過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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796
:
名無しのパー速民
[sage saga]
2018/10/30(火) 17:38:52.30 ID:Fe/MllEZ0
>>795
【自分でこさえた殻を割ろうとしている自分を見ている自分が居た、どれだけ押しとどめようとしても止めるための方法を忘れてしまって、思い出せなくなって】
【拒食症の人間が一口食べたなら止まらなくなってしまうみたいに、ほんの少しだって壊したらいけないものに爪を掛けたら、止まらなくなった、ぱきぱき罅の音がしても】
【脳裏に巡らす魔力群が一つ一つその指先を止める方法を探すのに、そうしている間に指先はどんどんと作業を進めてゆく、そうして気づくなら、逆らう自分さえも、居ない】
以下略
797
:
◆zO7JlnSovk
[saga]
2018/10/30(火) 17:43:40.24 ID:Dn8M4cA7o
>>796
【イルは消え去る、嘲笑を残して、──── 残した歪な微笑みの中に一杯の悪巧みを孕んで】
【そして同時に、かえでの心へと深い傷跡を残すのだろう、──── 其れは誰にもいやせない傷に似て】
【──── それ故に深く、あまりにも、濃い────】
以下略
798
:
名無しのパー速民
[sage saga]
2018/10/30(火) 18:29:13.68 ID:Fe/MllEZ0
【街中――路地裏】
【夕暮れの時刻も過ぎた頃合いだった、空はすっかりと暗くなって、烏はとうに寝床に帰り、きっと今頃家族団欒で晩御飯でも食べていた】
【ならば路地裏はひどくひどく静かであった、――――ならば、或いは耳聡い者が近くを通るなら、聞き取るのかもしれなかった、ちいさな、ちいさな、その物音】
――――――っ、ひっ、ぐ、――ぁ、あぁあ、っ、――――っ、っ、
以下略
799
:
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]
2018/10/30(火) 21:55:30.92 ID:T8uXkBlp0
>>798
【―――それはまるで夜風のように、いつしか流れ込んできていた。】
【泣きじゃくる少女の前にはいつしか誰かが立っており、その人物は膝を抱えて座り込むとシルクのハンカチを差し出す。】
以下略
800
:
名無しのパー速民
[sage saga]
2018/10/30(火) 22:11:31.05 ID:Fe/MllEZ0
>>799
【そうして誰かが彼女を観測するのなら、それはひどく子供じみた振る舞いであると思うのかもしれなかった、そう思えるだけの要素は十分すぎるほど】
【その実態がどうあれ、"とんでもない失敗"をしたと、してしまったと思う子供が、"そのこと"がバレたら、母親や父親に捨てられてしまうのではないか、と怯えるような】
【一度そう思ってしまったら、そんなことないっていくら自分に言い聞かせても不安で仕方がなく、どうしようもなく泣きやめないときのような、深い絶望に浸されて】
以下略
801
:
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]
2018/10/30(火) 22:23:02.71 ID:T8uXkBlp0
>>800
【銀髪の人物は拒絶されなければ相手の背中をゆっくりと摩ろうとするだろう。母が子にするように】
【少女の呼吸に合わせるように、ゆっくりと、ゆっくりと―――夜がとても長く、長く感じるほどに。】
以下略
802
:
名無しのパー速民
[sage saga]
2018/10/30(火) 22:33:14.17 ID:Fe/MllEZ0
>>801
【――ぐずぐずに乱れた吐息は、きっとそうされるたびにいくらかの安らぎを取り戻してゆくのだろう、他人に触れられるのは好きだった】
【ましてや母が子にするように慈しむような仕草であるならば、余計になのだろう。なんせ子供みたいに泣きじゃくっていたのだから、それが効かぬはずもなく】
【だけれどよっぽど怖いことがあったらしかった。きっとどこかが痛むのだった。――見るに怪我をしている様子はないから、きっと、怪我をしてしまったのは心なのだと】
以下略
803
:
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]
2018/10/30(火) 22:49:55.10 ID:T8uXkBlp0
>>802
【見上げれば、女が微笑んでいる。銀髪に緋色の瞳をした若い女がまるでわが子をみるような慈悲深い眼で少女を見ている。】
【距離を開けられその場で膝を抱えながら微笑む姿はある種彫像のようにも見えた。】
以下略
804
:
名無しのパー速民
[sage saga]
2018/10/30(火) 23:03:45.90 ID:Fe/MllEZ0
>>803
【――――みとめた顔に、彼女は微かに息を吐くのだろう。そうしてそれは至極安堵の仕草によく似ていた、だって、なんだか、似ている気がして】
【そんな風に思うのはおかしいのかもしれないんだけれど。――だとしても、事実として、彼女のひどく乱れた呼吸はいくらも楽なものへなっていたのだから】
【まだいくらも涙の余韻で顔は赤いし鼻とか目は真っ赤なのだけど。ただもとより赤い瞳であるのなら、後者は特に気にならないだろうか、たとえ前に観測されたときに瞳が青くとも】
以下略
805
:
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]
2018/10/30(火) 23:21:47.79 ID:T8uXkBlp0
>>804
【「かえで、かえではいい子だね、かえでは何も悪くない、悪くないんだよ」】
【「悪いのは―――間違ってるのは―――だって世界≠フ方なんだから。だから大丈夫」】
以下略
806
:
名無しのパー速民
[sage saga]
2018/10/30(火) 23:45:43.17 ID:Fe/MllEZ0
>>805
【――あるいは、彼女が十全な精神状態であったなら、聞くはずもない甘言だった。そもそも、そうでなければ投げかけられる必要もまた、ないのだろうけど】
【だめな子。いらない子。言われたくない。思われたくない。理屈の分からぬ不安。その気持ちがどこから来るかさえ分からなかった。どこかで誰かと居たかった】
【改めて嫌われてしまうのが怖いから、最初から好き勝手に振る舞うようにしていた。触れ合う前に嫌われる方がましだから。だけど本当は誰にも嫌われたくなくって】
以下略
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