スパイク「七煌宝珠?」

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377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/01(金) 10:51:41.44 ID:g0dbpuzDo
お、来てる来てる
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/11(月) 03:37:25.39 ID:NxCb6BGJ0
殺してみ
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/25(月) 12:31:58.06 ID:sO+ODCq3O
そろそろ
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 00:38:14.58 ID:PvZ8NMC10
乙った?
381 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/05/02(月) 11:56:08.81 ID:fLnKRuBtO
更新頻度低くてすみません
もうしばらくしたら本編投下できると思います
ゴールデンウイーク中にできたらいいな…と
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/02(月) 17:48:49.32 ID:2tR28JCEO
待ってるぞ
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/02(月) 19:10:22.52 ID:3mZrwjXuO
リョーカイ
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/02(月) 19:11:33.13 ID:3mZrwjXuO
ageごめんなさい
385 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/05/06(金) 13:58:25.02 ID:zQmrgOPgO
ーー甲板ーー
クード「なんか新鮮だなぁ…」

レン「クーはずっと船に乗ってたんじゃないの?」

クード「いや、船には違いないんだけどさ、俺たちの乗ってた船は空を飛んでたから…」

レン「海、綺麗…」

クード「そうだな…」

スパイク「なぁ、あいつらやっぱジェットと一緒にし過ぎたんじゃねぇか?」

フェイ「確かになぁんかジジ臭い光景ね…」

フィロ「そうカナ?レンちゃんは元々あんな感じだった気もするけど」
386 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/05/06(金) 13:59:36.41 ID:zQmrgOPgO
フェイ「まぁジジ臭いってレンちゃんには似合わないしねぇ」

スパイク「ババ臭いって言っちまうと何処かの誰かさんの事になるしな」

フェイ「フィロ、アンタなんか言われてるわよ?」

フィロ「アハハ、私じゃないと思うけどなー…」

クード「お前らなぁ‼︎折角良いムードだったんだからどっか他所でやれよ!」

レン「スパイク、ここ禁煙」

スパイク「へーへ、ったく船の上くらいどこで吸ったって変わんねぇだろ…」

フェイ「レンちゃんは気にしてないみたいね」

クード「う、うるせぇ!レン、もう行こうぜ!」
387 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/05/06(金) 14:01:07.36 ID:zQmrgOPgO
レン「クー、私ぷーるに行ってみたい」

クード「へ?この船プールまでついてんの?」

レン「うん、さっきフィロが教えてくれた」

フィロ「お、ナニナニ?プール行く感じ?私も行きたーい」

スパイク「お前も行ってきたらどうだ?いっつも水着みたいなカッコしてんだし」

フェイ「これはファッションよ!全く、年がら年中暑そうなジャケット着てる奴に言われたかないっての」

クード「はぁ…。2人きりにはなれそうもないなぁ」

レン「クー、どうしたの?」

クード「あ、いや!何でもない何でもない!」
388 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/05/06(金) 14:02:40.96 ID:zQmrgOPgO
ジェット『おい、さっきから聞いてたが仕事だって事忘れてねぇだろうな?』

スパイク「はいはい、ちゃんと探ってますよ」

フェイ「取り敢えず怪しいの2人くらい居たかしら」

クード「え、お前らいつの間にそんなん見てたの…」

レン「じゃあその人たちをどうするの?」

スパイク「取り敢えず放っておいて大丈夫だろ。所詮こそ泥レベルの獲物だ」

フィロ「なんか…スパイクさんカッコいいですね!」

スパイク「は?」

フィロ「まぁクーくんには及ばないですケド」

フェイ「ぷっ…はははは!ちょ、フィロちゃん!どっちも無いって!」
389 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/05/06(金) 14:04:46.11 ID:zQmrgOPgO
クード「ねぇ、俺なんもしてないのに何で傷付けられてんの?」

スパイク「俺だって聞きてぇよ…」

ジェット『結局遊んでるだけじゃねぇか…』

スパイク「心配すんなよ旦那。夜には動くさ。クー達に気付かれないように」ボソッ

フェイ「何よ、やっぱりアンタもガキンチョ共に甘いんじゃない」

スパイク「俺はただ足手纏いを増やしたくないだけさ」

フェイ「アタシも足手纏いって言いたいわけ?」

スパイク「何だ、解ってんじゃねぇか」

フェイ「じゃあ精々アンタのお手並み見させてもらうわ。言っとくけど、一切手貸さないからね」

スパイク「上等だ」
390 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/05/06(金) 14:06:09.46 ID:zQmrgOPgO
ーー夜、客室ーー
スパイク「ここか…」

こそ泥「zzz…」

スパイク「何でこいつ寝てんだよ」

こそ泥「…」

スパイク「まぁこっちにゃ好都合だ。さっさと捕まえちまおう」

スパイクが手錠を持ってこそ泥に近付くと、チャキ、という音がする。

スパイク「っ‼︎」

すぐに気付いたスパイクは横に身をかわす。すると、銃声と共に壁に穴があいた。

こそ泥「チッ」

スパイク「へっ、やっぱこうじゃなきゃな」
391 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/05/06(金) 14:07:07.49 ID:zQmrgOPgO
スパイクも拳銃を取り出し相手に向ける。こそ泥はベッドから跳ね起きると、シーツを投げ視界を塞ぐ。同時に2、3発の銃声が響く。

スパイク「クッ…やってくれるぜ」

スパイクも数発応戦しながら、キャビネットに身を隠す。その陰からチラとこそ泥を窺うと、威嚇射撃をしながら扉の方へ走っていた。

スパイク「クソッ待ちやがれ!」

スパイクもすぐに後を追い、扉を開け放つ。すると、こそ泥が廊下の少し先で警備員に取り押さえられている。

スパイク「は?」
392 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/05/06(金) 14:08:04.10 ID:zQmrgOPgO
呆気に取られていると、他の警備員達がスパイクも取り押さえようとする。

スパイク「え、いやどういう事だよ⁉︎」

警備員「安全な船の旅を妨害する輩は牢屋にぶち込んどけって言う決まりなんでね」

スパイク「いや、俺はあいつを捕まえようとしただけだって!」

警備員「結果として銃撃戦が起きたのはお前の所為ってことだろう」

スパイク「はぁ⁉︎なんだそりゃ⁉︎」

警備員「兎に角、目的地に着くまで牢屋に居てもらうからな」

スパイク「ありえねぇ…」
393 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/05/06(金) 14:09:13.75 ID:zQmrgOPgO
ーーーー
スパイク「…と言う訳だ」

ジェット『お前なぁ…。そうやってすぐドンパチするから幾ら稼いでも…』

スパイク「あーはいはいすんませんね」

ジェット『ったく、本当に解ってんのかこの馬鹿は…』

スパイク「それより、この船おかしくねぇか?」

ジェット『あ?』

スパイク「牢屋だぜ?俺が今居るの。それもかなり立派な鉄格子付きの」

ジェット『そう言えば普通に流してたが…妙だな』
394 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/05/06(金) 14:10:21.85 ID:zQmrgOPgO
スパイク「それに、自分で言うのも何だが、数人がかりとは言え俺が警備員如きに取り押さえられたんだぜ?」

ジェット『普通の豪華客船にしちゃあ、ちと警戒し過ぎな気もするな』

スパイク「普通の豪華客船ってのもおかしな響きだけどな…」

ジェット『解った、こっちで調べてみよう』

スパイク「一応日中船内回ったから船の間取りとかも送っとくぜ」

ジェット『…ホントに働いてたんだな』

スパイク「初めっからそう言ってんだろ!」
395 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/05/06(金) 14:11:46.58 ID:zQmrgOPgO
お待たせした割に少なくてすみません
だいぶオリ要素が多くなってきて書くのに難航しておりますので…
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/06(金) 14:12:19.21 ID:NYKjIPgoO
おつ
ゆっくり待ってるよ
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/03(金) 14:05:39.34 ID:9wWdeLE2o
そろそろ一月
398 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/06/06(月) 17:43:09.34 ID:HhZFygFoO
もうちっとだけ待ってください
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/06(月) 21:15:15.96 ID:uyIO1rxgo
了解
400 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 17:46:15.92 ID:J4SQBi/MO
ー甲板ー
グレイアーツ「なんだぁ?」

ココウェット「なぁに?どうしたのグレイアーツ君?」

グレイアーツ「いや、流石にそろそろ『仕事』すっかなーって思ったんだけどよ」

ココウェット「だからレーダーみてたのね」

グレイアーツ「それがおかしいんだよなぁ。ここ、この一箇所にすげぇ数のエディルレイドが集まってんのよ」

ココウェット「あ、でもぉ、ここに一個だけ離れてるのあるよ?」

グレイアーツ「お、マジじゃん。じゃあ取り敢えずコイツ襲っとくか」

ココウェット「あはっ♪さっさと片付けて2人で船旅楽しもーよ♪」

グレイアーツ「えぇー、俺潮風嫌いなんだけど…」

ココウェット「もう!じゃあディナーに連れてってね!」

グレイアーツ「へいへい、じゃあいっちょやりますか」
401 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 17:47:31.82 ID:J4SQBi/MO
ー客室ー
クード「なぁー、スパイクの奴は何処行ったんだ?」

フェイ「うっさいわね!知らないわよあんなヤツ!」

クード「な、何怒ってるんだ…」ヒソヒソ

フィロ「さ、さぁ…?」ヒソヒソ

フェイ「ちょっとそこ!聞こえてんのよ!」

レン「…zzz」

フェイ「って言うかクー、アンタ何でここに居んのよ?」

クード「だってよ、スパイクが居ないと俺の部屋独りじゃん?」

フェイ「寂しいとかガキみたいな事言うんじゃないでしょうね」

クード「違ぇよ!俺もレンも一応命狙われてるんだから、独りになるのはどうなのかって思っただけだって」

フィロ「もークー君。寂しいって素直に言えば私が一緒に居てあげるのにナー」

クード「だから違うってぇの!」
402 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 17:48:23.86 ID:J4SQBi/MO
フェイ「レンちゃんが心配なんでしょ」

クード「は、はぁ!?別にそんな事言ってねぇだろ!」

レン「…違うの?」

フェイ「あら、レンちゃんおはよう」

レン「おはよう。…それで、クー、どうなの?」

クード「いや、なんて言うか、その…」

クードが言い淀んでいると、扉が突然吹き飛ばされた。

グレイアーツ「クードヴァンジルエット!悪いがその命頂くぜ!」

その場にいる全員が固まる。

グレイアーツ「あれ…?俺なんか間違えたか?」

ココウェット『なんか取り込み中だったみたいだケドー、グレイアーツ君は悪くないって!』
403 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 17:51:43.33 ID:J4SQBi/MO
クード「あ、アンタら何モンだ…?」

グレイアーツ「言わなきゃわかんねーワケ?」

ココウェット『アンタ見た目通りイケてないんだねー』

クード「なんかムカつくなアイツ…」

フェイ「同感ね。あのキャピキャピした感じ最っ高にムカつくわ」

ココウェット『妬いてんのー?オバサン』

フェイ「オバッ⁉︎チョーシこいてんじゃないわよ…」

グレイアーツ「ま、兎に角死んでもらうぜ!」

グレイアーツがココウェットを振るうと、衝撃波がクードに襲い掛かる。

クード「クソッ!」

寸での所で回避するが、勢い余って転倒する。

クード「レン!リアクトを!」

転がった勢いのままレンの元へと辿り着くと即座にリアクトする。

グレイアーツ「へぇ…それが七煌宝珠か」
404 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 17:52:43.08 ID:J4SQBi/MO
クード「お前らが何者かは知らねぇけどさ、レンを狙ってるって言うなら手加減はしねぇぞ」

グレイアーツ「お前はレヴェリーメザーランスの力ではなく、彼女を守りたいんだな?」

グレイアーツは構えを解き、両手を広げてクードに歩み寄る。

クード「だったらなんだよ?」

グレイアーツ「いやね、俺が上から言われてんのはレヴェリーメザーランスを使えるようにして回収する事なんだわ」

グレイアーツ「つまり、俺が所属しているオルガナイトってぇ組織は、その娘の力さえ手に入れば良いワケよ」

クード「だから!俺を殺してレンを攫うんだろ?そんなのはいそうですかって言えるか!」

グレイアーツ「話は最後まで聞こうぜ、クードヴァンジルエット」

フェイ(何か胡散臭いわね、このチャラ男…)

すると突然、グレイアーツはココウェットととのリアクトを解く。
405 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 17:53:58.56 ID:J4SQBi/MO
グレイアーツ「そこで、だ。レヴェリーメザーランスの力だけ譲渡してくれりゃあ、皆シアワセになるとは思わねぇか?」

クード「力…だけ?」

グレイアーツ「そ、力だけ。エディルレイドの力ってのはこんな核石に宿ってんだよ」

グレイアーツはココウェットの胸元を捲る。そこには紫色で三日月を歪めた様な形の石が、皮膚と一体化していた。

ココウェット「いやぁーん、グレイアーツ君以外に見られたくないのにぃ」

グレイアーツ「つまりだな、そこの嬢ちゃんの石だけ貰えりゃこちらとしては任務完了ってワケよ」

グレイアーツ「お前を殺して無理矢理連れてったとしても、メザーランスが素直に従うわきゃねぇから、どっちにしろリサイクルの必要はあるだろうしな」

クード「で、でもそんな事…」
406 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 17:55:55.84 ID:J4SQBi/MO
グレイアーツ「お前らにだってメリットはあるんだぜ?メザーランスから力が失われれば、余計な追手から逃げる必要もなくなるし、本来人間より長生きしちまうエディルレイドが人間と同じ様に歳を取る事になる。つまり、アンタ等が一生添い遂げる事ができるワケだ」

クード「…」

グレイアーツ「それとも何か?彼女を守りたい、なんてのは建前で、本当は力が欲しいだけか?」

クード「そんな訳ねぇだろ!例えレンがただの女の子でも守りたいと思ったさ!」

グレイアーツ「なら良いじゃねぇか」

ココウェット「そーそ、これはグレイアーツ君の優しさなんだからね!本気でやりあったらアンタなんて2分ももたないわよ」

クード「…そう、なのかな…」

クード(レンの力を使いこなせてないってのは確かだし、力がなくなればレンも人間に迫害されたり、誰かに追い回されたりする事もなくなる…)
407 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 17:58:40.80 ID:J4SQBi/MO
レン『クー、ダメだよ』

クード「レン…でもさ、俺これ以上レンを危険な目に遭わせたくない」

レン『力を取り除けば、私は安全かもしれない。でも、私の力で他の人を傷付けたくない』

クード「…そっか」

レン『うん。だから、2人で一緒に私の力も、私も、クーも、皆も、纏めて守ろう?』

クード「へへっ、そうだな!それくらい貪欲な方が、このクードヴァンジルエット様に相応しいぜ!」

グレイアーツ「どうやら交渉決裂、みたいだな…ココ!」

ココウェット『もぅ、始めっからこうすれば良かったのにぃ。グレイアーツ君ってばお人好し♪』

クードとレンの間で話が纏まったところで、再び場に緊張が戻る。
クードが駆け出すと同時に、グレイアーツとココウェットも再リアクトしていた。

グレイアーツ「もう手加減は無しだぜ!」

グレイアーツが衝撃波を発生させると、真っ直ぐ突っ込んでいたクードは避ける事が叶わず、レンで受け止める。
408 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:00:00.96 ID:J4SQBi/MO
グレイアーツ「俺はただ一人の聴客の為に、この歌をうたう!」

そう言うと、グレイアーツとココウェットが詠唱を始める。しかし、その音は人間の出す音域を超えていた。

クード「ぐっ…なんだよこれっ…!」

レン『多分っ、あのエディルレイドがプレジャーの歌声を増幅させてる…』

クードは堪え切れず両耳を塞ぐが、それでも芳しい効果は得られない。

クード「クソッ、このままじゃ相手の攻撃をもろに食らっちまう‼︎」

レン『取り敢えず、この狭い船室じゃ不利だから、外に出よう?』

クード「幸い、この騒音の所為で窓は割れてるしなっ…」

クードは割れた窓から外に飛び出す。当然外は海が広がるばかりだが、海面に向けて風を起こし、甲板に着地する。

クード「ここまで響いてきやがるぜチクショウ」
409 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:01:15.49 ID:J4SQBi/MO
と、そこで唄が止む。

クード「追ってくるか…ッ⁉︎」

グレイアーツ達が、クード達と同じ様に甲板に来る。

グレイアーツ「広いとこに逃げれば避けられるとでも思ってんのか?」

ココウェット『もう最ッ高!グレイアーツ君の歌でぇ、この船もメロメロになっちゃってるよ〜』

先ほどの歌の影響で、操舵系の機械に故障が出たのか、船の挙動がおかしくなっている。

クード「ケッ。そんな歌如きで俺たちがやられるかよ」

レン『うん、私達なら大丈夫』

グレイアーツ「中々の自信じゃねぇの。んじゃ一丁見せてもらうぜ、メザーランスの力!」

ココウェット『言っとくけどぉ、次は逃げらんないからね?』

再びグレイアーツがココウェットを水平に構える。
410 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:02:12.75 ID:J4SQBi/MO
クード「リジェクトアウト!」

クードの周囲に風の鎧が現れる。その中で詠唱を始めるクード。

グレイアーツ(俺の歌が効いてない?風で受け流してるってワケか)

グレイアーツ「なら良いぜ!単純な力比べといこうじゃねぇか!」

グレイアーツ「サーバスレンジ‼︎」

クード「ノトスコード‼︎」

2人は同時に攻撃を繰り出す。お互いの攻撃がぶつかり合うと激しい衝撃が周囲に広がった。

クード「クッ…」

グレイアーツ「どうしたぁ‼︎七煌宝珠ってのはそんなモンか⁉︎」

クードとレンの攻撃は僅かに押し負けていた。ノトスコードで相殺しきれなかった分の衝撃波がクードを襲う。
411 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:04:14.68 ID:J4SQBi/MO
レン『大丈夫。クー、信じて』

風の鎧でも受け流しきれなかった為、クードは数メートル後ろに押されるが、ギリギリで持ち堪える。

クード「ありがとう、レン」

グレイアーツ「おいおいマジかよ…」

ココウェット『でもでもぉ、結構ギリギリなカンジだしぃ?次で決めれちゃうよ!』

クード「…これ以上やったら本当に船が沈むんじゃね?」

何とか攻撃は受け流したが、船体へのダメージが大きく、また衝撃によって船が揺れていたため、浸水し始めてもおかしくない状況だった。

レン『うん、でもあの人達はこっちが攻撃しなくたって歌い続けるよ』

クード「クソッ!やるっきゃねぇのか!」

クードはヤケクソ気味に叫ぶと、既に詠唱を始めているグレイアーツ達目掛けて走り出す。しかし、クードはあと一歩間に合わず、グレイアーツの詠唱が終わる。
412 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:06:13.47 ID:J4SQBi/MO
グレイアーツ「ったく、つまんねぇ終わり方だなぁおい!」

眼前にまで迫っていたクードに、ココウェットを振り下ろす。

レン『クー!』

クード「うおりゃぁあ!」

レンの声と共にクードは左手を振るった。ココウェットの攻撃は相殺されることなく繰り出される。

グレイアーツ「なん、だ…?」

しかし、グレイアーツとココウェットの全力はクードも船体も傷つけてはいなかった。代わりに、海水が巻き上がり、船上に飛沫を撒き散らしていた。

クード「へへッ、これ以上暴れられちゃ困るからな」

よく見ると、グレイアーツの右手にはロープが巻き付いていた。
クードが、攻撃を受ける寸前に振るったのはレンを持っている右手ではなく、アンゲルを格納してある左手だった。
413 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:07:39.67 ID:J4SQBi/MO
クード「覚悟しやがれ…」

攻撃を受け止めるのではなく、アンゲルによって腕を引っ張り、攻撃を逸らしたのだ。その間に詠唱は済んでいた。

クード「ゼフィロスアート‼︎」

グレイアーツ「グ…ッ!」

咄嗟に防御をするが、ゼロ距離でまともに食らったため、船外へと吹き飛ばされる。

グレイアーツ「クソッ…」

吹き飛ばされる直前、グレイアーツはリアクトを解き、ココウェットを船の上へと投げ飛ばす。

ココウェット「きゃっ!グレイアーツ君⁉︎」

既に彼はその直後に気を失っていたが、その頬には薄っすらと笑みが浮かんでいた。

クード「レン!頼めるか?」

レン「ゴメンね、クー…も…無理…zzz」
414 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:09:18.74 ID:J4SQBi/MO
リアクトが解けて眠ってしまったレンを、その場に寝かせクードは駆け出す。
しかし、行く手にココウェットが立ちはだかる。

ココウェット「何するつもりよ?」

グレイアーツと居た時には考えられないほど、非常に厳しい表情をしている。

クード「何って、お前のプレジャー、このままじゃ溺れちまうだろ!」

ココウェット「自分でやっておいてよく言うわね」

吐き捨てるように言うと、ココウェットが殴りかかってくる。

クード「ちょ、待てって!助けなきゃ!本当に死んじまうぞ⁉︎」

リアクトをしていない彼女の腕力は、年頃の少女のそれと変わらず、大した威力のない拳がクードの胸をポカポカと叩くだけだった。

ココウェット「うるさいわね!助けたところで、彼はもう処分されちゃうのよ!オルガナイトに‼︎」

クードは、そのまま拳を受け続ける。
もう彼には立ち尽くすしかなかった。
415 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:11:38.60 ID:J4SQBi/MO
ココウェット「任務失敗した時点で!私も彼も処分されるのは決定なのよ!それを、せめて私だけでも助けようと…」

ガクッとその場に泣き崩れるココウェット。
クードは、ただただ、グレイアーツが飛ばされていった方角の海を眺める。

ココウェット「どうせ私も…生きているのがバレたらオルガナイトに消されるわ…。最悪、石だけ持って行かれてリサイクルされるんでしょうね…」

クード「そ、それなら命だけは助かるんじゃないのか?」

ココウェット「私はオルガナイトで改造を受けてるから、石が離れたらその場で死ぬのよ」

その時、レンが眠気を無理矢理抑えながら、と言った感じで立ち上がる。

レン「なら、私達と一緒に来ればいいわ」

クード「エェ⁉︎レンさん?この人俺たちを狙ってた刺客だって解ってます…?」

レン「クー、もう彼女に戦う力はないわ。それに、私達もオルガナイトに狙われてるっていう立場は一緒だし」

クード「そ、そりゃそーだけどよ…」
416 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:12:51.91 ID:J4SQBi/MO
ココウェット「彼を殺した張本人と仲良くしろって?」

レン「別に仲良くする必要はないわ。私達だって貴女と打ち解けられるか解らないし。ただ、一緒に来て、必要な時にお互いの力を借りるだけ」

クード「うーん…それもアリ…なのか?いやいや…でもなぁ…」

レン「それに、まだ彼だって死んだとは限らない。そのおるがないとって言う所がどういう所か解らないけれど、もしかしたら命までは取らないかも知れないし」

ココウェット「彼が生きていたら裏切るかもしれないわよ?」

レン「大丈夫、その時はまた私達が倒すから。ね、クー?」

クード「おうよ!ってアレ、もうその方向で決定なのか?」

レン「それに、私達がもしおるがないとを倒したりしたら、貴女達も追われる心配から解放されるわ」

クード「…え?なんか段々話が壮大になってきてね?」
417 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:14:03.02 ID:J4SQBi/MO
ココウェット「…解った。じゃあグレイアーツ君を見つけるまで、貴方達を利用させてもらうわ」

クード「えぇー…これから毎日暗殺の恐怖と戦いながら生きていくのか…?」

レン「彼女が居なくてもそれは変わらないと思う…」

ココウェット「そうね、オルガナイトは貴方を殺そうと躍起になってるから」

クード「…俺そんな危険な状況だったの?」

ココウェット「解ったらこれからは安易にバニーちゃんとかに寄って行かないことね」

クード「なっ⁉︎ななな、何でそんな事…俺のトップシークレットな情報なのに…」

レン「…バニーちゃん?」

クード「いや、違うんだレン!こ、これはだな…」
418 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/06/08(水) 18:16:01.71 ID:J4SQBi/MO
フェイ「静かになったからどうしたのかと見に来てみれば…どうして敵の女の子とイチャついてんのよ、このガキんちょ」

フィロ「…!もークー君ってば、やっぱりモテるのかぁ〜。ライバル増えちゃったなぁ…」

ココウェット「…さっきも気になってたけど」

フィロ「私フィロって言います!よろしくね!」

フィロ「…貴女の事は報告しない。代わりに…」ボソボソ

ココウェット「…余計なことしなければ、私も余計な事言わないわ」ボソボソ

ココウェット「えぇ、よろしく」

フェイ「何でこっちのガキもスッと受け入れてんのよ…」
419 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/06/08(水) 18:18:31.88 ID:J4SQBi/MO
お待たせでした。
今回はココまで。
グレイアーツ君は倒したけれど豪華客船編はまだ続きます。
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/08(水) 18:33:28.72 ID:nv/zN+hpO
おつおつ
421 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/07/04(月) 01:16:32.29 ID:yf45KujFO
ごめんなさい
今月は忙しくて書けてないです
来月は投下できるように頑張ります…
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/04(月) 10:38:03.53 ID:ca1I79YEO
了解
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/07/06(水) 21:15:44.25 ID:hBtoPCdoo
まってる
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/06(水) 21:24:34.07 ID:5Q5b+KwmO
>>423
頼むからageないでくれ
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/19(火) 20:30:38.33 ID:LFslOWYko
このスレが立って今日で丸二年か
二周年おめでとう!
426 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/07/20(水) 01:55:18.14 ID:XX6I4z1kO
うわっ
そんな経ちますか…
長い事お付き合いいただいている皆さんありがとうございます
久々に軽くオマケだけ…

ーーおまけーー
スパイク「なぁ旦那」

ジェット「あ?どうした」

スパイク「アンタは年上派か?年下派か?」

ジェット「…急に何だ?頭でも打ったのか?」

スパイク「女の好みの話だよ。男同士、たまにはこう言う下世話な話もいいだろ」

ジェット「お前と上品な会話をした覚えがないがな」

スパイク「それ誰かと勘違いしてるぜ」

ジェット「はぁ…で?女の好みがどっちかって?俺ぁ断然年下だな」

スパイク「…ろr」

ジェット「違う!年下って言っても自分の年齢より2、3歳下くらいだ」

スパイク「へぇ、そりゃまた何でだ?」

ジェット「まず余り歳が離れていると一緒にいても疲れる。年上だと、多少気を使ってしまいこれまた疲れる」

スパイク「…要するに一緒にいて楽なのが年下だと」

ジェット「あぁ」
427 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/07/20(水) 02:13:00.17 ID:XX6I4z1kO
ジェット「そういうお前はどうなんだ?」

スパイク「どちらかと言われるとどちらでもなかったんだが…」

ジェット「?」

スパイク「同い年が一番気を許せるかな、と思っていたんだ、昔は」

ジェット「今は違うのか」

スパイク「あぁ、ここ数年は年下ばかりの環境に身を置いているからな…」

ジェット「…まぁな。フェイは扱いが難しいが、他はエドにレンにフィロ、か…」

スパイク「そんな環境下で俺は年上派だったんだと気付いたよ」

ジェット「…そうか。だがスパイク、冷静になれ」

スパイク「ん?」

ジェット「お前にとっての年上って言えば、もうアラフォー間近、いや突入しちゃってるんじゃねぇか?」

スパイク「…旦那、アンタの好み最高だぜ。心から共感した」

ジェット「それで良いのか、お前…?」
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/20(水) 06:38:57.67 ID:agF91djfo
おつ
429 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:51:18.70 ID:uO8khG9iO
フェイ「で?またアンタはオンナノコを引っ掛けて来たってワケぇ?」

クード「説明聞いてなかったのかよ⁉︎」

ココウェット「私はグレイアーツ君一筋だしぃ」

フィロ「なんだかボケ担当の人ばっかりでツッコミが追い付いてないネ…」

クード「俺の境遇解ってくれるのはフィロだけだよ…」

レン「…」クイクイ

クード「ん?どうしたんだ、レン?」

レン「……。なんでもない」
430 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:52:17.28 ID:uO8khG9iO
フェイ(なぁんか甘ったるい空気になってるわね…)

ココウェット(いや、それくらいワカンでしょ!何コイツ、グレイアーツ君より朴念仁⁉︎)

フィロ「たははは…クー君今のは流石に…レンちゃんどっか行っちゃったし…」

クード「え?俺なんかやらかした⁉︎」

ココウェット「アンタまだ気付いてないわけぇ⁉︎信じらんない…あの娘可哀想になってきたわ…」

クード「えぇー…そんな事言われたってさぁ…」

フェイ「良いからさっさと行きなさいよこの馬鹿!」

クード「うぇえ⁉︎なんで怒られてんの⁉︎」
431 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:53:17.27 ID:uO8khG9iO
フェイ「ったく…。そう言えば、もう一人の馬鹿はどうしてんのかしら」

フィロ「んん?…あー!スパイクさんの事!」

ココウェット「言われてみれば、聞いてたより1人少ないわね」

フェイ「そっちの馬鹿はヘマして捕まってんのよ…」

ココウェット「捕まってるって、この船で?」

フェイ「えぇ、しょーもない賞金首捕まえようとして衛兵に捕らえられたのよ」

フィロ「でもおかしな話だよネー?スパイクさんは寧ろ、この船をその賞金首さんから未然に守ろうとしてたわけなのに…」

ココウェット「で?捕まった後は何処に連れて行かれたの?」
432 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:53:54.61 ID:uO8khG9iO
フェイ「それがまた変なのよね…。最下層の牢屋に捕らえられてるって」

ココウェット「最下層、ねぇ…」

フィロ「何か思い当たる事でもあるの?」

ココウェット「いや、ちょっとね。私達が貴女達を襲撃する時にどうやって居場所突き止めたと思う?」

フェイ「そりゃあ明るいうちから探し回ってたんじゃない?」

ココウェット「夜を選んだのは邪魔が入りにくい様にする為。それに、貴女達の外見的特徴は軽くしか教えられていないから大人数の中から見つけ出すのは不可能ね」

フィロ「…その話、今関係あるのかなー?」
433 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:54:49.14 ID:uO8khG9iO
ココウェット「大ありよ。実はエディルレイドだけに反応するレーダーを使ったの」

フェイ「へぇ、そんな便利なものがあんのね〜…」

ココウェット「ここからが本題。実はその時、レーダーにはレヴェリーメザーランス以外に無数のエディルレイドの反応があったの」

フェイ「…?」

ココウェット「それでも、そんな中からレヴェリーメザーランスを見付けられたのは、そのエディルレイド達が一箇所に集まっていたからよ」

フィロ「…まさか」

ココウェット「この船の最下層、貴女達のお仲間が捕まってる所にね」
434 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:55:44.12 ID:uO8khG9iO
フェイ「…どういう事よ?」

ココウェット「恐らく、この船は表向きは豪華客船だけど、それは違法にエディルレイドを取引する為のカムフラージュって事」

フィロ「イリーガルな事してるからやけに強い衛兵さんだとか牢屋だとかがある、って考えたら、確かに矛盾は無いカモ?」

フェイ「つまり何、あの馬鹿は結構な窮地ってワケ⁉︎」

ココウェット「予想通りならね。それに、私とグレイアーツ君が知らされてないとなるとオルガナイトは関与していないって事でもある。だから、レヴェリーメザーランスについても最悪邪魔なら消せってなるかもね」
435 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/08/15(月) 07:56:55.34 ID:uO8khG9iO
フェイ「…チッ。折角面倒事が一個片付いたと思ったらもっと面倒になってんじゃないのよ!何でこう男って余計なトラブルばっか持ち込むのかしら…」

フィロ「えーと…もしそうだとするなら、クー君達も結構ヤバくないかな?さっきの騒ぎで多分警戒態勢になっちゃってるんじゃ…」

フェイ「ったくどいつもこいつも‼︎何だってのよ⁉︎ほら、ボサッとしてないでアイツら探すわよ‼︎」

ココウェット「何だか報告にあったのと大分違うのね。少しだけ…羨ましい」

フェイ「なに、何か言った?」

ココウェット「何でもないわよ」

フィロ「…」
436 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/08/15(月) 08:04:03.72 ID:uO8khG9iO
本日ここまで
オマケその頃の2人
ーーーー
スパイク「…ったく、いつ出られるんだこれ?」

ジェット『まぁ、クー達も一件落着した様だし、そろそろ救出してくれるんじゃねぇのか?』

スパイク「はぁ…折角の豪華客船だってのに牢屋で過ごすなんて予想してなかったぜ」

ジェット『お前は今回役に立ってねぇんだ、諦めろ』

スパイク「少なくとも新たな盗みが出ることは防いだだろ」

ジェット『一緒に捕まってちゃ世話ねぇがな』

スパイク「女子供への優しさを少しは俺にも分けて欲しいぜ…」

ジェット『なら優しくしたいと思える振る舞いをしてくれ』

スパイク「…取り敢えずロリっぽい格好すればいいのか?」

ジェット『そんなおぞましいものは冷蔵庫に閉じ込めて宇宙に捨てる』

スパイク「アレと同じ扱いかよ…」
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/15(月) 11:02:49.47 ID:iqUsRiTHo
おつおつ
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/16(金) 16:23:06.15 ID:5nb9fHVrO
待機
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 17:50:45.81 ID:qu14ejV7O
そろそろ
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 23:57:28.27 ID:R/4hXr8Lo
そろそろー
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/17(月) 14:42:29.95 ID:BKx0Vb0CO
おーうい
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/22(土) 14:07:53.16 ID:uJxIOaLHO
おうーい
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/24(月) 18:14:28.58 ID:fJeWVfjWO
はよー
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 18:00:10.32 ID:hXsAcu9gO
はーよー
445 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:00:34.00 ID:jIaQU5M/O
何か色々ありまして…
私情を挟むべきではないと思いますので謝罪だけはさせていただきます…
スレ建て当初の気持ち通り、時間は掛かっても完結はさせたいと思います…
顔も出せず申し訳なかったです…
とりあえず少しだけ投下してきます…
446 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:01:12.32 ID:jIaQU5M/O
レン「……」

クード「なぁ、レン。何が嫌だったのか言ってくれなきゃ解んないぜ」

レン「わからない」

クード「?」

レン「私にも…わからないの。何でクーにあんな態度とっちゃったのか」

クード「…そっか」

レン「うん」

クード「なら、それは後で考えれば良いか。兎に角戻ろうぜ」

レン「…うん」
447 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:02:03.45 ID:jIaQU5M/O
警備員「ちょっとそこのキミ達、さっき物凄い音が聞こえたんだけど何か知らないかな?」

クード「へ?あー…」

クード(これって俺らのせいってバレたらやっぱ不味いよなぁ…)

レン「少し喧嘩してただけだから大丈夫」

警備員「喧嘩?それにしちゃ船全体が揺れるくらいの衝撃だったけど」

クード「いや、あのーほら、ちょっと火薬持ってる奴がいて…」

警備員「それはキミの知り合いかい?そんな危険人物は放っておけないから何処にいるか教えてくれないか」

クード「えっ⁉︎」

警備員「ん?何か問題があるかな?それとも…嘘でもついたのかな?」

クード「いやぁ…なんってーか、その…」
448 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:02:41.95 ID:jIaQU5M/O
レン「待って!クーは多分私の為に嘘をついたの…」

警備員「ほう…君の為に、ね」

レン「実は…私はエディルレイドなの」

クード「レン⁉︎」

レン「さっきも私の力を奪おうと襲われて、それを撃退しただけで…」

警備員「…エディルレイドか。可哀想に…そんな身分でなければ…」

クード(あれ、何かイイ感じ?)

警備員「こうして俺もお前らの前に立ちはだかる必要もなかったんだがな」
449 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:03:29.38 ID:jIaQU5M/O
そう言うと、警備員は腰に提げた警棒の柄を強く引っ張った。
キラリと月明かりを反射したと思った時にはクードの前髪を数センチ切り落としていた。

クード「な、なななな何だ⁉︎」

警備員は警棒に刀を仕込んでいたのだ。それを抜くと同時にクードに斬りかかっていた。
クードは、突っ込んでくる警備員の勢いに驚いて尻餅を着いたことで、辛うじて回避できたのだった。

レン「クー!」

警備員「リアクトされると面倒だ」

警備員は懐からナイフを取り出すと、レンにめがけて投げつける。
1つも命中はしないが、レンの服を掠めて行くことで、レンの身動きを封じてしまった。
450 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:04:17.84 ID:jIaQU5M/O
警備員「誰が貴様らを襲ったのかは知らんが、誰かに狙われるという事はそれなりに希少価値のある石なのだろう?プレジャーを殺して、商品に加えてやる」

クード「商品…?っ‼︎お前、ブローカーか⁉︎」

警備員「ふ、俺はその使いっ走りだがな」

自嘲気味に言うと、再び勢いよく突っ込んでくる。
今度は不意打ちではなかったため、なんとかアンゲルで受け止める。

クード「くっ…」

警備員「そんな小さな武器でよくやるもんだ」

クード「るせぇ!」
451 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:05:31.42 ID:jIaQU5M/O
アンゲルで剣を弾き何とか距離を取ると、周囲を見回す。
アンゲルを使うにあたって一番の利点は上下方向への移動が可能な事だ。

警備員「残念だがこの甲板ではそれの使い途も乏しいようだな」

彼の言う通り、上方が開けているこの空間ではアンゲルの利点を生かしきれない。
警備員は切っ先をクードに向けたままジリジリと詰めてくる。

クード(どうすりゃいいんだ⁉︎この距離じゃ、レンとのリアクトも間に合わない…!どうにかアンゲルでひとっ飛び出来ればっ…)

警備員が距離を詰めるのに合わせて、クードも一歩一歩下がる。
改めて周りを見るが、甲板の端をグルリと囲う手すりしかない。
しかし、アンゲルに収縮機能はなく、あくまでも振子運動を利用した移動がメインだ。
452 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:06:35.85 ID:jIaQU5M/O
警備員「諦めたらどうだ?素直に命を差し出すなら、彼女の航海中の安全は保障しよう。尤も、その後の事は使いっ走りの俺にはどうにも出来んがな」

クード「へっ、使いっ走りごときに降参してたまるかよ」

警備員「口だけは達者だな。だが…それもこれまでの様だ」

そう言うと警備員は剣を一段高く構える。
クードは更に後ずさろうとするが、下ろした腕がカツン、と手すりに触れる。
最早言葉はなかった。何も言わず、ただ剣を振り下ろした。

クード「痛いのは御免だぜ!」

しかしクードは不敵に笑うと、バク転でもする様にそのまま海へと飛び込む。

レン「クー⁉︎」
453 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:07:28.59 ID:jIaQU5M/O
警備員「チッ」

確実に殺せねば、レンの能力を利用できないため、警備員は少し焦る。

警備員「まぁこんな海のど真ん中に落ちたら生きてはいられんだろうが…」

一応、と言った感じで端まで行き海面を確認しようとする。
しかしそこで、彼は手すりに何かが引っ掛かっている事に気付く。

警備員「…っ!アレは!」

クードのアンゲルだった。
すぐに駆け寄り、ロープを切り落としてやろうとしたが、既に遅かった。

クード「レン!リアクトだ!」
454 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:08:20.87 ID:jIaQU5M/O
手すりに腕をぶつけた時に、アンゲルを引っ掛け、充分な長さ分落下した後、勢いそのままにレンのところへと大ジャンプをしていたのだ。

警備員「くっ…」

気付いてすぐにナイフを投擲するが、そこにはもう風の障壁が存在していた。

クード「そんな攻撃、オレとレンに掛かれば屁でもねぇぜ!」

クードが右手を軽く振るうと、警備員は壁に叩きつけられる。すぐに気を失った様だ。

クード「あー…マジで焦ったぜ…。今回ばかりは流石にダメかと思った…」

レン『クー、らしくないね』

クード「ま、勝ったから結果オーライっしょ」
455 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:09:15.70 ID:jIaQU5M/O
リアクトを解くのも忘れてのんびりと談笑していた二人だったが、急にダッダッダッダと複数の足音が聞こえてきた。

クード「な、何だ⁉︎」

レン『もしかしたら、あの人が応援呼んでたのかも…』

直ぐに包囲される二人。全員がハンドガンで武装している。

クード「丁度いいや。あのオッサンだけじゃ物足りなかったんだ!」

リーダーらしき人物の手が振り下ろされると同時、一斉に360度から射撃された。
しかし、リジェクトアウトを展開している二人には一発の弾丸も届かない。
456 : ◆d/8j7bKhKM [sagasage]:2016/10/30(日) 03:10:12.22 ID:jIaQU5M/O
クード「…っても流石にこの状態が続くのはキツイな」

レン『でも、まだ。今動いたら何処か隙間ができちゃうかもしれない。そうじゃなくても連戦だから…』

クード「あぁ、解った。もうちょっと耐えてくれよ、レン」

そうして暫く、相手の銃撃をやり過ごしていた。

クード「ハンドガンの装弾数なんてたかが知れてるから、すぐに隙が出来ると思ったけど…」

レン『順番に入れ替えてるみたいだね』

クード「どうすっかなぁ…。いっそ一か八か飛び出してって…」

クードがしびれを切らしそうになった時、唐突に包囲の一角が崩れた。
正確には、何者かの放つサブマシンガンの弾に倒れた。
457 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:11:19.00 ID:jIaQU5M/O
クード「な、今度は何だよ⁉︎」

フェイ「レンちゃーん!助けに来たわよ!」

そこには、サブマシンガンを手当たり次第に放ちながらフェイが立っていた。
突然の襲撃に、包囲していた警備員たちは標的をフェイに変更しようとする。
しかし、フェイは未だに撃ち続けている為、反撃に出る前に次々と倒れていく。

クード「ちょ、フェイ!こっちにも弾来てるって!」

フェイ「知ったこっちゃ無いわよ!今撃つの止めたらアタシが撃たれるじゃ無い!」

クード「考えてから援護しろよな!」

クードは、未だ残っている一角に風を放つ。
それで粗方片付き、残りはフェイが銃口を向けたら去っていった。
458 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:12:10.17 ID:jIaQU5M/O
フェイ「どう?無事だった?」

クード「寧ろソレで殺されそうだったよ…」

フェイ「あ、レンちゃん。悪いんだけどもう少しそのままで居てくれる?ちょっとあの馬鹿を助けなくちゃいけないから」

レン『スパイク、危険なの?』

クード「まぁさっきの警備員が襲って来た時点で何となく察しはつくけど」

フェイ「アンタ…何か悪いモンでも食べた?」

クード「うっせ!それより、フィロ達は?」

フェイ「あぁ、あの子達は戦えないし足手纏いだから部屋に置いてきたわよ。探すだけならコキ使っても良かったんだけどね、途中で銃声が聞こえ出したから」

クード「…で?こいつら何者なんだ?」

フェイ「まぁそれは追い追い。まずはアタシらの安全も確保しなきゃイケないし」
459 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2016/10/30(日) 03:14:06.77 ID:jIaQU5M/O
ーーーー
スパイク「なぁ…」

ジェット『何だぁ?』

スパイク「さっきからドンパチ聞こえるんんだけど」

ジェット『俺ぁ何にも聞こえねぇぞ?聞き間違いじゃねぇのか?』

スパイク「そりゃ通信機越しじゃあ聞こえねぇだろうな!」

スパイク「アンタさっき、一件落着したとか言ってなかったか?」

ジェット『あぁ、プレジャーとやらは排除したみたいだぞ』

スパイク「で、すぐまたこれか?」

ジェット『…みたいだな。やれやれ、厄介事が好きな連中だぜ』

スパイク「やれやれ、じゃねぇよ!俺は何時になったらココから出られるんだよ⁉︎」

ジェット『ったく…。助けてもらうことばっか考えるんじゃなくて、ちったぁ自分で逃げ出す事も考えろよ』

スパイク「この檻頑丈過ぎんだよ!このこのこのくぉの!」

ジェット『…大丈夫か?すげぇ息上がってんぞ?』

スパイク「ほっといてくれ…」

ジェット『お前から通信してきたんだがな…』
460 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/10/30(日) 03:15:54.44 ID:jIaQU5M/O
以上です。
取り敢えず、年内は更新出来るか怪しいです。
…ハロウィンだから天国の扉見たかったけど今年は無理そう
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 09:48:17.04 ID:4LnEdDBno
おつ!待ってたぞ!
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/18(金) 06:31:06.06 ID:beP1DpZ2o
463 : ◆d/8j7bKhKM [sage]:2016/12/13(火) 15:27:29.64 ID:5wg73xRBO
今書いてるんで今年中に何とか投下出来るかもです
…出来ないかもでもあるので生存報告だけでもしときます
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/13(火) 15:40:31.27 ID:wn/Q7RS+o
待ってるぜ
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/14(土) 01:40:24.93 ID:Uf9jdeFKo
保守
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/25(水) 16:27:37.19 ID:1aAbR9kiO
保守
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/30(月) 01:02:37.66 ID:ttocEs22o
ほしゅ
468 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:42:57.21 ID:Vw0M/eZEO
クード「なぁ」

フェイ「何よ」

クード「…この船って朝には港に着くんだよな?」

フェイ「そうね」

クード「それまで待ってからの方が良いんじゃねーの?」

フェイ「何をよ?」

クード「スパイク助けるのをだよ!」

フェイ「何言ってんのよ。着いたら助ける間も無く殺されるわよ」
469 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:43:44.42 ID:Vw0M/eZEO
レン『でも、船員の人達が全員知った上での事だったら…』

クード「全員縛り上げた場合、どうやって港まで行くんだよ?」

フェイ「そんなもん操縦できるやつ1人解いて銃でも突きつけときゃ良いのよ」

クード「それ普通に乗っ取りだよな…」

レン『港にも仲間が居たら…私たちが逆に犯罪者にされるかも』

フェイ「何よ、今更一つ二つの犯罪歴くらい…」

クード「オレやフェイは良くても、フィロやレンは…」

レン『クー、そういう問題じゃないと思う…』
470 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:44:37.53 ID:Vw0M/eZEO
フェイ「…ならバレない様にやるまでよ」

クード「…確かにバレなきゃ問題ないな!」

レン『…出来るの?』

クード「空賊にとってはお手の物よ!」

フェイ「アタシだってこれまで潜入なんて幾らでもこなしてるわよ」

レン『でもクー、私を盗んだ時の空賊の手口って…』ザザッ

ジェット『テメェも潜入なんて最初だけでいつも結局ドンパチしてるだろうが、フェイ』

フェイ「あらやだ、盗み聞き?流石ブラックドッグはやる事が違うわね」
471 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:45:36.12 ID:Vw0M/eZEO
ジェット『落ち着けって。幸い、まだあのバカとの通信もできるんだ。ちゃんと考えてから動いたってーー』

クード「もう遅いみたいだぜ!…行くぞ、レン!」

廊下の先からマシンガンを構えた警備員が数人現れた。
確認する事もなく突然発砲してくる。

ジェット『遅くはーー』

クードは力を使いすぎない様気を付けているのか、弾を弾く事だけに専念する。
その合間にフェイが少しずつ相手の数を減らして行く。

フェイ「アンタまだそんな事言ってんの?向こうはこちらが何者か確認せずに撃ってきたのよ?」

ジェット『…はぁ。お前らがもっと慎重に動いてりゃ…』
472 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:46:55.51 ID:Vw0M/eZEO
フェイ「あーもう!ウダウダうっさいわよ!こっちはなんとかするから事後処理の方法考えといて!オーバー!?」

ジェット『あぁもう滅茶苦茶だ…』

レン『頑張って…』

クード「取り敢えずここは片付いたけど…」

フェイ「この装備、益々怪しいわね。普通、客船の警備兵がこんなもん持ってないわよ」

クード「ま、それでもやるっきゃないんだろ?」

フェイ「て言うかあの馬鹿なら何とかして自力で逃げ出しそうなもんだけど」

ジェット『檻がべらぼうに硬いみたいでな。今もガンガンガンガン暴れてらぁ』

クード「止めさせろよ⁉︎」

フェイ「いえ、逆に好都合だわ。どっかで暴れてる音が聴こえれば見つけたも同然じゃない」

レン『その前にやられなければ良いけど…』

ジェット『まぁ大丈夫だろう』

フェイ「寧ろ警備の奴が不用意に近付けば締め上げて逃げ出すわよ」

クード「スパイクってそんなしょっちゅう捕まってんの…?」
473 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:47:50.26 ID:Vw0M/eZEO
ーーーーーー
スパイク「クッソ!良い加減脚がいてぇぞこれ!」

こそ泥「…アンタ、ここから出たいのか」

スパイク「そりゃもちろん」

こそ泥「俺も手伝うから、頼みを聞いてくれないか」

スパイク「はぁ?」

こそ泥「実は、この下に俺の大事な人が捕らえられてるんだ!」

スパイク「…」

ジェット『おいおい、スパイクよ。まさかこそ泥なんぞに手を貸すつもりじゃないだろうな』

スパイク「まだ何も言ってねぇだろ」
474 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:48:48.20 ID:Vw0M/eZEO
こそ泥「この船は!ブローカーの取引に使われているんだ!港に着いたらもう俺には手が出せない!」

スパイク「既に現状、手どころか足も出ねぇけどな」

こそ泥「だから…頼む!」

スパイク「…悪いな、俺たちも生活がかかってんだ。オタクの事情は解ったが、アンタを引き渡して賞金稼がねぇと明日も肉なし回鍋肉とかになっちまう」

ジェット『それはもうただのキャベツ炒めだ』

こそ泥「…」

スパイク「だが、そのブローカーとやら、恐らく借りがあるんでね。ここの壊滅はやってやろうじゃないの」

こそ泥「…!本当か⁉︎」
475 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:50:10.79 ID:Vw0M/eZEO
ジェット『はぁー…。スパイクよ、頼むから面倒ごとは…』

スパイク「ただし、アンタにはここに居てもらう。だから俺がここから出る手伝いだけをしてくれ」

スパイク「見た所、アンタじゃ戦力になりそうもないしな」

こそ泥「何をすれば良い…?」

スパイク「覚悟さ」

こそ泥「は_____」
476 : ◆d/8j7bKhKM [sagesaga]:2017/01/31(火) 04:51:12.36 ID:Vw0M/eZEO
そう言うとスパイクは、こそ泥を思い切り殴りつけた。
立ち上がる間も無く、脚を振り下ろす。
襟首を掴み持ち上げる。

スパイク「ほら、早く助け呼ばねぇと死んじまうぞ?」

更に腹へと膝蹴りを繰り出す。
腕を離すと、崩れ落ちそうになる背中を回し蹴りした。
こそ泥は勢いよく鉄格子に突っ込み、物凄い音を立てる。

こそ泥「だ、誰かぁ!助けてくれぇ!こ、殺されぶっ」

言い切る前に頭を踏み付け、鉄格子に押さえつける。

スパイク「お前の所為で俺まで捕まっちまったんじゃねぇか!こそ泥の分際で!」

最早ただの八つ当たりで、こそ泥に蹴りが命中しているのかどうかすら解らないほど、何度も鉄格子を蹴り続ける。
その間も、「た、助けぐぇっ」とこそ泥は叫びを上げる。
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