忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」

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32 :1 [saga]:2013/09/03(火) 03:47:55.54 ID:BWQtBJ+K0
>>31
いわゆる、「男の娘」って感じです。
ちょっと描写にムラがあるせいで、どうにもシリアスに寄りすぎるきらいがありますが、GIDのような問題を扱う話ではありません。というか、それじゃ重すぎて書いてる方も気が滅入ってしまいそうですし……。







――ほら、またこの光景。

 視界いっぱいに広がる、草木の緑。
 ドアの近くに佇み優しい表情を浮かべる、大好きな父と母。
 草原を走り回る愛犬と、それを追う――私たち。


「……アリスは、お人形さんみたいですね」

 そう、ここでシノがこう言うんだ。
 木陰に背を預けながら、二人で話す一時に。
 包み込むような優しい笑顔で、私に語りかけてくる。

「ふふ、お人形さんみたいで、とても可愛いです」
「――シ、シノだって可愛いよっ!」

 シノが私を褒めてくれればくれるほど、私の顔の赤みも増していく。
 だから、私はいつも照れ隠しをするんだ。

「シノみたいな女の子、なかなかいないよ……」
「――女の子、ですか」

 何故かここで、シノはいつもどこか複雑そうな表情をする。
 当時の私は、そんなシノはどこか儚げで、より魅力を感じたから気に留めなかったけれど。

「……わ、私っ!」

 そんなシノを見ていると辛抱たまらなくなって、私は更に言葉を続ける。

「シノに、また――会いたいからっ!」

 もうすぐ、日本に帰ってしまう、私の大好きなシノに。
 一気に、言葉を畳み掛ける。


「いつか、日本で――シノと、一緒に……!」



 そこで、記憶は途切れる。
 その時、私はどんな言葉を続けたのか。
 そして、シノは――どんな……
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