過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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798:名無しのパー速民[sage saga]
2018/10/30(火) 18:29:13.68 ID:Fe/MllEZ0
【街中――路地裏】
【夕暮れの時刻も過ぎた頃合いだった、空はすっかりと暗くなって、烏はとうに寝床に帰り、きっと今頃家族団欒で晩御飯でも食べていた】
【ならば路地裏はひどくひどく静かであった、――――ならば、或いは耳聡い者が近くを通るなら、聞き取るのかもしれなかった、ちいさな、ちいさな、その物音】

――――――っ、ひっ、ぐ、――ぁ、あぁあ、っ、――――っ、っ、

【――そうしてまた気づくのなら、それは泣きじゃくる少女の声である、と、気づかせるのかもしれない。さながら取り残された地縛霊のように、微かなものではあったけど】
【或いは、――誰ぞが噂していたかもしれない。いくらも前の時刻、そのあたりで、まるで建物が崩れ落ちるような音がしたのだと言う。ならば、警察でも来そうなものだが】
【いくらかの集団心理と近頃の風潮、――即ち能力者が関係する犯罪ではないかと及び腰になった人の多いこと、それなら、偶然にも認知されながら、通報はされず】
【ましてや誰かが確かめに行くはずもないのなら、――"だれか"が通りがかるなら、きっと、第一発見者。地面にうずくまっているのは、やはり少女であり】

【――――腰元まで届く真っ白いはずの髪は土埃を浴びたようにくすんだ色をしていた、白磁の肌も同様であるなら、紅紫色の瞳だけが色鮮やかに】
【黒色のパーカーはいくらもサイズの大きいものであるのか袖が余っていた、そのくせに、胸元はそうでないと苦しくて仕方ないみたいに、豊かであって】
【膝上丈のスカートは柔らかな布地のもの、これもまた黒くて、上下ともに土埃に塗れた色、白っちゃけた様相になっているのだろうか、】
【長い袖から覗く指先は両手共にドレスグローブで隠され。足元もまた丈の長いソックスで隠すなら。靴はありふれたスニーカー、年頃は十七歳ほどだろうか、と思わせ】

ぐすっ――、えぅ、――――っ、っあ、――〜〜〜っ、

【ともすれば路地裏にありがちな"非道い目"に遭ったのかとも思わせた、けれどそうでないというのは、土埃にまみれた彼女の恰好と、それから、光景が保証するのだろう】
【――なにせ建物のひとつが粉みじんに成り果てていた、幸いにも廃墟であったのか、その中身はがらんどうで、その代わりに大量の埃を巻き上げたと見え】
【――――ぼろっちい建物ではあったが、自然な倒壊とみるにはあまりに"こまかく"なりすぎていた。ならば何かあったらしかった。なら、そこに座り込む少女は】

【あるいは何か知っているのかもしれなくて、――膝の上に転がした赤ぶちの眼鏡が煌めくなら、そろそろ、お月様も登り始めていた】

/日付変わる頃までのんびりお待ちしてますっ


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