スパイク「七煌宝珠?」

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145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/08(土) 23:03:33.87 ID:yiaCStcwo
スパイク「ジェット、あれをやるなら今だ」コソコソ
ジェット「おう、準備は出来てるぜ。ぶっ放して来い」コソコソ

ロケットランチャーを担ぐとジェットに拳銃を渡し飛び出す。

ヴォルクス「そこか!!…っ!?」

クード「レン、今だ!!」

レン『うん!』

「『仕る青龍集わり 強り奔らせ

白白明けと 朧なりに

いめ通わん』」

ヴォルクス「くそ、させるか!!」

スパイクが飛び出してきた方向に攻撃を仕掛けようとしたが、ほんの僅か、一瞬だけ手が止まった。
先程まで拳銃を手にしていた男がロケットランチャーを担いでいたからだ。
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/08(土) 23:06:13.21 ID:yiaCStcwo
しかし、その一瞬を見逃さなかった者が居た。まずクードとレンが詠唱をする。
それに対しヴォルクスはクードとレンに半分の円盤を一気に飛ばす。

「『ノトスコォード!!』」

しかし間に合わず、攻撃にしようした円盤は全てノトスコードに弾かれる。
残りの円盤で防御するが勢いを殺しきれない。

ジェット「こっちも居るのを忘れてもらっちゃ困るぜ!!」パンパン

ノトスコードに押され気味なヴォルクスの背後からジェットが発砲する。
弾は肩甲骨の上辺りを掠めただけではあったが、防御姿勢が崩れるには充分だった。

ヴォルクス「ぐはぁッ!!」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/08(土) 23:09:40.34 ID:yiaCStcwo
スパイク「仕上げだぜ、ハンターさん」バシューン

円盤の防御壁が薄くなっている所にロケットランチャーを打ち込む。殺してしまっては元も子もないのでがら空きのところは避けて、だ。

ヴォルクス「防御が、間に合わん…ッ!!」ドカーン

防御壁ごと吹き飛び、リアクトも解除される。しかし、吹き飛ばされた先でまだ立ち上がる。

スパイク「タフだなぁ、おい。だが、武器も持たない状態でどうするつもりだ?」

スパイクはロケットランチャーを投げ捨てると肩をすくめて尋ねる。

ヴォルクス「俺がアレに頼っているとでも?チルルは相手の力を測るための道具にすぎない」

そういうと口内の血を吐き捨てて両手を構える。

スパイク「やろうってのか、その体で?」

ヴォルクスは何も答えない代わりに拳を放ってきた。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/08(土) 23:12:07.62 ID:yiaCStcwo
クード「レン、もう一発いけるか!?」

レン『私は大丈夫。けど、スパイクにも危険が…』

クード「そ、そっか…。じゃあ大技はなしで行こう!!」

そうしてヴォルクスの背後から切りかかるクード達。ところがそれをかわすと、
逆にクードの背を蹴ってスパイクともつれさせた。

ヴォルクス「俺の勝ちだ」

クード「何!?背中軽く蹴られたぐらいでダウンするかっての!!」

ヴォルクス「もう一度言おう、俺の勝ちだ」チャキッ

スパイクが始めに使っていたほうの拳銃をいつの間にか拾っていたようで、振り向いたクードの眉間に突きつけられる。

クード「な…」

クードは為す術なく両手を挙げる。
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/08(土) 23:14:17.18 ID:yiaCStcwo
ヴォルクス「リアクトを解除しろ」

クードはチラリとスパイク達のほうを見るが二人も手を挙げて立っている。

ヴォルクス「早くしろ!!」

クード「わ、わーったよ…」ピカー

リアクト解除の光が消えると、クードの姿も消えていた。

ヴォルクス「なにぃ!?」

クード「こっちだぜ、ヴォル君♪」

声のした方向を見上げると、ワイヤーでぶら下がっているクードが居た。光った瞬間にアンゲルを上に投げ、光りに隠れて上まで移動していた。
急いで銃口をクードに向けようとするが、ヴォルクスの腕が動くと同時にクードの蹴りが入り、拳銃を弾き飛ばす。

ジェット「最後の最後で油断したな」チャキッ

スパイク「これで形勢逆転、ってか?」チャキッ

二人に銃口を向けられ今度はヴォルクスが手を挙げた。

ヴォルクス「煮るなり焼くなり好きにしろ。俺の負けだ」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/08(土) 23:16:14.90 ID:yiaCStcwo
チルル「まだなのヨ!!」

ヴォルクスが潔く諦めたところに、チルルが小さな体を目一杯広げて立ちふさがる。

スパイク「健気じゃねぇか…」

ジェット「おっさんにこんなの見せんなよ…涙が出てくるぜ…」

クード「の割には二人とも結構笑顔だぜ…?」

レン「二人とも…気味悪い」

スパイク「これは二人を引き離すのは野暮ってモンだなぁ」

ジェット「うんうん、そーだな。だがしかしさっきハンターさんは何か言ってた様な…」

スパイク「あー、確か『煮るなり焼くなり好きにしろ』とかなんとか?」

クード「こういう時はしっかり覚えてんのな…」ハァ
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/08(土) 23:17:45.43 ID:yiaCStcwo
ジェット「あんな格好付けといてそのまま帰すってのぁ逆に気の毒だなぁ…」

スパイク「そうだ、ジェット!二人とも一緒にアークエイルに連れてけばいいんじゃねぇか!?」

ジェット「そいつぁ妙案だ!!よし、今すぐ行こう」

フェイ『ねぇーえ、そのなっがい小芝居はまだ続くわけぇ?』ザザッ

スパイク「小芝居とは心外だな!!なぁ、ジェット?」

ジェット「あぁ、これは人道支援みたいなもんだ」ウンウン

フェイ『もういーからそいつらさっさと換金しなさいよ…。アタシお腹空いたんだけど』

クード「なんか、俺ここに居て大丈夫なのか心配になってきた…」

レン「大丈夫、多分皆良い人、だと、思…う?」

チルル「段々自信なくなってるじゃないのヨ!!」

ヴォルクス「俺はこんな奴らに負けたのか…?」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/08(土) 23:27:23.58 ID:yiaCStcwo
今日の分は以上です。
これから年末に掛けてまた忙しくなるかも知れないので更新は一応不定期ということにしておきます。
多分、しばらくは大丈夫じゃないかな、とは思うんですが…。

おまけ

「ぶぃーんずばばばばどぉーん」キャハハハハ

「ワン、ワンワン!!ワンワンワン」

「ひゅおーんどどどどしゅるるる」キャッキャッキャッ

「ワンワン!!くぅーん…」

「どかーん!!ってありゃりゃ…やっちった」テヘ

「まぁいいや、行こ、アイン!!」

「ワンワン!!」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/10(月) 14:14:28.69 ID:w6DnOVGtO
待ってたぜ

おつ
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/06(土) 13:23:06.19 ID:dPyUyv6oO
そろそろきてよー
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/06(土) 16:46:44.13 ID:5PaI5+2BO
サブPCの方で書いてたのですがとうとうお亡くなりになられまして…
メインの方で書こうと思っているのですが、一定期間>>1の書き込みがないと落ちるって言うのは大丈夫なのでしょうか?
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/07(日) 01:48:54.48 ID:SIa7avRyo
さて皆さん、大変長らくお待たせいたしました。
今晩書き溜めます。
なので今かけている分だけ置いていきます。
数レス分しかありませんが予告みたいな感じで捉えて頂ければ…

P.S.メインpcに移動しましたが、こちらもあまり調子よくありません。
最悪の場合、タブレットからの投下になるかと思います。
そうなったら若干今までと書き方変わってしまうかもしれませんが偽物ではないので悪しからず
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/07(日) 01:49:29.39 ID:SIa7avRyo
―アークエイル本部―

ヴォルクス「奴らに捕まって引き渡されたはいいが…。いつになったらチルルと会えるんだ?」

アークエイル職員「もう少し待ってください。いくら密猟行為について保釈金を払われたと言っても、
貴方にはエディルレイド虐待の疑いもかけられていますので」

ヴォルクス「ふん…。あいつらは道具だ。人間が使ってやらなければ…」

クード「だぁから?そーいうこと言うからまた話がややこしくなるんだよ?」

ヴォルクス「…クードか。のこのこと何をしに来た?」

クード「誰の所為だと思ってんだよ…ったく」

ヴォルクス「俺たちのことなど放っておけば良いだろう。貴様らは無事賞金も手にはいったのだからな」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/07(日) 01:58:09.29 ID:SIa7avRyo
スパイク『俺たちも出来りゃそーしたいんだがな…』ハァ

レン『…ジェット達は人道支援って言った』

レン『二人を置いていくなら私もここで降りる』

ジェット『うちのお姫様がずっとこの調子なんだよ…』ハァ

フェイ『ちょいと旦那方?私が我儘言った時と随分態度が違うんじゃなくって?』

スパイク『そりゃあ、片や莫大な懸賞金のかかったお姫様で、もう一方は膨大な借金を抱えた魔王様だからな』

フェイ『誰が魔王様なのかしらぁ?』チャキッ

スパイク『そういう所が魔王だってんだよ』ハァ

フェイ『あぁーそう!悪かったわね魔王で!!』パァン

スパイク『うわっ本当に撃ちやがったこの女!!』

ジェット『と言うか我儘言ってる自覚はあったんだな…』ハァ
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/07(日) 02:00:31.70 ID:SIa7avRyo
ヴォルクス「相変わらず騒々しいな…」

クード「まぁ、要するにレンが駄々こねちゃっモガモガ」

クード「ぷはっ、き、急に口ふさぐなよ!!」

ヴォルクス「貴様、状況を理解していないのか!?」ヒソヒソ

クード「へ…?」

ヴォルクス「貴様らから聞いた限りではアークエイルもあの少女を狙っているのだろう?」ヒソヒソ

クード「そーいや空賊艇襲ってきた奴らの中に居たっけ…」

ヴォルクス「ここで下手に彼女の名を出してみろ。その目立つ服装とセットで調べられたら一発でばれるぞ」

クード「危ないとこだった…サンキューな、ヴォルクス」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/07(日) 02:06:37.31 ID:SIa7avRyo
ヴォルクス「ふん…。貴様の武器は俺が目を付けたものだ。俺が狩る前に他の奴に狩られるなど許すものか」

クード「またまたぁ〜!素直じゃないな〜」

ヴォルクス「…今すぐここで叩きのめしてやってもいいんだぞ?」

クード「ジョークジョーク!!じゃ、一旦戻るからチルルに会えたらまた連絡くれよ!!」

ヴォルクス「…気が向いたらな」

―何処かの監視室―

???「クード・ヴァン・ジルエット、か…。スパイク…貴様があのような小僧とつるんでいるとはな…」クックックック

キシャーッキシャーッ

???「以前ある男を『牙をもがれた獣』と例えたが…。今の貴様はそれ以下だ。
飼い慣らされた家畜には食われる以外の価値はない」
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/07(日) 02:36:41.14 ID:SIa7avRyo
はい!!と言ったところで続きは早くて明日の晩です。
ビバップ知ってる人は最後の人誰か解って頂けたと思いますが、知らない人のために…
彼のセリフは「綺麗な若本ヴォイス」で脳内再生していただけると良い感じです。

―おまけ―

クード「結局、ヴィーヴって誰が壊したんだ?」

ヴォルクス「俺が知るわけがないだろう。寧ろ知っていたら今頃そいつに金を払わせて俺の愛車を直している…」

スパイク「あんた結構やり手のハンターなんだろ?そのくらい持ってねぇのか?」

ヴォルクス「保釈金に使ってしまったんだよ」ギロッ

スパイク「お、おぉ…そりゃご愁傷様で…」ダラダラ

ジェット「しかし、人を殺してるわけでもねぇのに保釈金にそんなにかかるもんか?」

ヴォルクス「ふん…俺一人分なら貯蓄を崩すまでもなくポケットマネーで足りた」

クード「え、保釈金ってポケットマネー使えるの?」

スパイク「金額の話だろ…」ハァ
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/07(日) 02:39:27.19 ID:SIa7avRyo
フェイ「ってことはさぁ〜、あのおチビちゃんを出す為に大金払ったってワケ?」

ジェット「ほぉう…。それはそれは…」

ヴォルクス「チッ。何を勘違いしているか知らんが、アイツは「俺の道具」だ。
自分の所有物を自分で取り戻して何が悪い」

スパイク「へぇ…。お前なんか替えが利く道具だ、ってスタンスだったのにねぇ…」

フェイ「やだなに、ヴォルクスってばロリコンだったの!?見た目イケてるからって手を出さなくて良かったわ」

ヴォルクス「俺は本当にこいつらに負けたのか…?夢だったんじゃ…」ブツブツ

レン「それでもきっと、良い人…かな?良い人だといいな…」


終わりです。では書き溜める作業に戻ります。
どっちかしか見てない人は是非正月休みにでも見てください。
特にビバップ見てないおっさん!!おっさんはこれ見なきゃダメです。
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/07(日) 12:41:31.26 ID:17dN1uzao


偽物云々を気にするなら、酉くらい付ければ?
164 : ◆6MneZcLWaIyz [sage]:2014/12/07(日) 16:37:53.68 ID:SIa7avRyo
そうですね…
こんな過疎スレに出向くほど荒らしさんも暇ではないでしょうが…
万一スレが落ちちゃった時の事も考えて酉つけときます。

更新は日を跨ぐと思います。
今回何か最終回っぽい雰囲気醸し出しちゃってますが全然終わる気ないので予めご了承ください。
165 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:27:49.59 ID:tsEaq443o
お待たせいたしました。久々の本編です。
今回は彼も出てくることから解る通り、ビバップの最終回のパクリです。
今日の投下分では終わりませんが…


―ビバップ号―

ジェット「それで?ヴォルクスはチルルと無事合流できたのか?」

クード「いや、それがさぁ…。なんかまだ手続きだとか取り調べだとかで面会すらダメなんだって」

スパイク「もう本部に護送されて3日だぞ?…それに、いくらなんでも面会遮絶はおかしくねぇか?」

フェイ「でもあの強面よ?面会中に脅すかもとか考えてんじゃないの?」

ジェット「いや、面会時には立会人が居るはずだし、カメラだってあるだろうからその心配はしていないと思うがなぁ…」

スパイク「流石は元デカだな」
166 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:30:03.72 ID:tsEaq443o
ジェット「その元デカの勘だが…コイツァキナ臭ぇ」

レン「確かに、今思えばあの二人の懸賞金、不自然なくらい高いよ」

スパイク「調べてみる必要があるな…」

ジェット「クード!!ヴォルクスに連絡だ!一回集まって今後の動向を確認しよう」

クード「りょーかい!!」

レン「ねぇ」チョンチョン

スパイク「ん?どうした、レン」

レン「これ…船の甲板に置かれてた」

スパイク「!?これは…」

ジェット「おい、どーしたスパイク」

レン「これが、甲板に…」
167 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:31:26.63 ID:tsEaq443o
ジェット「あ、おい待てスパイク!!何処行く気だ!?」

スパイク「ちょいと野暮用さ」

ジェット「勝手な行動するんじゃねぇ!!…ったく、聞いちゃいねぇ」ハァ

クード「なぁ、ジェット」

ジェット「今度は何だ?」

クード「ちょっと不味いかもしんねー…。ヴォルクスと連絡がつかない…」

ジェット「チッ。先手を打たれたか!!こんな時にあのバカは何処行きやがった!!」

レン「多分、これの所為…」

フェイ「ねぇ、レンちゃん?それ、見せてくれる?」

レン「うん…」

クード「これは、手紙…?」
168 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:33:00.33 ID:tsEaq443o
『スパイク・スピーゲル殿

 ティクル・セルバトロスとヴォルクス・ハウンドは預かった。

 ジュリアの時の様になりたくなければ直ちにアークエイルまで来い』

ジェット「というよりは果たし状や脅迫文に見えるな」

フェイ「この、最後の絵は何かしら?」

クード「うーん…赤い龍を黒い蛇が食ってるように見えるけど…?」

ジェット「冗談じゃねぇ!!レッドドラゴンは滅んだはずだ」

フェイ「食べてる、ってとこを見るとレッドドラゴンとやらに反感抱いてるんじゃない?」
169 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:34:05.42 ID:tsEaq443o
レン「このジュリアって言うのは、誰?」

ジェット「スパイクの昔の女だ」

フェイ「そ。悪魔みたいな天使か、じゃなければ天使みたいな悪魔ね」

クード「フェイに悪魔みたいって言われるなんて…可哀想だなぁ」

フェイ「ちょっと!!どーいう意味よそれ!?」

ジェット「今はそんなことより、ヴォルクス達と、スパイクだ」

フェイ「アイツ…今回も死ぬ覚悟なんでしょうね…」

レン「今回も?」

フェイ「前にも何回かあったのよ。ジュリアの事で飛び出していったと思ったら瀕死で帰ってきたわ」
170 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:36:02.75 ID:tsEaq443o
ジェット「あぁ、お前らがここに来る1年位前は特に酷かった。刀傷と銃弾を受けていて1か月は寝込んだな」

フェイ「あの時は流石にダメかと思ったわね…」

クード「そんな事が…。普段はあんなに飄々としてるのに…」

ジェット「そんな事があったからこそ、だろうな…。寝込んでいる間、ずっと『ビシャス』って呟いてたなぁ…」

フェイ「ちょっと待って、今ビシャスって言った…!?」

ジェット「あ、あぁ…。お前が家出してからずっとその名前呟いてたぞ?」

フェイ「ジュリア…赤い龍…黒い蛇…ビシャス…。そーいうこと」
171 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:37:17.14 ID:tsEaq443o
クード「?どーしたんだ、フェイ」

フェイ「ちょっとアタシ宝くじ買ってくるわ!今なら当たりそうな気がするの」

ジェット「はぁ?何寝ぼけた事言って…ってホントに居なくなりやがった!!」

クード「宝くじってアンタ、今時年中買えるだろ…。スパイクとヴォルはそれ以下…?」

ジェット「ったく、なんでうちの連中はこう自分勝手なんだ…」ハァ

レン「スパイクの方はフェイが行ったとして、ヴォルクス達はどうするの?」

ジェット「恐らく、スパイクが向かっている先に居るだろうがなぁ…。アイツに探らせるか」

クード「へ?アイツって?」

ジェット「ちょっとした知り合いのハッカーだ」
172 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:38:46.80 ID:tsEaq443o
―ソードフィッシュ内―

スパイク「ジュリアの件を出してきやがった…。間違いなくビシャスだ。あの野郎、生きてやがったのか…!!」ピピッ

フェイ『はぁい。アンタさ、また死にに行く気でしょ?』

スパイク「なんだぁ?前みたいに女らしく、涙ながらに送り出してはくれないのか?」

フェイ『べっつにぃ…前は記憶が戻って混乱してただけだし。今は宝くじ買いに行こうとしたら偶然アンタが居たのよ』

スパイク「ヴォルクスを助けに行かなくていいのか?」

フェイ『宝くじ買ったあとでね。って言うかアンタに言われたくないわよ!!』

スパイク「あぁ、そりゃそーだ。俺も、無事野暮用が終わったら彼らを助けるさ」

フェイ『アンタが死んだら、アタシに貸してるお金、チャラにしてよね』

スパイク「ったく、ホントにガメツイ女だな。こんな時くらい、甘い言葉でも吐いたらどうだ?」
173 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:39:43.44 ID:tsEaq443o
フェイ『前、それで止まらなかったのは何処のドイツよ…』ボソッ

スパイク「フェイ、ありがとうな」

そう言うとソードフィッシュは急旋回をする。
レッドテイルの後ろにつけると右側のエンジンだけを打ち抜く。

フェイ『は!?ちょっと何!?うっわ信じらんない!!』

左側のエンジンは残っているため、クルクルと旋回しながらゆっくりと落ちていく。
不時着したレッドテイルの操縦者が無事であることを確認すると、ソードフィッシュは全速で飛び去った。
174 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:42:14.67 ID:tsEaq443o
―ビバップ号―

クード「なぁ、ジェット!!こんなことしてていいのかよ!?俺たちも早く出た方が…」

ジェット「もう少し待て。闇雲に出てって見当違いなとこ探してる内に誰も助けられなかったらどうする」

クード「でも、行先はアークエイルで決まってんじゃねぇか!!今から全力で追えば追いつくだろ!?」

ジェット「俺はどうもそこが引っかかるんだ。アークエイルで二人を誘拐したなら、何故そこを早く離れない?
奴は離れる処かそこに来いって言うんだぜ?」

クード「た、確かに変かもしれないけど…」

ジェット「浮気がばれた彼女との待ち合わせにその浮気相手と一緒にいるラブホを指定するようなもんだ。絶対何かある」

クード「うーん…?その例えはいまいち解んねーよ…」

レン「アークエイルが敵にとって危険な場所じゃない、としたら…?」

ジェット「何ぃ!?いや、流石にそれは考えすぎじゃあ…」
175 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:44:16.02 ID:tsEaq443o
クード「でも、それならヴォルクスとチルルの面会遮絶も説明できるんじゃないか?」

ジェット「俺たちが引き渡した時点でチルルは捕まっていたってのか…?」

レン「封煌符を使えばエディルレイドは簡単に無力化できる…」

ジェット「だとしたらスパイクの野郎は…!!」

クード「けっこーヤバいんじゃね?」ピピッ

???『ジェットさんジェットさん、こーんにーちはー!!』

ジェット「もう夜だ馬鹿野郎」

???『ありゃりゃ、間違えちった』キャハハ

ジェット「で、首尾はどうなんだ、エド」

エド『それがねー、フェイフェイは見つけたんだけどー…。太刀魚さんは行方知れずなの!!』

ジェット「何ぃ?スパイクの野郎…。じゃあ、フェイの方だけでも聞かせてくれ」
176 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:46:08.42 ID:tsEaq443o
エド『えっとねー…そこからずーっと西の森の中に落っこちてるよ!!』

クード「フェイがやられたのか!?」

ジェット「いぃや、アイツだって相当な修羅場を潜ってきてる。恐らく巻き込むまいとしたスパイクに落とされたな」

エド『そうなの!ついさっきまでズババババァーってやってたんだけど、その後飛び去った太刀魚さんは追えなくなっちゃったんだー』

ジェット「じゃあ途中までの航路は解るんだな?」

エド『うん!でもねでもね、その先は意地悪〜い電波が邪魔しててハッキングも出来ないの』

ジェット「妨害電波か…。エドでも何とかできないとなると相当なモンだな…」

エド『うーん…何とかできなくもないんだけど、すぐには無理かなぁ〜』
177 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:48:14.56 ID:tsEaq443o
ジェット「どっから発せられているかは解るか?」

エド『うん、その電波さんの範囲がね、すっごくきれーいな丸になってるから隠す気もないみたい!』

ジェット「どっからだ!?」

エド『保護協会さんのとこからだよー』

ジェット「繋がったな…」

クード「ってことはやっぱり、スパイクが」

レン「危ない…!!」

エド『じゃあ助けに行きましょー!!ぶぃーん』ワン!!ワンワン!!

ジェット「あ、こら勝手に船を動かすな!!っていうかどっからハッキングしてるんだ!?」
178 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:50:06.80 ID:tsEaq443o
―アークエイル上空―

スパイク「おーおー手厚いお出迎えだこと」

アークエイル本部が見えてくると、
スパイクの接近がばれたのか飛空艇が大量に発進してくる。

スパイク「流石にこの数はまともに相手してらんねーな」

そう言いながら既に飛んでいる何台かを撃ち落とすと、飛び立つ前の飛空艇の前方を主砲で破壊する。
滑走路を破壊された飛空艇たちは急ブレーキをかけるが間に合わず、次々に激突するかめくれ上がった滑走路に躓き転倒する。

スパイク「よっし。あとは入り口強硬突破かな」
179 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:52:51.94 ID:tsEaq443o
正面玄関を砲撃すると、そのまま建物内に機体ごと突っ込む。
中に居た警備達は突っ込むと同時に機関銃で蹴散らした。
ガラスをまき散らしながらエントランスホールに不時着すると、
鞄を引っ掴み、銃を構えて急いでソードフィッシュから離れる。
スパイクが離れてすぐ、ソードフィッシュはハチの巣になる。

スパイク「あれじゃあ修理もくそもねぇぜチクショウ!!」

中央階段の奥から出てきた人間がマシンガンを持っていたようだ。
すぐに階段の陰に駆け込むとしばらく相手の射撃が止むのを待つ。
180 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:54:40.56 ID:tsEaq443o
スパイク「ったく、奴ら無駄弾撃ちすぎだろ!!」

一瞬銃撃が止んだのを見計らって、手りゅう弾のピンを抜いて放る。相手が怯んでいる内に状況を確認しようとすると、急に奥から眩い光が差す。

スパイク「へっ、エディルレイド完全保護協会、ねぇ…。保護したエディルレイドはどうなるかまで考えたこたぁなかったが…。
まだ違法ハンターの方が待遇良さそうだぜ…」ハァ

一つ、大きく溜息をつくと奥から出てくるエディルレイドプレジャーに銃口を合わせる。
普通、エディルレイドプレジャーに拳銃では太刀打ちできないが、プレジャーと言えども人間である。
正確な射撃によってヘッドショットを決められてしまってはひとたまりもない。

スパイク「チッ。こんなに居んならサブマシンガンでも持ってくりゃあ良かった!!」

今まで撃っていた方のマガジンを取り替え、更にもう一丁拳銃を取り出す。チラリと階段から顔を出すと、階段を駆け下りているプレジャーが三人。階段の上には拳銃を構えた敵が五人とプレジャーが一人。
181 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 00:58:26.62 ID:tsEaq443o
スパイク「これならッ!!」

そして二丁構えると勢いよく飛び出す。
当然、スパイクの姿を見た途端に相手は撃ってくるが、先行していた3人が壁になって上手く狙えていない。
その間に階段を下りてきていた3人のうち二人を仕留める。もう一人は仲間の銃弾に脚を撃たれたようで蹲っている。
スパイクは更に走り抜けながら上階の拳銃持ち5人を狙って撃つ。

スパイク「おいおい、そりゃねーぜ…」

余りにも常識外れな光景につい足が止まる。
上に居たプレジャーが、地面から巨大な壁のような物を出現させ、全ての銃弾を弾いてしまった。
その壁に僅かな穴が5つ開いたと思った次の瞬間、敵の一斉射撃が始まる。

スパイク「くっ…!!」

急いで逆側の陰に入り込もうとするが、一発の銃弾が肩を掠める。
背後からの射撃だったため、そのまま前に倒れこみそうになるが、
勢いを利用して前転することで何とか柱の陰に身を隠す。
それでも尚、相手は柱に向けて撃ってくる。
182 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 01:00:22.35 ID:tsEaq443o
スパイク「チッ…。一発食らったか…」

左肩に手を当てるとニチャっと嫌な音をたてる。
掠めただけとは言え、存外深い傷のようだ。
柱の陰からチラリ、と様子を伺うと未だに壁はそびえ立っていた。
すると、向こうもこちらを伺っていたのか、スパイクの顔がある辺りの柱にピシュンと弾丸が撃ち込まれる。
急いで顔を引っ込めるが射撃は続く。

スパイク「ちっくしょう…めんどくせぇ」

そういいながら懐からサングラスを取り出す。

スパイク「こうなりゃヤケだ!!」

叫び終える前にスパイクは駆けだすと、ピンッという音と共に、腰に付いていた黒い物体を三つ程放り投げた。
瞬間、辺りが物凄い光量で満たされる。
プレジャーたちは完全に資格を奪われたようで右往左往している。
拳銃組も下手に発砲して仲間に当たってはまずいと考えてか、一時射撃の手を止める。
それでも、スパイクが階段を駆け上がる音を聞くと、足音を頼りにそちらに向けて発砲する。
183 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/08(月) 01:02:17.13 ID:tsEaq443o
スパイク「どこ狙ってんだ、よ!!」

一気に駆け上がり、壁の間際まで行くと、穴に拳銃を差し込み数人を容赦なく撃ち殺す。
その内の一人が壁を出現させていたプレジャーだったようで、淡い光と共に壁が消えていく。
残った敵も確実に急所を狙う。全員戦闘不能にすると、サングラスを投げ捨てる。

スパイク「プレジャーのほうは恐らく保護協会の人間だろうが…。拳銃の方の戦い方は間違いなくレッドドラゴンの奴らだな…」

ひとまず落ち着いて緊張が解けたのか、左肩に痛みが蘇ってくると共に左手の力が抜ける。
ダランとなった左腕に、それでも掴んでいた銃を右手で取り、ホルダーに戻す。
右手だけで拳銃を構えて、スパイクはそのまま奥へと駆けていった。
184 : ◆6MneZcLWaIyz [sage]:2014/12/08(月) 01:11:12.29 ID:tsEaq443o
ひとまずスパイクの第一戦が終了したとこで区切っておきます。
彼、二丁拳銃やると被弾フラグたちますよね…。
次回でアークエイル編は終わると思います。
基本的にエレメンタルジェレイドのストーリーなぞってきましたが、今後もその予定です。
ですので今回のが番外編的な感じです。
最終回はエレメンタルジェレイド(漫画)の方に合わせるつもりですので話はまだまだ続きます。
もちろんカットはしますが。


―ビバップ号甲板上―
エド「いっけぇーぶぃーん」キャハハハ
アイン「ワン!ワンワン!!」
エド「うーん…この速度で外にいるとやっぱ寒いねー。あ、アイン温かそー!!」
アイン「グルルルル…キュ、キャイーン…」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/12(金) 17:19:25.13 ID:OMWNy513O
来てた!やったぜ!


お疲れさんだ!
186 : ◆6MneZcLWaIyz [sage]:2014/12/13(土) 02:12:31.11 ID:cd8/Kooco
やってしまいました…
続き書こうと思ってスレを見返していた所…
一点、どうしようもない矛盾を見つけてしまいました。
>>64の予告編でジェットがフェイと出会ったの三か月前と言っています。
ですが、前回投下分でビバップ最終回を一年程前と設定してしまいました…。
まぁ、ビバップの予告なんて予告であって予告じゃない、番外編とか最早別作品だったりするので…
大目に見てください。
時系列としてはビバップ最終回から一年程過ぎたころ、という方に合わせます。
嘘つきじゃなくて間違い云々…
恐らくこの週末中に投下できるかと思われます。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/13(土) 10:00:27.48 ID:is9Rj5OWO
りょーかい。待っとるよー
188 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:14:30.18 ID:tDQmc38bo
何かシリアス路線のクーが別人みたい…
後話が暗いですが、このアークエイル編が終わればまた日常に回帰しますので…

―アークエイル敷地外―

ジェット『取りあえず俺たちが連れていけるのはここまでだ。これ以上は電波が強すぎて船の操作もままならねぇ』

クード「えーと…ここがアークエイル?何かスゲー荒れてんだけど」

レン「スパイクが、独りでこれを…?」

ジェット『クード、俺とエドは残って情報収集を続ける。お前はレンとアインを連れてあのバカの手助けをしてやってくれ』

クード「いや、ちょっと待ってくれよ!残って情報収集ってのはイーンだけど…。この犬っころも連れてくのか?」
189 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:15:48.93 ID:tDQmc38bo
アイン「ウゥゥ…ワゥッ!!」

クード「うわぁっ!!噛みつくなよ!!」

レン「アイン、ダメ」

アイン「キュゥン…」

ジェット『心配すんな、そいつぁデータ犬つってお前なんかより余程頭が良いんだ』

クード「でもこのあほ犬、今俺の事噛みやがったぞ…」

ジェット『お前がアインを馬鹿にするからだろ』

レン「よしよし」

アイン「わふっ」

クード「こいつ実はエロ犬なんじゃねぇか…?」
190 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:16:52.13 ID:tDQmc38bo
フェイ『ちょっとー誰かー?アタシの事忘れてんじゃないのー?』

エド『フェイフェイはー、今ちゃんとレッドテイルに乗ってるー?』

フェイ『は?急にどうしたのよ、アンタ。そりゃ通信するために中に居るけど…?』

エド『じゃー…こっちにいらっしゃーい!!』カタカタ

フェイ『きゃっ!!ちょっと何したのよ!!』ブイーン

ジェット『なぁ、エド。遠隔操作するのは良いが、突っ込ませるなよ…?』

エド『おーきーどーきー!!なんちゃって』
191 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:17:44.95 ID:tDQmc38bo
クード「はぁ…取りあえず行くかぁ…」ブツッ

レン「クー、あの正面の入り口…」

クード「突っ込んだ跡…え、建物の中に突っ込んだの?」

レン「取り敢えずスパイクが何処に行ったのか探らないと」

クード「まぁ、この様子だとすぐ見つかりそうだけど…」

レン「アイン、スパイクを臭いで追える?」

アイン「ワン!!」

クード「すっげぇ!!やっぱ犬の鼻っていいんだな」

アイン「ワンワン!!」

レン「ついて来いって言ってるのかな?」

クード「でもイマイチ信用できねぇんだよなぁ…。ホントにレンの言った通りスパイク追ってんのかな?」

レン「でも、あの壊れた入り口に向かってるよ?」

クード「あれこれ考えてもしゃーないか…。うっし!アインに付いてこう!!」

レン「うん」
192 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:19:23.39 ID:tDQmc38bo
―ジェット&エドside―

ジェット「しっかし…レッドドラゴンはスパイクが潰したハズなんだがなぁ…」

エド「でもでも、その抗争の時ってスパイクはズタボロさんになってたんじゃなかったっけー?」

ジェット「あぁ、相手のボスに致命傷を負わせて、その後自分もぶっ倒れちまったらしい」

エド「じゃーあ、なんでスパイクは帰ってこれたの?」

ジェット「なんでってそりゃあ、アイツは悪運の強さだけは誰にも負けねぇからなぁ…。死に損なったんだろう」

エド「そーじゃなくってー…。敵さんのお家に一人で行って、ボスさんを倒したとしても周りはまだ敵さんだらけでしょ?」

ジェット「いや、それがそうでもないんだ。レッドドラゴンはアイツの古巣でな…。
その時のボスってのもクーデタで組織を乗っ取ったばかりだったらしく、賛否分かれる状態だったんだと」

エド「じゃー今回はその乗っ取りさん一派の生き残りが黒幕さん?」

ジェット「その可能性が高いだろうな…。取りあえず、レッドドラゴン関係者の情報を洗ってくれ」

エド「りょーかい領海大漁かい?」カタカタ

ジェット「こっちは最近アークエイル絡みで不審な事はなかったか、ボブ辺りにでも当たってみる」
193 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:20:19.29 ID:tDQmc38bo
―クード&レン&アインside―

クード「…なんだよ、これ」

レン「人が…たくさん、死んでる…の?」

クード「これ、ほとんど銃創だ…」

レン「スパイク…」

クード「レン、覚えてるか?ビーゾンの屋敷に潜入するときの事。スパイクが囮に行く前に言ったこと」

レン「…うん。あの時の表情、なんか別人みたいだった」

クード「あんな事言えるのは、人を殺した事があるから…なんだよな、きっと…」

レン「でも、今のスパイクが良い人なのに変わりはない…」

クード「そうだな…。よし、引き続き頼むぜ、アイン!」

アイン「んふー」プイッ

クード「あ、あれ…?」

レン「お願い、アイン…」

アイン「ワン!」

クード「やっぱムカつくなぁ、この犬…」
194 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:21:43.70 ID:tDQmc38bo
―スパイクside―

スパイク「チッ、うじゃうじゃと!!」パンパン

曲がり角に隠れつつ、時折こっちに向かってくる敵を撃つ。

???「スパイク。そんな事では埒があかんぞ」クックックック

敵が構えている更にその奥から誰かがカツカツと歩み出てくる。

スパイク「ビシャス…ッ!!やっぱり生きていやがったのか!!」

ビシャス「あぁ、貴様を殺せるのは俺だけだ。同じように俺を殺せるのもお前だけだ。そう、思っていたんだがな…」

スパイク「なら、今度こそ俺が葬ってやるよ!!」パンパン

今や誰よりも前に出ているビシャスに対して発砲するスパイク。しかしビシャスは、右手に持っていた日本刀を数回振ると銃弾をすべて弾いた。

ビシャス「残念だよ、スパイク。今の貴様に俺は殺せないさ…。あんなガキどもと仲間ごっこをしている様ではな!!」

さらに歩を進め、スパイクに近づいてくる。
195 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:23:03.81 ID:tDQmc38bo
スパイク「!?何故、クード達の事を知っている!!」

ビシャス「何故?解らないのか、本当に?ここは何処で、貴様はここに来るまで誰と闘ってきた?」カツカツ

スパイク「…アークエイルを乗っ取ったのか?」

ビシャス「フッ、ハハハハハ!!人聞きの悪いことを言う!!ちょっと力添えを頼んだだけなんだがなぁ…」カツカツ

すると、ビシャスの足音がピタリと止まる。次の瞬間、スパイクもビシャスも飛び出す。
スパイクの拳銃はビシャスの頭に、ビシャスの刀はスパイクの首元に、それぞれ当てられていた。
196 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:24:17.31 ID:tDQmc38bo
ビシャス「スパイクよ、俺はあの日以来、夢から覚められずにいる…」

スパイク「奇遇だな、俺も覚めない夢を見ていたよ…あの日まではな」

二人が膠着状態になると、奥に控えていた敵が、スパイク目がけて発砲する。

ビシャス「手を出すな!!この男は、俺がやる」

スパイク「へぇ…力添えを頼んだにしちゃあ随分高圧的な態度なんだな?」

ビシャス「ふっ、貴様らの様な仲良しごっこは性にあわんのでな」

スパイク「援護を断ったこと、後悔すんなよ?」

ビシャス「貴様こそ、仲間を連れてこれば勝てたなどと抜かすなよ」

パァンブシャッ
197 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:25:13.56 ID:tDQmc38bo
―クード&レン&アインside―

クード「これ、アインに頼る必要もないかもな…」

レン「さっきから、人が一杯倒れてる所ばかり通ってるもんね…」

クード「スパイク、無事かな…」

レン「多分、無事ではないと思う…」

アイン「ワン!!」

クード「どうした、アイン?」

レン「近くにスパイクがいるってことかも…!!」パァン

クード「銃声!?あの角からだ!!」

レン「急ごう…!!」
198 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:26:13.23 ID:tDQmc38bo
―ジェット&エドside―

ジェット「ふぅん…じゃあ、レッドドラゴンが壊滅したのは間違いないんだな?」

ボブ『何度も言っているだろう?それに、お前さんだって関わったろ、あの件に関しちゃ』

ジェット「俺は何も知らん。全部スパイクが一人でやっちまったから、アイツの回収にいっただけだ」

ボブ『それとな、アークエイルに関してなんだが、確かについ最近までは「エディルレイド完全保護協会」として機能していたんだが…』

ジェット「最近はどうもおかしかった、と?」

ボブ『いや、地方の支部や一般の保護協会員はちゃんと働いているんだがな…。上層部がマフィアとの癒着があったらしい』

ジェット「まさかそのマフィアってぇのは…」

ボブ『あぁ、お察しの通りさ。レッドドラゴンの残党共だな』
199 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:27:45.92 ID:tDQmc38bo
ジェット「しかし、何だってアークエイルなんざと手を組んだんだ?」

ボブ『いや、こいつらは特にこことだけ癒着してたわけじゃなく、太陽系の人が住んでる惑星のほとんどに支部を置いているみたいだ』

ジェット「なにぃ!?そんな事が可能なのか…?」

ボブ『腐っても海鼠、って訳だよ』

ジェット「それだけの事をするってこたぁ、余程の馬鹿か、そんだけ憎い奴が居たってことか?」

ボブ『おぉ、今日のお前さんは冴えてるねぇ。現役時代にも発揮してもらいたかったもんだ』

ジェット「馬鹿言え、お前何ざよりゃよっぽど冴えてたぜ」

ボブ『まぁ、昔話は今は置いておこう。つまりだな、その組織を壊滅させた張本人を追ってるわけだ』

ジェット「ったく、あの馬鹿は…。壊滅させるならさせるで、何でもっとスマートにできないのかねぇ…」ハァ
200 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:29:01.76 ID:tDQmc38bo
ボブ『お前さんの相方じゃあ仕方の無い事だろう!』ハッハッハッハ

ジェット「なにぃ?俺ほど器用で繊細な中年はいねぇぞ」

ボブ『確かに、毛は細かったなぁ』

ジェット「チッ。どいつもこいつも頭髪の事馬鹿にしやがって。で?首謀者は解ってんのか?」

ボブ『あぁ、奴さんも隠す気はないみたいでな、ちょっと調べたらすぐ出てきたよ。
ビシャスって言う長身の男で、常にカタナを持ってるらしい』

ジェット「ビシャスだぁ!?なんでそれをもっと早く言わねぇんだ!!」

ボブ『おいおい、急にどうしたんだよ…』

ジェット「いや、すまねぇ…。兎に角、助かった」

ボブ『おう、また今度なんか奢れよ』

ジェット「金が稼げたら、な」ブツッ
201 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:30:26.57 ID:tDQmc38bo
エド「ねぇ〜これ見て見て〜」

ジェット「あん?なんだ、これは?」

エド「真っ赤なドラゴンさん調べてたら、生き延びた人たち、みーんな死んじゃってるの!」

ジェット「何だってそんな…。いや、待て。これ全部殺しか?」

エド「うん、データ上ではそーなってるけどねー…実際は半分くらいの人が生きてるんだー」

ジェット「って事は…クーデタ反対派が排除されるカムフラージュで死んだことにされてるのか…」

エド「でもねでもね、ビシャスって人だけ死んでないんだー」

ジェット「でもそれじゃあ、すぐに容疑者になっちまうだろ」

エド「もーっと面白いものが出てきたよー!ISSPのねーお偉いさんの預金口座の増えてる分とね、
ビシャスちゃんの組織から出てってるお金足した分とがね、時々一緒になってるんだー」

ジェット「成程、あっちもこっちも癒着癒着、か…」

エド「えービシャスちゃんは全身ネバネバなのー?」

ジェット「まぁ、間違っちゃいねぇ…」
202 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:32:03.79 ID:tDQmc38bo
―スパイクside―

スパイク「くっ…」

ビシャス「ぐぁっ…」

お互い、避けると同時に攻撃を繰り出す。
スパイクは首を斬られそうになるのを後ろにかわしたため、胸に切り傷を受け、
ビシャスはスパイクの体勢が崩れた事により右腕に銃弾を受ける。
お互い、一旦距離をとる。

クード「スパイク!!」

スパイク「クー!?なんで来た!!」

ビシャス「よそ見している余裕があるのか…!?」

ビシャスが刀で切りかかってくる。何とか拳銃で受け止めるが、若干押され気味だ。
203 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:33:00.88 ID:tDQmc38bo
アイン「わぅ!!」

アインは一吠えするとビシャスの足元に噛みつく。

ビシャス「チィッ。なんだこの畜生は…!!」

ビシャスはアインを蹴り上げる。壁際まで飛ばされるが、すぐに起き上り向かっていく。

アイン「きゃうんっ」

またアインが飛ばされる。それに合わせて、奥に控えていた敵が発砲を開始する。

クード「くそっ!!あのままじゃ…」

レン「クー、リアクトを…!!」

クードとレンはリアクトをすると、アインと銃撃部隊の間に入る。

クード「レン、捌けるか!?」

レン『大丈夫、私とクーならこれくらい…!!』

クードが大剣を軽く振るうと、風が巻き起こり銃弾が逸れる。
204 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:33:50.18 ID:tDQmc38bo
クード「アイン、危ないから下がってろ!!あっちは俺が何とかする!!」

しかし、アインはまたしてもビシャスに向かっていく。

スパイク「チッ、普段は馬鹿にした態度取るくせに…。泣かせてくれるぜ」

ビシャスがアインに一瞬気を取られた隙に刀を弾き返す。

ビシャス「ぬぅっ!!」

すぐにスパイクに向き直るが、それを見計らったかのようにアインが飛び上がり、ビシャスの肩に噛みつく。

ビシャス「いい加減にしろ!!」

激昂したビシャスは、腋の下へと刀を通し、そのまま上へ突き上げようとする。
その先にはアインが噛みついた状態でぶら下がっている。
205 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:35:30.30 ID:tDQmc38bo
スパイク「させるかよっ!!」パンパン

刀を持っている方の手に命中させ、刀を弾く。

ビシャス「スパイクゥ…!!貴様ぁ!!」

ビシャスは反対側の手でアインを掴むと、スパイクの方に放り投げる。
今まさに発砲しようとしていたスパイクだったが、一瞬手が止まる。
その隙にビシャスは刀を拾い、まだ空中に居るアイン目がけて突き刺そうとした。

スパイク「アイン!!」

スパイクはアインの方へ飛び込んでいき、空中でキャッチするとそのままビシャスに背を向ける形になる。

ビシャス「スパイク…昔のお前ならそんな犬など気にせず俺を撃ち殺していただろう」

ビシャスはそのまま刀を突き出してくる。

アイン「ガウッ」

だがしかし、アインがスパイクの腕を噛んだ。
206 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:36:28.89 ID:tDQmc38bo
スパイク「!?ってぇ!!」

噛まれた痛みによって、スパイクはアインを掴んでいた腕を緩める。すると、アインはそのままスパイクの肩の上に乗り、ジャンプした。

ビシャス「なんだと!?」

ビシャスの顔面にへばりつくと、頭に齧り付いた。ビシャスの刀は、目測を誤り、スパイクの肩甲骨辺りを浅く切りつけるだけに終わった。

スパイク「やるねぇ、馬鹿犬!!」パンパン

そう言うと倒れこんだ体勢から、今度は確実に左腕を仕留める。アインは飛び降りて少し離れたところから低く唸っている。

ビシャス「くっ…!!」

刀を取り落し、その場に膝をつくビシャス。だが、スパイクは容赦せず発砲を続ける。
207 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:37:32.75 ID:tDQmc38bo
ビシャス「クックックック…俺を殺せるのは貴様だけだが、貴様を殺せるのも俺だけだ。一緒に連れて行ってやるよ」

ビシャスは懐から短剣を取り出すとスパイク目がけて放る。何とか避けようとするが、
これまでのダメージで思う様に体が動かず、腹に突き刺さる。

スパイク「ぐはぁっ…」

それと同時に、弾丸がビシャスの眉間を貫く。バタリ、と二人ともが倒れる。

クード「スパイクっ!!」

クードはすぐに駆け寄ろうとするが、敵の射撃が止まない。

レン『だめ、クー。今動いたらクーもただじゃ済まない!!』

クード「んな事言ったってスパイクが!!」

レン『うん、だから皆まとめて守っちゃえば良いんだよ。クーもスパイクもアインも』
208 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:38:52.12 ID:tDQmc38bo
クード「それって…」

レン『感じて、私の歌を…』

「『昨夜覚し真人に

 何くれとも触ればい

 かを柵んばかち落えん』」

クード「リジェクトアウト!!」

レンの大剣が少し小ぶりになり、代わりにクードの周りを風の鎧が取り巻く。
敵から放たれた銃弾はその風の流れに乗って後ろへと受け流されていく。

クード「レン、頼むぜ!!」

レン『うん』

そういうと風の鎧が広がり、スパイクやアインも包み込む。
209 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:39:53.43 ID:tDQmc38bo
クード「おい、もうお前らのボスはやられたんだ!!これ以上戦う意味はないだろ!!」

取り敢えず危機を凌いだクードは、残った敵たちに訴えかける。しかし、相手方は攻撃の手を緩めない。

レン『クー、この防御もいつまでも出来る訳じゃない…。ここは、取りあえず皆気絶させる程度はしないと、逆に私達が危ないよ』

クード「…解った。でも、大技はなしな」

そういうとクードは一歩前に進む。相変わらず相手の銃撃は続いているが、風の鎧を纏う二人には何の脅威にもなり得ない。

クード「はぁー!!」

思い切り剣を横に振るう。すると物凄い風が起こり、敵は全員奥の壁や天井に叩き付けられる。
多くの人間が気を失うが、中には運悪く、破壊された壁から出ている鉄筋に突き刺さってしまう者もいた。
210 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:40:56.26 ID:tDQmc38bo
クード「くっ…。やっぱり全員無傷ってのは無理か…」

レン『それよりも、早くスパイクを連れていかなきゃ…!!』

クード「…なぁ、レン。あのケガしている人とかってさ、放っといたら死んじゃうのかな?」

レン『…そうかも知れない。けど、クー。私達は戦える力はあっても、無敵な訳じゃないよ』

クード「…解ってるよ。こんな考え、高慢なだけだってのも解ってる。ただ、やっぱりスパイクみたいに割り切れはしないぜ…」

レン『多分、スパイクも昔はそうだったんだと思う。ただ、自分の無力さで大事な人を失った経験があったら…こうなるのも仕方ないかも』

クード「そっか…。ごめんな、レン。嫌な事言わせた」
211 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 04:41:29.83 ID:tDQmc38bo
レン『ううん、戻ろう?』

クード「そう、だな…」

アイン「くぅん…?」

クード「はは、この馬鹿犬。普段は、あんななのに…こーいうときは、慰めてくれんの、かよ…」グスッ

レン「クー、私もいるよ?」ピカー

クード「ありがとな、レンもアインも」

アイン「ワン!!」

クード「…うっし!しんみりした雰囲気は俺にゃ似合わねーし、戻るか!!」

レン「おー」

アイン「ワン!!」
212 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 05:58:05.24 ID:tDQmc38bo
―ビバップ号―

ジェット「こいつぁまずいな…」

エド「どーしたのー?」

ジェット「恐らく、スパイクの野郎はビシャスをやれば事態は収束すると考えているかもしれんが…」

エド「違うのー?」

ジェット「組織内でまたトップ争いが起きるだろうな…。下手すりゃアークエイルもそれに巻き込まれて、この星はとんでもないことになる」

フェイ「実質的トップがここに居たんだから、ここが争いの場になってもおかしくないでしょーね」
213 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 05:58:54.60 ID:tDQmc38bo
エド「あ、フェイフェイお帰りー!!遅かったねぇ」

フェイ「アンタが機体滅茶苦茶にしてくれたおかげでしょうが!!」

エド「えへへー」

フェイ「褒めてないっつの…」ハァ

ジェット「おまけにビシャスはここを拠点として活動するつもりだったのか、組織の主な部分を火星から移設しちまってる」

フェイ「マジィ?ヤバいんじゃないの?」

ジェット「壊滅させるならさせるで、綺麗さっぱり潰してくれりゃあいいんだがな…」

フェイ「どーせあの馬鹿の事だから、ビシャスさえやれりゃ他はどーでもいいってスタンスでしょーよ」
214 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 05:59:33.13 ID:tDQmc38bo
エド「それよりー、ハンターさん達はどーなったのー?」

ジェット「…そーいや、スパイクの事ばっか気にしてたが、クーたちはあの二人の捜索もしてんのか…?」

フェイ「さぁー?でもレンちゃんの執着ぶり見る限り、大丈夫なんじゃない?」

エド「執着、集客、いらっしゃーい!!」カタカタ

ジェット「エド、今度は何してんだ?」

エド「んっとねー、邪魔邪魔な電波さんにバイバーイってしてるの!」

フェイ「あーあの電波ね、鬱陶しかったわ…」

ジェット「すぐには出来ないんじゃなかったのか?」

エド「んー、でもクーたちが出てった頃から並行してやってたからー」
215 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 06:00:14.30 ID:tDQmc38bo
エド「あ!来たー!!もしもーし、聞こえまーすかー?」

クード『うわぁ!?通信できないんじゃなかったのか?』

エド「電波さんはねーもう居ないよー」

レン『それより、ジェット!!スパイクが…!!』

ジェット「あのバカがどうした!?」

スパイク『よぉ、旦那…。ちょっとヘマしちまってな…。悪いが迎えに来てくれねぇか…?』

ジェット「チッ、くたばったのかと思ったじゃねぇか…」

フェイ「ちょっと、結局大丈夫なの!?」

スパイク『なんだ、二人とも心配してくれてんのか…?』

ジェット「ふん、お前がくたばりゃ食い扶持が減って少しは楽になるなって期待しただけだ」

フェイ「アタシも借金が少し減って清々すると思ったのに…」
216 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 06:00:56.20 ID:tDQmc38bo
スパイク『おい、二人とも、トーンがマジだぞ…?照れ隠し、だよな…?』

ジェット「そんなことよりだな、クー、レン。ヴォルクス達は見つかったのか?」

スパイク『そんなことってアンタ…。俺割と重症なんだぜ?』

フェイ「頭の方が、ね。ホント独りで飛び出すなんてどうかしてる」

スパイク『…』

クード『それがさぁ、取りあえずスパイクが邪魔だから撤退しちゃったんだよ』

スパイク『お前ら怪我人にはもうちょっと優しく出来ねぇのか?…ってて』

ジェット「ハァ…仕方ねぇ、今から迎えに行くから、エドとアインをお守りにつけて皆で探すか…」

スパイク『俺ぁガキとケダモノは嫌いなんだがな…』

アイン『ワゥッ!!』

スパイク『うわッ!!悪かったから噛むなよ!!』

ジェット「ったく…」ハァ

フェイ「言葉の割にニヤけてるわよ」クスッ

ジェット「あぁ?俺は元々こういう顔だったぞ」
217 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2014/12/15(月) 06:26:08.45 ID:tDQmc38bo
取り敢えず今回はここまでです。
アークエイル編、終わる予定だったんすけどね…
次回にちょっとだけ続きます。

おまけ

玉翠「あの男もダメだったデショ…」

玉翠「まぁ、初めから余り期待はしていませんでしたが」

玉翠「彼に執着しすぎた結果デショ。アークエイルをもっとうまく使えば彼女の捕縛など容易かったはず」

来蕾「なー何ブツブツ言ってんだー?」

玉翠「何でもないデショ」

来蕾「でさ、こいつらどーすんの?」

玉翠「連れていくデショ」

来蕾「えー、でもこいつら一回寝返ったじゃん!」クルクル

玉翠「一度負けただけで、別に寝返ったわけではないデショ」

来蕾「そうなの?って言うか何の話だっけ…こいつらどーすんの?」クルクル

玉翠「ハァ…」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/15(月) 19:14:30.97 ID:JHLR49HLO
おつおつ
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/01/09(金) 18:45:18.98 ID:x9B+7d96O
そろそろ
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2015/01/16(金) 11:55:15.17 ID:9ufALYupO
あくあく
221 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/01/18(日) 15:35:23.54 ID:cm1Hm8Q4o
ちょっと私事で申し訳ないのですが遊びすぎまして…
そのしわ寄せが今になって来ちゃっているのです…
なので暫く書けそうにないですすみません…
最悪落ちたら同名のスレ建てますので
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2015/01/19(月) 10:04:41.27 ID:P1qfUJs1o
落としてもいいやと思ってはいかんと思うの。

待ってるよ
223 : ◆6MneZcLWaIyz [sage]:2015/02/02(月) 05:41:32.55 ID:LPD+KW/To
そうですね、すみません
じゃあ月初めに生存報告だけでもなんとかします
生存報告ついでに思いついたネタを…


スパイク「ん…あれ?」キョロキョロ

フェイ「何アンタ、火も着けないでタバコなんか咥えちゃって」

スパイク「いや、一本吸おうと思ったんだが灰皿がねぇんだよ。知らねえか?」

フェイ「昨日アタシが吸った時まではあったわよ?アンタが寝ぼけてどっかやったんじゃないの?」

ジェット「おいスパイク!台所にあった灰皿知らねぇか?」

スパイク「そっちも無いのか?」

ジェット「あぁ?どーゆーこった?」

フェイ「こっちにあった灰皿もなくなってんのよ」

スパイク「…って事は」

ジェット「…まぁそうだろうな」ハァ

フェイ「え、何。何で二人だけ目で会話してんのよ?そーいう関係?」

スパイク「頼むから黙っててくれ…」ハァ

ジェット「以前タバコ吸ってたとこを寝起きのレンに襲われてんだよ…」

フェイ「じゃあもしかして今回の事って…」

スパイク「レンだろうな」
224 : ◆6MneZcLWaIyz [sage]:2015/02/02(月) 05:52:44.30 ID:LPD+KW/To
ジェット「ったく…最近の若いのはどうしてそんなに煙草を嫌うかねぇ」

スパイク「全くだぜ!それどころか最近じゃ世間様が禁煙禁煙って煩いのなんの…」

フェイ「あー確かにねー。アタシ子供の頃普っ通に電車とかでも吸ってたし、テレビの生中継中に吸ってる人もいたわ」

スパイク「お前の子供の頃っていつだよ…。俺たちの親も生まれてねぇんじゃねーか?」

フェイ「失礼な!!流石にそこまで前じゃ…あれ、それくらいか…?」

ジェット「どちらにせよ、愛煙家には厳しい世の中になっていってるのは間違いねぇな…」

スパイク「…禁煙しようかな」

ジェット・フェイ「「無理だな(ね)」」

スパイク「アンタらもな…」シュボッ
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/04(水) 01:42:34.04 ID:uGMU88QZo
きてたか!やったぜ!

次待ってるぜぇ
226 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/02(月) 02:28:55.14 ID:J2G0GVsoo
お久しぶりです。時間は少しずつ取れるようになってきたのですが…
迷走しております。取りあえず、次までの繋ぎの話だけでも投下していきます。
後、エドが難しいので、違和感があれば指摘していただけると、今後の参考になります。

―ビバップ号―

ジェット「で…捜索したはいいが」

クード「あの二人どころか人っ子一人居なかったぜ」

スパイク「流石に誰もいないってのは不自然じゃねーか?」

フェイ「そーなのよねぇ…。負傷したのとかアークエイルの職員とかは何処へ行ったって話よ」

クード「やっぱりあのクソブローカー共をとっちめるしかねぇ!!」

レン「私もクーに賛成。どちらにしろ、向こうも私を狙ってるし」

フェイ「でも、どーやってとっちめるのよ?こっちは向こうの居場所も、名前すら知らないのよ?」

スパイク「賞金首だな…」

ジェット「あぁ、俺もそれが良いと思う」

フェイ「前々から思ってたケドさぁ…アンタら何でそんなに息ぴったりなの?デキてんの?」

ジェット「俺がぁ!?コイツとぉ!?…冗談でもよしてくれ」ハァ

スパイク「俺もごめんだな。男色に走るとしてもせめて髪の生えた奴を選ぶさ」
227 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/02(月) 02:30:06.89 ID:J2G0GVsoo
エド「リストアーップかんりょー!ただね、そっれぽい人が沢山居てあんまり当てにならないかもかも」

フェイ「ちょっと待って、私まだ話についていけてないんだけど。勝手に進めないでくれる?」

クード「なんだよ、まだ解んねーのかよ?ブローカーの取引相手捕まえて吐かせようってんだろ?」

レン「クー…珍しく冴えてる…」ワラワラ

クード「あの、レンさん…?なんで機械にビビってる時と同じ反応なんだよ…」

スパイク「レンにとっちゃそれくらいビビることだったんだろ」

クード「うっせ!怪我人は黙って寝てろってんだ」

ジェット「はぁ…どうでもいいが話を進めるぞ。まぁ、さっきクーが言った通りだ。賞金首の中から誘拐犯だとか、ハンターと思われる者を追う」

エド「ただの誘拐犯ならお金にしてバイバーイ、ブローカーさんと繋がってたら取引現場を押さえてどっかーん」

クード「いや、どっかーんしちゃったらヴォル達の居場所解んなくなるじゃんか…」
228 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/02(月) 02:31:12.32 ID:J2G0GVsoo
ジェット「まぁ、どちらにせよ、賞金首を追ってればいつか手がかりがつかめるはずだ」

フェイ「じゃあなぁーに?結局今までとやることは変わんないってこと?」

スパイク「追っかける賞金首の選び方が、金額じゃなくなるってことさ」

フェイ「えぇー私雑魚には興味ないんだけどー…」

ジェット「そういう事は雑魚でもいいから捕まえてきてから言え」ハァ

スパイク「賞金首自体は小物でも、追ってるもの自体はデカいからな…。良いねぇ、乗ってきた」

レン「スパイクはまず、身体を治さないと…」

クード「そーそ。いつも無理するんだからこーいうときくらい休んどけって」

ジェット「アイツらの救出も急務だが…スパイクの怪我が癒えるまでは余り大々的には動かない方が良いか…」
229 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/02(月) 02:33:12.87 ID:J2G0GVsoo
レン「でも、賞金無いと、生活費も…」

フェイ「そーよねー…。アタシも今すっからかんだし…」

スパイク「お前は寧ろ持ってる時のが少ねぇじゃねーか」ハァ

エド「うーんとねーここからちょっと行ったとこに賭け試合できるとことがあるよー!」

クード「ってもなぁ…。一番強いスパイクはこの様だし、俺も格闘技とかはあんまりだし…。ジェットが出るのか…?」

フェイ「何々…あら、これエディルレイドも出られるらしいわよ?」

クード「いや、でもレンを賭けの道具になんて…」

レン「クー、出よ?クーが私の事道具や武器みたいに扱わないのはもう知ってるから、大丈夫」

クード「だけどよぉ…。危ない目にだって遭うかも知れないぜ?」

レン「それなら実戦の時も同じ。寧ろ試合って銘打ってる分、安全だと思う」

スパイク「まぁ、そりゃレンの言うとおりだわな。いーんじゃねぇのか、修行と思って参加してくれば」
230 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/02(月) 02:34:10.11 ID:J2G0GVsoo
クード「けど、エディルレイドを使った賭け試合なんて絶対違法なやつだろ?安全かどうかも解んねーぜ?」

ジェット「行ってから参加するかどうか決めればいい。寧ろ逆に、違法な所の方が個人情報とか公開せずにやれたりするから、現状考えるとそっちのが安心かもな」

クード「…けどやっぱり」

フェイ「もーけどけど煩いわね!!男なら一発やってやる!くらい言えないの!?」

クード「フェイ…」

フェイ「別にアンタを励ましてんじゃなくて、出たら目一杯賭けてやろうってだけだからね」

クード「なんだろう、普通照れ隠しのセリフなのに…フェイが言うと本気にしか思えない…」

フェイ「そりゃあ本気だもの」

レン「フェイ…守銭奴?」
231 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/02(月) 02:34:42.57 ID:J2G0GVsoo
フェイ「ぐっ…。あの馬鹿とかに言われるならまだしも、レンちゃんに言われると何かこう、クルものがあるわね…」

スパイク「なんだオタク、マゾヒストだったのか?」

フェイ「クルってそーいう意味じゃないわよ!!」

ジェット「ったくテメェらは喧嘩以外のコミュニケーションは取れねぇのか…。んで、クー。どうするんだ?」

レン「クー…。今までは何とか勝ってこれたけど、戦い方を学んで、確実に勝てる様にしておいた方がいいと思う。今まで、スパイク達が居なかったら負けてた戦いが多いよ?」

クード「そう…だな。うっし!いっちょやってやりますか!!」

レン「おー」

ジェット「そうと決まればその街に行くか。エド、街の名前は解るか?」

エド「んーとね、ラズフェアンクル?ってとこだよー!レズフェイクルみたいだねー」

スパイク「流石に無理やりすぎねぇか、それは…」
232 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/02(月) 02:57:13.61 ID:J2G0GVsoo
???「ねぇさん、こっちの服も着てみない?あ、次の試合の時なんかこの服はどうかしら?」

???「ちょ、ちょっと待てリィリア…。僕にこの格好で試合に出ろっていうのか?」

???「折角最後の試合なんだから、おしゃれしていかないと!」

???「だ、だからってこの超ミニスカとへそ出しはやりすぎだろう!?」

???「大丈夫、とっても似合ってるわ、ねえさん」

???「そういう問題じゃない!!」


と言う訳で次回からラズフェアンクル編です。でも前回リジェクトアウト発動しちゃったし、シンクロ率や
力の使い方についてもちょこちょこやっちゃったしで、どうしようか悩んでます。
ただ、熱狂的なファンの子は今後の展開上出会ってもらわなくては困るので省略するわけにもいかず…。
ぶっちゃけ姉妹の方は居ても居なくてもストーリーには関係ないので僕の趣味ですが
カウボーイビバップしか見てない人はラサティ、リィリア、フィロで調べておいてください。リィリアが可愛いです。
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/09(月) 22:14:46.01 ID:JUID7+pAO
ラサティとか懐かしいな。蒼で再登場しないかなぁ。
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/11(水) 02:41:20.04 ID:ZJdVt6iUO
来てたか!おつおつ!
235 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/14(土) 06:38:08.17 ID:sY+YVUqmo
―ビバップ号―

クード「なぁ、まだつかないのかー…?」

ジェット「もうじきラズフェアンクルが見えてくるはずだ」

フェイ「ったく最近のガキンチョはホントに辛抱できないわね」

クード「だってよー…この中居てもやる事ねーんだもん。途中街とかで休憩いれてくれてもいーじゃんよー」

ジェット「寄り道したらその分時間はかかるし、この船の大きさだと一度エンジン停めたら再起動するのも燃料の消費が馬鹿にならねーんだ」

スパイク「いっつも目的地に直行してたのはそんな理由だったのかよ…」

フェイ「賞金首を早く捕まえるため、とかもっとマシな理由だと思ってたわ…」

ジェット「うるせぇ。だったらもっと稼いできやがれ」
236 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/14(土) 06:39:07.56 ID:sY+YVUqmo
クード「にしても遅すぎだろ!?もう二日はこの調子だぞ!!宇宙船ならもっと速く飛べるだろ」

ジェット「燃え尽きてもいいなら宇宙を航行している時の速度出すぞ?」

クード「へ…?」

スパイク「そんな難しい話したってこのガキにゃ解んねーさ。そもそもこの星自体、最近宇宙開発が始まったばかりなんだ。学のない奴ぁ知らんだろ」

クード「さっきから遠まわしに馬鹿にされてる…?」

フェイ「ド直球で馬鹿って言われてんのよ」ハァ

クード「んなっ!?」

レン「クー、馬鹿でも仕方ないよ。子供の頃から学校どころじゃなかったんだもん」

クード「…っうぐ」

スパイク「レン、フォローになってないみたいだぞ」
237 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/14(土) 06:40:55.00 ID:sY+YVUqmo
ジェット「まぁ簡単に言えば空気があるからあんまり速度出すと摩擦で燃えちまうんだよ」

フェイ「ま、どーせ出せても燃料費ケチるためにゆっくり行くでしょうけど」

スパイク「お、なんだかんだジェットの事解ってきたんだな!」

フェイ「そりゃあ、ね…。堅物でケチで禿ってくらいしか特徴無いもの」

スパイク「まだあるぜ?」

スパイク・フェイ「「お人好しでお節介」」

ジェット「ったく…。人を馬鹿にするときだけ息ぴったりになりやがって…。そのコンビネーションを戦闘時にも出せってんだ」

エド「ぴったりキッカリ到着でーす!!」

スパイク「おぉ、着いたのか?」
238 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/14(土) 06:43:08.37 ID:sY+YVUqmo
クード「ひゃっほう!久々の外だ!!」ダダダダ

フェイ「あーら、中々良い街じゃない。ショッピングとか行ってこようかしら」イソイソ

ジェット「…はぁ。二人ともすぐに外に飛び出していきやがったが、この街に来た目的忘れてねーだろうな」

スパイク「まぁ、大丈夫だろ。二人ともそう簡単に船から出られないさ。この街、セキュリティとかしっかりしてそうだし」

ジェット「あぁ?どーいうこった?」

スパイク「今に解るさ」
239 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/14(土) 06:44:13.83 ID:sY+YVUqmo
ジェット「まぁ、良い。エド、取り敢えず賭け試合についてネットの方から探ってくれ。
詳しい事は直接街に出てみた方が探りやすいかもしれんが、補助的なモンだと思ってくれ」

エド「あいあーい」

スパイク「俺は?聞き込みとかあんまり好かねぇぜ?」

ジェット「好み以前にテメェは動けねぇだろ。留守番だ」

スパイク「戦闘は無理でも多少なら動けるさ」

ジェット「そーいうことはソファの独占を止めてから言うんだな。ここ数日、風呂とトイレ以外そこに転がりっぱなしだろーが」
240 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/14(土) 06:45:07.76 ID:sY+YVUqmo
スパイク「やれやれ…。俺も甘く見られたもんだぜ。逆に風呂とトイレには行けてるんだから外を歩き回るくらい…」

ジェット「俺とクーが肩を貸してなきゃそこに居続けただろうが」ハァ

スパイク「…オーケィ、了解だ。今は傷を早く治すようにするよ。だからそんな心配そうなツラすんな、レン」

レン「…っ!気付いてたの?」

ジェット「…俺の説得はなんだったんだか」ハァ

スパイク「説得?説教ならされたがな」

ジェット「…ったく」

レン「ジェット、嬉しそう」

ジェット「し、仕事の邪魔されなくて良かったってだけだ!」

スパイク「おっさんの照れ隠しとか誰も見たくねーよ」ハァ

ジェット「隠さずに照れて見ろ。それこそ見たくねぇだろ」ハァ

エド「溜息、溜め池、落っこちた!!」
241 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/14(土) 06:47:06.34 ID:sY+YVUqmo
―港―

港職員「えーと…ビバップ号ビバップ号…あったあった!火星を拠点に活動?はぁ、態々こんな遠くまでこんなボロ船でねぇ…」

クード「いや、俺は元々この星に住んでたんスけど…。成り行きで同行することになって…」

港職員「はぁー…そうですかー。で、そっちの方は?」

フェイ「アタシ?アタシは…あれ、なんて説明したら良いのかしら…。話せば長くなるんですけどぉ…」

港職員「あ、いや、結構です。身分証の提示だけお願いしますー」

クード・フェイ「「身分証…?」」

港職員「もしくはエディルレイドの方なら核石を見せて頂くだけでも結構ですー」
242 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/14(土) 06:48:38.84 ID:sY+YVUqmo
フェイ「…ねぇ、おにぃさん?それって絶対見せなきゃだ・め・?」

港職員「ダメですねー。あとすみません、私男性にしか興味ないので」

フェイ「何よ!?なんでこんな所に務めてるのがホモなのよ!!」

港職員「ホモ?今ホモって言いました?侮辱罪ですね。あと、速やかに身分証を提示しない場合は公務執行妨害も付加します」

フェイ「ちょ、ちょっと待ってよ!!冗談だって、冗談!!全くお役所仕事は冗談が通じないんだから…」

クード「なぁ、俺子供の頃親に捨てられて空賊育ちだから身分証なんて持ってないんだけど…」

港職員「それはお可哀想に…」

クード「だ、だからさ!通してくんね?」

港職員「それとこれとは別です。あと、空賊育ちって仰いましたね?
窃盗罪、もしくは強盗罪に値する可能性があります。後ほどお話を詳しく…」
243 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/14(土) 06:49:56.88 ID:sY+YVUqmo
クード「い、いやちょっと待ってくれよ!!空賊って言っても悪い空賊団じゃないんだ!!
寧ろ、脱税とか、悪い事して儲けてるやつから盗む義賊みたいな感じだったんだよ!!」

港職員「盗んでいるなら同じことです。法治国家である以上、善悪は感情ではなく法が定めます」

フェイ「…クー、ちょっとこれ不味くない?」ヒソヒソ

クード「このままだと俺ら絶対捕まるって…」ヒソヒソ

フェイ「なら…」

クード「いっその事…」

港職員「?」

フェイ・クード「「逃げる!!」」ダダダダ
244 : ◆6MneZcLWaIyz [saga]:2015/03/14(土) 06:52:11.86 ID:sY+YVUqmo
港職員「あ、こら!!待ちなさーい!!」ダッダッダッダ

クード「うわぁこっち来た!!つーか速ぇえ!!」

港職員「あー、こちら2番港。密入者二名。片方は追跡中。もう片方は20代の女。外見的特徴は、カチューシャと露出の多い服」ザザッ

港本部『本部了解。二番港を封鎖する』ザザッ

クード「よっしゃぁあ!!このまま行けば追いつかれる前に…って!?」ガラガラガラ

港職員「もうここの港は封鎖しました。さぁ、一緒に来てもらいます」

クード「ま、マジか…」

フェイ「ちょ、解ったってば触んないでよ!!歩けばいいんでしょ!?」

クード「フェイもあっさり捕まってるし…」ハァ

港職員「では、こちらへ」ガチャッ

クード「うへぇ…手錠とかされるとなんか犯罪者みてぇ」

フェイ「みたい、じゃなくて逃げた時点で犯罪者だけどね」

港職員「そういうことです。では処分は追って知らせますので…。
しばらくここで大人しくしていてください。くれぐれも変な気は起こさぬ様お願いします」ガチャン

フェイ「はいはい、もう逃げないってば。逃げたところで顔が割れてちゃ意味ないしねー」
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