過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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名無しのパー速民
[sage saga]
2018/08/14(火) 20:59:29.16 ID:wMen6OU80
>>245
【――でも、と、きっと少女は小さな声を漏らした。悲痛に震える小さな声。であればそれは発表会の檀上にて縮こまってしまう、恥ずかしがりの様相】
【いっとうきれいなお洋服を着せてもらって。髪型もきちんと整えて。お気に入りのカチューシャ、レースのついた白い靴下に爪先のまあるいお靴、楽譜を握りしめ】
【ぎゅうと唇を噛んでしまうのだろう。だからきっと本当に小さな子供みたいな顔をしていた。忘れていた。自らその記憶を忘れることを選んでしまった】
【ましてやそれを忘れたまま、彼女は"だれか"と約束を交わしてしまった。――あるいはそれが一番苦しいのかもしれなかった、自分を責めたてるのならば】
【それこそ涙を落とす瞬間のように瞼を閉じる、そうやって思い返したなら、ひどく、ひどく、――ああでも、どうしようもない気持ちが溢れて】
【死にざままでもを知ってしまった。その瞬間を知ってしまった。あんなにも素晴らしかった人達は居なくなってしまった、そうして、自分はここに居る】
【もはや彼が単なる人間ともきっと思ってなかった。だから自分しかいないと分かってしまっているのかもしれなかった。――やがて漏れ出た涙が、頬を伝い落ちたなら】
私、は……、私は……。……。
【そんなはずない胸元の布地をけれどひどく息苦しいかのように引っ張った、というよりは、強く強く握りしめ】
【ひたひたと静かに涙つぶを落としながら小さく頷くのだろう、あの日に起こったすべてを知ってしまった、自分が、無様にも助けられている間の出来事】
【なにもしらずにあのまま死ねたらよかったと思わずにはいられなかった。自分が眠っている間にみんな死んでしまった、そうして、なにもかもが歪んでしまった】
【せめてその場ですべてを尽くせていたなら、まだ納得も出来たのだろう。けれどそれさえもできなかったなら。それすら叶えることが出来なかったなら、】
【――ゆえに生き残ってしまった。だからその分を努めなければならないはずだった。だのに、――だのに、どうしようもない狭間に落ち込んでしまったみたいに、呻く】
――――――、……どうしたらあの時の気持ちを思いだせるのでしょう、……私、は、――分からなくなって、しまって、
ウヌクアルハイ様を……それなのに……。……。――、――。……………………。
【鮮やかな瞳から落ちる涙はそれでも透明な色合い、流れて落ちるたびに真っ白のシーツにはたりはたりと小さな音で、水玉模様を描きだし】
【紡ぐのはきっと限りない弱音であった。彼女が言ってはいけない言葉のはずだった。信じている気持ちはあるけれど、見渡せば見渡すほどに、何も見えなくなって】
【ただ一つのものを見据えていればよかったなら、良かった。だけれど今も"そう"であるはずだった、すべきことがあって、引き継いだ悲願があって、だのに】
【――見失ってしまったと言って、泣きじゃくる。発表会の舞台で泣きだしてしまった女の子よりも無様だった、だって、綺麗な衣装も髪飾りもお靴もなんにもない】
【なにより自分自身が自分自身を一番否定しているに違いなくて。そうすればそうするほどどうしたらいいのか分からなくなる、頭が真っ白になるみたい】
【スポットライトの舞台。真っ暗な客席。静かであればあるほど。――――膝を身体に引き寄せたならいっそう背中を丸めてしまう、震える吐息にびくびく跳ねさせて】
ウヌクアルハイ様……どうして……。
【だからきっと祈るだけじゃ足りなかった。閉じた瞼と組んだ指の隙間に別の事象が紛れ込んでしまうのに違いなかった、あんまりに、現世に親しみすぎたなら】
【あるいは思わすのかもしれなかった。あの日離別した女性の存在。ひどく親しいのだと思わせた。そうでなければ、あれほどの言葉を投げかけられるはずがなかった】
【――――――そうしてあの女性こそが、いつか蛇念にて言っていた人物なのだろう。彼女もまたあの彼女を、ひどく慕っているんだって】
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