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【皆で】魔法少女まどか☆マギカ小ネタ投稿スレ4【更新】
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398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/07/16(木) 20:37:05.56 ID:REuCy+sK0
紅茶を淹れた。お湯は魔法で沸かした上、肝心の葉は出涸らしだけれど。
カップを近づけてみても、やはり思ったような香りはしなかった。
口に含んで舌の上で転がしてみても、紅茶というよりは…何だろう?色の付いた水とでも呼んだ方がいいのかしら。
知らず眉間にシワが寄っていた。こんなことなら、不精せず紅茶葉も魔法で出すべきだったかもしれない。
小さく溜息をついて、じっと立ち昇る湯気を目に焼き付けると、瞼を閉じて想像する。
机を囲んで皆座っている。ケーキを突く皆の前にカップが並んだ。
真っ先にがぶ飲みした佐倉さんが私にダメ出しをする。味が薄いぜ、なんだこれ。
そんな馬鹿な、と続いた美樹さんが沈黙する。ややあって、マミさんも失敗するんだなあ、などと珍しげに呟いた。
美樹さんと同じタイミングで口を付けていた暁美さんが小さく微笑する。こういうのもたまには良いじゃない。とカップを揺らし、優しい目付きで波紋を見ている。
俄かに雷が落ちた。意識が現実に返った。
思考より早く変身を終え、私の眼は雷の出所を捉えていた。
地平線の彼方、瓦礫の山すら微塵となり、砂漠に近しくなった見滝原の果ての果て。唐突に生まれた赤黒い雷の嵐は、見る間にその密度を増し、魔女の体を為しつつある。
最後になるだろう。確信に近い予感があった。ひびの入ったカップを静かに砂地に降ろすと、お疲れ様、と心の中で労った。
かつて杏子が選んでくれたお気に入りの一品だ。魔法で保護していたとはいえ、よくここまで保ってくれたと思う。
魔力を込めて、音より早く跳躍する。砂地が果てしなく続く代わり映えしない景色の中、腕に巻かれたリボンのはためく色彩が自分を世界に引き止めた。
暁美さんが最期に手渡してくれた赤いリボンだ。生きて。という一言が遺言だった。涙が止まらなかったので、表情はよく分からなかった。
大好きな人々が居なくなる中で、自分だけが取り残される。私の人生はそんなのばっかりだ。
いい加減疲れ果てて、よっぽど死ぬ気だった私が生きているのは、あの時彼女に望まれたからだ。
それもきっと今日までだけれど、私は満足している。精一杯やったよ、と皆に胸を張って報告できるだけの時間、私は頑張ったと思う。…なんて自分でいったら台無しかしら?
光の源が近付いてきた。向こうもこちらに気付いたらしい。
勢いを緩めずそのまま直進し、接敵した。
高速で衝突した魔力と魔力が弾け、混ざり、眩い閃光を放つ。
不安はない。何かが私を抱き留めてくれるという根拠のない確信があった。
思考がここではないどこかに飛んでいく。光と身体が混ざってひとつになっていく。
美樹さん。暁美さん。佐倉さん。パパにママ。
巡る光の中に、知らない、懐かしい少女を見た。
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