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【皆で】魔法少女まどか☆マギカ小ネタ投稿スレ4【更新】
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
:2014/05/22(木) 20:54:02.87 ID:jqHvAiPu0
だからアタシは好きになったんだ
「これはどこに運べばいいですか?」
「それはリビングの方に頼むよ」
もうすぐ春休みも終わるぞとカレンダーが告げる中ごろ。 俺は今、ひたすらに荷物を運んでは戻るの作業を繰り返していた。 額には汗がにじみ足にも乳酸が溜まってきている……かれこれ2時間くらいは同じ作業を続けていただろうか。
「これで最後、っと」
トラックに積まれた最後の荷物を運びきりふかふかのカーペットが敷かれたその場へと崩れ落ちる様に胡坐で座り込む。 額の汗を手で拭い疲労している手足を伸ばしつつそのまま後ろへと倒れ込んだ。 するとコツンと頭の後ろに何かが当たり、見えるはずの天井は見えず代わりに健康的な肌色が見えた。
「お疲れさん」
そう言いながら指しのばしてきた彼女の手を握り――少し汗の滲んだ柔らかな感触を感じつつ、一気に起き上がる。
「疲れたー……これで終わりだよな?」
「残念でした、自家用車の方に積んである荷物がまだあるんだ。
まぁそっちの方はアタシとモモの私物が殆どだから自分たちで運べるけど……手伝ってくれるよな?」
「うへーい」と悲鳴か了解の意か分からない返事をしつつ彼女の横に着いて行く。
並んで歩いている彼女の名前は佐倉杏子、この教会のシスターだ。 今は茶色のブーツを穿き青色のホットパンツに緑色のパーカーを着て、綺麗な赤色をしたロングの髪の毛をポニーテールで纏めている。 随分とボーイッシュな格好だがツリ目な彼女には大分似合っていた。
ポニーテールを纏めている黒いリボンは実は俺が贈ったものだ……今更ながらつくづく自分はセンスが無いと思う。 さやかにあげた髪飾りもそうだが飾り気がなさすぎる。 しかし気に入ってる様なので俺としてはそれ以上何も言えなくなってしまったのだが。
「悪いな、引っ越しなんて手伝って貰っちゃってさ」
そう言いながら杏子は「たはは」と笑い少し頬を人差し指でかく。 つまり、今日の自分は佐倉一家の引っ越しを手伝っている日雇いのあんちゃんなのだ。
「いつもお世話になってるしな、力になれるなら手を貸すよ――よっと」
自家用車の荷台からダンボールを引っ張り出す。 これは大分軽いようなのでもう一つ持てるだろうと思い二つの段ボールを自分の胸の前まで持ってきて両手で運んでいく。
「さっすが男の子、アタシの分まで頑張ってくれよな!」
「いやいや、杏子も運んでくれよ」
軽口を叩きつつ二人で杏子の部屋へと私物を運び込む。
先ほど彼女の事をシスターと言ったが、シスターと言うからには勿論教会がある。 先ほどから荷物を運んでいるのは教会横にある神父さん一家の新しい家なのだ。 家族構成は神父さんに奥さん、姉の杏子に妹のモモの四人家族である。
運んでいる最中視線を逸らせば横にはすぐ真新しいが、こじんまりした教会が見える。 前の教会は古くなってしまってかなり老朽化したので場所を移して建て替えたのだが――前の教会に比べれば敷地面積は大分狭くなっていることだろう、半分以下だ。
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