他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
幼馴染「10年後の8月に・・・」
Check
Tweet
371 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/07/11(土) 02:15:53.23 ID:dopnPnGQo
男「言っとくがミズクラゲの刺胞毒はかなり弱いぞ」
幼「しほうどく?」モグモグ
男「そ。お前らクラゲって何だと思う?」
幼友「....なんか...水を固めた感じの生き物?」
男「まぁそんな感じの認識が一般的かもな。クラゲの生物学的立ち位置は刺胞動物門っていう...クシクラゲとかの有櫛動物門はひとまず置いといて、そういうグループなんだけど、その刺胞って意味は毒針の袋を持つって意味なんだよ」
幼友「毒針の袋?」
男「クラゲの触手にはちっこい袋が沢山ついてんだけど、触手が魚とか俺達の皮膚に当たるとその袋がパーンと割れて中の毒針が猛威を奮うってシステムなんよ。ちなみに刺胞動物の仲間としてイソギンチャクがいるな」
幼友「あー...言われてみればイソギンチャクを逆さまにすればクラゲに見えるかも。どっちも刺すしね」
372 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/07/11(土) 02:17:03.27 ID:dopnPnGQo
男「まぁ刺胞のメカニズムは大体皆おんなじだが毒はそれぞれの種類によって違ぇ。ミズクラゲみたいに刺されても少し痒みを感じるかどうか程度の毒もあれば、オーストラリアに生息するキロネックスなんかは刺されたら5分で死ぬ」
幼友「え"?」
男「今から行く海域で注意すんのはアンドンクラゲとカツオノエボシ位だ。カツオノエボシなんかは上から一発で見えるしアンドンも最悪刺されても痛いだけだから大丈夫大丈夫。死なない死なない」
幼友「大体2回言う奴は信用できないってどっかで聞いたけど?」ジトッ
幼「男君は軽いですからにゃー」モグモグ
男「おま、さっきから食ってばっかじゃん少し俺にも寄越せ」
幼「いいですよ〜?はい、あーん」
男「ん...うまいけどなにこれ」
幼「シベリアですよ〜」
幼友「さっきからチョイスが渋すぎる...ってかナチュラルにイチャつくとかすげぇなおい」
373 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/07/11(土) 02:19:26.16 ID:dopnPnGQo
まず実習だった
そして身内の結婚式もあった
んで海行ってた
からの風邪ひいた
だから俺は悪くない(訳,ごめんなさい)
374 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/07/11(土) 02:20:18.46 ID:dopnPnGQo
まず実習だった
そして身内の結婚式もあった
んで海行ってた
からの風邪ひいた
だから俺は悪くない(訳,ごめんなさい)
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/07/11(土) 02:49:53.23 ID:6daB4bbAO
まそんかだ(縦読み?
ふざけんなこのやろう!(訳:待ってたぞww)
376 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/07/11(土) 10:05:03.39 ID:7sIMEnT0O
幼「でも何でわざわざ遠くの海に出向くんですか?」
男「どゆこと?」
幼「別に電車で一時間位で着くビーチもあるじゃないですか?海無し県って訳じゃないんですし」
幼友「ほら、師範が宿のチケットくれたじゃない?あれの住所が今向かってる所なのよ」
男「俺達お前に任せちゃったから全然わかんねぇ。どんな宿?民宿?」
幼友「いや、何て言うかな。コテージみたいなのを貸しきれる感じらしい」
男「写真とかパンフある?」
幼友「私も師範から聞いただけだから持ってないのよ」
こういうときはスマホが無い時代がどれだけ面倒か痛感する。迷ったときにナビを使うこともできないし、ちょっとした調べものもできない。
でも行き先が分かんなかったり対処困難のハプニングがおきるからこそ旅は楽しいのだと思う。
先が見えてしまっている事がどれだけつまらなくて絶望的かを痛感する今日この頃です。
男「行ってからのお楽しみってわけだ」
幼友「そゆこと」
幼「多分次で乗り換えですけど大丈夫ですか?」
幼友「え?もう?次どうすんだっけ...ちょい待ち」
幼「サイコロでもふりますかにゃー?」
幼友「それすると十中八九四国行きになるでしょ!?」
幼「1の目、オレンジライナー」
幼友「さっそく駄目じゃん!?」
男「おい寝ボケんないろは!!腕噛んでるって!!」
いろは「zzz...」ガジガジ
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/07/11(土) 13:37:20.54 ID:cd3Ku0c1o
また夏がやってきたな
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/07/16(木) 19:41:48.17 ID:7q4kCgOWO
支援 今年熱くね? 毎年言ってる気すっけど
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/07/17(金) 11:02:28.58 ID:f5lpjhVgo
まあ毎年今年暑いよなww
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/07/17(金) 11:06:50.64 ID:f5lpjhVgo
まあ毎年今年暑いよなww
381 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/07/19(日) 00:58:29.53 ID:Vhw7eG8qo
男「やっと着いた...」
電車に揺られる事およそ3時間、更にバスで約30分、
途中いろはのせいで好奇の目に晒されたものの無事に目的地の海に到着した。
友「すっげぇ!海だ!」
幼友「海なんてホントに久しぶりに来たわ...キレイね」
幼「ここの水質は沖縄と同じって看板に書いてありますよ〜」
男「AAランクの水質ねぇ...日本には14ヶ所しかないとかマジか」
いろは(う...潮の臭いキツい...)
男(さすがイヌ科)
幼友「ね、ね、早速泳ぎましょうよ!!」
友「でも先に宿に荷物置こうぜ?流石に宿泊セット持ち歩くのは建設的じゃ無いだろ」
幼「そうですね、ではまず宿に向かいましょう」
382 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/07/19(日) 00:59:13.09 ID:Vhw7eG8qo
10分そこら歩くともう1つ小さいビーチが見えてきた。こちらは湾のようになっているので流れや波がなく安全そうだ。
友「こっちのビーチもキレイじゃん」
男「まぁ崖1つ挟んでるだけだからな...でも流れが無い分少し水質は悪そうだな」
幼「こちらも充分キレイですけどね」
友「んでこの目の前にコテージが...あったあった、これだ」
目の前に現れたのは立派なコテージ....ではなくただの一軒家....
はぁ?
383 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/07/19(日) 01:00:12.29 ID:Vhw7eG8qo
友「さぁお邪魔しy男「ちょっと待てコラ説明しろ」
幼友「ただの民家にしか見えない....」
幼「なるほどですねぇ...何となく把握できました」
話の中では立派なコテージが俺達を出迎えてくれるはずだったのだが、実際に現れたのはホントに平凡で一般的な民家だ。
友「ここは師範の知り合いが仕事の関係で借りてる借家なんだとよ。でも普段は全くと言っていいほど使ってないから俺達に貸してくれるんだって」
幼友「じゃ、じゃあこのチケットは?」
幼「おおかた最寄り駅や目印でしょうねぇ。ここに来る途中このホテルを見つけました」
男「だから真っ先にこの状況を把握出来たのか...まぁホテルの案内なのにコテージって言ったりしてたから変だとは思ったけど」
友「そゆこと。まぁ俺も実際ここに来るまでどんな所か知らなかったから許してぇな」
男「別に不満はねぇよ。泊まれるだけでありがたいもんだ。いろはもいるしな」
いろは「コーン♪」シッポフリフリ
幼友「そうよね、タダで泊まれるんだからむしろラッキーよね」
384 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/07/19(日) 01:01:34.33 ID:Vhw7eG8qo
「「お邪魔しまーす!」」
幼友「使ってないわりには随分キレイね」
友「ここの持ち主が俺達の為に掃除してくれたんだって。中の物は自由に使っていいってよ」
男「冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機完備か...すげぇな」
いろは(なかなかいいところね♪気に入ったわ)
9本の尻尾をフリフリしながらいろはが室内を見回している。
うっとおしいなおい。
男(どうでもいいけどお前ずっと狐でいるつもり?)
いろは(基本的にはそのつもりだけど、どうしたの?)
男(いや、その状態で海入られたら乾かすの大変だなーって)
いろは(置いていくって選択肢が無い辺り優しいわね...やっぱりツンデレ?)
男(分かった、首輪に繋いで玄関に放置するわ)
いろは(あら〜?こんな美少女に首輪を付けるだなんて、あんたよっぽど独占欲が強いのね)
男(美少女って...狩猟対象が何言ってやがる...んで、結局どうなんだ?)
いろは(さすがに海では人型に戻るわよ。皆には裏の山で遊ばせてるとでも言っておいてね)
男(それはいいんだが、お前巫女服で海入るつもりか?)
いろは(それも大丈夫。天界に居る時に奴から水着の式紙貰ったから)
男「ならいいんだが...」
幼「何がですか?」
男「ひょぅっ!?」
幼「びっくりしすぎですよ」クスクス
幼「もう早速海に行くみたいですよ?」
男「そ、そうか。じゃあ行こう」
マジビビった...
気を抜くと声出して喋っちゃうんだよなぁ。ホントに気を付けよう。
あと、いつの間にか人型に変わって腹抱えて爆笑してるキツネはマジで許さねぇ...
385 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/07/19(日) 01:02:56.92 ID:Vhw7eG8qo
夏だ海だ行ってきます
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/07/19(日) 18:16:10.18 ID:I12cLGWIo
ん?人型戻って平気なんけ?
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/07/20(月) 10:22:48.74 ID:Nq+ZOltDo
よし、間を取ってけも型にしよう
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/07/24(金) 15:22:32.69 ID:qUcQDKFlO
支援
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/07/25(土) 10:26:15.71 ID:xxP9bLrtO
追いついた
完結まで気長に待ってるー
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/03(月) 01:27:14.26 ID:lsgQYP0fo
紫煙
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/15(土) 23:07:55.02 ID:4ys9PN2B0
失踪だけは絶対にするなよ?
支援
392 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/08/17(月) 15:25:23.45 ID:E0fPznJYo
生存報告
ぶっちゃけリアル夏は忙しすぎ
もうちょいしたら投下する
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/17(月) 20:26:12.78 ID:LnXFmZ4WO
よし、舞ってる
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/17(月) 23:17:47.58 ID:KidIkfIQo
おけ、松てる
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/18(火) 14:55:21.74 ID:Q8wxDPb/0
ゆっくりでええんやで
楽しみに俟ってる
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/18(火) 21:39:03.39 ID:NaNL6vsA0
魔っ輝からな
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/08/24(月) 20:31:42.15 ID:KZb3k1SqO
あくしろよ
398 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/08/26(水) 23:56:14.33 ID:wCHukqjio
男「とりあえず浜には着いたけど...」
見渡す限りの人、人、人
なんでこう皆水辺に集まんだよ。
お前ら全員ハリガネムシに寄生されてんじゃねぇの?
友「とりあえずおじさんがいる海の家行くぞー。そこなら無料で使っていいってよ」
男「あぁ、師範の知り合いって人か。タダってのはありがてぇな」
幼友「そうね。お世話になってるんだから挨拶もしないとね」
幼「それはいいのですが...いろはちゃん知りませんか?」
男「...あいつなら宿の裏山に走っていったよ。山が恋しいんじゃねぇの?」
友「おい、それって大丈夫なのか?」
男「へーきへーき。腹減ったら帰ってくるよ」
幼「それならいいのですが...」
ちなみに本当のことを言うと、
いろは(うわっ、人多っ!!)
男(海水浴シーズンだしな...ってかお前はもう着替えてんのな)
俺の隣で水着姿になってます。
399 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/08/26(水) 23:57:13.35 ID:wCHukqjio
いろは(んー、このヒラヒラ邪魔なんだよねー。取っていい?)
男(いや知らんけど...取れるのそれ?)
いろは(普段着ならとれるんだけど...あのアホがなんか呪縛かけてるっぽいのよね。脱げないわ)
男(あぁ...神様の趣味か...)
しかしいろはに水着はよく似合っていた。
首に掛けるタイプの白いビキニに、下も白地にうっすらと波模様が書かれたパレオ。
こいつは体型がスラッとしているのでパレオがとても似合っている。
正直どストライクでした。はい。
どストライクなんだけどね...
いろは(マジヒラヒラじゃまー。ってか尻尾もホントはなくしたいんだけど...暑い。あのアホ本気で帰ったら覚えておきなさいよ)
男(...)
いろは(...何よその残念そうな目は)
男(お前もう喋んなきゃいいのに...)
いろは(はぁ!?どーいう意味よそれっ!!)
400 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/08/26(水) 23:57:48.63 ID:wCHukqjio
友「おい男?」
男「ん?あぁ悪い悪い、ボーッとしてた。あれ?あいつらは?」
友「先にこの海の家に着替えに入ったよ。俺達はとりあえず挨拶しとこうぜ」
男「そうだな。色々世話になってるしな」
この時俺は完璧に忘れていた。
タダより高いものは無いと。
401 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/08/26(水) 23:59:02.17 ID:wCHukqjio
〜一時間後〜
友「いらっしゃいませ!!何にします!?」
客A「えーっと、じゃあ焼きそばで!」
客B「私もそれ下さい!」
友「焼きそば2つですね!!800円になります!」
友「男ぉ!!焼きそば2つ!急いで!!」
男「今死ぬ気で焼いてんだろぉがぁ!!こちとら一人でやってんだぞ!?」ジャージャー
幼「男君、追加で焼きそば3つお願いします」
男「うそ...誰か...誰か事情許さば拿捕曳航されたし...」ジュージュー
幼友「ごめん。結構無理ゲー...かき氷2つお待たせしました!」ガリガリガリガリ
??「お?盛り上がってるねぇ!」
男「盛り上がるわけねぇだろアホが!やっぱりこういう事だったのかちきしょう!」
友「ってか男はこのおっさん知ってるの?」
男「いや...初めてあったけど初めてじゃ無いっていうか...」
幼「友君、遊んでないでお客さん捌いて下さい」
友「い...いつの間に並んで...」
そう、俺はこのおっさんを知っている。
??「ガハハ!そりゃイケメンと美女が働いてりゃいい客引きになるわ!」
本来なら俺が20歳の時、師範の紹介で初めて知り合う予定だった。
男「このくそインストラクターが...」
俺を将来プロダイバーまで育てあげるおっさんダイビングインストラクター。
今も未来も変わらぬ暑苦しさ。
イン「おぉ?男、ソースがなくなりそうだぞ?」
男「気付いたならてめーで持ってこいハゲ」
402 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/08/26(水) 23:59:29.23 ID:wCHukqjio
とりあえずこれだけ
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/27(木) 00:02:08.92 ID:MTg4dGNqo
乙楽しみに待ってた
実生活に響かない程度にね
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/27(木) 00:12:28.20 ID:MePiARQuo
乙
俺らはどうせ暇だから待つのは苦じゃない
ちゃんと書けるときに書いてたまに投稿してくれれば大丈夫よ
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/08/31(月) 17:41:42.30 ID:vnXApEkBO
支援
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/09/21(月) 13:11:52.71 ID:Xul3DCncO
支援
407 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/09/24(木) 14:58:41.88 ID:cJWyosIcO
遡ること10分前〜
友「なんで海の家の更衣室って中途半端に狭いんだろう」
男「独特な臭いもするしな」
しかもここにウェイウェイノリのリア充(笑)大学生共が集まるとかなりイライラする。
ほんと大学生ってウェイウェイとかウィンウィンとか2回続く言葉好きすぎだろ。
男「とりあえず着替えたぞ...なにその格好?」
海パンに着替えると、そこには見慣れないTシャツを着た幼と幼友、大爆笑しているいろはがいた。
...嫌な予感がする。
幼「とりあえず二人ともこれを着てください」
男「いやちょっと意味分かんないです」
....そして今に至る
イン「いやぁー悪いな!今ちょうどバイトが誰も入ってなかったから助かるぜ!」
幼友「いえいえー、こちらこそ宿を提供してもらってますし」
イン「この時間帯は混むんだよ!流石に一人じゃ対処できなくてなぁ!」
友「まぁ少しなら全然働くけどね」ガリガリガリ
男「....ぜってぇ許さねぇ」ジュージュー
ひたすら焼きそばを焼く...
焼きそばを焼くってなんとなく違和感があるな
頭が頭痛で痛いみたいな感じで。
日本語的にゃー間違ってないんだが...
まぁどうでもいい。
俺の後ろではいろはが退屈そうにかき氷を頬張ってる。
お前それちゃんと買ったんだろうな?あと座りながら足パタパタさせるんじゃありません。
男(おい、いろは?暇だったら海で遊んでてもいいぞ?)
いろは(あれま珍しい。いつもだったら手伝えーって殴りかかってくるのに)
男(殴りかかってはねぇだろ...流石にこの状況じゃ下手なことはできないしな。待ってんのも結構疲れるだろ?)
いろは(んー?別にへーきよ?無駄にこの炎天下のなか一人で出たくないだけよ、他意は無いわ)
男(?まぁお前がいいならいいんだけどよ...)
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/24(木) 21:39:25.55 ID:eEdSJ6epo
やっときたああああああああ
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/25(金) 16:26:16.22 ID:DTPZeKsDO
「違和感を感じる」はNGなのだろうか
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/27(日) 23:06:36.42 ID:g63llOF6o
追いついた
先がすげー楽しみ
舞ってる
411 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/09/29(火) 15:55:04.07 ID:nzQTBA4NO
男「やっと終わったぜぇ....」
友「なんか俺達こんなんばっかやってる気がする」
ただ宿の代償としての強制労働がやっと終わった。
さすがにお昼時を過ぎれば少し落ち着くみたいだ。
イン「おまえらおつかれさん!もう自由にしてていいぞ〜」ポイッ
そう言っておっさんは缶コーラを投げる。
男「サンキュー、正直喉カラカラ」
イン「あと帰るとき声かけろ。宿まで送ってやるし途中で夕飯も買った方がいいだろ?」
友「あー、それはかなりありがてぇっす。頑張ったかいがあったな」
幼「やりました」
幼友「上々ね♪」
いろは(...なんか今のセリフ聞いたことあるっぽい?)
男(神様提督かよ...あとお前も侵食されてるっぽい)
この神様絶対プロデューサーとライバーもやってるだろ...
412 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/09/29(火) 15:55:44.72 ID:nzQTBA4NO
友「海だぁぁーー!!!」
幼友「海だーー!!!」
幼「海だー!」
男「...4時間前から見てるけどな」
友「こういうのは気持ちなんだよ!」
幼「そうですよ男君、しっかり声だしてください」フンスッ
え?俺が悪いの?
海の家のTシャツを脱ぎ、水着姿が露になる。
幼友はフリフリが付いた黄色いビキニタイプ。高校生らしいっちゃ高校生らしい水着だ。
そして幼はサーフパンツの下に海用の黒いレギンス、上にはフード付のラッシュガードを着ている。
小柄な幼は無理してビキニを着るよりこういったスポーツタイプの格好の方が似合う。
マジかわいい。
413 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/09/29(火) 15:56:46.64 ID:nzQTBA4NO
幼友「めっちゃ海綺麗!青い海!白い砂浜!」
幼「さすがに気分が高y男「それ以上いうな」ガシッ
幼「ふぁいふふんへぇふはー」モゴモゴ
友「水着のちゃんねーがいっぱい...ここが楽園だったか」
男「同じくらい男もいるけどな」
友「んでも、結構声かけ待ちの子っているんだろ?」
男「知らねぇよ、だったらナンパでもしてこいよ」
友「俺にそんな勇気はない。ちなみに愛もない」
男「アンパンマンよりボッチじゃねぇか」
友「友達はいるよ!?目の前に!?」
男「はいはい今度お薬増やしましょうねー」
幼「男君、そんなもの放っておいて海入りましょう」スタスタ
男「おー、じゃあ行くかー」スタスタ
幼友「待って!いま浮き輪膨らましてるから!」
友「納得いかねぇ...」
いろは(...)
男(どうしたいろは?海入らねぇの?)
いろは(はぁ!?そんなこと一言も言ってないでしょ!?)キッ!
男(お、おう...そんな怒んなくてもいいだろ...)
いろは(あ、ご、ごめん...なんでもない)
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/29(火) 16:24:01.18 ID:LffgBxlAO
乙!
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/29(火) 20:34:14.41 ID:tDjT+CgSo
ライバープロデューサー提督ロリコン・・・貴様俺だな
おつつ
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2015/10/04(日) 11:52:05.94 ID:vt1OMC+jO
ライバーP提督か…月の出費エライことになってそうな…乙
417 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/10/04(日) 20:46:06.22 ID:u1DMZJ9So
幼友「きゃっ!冷たっ!」
友「夏の海ってもっと暖かいと思ってた」
男「近所の渓流よりましだろ。ちょっとあがればイワナがいるってかなり冷たいぞ」
幼「そうですよ。こんなんで音をあげないでください」
男「...さっきから思ってたんだけど、お前そんなに海好きだったっけ?」
幼「ぶっちゃけ現地につくまではワクワクを隠してました。でも今はこの溢れんばかりの熱いパトスを塩水にぶちまけたいです」
男「ごめんよくわかんなかったわ。ってか何がお前をそこまで動かすんだ?」
幼「恥ずかしい話ですが食欲です」
男「?!」
418 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/10/04(日) 20:47:13.53 ID:u1DMZJ9So
幼友「ちょっと友!早く捕まえなさいよ!」
友「無理に決まってんだろ!」
幼「男君、あれなんだか分かりますか?」
男「んぁ?どれどれ...」
ってボラじゃねーかよ。なんかすげぇがっかりしたわ。
魚を全く知らない人からすればボラは大きいしThe魚!って感じだから受けがいいんだけど
逆に釣りしてる人とかだとボラを見ただけで舌打ちする。
その辺にいっぱいいるし臭いし不細工だしどうしようもねぇ。
でも逆にボラは見つけやすいから女の子と海行ったときとかにあれボラっていうんだよーとか言うとちょっとだけ盛り上がる。ホントにちょっとだけど。
男「ボラだから別に珍しくないぞ?」
幼「食べられますか?」
男「食えないこともないけど...あんまり美味しいとは聞かないな」
幼「...チッ」ブンッ
友「うおっ!なんかめっちゃでかい海藻が飛んできたんだけど!?」ビクッ
なにこの子お腹すいてんの?
ちょー怖いんだけど。
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/06(火) 07:42:48.27 ID:Sb5sJdR0o
おつ?でいいのかな?
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/11(日) 17:29:54.03 ID:VNZVG4A0O
支援
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/23(金) 22:03:56.08 ID:nsqhpXDa0
進んでねーのな
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/24(土) 01:07:07.01 ID:P2p2/nc20
諦めた?
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/24(土) 11:37:09.66 ID:JbIxA/+4o
もとからこんなペース
424 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/10/28(水) 00:50:29.43 ID:JnSsf08Ro
男「にしても...ホントに気持ちいいな」
幼「男君、幼友ちゃんと一緒に泳いできていいですか?」
男「あーいいぞー、俺も後で行くからー。あの岩の向こう側には行くなよー」
幼「はーい♪」
男(さてと...そういやいろははどこ行ったんだ?)
少し探すと海を前にオドオドしているいろはを見つけた。
男(何してんのお前?)
いろは「ひゃうっ!?って男じゃない!脅かさないでよ!」
男(脅かしたつもりはないんだが...お前もしかしtいろは「泳げるに決まってるじゃない!」
男(まだなんも言ってねぇ...ってか別に意地張る事じゃねーだろ)
いろは「別に意地なんて張ってないし!」
男(はぁ...いいかいろは?確かに海は楽しいが同時にすげぇ怖い場所でもあるんだぞ?俺達は水中で生きる術を持っていない、ちょっと溺れるだけで簡単に死ねるんだ。だからお前みたいに海に対してきちんと恐怖心を持ってる事は大切なんだぞ)
男(かといって怖がりすぎもよくないけどな。でもちゃんと知識をつけてスキルを習得する、そうしていけば怖いどころか何倍も海を楽しむ事ができんの)
男(だからお前の感情は恥じるものじゃねぇ。ちゃんと教えてやるからさ、ちょっとずつ楽しみを見つけていこうぜ?な?)
いろは「...なんか胡散臭いんだけど」
男(...これでバイトしてたからな、ってかそういうこと言うな)
425 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/10/28(水) 00:53:08.78 ID:JnSsf08Ro
いろは「って言われてもね...あたし別に水は平気なのよ、川で泳いだりしてるし」
男(まぁ猫ってわけじゃないからな、イヌ科だし)
いろは「そういう問題じゃないでしょーが」
男(でも知ってるか?イヌ科ってネコ目イヌ科なんだぜ?)ドヤァァ
いろは「...で?」
男(はい、スンマセン...)
男(じゃあまず海に馴れるか。せっかくだからスノーケルやってみ、おっさんが貸してくれたし)
いろは「んーでもこれが邪魔で泳げないかも」ピラ
男(あーパレオか...そうだな)
そういや神様って一応こっちの世界見てるんだよな。
過干渉できないからいろはを寄越してきたけど。
じゃあ多分...
男(おーい!こいつのパレオとってやってー!!)
いろは「ちょ、なにいきなり大声出してんのよ。大体誰にむかって...」ハラッ...パサッ
いろは「...」
男「...」
いろは「こ...このド変態がぁぁ!!!」
男(なんでだよ!?泳ぐために取ってやったんだろうが!!)
いろは「それでも取り方ってもんがあるでしょーが!!」
男(それは上のバカに言えぇぇ!!)
生まれて始めて神様を馬鹿呼ばわりした
反省はしていない。
つーかまさかとは思ったけどホントに通じたよ。
426 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/10/28(水) 00:53:54.05 ID:JnSsf08Ro
いろは「んで?どうすればいいわけ?」
男「まずマスクに曇り止めを塗ってから水で一回だけすすいで...」
〜その頃〜
幼「フォフォイファファファフィフ」ガフガフ
幼友「うん、分かったから一回シュノーケルとって。なに言ってるか全然わかんないから」
幼「すごい魚いっぱいいます!」
幼友「名前が分かんないのが悔しいわね...」
幼「あ!?なんかすごいのいます!」
幼友「え?どこ?」
幼「ふぉっふぃへふ」スノーケルクワエ
幼友「ちょ、幼!そっち行っちゃダメな場所じゃ!」
幼(せびれがヒモみたいに長いさかな!今まで見たことないです!)パシャパシャ
幼(もうちょっとで追い付きそうですが...)
魚 ギューン
幼(あぁ...行っちゃいました...)
幼(気付けば結構来てしまいましたね。男君に怒られる前に戻らなければ)パシャパシャ
幼(....)パシャパシャ
幼(...あれ?全然進んでない気が...むしろ流されてる?)
幼(...ちょっとよくないです)
男(まぁこんな感じで遊んでれば大丈夫だろ)
いろは「へー、やり方さえ分かれば楽しいわね。他に気を付けることはないの?」
男(そうだなぁ...こういう海水浴場で気を付をつけるのは流れとかかな)
いろは「流れ?」
男(そ、“リップカレント”って知ってるか?日本語で言うと 離岸流だ )
427 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/10/28(水) 00:56:06.96 ID:JnSsf08Ro
行き当たりばったりだからのんびりやるよー
エタりはしないから安心して
今日はここまで
また明日かもしれないしそうでないかもしれない
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 12:21:16.66 ID:ZUVALjVoO
乙!
ゆっくり書いていけー気長に待ってるぜ
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/28(水) 21:05:05.44 ID:QLD4McYkO
気長に待ってるけど
面白いから早く続きが見たい…
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/30(金) 20:02:46.93 ID:4ZP89xFrO
海・・・行かなかったな・・・
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/31(土) 09:40:01.08 ID:TFtQWLNFO
せんせー うみってなんですか?(白目)
432 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/11/10(火) 20:14:31.02 ID:kFKCGxoRO
はよ
433 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/11/18(水) 18:55:42.23 ID:NZeiKAGvo
男(おー見てみろいろは。オヤビッチャがくさるほどいるぞ)
いろは「なによオヤビッチャって...」
幼友「男っ!!」ゼェハァゼハァ
男「あ?どうしたそんなに慌てて」
幼友「幼が...幼...が」ハァハァ
男「いいから落ち着け。呼吸を整えろ。はい吸ってー...5秒止めてー...5秒以上かけてゆっくり吐いてー」
幼友「...ふぅ...はぁ」
男「おっけー、それで全力疾走までしてどうした?」
幼友「幼が!幼が戻ってこれない!」
男「戻ってこれない...?」
戻ってこれないってどういうことだよ。
戻ってこないってことではないんだろ?
ってことはどこにいるかは分かってるけど何らかの理由で戻れない...
友も一緒にいるからチンピラってわけじゃないだろうし...となると...
男『あの岩の向こう側には行くなよー』
幼『はーい』
男「あのバカっ!流されやがったな!!」ダッ
いろは「ちょ!どういうことよ?」ダッシュ
男「あのアホ離岸流にのまれやがった!岩のむこうは地形的に流れてたはずだ!」
幼友「え?いきなりどうしたの?」ダッシュ
男「こっちの話!!」ガー!!
幼友「へぅ!」ビクッ
いろは「お、落ち着きなさいよ」
男「落ち着いてるよ!焦らず急いでんの!」
434 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/11/18(水) 18:58:37.54 ID:NZeiKAGvo
幼友「あそこで友が待ってる!」
男「了解!...っと、あれか。まだそんな離れてないな...」
浜からキチンと確認できる距離に幼がいる。
幼は流れに負けんと手足をばたつかせて必死に泳いでいる。
あれはまずい...
友「すまねぇ男!俺が行ったら一緒に流されちまうと思って...」
男「ナイス判断だ友!偉いぞ!!」
よくある話だ。助けに行った人が一緒に流されたり溺れたりで死んでしまう事がよくある。水上、または水中での救助は正しく行わなければ巻きぞいをくらう。
見捨てろとは言わないが素人が手を出していいものではない。
男「ライフセーバーはどした!?」
友「それが...」
友が指差す方を見ると、水上バイクにエンジンをかけようとしている。が、なかなかかからず苦戦しているようだ。
男(あー、そういうパターンか...それじゃあ...)
浜の端よりに一本のボードが立て掛けてある。
そのボトム(底側)には赤くLIFE GUARDの文字。
男「お借りします!!」ダッ
友「おい男!?」
ボードのストラップをしっかりと握り、海へ駆け出す。
目の前に遊泳客はいない、clear
速度を落とさないよう海面を滑らせるようにボードを着水させ、ニーパドル(膝立ち)の姿勢で飛び乗る。
???「」ニヤッ
435 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/11/18(水) 18:59:10.98 ID:NZeiKAGvo
幼(ハァ...ハァ...)バシャバシャ
幼(スノーケルだと...苦しいです...もう...体力が...)バシャバシャガバッ
幼(むり...です...ごめんなさい...男...君)バシャバシャ
幼「...おと...こ..」ガボガボ
男「支援艦隊が到着しました」
幼「!?」ガバッ!!
男「ったくお前は...だから岩の向こう側にゃー行くなって言ったろ?」
幼「...お..とこ?」
男「しかもスノーケルも外しやがって、お前は溺れるやつの典型かっつーの」
幼「男ーー!!」ガバッ!
男「あーはいはい、ちゃんと連れて帰ってあげるからボード揺らさないで、マジで」
幼「怖かったよー」ウェンウェン
男「ん、もう大丈夫。帰るぞ」
幼「うん...でもどうやって」グスン
男「ボードにタンデムする。俺の前にうつ伏せで乗って。あ、頭は前ねー。んで俺がケツにあご乗っけてパドリング(手で漕ぐ)するから」
幼「これは...少し恥ずかしいですね///」
言っとくけどホントだからね?
俺がわざとこうしてるわけじゃないからね?
こういう救助法なんだよ?
436 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/11/18(水) 18:59:59.81 ID:NZeiKAGvo
???「さすが拙者が見込んだ男でござるwww
こうも容易く死神のシナリオを書き換えてしまうとはwww」
???「でも今回の件で完璧にばれたでござろうなぁ...」
???「そうねぇ、やっぱりあなたの仕業だったのねぇ生神」
生神「...仕業とはこれまた言い掛かり甚だしいでござるよ死神殿wwwなんの事かさっぱりでござるwww」
死神「そ、なんでもいいけど私の仕事の邪魔はしないでね。すべての死は等しく万人に降り注ぐんだから」
生神「...本当に等しいのならば...ね」ボソッ
死神「...なに?なんか言いたいことでもあんの?」
生神「いえいえ〜。とにかくこの件に関して拙者は無関係でござるwww」
死神「ふんっ...白々しい。そっちがその気ならこっちも考えがあるから。それじゃあ」ファサッ
生神「...八つ当たりヤキモチ女が...本来なら裁きを受けるはずだか巧妙に隠してやがる...
男君も大変だねぇ〜神に惚れられちゃうなんて」
生神「おっと!いけないいけない!そろそろイベント開始の時間でござるwww今回のためにバケツも資材もたっぷりと貯めておいたですぞwww」コポォ
437 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/11/18(水) 19:00:54.40 ID:NZeiKAGvo
王道は正義、異論は認めない
それでは抜錨してきます
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/18(水) 22:57:04.97 ID:ekn8FPebo
おつです!
439 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/11/19(木) 21:01:48.51 ID:jpJUE43ko
〜〜〜〜〜
男(少年)『ねー?どうして君は泣いてるの?』
???『...あなただれ?』グスン
男『僕?僕は男だよ!君は?』
???『...−−−』
男『へぇー!−−−ちゃんっていうんだ!よろしくね!』
440 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/11/19(木) 21:02:35.13 ID:jpJUE43ko
男「ーーー!」ガバッ!
男「夢か...なんか...懐かしい夢だったな」
はっきりとは覚えていない、まだ父さんも母さんも生きてた時の話だ。
山の中で迷子になって歩き回ってたら、同じくらいの年の女の子を見つけた事がある。
あの子は無事に帰れたんだっけ...?
男「...今気付いた、死ぬほど喉が乾いてる」
辺りを見ると幼、幼友、友がフローリングの上にくたばっている。みんな海ではしゃいだおかげで疲れてるみたいだ。
幼をピックアップした後は簡単だった。
流れに逆らわず横に逃げ、カレントから抜け出したら浜に戻るだけ。
その後ライフセーバーと少し話をし無事が確認できたので大事にはならなかったのが救いだ。
宿舎に戻ってからは倒れこむように寝たらしい。
441 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/11/19(木) 21:03:15.89 ID:jpJUE43ko
男「〜♪」ガラガラ
冷蔵庫からコーラを一本取り出し、ベランダへむかう。
閉めた窓に寄りかかりながら片手で缶のプルタブを開けた。
...そういえばこの動作を練習したのもこの頃だったっけか
男子であれば誰もが通る道だろう。
男「この時期だと18時を過ぎても全然明るいな」
目の前の海から心地よい風が流れてくる。
こうしてベランダでボーッとしてるとここに飛ばされる前の自分を思い出す。
あの時片手に持っていたのはタバコだったが...
442 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/11/19(木) 21:04:51.16 ID:jpJUE43ko
いろは「ただいまーっと」シュタ
男「おまっ、どこから来たんだよ...ここ2階だぞ?」
いろは「ちょーっと上司に呼ばれてね」
男「なんかあったのか?」
いろは「少しまずい事になったわ。あんたの存在が死神にバレたっぽいのよね」
男「...それってうんこまずくねぇか?」
いろは「うんこかどうかは知らないけどまずいわね。でもむこうもそんなに大きくはでられないはずだわ」
男「大きくでれないっつっても...殺しにかかってきてんだろ?」
いろは「うん...あいつが言うには今日の一件も死神の仕業みたいなの。水上バイクのエンジンがかからなかったのはそのせいだって」
男「なるほど...でも俺が助けに行くこと位分かるはずだろ?それは考慮しなかったのか?」
いろは「それはあんたが本来ここにいる人間じゃないからよ。あんたの中心で起こる出来事は神の導きじゃなくて今のあんたが作り出してるの。それはこの時間軸にとってのイレギュラー的存在であるあんたにしかできない」
いろは「だからこそ死神は手を出せないの。あんたのシナリオに沿った出来事で幼ちゃんの命を絶つ事はできるけど、あんた自身の動きは誰にも予測できないし制御できない」
男「水上バイクのエンジンは止めれたけど、俺自身は止められなかったっつーのは...そういうことか?」
いろは「理解が早くて助かるわ」
だからこそ俺がこの世界に呼ばれたわけか...
夕焼けの空をクマゼミの声が包み込む。
運命の日まで後1ヶ月をきった。
443 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2015/11/19(木) 21:05:29.56 ID:jpJUE43ko
少しは進んできたかな
今日はここまで
444 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/20(金) 21:03:44.65 ID:GEc0vNpiO
おつ!
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/21(土) 01:33:05.34 ID:ilkPoUDuO
追いついた
446 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/11/28(土) 17:40:54.33 ID:Ph+zMvPlO
おつ
447 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/12/12(土) 09:29:41.92 ID:Ppr63nLWO
ほ
448 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/12/23(水) 20:13:35.46 ID:8x5g+I1YO
年末か・・・
見てるぞ
449 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/01(金) 01:51:36.61 ID:Cd1bxH/ho
明けましておめでとう
今年もよろしく
もう少ししたら更新するからちょいまち
450 :
以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[sage]:2016/01/01(金) 01:59:47.93 ID:ReqpwXSlO
おつ
ことよろ
451 :
以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[sage]:2016/01/01(金) 18:36:19.89 ID:QapRa3gUO
追いついた
452 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 12:36:17.40 ID:hngZVfroO
〜次の日〜
男(なんか目が覚めちまったな)
男(時間は...うへぇ、まだ5時前かよ)
男(普段だったら二度寝直行コースなんだが...まぁ折角海にいるんだ、釣りでもしてくるかな)
玄関にはインストラクターが使っていた竿があった。
それとバケツを掴み、早朝の漁港を歩く。
日はまだ出ておらず、水平線のむこうで空がうっすらと青白くなっているのが見える。
男(この辺かな...よっと)ポチャン
餌は堤防の壁に生えていたイガイ科の貝を石で砕き、針に付けた。
453 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 12:36:55.31 ID:hngZVfroO
いろは「おはよー...朝から釣り?」
男「おう、朝マズメは貴重だぞ。...起きたのはお前だけか?」
いろは「あたしはあんたが起きると目が覚めちゃうのよ。心が繋がってるようなもんなんだから」
男「そうなの?そりゃ少し悪いことしたな」
いろは「別にいいわよそのくらい。んで?これからどうするの?」
男「そうだなぁ...一応考えはあるんだけど確証がねぇ」
いろは「...そういうことね。でも現状それに賭けるしかないんじゃない?」
男「勝手に人の心読むのやめて。なんにせよあと一ヶ月は守りぬかないと。バックアップ頼むぞ」
いろは「当然」
454 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 12:37:30.36 ID:hngZVfroO
垂らした糸がピンと張る。
ぐぐっと海底へ引きずり込まれるテンションをうまく合わせ、そのまま一気に引き上げた。
男「いっちょあがり...オオスジイシモチか」
いろは「ねぇ、あそこにイセエビいるんだけど」
男「...」チラッ
イセエビ・サザエ・アワビ等の採集を禁止する
男「...」
455 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 12:38:09.40 ID:hngZVfroO
幼友「んー...おはよー」
幼「台所からすごくいい匂いがしますね。お味噌汁ですか?」
友「そー言えば早朝に誰かが外に出ていった気が」ガラガラ
男「おう、お前ら起きたのか。味噌汁できてんぞ」
幼「わー!ありがとうございます男君んっ!?」
幼友「ん?どうしたの幼んっ!?」
友「お前...これどうしたの?」
男「これか?漁港で拾った」
友「いや、拾ったっつーk男「なるほど、友君は味噌汁いらねーってことだな?」まぁ拾うよな。ばりばり拾うわな」
幼「すごい立派なイセエビですね!」
男「ヘー、コレッテイセエビッテイウノカー。シラナカッター。幼ハモノシリダナー(棒」ナデナデ
幼「えへへ///そんなことないですよぉ///」デレデレ
幼友「いやそこで喜ぶのはおかしい」
いろは(...なにしてんだか)ワクワク
456 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 12:40:47.52 ID:hngZVfroO
大変長らくお待たせいたいしました。
年末年始はなかなか忙しくて...
許してください何にもしませんから。
まぁこんな感じで再開です。
今年中に終わらせられるように頑張ります。
457 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:22:25.20 ID:NDDpIAVco
幼友「それで?今日はどうするの?」
友「こっちのビーチで遊んでみようぜ!」
男「昨日の場所と違って湾になってるからな。俺も安心ではある」
幼「男君!このお味噌汁めっちゃ美味しいです!」ズズッ
男「...よかったね」ナデナデ
友「じゃあこれ食い終わったら早速行こうぜ!」
幼「はぅ〜、エビがプリプリです〜」プリプリ
幼友「昨日の水着乾いてるかな?」
男「若干湿ってるかもしれんが、まぁ気にすんな」
友「しゅのーけるしたい!しゅのーける!」
男「わかったからちょっと黙れ。バカっぽいぞ」
友「ひどい!?」
幼「男君!」
男「...なに?」
幼「タコはいますか!?」
男「...全力で探します」
幼「やりました」
いろは(...カオスね)
458 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:23:12.98 ID:NDDpIAVco
〜海〜
友「すげぇ!ウニがいっぱいあるぞ!」
幼「鎧袖一触です」
男「やめなさい。捕まるぞ」
幼友「男ー?これなに?」ブニッ
男「ナマコを素手でいきなり鷲掴みできる女子はそういないぞ」
幼友「あれ?さわっちゃだめだった?」
男「いや、全然オッケー。むしろ俺はそういう女子好きだぞ」
幼友「なっ!なに言ってんのよいきなり!///」ブンッ
友「ヒットォ!?」ベチン!
459 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:23:42.57 ID:NDDpIAVco
男「見事な流れ弾だなっいてぇ!?なにやつ!?」ゴツッ
幼「...れるもん」
男「へ?」
幼「私だってナマコくらいさわれるもん!!」ブンッブンッ
男「わかった!そのヤキモチは非常にかわいいけど投げてるモノがかわいくない!サザエ投げたらヤバイから!固いから!刺さるから!」ヒュンヒュン
幼「男君なんてシジミに噛まれて死んじゃえー!」ウエーン!
男「どういうことだ...」
幼友「あーあーいじけちゃったー」
友「何でもいいけど投げつけられたナマコから紐っぽいものがいっぱい出てきたんだけど。めっちゃキモいんだけど」
幼友「あらホント。キモいわね」
男「確かにキモいな」
幼「さすがにドン引きです」
友「うん。ナマコのことだよね?何でみんな俺の目を見て言ってるの?」
460 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:24:15.87 ID:NDDpIAVco
男「ほら幼、タコ探してやるから元気出せ」
幼「...たこ焼きがいいです」
男「なら後でいくらでも買ってやるから。な?」
幼「いやです。男君が捕まえて下さい」
男「たこ焼きを!?」
461 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:24:42.48 ID:NDDpIAVco
男「じゃあ俺たちは飯適当に買ってくるから。席とって待っててくれ」
友「なんかご所望のモノはあるー?」
幼友「海といったらカレーかラーメンよね。どっちにしようかしら...」ムムム
幼「どっちも頼んで二人で食べましょう♪その方が色々楽しめます」
友「りょーかいー。じゃあ行ってくる」
462 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:25:11.77 ID:NDDpIAVco
男「カレー、ラーメン、アメリカンドック、たこ焼き、焼きそば...このくらいはすぐ食っちまうか」
DQN1「なーおばさん!早くしてくんねぇかなー?」
DQN2「っつーかマジ遅くね?客待たせるとかダル」
友「あちゃー...やっぱり海だといるんだな」
男「いかにもって感じだな。むしろまだこんなにあからさまやつが存在してたとは」
DQN1「やっとかよ。おいマジかよ、なんだこの安っぽい飯!これであの値段とか詐欺だろ!」
DQN2「まぁまぁDQN1クン。こういう不味そうな飯を食うのも醍醐味っしょ?」
DQN1「あーそれな!わかるわー!」
男「あいつら...これ以上問題おこさなきゃいいけど」チラッ
友「...」
463 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:26:08.71 ID:NDDpIAVco
男「さて、飯は無事に買えたけど。幼達はどこに座ったんだ...あ」
席を見渡すと男4人組に絡まれてる女の子2人が目にはいった。
というよりあれって...
DQN1「ね〜君たち〜。二人で来たの〜?」
DQN2「折角だから一緒にご飯食べようよ♪奢るよ?」
幼友「連れがいるので間に合ってます」
DQN3「そんなつれないこと言わないでさ〜」
DQN1「そーそー!一緒に楽しいことしようぜ!な!」スッ
DQNの一人が幼の肩に手を添えようとした瞬間、その手が弾かれた。
幼「...さわるな汚い。お前らと話すことなんてない。失せろ」
...やべぇ。ちょー怖ぇ...
やっぱり幼母の娘なんだよな、あんな啖呵男でもなかなか切れないぞ。
あとDQN君達。そろそろ引かないとこっちの我慢も限界っぽいよ?
友「...」
464 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:26:47.44 ID:NDDpIAVco
DQN1「おぉ!気の強い系女子!?いいよいいよ!大好きだよ!」
DQN4「じゃあこっちの子は気が弱い系女子か!怖くないよ〜。だから震えないで〜」
幼友「幼...」
幼友は普通の女の子か。少し怯えているようだ。
にしても、あいつら引き際をわかってないな。
もうしーらない♪
友「...」ブチッ
465 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:27:27.60 ID:NDDpIAVco
友「お待たせー二人ともー!」
幼友「友!」
DQN4「は?なんだてめぇ?」
DQN2「もしかして君達の言ってた連れってこいつら?センスねー!」
DQN3「悪いことは言わないから俺達と一緒においで!こんなやつらと一緒じゃつまんないでしょ?」グイッ
幼友「きゃっ!」
男「...」
友「」ガシッ
466 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:28:12.47 ID:NDDpIAVco
DQN3「あ?なに腕つかんでんだてめぇ?」
友「...ねーお兄さん達。頼むからその手を離してくれないかな?」ミシッ
友「頼むよ」ニコニコ バキバキバキ
DQN3「がぁ!?腕が!!」
DQN1「てめぇ!離せコラ!」ブンッ
友「」ヒョイ スッ
DQN1「んごっ!?」ズドンッ!!
男「おー、綺麗に掌底がはいったな」
DQN1「ん...く..」
掌底をくらったDQNはその場でうずくまりえずく。死戦期呼吸のように口をパクパクさせている。
DQN2「てめぇ!」ブンッ
飛んできた蹴りを掴みとり、そのまま仕返しと言わんばかりの蹴りを脇腹に叩き込む。
友「」ドスッ!
DQN2「くっ...う...」
友「よっと」ズパンッ!
とどめの右上段回し蹴りがDQNの側頭部にヒットした。
467 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:28:53.39 ID:NDDpIAVco
DQN3「くそが!!」
デカイ図体をしたDQNが友に掴みかかろうとするが、友はそれを上手くいなし、相手の腕と首を掴んだ。
友「ん」スッ
DQN3「?!」ズドォン!!
男「...払い腰か。しかも頭を地面に叩きつけたぞ」
死んでねぇかなと少しDQNに同情する。
468 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:29:27.21 ID:NDDpIAVco
幼「男君!」
男「ん?おっと」ヒョイ
DQN4「くそっ!」ブンッ
男「友には勝てないとふんだか。ナイス判断」ドスッ
男「でも真っ直ぐ突っ込むとこうやって膝で合わせられるぞ?」
DQN4「くふぅ...ぐっ..」
友「ほら君達立てるでしょ?あぁそこの気絶してるのは担いであげてね。友達なんでしょ?これ以上お店に迷惑かけないのー」
469 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/19(火) 19:30:39.44 ID:NDDpIAVco
〜〜〜
「「いただきまーす!!」」
あの後DQN達は自主的にお帰りしていただいた。
正直あれ以上もめるのも面倒なので。
幼友「幼が喋ったときはホントにちょっとゾッとしたわよ」
男「さすがあれの娘だなーって思ったわ」
幼「えへへ〜///」
幼友「いや誉めてないでしょ」
男「怖くはなかったのか?」
幼「すぐに男君達が飛んでくると思ってたので大丈夫でしたよ?」
男「飛んでったのは友だったけどな」
幼友「さすが師範の一番弟子ね」
男「あいつにもいいとこあるだろ?」
幼友「そんなの知ってるし」
男「ほ〜?」ニヤニヤ
幼「これはこれは」ニヤニヤ
幼友「あっ...違う!これはそんなつもりじゃ!」
友「おい皆!おばちゃんがかき氷御馳走してくれるってよ!かき氷だぜかき氷!!」
幼友「ふんっ!」バキッ!
友「ありがとうございますっ?!」
470 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/20(水) 19:02:11.92 ID:nIyJuJYto
〜夜〜
友「肝試ししよーぜ!!」
男「...は?」
いきなり何を言い出すんだこいつはと思ったが、回りは案外乗り気のようで。
幼「いいですね!楽しそうです!」
幼友「でもどこでやるの?近くにあった神社?」
友「今更この面子で神社に行っても面白くねーべ?もっといいとこがあるんだってよ!」
男「この近所にそんなのあったか?」
友「昼飯食ってるときに聞いたんだけど、漁港の裏に小さい道があって、そこを真っ直ぐ進むとデカイ廃墟があるらしいぜ」
471 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/20(水) 19:02:55.43 ID:nIyJuJYto
幼友「デカイ廃墟って...もしかして病院とか?」
友「いやー?なんか学校の宿泊施設だとよ。新しいのができてからずっと放置されてんだってさ」
男「へー、まだ取り壊されてないのか」
幼「肝試しにもってこいですね」
友「っつーことで、飯食い終わったらレッツゴー!!」
幼友「いいから早く米を炊け」
472 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/20(水) 19:05:12.02 ID:nIyJuJYto
男(ってことなんだけど、今のところはどう?)
いろは(特に問題は無さそうね。全員ちゃんと色がついてるし)キツネモード
男(前、友の事故の時もそれ言ってたけどよ。色ってなに?)
いろは(そのまんまの意味よ。もうすぐ死ぬなーとか、デカイ災厄が訪れるなーっていう人間を見ると、色が薄くなったりモノクロになってたりするの)
男(へー。それで未来を予測すんのか)
いろは(そんなに大したものじゃ無いわよ?このままだと危ないから少し気を付けよーぐらいのことだし)
男(それで十分)
友「男ー!そろそろ行こうぜ!!」
男「おーう」
いろは(じゃあいきましょうか)ドロンッ ヒトガタ
男(なんか感じたらすぐ教えてくれ。なんか嫌な予感がする)
いろは「あら?野性児の第六感かじら?」
男(...そんなところだ)
473 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/20(水) 19:05:58.75 ID:nIyJuJYto
友「ホントにこの道真っ暗だなー。狭いし」
幼友「ほとんど山道ね。ライト無かったら危なかったわ」
幼「結構歩きましたけどまだですかねー?」
男「あー、あれじゃねぇか?」
目の前に現れたのはかなり大きなコンクリートの建物。学校のような構造をしていて、所々窓ガラスが割れている。
何て言うか...全体的に暗い。吸い込まれそうになる暗さだ。
幼友「...想像してた3倍増で怖いんだけど」
友「すげぇな。逆に一個だけ街灯があるのもこえぇ...」
幼「こんな山のなかなのに結構大きい施設ですね」
男「学校の宿泊施設だもんな」
474 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/20(水) 19:06:25.44 ID:nIyJuJYto
男(どうだいろは、なんかいるか?)ギュッ
男(...ギュッ?)
いろは「...」ガクブルガクブル
横を向くと俺の腕にしっかりとしがみついているいろはがいた。お前怖いの苦手なのかよ...
男(お前...普段神社で暮らしてたんだからこういうの平気なはずだろ?)
いろは「神社にはちゃんと神様が納められてるから全く怖くないわよ...。こういう多くの人が寝泊まりしてた場所ってのは建物自体に記憶が写りやすいのよ」
男(あー、いわゆる感情とかが染み付きやすいってこと?)
いろは(しかも集まってたのは子供と先生...もう最悪よ)
男(子供はナチュラルに残酷だし、先生は結構黒いからな)
475 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/20(水) 19:06:54.11 ID:nIyJuJYto
友「おーい、空いてるとこあったぞー」
男「え?入んの?」
幼「当たり前じゃないですか男君!折角来たんですよ?」
幼友「なんであんたはそんなにテンション高いのよ...」
男「...」チラッ
いろは「」ガクブルガクブル
男(はぁ...とちあえず俺から離れるなよ)
いろは「」コクコク
476 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/20(水) 19:07:51.58 ID:nIyJuJYto
友「結局なんにも無かったなー」
幼友「出てきたら出てきたで困るでしょうが...」
中は以外と綺麗にされていて、特に何か起こるようなことも無かった。
幼「楽しかったです」フンスッ
男「まぁ何事もなくて良かったじゃねーか。これ普通に住居不法侵入罪だからな?問題おきたら大変だぞ?」
友「まじ?人住んでなくてもダメなの?」
幼友「え?あんた知らなかったの?」
友「だってみんなあんまりコソコソしてなかったからさー。男だって後ろの方でずっと笑ってたじゃんかー」
男「...は?俺は一回も笑ってねぇぞ?」
友「ん?」
幼友「...」クビフリ
幼「...」クビフリ
友「あれー?おっかしーなー?」
男(お前聞こえてた?)
いろは「だからずっと耳塞いでたじゃないの..」ゲッソリ
477 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/20(水) 19:08:27.71 ID:nIyJuJYto
友「じゃあそろそろ帰ろーぜ」
幼友「そ、そうね、もう、もう用はないんだし」
幼「早く行きましょう」
男「ほら夜道なんだから走らないの」ガサガサ
友「ん?今その林から音が...」
幼「鹿とかじゃないんですか?」
男「どうだろう...」
少し近付こうとしたとき、いろはがすごい勢いで肩を叩いてきた。
なんだよと思い振り替えるといろはが俺のことを指差している。
いろは「あんたの色が薄くなってる!!」
478 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/01/20(水) 19:09:11.29 ID:nIyJuJYto
今日はここまで
479 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/20(水) 20:22:18.57 ID:UzMsqJrJo
オカ板案件か
480 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/01/23(土) 18:26:19.56 ID:T//MDvUvO
乙
481 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/02/13(土) 01:34:27.29 ID:5uFVH0pn0
まーだーかーねー
気になって夜も眠れたもんじゃない…
482 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/27(土) 10:49:47.62 ID:3qi4O5qVO
まだですかー
483 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/01(火) 20:20:45.19 ID:qVRTTfDF0
舞ってる
484 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/16(水) 01:57:57.90 ID:GPRIqfrGo
まだかな
485 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/16(水) 04:25:16.01 ID:Siah152DO
とうとうお気に入りの中で進行中のSSがこれだけになってしまった
486 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/03/16(水) 08:45:51.69 ID:0xr+QlHM0
期待 ずっと楽しみにしてる
487 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/28(月) 01:14:36.39 ID:tG4c4WRS0
コイツは今なんと言ったのだろうか?
俺の色が薄くなってる?
ははは...なにそれワロエない。
友「ん?なんかいるぞ?」
幼友「ほらやっぱり動物じゃない...もうびっくりさせ...て...?」
幼「ぼーっとしてるところ失礼しますが男君。えまーじぇんしーです」
男「あ?............あ」
元学校施設の道を挟んで反対側。生い茂るアズマネザサを掻き分けてあらわれたのは、ある意味クマよりやっかいな野生動物。
いろは「...イノシシねぇ」
...もぅマヂ無理。
488 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/28(月) 01:15:54.37 ID:tG4c4WRS0
ニホンイノシシ、S. scrofa leucomystaxとは、鯨偶蹄目、イノシシ亜目、イノシシ科、イノシシ属の哺乳類で、日本で見られる大型野生動物の一つである。
積雪2mを越す豪雪地帯から暖かい九州、更にはそこから泳いで離島に上陸するなど、奴らのタフネスさには目を見張る。
性格は荒く、自動車と衝突すれば車が大破。たとえ足の1,2本飛ばされようとも走るのをやめず、追い立てる猟犬は牙で引き裂き、何発スラッグ弾を食らわれようとも突撃をやめない。
まさに猪突猛進。
その姿は知波単学園のような脆さは感じられず、ポルシェ・ティーガーがクルセイダー並の早さで突っ込んでくるようなものだ。
なにそれ怖い。
男「一番最悪な出会い方しちまったな...90kgぐらいかな、かなりでかい」
もしかして俺イノシシに殺されるの?やだー...
イノシシも驚いたようで、立ち止まったままずっとこちらを見ている。
対するこちらもしゃべってる間は目をそらさない。そらしたら...やられる。
幼「こちらが先に気付けたのならそっと立ち去れますし、向こうが先に見つければ勝手ににげていきますもんね」
本来野生動物はすべて臆病なのである。クマにしろイノシシにしろ、人間との接触を嫌うものである。
大体動物絡みで事故が起こるときは、偶発的に突発的なエンカウントをしてしまった場合だ。
489 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/28(月) 01:16:27.64 ID:tG4c4WRS0
友「おっと...これは予想以上に動けないな...おい幼友、大丈夫か?」
幼友「あ...は...」
幼「幼友ちゃんがパニック起こしてます...まずいですね」
マジかー...
あれ?でも待てよ?
いろは「なにこれちょーピンチじゃない...あんたに死なれたら私なにされるか...」
男(ヘイいろはー。色薄くなってんのって俺だけ?)
いろは「...そういえばそうね。あんただけよ」
男(ってなると襲われるのは俺だけ...なら)チラッ
男「幼、イノシシから目を逸らさずゆっくりと来た道を戻れ。友は幼友を抱きかかえてくれ。んで、俺が合図したら全力ダッシュな」
幼「...分かったです」
友「おう。ほら幼友、悪いけど抱きかかえるぞ」
幼友「...」ガクガク
490 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/28(月) 01:16:53.37 ID:tG4c4WRS0
幼と友(装備つ幼友)がゆっくりと離れ、いい感じの距離まで下がった。
イノシシはというと、予想通り俺から目を離さない。
友「おいおい、なんで男のやつこっちにこねぇんだ」
幼「...」
男(もうそろそろいいな...いろは、俺が合図したら俺の体に憑いてくれ)
いろは「いいけど...流石に逃げ切れないと思うわよ?」
男(だいじょーぶ。逃げないから)
いろは「...は?」
男「いくぞ」
いろは「ちょちょちょちょ待って!ちょー待って!!どゆこと!?」
男「今だ!逃げろ!!」
友「はぁ!?おい男おわぁ!?」ドンッ
幼「全力で逃げますよ友くん」ダッダッダッ
友「でも男が!!」ダッダッダッ
幼「男君なら絶対大丈夫です。なので今は逃げることに専念しましょう」
友「っ...!くっそ、幼友ダイエットしろ!」ダッダッダッ
幼「それ正気の状態で聞かれたらはり倒されますよ」ダッダッダッ
491 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/28(月) 01:17:32.91 ID:tG4c4WRS0
男「今だ!逃げろ!!」
いろは「え?コレ合図なのね!?もうどうなっても知らないから!!死んだら呪ってやるぅ!!」ヒュッ
俺の合図といろはの憑依、そしてイノシシの突進がほぼ同時に起こった。
男「なろっ!!」ダンッ
全力で後ろに飛ぶ。いろはパワーのおこげでイノシシとの距離が少しとれた。
でもイノシシは猛スピードでこちらに突っ込んでくる。
いろは(ほらもう来るじゃない!!ばか!アホ!!)
憑依中にあんましゃべんな、頭がずきずきするわ。
何も考えずに後ろに飛んだわけじゃない。
ここはもと学校施設。イノシシを撃退できる道具が捨てられてあるのを俺は覚えていた。
この技はイノシシが真っ直ぐ、尚かつ超近距離で突っ込んで来たときのみ使える。
条件はそろった。物も手に入れた。
細工は流々、仕掛けは上々、後は...
男「仕上げを御覧じろってなぁ!!」バサァ!!
イノシシ「!!??」ズサァァ! ダッダッダッ...
イノシシは半分コケながら急反転し、林の中に猛ダッシュで逃げていった。
492 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/28(月) 01:18:02.90 ID:tG4c4WRS0
男「...逃げてくれたか」
いろは「...あれ?...助かった...の?」
男「まぁな...ってかお前、いつの間に俺から抜けたの?」
いろは「いや、さすがに死ぬ体に入ったままだとあたしもただじゃすまないから」
男「要するに逃げたって事ですかそうですか...」
いろは「あはは...ごめんって、それにしても...なにそれ?」
男「ん?あぁ、ただの傘だよ。ポイ捨てされてあったやつ」
いろは「そんなんでイノシシが逃げるんだ」
男「かなり条件縛りがあるけどな。そろっちまえばかなり有効だ。突っ込んできたら至近距離で思いっきり開いてやる、そうすると驚いて逃げていくわけだ」
いろは「へぇ...ほんとすごいな...まだ生きた心地がしないわよ」
男「お前は真っ先に逃げたけどな」
いろは「だからゴメンって...さぁ、幼ちゃん達が待ってるでしょ。早く戻るわよー」
男「あ、おい...まぁいいか」
とりあえずまた冷蔵庫にめんつゆコップを仕掛けておこうと心に固く誓った。
493 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/28(月) 01:26:12.60 ID:tG4c4WRS0
話が全然進まないZE!!
えー...たいへん長らくお待たせいたしました。
忙しかったわけではなく、何となく書く気が起きなかった1でありますが
ぼちぼち再開していきます。ごめんちゃい
あーあれね、傘のやつ真似しないでね。一応ホントにあれで撃退できるけど。
失敗して足無くなっても責任とんないからね!
あとみんなのコメントうれしかったよ!ありがとう!
コメントあるとがんばって書かなきゃなって思うから。よろしくね!
これからも行き当たりバッタリでその場その場のお話作りが続きますが、
みなさん暖かい目で見守ってくだちい。
494 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/28(月) 01:41:37.69 ID:biQ23pOg0
キター!
待ってた甲斐があった!
乙です
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/28(月) 02:55:27.47 ID:H8577K4AO
生暖かい目で待ってる
496 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/28(月) 09:11:52.10 ID:llW/OW9X0
乙
紅茶飲みながら待ってる
497 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/31(木) 00:21:12.84 ID:JuAhBzn00
友「ハァ...ハァ...もう...ほとんど戻ってきたな」
幼「幼友ちゃん大丈夫ですか?」
幼友「うん...ごめんね、迷惑掛けちゃって」
幼「ううん。大丈夫ですよ。みんな無事でよかったです」
友「迷惑掛けられたのは俺だk」ブスッ!「イッタイメガー!?」
498 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/31(木) 00:21:56.92 ID:JuAhBzn00
幼「呼吸も落ち着いてきたのでそろそろ宿に戻りますか」
友「イテテ...いや待て、男がまだ戻ってきてないだろ」
幼友「そういえば...男は大丈夫なの?」
幼「大丈夫ですよ〜。あそこには傘が捨ててあったのできっと無事ですよ〜」
友「...ん?傘でイノシシと戦うのか?」
幼「そんな無謀なことするのは脳筋の友くんだけですよ〜」
友「俺海来てから色々がんばってると思うけど...」シクシク
幼友「はいはい、分かってるからいじけないの」
幼「ほぉぉぉぉ??」
幼友「...」ビシッ
幼「ふにゃ!?」ペシッ
499 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/31(木) 00:22:33.61 ID:JuAhBzn00
男「お前らまだこんなとこにいたのか」
幼「おかえりなさい男君♪」
友「うわっ、ホントに生きてた」
幼友「いろはも一緒だったのね」ナデナデ
いろはキツネモード「コーン♪」スリスリ
男「んじゃまぁ帰りますか」
幼友「最後の最後で大変な目に合ったわね...」
友「もうヘトヘト...帰ったら寝る」
幼「でも楽しかったですね♪」
男「そうだな。また来るか」
500 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/31(木) 00:23:15.62 ID:JuAhBzn00
ーーーー翌朝・駅
友「送ってもらっちゃってすみません」
イン「がはは!こんくらい気にすんな!」
幼友「ホントにお世話になりました」
男「むしろお世話してたのは俺達だけどな...」ボソッ
イン「いやー、わるかったわるかった。でもほんと助かったぜ!サンキューな!!海しかないような所だけどまたいつでも遊びにおいで」
幼「絶対また来ます」フンス
幼友「そしたらまたあそこに泊めて下さいね♪」
イン「おう!まかせとけ!」
友「それじゃあお世話になりました!!」
男「じゃあなおっさん」
幼「ほらいろはちゃん、ちょっとの間ぬいぐるみになってね」
いろは「コーン...」グデーン
501 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/31(木) 00:23:49.06 ID:JuAhBzn00
ーーーー
男「ただいまー」
いろは「コーン♪」
ババ「おかえり。ちょっと焼けた...か?」
男「いや何その疑問形」
ババ「もともと焼けてるからあんまわからんて...幼ちゃんは?」
男「そらもちろん家戻ったけど?」
ババ「じゃあ今頃幼母にクンカクンカスーハースーハーされてるんか」
男「なにそれエロい」
502 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/31(木) 00:24:17.01 ID:JuAhBzn00
ババ「いろはちゃん潮で毛がベタベタじゃないかぃ。風呂湧いてるから二人で入っておいで」
男「あー、そういえば昨日疲れて風呂入ってねぇや」
ババ「うっわ。きたな」
男「何日も山に籠もってる奴に言われたくねぇ。ほらいろは、行くぞ」
いろは「コーン」(はーい。正直ベタベタで気持ち悪かったから助かるわ...あ、男。風呂上がりのビールを冷やしておいてちょうだい?)
男(ぬかせ小娘。お酒は20歳になってからだ)
いろは(ハッ、全くお笑いね。私が神の眷獣になってから何百年経ってると思ってんの?)
男(ほぉ、つまりロリババァだと?)
いろは(...ロリっていう見た目じゃないと思うけど)
男(お、おう...まさかそこで冷静に返されるとは思わなかった。ジンジャーエールで我慢しろ)
いろは(やたっ♪)
503 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/03/31(木) 00:25:09.86 ID:JuAhBzn00
やっと海が終わった...
やっと帰ってこれた...
504 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/04/03(日) 12:15:29.75 ID:t+x/V+0IO
初見紫煙
幼馴染+狐巫女とか超俺のドストライク
続き期待
505 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/04/07(木) 10:01:17.03 ID:Q9+JIIg90
2年と4ヶ月か…
506 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/04/07(木) 12:02:45.25 ID:8WEnwAJu0
期待
507 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/04/07(木) 12:03:31.18 ID:8WEnwAJu0
期待
508 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/04/19(火) 01:51:45.83 ID:OkBPirnzo
ババ「今日は餃子だぞい」
男「ほーい。あれ?ラー油は?」
ババ「あれま、もしかして切らしてた?悪いけど買ってきてくれ」
男「りょーかい。他は?」
ババ「特に」
男「うい。サイフとってこなきゃな」
509 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/04/19(火) 01:52:12.04 ID:OkBPirnzo
男「おーい、いろは。買い物行くぞ」ガラガラ
いろは「へ?この時間に?もうご飯できたんじゃないの?」
男「ラー油が無い」
いろは「....まさかそれだけ?」
男「それだけとはなんだ。ラー油のない餃子なんて赤シャツのない稲葉と同じだぞ」
いろは「あー...いや、なんで納得しかけてんだあたし」
男「もしくはミスターのいないどうでしょう班」
いろは「それは死活問題」
510 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/04/19(火) 01:52:38.40 ID:OkBPirnzo
いろは「んで、行くのはいいけどどうやって行くのよ。スーパーまで歩けなくもないけど少しめんどくさいわよ?」
男「カブがある」
いろは「玄関横に停まってるやつ?あれ動くの?」
男「たまにばーさんが使ってるから平気だろ」
511 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/04/19(火) 01:53:05.67 ID:OkBPirnzo
カチャ ババババババババ
男「おし行くか。早くケツ乗れ」
いろは「ちょ、ちょい待って。あたし巫女服でカブにタンデムすんの?」
男「いけるでだろ?」
いろは「いや厳しいから...着替えてくるから5分待って」
男「40秒で支度しなぁ!」
いろは「だから5分待ってっつーの」
男「...3分間待ってやる」
いろは「ぶっ飛ばすぞ」
512 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/04/19(火) 01:53:33.31 ID:OkBPirnzo
いろは「お待たせ」
男「なんやかんや3分以内じゃんってお前、それ俺のジャージじゃん」
いろは「仕方ないでしょ。あたしの着替えはバカから貰った水着の式紙しかないんだから」
男「今さらだけどずっと巫女服で暑くないのか?」
いろは「あの巫女服は神具と同じだから、着ている部分は暑くも寒くもないわ。汚れもしないし」
男「ほー、便利なもんだ」
いろは「でもこっちの方が何となく楽ね」
男「そりゃジャージにTシャツだからな」
いろは「んじゃとっとと行きましょ。お腹空いたし」
男「一応肩か横っ腹掴んどけな。無駄に多い尻尾巻き込むなよ。行くぞー」ガチャ ブロロロロ...
513 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/04/19(火) 01:54:44.73 ID:OkBPirnzo
男「ただいまー。ほいラー油」
ババ「おかえり。ありがと、もう準備できてるよ」
男「じゃあ早速食べるか」
「「いただきまーす」」
いろは「あ、あたしの方が一個餃子多い。やったね♪」
男「よっぽど食い意地張ってるようにみえたんだろ。ばーちゃんラー油取って」
ババ「はいよ。ついでにあたしのにも入れといて」
いろは「あーあたしのにもー」
男「へいへい。...あれ、出ない」
いろは「はぁ?ちょっと貸してみなさい。これはここのボタン押さないと出ないのよ」プニッ
男「だから押してんだけど出ないんだって」
いろは「あれ?くそっ、なんでっ、出ないのよっ」プニップニップニッ
男「新品だから詰まってんのか?振ってみれば?」
ババ「二人とも麦茶持ってきたよ...何しとる?」
男「いやいくら押してもラー油がでねーのよ」
ババ「中蓋取った?」
「「あ......」」
夕焼けに染まる山々を、ハシボソガラスの鳴き声が包み込む。
あまりにもありふれた光景すぎて
あまりにも普通に馴染みすぎて
俺達は重大な事を見落としていた。
いろは「白米おかわり!」
ババ「はいはい。いっぱいあるからね」ニコニコ
男「太るぞ」
いろは「るっさい」
514 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/04/19(火) 01:57:19.43 ID:OkBPirnzo
>>504
イシガメ進行だけどゆっくりしていってね
>>505
もうそんな経つのか...
今年の夏には終わらせたい
515 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/04/19(火) 17:51:04.28 ID:oPklGBSr0
なんか普通にいろはと祖母会話してね?
516 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/04/19(火) 23:36:55.17 ID:y7DsyeNQ0
それこそが重大なことなのだろう
多分
517 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/11(水) 03:46:00.62 ID:OpbNAv9Z0
支援 期待
ずっと待ってるぜ
続きが気になる
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/13(金) 02:20:51.93 ID:/NBEzQwYO
あ
519 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[Saga]:2016/05/15(日) 18:37:09.04 ID:eH4uNElyO
いろはが普通に会話してるように見えるけど
気のせい?
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/20(金) 14:28:34.99 ID:ixEh2eZr0
乙乙。頑張って完結させてな
521 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/22(日) 23:52:11.89 ID:f5H51s7eo
男「〜」カチャカチャ
いろは「男ー…あれ?何してんの?」
男「この前カブのフロントフォークがオイル漏れしてんの見付けたから直してんの」
いろは「へー、自分で直せるもんなのね」
男「店に頼むと結構高いからな。まぁ構造も単純だしガキの頃から弄ってたし...よし、シールも付け替えたしオイルも入れた。後は取り付けだけだ」
いろは「もう終わりそう?おばーちゃんがそろそろ昼飯だから呼んでこいってさー」
男「あー分かった。片付けたらすぐ行くって言っておいて」
いろは「はーい」スタスタ
男「〜」カチャカチャ
男「...ん?呼んでこいって言われた...?」
522 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/22(日) 23:52:39.87 ID:f5H51s7eo
男「...」ガラガラ
ババ「お?ちょうど終わったか。とっとと座りな」
いろは「今日はラーメンだって!ちょー美味しそう!」
ババ「いろはちゃん、悪いんだけどお水持ってきてもらっていいかい?」
いろは「はいはーい」パタパタ
男「...おかしくね?」
523 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/22(日) 23:53:14.25 ID:f5H51s7eo
明日絶対続き書くから許して
524 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/23(月) 00:17:05.25 ID:71UqCHHy0
やったぜ。
525 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/25(水) 00:18:36.13 ID:v/GNnzVj0
男(いやいやおかしいでしょ。何で見えてんの?え?てか見えてんの?)
いや、おかしいと思う場面はいくつかあった。キツネが居間で寝てんのに食わずに放置したり、
最近にいたっては食器類が3つ揃ってたり....いや気付けよ俺、気付かれてんの。
男(こういうとき肝心のいろはは...)チラッ
いろは「...」ジーーー
男(夏休みになると何故かやってる学校の階段シリーズに夢中っと...)
こういうときどうすりゃいいんだ?
っつーかこれ大丈夫なん?バレたりするとまずいんじゃ...
ーーーーー
狐娘「ただあまりにもとの運命から遺脱した行為をすると流石にばれるわよ」
男「...バレるとどうなる?」
狐娘「全事象の運命が貴方を殺しにかかる。勿論幼馴染もね」
ーーーーー
男(死んじゃう!?俺もしかしてピンチ!?)
???「せいかーい」
526 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/25(水) 00:19:24.35 ID:v/GNnzVj0
男「!?」ゾクッ!!
...なんだ今のは
ここにいたらまずい気がする。
逃げないと。
男「」ガタッ
いろは「へ?」
ババ「...」
幸い縁側が開いてる、そこから外へ逃げ出せば...
ガラッ
男「あ?」
527 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/25(水) 00:19:56.33 ID:v/GNnzVj0
時間が止まったようにハッキリと見えた。
視界に入ったのは落ちてくる降り鬼瓦と...カラス?
っていうか瓦直撃コースだな。
あーマジか、体が動かねぇ。...死んだな。
ババ「はい」カチャ
バァンッ! パリンッ!
いろは「きゃ!?」
男「うおっと!?」
頭上にあった瓦が粉々になる。
12番スラッグ弾を発射した上下二連式散弾銃の照星が、次の獲物を狙う。
バァンッ!
528 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/25(水) 00:20:35.77 ID:v/GNnzVj0
ババ「チッ...あのカラス避けたんか」
いろは「なに!?何事!?」
いろはの存在がバレた事がバレ、死にかけた俺だが。
ババ「流石にもう届かない...ライフル準備しとけばよかったねぇ」
なんて事はない。そんな運命すら簡単にぶち壊す人が仲間になっただけだった。
ババ「男、大丈夫だったかい?」カッチャン カランカラン...
529 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/31(火) 22:49:50.68 ID:1sEmDhPO0
いろは「え...あたしのこと見えてるの?」
男「見えてるし普通に会話してたじゃねぇか...気付よ」
いろは「う、うっさいわね。でもそういえば最近私のお椀も準備されてたし...」
男「んで、ばーちゃんはいつからいろはに気付いてたわけ?」
ババ「来た初日から分かってたよ。じゃなきゃ家にキツネなんていたらすぐ食っちまうよ」
男「確かに...」
いろは「知らないうちに生命の危機が救われてたのね...」
男「んでもなんで気付かないふりなんてしてたわけさ」
ババ「そうだねぇ。なんか二人とも必死になって隠してたし、わるいかなぁって」
いろは「気を使われていた!?」
ババ「んでそろそろ気付かないふりすんのも面倒くさくなってきたってことよ」
男「要するに飽きたのね...」
530 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/31(火) 22:50:30.31 ID:1sEmDhPO0
男「でもいいのかよ?こんな正体不明の巫女服着たイタイ奴家においといて」
いろは「よろしい、ならばクリークだ。その間抜けな顔にAcht-Achtぶち込んでやるから表に出なさい」
男「お前...ぶち込むとかドスケベすぎるだろ...このエロギツネめ!!」
いろは「ぶっ飛ばすわよあんた!?なんであたしが罵られてんのよ!!」
ババ「まぁこんな感じで害もなさそうだし、二人の会話は見てておもしろいからねぇ。それにこのあたりで九尾のキツネって言うと村の神様だから、追い出すなんて滅相もないんだよ」
ババ「深くは聞かないけどあんた、その子に守られてるんでしょ?」
男「...」
531 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/31(火) 22:51:08.47 ID:1sEmDhPO0
ババ「あいさつが遅くなってごめんねいろはちゃん。この子の事、どうか見守ってやってください」
いろは「...はい、頼まれました!」
ババ「何もない田舎の民家だけど、おいしいごはんくらいは出してあげれるから。自分の家だと思ってのんびりしてね」
いろは「ありがとうおばあちゃん!」ダキッ
男「そんなん言わなくてもコイツは無遠慮にだらけまくってるぞ」
いろは「しゃらっぷ。そういえばあたしは神様の使獣なのよ?もっと崇め奉りなさい!」
男「なにどこぞの駄女神みたいなこと言ってんだよ...ってかそういえばってお前も忘れてたのかよ」
532 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/31(火) 22:51:53.40 ID:1sEmDhPO0
ババ「あ、そうだ男。さっき撃った弾代請求しとくからね。スラッグ弾」
男「くそぉ...よりによって高い方を...」
ババ「銅弾だからよろしくね」
男「マナーいいなぁおい、もっと高くなったじゃねぇか...いや、民家でぶっ放してる時点でマナーどころじゃなく捕まるんだけどさ」
ババ「それで助かったんだからよかったでしょ?」
男「まぁ感謝してるけどさ」
いろは「すらっぐ?」
男「スラッグ弾っちゅーのは散弾の口径で撃てる一粒弾のこと。鹿とかイノシシの大物猟で使われる。外見は普通の散弾だけど、中に親指くらいのでかい弾が入ってる」
いろは「へぇ、じゃあ銅ってのはその弾が銅で出来てるってこと?」
ババ「一般的には鉛なんだけどね、最近鉛弾のせいで鉛中毒おこす鳥が増えてるからなるべく銅性のつっかてるんさ」
男「ただ国内で流通してないからやたらと高いんだよ...」
533 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/31(火) 22:52:25.38 ID:1sEmDhPO0
いろは「あぁそういうことね。命に比べたら安いじゃない」
男「」プチッ
いろは「な、なに」ガシッ
男「大体ああいうのはおめぇが予測しなきゃいけねぇんだろがぁ!飯に夢中になりやがって!俺が死んだらどないするつもりじゃったんだぁ!!」グリグリグリグリ
いろは「あぁぁぁぁいたいいたいいたいぃ頭ぐりぐりやめて!!えぐれる!!しぬ!!」
ババ「まぁまぁその辺にしときんさい。そもそも自分の身は自分で守れと教えたはずだよ」ジロリ
男「うっ...ウィッス」
いろは「いてて...死ぬかと思った。でもおかしいなぁ、さっきまで男の色は全く変わってなかったけど...」
ババ「...カラスがいた」
534 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/31(火) 22:53:09.30 ID:1sEmDhPO0
いろは「え?」
男「あ、俺も瓦が落ちてくるときカラス見たわ」
カラスという単語を口にした瞬間、いろはの目つきが変わった。
顎に手をやり、何かを考え始める。
いろは「カラス...ね。なるほどなるほど」
男「なんか関係あんのか?」
いろは「今のところなんとも言えないわ...ただまぁ少し心当たりがあるから調べておくわね」
男「お、おう...」
こいつのこんな真剣な顔はじめて見たかも。
535 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/31(火) 22:53:41.01 ID:1sEmDhPO0
幼母「おい銃声聞こえたけどどうした?」ヒョイ
幼「男君大丈夫ですかー?生きてますかー?」ヒョコ
男「君たち塀を乗り越えてくんのやめようか。玄関から入ってきなさい」
ババ「二人ともいらっしゃい。心配いらないよ、ただの暴発」
幼母「いやただの暴発も心配なんだが」
幼「あぁ!らーめんだ!おいしそう!!」
男「忘れてた。とっとと食わないとのびちまう」
ババ「二人とももう飯食べたかい?」
幼母・幼「「食べたけどラーメンは別腹です」」
ババ「じゃあすぐゆでてくるからちょっと待ってな」
幼「はーい♪」
幼母「悪いなばーさん」
536 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/31(火) 22:54:18.90 ID:1sEmDhPO0
午後一の蝉の鳴き声は力強く、先ほどの銃声などもうかき消してしまったようだ。
あっさりと迎えた最大の危機も、我が家のLethal Weaponによって事なきを得ることができた。
今俺がこうしてラーメンの湯気を眺めることが出来るのも、運命のいたずらに文字通り撃ち勝ったおかげである。
これから先、目の前でウキウキとラーメンを待っている女の子に先程のような危機が必ずきてしまう。
そのとき俺はどうすればいいのだろう、どうするのが正解なのだろう。
何ができて何ができないかまだ分からないけど。
今は二人のラーメンが出来上がるまで待つことにしよう。
いろは「ハフハフ...ずるるるるるる」
男(そこはみんなが揃うまで待ってろよ!?)
いろは「え?だってのびちゃうし」フーフー
男(いやそうだけど...お前...はぁ)
とりあえず今日は色々あって疲れた。
ラーメン食ったら風呂入って寝る。
537 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/05/31(火) 22:55:01.83 ID:1sEmDhPO0
今日はここまで。
またいつの日か。
538 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/31(火) 23:53:34.60 ID:jlF3EpqG0
乙
539 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 23:37:19.41 ID:XLlC9qEvo
続きまだかー?
待ってるけど、もう夏来ちまうぞ
540 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/28(火) 09:36:34.07 ID:MZt70ny20
忙しいのか、それとも諦めてしまったのか、めんどくさいのか
どれにしても自分を含めて待ってる人がいるから早く続きが読みたい
541 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/07/01(金) 00:59:30.05 ID:+NAzHagT0
超支援
542 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/02(土) 22:45:12.95 ID:PSRKQ2Woo
夏になったねぇ...
すまん、もうちょい待って
一週間以内に書くから
543 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/06(水) 01:08:45.55 ID:+ZYSasqPO
蒸し暑い真っ昼間の縁側で寝そべりながら本を読む。
これが10年経つとクーラーガン効きの部屋でスマホばっか弄るようになるわけだ。
よくよく考えたらめっちゃ不健康な生活してたな俺。
社会人になるとどうしても単調な生活リズムになってしまう。
結婚して子供でもいればまた別だったんだろうが...
男「結婚ねぇ...」
一区切りついた読書を止め、屋根の先に見える大空を仰ぐ。
この前落ちてきた瓦はすぐに師範を呼んで直して貰った。ちなみにいろははその事で上に報告することがあると言って今日は不在だ。
んで瓦の修理だったんだが...修理自体はすぐ終わった、だがそのまま幼親子と師範とばーちゃんとで一杯やることになり...
ねぇなんで君達は一杯って言ってんのにいっぱいやっちゃうの?
幼は一回ビール置け、未成nうわ何をするやめr
544 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/06(水) 01:09:14.52 ID:+ZYSasqPO
男「あー...未成年だと何かと面倒だなぁ」
ビールも飲めなきゃ辛口日本酒も芋焼酎も飲めない。
...ホントに呑んでないよ?ホントホントウソツカナイ。
そういえばタバコも吸ってねぇ...まぁどのみち村のタバコ屋にアークロイヤル売ってるとは思えねぇしな。
男「今は麦茶で我慢するか...」
読書中ずっと側にいてくれた麦茶のコップを持ち上げると、結露した水で床に水溜まりができていた。
もう氷もほとんど溶けてしまったが、暑さでやられた喉を潤すには十分すぎる。
545 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/06(水) 01:09:40.98 ID:+ZYSasqPO
幼「男くーん!」
男「おう。とりあえず塀乗り越えて来んならスカートはやめなさい」
幼「...?」
男「いや、何言ってんだコイツみたいな顔されても」
幼「見たいならいつでも見せてあげますよ?」
男「悪いな、パンツは故意に見せられた瞬間パンツではなくなるんだおいおいスカートあげんなやめろしまいなさい」
幼「えー?パンツじゃなくなるんじゃないですか?」
男「んな分けあるか。まごうことなきパンツだったわ」
幼「...かぶる?」
男「かぶんねーよ!!」
546 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/06(水) 01:10:14.56 ID:+ZYSasqPO
幼「あれ?おばあちゃんがいませんね?あといろはちゃんも」
男「ばーちゃんは鳥獣被害対策の許可捕獲で山行ってるからいないぞ。いろはは山ん中だ」
幼「そうだったんですか〜。そういえばお昼はもう食べましたか?」
男「いや、食べて無いけど...なに?作ってくれんの?」
幼「お腹すいちゃったなー」
男「...」
幼「...お腹すいちゃったなー」
男「分かったよ!作ればいいんでしょ!?」
幼ヽ(*´∀`)ノ
547 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/06(水) 01:10:44.42 ID:+ZYSasqPO
男「ほい、お待たせ」
幼「おー!美味しそう!なんですかこの茶色い丼ものは?」
男「ごはんの上に目玉焼き乗っけて豚肉と玉ねぎを炒めたやつ乗せてお好み焼きソースとマヨネーズをガッツリかけた肉ソース丼だ」
幼「おぉ...なんという高カロリーでしょうか」イタダキマース
男「前何かのテレビで見て一度作って見たかったんだ」イタダキマース
548 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/06(水) 01:13:17.78 ID:+ZYSasqPO
今日はここまで
リハビリがてらだから地の文多め
>>539
>>540
まさかまだ見てる人がいるとは思わんかって
遅くなってすまん。
549 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/06(水) 02:47:52.10 ID:EHqWtpRBo
乙。
アークロイヤルとはまた、洒落たものを。
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/06(水) 14:36:14.42 ID:OmeJjmzAO
俺「10年後の8月に完結か・・・」
551 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/06(水) 19:02:24.52 ID:3rvyjlNTO
男「そういえば今日は何用?どっか行く?」
幼「そうでした!お母さんからホタルがいっぱい見れる場所を教えて貰ったので、そこへ行こうかと」
男「ホタルかぁ...この時期だとヘイケボタルが若干残ってる程度だと思うけど、そんなすごいの?」
幼「行ったことが無いので分かりませんが...これが場所です」ペラッ
男「どれどれ...」
差し出された紙には手描きで地図がかかれていた。
おいおい、何で等高線までしっかり書かれてんだよ、
国土地理院かっつーの。
552 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/06(水) 19:03:10.76 ID:3rvyjlNTO
男「っていうかここあそこじゃん。前に幼と遊び行ってゲンゴロウ捕った池」
幼「えーっと?あの人工池ですか?」
男「あーそっちじゃない。そっちにゃ成虫がいたけどこっちでは幼虫しか見てない」
幼「じゃあ投網投げたらぶりーぎるがいっぱい入ってた池ですか?」
男「ブルーギルな。そっちでも無くて...ほら、キンブナとギンブナいたじゃん?」
幼「分かりました!あのチョウトンボが飛んでたとこですね!畑に囲まれてる」
男「もっと山ん中だ。鹿防止金網開けて入るとこ」
幼「去年男君が落ちたとこですか?」
男「え?俺落ちてたの?」
幼「オニヤンマ追っかけて一緒にドボーンしたじゃないですか〜」
男「あー、そんなこともあったようななかったような...」
553 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/06(水) 19:03:38.89 ID:3rvyjlNTO
幼「出発は夜ですか?」
男「いや、夕方のうちに出発して日の入り前に到着位がベストだろ。あんま遅くなってもホタル光んねーし」
幼「そうなんですか?」
男「日暮れ直後位が一番光ってるぞ。だから飯は帰ってからだな」
幼「はーい」
男「あと多分ばーさん帰って来ないから、お前ん家で夕飯食うわ」
幼「じゃあお母さんに言っておきますね〜」
554 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/07/06(水) 19:04:31.19 ID:3rvyjlNTO
今日は以上ー
>>550
それだ!
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/07(木) 10:57:57.53 ID:yNeqC5sao
後7年で完結か
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/07/11(月) 23:58:07.39 ID:4Y+ULFmy0
ホタルがホテルに見えた俺はもう無理だ
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/07/17(日) 16:40:17.20 ID:9KE22yC30
あと7年で完結なら、男が10年前に戻った意味が無くなってしまうな…
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/17(日) 19:44:42.96 ID:bAbzCJdAO
sageを覚えろ
559 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/08/01(月) 00:57:32.75 ID:trgw2H8Q0
わくわく
560 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/01(月) 01:13:00.68 ID:AYhj7DMo0
ちゃんと完結まで10年でも待ってやるんだからっ!
561 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/02(火) 02:21:10.77 ID:iOE3uiAt0
いろはちゃんうちにも1台ほしい…
562 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/08/23(火) 10:37:04.70 ID:fMqFcMuzO
はよ
563 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/08/27(土) 21:14:27.99 ID:O0uwW6eFO
カチャ ブロロロロ...
男「とりあえず金網まではカブで行くぞー」
幼「はーい♪じゃあヘルメット持ってきますね〜」トテトテトテ
男「しかし..夕方になっても暑ぃな...」
少し先に目をやると、道路の上の陽炎が視界を歪める。
頭上にはトンボが飛び周り、田んぼの隅にはホウネンエビが群れ、セミは爆音を鳴らしていた。
幼「お待たせしました!」
男「おし、じゃあ後ろ乗れ。出発すんぞー」
幼「はーい♪」ギュッ
気を抜いたら倒れてしまいそうな暑さの中、背中から伝わる温もりだけは心地よかった。
564 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/08/27(土) 21:14:54.92 ID:O0uwW6eFO
男「とうちゃーく」キュッ
幼「ここから歩きですね。行きましょう!」ワクワク
男「おーい、歩くのはいいがメットは取ろうな」
幼「はわわっ、忘れてました」カポッ
男「あとは少し歩くだけだから。10分も掛かんないぞ」
幼「わわっ!?なんかオウムみたいな虫がいます!」
男「んー?オオヒラタシデムシの幼虫だよ。側溝とかにいっぱいいるぞ?」
幼「へー。ダンゴムシのお父さんみたいですね〜」
男「ほら、もうすぐそこに池があるから。行くぞ」
幼「はーい♪」
565 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/08/27(土) 21:15:56.69 ID:O0uwW6eFO
夏って忙しいよねぇ...
来年の夏には完結させますorz
566 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/30(火) 20:12:41.89 ID:goK3RWovO
無理に完結させなくてもいいんやで〜
このまま来年も、再来年も書き続けてくれてもいいんやで〜
567 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/08(木) 00:53:49.21 ID:UQss/i2a0
頑張ってくれえ
>>1
568 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/10(土) 08:56:21.27 ID:LVkcE5vco
スレ立て10年後の8月に完結させるんだろ
569 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/09/21(水) 02:26:46.33 ID:Nlhud2DK0
10年後の完結までついていきます!
570 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/09/21(水) 21:38:06.59 ID:CcyObxn5O
男「ここも懐かしいな」
幼「そうですか?確かに去年振りではありますが」
俺にとっちゃ10年振りなんだよ。
幼がいなくなってからめっきり外遊びもしなくなったからなぁ...
男「もうすぐで日の入りだが、さすがにまだ蛍はいないか」
幼「まだほたるんいないのん?」
それはほたるじゃなくてれんげだ。
ってかなんで知ってるの?知らないよね?
571 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/09/21(水) 21:38:34.62 ID:CcyObxn5O
男「おぉーギンヤンマだ、綺麗だな」
幼「めっちゃ早いですね」
超低空飛行からの急上昇、急降下を繰り返すギンヤンマ。
こう見てると緑色の体色と相まって零戦みたいだ...っつーか烈風?
秋月型呼んでこないと捕まえられなさそう。
そういえばクレー射撃してたときに、構えた瞬間トンボが照星に留まってどうすればいいか分かんなくなった時あったな...ちょーかわいかった。
572 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/09/21(水) 21:39:02.89 ID:CcyObxn5O
辺りが段々と薄暗くなっていき、林の中はほぼ暗くなってしまった薄明時。
セミも鳴き止み、風が優しく池面を撫でていく。
幼「あ!あの光ってるのホタルじゃないですか!?」
目を凝らすとうっすらと見える緑色の優しい光。
よく見ていないと見失ってしまいそうな弱い光だった。
幼「...なんだか弱々しいですね。一匹しかいませんし」
確かに今は一匹しか光っていない...でも...
男「まぁ見てろって、すぐに待ち望んだ景色が見られるから」
幼「ホントですか....ぁ」
573 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/09/21(水) 21:39:29.98 ID:CcyObxn5O
生物界において、ある一匹の個体が動き出すとそれにつられて他の個体も同じように動き出す現象が度々みられる。
経験したことはないだろうか?スマホに夢中になり、気が付いたら空がうっすらと青くなりかけた頃。
一匹の朝を告げる囀り、それに続けと一斉に鳴き出す小鳥達を。
感じた事はないだろうか?いつの間にか一斉に鳴き出し、いつの間にかひっそり息を潜めるセミの爆音を。
それらを生物学では“同期現象”と呼ぶ。
最初は見落としてしまいそうな一匹の雫が、気が付けばすべてを飲み込む海流になって押し寄せてくるのだ。
574 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/09/21(水) 21:40:27.68 ID:CcyObxn5O
男「ほらな、こんな風に」
幼「....!!」
目を開けば視界いっぱいに翠色が広がる。
何百ものホタルがお互いを照らし、自分の命を燃やしているのである。
幼「すごい...綺麗...」
男「こんだけすごいのは初めて見たな」
池面いっぱいに広がったホタルが、二人を包み込む。
575 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/09/21(水) 21:41:16.18 ID:CcyObxn5O
幼「男君!ホタルが指先に留まりました!」
男「おー綺麗だな。どれ、俺も...」
手を差し出すと一匹のホタルが指に寄ってきた。
そしてそのまま....
幼「おー、私と同じ場所に留まってますねー」
男「おいおい...左手の薬指とか...」
なにこれめっちゃ恥ずかしい...
二人して左手の薬指で光ってるとかまるで...
幼「ホタルってよく見るとかわいくないですね。光ってなかったら害虫ですよー」
男「....」ワシャワシャ
幼「わーわー!なにするんですか!髪が乱れちゃいますよー」
男「いや....なんか幼が幼で安心した。」
このやろう...俺のなけなしの思い出を返せ...
576 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/09/21(水) 21:42:11.85 ID:CcyObxn5O
男「じゃあ遅くなってもあれだからそろそろ帰るか」
幼「そうですね。あ、男君!」
男「んぁ?」
振り替えると翠色に囲まれた幼が微笑んでいた。
幼「また来年も...二人で来ましょうね♪」ニコッ
男「...覚えてたらな」
幼「もー、そういうこと言っちゃダメなんですよ?」
男「いやいや、お前には言われたくないわ」
真っ暗な林道を二人で歩く。
なぜか懐中電灯つける気にはならなかった。
577 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/09/21(水) 21:43:00.18 ID:CcyObxn5O
〜幼家にて〜
男「ただいまー」
幼母「おう、お帰り。飯できてんぞ」
幼「わー、カレーのいい匂いです!」
幼母「今日は夏野菜カレーだよ」
幼「美味しそうです!」
男「おー、このナスめっちゃうまそうじゃん」
幼母「それお前のとこの畑から採れたナスだぞ」
男「秋ナスは嫁に食わすな、なんて言いますもんねぇ」
幼母「夏野菜だっつってんだろ!!」
578 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/09/21(水) 21:45:36.48 ID:CcyObxn5O
あと7年がんばるかぁ...
579 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/22(木) 09:33:25.04 ID:3z08/0uJO
おうまた明日な
580 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/24(土) 08:59:32.77 ID:bjKh1vINo
孫の代まで書かないとな
581 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/24(土) 20:47:48.27 ID:YIlw1xlwo
乙
582 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/10/21(金) 21:27:48.89 ID:oLDvjsZQo
ーーーー
男「....ふぁ」ガラガラ
ババ「おはよう」
男「おはよー。あれ?今日は山じゃないの?」
ババ「猟友会のじーさま方も疲れてるんだぃ。そんなしょっちゅう行けないよ」
男「あー...体力的な問題ね。そういえば師範は最近撃ってんの?」
ババ「なんか仕事が忙しいらしくて最近は来てないねぁ」
男「そっか」ピンポーン
ババ「こんな朝早くに誰だい?悪いけど見てきてくれ」
男「ほいほーい」
583 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/10/21(金) 21:28:38.01 ID:oLDvjsZQo
男「どちらさまっ...なんだ噂をすればってやつか」
師範「ガハハ!よぅ男!相変わらずしんく臭い顔しやがって!」
朝っぱらから暑そうな人がやってきた。
なんで朝からそんな元気なんだよ。
男「辛気臭いな。なんだよシンク臭いって、水垢凄そう...ん?獣の匂い?」
一瞬いろはかと思ったが、当の彼女は俺の部屋の押し入れの中で爆睡している。昨日帰ってきたのを確認してないので、夜中にひっそり帰ってきたのだろう。
師範「いやぁよ、最近俺の杉林にイノシシの痕跡があってな。放っておいてもよかったんだがそのうち村に降りてくると思って、箱ワナ仕掛けておいたんだ。んで朝見てみたらこうなってたって訳よ」
師範が乗り込んできたユニック付き2tトラックの荷台を見ると、恐らく体重70kg前後の立派な雄イノシシが箱ワナにかかっていた。
584 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/10/21(金) 21:29:31.50 ID:oLDvjsZQo
男「おー立派だな。んで?なんでうちに生きたまま持ってきたんですか?師範は銃持ってるでしょ?」
師範「それがよぉ、最近許可捕獲行ってなかったから弾買ってねぇんだよなぁ」
男「なるへそ...譲り受け帳の弾数越えたんですか?」
師範「いや、300発で申請してるからそれは大丈夫だ。射撃用の弾は余ってるんだけどなぁ」
男「いや、スラッグじゃないとダメでしょう。そもそも射撃用で申請した弾で獣撃ったら、目的外使用でアウトですよ?」
日本では弾を買うのにも警察からの許可がいる。
この目的のために一年で実包をどれだけ買うという申請書を、使用予定表と一緒に提出しなければならない。しかも有料で。さらにこの申請は各目的毎に必要になるので、射撃と狩猟と許可捕獲をする場合には、三種類の申請書を警察に提出する必要がある。なので当然、狩猟のために買った弾を、許可捕獲で使用するといった事は禁止されているのである。
585 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/10/21(金) 21:30:22.43 ID:oLDvjsZQo
師範「ってなわけで、ばーさんに頼もうと思ってな」
男「おk。じゃあばーさんに呼んでくるわ」
居間に戻ろうとすると二階からちょうどいろはが降りてきた。
いろは「おはふぁ〜はぅむにゅ」
男「なんて言ってんのか全然分からんがおはよう」
いろは「...あさからなんかさわがしぃよぉ...ふぁ」
男「あー色々あってな。とりあえずコーヒー飲むか?」
いろは「...のみゅ」
ほんと寝起きだけはかわいいのなこいつ。
586 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/10/21(金) 21:30:52.84 ID:oLDvjsZQo
男「ばーちゃん、師範が止め刺ししてほしいってさ」カチャカチャ
ババ「あれ?なんであいつ自分でやらないんだぃ?」
男「弾がねーだとさ」コポポ...
ババ「なるほどねぇ。ついでに電殺器の作り方教えてやるか。じゃあちっと見てくるよ」ヨッコイセ
男「いってら」カチャカチャ
いろは「...すぴー」
男「ほら起きろいろは。濃いめのアイスコーヒー入れたぞ」
いろは「んぅ...飲ませて...」
男「おうこら金取るぞ」
587 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/10/21(金) 22:44:00.14 ID:oLDvjsZQo
男「んで?昨日はどこ行ってたんだ?」
いろは「この前の事をちょっと色々確認したくてね。クソ神への報告のついでに市役所行ってたのよ」
濃いめのコーヒーを飲んで目を覚ましたいろはは、服の裾で目元をごしごしと擦りながら言った。
っていうかなんで俺の服勝手に着てんだよ。お前神様の承諾がないと服脱げないんじゃ...あ、勝手に承諾してたのね。おい、いい加減目を擦るな。おへそ見えちゃってるでしょーが。
男「へー?あれ?でもお前他の人から見えないのに市役所行ってどうすんの?」
いろは「あたしが行ったのは人外用の市役所。
あんた達人間が作った市役所をカモフラージュにしてね。同じ場所でもそこだけは天界になってるのよ」
なるほど。2礼2拍手すれば入れんのかな。なにそれ素敵な喫茶店が出てきそう。んでキツネがワンって鳴きそう。
588 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/10/21(金) 22:44:53.12 ID:oLDvjsZQo
いろは「それで色々調べてもらったんだけど....この前あんたが襲われたのってカラスだったでしょ?」
男「いや、多分そうなだけで確信はねぇ。でも十中八九そうだと思う」
いろは「普通のカラスはあんなスピードで逃げれないし、スピード狂の鳥が集まる公園に行ってみたんだけど...そんな早いカラスは見た事ないし、いたら撃墜するって言ってた」
男「なにその公園、すげぇ怖い」
いろは「鳥界の大黒PAって呼ばれてるわ」
男「湾岸にはちと遠いがな」
いろは「んで、調べた結論から言うと...少し厄介な奴が紛れ込んでるみたいね」
男「...それはもしかしなくても死の神関連か?」
いろは「ご名答。彼女の使獣...八咫烏よ」
589 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/10/21(金) 22:45:29.64 ID:oLDvjsZQo
いろは「まぁぶっちゃけ誰だっていいのよ。つまりは彼女が本気を出して来たってこと」
男「なんで...なんで幼馴染にそこまで執着するんだ...」
いろは「...分からないわ。でもね、神様ってのはいつだって気紛れなのよ。それこそあなたを10年後から引っ張り出してくるうちのアホ上司のように」
男「...」
いろは「何を考えてるか知らないけど、あなたの願う事、するべき事は何も変わっていないのよ?ただ周りが少し小うるさくなっただけ」
いろは「過去は悔やんだ、未来も願った。じゃあ現在はどうするのかしら?」
そう言い放った彼女は、とても美しく、まさしく神獣であった。
590 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/10/21(金) 22:46:27.15 ID:oLDvjsZQo
男「...いろは」
いろは「カラスだがガラムだか知らないけど、あたしがフィルターまで吸って灰皿にポイしてやるわ。だからあんたは幼ちゃんだけを守ってればいいの。
あんたの事は、あたしが守ってあげる」
ははっ、そりゃガラムならそうしてやらんとな。
本当にこいつは...普段は食っちゃ寝ばっかしてるくせに...
男「いろは」
いろは「ん?」
男「...さんきゅ」
いろは「...いいえ〜、お仕事なので♪」
そう言った口元には優しい微笑みが浮かんでいる。
頬が少し赤いのは気のせいではないだろう。
ホント、寝起き以外は可愛くない奴め!!
591 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/10/21(金) 22:47:09.86 ID:oLDvjsZQo
久し振りに本気出した
592 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/10/22(土) 12:07:29.90 ID:38xVrIzo0
支援
593 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/29(土) 01:32:30.56 ID:Vlbm5n/A0
本気と書いてマジ
マジ出した←何を?
594 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/29(土) 10:27:10.88 ID:HWcTRHxU0
まだかなー
595 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/23(水) 01:45:34.50 ID:E7CLuktbo
支援
596 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/11/27(日) 16:35:34.81 ID:MQPc6Och0
支援
597 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/05(月) 21:25:17.60 ID:qXONbYFQ0
@@@@
598 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/05(月) 23:31:07.77 ID:GG40NbvH0
支援
599 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/11(日) 01:23:14.35 ID:wi4eF1Yv0
ーーーー男の家
友「焼肉食いてぇな」
男「...」
幼友「...」
幼「ッ!?」
友「...焼肉食いてぇなぁ!?」
男「いや聞こえてるから。なんなのいきなり」
友「あれ?以外と反応が薄い感じ?」
幼友「どっちかっていうと餃子の気分だったし」
男「そういう問題かよ」
幼「...ふっ、しょうがないですね」スクッ
男「お前は一回座れ。なにやれやれみたいな雰囲気だしてんだよ。めっちゃ笑顔じゃん」
600 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/11(日) 01:23:54.85 ID:wi4eF1Yv0
友「なんかさ最近食ってねぇなーって思ってさ。折角だしバーベキューみたいな感じでやらね!?」
男「いや...やんのはいいんだけど、いつやんの?」
友「今から」
男「...道具は?」
友「ない」
男「...食材は?」
友「ない」
男「...どうすんの?」
友「どうにかしろ」
男「」イラッ
601 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/11(日) 01:24:28.78 ID:wi4eF1Yv0
友「いででででで!!?うそうそッ!ごめんって!!」メキメキメキィ
男「幼、ちょっとそこの剣鉈取ってくれ。こいつ解体して肉にしようぜ」
幼「...」スッ
幼友「ちょっと待ちなさい。なにホントに渡そうとしてんのよ」ガシッ
幼「いえ、この際友君の肉でも良いかなと思いまして」
幼友「何もよくないでしょ...」
いろは(うるさくて起きちゃったけど...この状況なに)
602 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/11(日) 01:24:57.38 ID:wi4eF1Yv0
友「はぁ...死ぬかと思った」
男「おう、殺す気だったからな」
友「おっと顔がマジだぞこいつ。近々俺が死んでたら男が犯人だからよろしく」
幼友「それで?どうするつもりなの?」
友「多分道具は師範に言えゃ貸してくれるだろ。問題は食材だが」
男「まぁ野菜は出してやる。肉も獣肉でよければやるよ」
友「問題が解消した瞬間である」
603 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/11(日) 01:25:26.35 ID:wi4eF1Yv0
幼「どうせならいろはちゃんも連れて河原でやって、釣った魚とかも食べたいですね」
幼友「あーそれいいかも!あそこの川だったらヤマメとかいたもんね!」
男「だってよ友。釣れよ」
友「いいけど...お前のほうが適任じゃね?」
男「俺は釣りが苦手なんだよ」
友「そういえばお前が釣りしてるところあんまり見たことねぇな」
幼「男君は待てができない子なので釣りにむかないのです」
幼友「たしかに、言えてるわね」
男「動く釣り方も沢山あるんだが...どうもな」
幼友「その点友は結構釣りしてるもんね?」
友「師範がよく連れていってくれたからな。まぁ魚は俺ががんばるか」
604 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/11(日) 01:27:21.03 ID:wi4eF1Yv0
>>592
-
>>598
支援感謝
遅くなってすまん
605 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/12/11(日) 02:09:21.87 ID:QIDNIq9e0
支援
606 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/25(日) 21:15:27.25 ID:1oy2bfVT0
----
男「....」ボー
あれからなんやかんやで準備を進め、必要最低限の荷物だけを持って河原にやってきた。
河原といっても渓流なので、山間の少し開けた場所でやることに。
男「...なんかあれだな、こう揺れる水面を見てるだけで心が洗われるな」
いろは「そうねぇ...なんだか洗濯機みたいだものね」
男「確かにそうだけど...その例えはどうなのよ」
いろは「だってそこそこ流れ早いじゃないここ」
男「そりゃ渓流だからなぁ...幸い治水工事が全然入ってないから上流に砂防ダムも無いし、護岸されてないから植生も豊富だ」
いろは「たまにチラッと魚が見えるわね...イワナ?」
男「どうだろう...ここまで下がってきたらいるかもしれんが。多分ヤマメかアマゴじゃねぇの?」
いろは「へぇ...とりあえずそれだけ魚はいるのね」
チラッといろはが釣りを担当している友と幼友に視線を送る。
ここから見ている限りでは、釣果はあまり芳しくないようだ。
607 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/25(日) 21:15:57.06 ID:1oy2bfVT0
男「...まぁ許してやれ、養殖と違って天然は釣りにくいらしいから」
いろは「そういうものなの?」
男「俺自身釣りはあんまりしないから分からんけど、そういう話はよく聞く」
いろは「でも同じ魚なんでしょ?そこまで違うのもの?」
男「やっぱ飼育下の魚と天然じゃ警戒心が違うんじゃねぇの?」
ひょいと小石を水面に落としてみると、ふらふらと泳いでいた魚が一瞬で岩陰に隠れた。
608 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/25(日) 21:16:34.29 ID:1oy2bfVT0
幼「薪割り終わりましたよ〜っと、何かしゃべってました?」テトテト
男「あー、ついいろはに喋り掛けちまってな」ナデナデ
いろは「コーン」モフモフ
幼「わはー、なんだか渓流とキツネって合いますねぇ♪」
男「ところで釣班の方はどうだ?」
幼「あまりよくないみたいですねぇ。一応2匹は釣れたみたいですけど」
男「この時間から始めて二匹釣れれば上々だろ。俺は火の準備をしてくるから釣班を呼んできてくれ」
幼「りょーかいです」ビシッ テトテト
男「さて...火口はカラマツの落ち葉でいいとして...細枝が少ねぇな。いろは、ちょっとその辺から拾ってきてくれ」
いろは「いいけど...あの三人はどうするの?」
男「あの3人はまだ川でもみくちゃしてるから平気だろ。戻ってきたら適当に言っとくし」
いろは「じゃあ拾ってくるから。少し待ってなさい」
609 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/25(日) 21:17:05.21 ID:1oy2bfVT0
友「結局粘って3匹しか釣れなかったな...」
幼友「私なんて一匹も釣れてないわよ...」
幼「お二人ともお疲れさまです♪」
男「おー、おかえりさん。どうだった?」
友「全然だよ...ほれ」
男「そうか...もっと手っ取り早く捕まえる方法があったんだけどな」
幼友「なにそれ?そんな方法あるなら早く教えなさいよ」
男「まずバイク用のバッテリーを用意します」
友「おいこらその先は言わせんぞ」
男「なんでだよ。一発で大漁だろ」
友「一発で逮捕なんだよなぁ!?」
610 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/25(日) 21:17:31.37 ID:1oy2bfVT0
幼「そういえばいろはちゃんはどうしたんですか?」
男「んー?そろそろ戻ってくるとガサッ お、戻ってきた...か?」
友「おっと...これは野生の血が目覚めちゃったかな?」
幼友「なんかこう...すごいわね」
おいおい、俺は小枝を拾ってこっつったよな。
それがどうなったらこう...
幼「カラスって食べられるんですかね?」ジュルリ
いろは「...」フガフガ
カラス「」ピャー
611 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/26(月) 00:21:33.30 ID:ymsSpvG60
男(...えー男よりいろはへ、現状を報告せよ)
いろは(フゴ...フゴフゴグェ)
男(なんで頭で会話してんのに口が詰まった感じになってんだよ...いいからはよ)
いろは(ング...拾った)
男(拾ったって...カラス拾うってお前...よく考えたらたまにあるな)
いろは(あるんだ...)
男(んで?どうすんのそれ?一応カラスも食えるけど...)
いろは(いやいや、こいつ足三本ある)
男(足三本って珍しい奇形だ...)
----
いろは『あんたが襲われたのってカラスでしょ?』
男『それはもしかしなくても死の神関係か?』
いろは『彼女の使獣...八咫烏よ』
----
男「あぁぁぁぁあぁぁぁぁ!?」
612 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/26(月) 00:22:10.15 ID:ymsSpvG60
幼「ふぇ!?」
友「うぉいびっくりした、何でお前が一番驚いてんの?」
男「す...すまん、ちょっと気が動転して」
幼友「それで?あのカラスまだ生きてるけどどうするの?飼い主さん?」
男「あ、あーそうだなー。まったく一体どこで拾ってきたんだー。森に返してあげないとなー(棒)」
男「というわけで!俺はいろはと一緒にカラスを返してくるから!先にお肉食べて待ってて!」ダッ
友「お、おい...行っちゃったよ」
幼友「なんかすごい怪しかったけど...どうする?」
幼「どうでもいいのでお肉焼きましょう。お腹が空きました」
友「お、おう...それでいいのか幼馴染...」
613 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/26(月) 00:22:40.31 ID:ymsSpvG60
男「ゼェ...ゼェ...この辺でいいか。それで、詳しく話してくれ」
いろは「詳しくも何も、枝拾ってたらこのカラスが呑気に寝てるのを見つけたから、拉致ってきたのよ」
男「なるほど...いや何も分かってないけどさ。とりあえず絵面がアニマルプラネットだから人型に戻ってくれ」
いろは「はいはーい...と、これでいい?」ボンッ
男「...コスプレした女の子がカラスの首を鷲掴みにしているシュールな光景になったでござる」
いろは「あんたも同じようにしてあげましょうか?」イラッ
614 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/26(月) 00:23:29.87 ID:ymsSpvG60
男「それで?そいつは本当にあの八咫烏なのか?ってか生きてるのかコイツ?」
いろは「気絶してるだけよ。そもそも押さえつけて羽交い締めにしただけだし。というより最初から弱ってたわ」
男「弱ってたねぇ...こいつは人型にはなれないのか?」
いろは「使獣だし勿論なれるわよ。する?」
男「え?できんの?」
いろは「ちょっと待ってなさい」
いろはが気絶しているカラスに手を当てる。
優しい光がカラスを包み込んだ瞬間、大きくなった体がドサッと地面に落ちた。
615 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/26(月) 00:24:13.52 ID:ymsSpvG60
男「うわマジだ...」
現れたのは黒い作務衣のような服に、地下足袋を履いた黒いショートカットの女の子であった。
一つ普通の人と違う点は、その背中に伸びているカラスの羽だ。
彼女は気絶している上に、人化の衝撃で少し服が乱れている。
っつーかこれ完全に...
いろは「おぉーっと!野生のポリスメンがっ!!」
男「てめぇ通報はやめろやぁ!!つか、おまえがやったんだろ!」
いろは「ヤッたとか...ごめんなさい、私ノーマルなんです」
男「知らねぇし、いらねぇよその情報...誰得だよ」
いろは「そっか、男はあれだもんね。うんうん良いと思うよ。あたしは気にしないからさ。友君と仲良くね」
男「ホモじゃねぇし。てめぇこの野郎犯すぞ」
いろは「野郎犯すだなんて...やっぱり!!」
男「だーっ!もういいんだよこの話は!!とりあえずこの子の服装の乱れを何とかしてくれ」
八咫烏「...目が覚めたらなんかやべぇやつに囲まれてるッス。貞操の危機ッス」
616 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/26(月) 00:26:14.14 ID:ymsSpvG6o
今日はもう寝る
クリスマス暇だから頑張った(白目
617 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/12/26(月) 01:38:47.56 ID:5P4PWBQb0
久しぶりの更新ありがとう。
見てるからこれからも頑張って!
618 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/26(月) 21:03:26.30 ID:ymsSpvG60
男「お、目ぇ覚ましたか」
いろは「とりあえずあんたには色々聞きたいことがあるんだけど」
八咫烏「え?え?なんで人型になってるッスか?どうなってるんスか?っていうかあんたは...あ」
男「ドーモ。カラス=サン。男です」
八咫烏「...」ダッ!!
いろは「あ!逃げっ...」
男「...」ヒュン!
ドスッ...パラパラ...
八咫烏「ぴゃー...」ヘタリ...
いろは「鉈って投げても木に刺さるものなのね...もう数センチでグロ画像不可避だったけど」
男「おいおい...そうはしゃぐなよ...」ユラァ...
男「また会えてうれしいぜぇ?」ニッゴリ
八咫烏(あー、ここでウチ死ぬんスね)
619 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/26(月) 21:04:14.76 ID:ymsSpvG60
----
八咫烏「あのー、ほどいてもらえないッスかね?」
いろは「あんたが逃げようとするからいけないんでしょ?...にしても縛るの上手ね」
男「おう、ロープワークは得意分野だ」
いろは「それにしたって、もう少しまともな結び方は無かったの?女の子相手にガチで縛るって...色気も何もないわね」
男「相手は使獣だし念には念をな。ってか色気のある縛りってなんだよ。亀甲縛りでもやれってか?」
八咫烏「地味に関節が痛いんスけど...はっ!?さてはこのまま性的に乱暴するんスね!?エロ同人みたいに!!」
男「おっと、何騒ぎだしてんだこのアホは」
八咫烏「でも無駄っすよ!何をされたところでウチは負けないッス!!」
いろは「ぐへへ、口ではそう言ってもこっちのお口はどうかなぁ?」
八咫烏「こんな屈辱を味わうなんて...くっ...殺せ!」
いろは「ほぅら?ここか?ここがええのんか?」
八咫烏「悔しい!でも感じちゃう」
男「...おまえら実は仲良いだろ」
620 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/26(月) 21:04:56.72 ID:ymsSpvG60
八咫烏「とまぁ冗談はここまでにするッス」
男「お前が仕切るのかよ」
いろは「男、やっぱ亀甲縛りにしましょう。味気ないわ」
男「お前はちゃんと仕切れよ」
八咫烏「ぶっちゃけもう体力的にも限界なんで、逃げるのは諦めてるッス。こんなトコで脳漿炸裂ガールにはなりたくないッスし」
男「...こんなことお前に聞くのもあれだが、なんでそんな疲弊してるんだ?」
八咫烏「あー、ウチもよく分かってないんスけど、普通に飛んでたらいきなり猛禽類達に襲われたッス」
男(絶対大黒PAの皆さんだ...)
八咫烏「あいつら本気で撃墜しようとしてたッス...木の葉落としとか初めて見たッス...」
男「零戦かよ...」
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/12/27(火) 23:41:49.04 ID:BpeSvBjp0
待ってました!
622 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 00:48:07.02 ID:0czZ6klc0
八咫烏「それで、ウチは何を話せばいいッスか?」
男「なんだよ、やけに素直じゃねぇか」
八咫烏「今のウチじゃ二人から逃げれそうにないッスからね。別に隠すことも無いッスし」
男「じゃあ...とりあえずお前は誰だ?なんで俺を殺そうとする?どうすれば俺達は助かる?」
八咫烏「とりあえずって言ったくせにガッツリ聞くんスね。まぁいいッスけど」
八咫烏「ウチは八咫烏。死神の使獣、黄泉への案内係ッス。男様を殺す理由ッスけど...仕事?ッスから?」
男「なんでクエスチョンなんだよ。つーか、なぜに様付け?」
八咫烏「ウチは使獣で男様は姉御のお気に入りッスから。当然ッスよ」
男「おい、コイツの方がしっかりしてんだけどどゆこと?」
いろは「八咫烏は情報通でもあるくらい勤勉よ。あんたなんか足下にも及ばないわ」
男「てめぇがしっかりしろって揶揄してんだよアホ」
八咫烏「...お腹が空いたんでとっとと終わらせたいんスけど...」
623 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 00:48:47.52 ID:0czZ6klc0
八咫烏「なんでか知らないッスけど、姉御は男様にえらく執着してるんスよね。だから幼馴染様を殺して男様も殺したいんスよ」
男「ちょっと待て、なんで俺が執着されると幼が殺されるんだ?無関係じゃねぇか」
八咫烏「そうっすねぇ...男様、人間は死ぬとどうなると思うッスか?」
男「あ?...どうだろうな、考えたことねぇけど」
いろは「幸福感や達成感、満足感を持って死んだ人間は天界へ...絶望や恐怖みたいな負の感情を多く持って死んだ人間は死神に召集される」
八咫烏「さすが神の使獣ッスね、その通りッス。ウチはその召集係みたいなもんなんスけど...満足した人間はそのままキレイにリセットされて次の生に転生するんスよ。輪廻転生って言うんスかね?
でも負の感情が多い魂が次の生に移ろうとすると、拒絶反応とか色々問題がでるんスよね。まぁ悔いとか未練タラタラッスから、当然っちゃ当然なんスけど。
んで、そういう奴は一回死神...ウチの姉御ッスね、のところに集めて、浄化してあげたり悔いを無くしたりっていうクッションが必要になるんスよ。所謂成仏ってやつッスかね。
だから逆に幸福のまま死ぬと姉御んとこにはいけないんス」
男「だから、それがどう幼の死と俺が殺されるのに関係するんだよ」
八咫烏「あー...もともとの原因は...ウチよりそこのキツネさんに聞いた方が早いんじゃないッスかね?」
いろは「...」
624 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 00:49:14.62 ID:0czZ6klc0
男「...なんか知ってるのか...いろは」
いろは「...10年後のあの日、あんたは死ぬ予定だったのよ」
男「...は?」
いろは「...ねぇ男?今のあんたにとって、一番避けたい事ってなに?」
男「そりゃ俺が死ぬことと...幼が死ぬことだ」
いろは「そう、あんたにとっての一番の絶望は幼ちゃんが死ぬこと。10年後のあの日、偶然にも幼ちゃんの事を深く思い出してしまったあなたは...あの後自殺する予定だったの」
男「...」
いろは「たまたま見ていた夏の風景画...写真...そういったものがあなたを絶望に追い立てた」
八咫烏「んで、無事に自殺した男様は晴れて姉御とご対面。男様の魂は永久に姉御の側にっていうハッピーエンドのはずだったんスけどねぇ」
男「...生の神が俺を10年前に飛ばした事でそれが叶わなくなった上に、幼が生き続ける事で俺は死神に会わなくなる可能性がでてきた...と」
八咫烏「理解が早い人は好感持てるッスよ」
いろは「...」ギロッ
八咫烏「じょ、じょーだんッス」
625 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 00:49:55.27 ID:0czZ6klc0
男「でもなんでわざわざお前に殺させる?死神ならもっと簡単に殺せるだろ?」
いろは「前に海でも言ったけど、あんたはこの世界にとってのイレギュラーなの。あんたの行動、思想、生死はあんた自身でしか干渉できないわ」
八咫烏「姉御は今の男様には手も足も出せないッスからね。だからウチが呼び出されてるんスよ」
八咫烏「ほっとけば幼馴染様は死ぬ運命、そう知りつつも先に自分が死んでしまえば男様はきっと悔やむッス。だからこの際どっちが先に死んでもいいんスよ。
こうなると邪魔をしてくる男様を先に殺す方がてっとり早いんス」
そう言ってケラケラと笑う八咫烏。
見た目はただの女の子だが...かなり危険だ。
626 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 00:51:46.27 ID:0czZ6klc0
...なんでこんな話になってんだ?
これちゃんと収集つくのか俺ぇぇ...
627 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/29(木) 08:29:57.42 ID:I4f+ZRmy0
>>626
どうしたんだろうね
頑張ってけろ
628 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 22:08:44.85 ID:0czZ6klc0
男「それにしても...なんでそこまで俺が狙われにゃいけないんだ」
八咫烏「それはホントに知らないッス。姉御もそれだけは頑なに教えてくれないッスからね」
男「なんか心当たりはねぇのかよ?」
八咫烏「強いて言うなら...愛ッスかね」ドヤァ
男「重いよ...これが愛なら愛なんていらねぇわ」
八咫烏「まぁこうは言ったッスけどね?ウチはあんまり男様をどうこうしようとは思ってないんスよ?」
男「はぁ?」
八咫烏「ウチらは本来死んだ魂を受動的に受け入れるだけ。能動的に殺すなんて事はしないんスよ」
男「じゃあお前としては俺を殺すのには抵抗があると?」
八咫烏「あー、抵抗はないんスけど...正直規定の業務外なんでめんどくさいッス。殺すのも別に得意じゃないッスし」
男「なにこの役所仕事臭」
いろは「神の仕事なんてそんなもんよ。基本的に管轄外はノータッチだから」
八咫烏「大体これって出張手当付くんスかね?完全に職員を私用で使ってるんスけど」
いろは「あたしの場合は時間外業務に含まれるっぽいのよね。貰えるのは本来より全然少ないけど、大事な時以外自由にしていいみたいだし」
八咫烏「あー、やっぱそうなんスか。でもウチ来月厳しそうなんスよね」
男「おーい?なんで上司の愚痴話しになってんの?なんならもう居酒屋行くか?」
629 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 22:09:16.10 ID:0czZ6klc0
いろは「それで、こいつはどうするの?」
男「とりあえず野放しにはできないな...いつ殺されるか分からないし。お前の不思議パワーで何とかできないのかよ」
いろは「無理よ、そんな都合のいい術なんてあるわけないじゃない」
男「えー...殺すわけにもいかないし困ったな」
いろは「そう?カラスに戻してあげるから首落としちゃえば?」
男「女の子になってるトコ見ちゃってるからなぁ」
八咫烏「会話の内容がドン引きッスけど...」
630 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 22:09:50.69 ID:0czZ6klc0
八咫烏「とりあえずこのままだとヤバそうなんで、抵抗させてもらうッス」プチッ パラパラッ
男「ロープが...そうか、鉈を放置したのは失敗だったな」
八咫烏「申し訳ないッスけど男様、仕事なんで死んで貰うッス」ダッ
いろは「!?...男っ!!」
八咫烏「えいっ!!」ヘナヘナ
男「...?」パシッ チョップ!
八咫烏「ヘブッ!?」バタン
男「...」
いろは「...」
八咫烏「...」シーン
こいつ...めっちゃ弱ぇ...
631 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 22:10:28.89 ID:0czZ6klc0
八咫烏「うーん...ん...あれ?」
いろは「あ?やっと目を覚ましたのね?」
八咫烏「あ、おはようございまッス。ところで、なんでウチは膝枕されてるんスか?」
いろは「河原にそのまま寝かせるわけにもいかないから、お前の夢と脂肪がつまった太ももを枕にしてあげろって男がね」
八咫烏「男様がッスか...当の本人はどこにいるんスか?」
いろは「ほら、あそこでバーベキューしてる最中よ。幼ちゃんと友君と幼友ちゃんの4人で」
八咫烏「通りでいい匂いがするッスね...空きっ腹には拷問ッス」
いろは「あとでお肉貰ってきてあげるから我慢しなさい」
八咫烏「...ウチはどうなるんスか?まさかあそこにお肉として並ぶッスか?」
いろは「んなエグい事しないわよ...一つ聞きたいんだけど、男に襲いかかったときって全力?」
八咫烏「あれが精一杯ッスよ。確かに疲労困憊してたッスけど、全力とあんまり変わらないッス」
632 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 22:11:00.56 ID:0czZ6klc0
いろは「それでよく襲いかかろうと思ったわね...」
八咫烏「ワンチャンあると思ったんスけどね。でも殺しなんてやったことないッスし、体術もかなり苦手なんスよ。そもそも直接殺せる技術があったら、最初っから瓦なんて落とさないで
直接殺りに行ってるッス」
いろは「そう...なんというか、同情するわ」
八咫烏「だからウチに出来ることはせいぜい事故死を作り上げることっす。これもかなり条件縛りがあってキツイんスけどね」
いろは「そう...じゃあ心配事は杞憂だったのね」
八咫烏「ん?なんスか?」
いろは「まぁあれね...先に謝っておくわ、ごめんね」
八咫烏「え、ちょっと待って下さいッス。なんで謝るんs男(お、起きたのか八咫烏)...へ?」
男(そろそろ肉持ってっていいぞ。ここに皿置いとくからな。あと箸も)
八咫烏「...なんで契約してないのに男様の心の声が聞こえるッスか?」ダラダラダラ
いろは「あははー...あのね?流石に強襲みたいなのが何回も続くと大変だし面倒だから...じゃあ契約しちゃえば意志疎通できるから強襲はできなくなるんじゃない?って言ってしまいまして...」
八咫烏「も...もしかして」
いろは「寝てる間に血を飲ませて...」
男(あーそうそう、俺の身の安全の為に契約させてもらったから。よろしく)
八咫烏「....なぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
633 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 22:11:34.73 ID:0czZ6klc0
男(あれ?まずかった?)
八咫烏「まずかったもなにも!そんなの強姦と同じッス!レイプッス!睡姦ッス!!」
男(おいこら、人聞きの悪いこと言うな。身体にはほぼ触れてねぇぞ)
八咫烏「わー!ウチはじめてだったのに!寝てる間に無理矢理なんてひどいッス!!」ワンワン
男(...なんだろう、部分的に合ってるだけに反論しにくい)
八咫烏「ひどいッス...鬼畜ッス...」グスグス
いろは「あーあ、女の子泣かしたー」チラッ
男(おめぇが提案したんだろうが!!なに?そんな重大な事だったの?なんかごめんね?マジで)
634 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 22:12:02.90 ID:0czZ6klc0
八咫烏「まぁ別に契約自体は大したことないんスけど...男様と契約したなんて...姉御にばれたらなにされるか分かんないッスよ...」ビクビク
いろは「あー、そっちの心配ね」
男(契約したのってやっぱバレるもんなの?)
いろは「今年は平気だけど...来年の更新の時には書かないといけないからバレるわね。保険もちょっと変わるし」
男(なんだよ更新って...免許かよ)
友「んー?どうした男?渋い顔して」
幼友「もしかしてまだ生だった?ごめんね」
男「あぁ、ぜんぜん大丈夫。言い焼き加減だぞ」
幼「ヤマメ...おいしいです」ハフハフ
男「もっとゆっくり食えよ...こぼれてる、すげぇこぼれてるって」
635 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 22:12:33.49 ID:0czZ6klc0
男(まぁこの話はまたゆっくりしよう。とりあえず今は腹ごしらえだ)
いろは「じゃああたしは肉とってくるから、もう普通に座れるわね?」
八咫烏「あー、申し訳ないっす。ふとももお借りしましたッス」スクッ
幼「男君、このお肉は何肉ですか?」
男「あー?多分シカの背ロースだな」
幼友「魚以外と美味しかったわね。友、もっと釣ってきなさいよ」
友「もう勘弁してもらっていいですかね...」
男「そういえばさっきフレッシュなクマ糞あったから気をつけてね」
幼友「...どうやって?」
幼「男君、クマっておいしいですか?」
男「俺は食ったことないけど、美味しいって話はよく聞くな」
友「あれぇ?ここに置いといた肉、誰か知らね?」
幼友「自分で食べたんじゃないの?」
友「そうだっけぇ?」アレー?
八咫烏「ウチはシカよりイノシシの方が好きッス」
いろは「それって大抵の人がそうじゃない?」
俺を殺しにきたカラスがいたり。
そいつがとんでもねぇ運動音痴だったり。
色々あってそいつとも主従の契約を結んだりしたけど。
日常は何も変わらずに進んでいく。
渓流の魚だけが、流れに逆らって力強く泳いでいた。
636 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 22:13:04.94 ID:0czZ6klc0
----
ガラガラ
鉄砲屋「いらっしゃい。おや?」
ババ「世話になってるねぇ鉄砲や」
鉄砲屋「いえいえ、いつもご贔屓にしていただいて感謝の極みです」
ババ「銃のことはあんたに任せておけば間違いないからねぇ...またよろしく頼むよ」
鉄砲屋「イッヒッヒ、そりゃありがたい。それで本日は何用ですかな?」
ババ「...一つ注文がしたい」
鉄砲屋「弾頭ですか?火薬ですか?それともパーツ?」
ババ「いや...ライフルを一丁」
鉄砲屋「...詳しく聞きましょう」
637 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2016/12/29(木) 22:13:46.07 ID:0czZ6klc0
今日はここまで。
明日は飲み会だから多分更新できない。
638 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/30(金) 03:07:31.89 ID:3Sg97EJWo
おつおつ
639 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/31(土) 14:58:45.36 ID:9XZTeIPA0
どんどん話し膨らんでいくなww
640 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/01/01(日) 20:50:15.57 ID:XD6K+CcE0
----
男「ただいまー」ガラガラ
いろは「あれ?おばあちゃんは?」
八咫烏「おじゃましますッス」
男「そういえば鉄砲屋行くって行ってた気が。もう幼もいないから人型になっていいぞ。八咫烏はまず風呂入ってこい」
八咫烏「あ、すんませんッス。お先にいただきますッス」テクテク
男「あいつの部屋着も俺の着なくなったジャージでいいか」ナタカタズケ
いろは「パンツは?幼ちゃんの着替え用はあたしが使っちゃってるけど」テアライ
男「それはばーさんに言ってあるから買ってきてくれてるはず」
いろは「そう」
男「...」モクモク
いろは「...」テキパキ
八咫烏「いやおかしいッス」ガラッ ホクホク
641 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/01/01(日) 20:51:02.14 ID:XD6K+CcE0
いろは「随分早いわね。ちゃんと洗った?」
男「おめーが無駄に長風呂なんだよ」
八咫烏「いえ、しっかりいただいたッス。ありがとうございましたッス。...いやそうじゃなくて」
男「...?」
八咫烏「なんで男様を殺しに来たウチが、男様の世話になってるんスか?おかしくないッスか?」
男「あー、俺としては知らないトコでうろうろされたり画策される位だったら、目の届くとこにいて欲しい」
いろは「そうよ。それにほら...」ポン
八咫烏「?」
いろは「世の中には抹殺対象にたいやき一つで懐柔されちゃう宇宙一の殺し屋だって存在するんだから」ニコッ
男「お前神様のマンガこっそり読んでるだろ。悪いががトラブルだけはおこすなよ」
642 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/01/01(日) 20:53:43.56 ID:XD6K+CcE0
あけましておめでとうございます。
がんばって今年中には絶対終わらせます。ほんとです。たぶん。
みなさんのコメや応援、とっても励みになります。
今年もよろしくお願いします。
>>639
もう自分が一番困惑してる
643 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/06(金) 00:31:31.49 ID:Wl6QhnjE0
頑張れよ
今年中にとは言わんが完結させなかったら恨むからな
644 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/01/06(金) 22:40:47.80 ID:235p+7+U0
お、これは結構面白いオリジナルss
まあ俺もみんなには頑張ってもらいたいと思ってるけどねー
645 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/06(金) 22:51:10.92 ID:73/6bYQA0
age荒らしかよ
646 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/31(火) 00:45:57.45 ID:yw19oQVr0
続きまだ〜?
647 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/02/13(月) 20:05:20.83 ID:Cx3yNoNmO
ばば「ただいまー...あ?」
八咫烏「あ、お帰りなさいッス」ウィーーー
ばば「...あ...ありのまま 今起こった事を話すぜ!家に帰ったと思ったら黒い羽の生えた女の子が掃除機をかけていた...な...何を言っているのかわからねーと思うが、あたしも何が起こっているのかわからなかった...頭がどうにかなりそうだった...ダイソンだとかルンバだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」
男「残念ながら時間止める系の能力は持ってないぞ」
八咫烏「風を操る程度の能力はありそうッス」
648 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/02/13(月) 20:06:50.27 ID:Cx3yNoNmO
――――
男「っつーわけで、一匹増えるけどいいか?」
ババ「...事情はわかった。けど大丈夫なんか?」
男「あーあれだ。こいつに直接殺される心配は皆無だぞ。デコピンでも勝てる」
八咫烏「さすがにそれは弱すぎないッスか?」
いろは「実際そんなもんでしょ」
八咫烏「普段はデスクワークしかやってないッスからねー」
ババ「まぁ二人が受け入れてんならいいかぇ。これからよろしくね」
八咫烏「なんかホントに申し訳ないッス。お世話になります。ウチに出来ることがあれば何でも言って下さいッス」
いろは・男「「ん?今何でもって言ったよね?」」
ババ「うるせぇ」
649 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/02/13(月) 20:07:19.88 ID:Cx3yNoNmO
ばば「しかし、殺しに来たことを除けば一番真面目そうだぇ」
八咫烏「いえいえそんなことないッスよ。でもありがとうございますッス」
ばば「その様子じゃずっと掃除してくれてたんだろ?お茶でもいれようか」
八咫烏「あ、ウチがやるッスよ。おばあちゃんは座ってて下さいッス」
ばば「そうかい?ありがとねぇ」
男「俺コーヒー」
いろは「あたしはクワトロベンティクラシックキャラメルバニラアーモンドヘーゼルナッツアドジェリーエキストラチョコレートチップエキストラチョコソースエキストラキャラメルソースエキストラホイップエキストラシロップノンティーダークモカチップフラペチーノ」
八咫烏「ねぇッス」
男「あるよ」
八咫烏「あるんスか!?」
ばば「いやねぇよ」
650 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/02/13(月) 20:08:50.29 ID:Cx3yNoNmO
ここ最近家にすら帰れてない
少ないけど更新
651 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/16(木) 20:23:36.70 ID:y7LAsx92o
やっと追いついた……
男のCV杉田感と幼のCV水瀬いのり感
応援してるぜおつおつ
652 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/16(木) 23:17:14.61 ID:rdeoh0TA0
完結十年後説ホントになりそう
653 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/02(木) 23:32:51.67 ID:hlXPWo1No
ばば「〜〜」カチャカチャ
八咫烏「...」
ばば「〜ん?どうしたんだい?」
八咫烏「え?いや〜...そういえばそれで撃たれそうになったなって思ったッス」
ばば「あぁ、そんなこともあったね」キュッキュッ
八咫烏「...」ジー
ばば「...」カチャカチャ
八咫烏「...」ジー
ばば「...銃に興味があるんかい?」
八咫烏「はぇ?あ...いやー、どうッスかねー。自分体力ないんで銃あったら便利かなってちょっと」
ばば「...そうかい。じゃあ少し教えてあげようか」
八咫烏「え?いいんスか?」
ばば「折角興味を持ってくれたんだ。年寄りってのはそういうもんだよ」
八咫烏「はぁ...そういうもんスか」
654 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/02(木) 23:35:25.06 ID:hlXPWo1No
男「なぁばーちゃ...」ガラガラ
八咫烏「これがライフル銃ってやつッスか」
ばば「ほんとは自分以外の人が触っちゃいけないんだけどね。はっちゃんは獣だし法律関係ないだろ」
八咫烏「はっちゃんッスか...なんか思ったより銃口ちっちゃいッスね」
ばば「あたしが使ってるのは小口径高速弾だからね」
八咫烏「もっと大きいのもあるんスか?」
ばば「大きいって言うと308とかかねぇ。弾頭のバリエーションが多いのは270とかになるね」
八咫烏「ばーちゃんのはどれになるんスか?」
ばば「あたしのは243だね。この年になると少しでも軽くしたくなるのさ。小口径だから当たりどころが悪いと走られるけど、きちんと当てれば問題ない。ほれ、これが弾だ」
655 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/02(木) 23:36:39.15 ID:hlXPWo1No
八咫烏「へぇー。あれ?なんかサラサラいってるッス」
ばば「中に火薬が入ってるからね」
八咫烏「もっとぎっしり入ってるかと思ってたッス」
ばば「同じ弾でも火薬の量を変えれるからね。この銃でこの弾頭を使うんだったら、このくらいの量が一番着弾が安定するんさ」
八咫烏「へぇー、色々あるんスね」カチャ
ばば「銃を扱うときは銃口を絶対人に向けちゃいけないよ。引き金に指もかけちゃだめ」
八咫烏「こ、こうッスか?」
ばば「そ。んでそこのボルト動かしてみ」
八咫烏「はい」カチャカチャ
ばば「それをあと5回」
男「なんでライフルの講習会始まってんの?」
656 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/06(月) 21:53:04.34 ID:Xi1Be5tMo
ーーーー
男「それで銃を教わってたのか」モグモグ
八咫烏「そうなんッス。ウチも欲しなっちゃいましたッス」モグモグ
いろは「そんな簡単に買えるもんなの?」モグモグ
ばば「人だったら警察行って初心者講習会受けてって色々必要だけど、いかんせんはっちゃんは獣だからねぇ」モグモグ
他にも弾装ロッカー、ガンロッカーを揃えたり、いちいち警察署に行って書類提出しなきゃならん。
金も手間もかなりかかる。
それにしても...
男「はっちゃんか...随分と仲良くなったのな」
ばば「よく手伝ってくれるし話も聞いてくれるからね。あたしにとっては只のかわいい女の子だよ。もちろんそれはいろはちゃんにも言える」
男「俺を殺しに来たのに?」
ばば「んなもん知らねぇ」
657 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/06(月) 21:54:25.46 ID:Xi1Be5tMo
男「そういえばさ」
八咫烏「?どうしたッスか?」
男「いろはには少し先の未来を見たり俺に憑依したりする能力があるけど、お前ってなんか能力あんの?」
八咫烏「まぁ一応あるッスよ。男様とは契約したので憑依もできますし。そうッスね...」
そう言うと、ちょうどご飯のおかわりに立ったいろはを指差す。
八咫烏「"不慮の事故"」
ガッ!!
いろは「っ!?くぅぅぅううううう!!」
男「おぉ、タンスの指に小指ぶつけた」
八咫烏「これがウチの能力ッス。事故を予言したり、タイミングが合えば起こしたりすることができるッス」
ばば「...なるほど、だから瓦を落とせたのかい」
八咫烏「うっ、申し訳ないッス」
困ったように頭を掻く八咫烏。
こうしていると普通の女の子...いや羽生えてるから普通じゃねぇけど。
一応俺の事を殺すために派遣された使獣。
そんなやつと今は同じ円卓で飯をつついている。
男「俺も順応してきたなぁ」
いろは「こ...小指がもげた」プルプル
658 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/06(月) 21:55:20.49 ID:Xi1Be5tMo
出張長ぇ
家に帰りたい...
659 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/06(月) 23:33:34.35 ID:uUe381Tjo
おつおつ
660 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/07(火) 00:30:28.49 ID:wQSMLvxA0
ホテルのモーニングはたまに食うと旨い
ずっとは飽きるけどな
661 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/07(火) 23:25:20.87 ID:zoXklRw0o
ーーーー
いろは「ふみゅ...おはよぉ」ファァァ
男「おう。顔洗ってこい」
八咫烏「ちょうど朝ごはんできたッスよ」ジュゥゥ
ばば「ありがとねぇ。ホント助かるよ」
男「家事やってくれんのはありがたいけど...無理して潰れんなよ?」
八咫烏「嫌いじゃないんで全然へーきッスよ。どうぞ」コトッ
男「目玉焼きとウィンナーと味噌汁か...無難だな」
いろは「ソーセージじゃないの?」
男「...どうなの?」
八咫烏「ソーセージは腸詰めの総称で、ウィンナーは羊の腸、フランクフルトが豚の腸だった気がするッス」
ばば「日本農林規格だと太さで呼び方が変わるね」
いろは「ですってよポークピッツ」
男「なめんな。戦闘時にはアメリカンドックになるんだよ」
いろは「...それって包まれてんじゃん」
八咫烏「?何の話ッスか?」
男「やめて。そんな綺麗な目で俺を見ないで」
662 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/07(火) 23:25:47.63 ID:zoXklRw0o
ばば「さて、今日は畑仕事だ。男は暇かい?」
男「わりぃ、幼と買い物行く約束してんだわ」
ばば「そっか、じゃあしょうがないね」
いろは「一応ついて行った方がいいのかしら?」
男「んー...そこんとこどうなの?」
八咫烏「ウチが手を出さない限りはあの日まで安全に過ごせるはずッスよ」
ということは今更どうこうできるものでも無いということか。
とりあえず一安心ではあるが、運命の日一発勝負である可能性もでかくなったわけだ。
どちらにせよ八咫烏を手元においといたのは正解だったな。
663 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/07(火) 23:26:15.83 ID:zoXklRw0o
いろは「んー...そゆことね。じゃあ今日1日暇ね。どうしようかしら」
ばば「いろはちゃん暇なのかい?だったら畑手伝ってくれると助かるんだけども」
いろは「任せて!前に男とやったことあるわ」
八咫烏「ウチもお手伝いするッス!」
男「いろはは俺のジャージでいいけど、八咫烏のはどうしようか。服装チェンジとかできないの?」
八咫烏「基本的にこの服だけッスね。神具なんで汚れる事も無いッスし」
ばば「じゃあ下着とかも買ってきたけどいらなかったのかい?」
八咫烏「そんなことないッス!めっちゃありがたく使わせてもらってるッス!」
664 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/07(火) 23:26:45.03 ID:zoXklRw0o
男「そういやいろはの巫女服もそんな感じだったな...ん?」
こいつ、出会った当初は紅白の綺麗な巫女服を着ていたはず...
しかし、今現在のいろははどうだろうか。俺のスウェットを履いてTシャツ一枚でゴロゴロしてる姿を見て、誰が神の使獣だと思うだろうか。
男「お前最近巫女服着てないけど、どうしたの?」
いろは「あーあれ?なんかこっちの方が楽なのよね」
男「おい、仮にも神の使いがそんなんでいいのか」
いろは「こっちに来てから本当の自分に出会えた気がするわ」
男「なにドロップアウトしてんだよ...」
665 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/07(火) 23:30:14.43 ID:zoXklRw0o
今日はここまで
>>659
おつあり
>>660
それが会社で平屋借りてるから自炊なんすよ...
なんもいいとこねぇなこの島。本土に帰りてぇ
666 :
sage
:2017/03/08(水) 01:40:17.84 ID:C/MHlHHSO
おつ
島なんか久しく行ってねぇな
667 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2017/03/08(水) 01:47:25.82 ID:C/MHlHHSO
すまんsageミスった
668 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/08(水) 06:48:11.99 ID:7vj0zRM4O
>>1
は農林関係の仕事してるのかな?結構そっちの方の知識に精通してるし
どっちにしても体調崩さないように気をつけてね
669 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/08(水) 22:23:01.65 ID:5QCS1hhgo
ばば「じゃあ行ってくるからね」カチャ ブロロロロ
男「いってらっさい」
いろは「あたし荷台ね!」
八咫烏「ウチが軽トラ運転しましょーか?」
ばば「できるのかい?」
八咫烏「勿論ッスよ。ウチの車もミッションなんで大丈夫ッス」
男「そっちの世界にも車あんのか...なに乗ってんの?」
八咫烏「JA11ッス」
男「JA11...ジムニーか!」
670 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/08(水) 22:23:29.78 ID:5QCS1hhgo
八咫烏「古くてボロボロッスけどちゃんと走ってくれるッスよ」
男「にしても随分と特異なの乗ってんだな。なんでそれにした?」
八咫烏「ウチの趣味ッス!!やっぱ車は箱形が一番カッコいいッス!」
男「そりゃわかるけど...あぁ、そういう感性だから銃にも興味あんのか」
671 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/08(水) 22:23:55.71 ID:5QCS1hhgo
ばば「いろはちゃんも何か乗ってたりするのかい?」
いろは「あたしは原付しか持ってないわね」
男「ちなみに何?」
いろは「TODAY」
男「...フッ」
いろは「おいこらTODAYバカにしてんのか?お?」
672 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/08(水) 22:27:19.57 ID:5QCS1hhgo
>>668
一応農林関係だね。硝煙の臭いがしまくる仕事をしてる。
全身の節々が痛いけど頑張るよ。
673 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/08(水) 22:46:10.99 ID:3gsbV3gY0
>>672
乙
特定した
674 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/08(水) 23:30:08.61 ID:oJuBl/XA0
硝煙の臭い
山林関係
自衛隊のレンジャー部隊だな
675 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/14(火) 21:47:00.82 ID:Uw41L4za0
もう始まってから4年もたったのか
676 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/29(水) 22:02:10.34 ID:m6ULygGI0
----
男「わざわざバスで町までやってきたが...何買うんじゃ?」
幼「新しい靴が欲しいのですが、ついでに色々見て回ろうと思いまして」
男「靴ねぇ...足袋?安全靴?農スパ?」
どうでもいいけど安全靴履いてますって言うと踏んでくる奴はなんなの?
あとヘルメット被ってると頭叩いてくる奴。
幼「ワークマンから離れてください...秋から履くので少し落ち着いているおしゃれなものがいいですね」
男「そういや幼ってヒール履かねぇよな」
幼「んー、なんというか私の体型に合ってないんですよねぇ。どうしてもがんばってお洒落してる子供感が抜けないと言いますか」
男「でもヒールってあれでそ?もともとうんこ踏まないために接地面積減らしてああなっただけでしょ?」
幼「それが今ではファッションになってるからすごいことですよね」
男「うんこに感謝だな」
客1(...なんかヒール履いてるのが恥ずかしくなってきた)
677 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/29(水) 22:02:48.88 ID:m6ULygGI0
幼「男君、これなんてどうでしょうか」
男「んー...普通というか無難というか」
幼「んもー、そこは普通に『かわいいよ、幼』とか囁いとけばいいんですよぅ」
男「って言ってもなぁ...かわいいのはデフォルトだし」
幼「知ってます?かわいいは作れるんですよ?」
男「なんで今それ言ったの?ねぇ?」
678 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/29(水) 22:03:18.74 ID:m6ULygGI0
男「そもそも俺には美的感覚は皆無だからな」
幼「でも男君、最近は普通の格好が増えましたよね?全身真っ黒はやめたんですか?」
男「なにその前は普通じゃなかった的言い方...まぁお前にださいって言われたし」
幼「こうやって少しずつ量産型高校生に近づいていくんですね」
男「量産型とかいうな、無難といえ」
幼「個性といって理解できない感性を持たれるよりましじゃないですか?」
男「ちょっと幼ちゃん?口がわりーでございますよ?」
679 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/29(水) 22:04:04.42 ID:m6ULygGI0
--その頃畑では--
八咫烏「あ、アカネズミがいるッスよ!」
いろは「この辺じゃ別に珍しくもないんじゃないの?」
八咫烏「狩りごっこしなくていいんスか?」
いろは「なに?野生開放しろと?」
ばば「二人ともー、麦茶煎れたから飲みないねー」
680 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/03/29(水) 22:07:40.17 ID:m6ULygGI0
>>673
なにそれこわい
>>674
やってることは似てるかもな
>>675
いいかげん早く終わらせます
681 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/29(水) 23:51:20.37 ID:UBYCPJIA0
いや安全靴はとりあえず踏むだろ
しかもつま先じゃなく足の甲んとこ
682 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/01(土) 01:30:55.67 ID:O7vnMoE+O
カラスとキツネのフレンズなんだね!乙
683 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/04(火) 18:43:42.20 ID:HyxS09J20
更新乙
何年でも待ってるから完走するんやでー
684 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/09(日) 11:57:27.95 ID:9lZFVdCqO
今更存在を知り 読まさせていただきました
これから応援させていただきます
頑張ってください
685 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/09(日) 15:02:49.37 ID:mkxKfBtA0
メ欄に携帯アドレスいれてsageって表示させなさい
686 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/04/18(火) 22:31:43.15 ID:5ceC8Nv50
男「お、コーヒーメーカーじゃん」
幼「男君ってそんなにコーヒー好きでしたっけ?」
男「まぁな」
コーヒーを飲むようになったのはいつからだろうか?
はじめは少し背伸びして、格好つけようと思って飲み始めたコーヒーだが、
気付けば朝晩と必ずコーヒーを飲むように習慣付いてしまった。
男「コーヒーはいいぞ。寝る前の一杯なんて最高だ」
幼「えー?寝れなくなったりしないんですか?」
男「人間ホントに眠いときは何飲もうが爆睡するぞ」
眠々飲んで気が付いたら朝とかザラである。
687 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/04/18(火) 22:33:15.31 ID:5ceC8Nv50
幼「コーヒー煎れるのにも色々道具があるんですね」
男「俺ね、あれやってみたい、ラテアート」
幼「らてあーと?」
男「コーヒーの上に泡立てた牛乳敷いて絵を描くんだ。クマとか猫とか」
幼「へぇ!それは素敵ですね!よくそんな小洒落たもの知ってましたね?」
男「いろいろあんだよ...」
前の世界で幼がいなくなってからというもの、俺は彼女を一切作らなかった。
仲のいい女友達はいたが、どうしても幼の姿がチラついてしまい、深い関係に踏み込めなかったのである。
そしてかわりに一人で出来る趣味に没頭した。どれも長続きはしなかったが。
コーヒーもその中の一つで、一時期は豆を煎るところまで手を出していた。
688 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/04/18(火) 22:34:42.08 ID:5ceC8Nv50
幼「お茶請けとかも置いてありますね」
男「あー、なんか買ってくか。アルフォートとか」
幼「まぁホワイトロリータ一択ですね♪」
男「いやいやルマンドだろ」
幼「ありえねーです。いいとこバームロールですよ」
男「は!だったら俺はチョコリエールを推すね」
幼「...」
男「...」
689 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/04/18(火) 22:38:11.67 ID:5ceC8Nv50
>>681
お前はゆるさない
>>682-683
乙あり
>>684
あざっす
書き貯めたデータが消えたぞくそったれ
690 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/18(火) 23:20:34.49 ID:sOjR/N8DO
ブルボンしかないのか
691 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/19(水) 07:35:16.94 ID:flPfWwFqO
シャレオツやね
692 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/24(月) 02:09:21.09 ID:NSq7HoiR0
追いついた 面白いので期待
693 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/04/24(月) 02:18:24.90 ID:d1iq6I+A0
>>692
ハゲろsage
694 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/01(月) 23:35:40.23 ID:JVN4PW0X0
ーーーー
男「色々廻ったが、結局大したものは買わなかったな」
幼「お目当てのものが買えたからいいんですよー」
男「そりゃよござんした」
幼「あ!男君!折角なので駄菓子や寄って行きましょう!」
男「...駄菓子屋か」
バス停から真っ直ぐ家に向かわず、反対方向に少し歩く。
ノウサギが跳ね回ってる坂道を上がり、アマゴが泳ぐ橋を渡ると見えてくる...
絵に描いたような駄菓子屋。
いつから放置されているか分からないガチャガチャの脇を通り、常に開けっぱなしの入り口をくぐる。
幼「思い起こせば最近来てなかったですねぇ。おばあちゃんは元気でしょうか?」
男「そうだなぁ...ほんと...久しぶりだなぁ」
695 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/01(月) 23:36:10.16 ID:JVN4PW0X0
男「おーいばーさん、生きてるかー?」
駄菓子「お?ババァんとこのクソガキじゃないか。久しぶりだねぇ」
男「どっちもババァだから何言ってるのかわかんねぇよ」
幼「お久しぶりです♪」
駄菓子「おー、お転婆娘んとこの幼ちゃんも一緒かい。相変わらず仲がいいのねぇ」
男「幼母って昔からああだったのか」
駄菓子「ちちゃい時はよくウチで爆竹やらかんしゃく玉やら買って近所の大人を困らせてたもんだ」
男「...あっさり想像がつくな」
696 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/01(月) 23:36:38.70 ID:JVN4PW0X0
男「さて、いろはと烏になんか買ってやるか」
さっと店内を物色する。外見こそ古ぼけた駄菓子屋だが、品揃えはしっかりしている
男「いろははつまみ系...ビックカツとかが合いそうだな。烏はなにが好きなんだろうか...」
幼「男君!昔の写真が飾ってありますよ!」
男「んー?おー、みんなこの駄菓子屋で撮ったやつか?」
駄菓子「大体はウチに来てたこの辺の子供達さ。幼母の子供の頃の写真もあるよ」
幼「あ!これですね!」
男「なんでウシガエル持ってピースしてるんだよ」
697 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/01(月) 23:37:19.45 ID:JVN4PW0X0
駄菓子「たしかお前達の写真もあったはずだけどねぇ...あ、これだこれだ」
指さされた一枚の写真に目をやる。そこには仲良くラムネを飲む泥だらけの三人の子供が写っていた...
男「...ん?三人?」
幼「この女の子は...誰でしょうか?」
気付いた瞬間背筋がぞっとした...
そして思い出した...直感で理解した...
698 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/01(月) 23:37:57.73 ID:JVN4PW0X0
駄菓子「んー?この子かい?...確かこの写真は幼ちゃんが森で迷子になって、男が探し出してきたときに撮った写真だった気が...」
幼「私が崖から落っこちてしまった時の話ですね?男君が無茶して私を捜し出すために一人で森に探しに来てくれたときの...」
駄菓子「あー...思い出した。この女の子も確か迷子だったんだよ。それを幼と一緒に男が拾ってきたんだった。いつの間にかいなくなってた不思議な子だよ」
...そりゃ不思議な子だろうな...なぜならその子は...
子供の頃の俺が、いたずらに手を差し伸べたその子は...
八咫烏「っ!?...そんなッ!?」
いろは「この気配...どういうこと、直接干渉は出来ないはずでしょ」
ばば「...」
???「ごめんください。...すこし暑くて。...」
黒くて長い髪をなびかせ、吸い込まれそうな瞳でこちらを見てくる。
死神「ラムネを一つ、いただけるかしら?」ニコッ
699 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/01(月) 23:38:51.49 ID:JVN4PW0X0
物語としてやっと進むかな?
700 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/02(火) 01:42:53.84 ID:dDigL+EFO
更新乙、だから男に執着してたんだな
701 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/02(火) 07:34:06.36 ID:1VGXWLnHO
おおー
更新来てた乙です
702 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 22:55:58.73 ID:cRUSjbX30
時間が止まったようだった。
その瞳はどこまでも黒く、一瞬でも反らすことが許されないようであった。
幼「わはー...すごい美人さんですねー」
駄菓子「いらっしゃい...この辺りじゃ見ない子だね?」
死神「幼い頃、少しお世話になったのですよ。久しぶりに来てみようと思いまして。」
そう言ってクスリと笑う彼女...
しかしその目はずっとこちらを見ている。
死神「それに...こちらには会いたい方もいましたので...ね?」ニコッ
男「...そうですか、会えるといいですね。それではこれで」
幼「わわっ!男君!?いきなり引っ張らないでくださいよー」
703 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 22:56:52.87 ID:cRUSjbX30
幼の手を引き店を出る。あいつらへのお土産は買えなかったが、まぁホワイトロリータを少し分けてやればいいだろう。
幼「男君...!少しっ!早いです!」
決して振り向かず、ただ前に進む。
とにかく今はあいつから逃げたかった。
ひょんな事から10年前にタイムスリップした俺だが、幼と過ごす一日一日が本当に幸せだった。
いつからか幼が死ぬなんて事は忘れていた...忘れた事にしていた。
だが...あいつが来てしまった。幼を“正しく”殺すため、あいつが来てしまった。
幼「ちょ、ちょーーっとストップです!」グイッ
男「おわっ!おま、以外と地力あんのな」
幼「女の子にそういうこと言ったら駄目ですよ...それよりどうしたんですかいきなり?」
男「んにゃ...なんでもねーよ」
幼「いや、そーいうのマジでいいんで、何があったか言って下さい」
男「お前たまに口悪いぞ?どーしたの?」
704 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 22:57:28.00 ID:cRUSjbX30
幼「それはこっちのセリフですよ...あの女の子見た瞬間から何かおかしいですよ?知ってる子なんですか?」
男「いや...全く」
幼「もしかして....私の知らないうちに...そんな...」
男「...」
幼「ヤッっちゃったんですか?」
男「ヤッてねーよ!?お前清純系ヒロインとしてその発言はどうなの!?」
幼「失礼ですよ!女の子は少なからずみんな不純です!!」
男「怒るトコそこなの!?」
705 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 22:58:03.88 ID:cRUSjbX30
男「いや...あの子はホントに知らないんだ。ただ嫌な予感がしてな...」
まぁ嘘は言っていないはずだ。
幼「...とりあえずそういうことにっ!?」バタッ
男「幼!?」
いきなり倒れた幼を間一髪で抱き留める。
一瞬最悪な展開を予想したが、まだ普通に息をしている。
おそらく気絶しただけだろう。
死神「あら、いきなり逃げるなんて酷いじゃない。」
背中から発せられた声に背筋が凍る。
辺りが静かになり、どこからか吹く涼しい風が身体を撫でる。
死神「お久しぶりね...男くん?」
706 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 22:59:12.36 ID:cRUSjbX30
幼を抱き留めていた手に力が入る。
なぜこいつはここまで追ってきた...こいつは幼に何をした...
疑問視だけが頭の中を駆けめぐる...
死神「いやね、そんなに熱い視線を送らないでもらえるかしら?」クスクス
男「...幼に何をした」
死神「うふふ、大丈夫よ、ただ気絶しているだけだわ。流石に直接命を奪うなんて出来ないもの...ねぇ?」
男「...」
死神「ただ、目の前でイチャイチャされるものだから、少し意地悪をしたくなってしまったの、ごめんなさいね。」ニコッ
言っている事とは裏腹に微笑む死神の目は笑っていなかった。
ただただ冷たく、心臓を捕まれている気分だ。
男「...俺に何かようですか?」
死神「用って程でもないのだけれど、あなたに一つ提案をしにきたのよ。」
死神「あなた、私のものにならないかしら?」
707 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 23:00:18.24 ID:cRUSjbX30
男「どういう...ことだ?」
死神「勿論あなたにも見返りはあるわよ?私の欲しい物はあなたただ一人なの。そうすれば他の物なんてどうでもいいわ?たとえば...今抱きかかえてる女の子の命とか。」
男「!?」
死神「ねぇ...悪い提案ではないと思うのよ?」
そう言って一歩ずつ近づいてくる死神。
死神「あなたは私に手を差し伸べてくれたわ。暗い洞窟で誰も話してくれない、誰も遊んでくれない。そんな時にあなたは私を外に連れ出してくれた...」
708 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 23:00:54.18 ID:cRUSjbX30
『うおっ!?びっくりした!!』
『グスッ...グスッ...?』
『んー?ねー?どうしてきみはないてるの?』
『...あなただれ?』グスン
『ぼく?ぼくはおとこだよ!きみは?』
『...しにがみです...』
『へぇー!しにがみちゃんっていうんだ!よろしくね!』
『へ...?』
『きみもまいごなんでしょ?おれのおさななじみもいままいごでなー。このくらいのおんなのこみてない?』
『...しらない』
『そっかー、あいつどこまでいっちゃったんだろうなー。じゃあいこっか』
『...わたしはここからでられないの...みんなをふこうにしちゃうからって...ここにとじこめられたの』
『なにいってんのー?べつにいりぐちふさがってないじゃん?』
『いや...だから...』
『よくわかんねー!いいいからはやくいくぞ!ひがくれちゃう!』グイッ
『あの...ちょ』
709 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 23:01:56.50 ID:cRUSjbX30
死神「あの日、あなたが外に連れ出してくれたからわたしは天界にあがれたの。そして私は望まれない死を持った人を浄化するために...私と同じ、寂しい思いをしている魂を一つでも減らそうと努力したわ。」
死神「ただ...その子が死んでからのあなたを見るのは辛かったわ...毎日死んだような目をしていた。だから私はずっと想っていたわ...あなたの魂は私の元で永遠の幸せを与えようと...」
死神「そしてやっと呪縛から解き放たれて私の側に来てくれると思った矢先に...生神も余計な事をしてくれたわね。でもいいの、こうしてあなたにまた会えたのだから。」
男「...」
死神「いままで辛かったでしょう?もういいのよ?」
一歩...また一歩と近づいてくる。
俺がコイツのものいなれば幼は生きていられるのか?
幼が幸せにに生きられるのが俺の望み...なら
幼のいない10年間は辛かった...何度も何度も悔やんで泣いた...ならいっそ
710 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 23:02:32.47 ID:cRUSjbX30
幼を抱く腕の力が抜けていく...
ひんやりとした手が頬に触れる。
死神「さぁ男くん、永久に私のものになりなさい」スッ
刹那。
感覚が研ぎ澄まされる。
全ての筋繊維が呼応する。
体が軽くなる。
「ちょっと体借りるわよ」
711 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 23:03:01.54 ID:cRUSjbX30
何が起こったのか分からなかった。
一陣の風が吹いた瞬間。意識が覚醒する。
蝉の爆音が耳を支配し、暑苦しい日差しが肌を射す。
気が付けば死神から離れていた。
(まったく...今回は許してあげるけど、二度とその手を緩めるんじゃないわよ)
男「...畑仕事はどうした居候」
(その主が死んだら居候ができないじゃない、このポンコツ主が)
聞き慣れた笑い声が脳内に響く
男「...さんきゅーいろは」
いろは(お礼はルマンドでいいわよ)
男「おまえにゃホワイトロリータで十分だ」
712 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 23:04:00.70 ID:cRUSjbX30
死神「...九尾の狐か...使獣如きが神に逆らうのか?」
男「すみませんねぇ、これが仕事なもんで。っておい、勝手に口が動くんだが」
いろは(あんたに憑依中なんだからしょうがないでしょ)
死神「あくまで邪魔をするか九尾の狐よ」
男「だから仕事だって言ってるじゃないですかー、頭悪いんですかー?流石脳内お花畑のメンへラビッチは違いますnおいぃぃぃぃ!!おま!いま俺が言ってる感じになっちうゃうから!やめて!!」
713 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 23:05:12.47 ID:cRUSjbX30
死神「...まぁいい、あまり時間もないからな。男くんだけは無理矢理でも貰っていこうか」スッ
男「!?やばっ!こっちk
「“不慮の事故”」
死神「!?」バッ
バキバキドサッ!!
男「木が倒れた...?」
いろは「間に合ったのね」
「いやぁ、久しぶりに飛んだので...遅れて申し訳ないッス」
死神「...どういうことだ...八咫烏?」
八咫烏「いやぁー、やむにやまれない事情っていうやつッスね」
714 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 23:05:55.25 ID:cRUSjbX30
死神「私に抵抗するとはどういうことか分かっているのかしら?」ギロッ
男「...八咫烏」
八咫烏「一応今は男様の捕虜ッスし、ばーちゃんにも頼まれちゃいましたからね」
八咫烏「どうするッスか死神様?さすがに神級の使獣二匹を下界で相手するのはきついんじゃないッスか?」
死神「...あなたの考えはよく分かったわ。精々後悔しなさい」ジジッ
男「...死神が薄くなってる?」
いろは(神は長い時間下界にいられないのよ。本来居るだけでもよくないことなんだから)
死神「運命は変えられないわ。遅かれ早かれあなたの魂は私のモノになる。何をしても無駄よ。」ジジッ
男「...」
死神「それじゃあ男くん...また近いうちに会いましょう。」フワッ
715 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/05/04(木) 23:07:11.67 ID:cRUSjbX30
とりあえずここまで。
716 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/05(金) 02:14:56.36 ID:jHWsrixco
おっつです
717 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/06(土) 20:54:09.52 ID:uFsJ1U0io
なんだか凄く……シリアスです
おつおつ〜
718 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/13(土) 22:40:06.16 ID:KcA0dH9T0
おつですー
八咫烏には名前ないんですか?
719 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/27(土) 09:46:32.74 ID:EH+sYFy80
私怨
ようやく佳境に入るかな…?
720 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/31(水) 16:57:37.16 ID:pn1I1j+x0
はよはよ
721 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/20(火) 16:19:58.29 ID:Vh2UzVbA0
ほ
722 :
◆6FKbqG4.1U
:2017/06/20(火) 22:48:31.73 ID:NTbOzcB20
幼「ん...あれ?ここは?私どうしたんでしたっけ?」
男「お、起きたか。具合はどうだ?」ガラガラ
幼「すこしボーっとしますが得には...」
男「熱中症でいきなり倒れたからな...少し心配したんだが、とりあえずは一安心だな」
幼「すみません...」
男「いいっていいって。さて、飲み物とタオルここに置いておくから。まだもう少し休んどけ」ナデナデ
幼「はい。ありがとうございます」ニコッ
723 :
◆6FKbqG4.1U
:2017/06/20(火) 22:49:07.44 ID:NTbOzcB20
男「...」スッ
いろは「あの子はどうだった?」
男「とりあえず大丈夫そうだな。熱中症ってことにしておいたし、問題はないだろう」
いろは「あいつも直接的な事は出来ないはずだから、おそらく気絶させただけね」
男「そうは言っても目が覚めるまでは心配だったぞ。ヒヤヒヤした」
いろは「でも身体は汗まみれでベトベトね」
男「冷や汗っつーのを知らんのか」
724 :
◆6FKbqG4.1U
:2017/06/20(火) 22:50:09.64 ID:NTbOzcB20
いろは「そういうこと言ってるんじゃ無いわよ。幼ちゃんをここまで背負ってきてお疲れさまって言ってるの」
男「少しは手伝ってくれても良かったんじゃないか?」
いろは「こっちがそう言ってるのにあんたが一切聞かなかったんでしょうが。外見では分からなかったけど相当テンパってたのね」
男「...ちょっと色々ありすぎたからな。今だって頭がもやもやする」
八咫烏「そういうときはお風呂に入ってリフレッシュッスよ」ガラガラ
725 :
◆6FKbqG4.1U
:2017/06/20(火) 22:50:51.08 ID:NTbOzcB20
男「八咫烏か、どこいってたの?」
八咫烏「男様が汗だくだったので風呂の準備をしてきたッス。いつでも入れるッスよ」
男「マジかよ...お前天使か」
いろは「どっちかって言ったら悪魔寄りじゃない?」
男「...おまえは何してんの?」
いろは「パピコ食ってるけど...半分食べる?」チュー
男「...後で食べるから冷蔵庫いれといっッ!?」
いろは「へ?どしたの?」
男「いや...安心したせいか、幼を背負ってた疲労が今になってきやがった」
八咫烏「...大丈夫ッスか?」
男「おう、心配ねーよ。ありがとな」ナデナデ
八咫烏「...」
726 :
◆6FKbqG4.1U
:2017/06/20(火) 22:51:19.45 ID:NTbOzcB20
ーー風呂場ーー
男「...ふぅ」バシャァァ
男「足が痛い...腕が重い...運動不足ってわけじゃ無いハズなんだがなぁ」コンコン
男「ん?」
八咫烏「失礼するッス」カラカラ
男「...ん?」
八咫烏「腕が大変そうだったのでお手伝いしにきたッス」
男「.......ん?」
727 :
◆6FKbqG4.1U
:2017/06/20(火) 22:51:58.58 ID:NTbOzcB20
男(いやいやまてまて。あまりの出来事にフリーズしちまったぞ)
男(なんでいきなり入ってきてんのコイツ。いや確かに身体が怠いから素直に助かりはするけども、するけども!)
八咫烏「?どうかしたッスか?」
男(どうかしてんのはタオル一枚で凸してきたお前の頭だよ。綺麗な肌してんなおい)
男「いや...おまえこそどうした?俺の中じゃ常識人枠でこういう突発的な事はしなさそうなイメージだったんだが」
八咫烏「んー...まぁそれはおいといて、とりあえず頭から洗ってくッスよ!」バシャァァ
男「うわっぷっ!おまっ!分かったから優しくして!!」
728 :
◆6FKbqG4.1U
:2017/06/20(火) 22:52:33.53 ID:NTbOzcB20
八咫烏「...」ゴシゴシ
男「...」
八咫烏「ねぇ男様」ゴシゴシ
男「...どうした?」
八咫烏「その...申し訳ないッス」ゴシゴシ
男「いや、いきなりで驚いたし今もテンパってるが、実際ありがたいから気にするな」
八咫烏「そのことじゃなくて...その...死神様のことッス」ゴシゴシ
男「...なんでお前が謝る?」
八咫烏「死神様はウチの上司ッスし...そもそもウチがこうして男様と接触してるのは死神様に命令されたからッス」
男「...」
729 :
◆6FKbqG4.1U
:2017/06/20(火) 22:53:08.56 ID:NTbOzcB20
八咫烏「もし今回のことでウチの事が信用できなくなったのなら...うちはここから出ていくッス...ウチが出ていくのが不安要素になるなら...九尾の狐に封印してもらうッス...」
頭を洗う手が少し震えているのが分かる。
今回の件で死神が本気で幼を殺そうとしているのが分かったし、
無事とはいえ気絶させるといった直接的な攻撃もしてきた。
そして八咫烏はそいつの命令でここへ来て俺に出会い、今こうしている。
恐らく死神に会って、自分は俺を[
ピーーー
]ために存在すると再認識してしまったのだろう。
ほんとにコイツは...
男「なぁ八咫烏よ...」
八咫烏「...はい」
男「シャンプーが目に入って痛いんだけど...」
八咫烏「あわわ!すみませんッス!!すぐ流すッス!」バッサァァ
男「うおっぷ...ふぅ、ありがとな」
八咫烏「いえ、目ぇ大丈夫ッスか?」
男「いや、そっちじゃなくて。今日守ってくれたでしょ?」
八咫烏「それは...その...」
男「だからありがとう」
八咫烏「...ッス」
730 :
◆6FKbqG4.1U
:2017/06/20(火) 22:55:09.30 ID:NTbOzcB20
遅くなってすまお
乙ありがとね
>>718
名前ねー、なんかいいの考えてくれたらそれにするよ
731 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/30(金) 22:00:53.06 ID:RsmY8V3Uo
おつさまてす
732 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/01(土) 18:17:42.59 ID:Wxiztjcpo
名前考えながら寝落ちして忘れてた
うい
いろは順でうゐ(い)のおくやま、奥山有為
有為 因縁によって起こる現象
733 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/07(金) 21:58:20.84 ID:WBXX5dAJ0
いい加減続き欲しいぞ...
734 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/07/10(月) 22:43:50.87 ID:OmEFD2pU0
ーー夕方ーー
カナカナカナカナ...
幼「完全復活です」フンスッ
男「そりゃよかった。夕飯どうする?」
幼「今日はお家に戻りますよ」
男「そっか、じゃあまた明日な」
幼「はい!」
735 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/07/10(月) 22:44:26.56 ID:OmEFD2pU0
いろは「幼ちゃんは帰ったの?」
男「おう。今日は幼母がいるみたいだな」
いろは「そ、麦茶飲む?」
男「サンキュー。あれ?八咫烏は?」
いろは「夕飯作ってるわよー。今日は冷しゃぶだって」
男「あいつ家事スキル高いよな」
いろは「なによ、あたしは低いって言いたいの?」
男「低いっつーかなんつーか、出来るのにやらないよな」
いろは「よく分かってるじゃない」
男「やれっつってんだよ。察しろ」
736 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/07/10(月) 22:45:00.09 ID:OmEFD2pU0
八咫烏「できたッスよー」ガラガラ
いろは「あー、お腹ぺこぺこ...今日は久しぶりに緊張したからなー」
男「そうだな...二人ともありがとな。助かった」
八咫烏「いえ、お礼なんてとんでもないッス」
男「人の礼くらいは素直に受け取っておけ」
八咫烏「...ッス」
いろは「ごまだれ取って」
男「自分で取れや」
737 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/07/10(月) 22:45:25.66 ID:OmEFD2pU0
男「おぉ...すげぇうまい」
八咫烏「お口に合って良かったッス」
いろは「はぁ...ビールが飲みたい」
男「...同感」
いろは「...」
男「...」
いろは「やりますか」
男「いいですねぇ...やりますか」
八咫烏「いや駄目ッスよ」
738 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/07/10(月) 22:46:30.35 ID:OmEFD2pU0
男「むぅ...八咫烏よ、いやはっちゃんよ、よく聞け」
八咫烏「最近その呼び方が浸透してきたッスね」
男「確かに今の俺の身体は高校生、だが中身は20越えた立派な成人だぞ?」
八咫烏「でも身体は未成年ッス。アウトッス」
いろは「プークスクス。お子ちゃまはだまって麦茶でも飲んでなさい。なんなら振って泡立ててあげましょうか?」
八咫烏「いろは先輩も駄目っすよ。下界での仕事中は酒類厳禁なんスから」
男「そうなの?」
八咫烏「昔ある神様が下界に降りたとき、お酒を飲み過ぎていい気分になったのか、人間に神の力を見せまくったんスよ。それでちょっとした問題になって、今では基本的に神や神獣は酒禁止なんス」
739 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/07/10(月) 22:47:00.64 ID:OmEFD2pU0
男「あー...なんとなく分かる。だから祭事では神様にお酒を献上するのか。力を見せてほしくて」
八咫烏「そうッスね。完全にその頃の名残ッス。だからいろは先輩も駄目です」
いろは「けっ!今時そんなルール馬鹿正直に守ってる奴なんていないわよ!」
男「神の遣いとは思えない発言だな...っつーかいろはって八咫烏の先輩なの?」
八咫烏「公務員課程の勉強してた時の先輩なんスよ。ほとんど絡みはなかったッスけど」
男「なんで天界ってそんな下界染みてんの...」
いろは「というか八咫烏ぅー。あんたも確か酒好きよね?実は我慢してるんじゃないのぉ?」
八咫烏「...なにが言いたいッスか?」
いろは「ここにおばーちゃんから飲んでいいって言われてる日本酒があるんだけどなぁ...まぁ八咫烏が飲まないって言うのならしょうがないかなぁ?」
八咫烏「...」ゴクリ
いろは「折角のお供え物みたいなものなのになー?おばーちゃんも悲しむだろうなー?」
八咫烏「....」
740 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/07/10(月) 22:48:36.01 ID:OmEFD2pU0
今日はここまで。
みんな夏バテに気を付けてね
しっかり水分(お酒)とるんだよ
741 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/10(月) 23:02:15.46 ID:bLkTLYpA0
浅漬けかぬか漬けも食わないと塩分足りないぞ
742 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/11(火) 09:54:54.22 ID:9HFcxFxVO
酒の肴に漬け物はなかなかいいチョイスをしているな……
おつおつ!
743 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/15(土) 06:51:06.43 ID:ZgkmTxTkO
ハッちゃんかわいいよハッちゃん
744 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/05(土) 01:10:57.22 ID:3I83iQhA0
ほ
745 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/10(木) 01:45:55.46 ID:oyjZanPo0
半年ぶりに読みに来たけどやっぱ面白いな
俺的には書籍化されたら買うレベル
746 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/15(火) 19:09:10.66 ID:WpyURYtWo
[
田島「チ○コ破裂するっ!」
]
747 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/08/24(木) 01:37:48.70 ID:PMV/O6qKo
大変遅くなって申し訳ない
今週中には更新する
748 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 18:39:29.90 ID:Tha4z8va0
待ってる
749 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 19:21:42.21 ID:zBlmYvGA0
4年後の8月はまもなく終わりそうだな
750 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/09(土) 16:11:18.51 ID:Nlhwy94hO
夏終わったな
751 :
◆c820aNQT76
[saga]:2017/09/11(月) 00:50:03.32 ID:2FVV71/I0
----
男「んで結局こうかよ」
八咫烏「うぅ...ぐすっ...」
いろは「あひゃひゃひゃひゃ」
男「...とりあえず飲み過ぎだお前ら。一回コップ置け」
いろは「えー?かんぱーい?」
男「ちげぇよ置けって言ってるんだよ」
いろは「かんぱーい!!」ガバッ
男「あぁもうめんどくせぇなコイツ!ほらお前ももう泣きやめ。っつーかなんで泣いてるの...」
八咫烏「う...こんな...こんな私に皆さん仲良くしてくれて...うぅ」グスッ
男「はいはい気持ちはよく分かったから、な?一回手に持ってる一升瓶を置こうな?」
八咫烏「男様も...グスッ...おばーちゃんも...ありがとうございますぅ!」グビグビグビ
男「飲むなボケェェ!!置けっつってんだろうがぁぁ!!」
いろは「えへへ〜、かんぱーい!」
男「ちょ、誰か助けて!ハイテンションとローテンションだからめんどくせぇなおい!」
752 :
◆c820aNQT76
[saga]:2017/09/11(月) 00:50:46.14 ID:2FVV71/I0
----
チュンチュン
男「ん...朝か...いつの間にか眠っちまったんだな」チラッ
いろは「すぅ...すぅ...」
男「おいいろは、起きろ。つーか酒臭ぇなおまえ...」
八咫烏「あ、おはようございます」ガラガラ
男「おはよ。あんだけ飲んでよくちゃんと起きれたな」
八咫烏「あはは...すみませんッス...」
男「まぁたまにだしいいか。ばーさんには俺から言っておく」
八咫烏「うぅ...ごめんなさいッス」
753 :
◆c820aNQT76
[saga]:2017/09/11(月) 00:51:12.00 ID:2FVV71/I0
男「二日酔いとかは平気なの?」
八咫烏「それは全然大丈夫ッス。頭もすっきりッスよ」
男「へぇ、やっぱ神様関係は酒に強いのかね」
いろは「うぅ...うぇ...気持ち悪いぃ...」
男「おう、起きたか」
いろは「おはよ...うぅ...頭痛いしお腹にウニが...」
男「お前は弱ぇのかよ」
八咫烏「おみそ汁出来てるッスよ」
いろは「あなたが神か」
男「それでいいのか使獣」
754 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/11(月) 00:53:15.57 ID:2FVV71/I0
少ないけど更新
めっちゃ久しぶりでごめん
あと酉間違えた、めんご
755 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/12(火) 23:55:22.75 ID:LUlwFzP60
二日酔いでダウンしているいろはにみそ汁を飲ませ介抱していると、ばーちゃんが帰ってきた。
ばば「ただいm...酒くさっ」
男「おかえ...うわ酒くさっ。帰ってこないと思ってたら夜通し酒飲んでたのかよ...」
ばば「いろはちゃん達が居なくなったあと寄り合いがあってねぇ。それでお前達に話があるんだ」
八咫烏「?ウチらもっすか?」
ばば「もちろん。というかはっちゃんは絶対必要かねぇ。いろはちゃんの機動力も欲しい」
いろは「?」
八咫烏「?」
男「?」
756 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/12(火) 23:55:56.04 ID:LUlwFzP60
午後にメンバーを集めてから説明すると言うことになり、朝はそのまま解散した。
八咫烏はばーちゃんの手伝いをしてるし、いろははダウンしている。
酒についてだが得にばーちゃんから怒られるとかはなかった。まぁお互い飲んでたみたいだしな。
俺はというもの、ばーちゃんに山の準備をするように言われ、倉庫から引っぱり出している。
男「あれぇ?スパイク長靴どこやったっけ?」
いろは「何してんの?」
男「いろはか。なんか山の準備しとけって言われてな」
いろは「へぇ?前に林業手伝ったときの靴じゃ駄目なの?」
男「駄目ってことないが、あれは唯の作業靴だしな。詳しくはまだ分かんないけど本気装備にしろって言われたから...お、あった」
757 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/12(火) 23:56:27.58 ID:LUlwFzP60
いろは「本気装備なのに長靴?」
男「ばっかお前。山で最強の靴はこのスパイク長靴だぞ。どんな僻地でも対応出来るし水の中、雪の中でもバリバリだぞ」
いろは「そ、そうなのね」
男「男も女も山で働く奴はみんなコレだ」
いろは「男はともかく女の子もこれなの?流石に嘘でしょ」
「男くーん」
男「あれ?幼?どうしたの?」フリカエリ
幼「お母さんに先に行ってなさいって言われました」←スパイク長靴・作業用ズボン・Tシャツ
いろは「...」
男「...」
いろは(...ちょっと似合ってるって思っちゃったわ)
男(せやろ?)
758 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 21:16:34.76 ID:hti5qtz30
もう4年後の8月は終わったんだよな
あと6年か
759 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/19(火) 22:38:04.40 ID:PvE0nMeO0
後6年後に終わられるとそれはそれで待つのが辛い
760 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/23(土) 23:07:56.94 ID:1dhDRlGs0
男「それで、フル装備のこのメンツが集まったわけだが」
居間の中には山仕事装備の幼母、幼、師範、友、幼友、鉄砲屋、ばーちゃん、
そして俺といろは、はっちゃんが集まっている。
ちなみにばーちゃんの希望でチーム使獣は獣の姿になっている。
男「つーかお前らも呼ばれたのな」
友「あぁ。なんか師範に人手がいるから手伝ってくれって言われて」
幼友「でもあたし達も何やるかは聞かされてないわよー?」
男「なんでこの人達は説明が足らないんだ...そういうとこあるよな」
幼「畑仕事ってわけじゃなさそうですし...やっぱり山に入るんですかね?」
男「まぁそれは確実だろう...」
761 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/23(土) 23:09:27.98 ID:1dhDRlGs0
訝しげな目をばーちゃんに向けると、コホンと咳払いを一つされた。
ばば「それじゃあ集まったみたいだから始めさせてもらうねぃ」
そう言うとばーちゃんはおもむろに大きな紙を取り出した。
紙を覗いてみると、そこには見慣れた周辺の山々が、等高線となって表されている。国土地理院の地図だ。
男「これは...村境の山だな。この辺に師範の管理してる林ってありましたっけ?」
師範「んー?ここらは県の保有林だからなぁ。俺はほとんど関係ないぞ」
ばば「そういうことだぃ。更に言えばここは鳥獣保護区でもある」
762 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/23(土) 23:12:31.45 ID:1dhDRlGs0
男「何?管理捕獲でもすんの?あー...これだと有害捕獲か」
鉄砲屋「流石男君、おばぁ様のお孫さんですな。一応今回は有害捕獲の括りになります」
男「それはいいんですけど...で対象は?シカ?イノシシ?」
幼母「...捕獲対象は農業被害もそうだが...地元商店街からの苦情が多くてな。このところ商品被害や人への直接被害が急増してると」
男「いやもったいぶらずにさっさと言ってくれよ...ここまで言われたら流石に分かるけど」
ばば「ご想像の通り、対象は...“サル”だよ」
763 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/23(土) 23:13:26.38 ID:1dhDRlGs0
ばば「農業被害、直接被害防止のために、3つあるこの辺りの群の一つを根絶することになった」
男「うへぇ...ってことは俺達は勢子やれって事?」
ばば「勢子というよりはサポートになるねぇ。それぞれ3チームに分かれて作業してもらう」
ばーちゃんはペンを持つと、地図に矢印を書き始める。
ばば「まず山と民家の境目になるこのライン。ここは幼母と幼友が車で移動。追い払いをしつつサルが民家に下らないようにしてくれ」
幼母「了解」
幼友「がんばります!」
764 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/23(土) 23:15:23.71 ID:1dhDRlGs0
ばば「次に山の中腹をトラバースしてもらうのが師範と友のチーム。途中斜面が急になるからそこだけ気を付けて」
師範「了解。がんばろうぜぇ友ぉ!」
友「あはは...」
ばば「この中腹組のゴールには私が射手として待機してるから。その補佐を幼ちゃんにお願いしてもいいかい?」
幼「もちろんです」フンス
師範「じゃあ最後の尾根越えたら撃たん方がいいね。声出してるからだいじょうぶだとは思うけど誤射だけはかんべんな!」
765 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/23(土) 23:16:09.90 ID:1dhDRlGs0
ばば「そこは一番気を付けるよ。んで最後に尾根を歩くのが男と鉄砲屋。最終ピークまでがっつり歩いてくれぃ」
男「やっぱ一番辛いやん...」
鉄砲屋「がんばりましょうね男君」キラキラ
男「う...はい」
鉄砲屋か...ばーちゃんの贔屓にしてる鉄砲屋さんの店主で、俺が小さい頃から良くしてくれてるし、すごいいい人なんだけど...
この人と山歩くのは嫌なんだよなぁ...
766 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/23(土) 23:16:43.49 ID:1dhDRlGs0
いろは(ちょっとちょっと男!)
男(なんだよいろは。俺はこれから起こるであろう地獄に打ちひしがれてるんだから)
八咫烏(うちらはどうすればいいッスか?)
そういえばこいつらも居てくれた方が助かると言っていたが、どうするんだろう。
男「ばーちゃん?いろはとはっちゃんはどうするの?」
ばば「おっと、そうっだたねぇ。いろはちゃんは男のサポート。はっちゃんには観測機として動いてもらいたいんだぃ」
767 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/23(土) 23:17:41.81 ID:1dhDRlGs0
男「いろはは分かったけど...観測機って?」
ばば「上からサルの群を追い続けてほしいんさ。そうすりゃはっちゃんの位置でサルがどこにいるか分かる」
男「なるほどねぇ...なんかドローンみたいな使い方だが、できそうか?」
八咫烏(やってみるッス!)コクコク
幼母「おぉ...頷いてる」
鉄砲屋「随分と賢い烏ですねぇ。足も三本あるみたいですし...まるで八咫烏ですね」
男「...たまたまですよ。そういう奇形なんじゃないですかね」
鉄砲屋「そうですか」ニコ
師範「がはは!男の周りにはおもしろい動物が集まるなぁ!」
ばば「じゃ、説明も終わったし出発するかねぇ」
768 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/23(土) 23:20:07.32 ID:1dhDRlGs0
今日はここまで
>>758-759
あと6年間じっくり楽しんでくれ
769 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/24(日) 15:58:01.12 ID:+etdeAiV0
ばば「全員無線もったかぃ?確認するよ」
出発前に全員で無線チェックを行う。業務無線を使うので、アマチュア無線の免許を持っていない俺達でも堂々と使える。
男『あーあー、男です』
師範「じゃあ準備が出来た班からいくべ!」
幼母「スタート地点まで車で行けるから送ってくよ」
ばば「じゃあ幼ちゃんも行こうか。軽トラだけど我慢してくれぃ」
幼「大丈夫ですよ♪じゃあ男君、行って来ます」ビシッ
男「おう、無理してケガだけしないようにな」ナデナデ
幼「それはお互い様ですよ。気を付けて下さいね」
男「おう」
770 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/24(日) 15:58:44.99 ID:+etdeAiV0
幼友「男は慣れてるからいいけど...友、気を付けてね。あんたあんまり山得意じゃないんだから」
友「失敬な。これでも人並み以上には歩けるぞ」
幼友「ペアが師範だから心配なのよ...無茶しないでね?」
友「お、おう...それは俺じゃなく師範に言ってくれ...切実に」
鉄砲屋「烏にGPS付けておきました。男君に位置情報の管理をお願いしたいのですがよろしいですか?」
男「はい、問題ないと思われます」
鉄砲屋「電波法の範囲内での出力になりますので、安心して使って下さい」
山で狩猟を行う際、猟犬の位置を知るためにGPSを付けることが多い。しかしこれらの大抵は法律に違反している物が少なくない。
鉄砲を扱うハンターは、本来であれば法律を遵守し、安全を第一に考えた作業をしなければならない。
趣味での狩猟であれば目をつぶれるものも多いかもしれないが、その低い意識を管理捕獲や有害駆除に持ってきてはいけない。
771 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/24(日) 15:59:34.82 ID:+etdeAiV0
無線チェック、GPSの動作確認も行い、いよいよ車に乗り込む。
もちろん車は大人数が乗れる、ワークホース(働く車)のハイエースだ。
決してダンケダンケする用法など存在しない。
男「あれだな、すげぇ似合うな」
幼母「それ褒めてないだろこら」
ハンドルを握る幼母を見る。作業着に身を包み、肩に無線を付けた幼母は、もうその手の職種の方にしか見えない。
幼母「少し道悪いけど我慢してくれ。シートベルトも忘れずに」
友「すいませーん。後部座席にシートベルトが無いんですがー」
幼母「気合いで何とかしろ」
友「んな無茶な!?」
772 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/24(日) 17:37:37.31 ID:+etdeAiV0
幼母「おし、尾根到着だ」ギィ
男「じゃあ降りるわ、ありがと」
幼母「おう。気を付けるんだぞ。鉄砲屋もあんま無茶すんなよ」
鉄砲屋「勿論ですとも。また下で会いましょう」
幼友「男、頑張ってね」
男「あいよー」
幼母「うちらが戻って開始だから...20分後スタートで」
男「了解。幼母が勢子長でいいの?」
幼母「そうなるな。一応着いたら無線いれる。届かなくても20分後には歩き始めちゃってくれ」
鉄砲屋「承知いたしました」
幼母「じゃ、またな」ブロロ...
773 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/24(日) 17:38:31.26 ID:+etdeAiV0
鉄砲屋「さて、銃を包みから出しますかね」スルスル
男「今日はライフルじゃないんですね」
鉄砲屋「対象がサルですしね。RemingtonのM1100ですよ」
男「世界で一番売れてるセミオートの銃ですか」
鉄砲屋「よく知っていますね。これはベストセラーも頷けるいい銃ですよ」
男「上下は使わないんですか?」
鉄砲屋「私が持っている上下は射撃用なんですよ。この子が壊れたら一時的に山でも使いますが」
男「やっぱり自動銃の方が山ではいいんですかね」
鉄砲屋「そんなことは全くないですよ。物にもよりますが自動銃でも上下でも問題なく使えます。ただなんでしょうか、やはり物の価値というものがあるわけで、場面に応じて使い分けるのですよ。極端な話、スーツで山は登らないでしょう?でも登れないことは全然ないわけです」
男「あー、何となくわかりますね」
774 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/24(日) 17:39:51.03 ID:+etdeAiV0
鉄砲屋「もちろん銃によって差異はありますよ。同じ上下でもトラップ用とスキート用じゃ撃ち方が変わってきますし、やはりスキートの方が山でも向いてるでしょう。後は水平二連なんてのは銃口よりリブが低いので狙いがかなり難しいですし、レピーターはあまりおすすめできませんしね」
男「レピーター?なんですかそれ?」
鉄砲屋「所謂ポンプアクションの鉄砲ですよ。若い人なんてのは見た目がかっこいいんで結構レピーターを選ぶ人が多いですね」
男「あー、映画とかでよく見ます。レピーターって言うんですか」
鉄砲屋「これはそもそもベトナム戦争で多用されていて、密林から急に出てきた敵を腰で撃つ想定がされています。だから現代では狭い船内制圧用に海兵隊なんかが所持していると聞きますね」
鉄砲屋「しかし日本の山岳地帯における狩猟において、このような状況はまずありません。そして猟で必要なのはキチンと狙って当てるということになりますので、狙うという動作に重点を置いていないレピーターはハッキリ言って不向きです。更に言えば装填動作として先台を前後に動かさなければならないので、どうしても狙いが大きくぶれてしまいます」
男「でもそれって一発目でキチンと当てればいいんじゃないですか?」
鉄砲屋「勿論その通りです。ですが実際一発目で外してしまったら、群で来た場合にはと考えると、狙いがぶれるのは大きなデメリットになります」
男「確かにそうですね...」
775 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/24(日) 17:41:56.23 ID:+etdeAiV0
鉄砲屋「ですが先程男君が言ったことは大正解ですよ。一発目でキチンと狙って当てる。これが何より大事です。そのためにはやはり練習が一番でしょう。よく自動銃は動作不良を起こすからレピーターの方がいいなんて言う人がいますが、動作不良を起こす原因はキチンと肩付けが出来ていなくて、衝撃を受け止められていないからです。動作不良を起こすような射撃姿勢をとっている人がレピーターを持ったから命中するか?となってもそんなことはないんです。だからこそ銃を身体に慣れさせる、正しい動作を覚えさせる意味でも練習は大事なのです」
男「へー、じゃあ道具が悪いってだけじゃないんですね」
鉄砲屋「勿論です。道具にはそれぞれの使い方があります。レピーターもその長所が生かされる場所であれば、自動銃なんて目じゃない程の成果をみせてくれるはずです。そしてその銃でキチンと練習することですね。よく猟をやる方で射撃と猟は全然違うから練習しても意味がないと言う方が多いですが、そんなことは一切ありません。勿論練習方法にもよりますが、スキート射撃でキチンと練習していれば、獲物を発見して、挙銃し、正しく狙い、引き金を引くという一連動作が出来るようになります。これがなにより猟では大事です」
鉄砲屋「まぁ趣味における狩猟であれば、本人さえ楽しめれば良いわけですから当たろうが外れようがいいのかもしれません。ですがそういう人に限って事故を起こすものです。そして今回のサル駆除もそうですが、我々は依頼を受けて獲物を捕るわけです。ですので責任を持ってキチンと捕る必要があります。外れたらしょうがないでは駄目です。人の為にも、なにより動物のためにもキチンと我々が管理をしなければならないのです」
776 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/24(日) 17:42:29.26 ID:+etdeAiV0
趣味で行われる狩猟。そして仕事として行われる管理捕獲。そこには根本的な違いがあり、決して混同してはならない。
捕る必要があるから捕る、殺す。殺すことに意味がある。そこには当然責任が伴う。
命を扱うからこそ、その意識を忘れてはいけない。
殺すために命と向き合う仕事.......
幼母『こちら勢子長。配置に付いた。これよりスタートします』
鉄砲屋「無線入るみたいですね、それでは行きますか」
男「はい!」
鉄砲屋『こちら鉄砲屋了解』
男『男了解』
777 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/09/24(日) 17:42:57.76 ID:+etdeAiV0
今日はここまで
778 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/25(月) 15:32:35.46 ID:eCB3RYkA0
更新頻度が上がっただと…
これが続けばなぁ
779 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/01(日) 21:17:46.88 ID:1oTik1KCo
>>1
の仕事は結構忙しい部類の仕事なので大変なのです
果報は寝て待てなのですよ
780 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/03(火) 22:49:56.50 ID:eXcBlk02o
乙
更新頻度が上がった思ったらそんなことは無かった
もっと頑張ってもいいのよ?
781 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/11/08(水) 22:31:35.09 ID:A+Bd+wpB0
鉄砲屋「だいぶ跡が濃いですね」スタスタ
男「そうですね...」ハァ...ハァ...
歩き始めてからまだ10分程だが、既に呼吸は乱れている。
尾根伝いを歩くルートなので、巻いたり近道が出来ない。
ひたすら登り続けるルートなのだ。
いろは(ちょっと、大丈夫?)
男(全く大丈夫じゃねぇ。ここは斜度もキツイしな。お前は平気なのか?)
いろは(あたしは四つ足だし荷物も持ってないからね)
男(そか...やべ、気ぃ抜くとすぐ離れそうになっちまう)
いろは(あのおっさんすごいわね...歩くスピードも速いし、なにより登りでも一切速度が落ちない)
男(あの人は俺のこともよく知ってるからな。こっちの気配りも一切しないでどんどん登ってるのはそのせいだろ)
いろは(信頼されてるのね)
男(こんな信頼いらなかった)
782 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/11/08(水) 22:32:36.04 ID:A+Bd+wpB0
山に入る前、この人とは山を歩きたくないと言ったのはまさにこの状況が生まれるからだ。
どこにそんな馬力があるのかは分からないが、鉄砲屋は山歩きがすごく速い。
登りでも降りでも一切スピードが落ちず、さらに休憩もしない。
おかげで随伴するこっちはヘトヘトになるの。
男(俺が足を引っ張るわけにもいかねぇからな...気合いで付いていくさ)
いろは(たいしたもんね)
男(この人と山入るときは爪の二、三枚剥ける覚悟をしてるぞ)
いろは(なにそれこわい)
783 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/11/08(水) 22:33:16.96 ID:A+Bd+wpB0
幼母『こちら幼母。群を発見した。そちらに追い出すぞ』
師範『師範了解。場所は?』
幼母『墓地過ぎたあたりだ。今から幼友ちゃんが花火あげるから』
師範『了解』
パァァ...ン パァ...ァン
いろは(この音は?)
男(今無線で言ってたろ?ロケット花火で脅してるんだ)
空を見ると音の鳴る方向に八咫烏が向かっていく。
どうやらあいつも群を発見したみたいだ。
鉄砲屋「烏が動きましたね。位置の把握は大丈夫そうですか?」
男「問題ありません」スッ
鉄砲屋「ふむ...この位置だったら恐らく先の平に出るでしょう。少し進んでおきますか」
男「了解です」
784 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/11/08(水) 22:34:07.50 ID:A+Bd+wpB0
師範『こっちも発見した。発砲するぞ』
バァン... バァン... バァン...
バァン...
男「友、友、とれますかどーぞ」
友『はい友ですどーぞ』
男「何頭確認した?」
友『12か15位だな。もう3頭は倒れてる...あと1頭は半矢っぽいらしい』
男「了解」
師範『こちら師範。あいつら杉林突っ切ってたから、たぶん平にでるぞ』
鉄砲屋「はいはい了解。予想通りです」
785 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/11/08(水) 22:34:53.04 ID:A+Bd+wpB0
男「お、はっちゃんも視認です。もうそろそろ来ますね」
鉄砲屋「やはり上空援護があるといいですね。とてもやりやすい」
ニヤリと笑いながら自動銃の槓桿(こうかん)を引き、機関部を開ける。
機関部に弾を1発放りこんだら銃の底面にあるラッチボタンを押しながら2発、3発目を固定式チューブの弾倉に押し込む。
ガチャン!
ラッチボタンを押すと機関部が閉まり、放り込んだ1発目が銃身内にセットされ、発砲が可能になる。
鉄砲屋「...来ましたね」
予想通りサル達は山の少し平らな所に出てきた。
ここから反対側に逃げようとしているのだろう。
その距離約30m...夏なので青葉が茂っており、発砲のチャンスは少ない。
ドォン!ドォン!
786 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/11/08(水) 22:35:27.08 ID:A+Bd+wpB0
いろは「きゃ!」
男(おいバカ!きゃとか言うな!)
いろは(しょうがないでしょ!想像以上の音だったんだから!)
鉄砲屋「ん...反対側に抜けられそうですね...狐さん、行けますか?」カチャン!
いろは(んもー!しょうがないから行くけど絶対撃たないでね!?)ダッ!
男「よろこんで行くそうです」
鉄砲屋「いやはや、本当に賢いですね」
787 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/11/08(水) 22:36:08.26 ID:A+Bd+wpB0
いろはが反対側から特攻し、サルをばーちゃんのいる方向へ追い出す。
サルは突如現れたでかい狐に翻弄されている。
男「!?2頭こっち来ました!」
鉄砲屋「了解です」カチ
ドォン! ドォン!
男「ヒット!さすがです」
鉄砲屋「とりあえず逆流された個体はいないみたいですね」
男「はっちゃんの位置を見る限り、トラバースしながらばーちゃんの方に向かってます」
鉄砲屋「いい調子です。このまま私達と師範のチームで押していきます」
いろは(ゼェ...ゼェ...)
男「おかえり」ナデナデ
いろは(なかなか疲れたわよ...えぇい撫でるな鬱陶しい!)
788 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/11/08(水) 22:36:42.49 ID:A+Bd+wpB0
幼『こちら幼。状況を教えてください』
師範『こっちは3頭捕ったぞ。すまんが半矢はロストした』
鉄砲屋「こちら鉄砲屋チーム。4頭倒れてます。今は男君がGPSとタグ付けをしてる最中です」
師範『これって頭左で番号書いて写真とればいいんだよなぁ?』
男「そですよ。あとポイント落としだけ忘れずに」
友『俺が落としてるから問題ないですよ』
幼『了解です。逆流個体はいますか?』
男「いない。残ったのは全部そっち行ってると思うぞ」
幼『了解しました』
幼母『こちら幼母。道路沿いで1頭倒れてるが、これって師範の半矢か?』
師範『多分そうだと思うぞい。やっぱ下ってたか』
幼母『了解。こっちで個体処理しとく』
789 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/11/08(水) 22:38:03.03 ID:A+Bd+wpB0
遅くなってすまお
>>779
分かってくれるかい。ありがとう。
790 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/10(金) 20:22:06.21 ID:X/44cA4go
追いついた
面白い
ゆっくりで良いから更新を頼むぞ
791 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/12(日) 06:28:24.60 ID:0yIgwpefO
きてたまってる
792 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/10(日) 01:04:25.33 ID:uJGfHq7A0
まだか?
793 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/10(日) 23:22:45.28 ID:Pa0OuZDtO
追い付いた。乙!
794 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/27(水) 00:04:58.64 ID:3rQNXG6L0
師範『こちら師範。またでかい群があるぞ。さっきのとは別っぽいな』
鉄砲屋「ふむ...恐らく先程の小さい群の本体でしょう」
男「上手く追い込めそうですか?」
師範『どうかな...数が多い分、間を抜かれる個体もでるだろうな』
鉄砲屋「そうですか。師範さん、位置関係を把握したいので声を出していただけますか?」
師範『了解』
オーイッ オーイッ
鉄砲屋「ふむ...少し間が空いてますね。先程対峙した群はどこに行ったでしょうか」
男「烏が後を追っていますよ。順調に射手のラインに迫っています」
鉄砲屋「なるほど、ではそちらはおばぁ様と烏に任せてよさそうですね。では男君」ポン
男「な...なんでしょうか?」
鉄砲屋「勢子の出番ですよ」ニコッ
795 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/27(水) 00:05:51.91 ID:3rQNXG6L0
男「くそったれ!やっぱりこうなるんじゃねぇか...」
いろは「なかなか斜面がキツイわね」
男「ここはサルもあんまり通らないはずなんだよ。この山抜けるとしたら大体は鉄砲屋のラインまで上がるか道路まで下がるかのどっちかだ」
いろは「ならどうしてここに来させられたの?」
男「このままこの群を追い立てるとさっき発砲した群とかち合うだろ?それにびっくりして逆流する可能性があるからだよ。つまりは保険だな」
悪態をつきながら急いで山を下る。師範と鉄砲屋の位置関係を頭の中で俯瞰し、ちょうどその中間まで下がる。
男「こちら男。大体の場所につきましたどーぞ」
鉄砲屋『了解。一度声を出して下さい』
男「了解...うぉい!!うぉい!!」
鉄砲屋『確認できました。位置的にはバッチリですね』
鉄砲屋『それでは男君の準備もできたので再開します。男君は声を出しながらその高さをトラバースしてください。それとあまり前へ出過ぎないように。私も師範も声のする方向へは絶対に発砲しませんが、各自見えない仲間の把握に努めて下さい』
師範『了解』
男「了解。これより勢子、スタートします。」
796 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/27(水) 03:24:46.38 ID:vWCmbw7A0
勢子は体力削られるな
走れ!走れ!
ついでにメタボ予防に
>>1
も走れ!
797 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:31:16.65 ID:Y51nXfwD0
男「うぉい!!うぉい!!」
定期的に声を出しながら山を歩き続ける。
獣に対するプレッシャーももちろんそうだが、声を出すことで現在地を周囲に教え、誤射や流れ弾のリスクを減らす事にもなる。
男「いろは、絶対俺より前に出るなよ」
いろは「ん?なんで?あたしが前出た方がよくない?」
男「俺より前に出るって事は、射手の射線と被る可能性があるってことだ。フレンドリーはされたくないだろ?」
いろは「なるほどね。あんたの後ろに付いて行くわ」
798 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:32:34.38 ID:Y51nXfwD0
男「こちら男、群発見。師範の方に下っていきます」
師範『了解』
少しして銃声が何発か聞こえてきた。
師範『五頭喰った記録取るから少し待機してくれ』
男「了解。...少し休憩かな」
いろは「おつかれ」
男「ほんとだよ...社会人になってからこんなに歩いたのは久しぶりだ」
いろは「身体は高校生のくせに何言ってんのよ」
男「うへぇ...マジ暑ちぃ...真夏に山なんて歩くもんじゃねぇな...」
いろは「それはどうか....ん...」
男「んぁ?どうした?間抜けな面さらして」
いろは「...ねぇ男?あたしの能力覚えてる?」
男「は?意志疎通と未来予知だろ?何回か助けられてるから流石に覚えてるぞ」
いろは「そうよね...きっと大丈夫よね...」
男「なんだよ、ハッキリしねぇな」
いろは「...うん...あのね?また男の色が薄くなってるの...」
男「...は?」
799 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:34:52.49 ID:Y51nXfwD0
いろはの能力は“少し先の未来がみえる”というものらしい。
見えると言うよりは生きるか死ぬかの判断が出来る程度で、何がどうなるという詳細までは分からない。
ここだけ聞くとあまり使えない能力だが、決してそんなことはない。
まず俺と幼馴染の直面している問題は、ハッキリ言ってしまえば生きるか死ぬかの二択である。
つまり、このままいけば死ぬかもしれないという情報は、俺達にとって重要になる。
さらにその前情報は、俺にとってはそれだけで集中力を上げることが出来るし、なにより気付いたら殺されているという状況を防ぐことが出来る。
友のチェーンソーの時も、俺のイノシシのときも、コイツの能力のおかげで対処できたといえるだろう。
男「...いつだ」
いろは「わからない。けど、おそらくこの山にいる間だと思う」
男「わかった。一応出来る限りのことはしておこう...!?」
800 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:35:28.44 ID:Y51nXfwD0
幼「...なんだか静かになりましたね」
ばば「師範が記録作業してるからねぇ...友くんも大変だろうに」
幼「おさるさんはどこに行ったんでしょうか?」
ばば「ここからはっちゃんの姿も確認できるし。順調にこっちに近づいているみたいだねぇ」
幼「男君は大丈夫でしょうか」
ばば「心配ないさ。よっぽどの事が『問題発生!問題発生!各員は速やかに脱包してくれっ!!』
幼母『おいどうした男!状況!』
男『クマに追われてるんだ!!ゼェゼェやばっ!?』
師範『おい男!?応答しろ!』
ばば「まずいねぇ...」
801 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:36:27.37 ID:Y51nXfwD0
幼母『ばぁさん!どうする!?』
ばば「全員落ち着け。言われた通りに脱包しな」
鉄砲屋『しかし、クマがいる状況で脱包するのは危険では?』
ばば「男がどこに逃げてるか分からない状態で発砲する方が危険だぃ。全員脱包、そのまま待機。幼母は急いで村役場に向かってくれぃ。クマの出没注意の放送を流してもらいな」
幼母『了解』
幼「おばあちゃん...」
ばば「大丈夫だよ。うちの子を信じなさい。それに...」
見上げた先には一匹の烏。
上空からサルを追っていたであろう烏は、一度激しく鳴くと、ある方向に急旋回をはじめた。
ばば「...二人とも頼んだよ」
802 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:37:27.73 ID:Y51nXfwD0
男「くそっ!!無線機を落としちまった!!」ゼェ!ゼェ!
いろは「それで!これからどうするの!」ハァ ハァ
男「とりあえずっこのまま走って逃げるぞ!この先にばあちゃんがいるはずだ!」
そう言っている本人の足がもう限界である。
しかし後ろからは100キロは超えているであろうでかいツキノワグマが追ってきている。
男「さすがにこれはピンチだな...打つ手がない...」
徐々に足が遅くなる。
山の中で障害物競走を全力でしているようなものだ。
しかも人間の足でクマに勝てるハズもない。
そう。人間の足ならば。
いろは「もう!ちょっと身体貸しなさい!!」
803 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:38:11.55 ID:Y51nXfwD0
ふわりと身体が軽くなる。
男「その手があったか!!」
いろは(でも長くは保たないわよ!)
男「大丈夫だ!!もう少しでばあちゃんの射程に入る!次の広場を抜けたら勝ちだ!!」
最後の藪を抜け光が射す広場に出る。
山の中にぽっかりと出来たこの場所は伐採により木が生えておらず、下草が少し生えている程度である。
障害物は無くなるがそれはこちらも同じだ。いろはの力があればクマに追いつかれずにすむ。
男「よっしゃ!広場にでt!?」
804 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:39:08.46 ID:Y51nXfwD0
いつもであれば何も無いただの伐採地。
しかし...
男「何だよこのサルの群は!!」
先程まで追い立てていたサル達だろうか。広場には30頭以上のサルがひしめいていた。
急に茂みから出てきた男は完全に敵として認識されており、多くのサルが前歯を剥き出しにして威嚇している。
一匹二匹のサルであれば大した事ないが、これだけの数に一斉に襲われたらひとたまりもない。
いろは(まずい...囲まれたわよ)
男「まじかよ...」
しかも後ろからはどんどんとクマが近づいて来ている。
男「くっそぉぉぉぉぉ!!」
805 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:39:57.38 ID:Y51nXfwD0
どうすることもできず、男はサルの群に単身で突撃する。
と同時にサルも一斉に襲いかかってくる。
その牙で、爪で、集団で襲われれば大怪我をする。
でも男にはそれ以外の選択肢が無かった。
先頭のサルが男に噛み付こうと飛びかかる。
が
その牙は男に届かず宙を舞った。
文字通りサルが空中に跳ね上げられている。
まるで横から何かに突っ込まれたように。
男「...へ?」
何が起きたかは分からなかった。
速すぎた、いや、迅すぎたのだ。
それは姿を捉える事は出来ず、ただ後に舞う“羽”だけが、その存在を証明した。
806 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:41:41.19 ID:Y51nXfwD0
男(この羽は...ハヤブサか?)
周りを囲んでいたサル達が次々と襲われていく。
上空からの攻撃にサルは為す術も無い。
男「なんだ!?...この鳥の群は...!?」
上空から急降下してくるのはトンビやノスリ、クマタカ。
そして木々の間から飛び出すのはハヤブサ、チョウゲンポウ。
木の葉落としによる爆撃や海面ギリギリでの雷撃とも見間違えるような、そんな攻撃が猛禽類達により目の前で行われている。
彼らの爪は刃物そのものであり、サルの皮膚もたやすく引き裂いていく。
いろは(もうクマがそこまで来てるわ!今の内に抜けるわよ!)
男「おう!」
807 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:42:08.88 ID:Y51nXfwD0
八咫烏(いやー、間に合って良かったッス。まさか村の大黒PAの皆さんが助けてくれるとは思わなかったッス...まぁ大半は暴れたいだけっぽいッスけどね)
八咫烏(というか目標は達成出来たんでもういいッスよ。ほとんどのサルがボロボロになってるじゃないッスか...やっぱり時代は空ッスねぇ...)
808 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2017/12/28(木) 00:43:55.02 ID:Y51nXfwD0
今日はここまで。
>>796
今以上に勢子しろと申すのか...
809 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/03(水) 01:23:59.80 ID:7AmetVOD0
首を長ーくして待ってます!
810 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 16:09:44.22 ID:A8GGXTBK0
果たして1スレで終わるだろうか
811 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/05(月) 15:38:09.81 ID:rvXq7iAG0
完結楽しみにしてるぜ
812 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 12:10:39.95 ID:73RiPlDo0
10年後の8月まで後だいたい5年半か…
813 :
◆c820aNQT76
[saga]:2018/03/04(日) 22:31:09.45 ID:nLUDoeIZ0
男「はぁ...はぁ...はぁ」
おっしゃ!あの尾根さえ越えれば射手が見える!
男「いろは!飛び込むぞ!!」
いろは(了解!!)
全力で走っていた勢いを一切殺さず、そのまま突っ込む。
尾根を越えると、ほぼ斜面から崩れ落ちるように沢へ下っていく。
いろは(後ろ!来るわよ!!)
男「もう大丈夫だ。だって...」チラッ
ドォン!
一発の銃声。身体が傾くクマ。
幼「ハートショット、ヒット。崩れ落ち、一瞬止まります。ヘッドショット、エイム...ファイア」
ドォン!
幼「...ヒットです」
ばば「...」フー
814 :
◆c820aNQT76
[saga]:2018/03/04(日) 22:32:20.24 ID:nLUDoeIZ0
幼「こちら勢子確認。作業終了、作業終了」ザザッ
師範『了解。記録は終了してる。そっちに合流する』
鉄砲屋『了解。クマの処理はどうしますか?』
ばば「なんだぃ。当たったかどうかは聞かないのかい?」ザザッ
鉄砲屋『銃声の間隔的に二発目は止めでしたからね。流石です』
ばば「そうかい。悪いんだけど役場の担当職員に連絡してくれないかぃ?別でクマの許可も貰ってるから問題はないけど、一報入れておいて欲しいんだぃ」ザザッ
鉄砲屋『了解。こちらでやっておきます』
幼母『ばーさん。男は無事なんだな?』
ばば「さぁね?エラい勢いで斜面滑り降りていったけど」ザザッ
男『ゼェ...ゼェ...無事ですよ...』
幼「良かった...」
ばば「お前はそのまま道路に出てしまいなさい。いろはちゃんはどうした?」
男『あー...今一緒にいるから平気。幼母に拾ってもらうわ』
幼母『多分真下にいるからゆっくり降りてきな。ケガするんじゃないよ』
815 :
◆c820aNQT76
[saga]:2018/03/04(日) 22:33:02.91 ID:nLUDoeIZ0
幼「ホントに男君が無事で良かったですね」
ばば「あの子は身体だけは丈夫だからねぇ」ケラケラ
幼「クスクス...それにしても。この距離をオープンサイトの上下二連で当てますか...」
ばば「あれま?幼ちゃんも鉄砲が分かるのかい?」
幼「分からないですけど、あそこからココを当てるのが難しいという事だけは分かります」
ばば「褒めたってお菓子ぐらいしか出せないよ。さ、師範達が見えてきた。クマを引っ張り下ろしてもらおうか」
鉄砲屋『こちら鉄砲屋。連絡つきましたよ。今こちらに向かっているそうです』
ばば「ザザッ...了解。それじゃあ帰ろうかぃ」
816 :
◆c820aNQT76
[saga]:2018/03/04(日) 22:33:51.00 ID:nLUDoeIZ0
男「うへ...お前が身体から抜けた瞬間...重く感じるんだけど...」
いろは「一瞬ではあるけれど、限界値以上の力を出させたからね。きっと明日は筋肉痛よ?」
男「馬鹿野郎。今日中に筋肉痛になってやるわ」
いろは「なんの張り合いよ...」
八咫烏「男様ー!無事ッスか!?」バサバサバサ
男「おーお疲れさま。擦り傷打撲筋肉痛はあるけれど、でかいケガはお陰様でしてないよ」
八咫烏「良かったす...上から見ていてどうしようかと...」
男「お前があの猛禽達を呼んでくれたんだろ?ホント助かったわ、ありがとな」ナデナデ
八咫烏「いえ...お役に立てて...光栄ッス」テレテレ
いろは「ねーあたしはー?」
男「あ?」
いろは「あたしも男の為にかなーり尽力したんだけど?労いの一つや二つ、あってもいいんじゃないかなー?たとえば...お酒とか!」
男「昨日も散々呑んでたでしょうが...朝死にそうになってたの忘れたわけじゃないよな?」
いろは「えー!のーまーせーろー!おーさーけー!!」
男「うるっさい!...まったく」ポン
男「...ちょっとだけだからな」ナデナデ
いろは「...やりーっ!」ムフー
817 :
◆c820aNQT76
[saga]:2018/03/04(日) 22:35:19.98 ID:nLUDoeIZ0
気が付いたら随分期間が空いてしまった...すまん。
10年後目指して少しずつ書いていくわ。
818 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2018/03/04(日) 22:37:39.19 ID:nLUDoeIZ0
ミスった。別の酉で投稿しちゃった...
気にしないで下さい。
こっちの酉が本来です。
819 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/04(日) 22:39:16.86 ID:UvPCsJevO
待ってました!
820 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 00:16:09.31 ID:xQb6dzhho
エタのかとおもったよ
821 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 16:05:27.69 ID:74VmGDHQ0
待ってたよ
822 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/17(火) 17:18:28.43 ID:HisRYuUQ0
やっぱり仕事が忙しいかな?
823 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/27(金) 17:47:11.12 ID:emur/6Gq0
待ってまーす
824 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 14:05:10.08 ID:zYBLY9d80
一応10年後まで待つ!という覚悟で読んでる
825 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/09(土) 14:08:02.44 ID:dac27IBf0
無理なら無理でいいけど
そろそろ3ヶ月経ったし生存報告が欲しい
826 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/02(月) 21:28:18.92 ID:HZCJkPnn0
ファイト
待ってるよ
827 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/03(金) 01:48:10.66 ID:i/pjeQ4Xo
とりあえず5年後の8月をお知らせするぜぇ!
828 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/03(金) 16:34:00.80 ID:x7JeGsDR0
おお!忘れてた
これであと5年か…
829 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/03(金) 18:26:55.59 ID:eSKttY+wO
>>1
「10年後の8月に・・・完結します」
830 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/05(日) 20:35:56.04 ID:q1Xr3g7u0
夏休み限定でいいから更新しねぇかな…
831 :
◆6FKbqG4.1U
[saga]:2018/11/07(水) 00:35:52.85 ID:zcmUxUjOo
てすと&生存
近々続き書く
832 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/07(水) 20:33:37.19 ID:GdXfOAz1o
まってたやてわ
833 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/08(木) 21:42:09.68 ID:rSRTXjeLO
期待
834 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/11(日) 13:52:48.49 ID:fDRAZ3Jq0
生存報告あって嬉しい
後約4年頑張ってほしいな
835 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/12(月) 19:47:32.82 ID:PAZsz1ej0
楽しみすぎる
836 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/13(木) 11:36:35.32 ID:Eza0RzHM0
生存報告嬉しいです。
楽しみに待ってます。
837 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/14(木) 15:52:58.35 ID:TwgFdl8P0
待ってる。支援、 !
838 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/22(土) 22:52:41.41 ID:2CbFmS6w0
いつまでも待ち続けますよ〜
839 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/07/08(月) 02:04:47.44 ID:6866dr9G0
支援ですよ。
840 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/27(土) 09:46:00.11 ID:4dZP7G7T0
お願いだからsageてくれー
841 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/14(土) 00:50:57.79 ID:+YOOuVDf0
私怨
842 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/30(木) 23:13:59.86 ID:LZn7Pwqz0
支援
843 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/05/10(日) 14:37:29.69 ID:MsuD9x5Eo
まってる
844 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/08/01(土) 12:03:53.04 ID:4Bn1Jbw+0
7年後の8月をお知らせします
845 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/08/02(月) 20:26:31.93 ID:rjyHalGR0
8年後の8月をお知らせします
846 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/06(土) 20:06:38.20 ID:08LVHmho0
9年後の8月をお知らせします。
847 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/08/06(土) 23:00:57.17 ID:sZTrWWAMO
待つに決まっている
848 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/08/02(水) 12:41:32.83 ID:Tuy9hfiaO
10年後の8月をお知らせします
849 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/08/01(木) 22:50:27.68 ID:GGPhZApg0
11年後の8月をお知らせします
403.15 KB
Speed:0.2
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
新着レスを表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)