた。
正確には、何者かの放つサブマシンガンの弾に倒れた。
457 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:11:19.00 ID:jIaQU5M/O
クード「な、今度は何だよ⁉︎」

フェイ「レンちゃーん!助けに来たわよ!」

そこには、サブマシンガンを手当たり次第に放ちながらフェイが立っていた。
突然の襲撃に、包囲していた警備員たちは標的をフェイに変更しようとする。
しかし、フェイは未だに撃ち続けている為、反撃に出る前に次々と倒れていく。

クード「ちょ、フェイ!こっちにも弾来てるって!」

フェイ「知ったこっちゃ無いわよ!今撃つの止めたらアタシが撃たれるじゃ無い!」

クード「考えてから援護しろよな!」

クードは、未だ残っている一角に風を放つ。
それで粗方片付き、残りはフェイが銃口を向けたら去っていった。
458 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:12:10.17 ID:jIaQU5M/O
フェイ「どう?無事だった?」

クード「寧ろソレで殺されそうだったよ…」

フェイ「あ、レンちゃん。悪いんだけどもう少しそのままで居てくれる?ちょっとあの馬鹿を助けなくちゃいけないから」

レン『スパイク、危険なの?』

クード「まぁさっきの警備員が襲って来た時点で何となく察しはつくけど」

フェイ「アンタ…何か悪いモンでも食べた?」

クード「うっせ!それより、フィロ達は?」

フェイ「あぁ、あの子達は戦えないし足手纏いだから部屋に置いてきたわよ。探すだけならコキ使っても良かったんだけどね、途中で銃声が聞こえ出したから」

クード「…で?こいつら何者なんだ?」

フェイ「まぁそれは追い追い。まずはアタシらの安全も確保しなきゃイケないし」
459 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:14:06.77 ID:jIaQU5M/O
ーーーー
スパイク「なぁ…」

ジェット『何だぁ?』

スパイク「さっきからドンパチ聞こえるんんだけど」

ジェット『俺ぁ何にも聞こえねぇぞ?聞き間違いじゃねぇのか?』

スパイク「そりゃ通信機越しじゃあ聞こえねぇだろうな!」

スパイク「アンタさっき、一件落着したとか言ってなかったか?」

ジェット『あぁ、プレジャーとやらは排除したみたいだぞ』

スパイク「で、すぐまたこれか?」

ジェット『…みたいだな。やれやれ、厄介事が好きな連中だぜ』

スパイク「やれやれ、じゃねぇよ!俺は何時になったらココから出られるんだよ⁉︎」

ジェット『ったく…。助けてもらうことばっか考えるんじゃなくて、ちったぁ自分で逃げ出す事も考えろよ』

スパイク「この檻頑丈過ぎんだよ!このこのこのくぉの!」

ジェット『…大丈夫か?すげぇ息上がってんぞ?』

スパイク「ほっといてくれ…」

ジェット『お前から通信してきたんだがな…』
460 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/10/30(日) 03:15:54.44 ID:jIaQU5M/O
以上です。
取り敢えず、年内は更新出来るか怪しいです。
…ハロウィンだから天国の扉見たかったけど今年は無理そう
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 09:48:17.04 ID:4LnEdDBno
おつ!待ってたぞ!
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/18(金) 06:31:06.06 ID:beP1DpZ2o
463 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/12/13(火) 15:27:29.64 ID:5wg73xRBO
今書いてるんで今年中に何とか投下出来るかもです
…出来ないかもでもあるので生存報告だけでもしときます
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/13(火) 15:40:31.27 ID:wn/Q7RS+o
待ってるぜ
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/14(土) 01:40:24.93 ID:Uf9jdeFKo
保守
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/25(水) 16:27:37.19 ID:1aAbR9kiO
保守
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/30(月) 01:02:37.66 ID:ttocEs22o
ほしゅ
468 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:42:57.21 ID:Vw0M/eZEO
クード「なぁ」

フェイ「何よ」

クード「…この船って朝には港に着くんだよな?」

フェイ「そうね」

クード「それまで待ってからの方が良いんじゃねーの?」

フェイ「何をよ?」

クード「スパイク助けるのをだよ!」

フェイ「何言ってんのよ。着いたら助ける間も無く殺されるわよ」
469 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:43:44.42 ID:Vw0M/eZEO
レン『でも、船員の人達が全員知った上での事だったら…』

クード「全員縛り上げた場合、どうやって港まで行くんだよ?」

フェイ「そんなもん操縦できるやつ1人解いて銃でも突きつけときゃ良いのよ」

クード「それ普通に乗っ取りだよな…」

レン『港にも仲間が居たら…私たちが逆に犯罪者にされるかも』

フェイ「何よ、今更一つ二つの犯罪歴くらい…」

クード「オレやフェイは良くても、フィロやレンは…」

レン『クー、そういう問題じゃないと思う…』
470 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:44:37.53 ID:Vw0M/eZEO
フェイ「…ならバレない様にやるまでよ」

クード「…確かにバレなきゃ問題ないな!」

レン『…出来るの?』

クード「空賊にとってはお手の物よ!」

フェイ「アタシだってこれまで潜入なんて幾らでもこなしてるわよ」

レン『でもクー、私を盗んだ時の空賊の手口って…』ザザッ

ジェット『テメェも潜入なんて最初だけでいつも結局ドンパチしてるだろうが、フェイ』

フェイ「あらやだ、盗み聞き?流石ブラックドッグはやる事が違うわね」
471 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:45:36.12 ID:Vw0M/eZEO
ジェット『落ち着けって。幸い、まだあのバカとの通信もできるんだ。ちゃんと考えてから動いたってーー』

クード「もう遅いみたいだぜ!…行くぞ、レン!」

廊下の先からマシンガンを構えた警備員が数人現れた。
確認する事もなく突然発砲してくる。

ジェット『遅くはーー』

クードは力を使いすぎない様気を付けているのか、弾を弾く事だけに専念する。
その合間にフェイが少しずつ相手の数を減らして行く。

フェイ「アンタまだそんな事言ってんの?向こうはこちらが何者か確認せずに撃ってきたのよ?」

ジェット『…はぁ。お前らがもっと慎重に動いてりゃ…』
472 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:46:55.51 ID:Vw0M/eZEO
フェイ「あーもう!ウダウダうっさいわよ!こっちはなんとかするから事後処理の方法考えといて!オーバー!?」

ジェット『あぁもう滅茶苦茶だ…』

レン『頑張って…』

クード「取り敢えずここは片付いたけど…」

フェイ「この装備、益々怪しいわね。普通、客船の警備兵がこんなもん持ってないわよ」

クード「ま、それでもやるっきゃないんだろ?」

フェイ「て言うかあの馬鹿なら何とかして自力で逃げ出しそうなもんだけど」

ジェット『檻がべらぼうに硬いみたいでな。今もガンガンガンガン暴れてらぁ』

クード「止めさせろよ⁉︎」

フェイ「いえ、逆に好都合だわ。どっかで暴れてる音が聴こえれば見つけたも同然じゃない」

レン『その前にやられなければ良いけど…』

ジェット『まぁ大丈夫だろう』

フェイ「寧ろ警備の奴が不用意に近付けば締め上げて逃げ出すわよ」

クード「スパイクってそんなしょっちゅう捕まってんの…?」
473 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:47:50.26 ID:Vw0M/eZEO
ーーーーーー
スパイク「クッソ!良い加減脚がいてぇぞこれ!」

こそ泥「…アンタ、ここから出たいのか」

スパイク「そりゃもちろん」

こそ泥「俺も手伝うから、頼みを聞いてくれないか」

スパイク「はぁ?」

こそ泥「実は、この下に俺の大事な人が捕らえられてるんだ!」

スパイク「…」

ジェット『おいおい、スパイクよ。まさかこそ泥なんぞに手を貸すつもりじゃないだろうな』

スパイク「まだ何も言ってねぇだろ」
474 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:48:48.20 ID:Vw0M/eZEO
こそ泥「この船は!ブローカーの取引に使われているんだ!港に着いたらもう俺には手が出せない!」

スパイク「既に現状、手どころか足も出ねぇけどな」

こそ泥「だから…頼む!」

スパイク「…悪いな、俺たちも生活がかかってんだ。オタクの事情は解ったが、アンタを引き渡して賞金稼がねぇと明日も肉なし回鍋肉とかになっちまう」

ジェット『それはもうただのキャベツ炒めだ』

こそ泥「…」

スパイク「だが、そのブローカーとやら、恐らく借りがあるんでね。ここの壊滅はやってやろうじゃないの」

こそ泥「…!本当か⁉︎」
475 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:50:10.79 ID:Vw0M/eZEO
ジェット『はぁー…。スパイクよ、頼むから面倒ごとは…』

スパイク「ただし、アンタにはここに居てもらう。だから俺がここから出る手伝いだけをしてくれ」

スパイク「見た所、アンタじゃ戦力になりそうもないしな」

こそ泥「何をすれば良い…?」

スパイク「覚悟さ」

こそ泥「は_____」
476 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:51:12.36 ID:Vw0M/eZEO
そう言うとスパイクは、こそ泥を思い切り殴りつけた。
立ち上がる間も無く、脚を振り下ろす。
襟首を掴み持ち上げる。

スパイク「ほら、早く助け呼ばねぇと死んじまうぞ?」

更に腹へと膝蹴りを繰り出す。
腕を離すと、崩れ落ちそうになる背中を回し蹴りした。
こそ泥は勢いよく鉄格子に突っ込み、物凄い音を立てる。

こそ泥「だ、誰かぁ!助けてくれぇ!こ、殺されぶっ」

言い切る前に頭を踏み付け、鉄格子に押さえつける。

スパイク「お前の所為で俺まで捕まっちまったんじゃねぇか!こそ泥の分際で!」

最早ただの八つ当たりで、こそ泥に蹴りが命中しているのかどうかすら解らないほど、何度も鉄格子を蹴り続ける。
その間も、「た、助けぐぇっ」とこそ泥は叫びを上げる。
477 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:52:54.60 ID:Vw0M/eZEO
ジェット『おい!スパイク!自分が何してるか解ってんのか⁉︎』

スパイク「あぁ!八つ当たり!だよ!この!この!」

異常に気付いたのか警備兵が駆け付けてくる。
その間もずっとガンガンと音は鳴り響いていた。

警備兵「貴様!何をしている!」

こそ泥「た、助けてくれ!どんな所でも良い!こいつと別の牢にしてくれ!殺されちまう!」

スパイク「はぁ⁉︎俺はさっさとテメェを捕まえて!束の間のバカンスを楽しみたかったんだよ!クソっ!」

スパイク「それを台無しにしやがって!畜生!」
478 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:54:35.59 ID:Vw0M/eZEO
警備兵「蹴るのを止めろ!二人とも、格子の間から手を出せ!今から解錠する!」

こそ泥「あ、ありがとう、本当にありがとう…!」ガチャッ

警備兵「ほら、そっちのモジャモジャも早く手を出せ」

スパイク「チッ」

スパイクが格子から腕を出そうとした所で、こそ泥が警備兵の腰から拳銃を抜き取る。

警備兵「貴様!何を____」

するとスパイクは腕をスッと伸ばし、警備兵を締め上げる。
こそ泥は手錠のかかった手で、取り上げた拳銃をスパイクに投げ渡す。

スパイク「ナイスだぜ、こそ泥ちゃん」

警備兵「貴様等っ…」
479 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:55:10.68 ID:Vw0M/eZEO
スパイク「ほら、こっからなら解錠出来ない事はないだろ?」

警備兵「くっ…」

腕を震えるほど伸ばし、何とか鍵穴に差し込む。
ガチャリ、と解錠する。

スパイク「サンクス」

そう言うとスパイクは腕に力を込め、一気に締め上げた。
警備兵は気を失い、その場に倒れこむ。

スパイク「アンタはここで待ってな!この船ジャックしたら戻ってきてやるよ」

そう言って警備兵を牢の中に入れ、鉄格子と手錠で繋いだ。
その後再び牢の鍵を閉め、去っていく。

こそ泥「頼んだ…」
480 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:55:57.76 ID:Vw0M/eZEO
ーーーーーー
ジェット『無茶しすぎだ』

スパイク「結果オーライってヤツさ」

ジェット『あの場でこそ泥が、拳銃をお前に向けていたらどうする気だったんだ』

スパイク「アイツが本気で救いたい人がいるなら、無力な自分より俺に託した方が良いって思うだろ」

ジェット『逃げたいが為の嘘だったら?』

スパイク「そんな覚悟のない奴に遅れを取るほど落ちぶれちゃいねぇさ」

ジェット『ったく…』
481 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2017/01/31(火) 04:56:59.01 ID:Vw0M/eZEO
本日ここまで
長らくお待たせした割に少量でごめんさい
ただ絶対にエタりはしないので…
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/31(火) 12:24:02.48 ID:O9vVZfopo
待ってた
おつおつ
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/07(火) 05:44:27.97 ID:VWqGlipgo
そろそろくるかなー、と
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/19(日) 23:33:41.41 ID:zkxdS4jfo
そろそろー
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/28(火) 12:55:35.32 ID:PEFE86kso
歳末だし忙しいのかね
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/02(日) 21:58:40.40 ID:SzrXegFeo
新年度ですな
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/04(火) 13:53:44.52 ID:O3FMDnc1o
荒巻が仕事してないから落ちないとはいえそろそろ来てほしいところだゾイ
まあ年度始めだからいそがしいとは思うが
488 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2017/04/04(火) 23:59:40.50 ID:Rm8KfUea0
すみません…
とりあえず生存報告だけ…
落ち着いたら書きますんで…
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/05(水) 00:01:45.36 ID:f2stdOYTo
了解
待ってるよ
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/11(火) 17:22:15.80 ID:mJ0g2YzVo
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 02:22:22.48 ID:LSD+vmduo
保守
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 02:21:41.91 ID:EgO7PgKjo
そろそろ
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 10:24:52.35 ID:3H+MeSUPo
保守
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/26(月) 14:50:09.43 ID:hEkdY3YYO
待機
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/03(月) 02:24:45.03 ID:ApzzU+JSo
もうじき三年目か
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 00:19:37.88 ID:71iqaGvuo
このスレが立って早丸二年
三周年おめでとう!
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 00:22:07.29 ID:71iqaGvuo
丸三年だった
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/22(火) 22:55:15.69 ID:D8U43b9hO
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/23(水) 06:02:16.98 ID:e8PCGBSLo
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 21:25:24.52 ID:3xfM4nCOo
上げるな
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