スパイク「七煌宝珠?」

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/19(土) 05:07:22.60 ID:uxgcmDXNo
初ss投稿です
地の文ありのssが個人的に読むのが苦痛なので基本なしで行きますが
戦闘シーンだけは入れさせていただきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405714032
2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 05:09:56.03 ID:uxgcmDXNo
スパイク「なぁ、ジェットさんよぉ。チンジャオロースの次は麻婆豆腐かよ?って言うか肉のない麻婆豆腐って豆腐しか入ってねぇじゃねーか!!」

ジェット「いいや違うね。ねぎも入ってるし、豆板醤に甜麺醤、ラー油だって入れてる」

スパイク「ほとんど調味料じゃねぇか!!そんなんで腹が膨れるかよ!?」

ジェット「ならさっさと賞金首を捕まえてくることだな。周りに被害を出さずに!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/19(土) 05:12:10.19 ID:uxgcmDXNo
スパイク「…へーへー。で?次の獲物は?」

ジェット「こいつらだ。何でも『空賊』とかいう集団がのさばっているらしい。だがこいつ等自体は大した事ねぇ、こそ泥どもだ」

スパイク「はぁ…。どれもこれも飯の種にはなりそうもねぇなぁ…」

ジェット「あぁ。正直、雑魚ばっかりだ。でもコイツを見てくれ」カタカタ

スパイク「レッド…リンクス?なんでこいつ等だけこんな賞金が高いんだ?」

ジェット「あぁ、こいつ等も本来なら他の雑魚共と変わらないこそ泥だったんだが…。何やら今回はまずい物を盗んじまったらしくてな。アークエイルから懸賞金が出てる」

スパイク「何だ?その、アークエイル、ってのは?」

ジェット「あぁ?俺も詳しくは知らないんだが…。何でもエディルレイドって種族を保護してる公的機関らしい」

スパイク「ふーん…。エディルレイド、ね…。噂には聞いたこたぁあるが特殊な戦い方をするんだっけか?」

ジェット「個人差はあるが武道の達人でも敵わないらしいな」

スパイク「本当かねぇ…。んで、その赤い猫ちゃんは何を盗んだんでアークエイルなんぞに追われてるんだ?」

ジェット「知らん。ただこいつ等を捕まえて積荷を全部アークエイルに引き渡せば任務完了だ。余計な詮索はしないほうが賢いかもな」

スパイク「とりあえずちゃっちゃと片付けて旨いものでも食おうぜ」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/19(土) 05:15:14.11 ID:uxgcmDXNo
―ガレージ―

スパイク「フフーンフフフーン」

ジェット「おい、スパイク!奴さんの母艦のデータを送るぜ。相手も『空賊』を名乗っている以上、空中戦は得意なはずだ。迂闊に近づくなよ!」

スパイク「へいへい。気をつけますよーっと」

ジェット「全く。ホントに解ってんのかねぇ、あの野郎…」ピッ

―宝物庫付近―

クード「今回も俺が居たかららくしょーだったなぁー!!にしても酷ぇーぜ。折角俺がかっこよく決めてる最中にもう撤退だーなんてよー」テクテク

クード「ん?あらららら…。宝物庫が開けっ放しじゃねーか!全く、無用心だなぁ…」

クード「…俺の活躍あってこその成果なんだから、少しくらい良いよな?」

クード「一足先にお宝拝っ見ーと」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/19(土) 05:18:21.67 ID:uxgcmDXNo
クード「今回も大量だなぁ…。でもなーんかガラクタにしか見えないものも多いなぁ…この食虫植物をモチーフにしたモンスターの銅像とか、売れるのか…?」ガツッ

クード「ってててて!!何か足ぶつけちまったよ!…ん?棺桶、か?げぇー死体まで盗ってきたのかよー」

クード「あれ、さっきので蓋がズレちゃってるよ。中身腐乱死体とかだったら嫌だなぁ……!?女、の子!?」

クード「いやいやいや、こんな古そうな棺桶に腐らずに人間が入っていられる訳ないって!にしてもよく出来た人形だなー…」

クード「この飾り、邪魔だな。取っちゃお」スッ

クード「ほっぺとか、まるで本物のの女の子みたいだ…触ったことないけど」

???「…っ」パチッ

クード「うわぁ!!う、う、動いた!?」

???「貴方が、それ、取ってくれたの…?」

クード「へ?あ、あぁこの飾り?取っちゃまずかった…?」

???「ううん。ありがとう…。じゃあ、私行かなきゃいけないとこあるから」

クード「ど、どこ行くんだ?」

???「エディルガーデン…」

クード「エディル、ガーデン?聞いた事ないな…。俺達はこの大陸中を横断してるから、少なくともこの大陸にはないと思うぜ?」

???「どれだけ遠くても、行かなきゃ行けないの…」

クード「大陸を越えるとなると女の子独りじゃ無理だ!なんなら、俺が連れてってあげるよ!!」

???「良い、…ゲンハ、…ダカラ…」

クード「へ?」

???「なんでもない。兎に角、行かなきゃ…」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 05:21:24.46 ID:uxgcmDXNo
とりあえず、冒頭部分でした。
これ以降、書き溜めていないので、気が向いたら現われます。
初めてで勝手がわからないのでアドバイスとかもらえると、嬉しいです
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 05:58:14.22 ID:LPyeE+KDO
エレメンタルジェレイド懐かしい…好きな作品だったな…
何とのクロスかはしらんが期待
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 05:59:23.33 ID:LPyeE+KDO
とりあえず>>1にクロス作品なら何と何のクロスか書いてほしかった
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 06:04:12.98 ID:uxgcmDXNo
ごめんなさい、クロス元を書き忘れました
エレメンタルジェレイドとカウボーイビバップです
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/19(土) 06:11:08.75 ID:uxgcmDXNo
寝る前に1レス分だけ…

―ガーディア―

スパイク「さーてと…。子猫ちゃーんどこにいるのかなー」ザザッ

ジェット『…おい!スパイク!!今お前がいる辺りでレッドリンクスらしき船を見つけたっつー垂れ込みがあったらしい!ISSP時代の同僚が回してくれた情報で、まだあまり広がっていないはずだ!』ザザッ

スパイク「おう!こっちも丁度それらしい船を見つけたとこだ、ぜっと」バビューン

―飛空艇内―

空賊A「親方ぁ!!後方から見たことないタイプのライトシップがこっちに突っ込んできます!!」

親方「落ち着けぇテメェら!!単機で突っ込んできたところで何が出来るってんだ!!慌ててる暇があったらこっちもライトシップを出せ!!」

クード「何事だよ親方!!」

親方「あぁん?クーか!敵襲だよ!!騒いでねぇでおめぇもさっさと機関銃座に…」

親方「クー…テメェこの非常時に女ぁ連れ込むとは良い度胸じゃねぇか!!」

クード「うっ…いや、これはその違くて…」

空賊A「親方ぁ!!赤い奴のほかにもう一機ライトシップが…あれは!!アークエイルのマーク!?」

クード「よっしゃ!なら俺もライトシップで出る!!」

親方「待ちやがれぇ!!テメェはライトシップの操縦なんざできねぇだろ!!」

空賊B「親方、クーの奴もうガレージのほうへ行きやしたぜ」

親方「ばっきゃろう!!んな事言ってる暇があったらさっさとクーを止めて来い!!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 09:24:21.86 ID:hziS4Fi/O
こんなところでエレジェとビバップのクロスを見るなんて。両方とも狂おしいほど好きだから、マジに期待してる。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/07/19(土) 16:27:59.31 ID:uxgcmDXNo
やはりどちらも好きな人って少数なんですかね…
投下します
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/19(土) 16:32:08.89 ID:uxgcmDXNo
―飛空挺内ガレージ―

クード「さっきはごめんな、親方に頼んでみようと思ったんだがそれ所じゃなかったみたいだ」

???「良い。それより、どうするの?」

クード「今この船を下ろすのは無理そうだから俺がライトシップで地上まで送ってやるよ!」

???「貴方は、その後、どうするの?」

クード「そりゃあ、女の子を独りきりにするなんて不安だからな!さっきの約束通り、俺がそのエディルなんちゃらまで送り届けて…」

???「ありがとう。でも、ホントにいいの」

クード「あ、そうなの…?あー…ここまで明確に拒否されると悲しいとすら思わねーな…タハハ」

―飛空挺外部―

スパイク「おい!ジェット!!なぁにが余りもれてないはず!だよ!?明らかに三つくらい勢力がいるんだが!?」

ジェット『まぁ、一つはレッドリンクスの艦載機として、二つ目はアークエイルだろうな。公的機関ということで警察とも情報共有しているんだろう』

スパイク「じゃあ三つ目は!?あいつ等賞金稼ぎにしてもやること荒すぎるぜ!?」

ジェット『裏組織のモンだろうなぁ。あんな多額の賞金かけられてんだ、ヤバイ組織にとってアークエイルに渡っちゃまずい物なんだろう』

スパイク「チクショー!!アンタ、これがヤバイヤマだって解ってて俺に話持ってきたな!?これが上手くいったら極上に旨いもん作れよ!!」

ジェット『最初から言っておいただろ、余程まずい物を盗んじまったんだろう、ってな』ドカーン

スパイク「あ!!奴らとうとう母艦に攻撃おっぱじめやがった!!ぶっ飛んでるぜこの野郎!!」

ジェット『スパイクゥ!!絶対そいつ等より早く目標を確保しろよ!!じゃねぇと今晩はいよいよ麻婆豆腐から豆腐も抜かなきゃならん!!』

スパイク「んなこと言ったって目標が何かもわかんねぇんだぞ!?後、それはもはや料理じゃなく調味料だ!!」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/19(土) 16:42:22.63 ID:uxgcmDXNo
―飛空挺内ガレージ―

ドォーン!!

クード「うわぁ!!な、何だ!?敵がカームシップに攻撃してんのか!?」

???「大丈夫、なの…?」

クード「あ、あぁ!なんたってレッドリンクスだぜ?俺が抜けたらちょっと手こずるかもしれないけど、親方たちなら…」

空賊B「く、クー!!早く、その子を連れて逃げろ!!船内に侵入された!!」

クード「船内に!?お、親方たちは!?」

空賊B「今交戦中だが、もうこの船はだめかもしんねぇ…。だがここは俺たちにとって家みたいなもんだ!最後まで戦ってやるさ!!だからクー、その子を早く!!」

クード「んな事できるかぁぁあ!!お、俺だってレッドリンクスの一員なんだ!!1人だけ尻尾巻いて逃げれるかよ!!」

空賊B「でも、その子はどうするんだ!?」

クード「君、悪いけど俺は一緒には行けなくなっちまった。でも、君だけでも逃げれるようにする!」

???「どうして…?どうしてそこまでしてくれるの…?」

クード「君が女の子で、困っているからさ!」

クード「さぁ、これを握って。ここを踏めばエンジンが動くから。大丈夫さ、地上に降りるくらいなら慣れてなくてもできる!」

???「でも!貴方はどうなるの?」

クード「大丈夫さ、俺にはこのワイヤーフックがあるし!」

???「…そんな鍵みたいな剣じゃ、殺されちゃう」

クード「心配ないって!それに、君には行かなきゃ行けないところがあるんだろ?」

???「君じゃない…。レヴェリー…メザーランス」

クード「え?」

レン「私の、名前…。でもレンで良い。長い名前、嫌い、だから」

クード「そっか!俺と一緒だな、レン!!俺は、クード・ヴァン・ジルエット!長いから皆クーって呼ぶんだ」

レン「クー。私にも、クーの手伝い、させて?」

クード「んな事言ったって、レンは戦えないだろ!?」

レン「クーと一緒なら…戦える。私、エディルレイド、だから…」

クード「エディル、レイド?」

???「それについては私からご説明させていただきます!!」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/19(土) 17:13:08.34 ID:uxgcmDXNo
クード「誰だ、あんた?」

???「私、エディルレイド完全保護協会のシスカ、と申します!」

クード「エディルレイド完全保護協会…?そんな胡散臭い団体聞いたことねーよ。チビは帰んな」シッシッ

シスカ「それは!貴方が不勉強なだけです!!エディルレイド完全保護協会、通称アークエイルはれっきとした公的機関なのですよ!?」

シスカ「そして我々アークエイルが保護対象としているエディルレイドとは、人間と同契〈リアクト〉することによって力を発揮する種族なのです!!」

クード「レン、そーなのか?」

レン「うん。だからクー、私と、リアクトして…」

シスカ「ちょーっと待ったぁ!!そう簡単にリアクトしては駄目です、レンさん!!貴女は七煌宝珠なのですよ!?」

レン「でも、このままじゃクーが危ない…」バーン

シスカ「と、扉が…」

???「見つけた、七煌宝珠!!」

クード「何だ!?この黒装束!!それに、見たことない武器を!」

黒装束の剣撃をクードがワイヤーフックで受け止める。
が、勢いを殺しきれず壁まで飛ばされる。辛うじて気を失っていない程度だ。

レン「クー!!」

レンが叫ぶと同時に黒装束はシスカに襲い掛かる。
クードは叩きつけられた衝撃で立ち上がれずにいる。

シスカ「私を甘く見てもらっては困りますねっ!!」

黒装束の剣撃をバックステップでかわす。

黒装束「チッ」

すかさずシスカはマントの中からミサイルを発射する。
しかし、黒装束が剣を振ると斬撃が緑の勇者の剣ビームのようになり、ミサイルを数メートル手前で切り裂く。

シスカ「流石にリアクトした同契者〈プレジャー〉にこの程度の攻撃は通じませんか…」

まるで初めから攻撃が無駄であることが解っていたかのようにニヤリと笑うシスカ。
だがその額には汗が垂れており、それ程余裕ではない事が伺える。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/19(土) 17:43:12.91 ID:uxgcmDXNo
レン「クー、大丈夫…?」

シスカと黒装束がやりあっている隙にレンはクードの元へ駆け寄っていた。

クード「アハハハ、かっこ悪いとこみせちゃったな…」

これくらい何でもない、とでも言うように照れ笑いを浮かべるクード。
しかし、その体は見るからにボロボロであった。

レン「クー…」

レンは一瞬悲しそうな顔をすると、クードの手を両手で包み込み、何事か呟きだした。
そのレンの口の動きに合わせてクードの口も動く。

「「あえかなる夜へ とぎつむぎ まなふたに栄ゆる

おもしめし そまどろ包み いし明かし

我といましと 息の緒に 相生う性の契り籠ん

あからしま風をまといたり 甘ない相具す うきかわさん」」

その瞬間、光に包まれ二人が見えなくなる。次第に弱くなる光の中、
レンの影はなく、クードの右腕になにやら大きな物体の影が見えるだけだった。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 17:50:50.39 ID:uxgcmDXNo
とりあえずクーとレンのリアクトまででした
今のところビバップ組はスパイクとジェットしか出す予定がないのですが、
他の面子も居たほうが面白そうではあるので思案中です。
次の投下は早ければ今晩にでも…遅いと週明けになるかも
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 08:10:30.58 ID:mngtTR6pO
期待してる
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 13:32:17.34 ID:c7nipFeEo
さっきちょっと調べたら、親方じゃなくお頭でした…
なーんか違和感あるとは思ってたんですが…
脳内変換をお願いします。
少しですが投下します。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/20(日) 13:44:00.76 ID:c7nipFeEo
―飛空挺外部―

スパイク「!?なんだぁ!敵が!突っ込んだ穴からとんでもない光が漏れてきてるぞ!?」

ジェット『そいつぁ恐らくリアクトの光だな』

スパイク「りあくとぉ?なんだそりゃ…」

ジェット『お前さんが飛び回ってる間、こっちだって使える情報がないか調べてたんだ。そしたらエディルレイドについての情報が山ほど出てきてな。

どうやらエディルレイドの特殊な戦い方っつーのは人間と一体化して戦うって事らしい。まぁ、簡単に言やぁ武器に変身するんだな。

んで、その変身するのにはリアクトっつー儀式みたいなモンが必要らしいんだがぁ…

最初の一回だけは特別なため相当な発光現象が起こるらしい。恐らくそれだろう』

スパイク「んぁーつまりあれか?あん中で初体験しちゃった奴が居るってことか?」

ジェット『その例えはあながち間違っちゃいねぇな。エディルレイドは一度に1人の人間としか契約できないから、そいつらにとっちゃあ性行為と似たような感覚らしい』

スパイク「ずいぶん派手なロストバージンだこって」

ジェット『でもそうなるとアークエイルの狙いが大体つかめたぜ。レッドリンクスの連中、どうやらそのエディルレイドを盗っちまったらしいな。それもヤバイ組織からも狙われるほどの大物だ。奴らより先にそのエディルレイドを捕まえろ』

スパイク「さっき大人になったばっかの子を補導するおまわりさん、てとこかな」

ジェット『…お前は気に入ったのかも知れんが、いい加減その例えやめねぇか?』

スパイク「なんだぁ?一番野蛮そうな見た目しといて中身はお上品か?」

ジェット『もういいからさっさといって来い』ブツッ

スパイク「あぁ!?通信きりやがったよ全く…。そんなに下品だったかな…?」

スパイク「まぁ旨い飯のためだ、やりますかね」バビューン
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/20(日) 14:40:15.64 ID:c7nipFeEo
―飛空挺内ガレージ―

クード「うっわぁ…何だこれ!!大きさの割りにほとんど重さがねぇや!」

クードの右腕には薄緑の大剣が引っ付いていた。

レン『クー。行くよ?』

クード「あぁ、これならやれる気がする!」

二人は未だ呆気にとられているシスカと、今にもシスカに襲い掛かろうとしている黒装束の間に割ってはいる。

黒装束「ちっ」

まずはクード達から仕留めることにしたのか、そのまま攻撃を続行する。クードはその攻撃を大剣で受け止めるが、先ほどのようにはならず、逆に弾き飛ばした。

クード「テメェらの目的はなんだ!!どうして俺たちを襲う!!」

黒装束「七煌宝珠を連れて行くこと…その為に邪魔なプレジャーは殺す!!」

叫ぶと同時にまたもや二人に飛び掛る。

レン『クー、今度はこっちからも仕掛けよう?』

クード「あぁ、俺もそのつもりだった!!」

クード達も黒装束の方へ駆け出す。目に見えないほどの交錯があった後、

黒装束「くっ…やはり七煌宝珠だけある…」

黒装束だけ倒れた。しかし、クードとレンのリアクトも解けてしまう。

レン「っ…」

クード「レン!?大丈夫か!!」

レン「スースー…」

クード「ってあれ?寝てるだけか…のん気なもんだなぁ」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/20(日) 14:42:42.35 ID:c7nipFeEo
お頭「クー!!大丈夫か!?」

クード「お頭!!まぁ何とか。他の皆は?」

お頭「もう逃げ始めてる!!敵は撃退したが侵入した際にエンジンをやられたみたいでな、じきにこの船は沈む。クーも早く逃げろ」

クード「そんな!!じゃあレッドリンクスはどうなるんだよ!?」

お頭「オメェはそんなことよりその子を守ってやんな!!」

クード「って言うかお頭!!ライトシップは後一機しかないぜ!?」

お頭「つべこべ言ってねぇでさっさと行け!!こっちはこっちで何とかするからよ!!」

シスカ「あ、ちょっと待ってくださいよ!!レンさんは私と来て頂かないと!!」

クード「アースクエイクだかなんだか知らないけど…」

シスカ「アークエイルです!!」

クード「まぁどっちでも良いや。で、レンをどこに連れて行こうってんだ!!」

シスカ「それはもちろん、エディルレイドが安心して暮らせる場所ですよ!」

お頭「嬢ちゃんはちょっとこっち来い!」

シスカ「え、え、えぇぇ!?な、何されるんですか私!?」

クード「ちょ、お頭!!」ドゴォーン

クード「うわぁ!!扉が…つーか天井も崩れてくる!?迷ってる暇はない、か…」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/20(日) 15:00:13.66 ID:c7nipFeEo
―飛空挺操舵室―

スパイク「っかしいなー。何で誰もいねぇーんだ?」

スパイク「これじゃ目標どころか誰も見つかんねーぞ…ん?」

スパイク「このモニターで船内が見える訳か」

スパイク「こりゃあ…エンジンがやられてんなぁ…早いとこ脱出しないと賞金どころじゃねーな」ガクンッ

スパイク「うわぁあ!!急に高度が下がり始めやがった!!ちくしょ、しかたねぇ逃げるか!!」

画面の隅には大男と少女が映し出されていた。ちょうど大男が上着を脱ぐところだった。

―飛空挺外部―

クード「うわっとと!えーと…着陸さえ出来りゃいいから…どの辺が良いかな…」

レン「ぅん…??」

クード「あ、レン!目が覚めたか!!」

レン「これは…何?」ワナワナ

クード「へ?ライトシップだけど…」

レン「空を…飛んでる…」ワナワナ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/20(日) 15:04:40.01 ID:c7nipFeEo
スパイク「何とか逃げたのは良いが結局収穫なし、か…」

スパイク「ん?前飛んでる奴なんか危ねぇな…。異様にフラフラしてやがるぜ」

スパイク「良く見りゃレッドリンクスの一員じゃねぇか!?捕まえて情報を頂くとしようか…」バババババ

クード「うわぁ!!なんか後ろのライトシップ撃ってきてるし!?」

レン「クー!!ちゃんと前見て!!」

スパイク「沈めねーよーにしねぇと…くそっフラフラ飛びやがってぇ!!じっとしてろってんだ!!」

クード「うわわわわ!!無理無理無理!!」バコーン

スパイク「あっ…あぁもう!!だぁからじっとしてろつったのに!!」

クード「やべ、落ちる!!レン、つかまれ!!」

レン「うん!」

クード「うりゃあ!!」シュンガキッ

スパイク「おぉ、やるなあの少年。ワイヤーフックで咄嗟にぶら下がりやがった」

スパイク「まぁ、こっちにしてみりゃ好都合だがね…ジェット!!」

ジェット『あいよ、捕まえたか?』

スパイク「いや、侵入したら既にもぬけの殻だった」

ジェット『ぬぁに!?じゃあなんの手がかりもなしか!?』

スパイク「いや、そうは言ってねぇよ。今俺の下に二人ほどぶら下がってる。恐らくレッドリンクスの奴だ」

ジェット『でかした…とまでは行かないにしろ収穫はあったんだな、珍しい。じゃあ今から拾いに行く。逃がすなよ?』

スパイク「大丈夫さ、奴らが死ぬ覚悟で飛び降りない限りはね」ピッ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 15:20:53.62 ID:c7nipFeEo
とりあえず今回はここまでで
遅筆ですみません
今晩はちょっと無理かもです…
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/21(月) 09:51:37.17 ID:1Mt4xj8CO
まってる
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/07/23(水) 00:43:05.56 ID:tTMuLptKo
お待たせしました!!
この連休でエレメンタルジェレイドを半分くらい借りてきたので大分クーとレンの
話し方思い出しました!!
少しですが投下していきます
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/23(水) 00:45:43.42 ID:tTMuLptKo
―ビバップ号―

ジェット「で?お前らは何を知ってる?」

クード「な、何のことだよ!?まさかお前らもレンを狙ってんのか!?」

スパイク「レンって言うのか、そっちの子。生憎だが、少女を襲う趣味はないよ」

レン「スースー…」

クード「じゃあ俺たちを解放しろ!!」

ジェット「おっとそうはいかねぇ。お前、レッドリンクスの一員だろう?実は今な、レッドリンクスには莫大な賞金がかけられてるんだ」

クード「あんた等賞金稼ぎか…」

スパイク「ご名答。で、君はどうしてレッドリンクスがこんなに高い賞金かけられてるか…心当たりあるかい?」

クード「さぁな。知っててもこんな扱いじゃ話す気にもなんねーよ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/23(水) 00:48:13.49 ID:tTMuLptKo
スパイク「解った。じゃあ取り敢えず拘束を解いてから話し合うとしようか」

ジェット「おい、スパイク。大丈夫なのか?」ヒソヒソ

スパイク「心配しすぎだぜ。もし暴れられたとしても、あんな少年に遅れを取るほど衰えた覚えは無いね」ヒソヒソ

スパイク「さぁ、これで体は自由になった。知ってることを話してもらおうか」

クード「賞金稼ぎなんざに話すことは無いね!!」シュッ

クードは天井に向けワイヤーフックを放つ。
そして飛び上がるとスパイクめがけて蹴りを飛ばした。

スパイク「良いねぇ!そうこなくっちゃ!!」

スパイクはそれを難なくかわすと、着地するかどうかの所に回し蹴りを放つ。
クードはそれに気付いたが、回避しきれず右肩に蹴りが擦る。

クード「うわぁっ!!」

ワイヤーフックが絡まりそのまま振り子のようにスパイクの元へ戻っていく。

スパイク「男なら!!ガキだからって手加減しないぜ…!!」

そう叫びながら弧の軌道にあわせて膝を突き出す。
しかしスパイクの膝が決まることは無かった。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/23(水) 00:53:04.91 ID:tTMuLptKo
ジェット「馬鹿野郎!!気絶させたら目ぇ覚めるまで話聞けねぇじゃねぇか!!」

そう言ってジェットがクードのぶら下がっているワイヤーをつかんで止めたからだ。

クード「な、馬鹿にすんなよな!!そんな臭い足で蹴られたぐらいじゃ気絶なんてしねーぜ!!」

スパイク「なぁ、ジェット…やっぱこいつにゃあ一発ぶち込んどくべきじゃねぇか…?」

ジェット「あぁ…俺は鉛弾ぶち込みたくなったぜ…。でも殺しちまったら情報がパーだ。堪えろ」

クード(こ、怖ぇぇえ!!何なんだこいつ等!!お頭並みの迫力だぜ…)

スパイク「仕方ねぇなぁ…。おい、坊主!暴れなきゃもう乱暴はしねーから、取りあえず座れよ」

クード「は、はい!…じゃなくて…ひ、人攫いの癖に偉そうにしてんじゃねーぞ!!」

ジェット「はぁ…なんでこう最近のガキは面倒くさいのかねぇ…」

スパイク「言ってる事がおっさんみてぇだぞ、おい」

クード(どっちもおっさんじゃん…」

スパイク「ん?何か言ったか、少年。『お兄さん』、ちょっと良く聞こえなかったなぁ」

ジェット「スパイク…流石にお兄さんは無理があるだろ」

スパイク「ぅるせー!!老け顔30代に言われたかねーよ!!」

ジェット「何ぃ!?お前らなぁ、人を見かけと髪の毛で判断するなよ!!」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/23(水) 01:59:43.26 ID:tTMuLptKo
クード(今のうちに…)ソローリ

クード「レン、起きろ。レン」ヒソヒソ

レン「ん…クー?どうしたの…?あれ、ここ、何処…?」

クード「良いから、今は兎に角逃げるぞ」ヒソヒソ

スパイク「で、逃げる算段は立ったかい?お二人さん」

クード「げっ…わぁーったよ、逃げねぇ逃げねぇ」

ジェット「それで?心当たりはあるのか、ないのか?」

クード「あるっちゃあるけどよぉ…」チラッ

レン「…?」

スパイク「ん?そーいやレンちゃんは何者なんだ?空賊って感じでもねぇし…」

ジェット「あぁ、成る程な…。大体解ったぜ、スパイク。恐らく、そのレンって子が今回のヤバイブツだな」

スパイク「あぁ!そーいやエディル何ちゃらを盗んだんで追われてるんだっけか」

ジェット「エディルレイド、な。と言うか忘れてたのかよ…。俺ぁてっきりこのガキから情報引き出すためにすっとぼけてんのかと思ってたぜ…」ハァ

スパイク「…悪かったな!その子がエディルレイドで、その力欲しさにヤバイ組織からも狙われてる、と」

ジェット「こりゃあ深く関わらん内に賞金と引き換えしたほうが無難だな…」

スパイク「まぁ、二人にとってもこんなオンボロ漁船にいるよりアークエイルだか何だかに保護してもらった方が安心だろうしな」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/23(水) 02:13:14.22 ID:tTMuLptKo
クード「待ってくれ!!レンは、エディルガーデンに行きたいらしいんだ!!」

スパイク「エディル…なんちゃら?」

ジェット「エディルレイドの時と変わってねぇぞ…ハァ…。で、そのエディルガーデンとやらは何処にあるんだ?」

クード「連れてってくれるのか!?」

ジェット「もちろんタダでとはいかん。エディルガーデンに連れて行った後、アークエイルに引き渡す」

スパイク「おいおいおい、ちょっと待てよジェット!!正気かっ!?その間に逃げられたらどーすんだよ!?」

ジェット「そしたらまた捕まえるさ。俺を誰だと思ってる?噛み付いたら離さない、ブラックドックだぜ」

スパイク「マジに言ってんのか!?」

ジェット「この船は俺のモンだ。俺の決定に不服なら出て行くんだな」


チョットコイスパイク
ナンダヨオレハゼッタイニ…
ヒソヒソ…ヒソヒソ…ヒソヒソ…


スパイク「他に行くあてがあるかよ…。まぁ道中、絶対奴らも襲ってくるだろうしな。もしかしたらエディルレイドと戦えるかも知れないと思うとちょっと楽しみだ」

クード「やったな、レン!!この人達がエディルガーデンまで連れてってくれるって!!」

レン「…うん!よろしく、お願いします…!!」

ジェット「なーら決定だ。そういやまだ名乗ってなかったな。俺はジェット・ブラックだ」

スパイク「俺はスパイク・スピーゲル。よろしくな」

クード「クード・ヴァン・ジルエット!!クーって呼んでくれ!」

レン「レヴェリー・メザーランス…です。レンでいいです」

ジェット「で、問題のエディルガーデンってのは何処にあるんだ?」

クード「そーいや聞いてなかったっけ…。レン、知ってる?」

レン「解らない…」フルフル

クードスパイクジェット「「「え…?」」」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/23(水) 02:17:16.97 ID:tTMuLptKo
オチがついたっぽくなったので今回はここまでです
最後にヒソヒソの内容だけかいておきます
非常に少ないんですけどね
上の文中に入れてたんですが何か変に感じたのでここだけ別に書くことにしました

ジェット「寧ろ今高圧的に出て無理やり逃げられるほうが不味い」ヒソヒソ

ジェット「それに、送り届けるったってこの時代、太陽系の端っこまで行くのにも何年もかからんだろーよ」ヒソヒソ

ジェット「今回の報酬、俺たちが5年間凶悪犯を捕まえ続けても遠く及ばねぇ額だ。これを逃す手はねぇ」ヒソヒソ

スパイク「成る程な…。解ったぜ、その話、乗った」ヒソヒソ
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/25(金) 05:37:11.79 ID:iLOzyUQoo
見てくれてる人居るのか心配になってきましたが…
取りあえず完結までは投下するつもりです、はい
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/25(金) 05:38:18.86 ID:iLOzyUQoo
ジェット「まぁ、解らんものは仕方がない。少なくともこの星のどこかなのは確かなんだろう?」

レン「うん、エディルレイドはこの星にしかいないから…」

スパイク「ったってエディルガーデンとやらを見つけるまでの費用はどーすんだよ!?」

クード「そんなの盗んじまえばいーんだよ!!」

ジェット「クード、俺達は空賊じゃねぇんだ。賞金稼ぎが賞金首になっちゃあ元も子もない」

クード「じょ、冗談だって…。じゃあ、賞金首捕まえてけばいいんじゃねーか?」

スパイク「そうは言うがな…。本業の俺たちが貧乏生活してんだぞ?なのにこれからは4人分稼ぐとか…無理だろ」

クード「本業って言うなら俺達だって賞金掛けられる側なんだから、あんた等追っかける側よりも有利だと思うぜ?」

ジェット「なるほどなぁ…。各地を回る事でエディルガーデンに関する情報も手に入るかも知れんしな」

クード「レンも、それでいいか?」

レン「クーと一緒なら…」

クード「レン…//」

スパイク「あーあーアツいアツい。外でやってくれませんかね、お二人さん?」

レン「…?」

クード「な!?んなんじゃねーよ!!」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/25(金) 05:41:17.31 ID:iLOzyUQoo
ジェット「はぁ…。この先こんなで大丈夫なのかね…」

レン「心配…?」

ジェット「あぁ、野郎二人がな…」

レン「大丈夫…。クーもスパイクも良い人」

ジェット「いいや違うね。あぁ言うのはお人よしっつーんだ。賞金稼ぎには向かねぇ」

レン「でも…良い人」

ジェット「あぁもう解った解った!」

レン「ジェットも…良い人。お母さんみたい」

ジェット「俺がかぁ!?はぁ…これだからガキは嫌いなんだ…」

スパイク「いいじゃねぇか、ジェット。お母さんってぴったりだぜ、アンタに」

クード「えぇーでもこんなハゲたお母さんなんて嫌だぜ、俺…」

ジェット「よぅし解った。クー、お前は今日飯食いたくねぇんだな!!」

クード「ちょ、ちょっと待ってくれよ!!何で俺だけ!?」

スパイク「気にすんな、どうせ今日の晩飯じゃ腹は膨れねぇから…」ゲンナリ

ジェット「今日のメニューは特製麻婆豆腐だ」

スパイク「肉も豆腐もないものをまだ麻婆豆腐と呼べるのなら、ね…」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/25(金) 05:43:32.95 ID:iLOzyUQoo
―繁華街―

ジェット『おい、スパイク。見つけたか?』

スパイク「まだ街に出て十分も経ってねぇんだぜ?そんなすぐに見つかったら苦労しねぇぜ」

ジェット『クーはどうだ?』

クー『いやー何にもー…』

レン『クー、あれ…』

クー『あ!!あいつは…ブツッ』

スパイク「なんだぁ?見つけたのか、あいつ等?」

ジェット『解らん、だが通信が切れたのは確かだ。さっきまで二人が居たとこの位置情報を送る。向かってくれ』

スパイク「おーきーどーきー」

スパイク「…っとそうも行かないみたいだ」

ジェット『どうした?』

黒装束「レヴェリーメザーランスは何処だ…?」

何処からともなく二人組みの黒装束が現れ、スパイクに近づいてくる。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/25(金) 05:46:02.40 ID:iLOzyUQoo
スパイク「さぁな。今は別行動中だからホントに知らねーぜ?」

黒装束「そうか…。ならば言いたくさせてやろう」

黒装束はもう1人の手を掴む。

スパイク「させるかよ!!」

その瞬間、スパイクは蹴りを二人の間に放つ。

スパイク「ジェット、アンタがクー達のところ行ってやってくれ。恐らく、レッドリンクスを襲ったのと同じ連中だ」

黒装束がリアクトしないように牽制し、二人の距離を開かせる。

ジェット『なにぃ?あの黒装束どもか?』

スパイク「あぁ、レンを探してるようだ。あの二人なら退けることは簡単だろうが、数で圧倒されちまったら…」

ジェット『解った!テメェの心配はしねぇからな?そっちは自力で何とかしろ』

スパイク「へーへー。じゃ、そっちは頼んだぜ」ブツッ

スパイク「さぁてお待たせさん。かかってこないのかい?それとも、二人でお手手を繋がなくちゃ戦えない、か?」

スパイクはクイクイと手で相手を煽る。
黒装束達はリアクトする隙を窺っているのか、スパイクを中心にジリジリと回る。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/25(金) 05:48:01.43 ID:iLOzyUQoo
黒装束「くっ!!」

片方の黒装束が苦し紛れにナイフで攻撃を仕掛ける。それをスパイクはヒラリとかわすと足を引っ掛ける。

黒装束2「チッ」

もう一人の黒装束がスパイクの背後から襲い掛かる。

スパイク「おっとそうはさせねぇぜ!!」

後ろ回し蹴りで先ほどとは逆方向に飛ばす。

スパイク「リアクトされると面倒だからな。その前にぶちのめさせてもらう!!」

追い討ちをかけようとするスパイクの脚を倒れていた黒装束が掴む。

スパイク「チィッ!!テメェは寝てろ!!」

顔面に蹴りを入れる。すると軽い脳震盪を起こしたのか、気を失った。

黒装束2「こちらには居ません、はい、はい、ですがレヴェリーメザーランスと面識のあると思われる男が…」

その間にもう一人はどこかへ連絡しているようだった。

スパイク「よそ見してていいのか、よ!!」パァンパァン

通信機と思しき機械に銃弾を命中させ、弾き飛ばす。

黒装束2「もう貴様に用はない」

そう言い残すと閃光手榴弾の様に体を発光させる。

スパイク「くそッ…!!」

スパイクが視力を取り戻したときには既に二人の姿はなかった。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/25(金) 05:49:55.85 ID:iLOzyUQoo
―クー&レンサイド―

レン「クー、あれ…」

レンが指差した先には黒装束がいた。

クード「あ!!アイツは…!!」ガシャン

と、そのタイミングでクードは通信機を取り落としてしまった。

クード「うっわぁ…何で落としただけでここまで壊れるかなぁ…」

レン「ジェットに…怒られる…?」

クード「だろうなぁ…。っとそうじゃねぇ!!あいつを追わなきゃ!!」

レン「うん、行こう」

黒装束は丁度路地裏へと入っていくところだった。クードとレンも急いでその後を追う。
しかし、路地を曲がってすぐ違和感に気付く。

クード「チッ…。嵌められたっぽいな…」

路地裏で待ち構えていたのはリアクト済みの黒装束三人だった。

レン「クー!!」

クード「おう!!」

敵が襲い掛かってくる前にリアクトする二人。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 05:51:56.83 ID:iLOzyUQoo
黒装束「レヴェリーメザーランスを渡せ!!」

そう言って三人同時に飛び掛ってくる。

クード「何なんだよ、お前ら!?何故レンを狙う!?」

敵の攻撃を何とかいなしながら問いかける。

黒装束「答える義理はない!!」

背後から一人と、正面から一人突っ込んでくる。もう一人は少し離れた場所で唄を謡っている。

レン『クー、気をつけて。エディルレイドはリアクトの時以外にも唄があって種類によっては強力な攻撃が出来るの』

そう言っている間にも敵は迫る。背後から来る敵は剣圧のようなもので弾き飛ばし、正面の敵は寸でのところで攻撃を受け止める。

クード「じゃああの奥で謡ってるのは俺たちへの攻撃か!!」

レン『うん。だからこの人達は時間を稼いでるんだと思う』

クードは敵の攻撃を受け止めたまま、左手でワイヤーフックを取り出し、謡っている黒装束の上辺りに投げる。
それを引っ張り黒装束の顔面に蹴りを入れる。

クード「へっ、そんな事させるかっつーの」

レン『クー、後ろ!!』
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/25(金) 05:54:04.03 ID:iLOzyUQoo
得意げになっているクードの後ろから最初に吹き飛ばされた黒装束が襲い掛かる。

クード「くっ」

またしてもギリギリで受け止めるが、今度は左手からもう一人の黒装束が攻撃を仕掛けてきた。

クード「ぐぁぁああ!!」

ガードできず黒装束の攻撃が直撃する。

レン『クー!!大丈夫…?』

クード「あぁ、俺は何とか…。レンこそ大丈夫か?」

レン『平気…。それよりもクー、私に合わせて謡って…』

敵に突き飛ばされたため、黒装束達との距離が空いていた。

「『仕る青龍集わり 強り奔らせ

白白明けと 朧なりに

いめ通わん』」

そのため詠唱が間に合う。

クード「ノトスコォォード!!」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/25(金) 05:55:36.64 ID:iLOzyUQoo
真っ直ぐに衝撃波が飛んでいく。黒装束三人はまとめて吹き飛ばされ、リアクトも解除されてしまう。

黒装束「くっ…」

そして諦めたのか退却していった。

クード「やったな!レン!!」

するとレンもリアクトを解く。

レン「うん…ネム…」

クード「だ、大丈夫か!?」

レン「ちょっとだけ…寝る…」

クード「な、な、な、レン!?そ、そんなくっつかれると…//」

ジェット「大丈夫か!?クー!!レン!!…ってテメェら…」

クード「いや、違うんだって!!これは、その、さっきまで敵と戦ってて…!!」

ジェット「うるせぇ!!心配して損したぜ!!ったく」

クード「ホントだって!!例の黒装束だよ!!でもレンとの協力でなんとか撃退したんだ」

ジェット「まぁ後でレンに聞いてみりゃ解る話だ」

クード「俺の信用はゼロなのかよ…」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/25(金) 05:58:56.08 ID:iLOzyUQoo
今回はとりあえずここまでということで…
見てる人居ないっぽいけど続けても良いんでしょうか…
取りあえず、更新するとしたら次は早くて週明けと思います。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 06:26:05.15 ID:1nuBFXn6o
エレメンタルジェレイドを知ってる人ってあんまり想像できんよな……
俺は好きだけど
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 06:29:17.71 ID:iLOzyUQoo
>>45
レンちゃんの可愛さを知らないなんて勿体無い人が多いんですよね…
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/25(金) 08:06:46.09 ID:RC6W2p6J0
これは生きる気力をくれるSSに出会えた。現状見ている人が居るかは判らんが気にせずどんどん書いていけばいいよ
読者なんてモンは後から付いてくるんだからさ。とりあえず続き待ってます。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 02:08:09.68 ID:oZL2C5o9O
おつおつ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/27(日) 16:26:59.64 ID:sqvI9QnJo
なんかちょこっと見てくれてる人増えた感じですかね
ではご期待にお応えして少しだけ…
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/27(日) 16:28:48.69 ID:sqvI9QnJo
―ビバップ号―

スパイク「で?俺が敵にボコボコにされてる間、二人でイチャイチャしてたって訳か?」

クード「あんた全然ボコボコにされてねーじゃん!!あと、今の説明でどう解釈したらそーなるんだよ!?」

ジェット「兎に角だ。レンが狙われているのは確かなんだな?」

レン「私が…七煌宝珠だから」

スパイク「しちこーこーじゅ?」

クード「しちほーこーじゅだろ?」

レン「七煌宝珠」

ジェット「お前らなぁ…」ハァ

クード「しちほーほーじゅ!!」

ジェット「もうそれは良い!!」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/27(日) 16:29:42.96 ID:sqvI9QnJo
スパイク「レンが狙われてるんならこれからは個別行動は避けたほうがいいな」

ジェット「そうだな。レンとクーには二人一組で行動してもらう。最悪襲われたとしてもリアクトして時間稼ぐくらいできるだろうしな」

クード「へっ、あんた等の助けなんかなくたって俺とレンなら敵が来ても楽勝だぜ!!」

レン「…」

クード「どうした?レン」

レン「何でもない…。もう寝る」

ジェット「なんだぁ?体調でも悪いのか、あいつ?」

スパイク「さぁな…。ただ、クーが楽勝楽勝言い出したとこから変だったな」

クード「俺が…なんか気に障ること言ったのかな…?」

ジェット「まぁ俺たちにはエディルレイドの気持ちは解らんからなぁ…」

スパイク「例えば、だが…。昔人間に力だけを求められてた、としたら…」

ジェット「さっきのクーの発言はトラウマを抉ったことになるわな」

クード「う…」

スパイク「早く行って来いよ、クー。女は怒らすと怖いぞ?」

ジェット「あぁ、そうだな…。何をされるか解ったモンじゃない」

クード「何で二人ともそんな遠い目してんだよ…。行くけどさぁ…」

スパイク「うっせ。おっさんには色々あんだよ」

ジェット「うんうん、寧ろ若いうちに色々経験しとけ」

クード「あーはいはい。反面教師にさせていただきますよー」ヒラヒラ
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/27(日) 16:32:54.35 ID:sqvI9QnJo
―レンの部屋―

コンコン

クード『レン、ちょっと良いか?』

レン「…うん」ガチャ

クード「レン、さっきのことなんだけど…。決して俺はレンを武器だとかそんな風には思ってないからな?」

レン「…何のこと??」

クード「へ…?あ、いや怒ったから部屋に行ったのかと…」

レン「何に怒ったと思ったの?」

クード「いや、べ、別に気にしてないなら良いんだ!」

レン「クーは、私のこと、好き?」

クード「!?な、ななな何言ってんの!?」

レン「私は、人間が嫌い…。私の力しか見ないから。でも、クーは変な人。エディルレイドだとか関係なく側に居てくれると思ってた」

クード「とーぜんだろ?」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/27(日) 16:38:04.25 ID:sqvI9QnJo
レン「でも、さっきので…クーも同じなのかな、って思った」

クード「違う!!俺はレンのことそんな風に思ったことはない!!」

レン「うん、それは解ってる。けど、そんな風に考える私が嫌になったの…。クーは私のことをちゃんと私として見てくれてる」

レン「なのに私はクーのことクーとしてじゃなく人間として見ちゃってたのかな、って…」

クード「レン…」

レン「ごめんんさい、クー…。私、嫌な子…」

クード「そんな事ない!!俺はレンの良いとこいっぱい知ってるし、もしそんな風に考えちゃったんだとしても、それは今までレンに酷いことをしてきた奴らの所為だ!!」

クード「時間はかかるかも知れないけど、いつか俺を俺として見てくれればいいさ」

レン「クー…」

クード「さ、今日はもう寝よう?俺なら大丈夫さ!レンと一緒に居られるだけで嬉しいんだから」

レン「クー…私も。クーと一緒に居られて嬉しい」

クード「うん、じゃあおやすみ、レン」

レン「おやすみ、クー」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/27(日) 16:56:38.61 ID:sqvI9QnJo
何かビバップの次回予告的なノリ書いてみたくなったんでちょこっとおまけを…

―おまけ―

スパイク「っとに女ってのは怖いよな…」

ジェット「全くだ。あいつも今頃何処で何してんだか…」ハァ

スパイク「お?何だ何だ、昔の女の話か?」

ジェット「違う、あのギャンブル女の話だ。あの野郎、金目のモンほとんど持ち逃げしやがって…」

スパイク「案外心配してんのな、アンタ。やっぱお母さんだぜ」

ジェット「違う!!俺が心配してんのはあいつが持ち逃げした金のほうで…ってこのやり取り、前にもしたな」

スパイク「あぁ、そんで前と同様、今回も元々この船にゃ金目のものなんて大してなかったさ」

ジェット「あぁ?そうだったか…?」

スパイク「それより、あの犬コロと馬鹿は何処に行ったんだ?」

ジェット「パソコンいじりながら『フェイフェイみーっけ!!』って言いながら出てったぞ」

スパイク「この船に小型船って俺のとお前のしかないだろ、今。どーやって出てったんだ?」

ジェット「スパイク、たまには自分の機体気にしたほうがいいぜ」

スパイク「…これだから女とガキと獣は嫌いなんだ」ハァ
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 18:51:14.58 ID:mxzrbghJO
おつおつ
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/29(火) 04:54:41.45 ID:Dhp1fJzfo
おまけ書いてるとき思いの外楽しかったので今回もおまけから始めます。
おまけとは言いつつも本編で説明不足な点の補修的な意味もありますので悪しからず…
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/29(火) 04:56:56.98 ID:Dhp1fJzfo
―おまけ2―

クード「結局、今回は賞金首捕まえられなかったなぁ…」

スパイク「賞金稼ぎ何ざ大半が骨折り損のくたびれもうけだ。そんな甘いもんじゃねぇさ」

ジェット「普通ならもう少し楽な生活ができるんだがな…」

クード「??借金でもあんのか?」

スパイク「借金をたんまり溜め込んでる奴なら居るな。今はちょっと出てるが」

ジェット「それにしたって俺たちがこんなに貧乏なのは、お前が賞金首捕まえる度に周りに被害ばっか出すからだよ!!」

スパイク「へーへー次からは気を付けますよー」

ジェット「ったく、ホントに解ってんのか?」

クード「所でさ、今回のターゲットって何やらかした奴なんだ?」

スパイク「そーいや俺も、外見的特長だけ一通り教えられただけで名前すら聞いてねぇな」カチッシュボッ

クード「えーと…確か、全体的に黄色で痴女みたいなカチューシャ女、だっけ?」

スパイク「…ん?ちょっと待てよ。改めて聞くととっても心当たりがあるんだが…」

クード「へ?スパイクの元カノとか?」

スパイク「冗談でもよしてくれ…。あんなのと恋人だなんて頭イカレてるとしか思えねぇ」フー

ジェット「全くだ」フー

クード「えぇと、ターゲットの名前は…フェイ・バレンタイン?」

スパイク「やっぱりかよ…道理でアンタがターゲットの情報を隠したがるわけだ…」

クード「懸賞金出してんのは…エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世ぃ??無茶苦茶な名前だな…」

スパイク「そっちも身内かよ!?まぁた異様に賞金すくねぇんじゃねーのか?」

ジェット「懸賞金出してるのがエドだってとこまでは見てなかったぜ…」ヤレヤレ

スパイク「いや、アンタ絶対全部知ってて黙ってたろ!?」

クード「賞金は…七百万!?いや、7の後に小数点があるぞ…?」

スパイク「ハァ…真面目にやってたのが馬鹿みたいだ…」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/29(火) 04:59:21.75 ID:Dhp1fJzfo
―ビバップ号―

ジェット「クー、お前は確かにレンとリアクトさえすれば戦えるかもしれない。だがな、その能力には限界があるし、レンに負担を掛けることにもなる」

スパイク「そこで俺がクーを鍛えてやることにした。お前がヘマしてレンを連れ去られても困るしな」

クード「んなこと言ったって、そんなヒョロいおっさんに何ができんだよ」

スパイク「人を見かけで判断するな、ってことさ。そこのハゲも言ってたろ?」

ジェット「頭髪で判断するな、とも言ったがな」

スパイク「こりゃ失敬。俺はフサフサだから区別しやすいかと思ってな」

ジェット「とにかく、このテンパはこう見えてジークンドーの達人だ。多少マシにはなるだろーよ」

クード「ジークンドー?あの蹴り中心のやつ?」

スパイク「そ。まぁ何で攻撃するかはあんまり関係ないんだけどな」

スパイク「まず基本は全身の力を抜く。水の様になる事を意識するんだ。風でもいい」

クード「力を抜くったって戦うときに力入れなきゃ相手を倒せないじゃん」

スパイク「そうじゃない。相手がどんな攻撃をしてきても対応できるようにするんだ。そして相手の力を利用して倒す」

クード「だぁぁもう!!難しくて何言ってんのか解んねぇよ!!」

スパイク「実際体感してみると解るかもな。ほら、力いっぱいかかってきてみろ!!」

クード「偉そうなこと言って、怪我してもしらねぇぞ!!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/29(火) 05:02:50.98 ID:Dhp1fJzfo
クードはワイヤーフックをスパイクの方へ放つ。
スパイクは頭を動かすだけでそれを難なく避ける。

スパイク「ほらほら!!そんなんじゃ当たんねぇぞ!!」

スパイクは煽るが、それに対しクードはニヤリと笑う。

クード「はじめからアンタにこれが当たるとは思ってねぇ、よ!!」

クードがワイヤーを軽く引くと、クルクルとスパイクの腕に巻きつく。

スパイク「へぇ!!こんな使い方も出来るのか」

クード「関心してる場合かよ!!もうこっちのもんだぜ!!」

完全に巻きつくと、クードはワイヤーを更に引っ張りスパイクを手繰り寄せる。
それと同時に飛び上がって蹴りを入れる。次の瞬間には決着が付いていた。

クード「っ…!!」

床に叩きつけられ、声もでない様だった。

スパイク「中々やるな。でも、近接戦闘じゃあ負けねぇよ」

スパイク「ちょっとは理解できたか?」

床に倒れたままのクードを頭のほうから覗き込み尋ねる。

クード「あぁ…何となくだけど。痛ててて…」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/29(火) 05:04:10.92 ID:Dhp1fJzfo
ジェット「ま、これからしばらく面倒みてもらうんだな」

クード「よろしく頼む…。レンを守れるようになりたい」

スパイク「あんまり思いつめるなよ?力だけじゃ女の子は守れないぜ」

ジェット「それに女ってのぁ守られるだけじゃ不服らしいしな」

クード「え?でも俺はお頭に何があっても女の子は守れって育てられたぜ?」

スパイク「じゃあ一つ聞こう。そのお頭さんに恋人や妻は居たか?」

クード「そういやぁ聞いた事ねぇな、そんな話…」

スパイク「因みにこのハゲ頭のおっさんはさっきの理由で昔女に捨てられてんだ」

ジェット「スパイクテメェ…いい加減にしねぇと生身のまま宇宙に放り出すぞ」

スパイク「おーおー怖い怖い!ま、よくよく考えるこった。女は思ってること言わねーくせに察せないと怒るからな」ヒラヒラ

クード「レンが…思ってること…」ブツブツ
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/29(火) 05:07:50.10 ID:Dhp1fJzfo
取りあえずここまでです
正直、今回はおまけが投下できりゃ満足だったので本編は軽めで
次回は八月の第2週目になるかと…それまでちょこっと忙しいので
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 16:41:30.02 ID:D5kE1ZWWO
おつおつ
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 17:27:23.15 ID:7+R+diwto
おちゅ
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/05(火) 06:21:47.69 ID:8Al/yiWUo
予告だけ投下しておきます

スパイク「なぁ、女ってのぁ何考えてんだかさっぱりだな…」

クード「どうしたんだよ、急に?」

ジェット「いやぁ、確かに解らん。ある日急に仲間になったと思ったらいきなり出て行って…」

スパイク「挙句の果てに仕事の邪魔までしてきやがる…」

レン「誰の話…?」

スパイク「跳ねっ返りで気の強い女さ…。ジェットがご執心だったんだ」

クード「へぇ…こんなおっさにもそんな時代があったんだなぁ…」

ジェット「出会ったのは三ヶ月前だがな」

クード「結構最近じゃねーか!?」

レン「ジェット…思春期?」

スパイク「そりゃオモシれぇ!!」

ジェット「…ハァ」
―――――――
???「クシュンッ!!あーやだ、風ひいたかしら…」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/05(火) 10:31:34.12 ID:mJmvgfxAO

ROM専がいるのも忘れないでね(小声)
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/15(金) 06:14:17.58 ID:Rzxy8KJ+o
お久しぶりです
ちょっとだけ投下していきます

>>65
ROM専すらいないと思ってました
嬉しい限りです
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/15(金) 06:15:49.72 ID:Rzxy8KJ+o
―ビバップ号―
クード「フワァーあ…。オハヨー、ジェットぉ朝飯何ぃー?」

ジェット「ん?クーか、飯ならもう少し待て。今日はガニメデ名物海鼠だ」ジャージャー

スパイク「おいおい…あれ高級なだけで美味しくないっつったのアンタだぞ…」

ジェット「ガニメデに住んでる元同僚が『たくさん貰ったけど不味いからお前にやるよ』って言って送ってきたんでな」

クード「『美味しくない』ならまだしも『不味い』は聞きたくなかったぜ…」

ジェット「俺だって進んで食いたかぁないさ。だが金がねぇんだ、諦めろ」

スパイク「まぁ、俺ぁアンタの腕を信じるぜ、ジェットさん」

ジェット「そんなことより、飯食ったら出るからな。次のターゲットはコイツだ」

クード「えぇー不味いもん食ってすぐ働くのかよー」

スパイク「逆に考えるんだ、旨いもん食うために働こう、ってな…」ハァ
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/15(金) 06:16:57.47 ID:Rzxy8KJ+o
レン「おはよぅ…」

クード「おはよう、レン!」

スパイク「オハヨーさん…今日は朝っぱらからうんざりするようなニュースがあるぜ…」

レン「…?」

ジェット「今回はコイツだ」カタカタ

クード「ビーゾン…?何モンだよ、このモジャモジャ」

スパイク「きっとコイツも好きでモジャモジャなんじゃないさ…」

レン「スパイク…モジャ友…?」

スパイク「勝手に変な造語を作るんじゃねぇ…」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/15(金) 06:18:37.40 ID:Rzxy8KJ+o
ジェット「下らん話はいい。こいつは人身売買をしているらしい。最近はエディルレイドを特に探しているって話だ」

クード「人身売買も許せねぇけど、エディルレイドを物みたいに扱うのも許せねぇな…!!」

スパイク「仕方ないさ、そういう輩がいるからこそのアークエイルだろうしな」

ジェット「あぁ、今回の賞金もそのアークエイルから出ている。人身売買だけなら見逃してもらえてただろうが、エディルレイドに手を出し始めちまったせいで追われている」

クード「なんだよそれ!!エディルレイドだとか人間だとか、そんなの関係ないだろ!!」

レン「クー…。でも、エディルレイドが差別されてるのは事実だから…」

スパイク「そーだな。そもそもそんな事俺たちがどうこう言って変わるモンでもないし、益体ないことは考えないよーにするのが吉だぜ」

ジェット「それよりも、そんな奴を一人でも多く捕まえて世の中を正しい方に導く方が有益だぜ」

スパイク「元デカのアンタらしい発言だぜ…。俺ぁ自分の周りだけでも守れるように強くなったほうがよっぽど良いと思うがね」

クード「アンタはアンタで、らしい発言だな…」

ジェット「所で…さっきから箸が進んでねぇぜ、お前ら」

レン「マズイ…」フルフル

スパイク「しかたねぇ、空腹でも働くか…」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/15(金) 06:20:47.33 ID:Rzxy8KJ+o
―エレ・ブランカ―

スパイク「しっかし、何で所在地まで掴めてて他の賞金稼ぎたちは捕まえにこねーんだ?」

ジェット『いや…その町を訪れる賞金稼ぎは後を絶たないらしいが、全員行方不明になってる』

クード「え!?ちょっと待てよ、ジェット!!それって結構ヤバイ敵ってことじゃん!!」

ジェット『この惑星が賞金首制度を導入したのがつい最近だからな…。賞金稼ぎたちもエディルレイドについての知識に乏しいんだろう』

スパイク「つまり、相手はエディルレイドプレイヤーの可能性が高いわけか」

クード「惜しいけど間違ってるよ…」

レン「スパイク、私とクーも居るから平気…」

スパイク「あぁーまぁ、そうか…。ま、相手が何者だろうと負ける気はしないがね」

クード「まぁ、悩んでても仕方ねーしそろそろ行こうぜ!」

スパイク「お前なぁ…はぁ、まぁいいか。じゃ、俺はこのソードフィッシュで上空から敵の気を引く。その間にクー達は城に潜入しろ」

クード「んで、あのモジャモジャを見つけ次第ぶっ飛ばせばいいんだろ?」

レン「殺しちゃ、駄目…お金にならないから…」

クード「わーってるよー…。そもそも人殺しなんてしたくねーし」

スパイク「人の死に目になんざ出くわさない方が幸せさ…」

ジェット『お前の思い出話はどうでもいいから行くならさっさと行け』

スパイク「へーへ。人遣いの荒い船長さんだぜ…」バビューン
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/15(金) 06:23:21.32 ID:Rzxy8KJ+o
―クー&レンside―

クード「こーいうのは正面から行くとトラップだらけでやられちまうのが定番だよなぁ…」

レン「じゃあどうするの?」

クード「空賊の勘ではビーゾン達が出入りする通用口みたいなのがどっかにあるはずなんだが…」

レン「でもこのお城、大きいから見つけるの大変そう…」

クード「うーん…見取り図でもありゃ良いんだけどな…」

ジェット『クー!!それなら良いモンがある。今からそっちに送ってやる』ピピピッ

クード「ん?これは…」

ジェット『航空写真と、それに基づく内部予想図だ。建物の大きさから柱の位置、地盤の状態まで様々な情報を基に作ったからそれなりに精度は高いぜ』

クード「逆にそこまでの情報は集められるのに内部構造は予想図なのかよ…」

レン「クー。この地図の東側…ここだけ通路がない」

クード「確かに…変だな。ほとんど左右対称なのにここだけないって事は…」

ジェット『恐らく隠し通路だろうな』

クード「やっりぃ!!思ったより早く潜入できそうだぜ!!行こう、レン!」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/15(金) 06:26:12.23 ID:Rzxy8KJ+o
―スパイクside―

スパイク「全く…何で俺が囮なのかねぇ…。エディルレイドプレイヤーとか言うのと戦ってみたかったぜ…」

ジェット『そう拗ねるな、スパイク。いくらレンが七煌宝珠だからってあいつ等だけで何とかなるならとっくに他の賞金稼ぎに捕まってるさ』

スパイク「つまり、俺にもチャンスはあると?」

ジェット『あぁ、寧ろ俺はクー達が中で派手にやってる間に、お前にも中に入ってもらってビーゾンを捕まえてもらいたいと思ってる』

スパイク「ホントかよ…?っと!ようやくお出ましか!!また後でな、ジェット!!」ブツッ

スパイク「おぉ!中々手馴れてるじゃねーか!!だがこちとら、今日の晩飯がかかってるんで、ね!!」ババババ

そう叫ぶと同時にスパイクは相手の小型船に向け機関銃を撃つ。しかし、相手は素早く上昇しそれを回避すると、反転、ソードフィッシュ目掛けて落下してくる。

スパイク「うわぁ!!なんっつー野郎だ!!自分諸共落っこちる気かよ!?」

スパイクは急加速でそれをギリギリ避ける。敵はそのまま機体の両脇についている機関銃をソードフィッシュ目掛けて放ってくる。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/15(金) 06:29:05.31 ID:Rzxy8KJ+o
スパイク「つーかあの機体、何か見覚えあんぞチクショウ!!アイツこんなとこで何してやがんだ!?」

宙返りで敵の後ろにつけるスパイク。しかし、コックピットは狙わず、動力だけを打ち抜く。クルクルと回転しながら落ちていく敵機。
しかし、何故かスパイクはその敵機を捕縛した。

スパイク「おい、テメェこんなとこで何してやがる!?勝手に出てくだけならまだしも邪魔すんなよな!!」

???「何よ!?アンタこそ私の仕事の邪魔しないでくれる!?」

スパイク「けっ、賞金稼ぎの次は賞金首の護衛たぁ節操のねぇ女だぜ」

???「で、なんでアンタは態々私を捕まえたのかしら?未練でもあった?」

スパイク「相変わらず鬱陶しい野郎だぜ…。俺は単に城内の案内をしてもらおうと思っただけだ。お前じゃなくても捕まえたさ」

???「あっそ。でも気を付けた方がいいわよ?女って結構簡単に裏切るから」

スパイク「私は、の間違いだろ。前も言ったが、女が皆自分と同じだなんて思ったら大間違いだぜ」

???「私も前に言ったけど、女が昔の男の事思ってるなんて思ったら大間違いよ」

ジェット『スパイクゥ!!護衛を片付けたならさっさと城内に侵入してくれ』

スパイク「ったく…わーったよ!!それより面白いもん拾ったぜ」

ジェット『面白いもん?今回のターゲット確保に役立つモンか?』

スパイク「あぁ、そりゃもちろん」

ジェット『もったいぶってないでさっさと教えやがれ!!」

スパイク「昔の女さ」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/15(金) 06:31:12.92 ID:Rzxy8KJ+o
―クー&レンside―
クード「えぇーと…さっきここ曲がっただろ?ってことは今ここで…」
レン「クー、大丈夫…?」
クード「へ!?あ、あぁもっちろん!!なんたって元空賊だぜ?この程度の屋敷で迷子になんか…」
レン「でも…さっきもここ、通った…」
クード「いやいやいや!!気のせいだって気のせい!!」
レン「クー、前!!」

クード「な、なんだありゃ!?」

クード達の目の前には巨大な狸の様な化け物が数匹居眠りをしていた。
しかし、今のクードの叫び声で目が覚めてしまったらしく、不機嫌なうなり声を上げている。

クード「なんかヤバ目?」ダラダラ

レン「クー、リアクトを…!!」

レンはそう言うとクードに両手を差し出す。

クード「いや、でも…」

しかしクードはそれに応じず、逡巡しているようだった。

ラグールス「グァァァ!!」

そうこうしている間に巨大狸が襲い掛かってくる。
クードはさっとレンを抱えるとギリギリ跳んでかわす。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/15(金) 06:32:48.20 ID:Rzxy8KJ+o
クード「この程度の敵にレンを疲れさせることもないさっ!!」シュン

レンを安全な位置に下ろすと、フックを天井へ向け放り、ぶら下がると勢いをつけて巨大狸の胸辺りに蹴りを繰り出す。単純な軌道のため難なくかわされてしまうが、蹴りが外れたことにより一匹の腕を縛ることに成功した。

クード「へっ、どーよ!オラオラァーどんどんいくぜー!!」

その後も、ちょこまかと動き回ることで次々に縛り上げていった。

レン「クー…ロープが、あとちょっとしかない…」

その様子をずっと見ていたレンであったが、最後の一匹を残してロープが足りなくなるという失態に呆れていた。

クード「うっわ…ちょっとまずいかも…?」

クードもロープの残量に気が付いたらしく、残り一匹を前に固まる。
他の巨大狸を縛り上げるために走り回ったため、レンとの距離もだいぶ開いてしまっていた。

ラグールス「グゥオオオオ!!」

巨大狸が腕を振り下ろす。当然、その真下にいるのはクードだ。

レン「クー!!」

レンは駆け出す。だが、到底間に合う距離ではない。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/08/15(金) 17:33:07.92 ID:+bBXF7xhO
漫画版おもしろかったなエレメンタルジェレイド
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