過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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名無しのパー速民
[sage saga]
2018/10/30(火) 17:38:52.30 ID:Fe/MllEZ0
>>795
【自分でこさえた殻を割ろうとしている自分を見ている自分が居た、どれだけ押しとどめようとしても止めるための方法を忘れてしまって、思い出せなくなって】
【拒食症の人間が一口食べたなら止まらなくなってしまうみたいに、ほんの少しだって壊したらいけないものに爪を掛けたら、止まらなくなった、ぱきぱき罅の音がしても】
【脳裏に巡らす魔力群が一つ一つその指先を止める方法を探すのに、そうしている間に指先はどんどんと作業を進めてゆく、そうして気づくなら、逆らう自分さえも、居ない】
【作用を打ち消すために巡らせたはずの阻害の力がいつかの自分の魔力を穢す、台所の角にぶつけた卵に指先を潜り込ますように、それで、そうして、】
うるさ、――、ぅるさい、うるさいッ! ――うるさい!! 私じゃない、――ッ、私じゃないの、わたしじゃ……。
――――ちがっ、――、ぅ、あああああああっ、うるさいなぁッ――、黙れよ、――っ、黙って。――ッ、――――ッッ、
【だからその手のひらには魔力の残滓が散らばるのだろうか。目に見えずとも。感じられずとも。彼女の目には見えているのに違いなかった、無力の証として】
【それは時として燃え落ちた家の残骸であって、病院にて握りしめたシーツの白さであって、ホテルの窓から見下ろした、日の当たる公園の光景でもあり】
【頭の中がぐちゃぐちゃしたなら、溢れる涙はせめて濁った回路を体外に排出することで平静を取り戻そうとしているのだろうか、劈く笑い声に泣きじゃくる悲鳴を重ね】
【何度も何度も打ち出した魔力が建物の壁を容易く抉る、物質的な強度を無視して、建物に致命的な傷を与える。神様が匙でアイスクリームを嗜むみたいに】
【――――だのに、無能だなんて言われたら、彼女は黙り込んでしまうのだろう、だって、】
【家族を救えなくて/神様を護れなくて/取り戻すことさえできず/信じる心すら保てずに/瞬きの瞬間に掠め取ったものの/小さな籠を壊してしまった】
【瞠ったままの眼からぼたぼたって涙が落ちていた、お姉さん座りに畳んだ脚の間に挟んだ両手、そのすぐ傍らに、いくつもの水玉模様を作っていく、ならばひどく無様な有様】
【丸めた背中がびぐびぐ慄くなら、どうしようもなく制御できない吐息をめいっぱいに飲み下す、声を上げて泣くこと、それだけは、絶対、絶対、してしまわぬようにと】
ッ、そんなことない、そんな、こと、――っ、
【ならば息苦しさと引き換えに遅れて思考も追いつこうと言うもの、現実には過呼吸じみて濁る脳髄の、せめてもの足掻き】
【涙で滲んだ視界に意識を込める、――だからせめて何かを手に入れようとした、それは、例えば、この場に病魔を斃せば、いくらかの無様は清算できると信じたいように】
【生きているなら殺す。死ねなくっても殺す。――だのにやはり遅すぎるのだろう、そう至るまでに掛ける時間と魔力を思えば、相手が立ち去るのには、十分すぎて】
【ちっちゃいチョコレートを一つ買うのに高額紙幣を使うよりもたくさんのお釣りがくるのに違いなかった、――ならばやっぱりそんな有様を、無能、だなんて、呼ぶのだろうか】
【――――ひどく劈くような音で、居なくなった相手の背後に位置していた建物が崩落する。立ち上る土埃に咳込むのなら、無能という単語を脳裏に刻みつけるには、やはりお釣りが多すぎて】
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