幼馴染「10年後の8月に・・・」

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195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/05(金) 10:53:04.42 ID:gIbO+Fuu0

待ってたぜ
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/06(土) 11:40:03.71 ID:XIKAyWmH0
追いついたぞ
早く頼む
197 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/10(水) 23:54:27.82 ID:M2Bn26Pf0
男(頼むから今はおとなしくしといてくれ!)

狐娘「ハイハイ分かってるわよ、あたしはあんたの部屋でもう一眠りしてくるわ」

男(どんだけ寝んだよ。校長の授業聞いてる時の俺かよ)

狐娘「それはちゃんと聞きなさいよ...まぁなんでもいいわ。後は二人でお好きにどーぞ」

男(あぁ、それと午後から外出るからな...って、もう2階行きやがったあいつ)

幼「男君さっきからボーっとしてどうしたんですか?」

男「んあ?あぁ、何でもない。ちょっと暑くてな」

幼「太鼓運んできたんですもんね。いま麦茶淹れてきます」

男「サンキュー」
198 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/10(水) 23:55:32.61 ID:M2Bn26Pf0
午後

男「宿題もある程度やったし、そろそろ祭り行くか?」

幼「そうですね♪じゃあ一回戻って準備してきますね〜」

ーーーー10分後

幼「お待たせしました〜」

男「おし、じゃあ行くか」

アブラゼミが奏でる爆音に囲まれながら二人で道を歩く。
幼と二人でのお祭り。こういった何気ない時間がどれだけ大切か、俺は既に知っている...
皮肉なものだな、本当に大切なものってやつは大体失ってから気付くもんだ。常に側にいるから、失うなんて思っちゃいないから、だから間違えた。
死ぬほど後悔した。けど、後悔も反省も意味がなかった。次が無かったから...もう二度と手に入らないものだと思っていたから...

男「....」キュッ

幼「あっ...えへへ♪」

すぐ隣りの小さな手を握る。夏に手を握ると暑いな...
けど....今度は離さない。

男「よし!幼、何が食いたい?なんでもいいぞ?」

幼「うーんっと、男君の作った焼きそばがいいです!」

男「ごめんなさいそれ以外で」

幼「クスクスッ、冗談ですよ♪」

この笑顔を...守ってみせる。
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/11(木) 01:06:30.92 ID:l1RWgRzG0
待ってたぜ
200 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/16(火) 22:57:09.53 ID:KGyIUL0s0
ーーーー祭り会場・大通り

男「やっぱ最終日ってだけあって活気づいてんな」

幼「日曜日なので人も多いですね〜」

男「んじゃとりあえず飯食うか、腹減ったわ」

幼「私じゃがバタ食べたいです!」

男「おっし、じゃあ探すか」

ーーーー

幼「あっ!男君!ありましたよ!」

男「どれどれ...幼、こいつぁダメだ」

幼「えー?何でですか?」

男「ここのじゃがバタは蒸かしてるだけ、俺が求めてるじゃがバタは蒸かしプラス揚げだ」

幼「おぉー、確かに。そっちの方がお美味しそうです」

男「だろ?値段は高くなるがその分うまいんだよなー。ほれ、あっちのじゃがバタは揚げてあるしあっちの買おうぜ」

幼「ホントだ!しかも見てください男君!バターつけ放題ですよ!」

男「...神だな」

幼「神ですね♪」

201 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/16(火) 22:58:04.60 ID:KGyIUL0s0
幼「あ!金魚すくいですよ!」

男「金魚すくいは破れないようにゆっくりやるとドツボにはまるぞ。ある程度思い切ってすくい上げろ」シュパッ

幼「わ〜!ヨーヨーです!」

男「輪っかが表面張力で水面にくっついてるやつが狙い目だ」ヒョイ

幼「缶落としです!」

男「っうぉらぁ!!」ガッシャン!!

幼「クジもありますよ!」

男「それは無理!!」
202 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/16(火) 22:59:44.36 ID:KGyIUL0s0
男「結局クジやったのはいいけど...何このちっちゃい蛍光色のムカデ、クソ懐かしいんだけど」

これはアレだな、確か押入れの缶の中にかなり溜まってたはずだ。
子供の時はエアガンが欲しくてかなりクジやったなー...当たったこと一度もねぇけど。

幼「でも他は凄いいろいろ取りましたね!男君昔から屋台遊びが得意ですよね〜」

男「まぁばあちゃんの遺伝だわな、腕が鈍ってなくてよかった」

幼「桜祭りの時も遊んだじゃないですか、そんなすぐに鈍りませんよ」クスクス

男「.....そうだな」ワシャワシャ

幼「わわっ」

幼の頭をガシガシと乱暴に撫でる。
幼と一緒に楽しく遊んでいると、たまに自分が10年後から来た存在だということを忘れそうになる。
...まぁ家に帰ればあのアホ狐がいるから嫌でも思い出すんだけどな。

男「っと、そろそろ友と幼友の太鼓始まんじゃね?」

幼「そうですね、見に行きましょう」

203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/18(木) 08:48:38.85 ID:lAKKN3C80
おつんつん
204 :</b> ◇P8G.IC5UqUBR<b> [saga]:2014/09/24(水) 21:58:03.09 ID:Qw8q8DYk0
ここの祭りは多くのお店が立ち並ぶ町の大通りを通行止めにして開催される。
左右にズラッと屋台が並ぶ大通りを真っ直ぐ行くと、その終点には神社があり、隣接する広いスペースがメインの会場になる。
ここでは各自治体ごとのイベントが行われたり、なんかしらの演奏や出し物が行われ、夏の終わりには納涼盆踊り大会なんかも行われたりする。
その会場から懐かしい太鼓の音が聞こえる。

男「あれ?もう始まってんじゃん」

幼「あっ!友くんと幼友ちゃんですよ!」

二人は黒い法被を身に纏い、又引きに足袋といった出で立ちで、背中には赤い線で家紋のようなマークが書かれている。
友は手拭いを喧嘩かぶり、幼友はねじり棒をを頭に巻き、それぞれが担当する太鼓を叩いている。

幼「幼友ちゃんかっこいいですね〜」

男「まぁアイツはもともと上手かったからな。...ってか友のやつ頑張ってんな」

幼友はオーソドックスな一尺六寸の太鼓を叩いている。振り上げる腕の高さもリズムも周りのメンバーとピッタリ合っていて流石である。
そして問題は友である。
友は今年から任されたのであろうポジションにいた。

男「...桶胴に長胴、締め二つか...大変だな」

締太鼓は皮の締め付け具合をロープ、またはボルトで調節して音程を変えることができる太鼓で、友が使っている二つの締太鼓もそれぞれ出る音が微妙に違う。
音程の違う締太鼓二つと桶胴、長胴太鼓に囲まれている状態は、まるでドラムのように見える。

幼「友くんのソロですね!」

男「うおっ、めっちゃ早打ちじゃん!えげつねー」
205 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/24(水) 21:59:01.01 ID:Qw8q8DYk0
ーーーー

幼「二人共お疲れ様です!!」

幼友「いやー疲れたー!二人共見てたの?」

幼「バッチリ見てましたよ!カッコ良かったです!」

幼友「アハハ...なんか恥ずいな、けどありがと」

男「そうそう。スゲー上手かったぞ?ほれポカリ」ポイッ

幼友「ありがと、まぁ目立ったミスもなくて良かったわ」ゴクゴク

友「ねぇ男、俺は?俺は?」

男「お前全体的に少し走りすぎ、あと誤魔化したみたいだけど一回バチ当たってたのバレバレだぞ。帰れ」

友「何その酷評!?」

男「罰としておまえだけアクエリだ」

友「...ん!?」

206 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/25(木) 00:00:48.96 ID:A2Xhuadm0

男「冗談だ、上手く出来てたぞ」

友「ったく、素直にそう言えよ。ホント男はツンデレだな」

男「はぁ?何言ってんだてめぇぶち殺すぞハゲ」

友「ツンがでけーよ!致命傷レベルだわ!」

幼友「ほらバカやってないでとっとと行くわよ。皆片付け始めてるんだから」

友「やばっ!師範に殺される!じゃーな二人共!」

男「あいつ元気だな」

幼「それが友くんの取り柄ですからね」

男(...この子結構酷いこと言うな)
207 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/25(木) 00:02:47.46 ID:A2Xhuadm0
ーーーー

幼「あ!あの猫の置物かわいいですね♪」

男「んぁ?どれどれ...射的か。ちょっとやってみるか」

幼「男君がんばって下さい!」

しかし置物は意外と重量があり、現代のシモ・ヘイヘと呼ばれた俺でも倒す事は至難の業だった。

男「クソッタレ、あと二発しかねぇぞ」

幼「倒れても落ちてくれませんね〜」

おっちゃん「ガハハ!諦めな兄ちゃん!」

そう、射的のルールとして獲物を倒すだけでなく台から完全に落とさなければ獲得とはならない。

男「どーすっかなー...」

??「ありゃありゃ、この程度の獲物で苦戦するようじゃまだまだだな」カチャ

男「!?」

突然声をかけられたと思ったら、縦に繋がった二本の鉄の棒が目の前に現れた。
これは...

おっちゃん「じ...上下二連式散弾銃!?」

上下二連式散弾銃とは、日本の狩猟用の銃として多く利用されるポピュラーな銃である。
狩猟ライフルと比べれば射程も威力も低いが、扱いやすく汎用性が高い銃である。
そしてこんな銃を人前で振り回すような人間を俺は一人しか知らない。

男「そんなもんで撃ったら粉々になるでしょーが。おかえりばーちゃん」

ばば「スラッグ弾でこの距離だから大丈夫。たでーま」

御年58歳の現役マタギ...俺のばーちゃんである。
何が大丈夫なんだよ。駄目だわ、吹き飛ぶわ。
208 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/26(金) 00:46:40.57 ID:ZVIcNOEo0
幼「おばーちゃんこんにちは!」

ばば「あらま幼ちゃん、元気にしてたかぃ?後で肉差し入れに行くからお母さんに言っとき」

幼「わぁ!ホントですか!?ありがとうございます!お母さんに言っておきますね♪」

男「ちなみに何肉?鹿?」

ばば「おっこt...唯の猪だ」

おい、今何言いかけた?狩っちゃったの?海を渡ってきた白い猪狩っちゃったの?

男「てかスゲー獣クサイんだけど、風呂入ってこいよ」

ばば「そぉか?まぁ一応顔出しに寄っただけだからすぐ帰るべ」ヒョイ

男「っと、何で銃奪うんだよ」

ばば「まぁ見てろって...」カチャ パン!パン! ゴトッ

男「すげぇ」
209 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/26(金) 00:47:42.69 ID:ZVIcNOEo0
ばーちゃんと別れ、二人で大通りをぶらぶらする。
祭りも終わりに差し掛かり、この喧騒もラストスパートといったところだ。

幼「明日から本格的に夏休みが始まりますね♪」

男「まぁ毎年この祭りが終わって夏休みがスタートするって感覚だからな」

幼「今年もいっぱい遊びましょうね!!」

男「どっか行きたい場所でもあんのか?」

幼「はい♪海とか山とかいっぱいあります!」

男「...そっか」

今更だが俺は夏が好きだった。友や幼友、そして幼と一緒に過ごす夏休みは何よりも充実していた。
幼を失ってからは夏がくるたびに心にポッカリと穴が空いたような虚無感を感じるようになっていた。
いつだって幼の死が脳裏に浮かび、俺はそのたびに自分を責めていた。
俺の夏の時間はあの時からずっと止まったまま、時計は壊れたままだ。
けど...

男(...ばーちゃんがいつも言ってるな、壊れたものは直せ、無いものは作れって...)

材料はすべて揃った。モノ作りと修理は俺の十八番だ。
あとは組み立てるだけ...

幼「あ!友くんと幼友ちゃんですよ!」

男「おうお前ら、デートか?」

幼友「誰がこんな奴と...太鼓の片付けが終わったからブラブラしてただけよ。暇つぶし暇つぶし」

男「って言う割にはめっちゃ食い物持ってんのな」

幼友「動いたからお腹すいちゃってね〜、友が奢ってくれるって言うし」

友「...こいつ結構食うのな」

男「まぁなんだ...お疲れ」

幼「クスクス♪」

止まっていた時間が、今、動き出す。
210 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/09/26(金) 00:48:27.95 ID:ZVIcNOEo0

...やっと夏休み入れた
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/26(金) 00:56:12.52 ID:SL/zspU70
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/26(金) 03:55:41.46 ID:NaGMQ0bj0
今日初めて読んだが面白い!応援してる。
213 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/06(月) 23:50:32.74 ID:YaM6CfX30
ーーーー次の日

シャアーシャアシャアシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ

男「...くそっ...うるせぇ...」

昨日は結局あのまま皆で少し祭りを周ってから解散した。
時計を見るとまだ7時...あと3時間は寝れるな、よし!

バサッと布団に包まる。この堂々と2度寝ができるしあわせ...
だが待ってほしい、本来二度寝とは許されない状況下で行うのが最も快感であるとされる。
ソースは俺。ちなみに火曜日の二度寝は睡眠欲と背徳感がベストにマッチングして最高の快感を伴う。
おいおいこれはもう二度寝は18禁にすべきだろ、お子様にはとてもじゃないがオススメ出来ないな。
なんぜなら人間が腐る。ソースは俺....俺ソースありすぎ、広島かよ。

狐娘「...一人でなにブツブツ言ってんの」

男「んあ!?お前居たのかよ。いきなり声掛けんな」

狐娘「くだらない事考えてんならとっとと起きなさいよ。幼、来てるわよ」

男「おっふ...マジか、二度寝出来ねーじゃん」ファーァ

狐娘「その割にはうれしそうな顔してるわね」

男「このくらいの事でも俺にとってはうれしーんだよ。知ってんだろ」

狐娘「まぁね。だから精々がんばりなさい」

男「...あぁ」
214 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/06(月) 23:52:37.59 ID:YaM6CfX30
一階に降りると幼とばーちゃんが朝ごはんを作っていた。

男「おはよー」

幼「ッ!?」ガシャン!

男「いや、何驚いてんの?普通驚くのこっちだからな?」

幼「お...男君が自分で起きてる!?」

男「えー...俺ってそんな廃人だったっけ...」

ばば「あれま?珍しい事もあるもんだね。まぁちょうどご飯もできたからこれ持ってって」

男「はいよ。幼も一緒に作ったのか?」

幼「はい♪夏休みなのでおばーちゃんのお手伝いです♪」

ばば「幼ちゃん助かるよ、ありがとね。こいつには勿体無いくらい出来た娘だよ」

男「うるへー。とっとと飯食おうぜ」
215 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/07(火) 00:22:41.32 ID:jenhF+yY0
「「いただきまーす」」

ばば「そういえば幼ちゃん、お母さんは?」

幼「昨日お祭りの打ち上げで遅くまで飲んでたみたいで、まだ寝てます」

ばば「まったく...しょーがない子だねぇあの子も」

幼「あはは...でもすごく楽しかったそうです」

幼とばーちゃんが楽しく喋りながら朝食を啄いている。
そんな光景を見ながらふと疑問に思った。

男(あいつこれから飯どうすんだろ...)




狐娘「勿論食べるわよ?お腹すいたし」

男「!!??」ガンッ!
216 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/07(火) 00:23:22.58 ID:jenhF+yY0
幼「男君!?膝大丈夫ですか!?」

ばば「なに急に暴れてんだおまえ」

男「あぁ...大丈夫だから..気にしないで...」

男(てめぇふざけんな!!いきなり声掛けんなってあれほど言ったろ!!)

狐娘「あんたが気付かないだけでしょ?それより少しずれなさい、あたしも食べるから」

男(は?おいおい待て待て。ここでお前が食ったら大変なことになんだろーが!)

狐娘「大丈夫よ、二人には見えてないから」

男(お前は見えなくても茶碗とか箸が見えんだろーが!またマジシャンやる気かぁ!!)

狐娘「そうじゃないわよ。貴方以外には私が見えないのは知ってるでしょ?それと同じように私が使用中の物も同じように霊体化して一時的に見えなくしてんのよ」

男(...なんかすげぇ都合よくね?)

狐娘「そうでも無いわよ?あんまり大きい物は霊体化できないし、だからこの家もそのまんまでしょ?あたしが霊体化できる物なんて精々コップとかお茶碗とかの小物よ」

男(なるほど。じゃあばーちゃん達には見えてないんだな?)

狐娘「そのはずよ」

男(ならいいんだが...)
217 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/07(火) 00:24:03.04 ID:jenhF+yY0
幼「男君?どうかしたんですか?」

男「んぁ?あぁ、なんでもない。この味噌汁は幼が作ったのか?」

幼「分かりました?」

男「ばーちゃんのと少し味が違うからな....ん、うまい」ズズッ

幼「えへへ、お口に合ったみたいで良かったです♪」

ばば「あーもーお前ら結婚すればー?」

男「なにその投げやりな感じ...そのうちな」ズズッ

幼「////」

狐娘「...なんかこっちが恥ずいんですけど」
218 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/07(火) 00:25:52.93 ID:jenhF+yY0
>>212
ありがとう。がんばる。
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/07(火) 00:31:02.21 ID:kd0wgGMH0
来た来た!!
支援よ
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/07(火) 08:38:59.25 ID:xKyEEvRp0
このあとの展開が楽しみ
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 14:30:15.88 ID:iOlgSPxY0
続きが気になりますねぇ
222 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/20(月) 22:51:09.47 ID:RHDZbbx50
男「ところで今日の予定は?」

幼「特に何も決めてませんがどうしましょうか?」

ババ「だったらちょっと手伝ってくんねぇか?」

男「内容次第だな」

幼「もちろんです!何をすればいいでしょうか?」

ババ「ありがと幼ちゃん。ちょっと畑の茄子を収穫してほしいんだけど」

男「えぇー、めんどい」

幼「分かりました!」

ババ「ごめんね〜幼ちゃん、助かるよ」

幼「いえいえ〜♪」

男「ねぇ無視?無視なの?」

ババ「うるせぇ、とっとと準備しろ」カチャ

男「Sir, yes, sir」

狐娘「じゃああたしはもう一眠りしt男(待てコラ)ガシッ

男(タダ飯食わせる気はねぇーぞコラ)ゴゴゴ

狐娘「顔怖っ!?いやほら...幼ちゃんもいるんでしょ?だったらあたしがいたら駄目じゃない?」

男(箸持てんならハサミも持てるな、よしGO)

狐娘「ちょっまっ!行くから!行くから尻尾は引っ張らないで!!」
223 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/20(月) 22:51:51.07 ID:RHDZbbx50
男「ってことで」

幼「畑に到着しました!」

ばーちぁんの畑は歩いて5分程の場所にある。大体200平米、およそ60坪ぐらいだろう。
まぁちゃんと測った事ないし完璧に目測だけどね。
一応連作障害を防ぐために夏野菜と冬野菜に区分けして輪作をおこなっている。

男「んで、茄子だっけ?だったらそこまで量はないな」

幼「トマトはまだですね〜」

狐娘「なんであたしまで...」

男(うちに居る以上この位はやってもらうぞ)

狐娘「別に居たくて居るわけじゃ...」

男(あぁ?)ギロ

狐娘「ヒィ!?なんでもないです...ってかなんで今日のコイツはこんな強気なのよ」

幼「男君そんなに怖い顔してどうしたんですか?」

男「いやほら、今日も日差しが強いからな」

幼「私はちゃんと帽子被ってきましたよ〜」

男「まぁそれ俺のなんだけどね、どっから持ってきた」

幼「男君の部屋です!」

男「だろーね!」
224 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/20(月) 22:53:57.22 ID:RHDZbbx50
男「まぁなんでもいいや、はやく済ませて帰ろうぜ。幼はむこうの端から始めてくれ」

幼「はーい♪」

狐娘「はじからはじめるの?」プッ

男「...」スッ

狐娘「謝るからヒトシくんこっちにむけないで、トラウマあるから」

男(撃たれたことあるんだ...)

狐娘「んで、あたしはなにすればいいのよ」

男(このハサミで茄子をひたすら切る。こんな感じで)パチン

狐娘「ダックスフンドじゃなくて?」パチン

男(お前の神様やべーな)パチン

コイツの主である生の神様は重度のアニオタである。
225 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/20(月) 22:54:35.64 ID:RHDZbbx50
男(あとダックスフントな。ドイツ語だと最後のdは濁らねーんだ)パチン

狐娘「へー、ドイツ語なのね」パチン

男(ドイツが原産の犬種だからな。ドイツ語でダックスはアナグマ、フントは犬でダックスフントだ)ゴソゴソ

狐娘「なんでアナグマ?もとはアナグマとか?」パチン

男(アナグマはイタチ科だアホ。ダックスフントはもともとアナグマを狩る猟犬なんだよ。んで同じ穴の狢って言葉があるようにアナグマは穴の中で生活すんだけどよ)パチン

狐娘「ちょまち、むじな(狢)ってアナグマの事だったの?ってかクマなのにイタチ科なの?」ゴソゴソ

男(知らなかったのかよ...まぁいいや。ダックスフントって足が短いだろ?ありゃアナグマの穴に入るために短くなってんだ)パチン

狐娘「へぇーなるほどねー。なんでそんなに詳しいの?」パチン

男(まぁ農林水産系の大学行ってたからな。猟犬の事だし多少分かる)パチン

幼「男ー!日焼けした茄子はどうするんですかー?」

男「別のケースにいれといてくれー」

狐娘「...このナスなんか色が薄い」

男(...ボケナス)

狐娘「は?喧嘩売ってんの?」

男(ちげーよ。色がうすくてボケて見える茄子の事をボケナスって言うんだよ。他意はねぇ)

狐娘「ほんとぉ?」ジー

男「...」フイッ

狐娘「おいコラ」
226 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/20(月) 22:59:26.11 ID:RHDZbbx50
遅くなりました
コメントしていただきありがとうございます
頑張って書かせていただきます

ちなみにヒトシくんは対害獣用の道具です。ググれば多分でてきます。
あと俺は犬ハサ好きですよー、ああいうアホっぽいやつwww
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/20(月) 23:10:27.65 ID:VlfB1aHQo
質問なのだが、この2003年の夏に存在しているはずの男自身はどうなっているんだろうか?
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/20(月) 23:25:20.16 ID:y7Ohw6ixo
二週間空くとすっかり忘れてるから読み直さねばな……

乙です
229 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/21(火) 22:36:13.95 ID:wS7XLLb30
男「おいしょっと」ゴト

幼「これで全部ですね〜」

男「あぁ、ケース5つ分か。まぁまぁ採れたな」

狐娘「やっと終わった...暑いよー...喉乾いたよー...」

男(帰ったら麦茶あるから我慢しなさい)

狐娘(やだ、ジンジャーエールがいい)

男(んなもんねぇ)

幼「これどうしましょうか?」

男「ばーちゃん呼んで軽トラで運ぶ」

幼「じゃあ呼んできましょうか?」

男「俺が行くからいいよ、お前は休んどけ」

幼「このくらいなら大丈夫ですよ?」

男「だーめーだ、いいから待ってろ。行ってくるから」

狐娘「あたしは?」

男(お前も待機、来られても邪魔)

狐娘「扱いが違うのは分かるけどムカつくわね」イラッ
230 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/21(火) 22:37:03.48 ID:wS7XLLb30
男「ばーちゃーん?収穫終わったから軽トラ出して」

ババ「もう終わった?意外と早かったな」

男「まぁ茄子は少ないしね。って何してんの?」

ババ「あぁ、銃の手入れな。結構暴れたから土入っちゃてんだ、ほれ」カチャ

男「...何したら引き金と逆鉤の間に土が入るんだ」

ババ「カッカッカ!まぁ何回か吹っ飛ばされたしな」

男「よく死なねぇな...」

ババ「んなわけだ、鍵渡すからお前やっといてくれ」

男「おい、無免は犯罪だぞ」

ババ「何を今更。それに田舎だから大丈夫」

男「全国の田舎在住の方々に謝れ」

231 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/21(火) 22:37:48.02 ID:wS7XLLb30
男「まぁホントは免許持ってるしな」

軽トラに乗り込みキーを回す。
この時代の田舎の軽トラはほとんどMTだ、ギアを一速に入れてハンドブレーキを下げたらアクセルを軽く踏みながらクラッチをゆっくりあげる。発進したらすぐ二速にいれ、畑に続く舗装されていないあぜ道を少し走る。
もともと歩いて5分程の位置にある畑なのですぐ到着した。

幼「あれ?男君が運転ですか?」

男「まーな。箱積み終えたら幼は助席乗れ」

狐娘「あたしは?」

男「荷台にでも乗ってろ。あと荷台では立つなよ」

狐娘「ホント!?あたし荷台乗るの初めて!」

幼「積み終わりましたー」ガチャ バタン

男「おっけ、じゃあ出るぞ」

発進すると荷台から騒がしい声が聞こえた。

狐娘「きゃー!風がきもちー!」

荷台に乗ってる狐娘が興奮して楽しそうに立ち上がっている
立つなっつったろ...あとなんかコイツが楽しそうだと腹立つな。

男「幼、軽く急ブレーキかけていいか?」

幼「?いいですよ?」

キィッ!

狐娘「んがっ!」ゴン!!

幼「!?」


232 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/21(火) 22:43:35.15 ID:wS7XLLb30
>>227
この時代の男の身体に10年後の男の精神が乗り移ったと考えていただければいいかと
まぁこの手の話でそこはあまり気にしないでいただけるとありがたい

>>228
ありがとう
がんばって読みなおしてくれ
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/21(火) 23:17:25.52 ID:lMHFbOUyo
>>232
なるほど
そう考えて深く気にせず楽しませてもらうことにしよ
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/21(火) 23:34:42.44 ID:jyhLfP5y0
待ってました!!
235 :</b> ◇P8G.IC5UqUBR<b> [saga]:2014/10/30(木) 02:16:27.88 ID:u7pfZT6j0
男「さてと...後は農協に持ってくだけか」

野菜の選別、洗浄が終わり、後は売るために農協に持っていくだけだ。
流石に自己販売できる程の余裕はない。

幼「そういえばお昼まだでしたね。何か作りましょうか?」

男「そだなー。じゃあちょっと農協行ってくるから適当に作っといて」

幼「分かりました♪」

ーーーー

男「じゃあよろしくお願いします」

農協職員「あいよ!いつもご苦労だね!今年は無事に収穫できそうかな?」

男「そですね。梅雨もちゃんと来ましたし。気候的には大丈夫そうですね」

農協職員「去年は空梅雨の上にマイマイガが大量発生したからな」

男「...あれはホントに堪えました」
236 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/30(木) 02:17:12.38 ID:u7pfZT6j0
狐娘「ねぇ、マイマイガって何?」

帰りの軽トラの中で暇つぶしとして連れてきた狐娘が尋ねてきた。
ちなみにトラックの中では普通に声を出して会話している。他に誰もいないしね。

男「まぁ名前の通り蛾の一種だ。成虫は小さいんだが幼虫はデカイしキモい」

狐娘「うっへぇ...そんなのがいっぱいいたの?」

男「いっぱいなんてもんじゃねぇ...10年以上たった今でも思い出すくらいだ」

想像してほしい...ありとあらゆる場所を不気味な毛虫が占拠している光景を...。
農作業中ちょっと休憩しようと鍬や鎌をその辺に置いとくと数分後には2〜3匹くっついてるからね。
しかもそれに気付かないで毛虫ごと握っちゃうなんて事が多発する。

男「しかもマイマイガは広食生、つまりなんでもかんでも食っちまうから余計に質が悪い。
特定の作物に寄るなら対策のしようがあるけど、コイツらほとんどの作物を食い荒らすからな。」

狐娘「最悪ね...でもなんで大量発生したの?」

男「さぁな、大量発生には色んな原因が考えられる。まず大量発生には2つ種類があって、だいたい決められた周期で大量発生を繰り返すのと、もう一つは周期とか全く関係なくいきなり起こる非周期的な大量発生だ。
周期的な大量発生の方はサイクル変動って呼ばれてて大体10年周期で大量発生を繰り返す。もう一つの非周期の方は...そうだな、トノサマバッタの大量発生とかが有名かな」

男「んで大量発生の理由、まぁ要因なんだがまずサイクル変動の方で大きく3つの説がある。非生物的要因説と個体群外部の生物的要因説、それと個体群内部の生物的要因説だ。簡単に言うと非生物説が気候変動とか生息環境の変化によるもの。
個体群外部説が食い物とか天敵とかが原因って考え方で内部説が早い話内輪揉めだ」

狐娘「えらくざっくりしてるわね」

男「これ以上詳しく考えたらキリがねーんだよ。言っとくが野ネズミの個体群変化だけで22項目の要因があげられてんだぞ、しかもほとんど仮説。それにサイクル変動の要因は1つの項目で処理しきれるものじゃなくていくつかの要因が複雑に絡み合って発生するもんなんだよ」
237 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/30(木) 02:17:55.60 ID:u7pfZT6j0
狐娘「はいはい。んで、もう一個の方は?」

男「お前聞く気ねぇだろ...まぁいい、非周期的な大量発生ってのも色々原因が考えられる、まぁ昆虫の大量発生の多くは気象要因が深く関わってるらしいが。トノサマバッタの群生相って聞いたことねぇか?」

狐娘「あるわけないじゃないそんなの...ってゆーかさ、そんなに大量発生繰り返してたらそのうちその生き物で溢れかえるんじゃないの?どうして大丈夫なの?」

男「まぁそうだな。大量発生の要因の一つとして捕食者の減少、またはその捕食者以上に繁殖するってのがあるぐらいだからどんだけ捕食されてもなかなか減らないし増え続けるよな」

狐娘「でしょ?それってもうネズミ算式に増えていくわよね?」

男「それがそうでもないんだよなぁ...」

狐娘「?なんで?」

男「たとえばマイマイガ。去年は死ぬほど大量発生したけど今年は通常どおりの量だったはず。10年前だから詳しく覚えてねぇけどな」

狐娘「じゃあ去年生まれた蛾はどこ行ったの?」

男「死んだ」

狐娘「...は?」

男「大量発生を起こした生物は最終的に大量に死滅した後にもとの数に戻る。まぁこの大量死の原因も色々あんだけど、一番有力なのが病気だな」

狐娘「病気?」

男「そうだ。例えば病院とか学校ってたまに集団感染っての起こすだろ?インフルエンザなんかだとあっという間に蔓延して学級閉鎖になったりするな。なんでだと思う?」

狐娘「そりゃ子供がいっぱい集まってるし...あ」

男「そういうことだ。大量発生とはつまり過密化するという事。そんな状態で一匹でもウイルスに感染したら爆発的に広がるわけだ。だから一気に大量死滅を起こす。
マイマイガの場合だとバキュロウイルスだな。こいつに感染した幼虫は葉っぱの上に留まりながらドロドロになって死ぬ。そのドロドロがついた葉っぱを食べたマイマイガもウイルスに感染してっていうローテーションで爆発的に蔓延、大量死って感じだな」

狐娘「あのドロドロに触ると死ぬぞぉ!!」

男「水の中に逃げてもドロドロは遅くなんねぇぞ」

狐娘「首をお返しします!鎮まり給えー!!」

男「なに?お前右手でも呪われてんの?ってか飽きたからってネタに走んな」
238 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/10/30(木) 02:21:35.36 ID:u7pfZT6j0

今年のマイマイガ大量発生はホントに堪えました。
6月に実習で森に居たんですけどそこら中にうようよしてました。
慣れればデコピンで吹っ飛ばせるようになりますけど。
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/01(土) 13:15:53.95 ID:swBcLVCqO
おつん
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/09(日) 11:09:00.97 ID:zp2D+tHtO
面白いな、頑張れ
241 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/11/19(水) 00:25:23.73 ID:EQ9cjah50
男「ただいまー」

幼「男君おかえりなさい♪」

男「あれ?ばーちゃんは?」

幼「電話受けた後どこか行ってしまいました。すぐ戻ってくるとは言ってたんですけど...」

男「そっか、じゃあ先に飯食っちまうか」

猟銃もないし恐らく害獣駆除関係で呼ばれたんだろ。
基本的に今は猟期じゃないから狩猟は行えないけど害獣駆除の依頼が役所や地方団体からバンバン入ってくる。
ばーちゃんは顔も広いし腕もいいからねー。

狐娘「そういえば今日はあの二人来ないのね」

男(さすがに昨日は疲れたんだろ)

太鼓を本気で叩くと手に大量の血豆が出来てホント辛い。
長い年やってると皮膚が硬くなるしテーピング巻くから少しはマシだけどそれでも人差し指の付け根辺りはズル剥ける。

242 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/11/19(水) 00:26:32.95 ID:EQ9cjah50
男「...知ってる天井だ」

昼飯を食った後知らないうちに二人とも寝落ちしてしまったようだ。
目を覚ますと隣には未だ夢から戻ってこない幼の姿がある。

幼「スゥ...スゥ...」

男「すげー気持ちよさそうに寝てんな」

まぁ無理も無いだろ。午前中は農作業をしてたわけだ、いくら慣れているとはいえ夏の農作業は体にくる。

男「...ふぅ」

畳の上で大の字になりながら大きく息を吐く。別に賢者タイムと言う訳ではないぞ。
肌からじんわりと汗が染み出し少し服が湿っている。それは隣にいる幼にも当てはまることだ。
ただ寝苦しさは全く無いようでむしろとても気持ちよさそうだ。
全開に開けた欄間窓(縁側に続く大きい窓)から風が入り込み、吊るしてある風鈴にじゃれつく。
都会の夏はアスファルトの反射やビルの照りつけ、室外機の熱で纏わりつくような暑さだが、ここの夏はホントに清々しい。

男「でもさすがに喉が渇いたな...暑ぃよ...」

台所に行くといつの間にか帰ってきていたばーちゃんが夕飯の準備をしていた。

ババ「あらおはよう」

男「おう、てかお帰り」

ババ「ただいまー。いま夕飯作ってるからもう少し待ってな」

男「別にゆっくりでいいからな。麦茶もらうわ」

ババ「古いのから飲んじゃってね。さっき新しいの作ったから」

男「ほーい」

冷蔵庫を開けると茶色い液体が入った容器が3つあった。
新しい麦茶と減っている古い麦茶、もう一つは...またアレかな?


243 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/11/19(水) 00:27:40.96 ID:EQ9cjah50
男「ほら起きろー」ツンツン

幼「...ん...ふぇ?」

男「ほら起きろ。もう夕方だぞ」

幼「...あれぇ〜...なんで〜?」

目元をゴシゴシ擦りながら起き上がる幼。
...なんでと来ましたか。これは時間の概念を教えればいいのか?しらねぇよんなもん。

男「ほれ、いいから麦茶飲め」

幼「ふぁ〜い」ゴクゴク

狐娘「ふぁ〜...おはよー」トテトテ

お前も寝てたのかよ。

幼母「よーっす、ばーさんいるかー?」

男「今飯作ってるよ。ってか玄関から入ってこいよ」

幼母「はぁ?何言ってんのおまえ?」

男「あるぇ?俺が間違ってんのぉ?」

幼「あ、お母さん。おかえりなさい」

幼母「ただいま幼ちゃん。今日はこのままこっちでご飯食べるよー」

男「え?そうなの?まぁいいけどなんで?」

幼母「さっき役所にばーさんが来てな、良い肉が入ったからごちそうするってよ」

男「あぁ、そういう事だったのね」

幼「何肉ですかね〜、鹿肉だといいですね〜」

この年頃の子が鹿肉とか平気で言っちゃうのはどうなんだろう...

ババ「幼母ー!来てるならちと手伝えー!」

幼母「へいへいっと、今いきますよー」
244 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/11/19(水) 00:28:39.42 ID:EQ9cjah50
狐娘「男、あたしに麦茶は?」

男(勝手に取ってこいよ)

狐娘「ったく...分かりましたよーだケチ」トテトテ

狐娘が麦茶を取りに台所へむかう。

幼「ねぇ男君」

男「ん?どした?」

幼「明日は何して遊びますか?♪」

そう言って無垢な微笑みを見せる楽しげな幼。
夕日は傾きながらもこの町を赤く照らし、蝉達はまだまだ残業を続けるようだ...マジ社畜。
力強く鳴くアブラゼミとミンミンゼミがまだまだ夏は始まったばかりだと教えてくれる。
この調子だと夜まで鳴いてそうだな。

男「そうだな...」

明日も天気は良さそうだな...
なぁ知ってるか?夜に蝉が鳴くと次の日晴れるらしいぜ?
山にだって川にだって海にだってどこへでも行けるしなんでもできる。
明日も明後日も、その先もずっと...幼と、幼達と一緒に...もう一度...

そんな少し特別な夏の幕開け...

さて、明日はなにをしようかな?



狐娘「ブゥゥゥゥッッ!!!っぺ!なんじゃごりゃ!!」

男「お前...麺つゆ好きだな」
245 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/11/19(水) 00:36:15.68 ID:EQ9cjah50

お久しぶりです。ちょっと実習で山に籠もってたので更新が遅れてしまいました。すんまそん。
お知らせとして次回からちょっと書き方をかえます。
今までのは一応プロローグや序章みたいな感じなのでストーリー進行をしていましたが、
次回からは短編形式とさせていただき、短編を重ねながら物語が進行する感じになります。
まぁ見てくれればどういう事か分かると思うのでこれからもよろしくお願いします。
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/19(水) 00:49:51.50 ID:krvfIptzo
待ってたおかえり
>>1が書きたいように書けばいいのよ?
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/19(水) 14:39:08.53 ID:BvNqM+SXO
おつんつん
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/11/23(日) 10:14:35.82 ID:pLCpT2vr0
山篭りの実習・・・なんかすごいな
249 : ◆P8G.IC5UqUBR :2014/11/25(火) 16:03:59.45 ID:aY+Ev26G0
【カブトムシ】

男「カブトムシ?」

友「あぁ、もう夏休みだろ?色々遊ぶためにまず金を調達しようと思ってな」

幼友「普通にバイトしたらいいんじゃないの?」

友「今からバイト始めても給料が入んのは来月だろ?それじゃ意味ねーだろ」

男「そりゃそうだが...なんでカブトムシなんだよ。売る宛てあんのか?」

友「くっくっく、その点の抜かりはねぇぜぇ。これを見な」

幼友「何このチラシ...○○町ふれあいフェス?」

友「そ、この町の地域交流の為の祭りを役場が企画しててな、地元の農協や高校生、あとは有志で参加する業者とかがいるんだってよ」

幼「あー、なんかお母さんがクソめんどくせぇイベント企画しやがってってぶつぶつ言ってました」

ちゃんと働けよ公務員...
にしてもふれあいフェスか...全く記憶に無いって事はすげぇ地味だったか行ってないんだろうな。
250 : ◆P8G.IC5UqUBR :2014/11/25(火) 16:06:15.60 ID:aY+Ev26G0
男「なるほど、俺達は地元高校生枠として参加しカブトムシを売ろうってことだな」

友「いや、俺達の高校からは生徒会が中心になって参加するみたいだぞ」

幼「そういえば生徒会長ちゃんからそんなような事言われて誘われたような気がします」

男「じゃあ幼はそっちで参加するのか?」

幼「いえ、お断りしましたよ?」

男「なんだ、折角なんだから参加すればよかったのに」

幼「んー...参加してしまうと準備とかで男君と一緒にいる時間が減ってしまいますし、友君や幼友ちゃんと遊んでいる方が楽しいので♪」

男「...可愛いこと言いよってからに!!」ダキッ!

幼「ふぇ!?男君...えへへ///」ギュー

251 : ◆P8G.IC5UqUBR :2014/11/25(火) 16:09:03.17 ID:aY+Ev26G0
>>246 
ありがとう。好きに書くわ

>>248
まぁ変な学校なもんで。
252 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/03(水) 00:23:37.13 ID:okcoi0OW0
それにしても本来のこの時に...俺が元居た世界の時間軸でこんな出来事ってあったか?
さっき言ったようにふれあいフェスなんて記憶にないし、こんな話し合いもした覚えないぞ。

狐娘「少しずつ未来が変わっていってんのかもね」

部屋の隅で寝転がりながら新聞をペラペラとめくっている狐が言った。

男(...これはいい変化なのか?あんまし変えすぎると死の神にバレるんじゃねーの?)

狐娘「そうね...多分だけどこのお祭り自体は前からあったんじゃないの?あんた一人ごときの行動で役所のイベントが動くなんてありえないわよ」

男「あー、なるほどなー」

言い方はアレだが理屈は通っている気がする。
少なくとも狐娘の様子を見る限りだとまだ大きな変化は無いようだ。
ただ変化が無いと言うことは...

幼「おーい?男くーん?」ペシペシ

男「ぬぉ!?」

いつの間にか幼に頭をペシペシされていた。

友「男ももちろん手伝ってくれるよな!?」

は?手伝い?

男「悪ぃ、聞いてなかった」

幼「え?でも男君さっき“なるほどな”って言ってましたよね?」

男「そ、そうだったか?気のせいだろ」

そう言うと幼はあれ〜?と言いながら自分のほっぺに指を当てる。
...声に出てたか、ホント気を抜くと危ないな。

男「すまん、もう一回言ってくれ」

友「ん?あぁ、いいぜ」

253 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/03(水) 00:24:11.89 ID:okcoi0OW0
男「なるほど、そういう事だったのか」

友の話では、どうやら師範がその祭りに出るらしく、幼母と一緒に地域交流会としてカブトやクワガタを売るらしい。
俺達はその甲虫類の採取を依頼されたと言う訳だ。

男「まぁ師範の頼みだし勿論そのくらいはやるけどさ...カブトなんて売れんのかよ?」

これが都会の話であれば問題なく売れるだろう。しかしここは結構な田舎だ。
市役所周辺などは少し整っているがそれでも山に囲まれたこの街、少し進めばブナやナラが生い茂る照葉樹林の山、その麓にはクヌギやコナラといった二次林が広がるまさに昆虫の楽園。
こんな場所でカブト如きを売っても大した金にならねぇと思うが...

友「まぁそれはどーでもいーじゃねーか。俺達は捕るだけだし」

男「そりゃそーだが...そーだな」

幼友「幼ちゃんはどうするの?」

幼「もちろんお手伝いしますよ♪」

そんなわけでいい年こいた4人の高校生が揃いもそろって虫取りに出かける事になった。
...何だこれ。



254 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/03(水) 00:25:26.02 ID:okcoi0OW0
友「カブト狩りじゃぁぁ!!」

昆虫採集をするため近くの山にやってきた。
この山は確か師範の所有地だったはず。大まかだが藪や蔓などがちゃんと手入れされてる所を見ると、さすがは造園土木系の職人と言った所だ。

幼「なんだか懐かしいですね〜」

男「そだな、ガキの頃はよくこの辺の山で遊んでたな」

幼「男君覚えてますか?私がこの山で迷子になった時のこと」

男「あー、あったな。確かあん時もこのくらいの時期だったっけ?」

幼友「何その話?聞いたことないわ」

男「俺達がかなりちっこい時だったからな。知らねぇのも無理は無いだろ」

幼「懷かしいですねぇ...あの時はもう一生男君にもお母さんにも会えないんだと結構本気で落ち込んで一人でわんわん泣いちゃってたんですよ〜?」

幼友「へー、この山とかも結構おっきいからね、子供が迷うのも頷けるわね」

幼「もう日も暮れてきてどうしようもなくなっちゃって...そしたら知らないうちに男君の名前をいっぱい叫んでたみたいで」

男「その声がたまたま俺に聞こえて無事に発見できたってわけだ」

見つけた時は安心して、顔をくしゃくしゃにさせて泣きじゃくる幼と一緒に俺も泣いちゃったんだっけ。

幼「あの時の男君はホントにカッコ良かったです!あっ、今もすごくカッコイイんですけど何と言うかその...」

男「分かったから落ち着けって。俺がイケメンなのは知ってるから」

友「こいつ自分で何言ってんだ?」
255 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/05(金) 01:42:29.31 ID:zMAnx7OS0
【じょうじ】

友「結構いい感じの森だな!」

男「開放度はやや閉鎖気味...湿度もちょうどいいし昆虫にとっては最高だろうな。」

友「これは金の匂いがするぜぇ!」

幼友「あたしあんまり虫って得意じゃないのよね...」

幼「んーと、私は結構触れますね。昔っから男君と一緒に虫取りしてましたし」

幼友「なるほどね...なんかうらやましいわね、そういうの」チラッ

友「ブェェ!!蚊柱に突っ込んだ!!」

幼友「はぁ...」
256 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/05(金) 01:43:31.95 ID:zMAnx7OS0
男「んじゃ、とりあえず樹液が出てる木を探すか...といってもあちこちに生えてるけどな」

幼「あっ!あそこの木、樹液に虫が集まってます!」

幼友「え?どこ?」

男「あー、あれか。...さすがにこの時間じゃカナブンしかいねーな」

幼友「だからどれよ」

友「まぁ待て。多分俺と幼友には見えねーよ。こいつら視力ヤバイから」

幼友「どこの原住民よ...」
257 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/05(金) 01:44:20.78 ID:zMAnx7OS0
男「今確認できるのは...アオカナブンとシロテンハナムグリと...ありゃキタテハか?」

友「結構高い所に集まってんな...これってカブト居たとしても取れなくね?」

男「それは大丈夫だ俺に考えがある」

幼友「ねぇ、この木の裏側になんか穴あいてるんだけど」

男「マジか、でかしたぞ幼友。誰かライト持ってね?」

幼友「なにすんの?」

男「カブトとかクワは夜行性だからな。昼間は木の根元とかこういう穴に潜ってたりすんだよ」

友「うほっ!俺ライト持ってるぜ!」カチッ

ライトを穴にむけ、スイッチを入れた友。
しかし俺はこの時、完璧に忘れていたのだ。奴等の存在に...。
人家へ侵入し、食料を奪い、存在するだけでその場を汚染する...。一般的には人家での発見が多い為誤解されやすいが、奴等の本来のフィールドはむしろここ。
俺達は不用心にも、眠っている奴等を起こしてしまったのだ。

スイッチを入れたライトが照らすその先には...



        じょうじ
258 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/05(金) 01:45:40.28 ID:zMAnx7OS0
友「ぬぁぁあああああああああ!!??」

幼友「キャッ!!」

男「うおっ!なんだよ急に!いきなり大声出すなよ」

幼「どうしたんですか友君?あっ...ゴキブリですね」

いや、大げさだと思うかもしんないけど気持ちは分かる。パッとライトつけて目の前に黒くてデカイゴキブリが3匹もいたらふつーは焦る。
しかもあっちもびっくりして急発進するからなおさら怖い。

幼友「もう!ホントにびっくりしたじゃない!ゴキブリぐらいでいちいち大声ださないでよ!」

友「いやだってよ!?あれだぜ!?ザッ!ってきたんだぜ!?びびるわ!!」

そうこうしていると一匹のゴキブリが俺達に向かって飛んできた。

友「飛んだ...だと!?」

ゴキブリの飛行コースの先には幼がいる。まずい!守らねば!!

男「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!」

急いでゴキブリと幼の間に入る。

男「待ってろ...ッ、今助ける...!!」

幼はポケーっとした顔でこちらを見たまま微動だにしない。
きっと恐怖で動けないのだろう。決して何やってんだろうこの人的な目で俺の事を見ているのではない。
俺はポケットの中にはいっていたガムを口にいれ...デンキウナギを身体に感じるッ!

男「道(そこ)を....退け(どけ)!!」ビシッィ!






.....すっごい静かになった。
そういやこの時代にゃまだテ◯フォーマ◯ズやってねーな。こいつらに通じないわけだ。
それにしても...どうすんだこの空気...ゴキブリもどっか違う方飛んでっちゃったし...
まずこの立てた人差し指をどうにかしよう。

259 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/05(金) 01:47:33.81 ID:zMAnx7OS0

今日はここまで。
ごめんなさい。
ただの悪ふざけです。
笑って流してください。
260 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/12(金) 00:02:18.83 ID:woKLeB7o0
【ベイトトラップ】

男「じゃあこの辺にトラップを仕掛けるか」

幼友「トラップって言ってもエサは?」

男「友が持ってきてるはずだ」

友「おう。これが俺様特性のバナナトラップだぜ!」

幼友「なんか...変な色、しかも臭い」

男「お前...通報するぞ?」

友「なんでだよ!?」

まぁ大方黒糖と焼酎で漬けたんだろ。樹液に集まる昆虫にはこれが一番だからな。

友「これを半分に折って網の袋に入れて木にくっつけるぜ!」

男「ほう、お前そっくりだな」

友「は?」

男「短小包茎」

友「ちげーわ!!もっとちゃんとしてるわ!」

幼友「あんた達大声で頭の悪い会話しないでくれる?」
261 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/12(金) 00:05:14.14 ID:woKLeB7o0
【閑話・未来からの知識】

友「っつーわけで夜になったからトラップ回収に来たわけだが」

男「結構いるじゃねーか。よかったな」

ちなみに夜の森は危ねーので女の子二人は置いてきた。
トラップには結構な量の昆虫が誘引されていて、カブトにコクワ、ノコギリなんかが集まってる。

友「あそこの高い樹液に集まってるのはどうすんべ?」

男「これを使う」

肩に担いで持ってきた一本ハシゴ。師範からの借り物だ。

男「これを樹の根元から垂直にくっつけて...っと」ガチャ

友「倒れねーか?」

男「片蝶結びで止めるから大丈夫」

友「...お前さ、なんでそんなに色々詳しいわけ?この前から人が変わったみたいに博識になったけど」

男「....」

友「なんとなく夏休み入った時から不思議に思ってたんだよな。うまく言えねーけど...なんかやけに大人っぽいというか...」

まぁ実際に10歳も歳食ってるからな。それにしても正直驚いた。幼母に気付かれるのは分かるがまさかコイツに勘繰られるとは。

男「...なんもねーよ、いつも通りだ」

友「...そっか、じゃあ気のせいか」

すまんな友、もうちっと待っててくれ。
いつか必ず打ち明けるから。

男「おし、じゃあとっとと捕まえて帰るか」

友「そだな、腹も減ったし!」

男「なんだハラ減ったのか、これ食うか?」

友「んぁ?何これ?白いかりんとう?」

男「いや?カミキリムシの幼虫。さっき朽木で見つけた」

友「食えねーよ!?」

いや食えるから。
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/12(金) 00:22:32.00 ID:78zYcu0Wo
待ってた
更新ペースもあってか全然完結見えないけど頑張って!!!
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/13(土) 20:15:10.61 ID:HKjyS262o
ピーナツバターのようなまろやかさ
264 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/14(日) 23:42:44.89 ID:Wu6kOMgD0
【チューペット】

ミーンミンミンミンミンミー
ミーンミンミンミンミンミンミー...

男「ったく暑っちぃなーおい。なぁ幼、どっか寄ってアイス買おうぜ」

幼「そうですね♪買い物も終わりましたし、賛成です」

友「おっ!男に幼ちゃん!」

幼「友くん。こんにちは」

男「うっす、奇遇だな。ん?お前何持ってんの?」

友「ん?あぁ、さっき駄菓子屋でチューペット買ってな」

男「...半分よこせ」

友「なんだその高圧的な物乞いは...まぁいいけどよ」ポキッ

男「サンキュ」ヒョイ

友「ちょっ待て、そっちの丸いやつがついてる方は俺のもんだ」

男「はぁ?どっちも変わんねーだろ」

友「いーやー!変わるね!こっちの開け口っぽいやつより絶対量多いって!幼ちゃんもそう思うべ!?」

幼「いや〜...どうでしょうか?」アハハ...

男「てめぇ幼巻き込んでんじゃねぇぞ」

ギャーギャー!!

幼友「あれ?幼ちゃんじゃない...と男と友?」

幼「あ!幼友ちゃん!」

幼友「何してんのこいつら?」

幼「譲れない男同士の戦いです」キリッ

幼友「あっそ...そうだ幼ちゃん、チューペット如きで騒いでる奴らは放っておいて一緒にアイス食べない?」

幼「いいんですか!?」ワクワク

幼友「いいわよー。はいパピコ、半分あげる」

男,友「「!?」」

265 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/14(日) 23:44:19.92 ID:Wu6kOMgD0
>>262
ありがとう、頑張る
>>263
経験者か
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/16(火) 17:37:57.15 ID:ohC6tRHwo
ぱーーぴーこっトットットットぱーぴーこトットットットぱーぴーこトットットット
267 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/29(月) 02:06:31.96 ID:qALQKxUA0
【いなりコンコン】


男「ただいま」

幼「お邪魔します♪」

友「ちゃーっす!」

友「悪いな、急にお邪魔しちゃって」

男「いやまぁ、それはいいんだが」

あれ?さっき俺が家を出るまでばーちゃんと狐娘がいたはずだが...

幼「あ、男君。書き置きがありますよ?」

男「んぁ?」

あーなるほど。夕飯の買い出しに行ったわけだな。...なんだこの前衛的な絵は。何の獣だ?

男「お前らは先に居間へ行っててくれ。茶でも出すから」

友「サンキューな」

先に行けとは行ったものの台所のすぐ後ろの襖をあければ居間なので
後も先も無い気はするが。

友「うお!何こいつ!めっさ可愛いじゃん!」

幼「この子...この前も男君の家に来てた子ですね〜」

....なんか居間から聞こえんだけど。これアウトなパターンじゃね?
むしろヤな予感しかしねぇんだけど...

男「お前ら、何のはなs...」

狐娘「グォー...スピー...グォー...スピー」

【悲報】うちの狐が毛布被って爆睡してた件

...なにしてくれちゃってんのこの子?ねぇ?

幼「男君、この子飼ってるんですか?」キラキラ

男「へ?...あぁ!そう!そうなんだよ!この前ばーちゃんが山で拾ったらしくてさ!」

もうこれしか無い。ぶっちゃけこの辺じゃ野生動物飼ってる家は珍しくない。
この前近所のじーさんが犬拾ったっつってタヌキに首輪付けてたし。
野生動物保護法も鳥獣保護法もここじゃ通用しねぇんだ。

友「へぇー、ちゃんと毛布まで被って...かわいいなぁ!」

男「あれ?毛布はお前らが掛けてくれたんじゃないの?」

幼「最初から掛けられていましたよ?」クビカシゲ

ってことは、だ....
ばーちゃんにもバレてる!?
いや、ばーちゃんならこのまま捌いて食いそうだけどな...
でもキツネだしなぁ...イヌ科だしなぁ...関係ねぇか。ってかあの絵の獣は狐だったのか。

友「なぁ、こいつの名前なんてーの?」

幼「私もすごく気になります」フンスッ

男「え"?そ、そーだなぁ...」

え?名前っすか?ってかコイツ名前なくね?変なのつけたら怒りそうだなぁ。
なんかキツネっぽい名前...えーっと...狐っつたらなんか和風な感じか...
和と言ったらなんだ?太鼓か?音...音楽...和風の唄...
...お、なんかいい感じ。

男「そうだな、コイツの名前は....


             “いろは”だ」

その時、ちょっとだけ狐娘、改め“いろは”の耳が少し動いた気がした。
268 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/29(月) 02:07:47.19 ID:qALQKxUA0
【狐娘“いろは”side】


狐娘(あっちゃー...油断したわ。まさかここで爆睡しちゃうなんて)

狐娘(大体男が悪いのよ、最近結構あたしのこと放ったらかしにしすぎ。あたしなんて暇で寝るしかないじゃない)

狐娘(ちょっと!なに勝手に飼ってる事にしてんのよ!あんた何様よ!...いや一応私の主ではあるんだけどね)

狐娘(名前?...あたしに名前なんてないわよ。そもそも唯の神の遣いなんだから)

狐娘(...名前なんて...今更いらないわよ.....)

狐娘(....え?)

狐娘(........)

狐娘(“いろは”...かぁ...)

狐娘(...まったく...あたしに許可も得ないで勝手に名前つけないでよね)

いろは(...バカ主め)クスッ♪

どこまでも透き通るような声で呼ばれた名前は、狐娘の中にスッっと入り、どこまでも染みこんでいった。
269 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2014/12/29(月) 02:09:09.65 ID:qALQKxUA0
お久しぶりです。
なんか最近書いてる内容もつまんないし
ネタもねーなという相乗効果でなかなか書けませんでした。でも一応エタる気は一切無いです。
もう読んでいる人もホントに少ないと思いますが、4人と一匹の夏物語はまだ続きます。
なんとか見れる内容にはしたいと思いますので、数少ない読者の方は応援よろしくお願いします。
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2014/12/29(月) 03:30:52.51 ID:ozLG/Enco
いっそ強引にシナリオ進めてみるのもモチベあげる一つかと
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2014/12/29(月) 10:19:57.57 ID:juNz/gIx0
知ってたか? 1つレスが着くとその背後には30人いるんだぜ?
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/03(土) 15:20:35.94 ID:kWLOGQiKo
自虐はいかん自分で自分を追い込んじゃうぜ
堂々と楽しく妄想を垂れ流そう
273 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/07(水) 01:03:04.95 ID:Xkt248G10
男「さて...とりあえず二人には帰って貰ったが...」

いろは「うぅ〜...こればっかりは...ごめん」

男「はぁ、まぁ今更言ってもしょうがねぇしな。どうせずっと隠し通すのも無理なんだ、いいきっかけぐらいに思うしかないな」

いろは「それはいいんだけどさ...あたし尻尾9本あるんだけど...どうする?」

そうだ。コイツは唯の狐じゃない。もう普通に喋ってる時点で普通じゃないが、見た目も少し変わっている。
金色の毛はいいとしてもまず身体がデカイ。普通の狐の3陪近くある。そして尻尾も9本ある。
言ってみればコイツは妖怪みたいなもんだ。さっきは毛布を被っていたから多少誤魔化せたけが、普通に立って生活してたら不自然過ぎる。
だが大学で生態学と生物多様性概論を学んだ俺に死角はない。

男「それは大丈夫だ。俺が上手く説明する」

いろは「できるの?」

男「とりあえずホンドギツネの変異型ってことで説明しとく」

いろは「それって大丈夫なのかしら...まぁいいわ。あんたに任せるわ」

男「もともとホンドギツネもキタキツネもアカギツネの亜種だからな。今更尻尾が増えようと問題ない」

いろは「それとこれとじゃ別なんじゃ...」

男「ところでお前は平気なのか?」

いろは「...」

男「おい?狐娘?」

いろは「...お前でも狐娘でもないんじゃないかしら」ツーン

男「お前...案外乙女っつーか...めんどくさいな」

いろは「はぁ!?あんたが勝手に付けた名前でも快く受け入れてあげるって言ってんの!!いいからさっさと呼びなさい!」

男「はいはいわーったよ。...いろは」

いろは「ん、よろしい」

そう無愛想に返事をしたいろはの顔はあからさまに緩んでいた。
なんだよ、かわいいとこあんじゃん。
274 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/07(水) 01:03:50.45 ID:Xkt248G10
いろは「それで?なにが大丈夫って?」

男「今は成り行きで狐の姿だけど基本的にお前っt「いろは!!」...いろはって人の姿だったろ?その辺はどうなのかなって思ってな」

いろは「一応人の姿の方が生活しやすいから普段は人の姿でいるつもりよ?あの子達が来た時だけこっちの姿になればいいんじゃないかしら?」

男「だったらずっと人型でもいいんじゃねぇの?どうせ俺以外には見えないんだし」

いろは「あんたバカなの?さっきあたしをペット呼ばわりしたのはどこのどいつよ」

男「...そういやそうだな」

いろは「流石にずっとペットの姿を見せないってわけにはいかないんじゃないの?」

男「それもそうか、すまんな」

いろは「別にいいわよ、そんなに苦ってわけじゃないし」

そう言って尻尾をふりふりさせるいろは。
...なんだか今のコイツは機嫌がいいな。まぁ鈍感主人公ってわけでもないから理由はわかるが。
275 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/07(水) 01:07:02.84 ID:Xkt248G10
>>270 
アドバイスありがとう。ちょっとやってみる。
>>271
ホントにそうだったらありがたいんだがな。
>>272
それもそうだな。ありがとう。がんばるぜ。

みんな米ありがとう。とりあえずがんばるよー
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/07(水) 01:09:49.04 ID:1SFbU/P4o
他人のSS口出しするの良くないけどストーリーの方向を修整してるうちに書きたい話思いつくからがんばれ
待ってたはよ
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/08(木) 11:36:12.21 ID:XvW0q1VlO
他のスレのことを言うのもなんだけど、数年前から続いてるスレで1ヶ月に1レス程度、付くレスも2つ程度でゆーっくり進んでるSSもあるんだから気にすることはない
人それぞれ
278 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/25(日) 00:37:25.63 ID:VQgfW9Gv0
【りんぎょう!】

今日も今日とて自堕落な夏休みを謳歌中な俺。
特に予定も無く幼も幼母と一緒に隣町に買い物に行ったらしいので不在だ。
暇な俺は自分の部屋で結末を知っている漫画を読んでいる。
...そう、結末知っちゃってんのよ俺。
どんな漫画呼んでもドラマ見ても結末知っちゃってるからあんまり楽しめない。
結末知っているからこそできる楽しみ方ってのもあるしな。バルスって叫ぶとか。

まぁそんなことはどうでもいいのだが....

いろは「〜〜♪」バッサバッサ

男「...おい、いろは。埃が飛ぶから尻尾揺らすな」

いろは「埃が飛ぶってことはあんたがちゃんと掃除してないからでしょー。しっかりしなさいよねー」バッサバッサ

男「くっ...」

ぶっ飛ばしてやろうかこの野生動物が。
ただまぁ言ってることが正しいので反論できないのが現実。
この尻尾と狐耳がついてるただの美少女の名はいろは。
好きなモノは堅焼き煎餅で嫌いなものは蝉。この前部屋で死んでいる蝉を外に捨てようと拾いあげたらいきなり激しく抵抗されたのでビビったらしい。
ぶっちゃけ蝉に怯える姿はかわいい。

ちなみにこの前名前を付けてやってから上機嫌らしく、俺と居るときは常に尻尾振ってる。
そんな従順な子犬みたいな可愛さは求めて無いから。
279 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/25(日) 00:38:25.54 ID:VQgfW9Gv0
まぁいろはの言ってることは正しいのだがハイそーですかと言えるほど俺も大人ではない。

男「....」ガバッ!!

いろは「ひゃっ!!なっ!」

男「この居候娘が!掃除ぐらいお前がしろ!!」モフモフモフモフ

いろは「ちょっ!尻尾はっ..やめて..って!!」

男「てめーこの尻尾9本もあるんだから一本ぐらいモップにしろや!ダス◯ンに売り飛ばすぞ!」モフモフモフモフ

いろは「このっ!...やめてって..!言ってるでしょ!!」バキッ!キュッ!

男「いでででで!?ギブギブ!!骨がおかしくなる!!」ギリギリギリ

いろはは尻尾にじゃれつく俺にキレイな膝蹴りを決め、流れるような動作で腕ひしぎ腹固めを決めた。

いろは「はぁ...はぁ...はぁ....次やったら腱切るから」

男「ぜぇ...ぜぇ...ぜぇ...ぜぇ...お前なんでそんな強いの?世紀末覇者なの?」

あと腱切るってなんだよ。こえーよ。

いろは「その気になればあんたの全身の穴という穴から緑色の液体噴射させることもできるわよ」

男「それはお前がすごいんじゃねぇ、俺がすごいんだ。むしろキモいんだ」

このクソ暑い夏の昼間にプロレスごっこしたせいで穴という穴から汗が染み出てきた。
別にキモくない。汗だもん。

いろは「もー、あんたのせいで汗かいちゃったじゃない..。シャワーあびてくるわね」

男「勝手にどーぞ」

そういっていろはは一階に降りていった。
そうそう、じゃれてる間中いろはがずっとニコニコ笑っていたのは黙っておこう。
あいつは素直じゃないしな。
280 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/25(日) 00:39:00.36 ID:VQgfW9Gv0
とりあえず部屋を掃除しようかと立ち上がると、外から声が聞こえた。

友「おーい男ぉ!いるかー?」

部屋の窓を開けて軒先を見下ろすと友と師範が立っていた。

男「師範、どうもこんにちは」

師範「よぉー男!いきなり来てすまねぇな!」

男「いえ、全然大丈夫ですけど...どうかされたんですか?」

師範「いやなに、ちょっとお前に手伝ってもらいたい事があってな?いま出れるか?」

男「大丈夫ですよ。何をすればいいんですか?」

友「ねぇ、さっきから二人共俺のこと華麗に無視してるよね?ひどくない?」

男「...!!...いたのか...友」

友「お前完璧俺の声で外見たよね!?」

師範「お前は虫けらだ!!」

友「それただの悪口ですからね!?何もうまくないですからね!?ちょ、ドヤ顔やめろ腹立つ!」

男「それで師範、何を手伝えばいいんですか?」

師範「あぁ、ちょっと俺の管理してる山の下刈りとか蔓刈りとか除伐とか...まぁ林業作業だな」

男「...はぁ、なるほど」
281 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/25(日) 00:43:09.01 ID:VQgfW9Gv0
>>276>>277 ありがとう。がんばるぜ。

今日はここまでっす。
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/25(日) 01:34:11.72 ID:NDw6zSK9o
書きためてるのかな?
とにかく乙
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/25(日) 07:59:29.25 ID:Mivn/ad+0
おつんつん
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/01/25(日) 10:09:17.88 ID:/W0FJFaQO
今日初めて読みました!
がんばってください♪
285 :渋の天才作家が書いてます!こんなのよりずっと面白いので是非見てください! :2015/01/25(日) 11:22:30.13 ID:z/3Y8Apo0
とある異常の風紀委員
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1414823663/
286 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/25(日) 22:35:17.87 ID:VQgfW9Gv0
とりあえず林業作業ということなので着替えることにした。
特別な服装というわけでもなくつなぎに農スパだ。
ちなみに農スパと言うのは農業用スパイクの略で、簡単に言うと長靴のことである。
俺の履いている農スパはつま先に鉄板が入っている、いわゆる安全靴仕様になっている。それと簡単な作業具だけだ。

んで、問題はアイツだが...

男「おーい、いろは。今からちょっと出るけどお前はどうする?」

どうせ来ないだろうが一応声ぐらいは掛けておいたほうがいいだろう。
洗面台の外から風呂場に居るであろういろはに尋ねる。

いろは「え?ちょっと待って、どこいくの?」

男「あー..師範の山に行くんだが...え?くんの?」

いろは「あたりまえでしょ、あたしはあんたの補佐役を任されてんだから」

男「なんかすげぇ久しぶりに聞いたなその感じ。いままで散々放置してたくせに」

いろは「つべこべ言わないの。ほら、髪乾かして」ガラガラ

男「おまっ!いくらタオル巻いてるからって出てくるなよ!」

いろは「いいじゃない別に。それともなに?あんたあたしの身体見て欲情しちゃうわけ?」

男「浴場だけにってか?」

いろは「....」

男「....」

いろは「....しね」

男「返す言葉もございません...」

いろは「...さっさと乾かして。ほら、ドライヤー」

男「ウィッス」
287 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/25(日) 22:35:52.92 ID:VQgfW9Gv0
男「さてと...いろはの髪も乾かし終わったし、さっさと出るぞ。師範も待ってるし」

いろは「あ、ちょっと待って」ドロンッ!!

いろは(キツネモード)「これでよし」

男「なんで狐んなる必要があんの?」

いろは「いろいろ考えたんだけど、あんた以外の人間と関わるときは狐の方が都合がいい気がするのよ。どうせペット認定されてるわけだし」

男「それもそうだけど...会話はどうすんだ?」

いろは(これでいいでしょ?)

男(あぁ、すっかり忘れてたわ)

なんと便利なご都合機能だろうか。
288 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/25(日) 22:36:28.57 ID:VQgfW9Gv0
師範「おう男、遅かったな」

友「お!いろはじゃん!」

いろは「コーン」

男「すいません師範、遅くなってしまって」

師範「それはいいんだが....何だこの狐?」

男「この前神社で拾ってから飼ってるんですよ」

嘘は言ってないぞ。

師範「へー!いい顔してるじゃねぇか!しかも九尾かよ!縁起がいい!」

友「そうなんスか?」

師範「この辺りじゃ狐は村を護る神様として信仰されてんだよ。山犬は山を、狐は村をって感じでな」

知らなかったそんなこと。だからあの神社にお稲荷さんの祠があったのか。

師範「男、狐は大事にしてやんな!ほれほれお前と狐は荷台だ。乗った乗った!」

そう言って軽トラの荷台に載せられるいろはと俺。
荷台には既にチェーンソーや刈払機等が載せられていた。

師範「分かってるだろうが走行中に立つんじゃねーぞ?頭打つからな」

いろは「」コクコクコクコク

いろはがすんごい勢いで頷いている。
...そういやコイツ軽トラの荷台で頭打ったことあったな。バカだから。

289 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/01/25(日) 22:38:43.77 ID:VQgfW9Gv0
>>282
書き溜めてないよー。いきあたりばったりだよー。
>>284
ありがとう。
気に入ってもらえると嬉しいです。

今日はこのへんで。
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/28(水) 11:19:22.72 ID:PxQKd8hKo
(バカだから)
291 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/02/08(日) 02:23:18.65 ID:UayVNCBq0
師範「よっしゃ、到着」

着いた先は師範が管理する山の一つ。
普段は造園業を営んでいる師範だが、このように放置された杉林等の管理も行っている。

師範「とりあえずチェーンソーだけでいいや」

男「一本梯子はいいんですか?」

師範「今日はやるのは間伐だけの予定だ。枝打ちはこの前一通りやったからな」

男「刈払機は持っていったほうがよくないですか?見た感じクマザサとか生えてて邪魔そうですし」

師範「軽トラに載ってるのはチップソーなんだよ。まぁ使えない事もないが友がキックバックおこしそうだしな」

男「…ありそうで怖いですね」

友「さっきからよく分かんない事言ってるけど馬鹿にされてるのはわかるぞ?お?」

そういやこいつさっきから黙ってばっかだな。
まぁ今の会話が理解できたら普通の人じゃねーな。
チップソーは刈払機の刈刃の一種でキックバックは刈払機やチェーンソーの使用中に起こる事故の一種だ。
簡単に言うと刃が弾かれて自分に向かってくる現象のこと。

男「でもよ、別に初めての作業ってわけじゃねぇんだからさすがに少しは覚えろよ」

友「手伝うのなんてほんとにたまにじゃねぇかよ。ってかなんでお前はわかんの?」

男「いや…なんか覚えた」

言えない…10年後にチェーンソーと刈払機の取り扱い講習受けて修了免許もってるなんて…。

男「まぁそれはおいといて、ナイロンコードの刈払機ないんですか?」

師範「家に置きっぱwww」

男「おい…」

師範「まぁ手間だろうがナタで頼むわ。男も友もナタ持ってきたろ?」

友「まぁ師範が持ってこいっつーんで」

俺も林業作業ってんでナタは持ってきた…が…。
ナタで作業とかぶっちゃけマジめんどくせぇ。

男「まぁしょうがないですね。じゃあチェンソーだけ持って行きますか。友はこのカゴ持て」

友「うぃー」
292 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/02/08(日) 02:24:05.71 ID:UayVNCBq0
杉林の中は日光が遮られ、夏真っ盛りだというのに少しひんやりしてた。
一緒に着いてきたいろはなんかは快適そうで尻尾を振っている。

男(なぁいろは、お前狐の姿で暑くないの?)

いろは(ぶっちゃけさっきまでは死にそうだったわ。でもここなら涼しくてへーきよ)

男(…ってか作業中お前はなにしてんの?)

いろは(特になにもしないわよ?この体じゃ出来ないしねー)

なんでついてきたんだコイツ…。
いっそ人型なら下刈りの手伝いさせたのに。

師範「じゃあまずは刈りだ。この辺のササとかをどんどん刈っちゃってくれ」

男、友「ほーい」

といっても雑草木が生えてるのはほとんど入り口付近で、奥はあまり生えていない。
これならすぐに終わりそうだ。

293 : ◆P8G.IC5UqUBR [saga]:2015/02/08(日) 02:25:35.61 ID:UayVNCBq0
とりあえず投下。
わかる人にはわかるシリーズ。
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/08(日) 11:51:52.00 ID:fC0lD+X9o
追いついてしまった
完結してくれよー
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