過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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788:名無しのパー速民[sage saga]
2018/10/30(火) 14:34:23.23 ID:Fe/MllEZ0
>>787

【取り繕った笑みが崩れるのに、然るに瞬き一つほどの時間すら必要ないのだろう。少女の表情は刹那に凍り付く、絶対零度に閉じ込められたシャボン玉より、容易いなら】
【"それ"は彼女のこころをひどく傷つける言葉なのだとあまりに容易く分からせた、彼女はまだ"そのこと"にうまく整理を付けられていないのだと、まだ昨日のように苦しめるのだと】
【ただどうしようもなく愛して/優しくして/――自分の存在と命がそこに在ることを認めてくれる人のところに居るから、彼女は生き延びているだけなんだって】

――――――――――――――、ッ、

【知らぬ間に詰まっていた呼吸を吐き出すのに十数秒の時間を用いた、そうして吐き出された吐息は、即ち、悲鳴と同じ意味合いを持って】
【起きたばかりの喉には難しいだなんて言い訳なんてしやしないけれど――最後の砦に縋るみたいに、彼女は口をつぐむなら、それでも表情の悲惨さは隠しきれない】
【見開かれた眼はそのままで凍り付いていた、だから詰められる距離に対応できなかった。そうしてまた、距離が近づくたびに、恐怖に強張ってしまう】
【吐息が震えていた。「――――やめ、」なんて漏れ出る言葉は、それ以上距離の近づくことを嫌ったのか、それとも、言葉に嬲られるのを、拒絶したかったのか、分からずじまいでも】

――――っ、なんの、……っ、なんの、ことでしょう、――――――――――――――――私、知らないです、そんな、コト。
……やめてください、お買い物に行かなくっちゃ、――アリアさんの好きなお菓子と、それから……。

【或いは少女も気づかぬ間に、壁際まで追い詰められているかもしれなかった。相手がそれほどに距離を詰めるなら、必然的に、そうなってしまうくらいに、彼女は惑っていたから】
【だのに、――薄く浮かべる笑みがどれだけ強張って唇が震えるのだとしても、彼女はそんな風に振る舞うのだろうか、ひどく乾いた気のする喉に唾を落として、せめて声は掠れぬように】
【何かの間違いじゃないかという風に。――そうしてまた心中になにかひどく冷たいものがあるのも気づいていた、だからきっとそれは恐怖によく似て】
【――いつかの日に向けられた視線と言葉を覚えているらしかった。だから、何も知らないだなんて嘘を吐く、――携帯を持ってこなかったことを悔やんだ、今更遅いけど】

【――――――そうしてまた、きっと相手には感じられた。今にも消えてしまいたいと願うように小さな小さな気配の欠片、黒い蛇の鱗の一片、或いは散り行く桜の一片】
【ともすれば水中を流れる紐が水草に引っ掛かってしまうような温度感にて、――それでも間違いなく"そこ"に、居るなら。あるいは鈴の音すら、幻聴よりも色鮮やかに】


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