過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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239:文月 ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/08/14(火) 16:41:58.16 ID:1hAuTw8Go
>>238

【それを不快になんて思わない、心地よい微睡みに身を任せたら、きっと何処までも落ちていける】
【水際の作用、深く潜る息を止めて。長ければ長いほど、その後に見える景色は】
【水面から見る世界はきらきらと輝くから、白波の風情を一杯に浴びて】
以下略



240:名無しのパー速民[sage saga]
2018/08/14(火) 17:38:42.42 ID:GIOxFe6U0
【それはどこかに位置するホテルだった、いくらか前より寝床としている一室にて】
【空調は快適よりも少しだけ冷たい温度設定で、そしてきっとそれのみが彼女の意思だった。それほどまでに】
【――それほどまでに、あの日からの彼女は憔悴した様子で。であればここ数日は余計に――そうなのだろう。ベッドから出ることさえ減ったなら】
【食事を摂りたがらないことも多かったし、食べたとしてももしかしたら時々吐いていた。眠りさえ浅くなって、ようやく眠れたかと思えば、また覚醒するのを繰り返す】

以下略



241: ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/08/14(火) 17:47:39.25 ID:1hAuTw8Go
>>240

【──── あの日以来、彼は姿を現さない。舞台の上では役者は常に演じなければならないから】
【舞台を降りるその一瞬まで、纏う仮面を外してはならず、脚本以外の話を紡ぐ必要も無く】
【緩やかなる心のエチュード、即興で叩く音階は何処へ、半音だけのフラットが叫ぶ】
以下略



242:白桜 ◆zqsKQfmTy2[sage saga]
2018/08/14(火) 18:13:11.56 ID:bAgKGMrOO
>>239

【ぐいぐいと引っ張られる身体。背中を後押しする頼もしい言葉】
【未知にすくんだ身体の強張りは何時しか何処かへ消えて】
【けれど同時にフラッシュバックしたのは寂しげな横顔】
以下略



243:名無しのパー速民[sage saga]
2018/08/14(火) 18:18:05.22 ID:GIOxFe6U0
>>241

【――枕元には唯一の私物があった。ホテルに備え付けのタオルにくるまれていた。大事なものだから、誰にも見つからないように、隠すみたいに】
【ならばめいっぱいにムリフェンであろうとしたのかもしれなかった。だのに彼はずうっと居てはくれなくて、だけれど、この場から出ていくことも出来ず】
【ずるずるに剥けた心を押して帰ろうとも誰も居ない場所で一人で眠っていた、だからきっとよりいっそう冥い冥い、淀んだ目をして】
以下略



244:文月 ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/08/14(火) 18:21:24.40 ID:1hAuTw8Go
>>242

【文月の手際は非常に良い、スーパーの位置を把握しているのか、淀みなく動いて】
【歩く姿は水仙の輪郭に近い、良い姿勢で運ぶ脚裁きは、流石の剣客と言ったところか】
【ちらちらと白桜の表情を見ている。変わる彩りが美しく思えて】
以下略



245: ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/08/14(火) 18:31:32.34 ID:1hAuTw8Go
>>243

【紡がれる言葉の一音一音をはっきりと捉える、我が子の初めての発表会に近い】
【拙い響きも、ミスタッチも、そのどれもが愛おしく思える作用なのだろうか】
【一呼吸を置いて、その言葉を辿っていく、何があったのかを探って】
以下略



246:名無しのパー速民[sage saga]
2018/08/14(火) 20:59:29.16 ID:wMen6OU80
>>245

【――でも、と、きっと少女は小さな声を漏らした。悲痛に震える小さな声。であればそれは発表会の檀上にて縮こまってしまう、恥ずかしがりの様相】
【いっとうきれいなお洋服を着せてもらって。髪型もきちんと整えて。お気に入りのカチューシャ、レースのついた白い靴下に爪先のまあるいお靴、楽譜を握りしめ】
【ぎゅうと唇を噛んでしまうのだろう。だからきっと本当に小さな子供みたいな顔をしていた。忘れていた。自らその記憶を忘れることを選んでしまった】
以下略



247: ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/08/14(火) 21:13:11.74 ID:1hAuTw8Go
>>246

【──── 言葉を暫し逡巡する。彼にとって珍しい瞬間であった】
【幾つもの浚渫に彼は言葉を結ぶ。逆説的に言えば、それ程までに言葉選びを迷った事を示す】
【窓の外へと視線を向けた。宵闇が空を覆い尽くすかの如く】
以下略



248:名無しのパー速民[sage saga]
2018/08/14(火) 21:40:37.22 ID:wMen6OU80
>>247

【かすかな沈黙に、きっと彼女の嗚咽だけが響くのだろう。肩を震わして小さな吐息を漏らす。めいっぱいに抑え込もうとすればするほど、声まで跳ね上がって】
【色鮮やかな蛇が刻まれた左手に縋りつくかのように指先を這わせた、まるでその場所だけは自分自身ではないかのように、そこのみが正しいものであるかのように】
【そしてきっとその通りなんだろう。どこまでも鮮烈に蛇を信じていた自分が正しいんだから、――その証明である左腕だけが彼女にとって最後の縁であるに違いなく】
以下略



249: ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/08/14(火) 21:50:12.13 ID:1hAuTw8Go
>>248

【──── 彼の心境は伺えない。けれども、同情を強請るのであれば、それは間違いで】
【だとすれば、荷造りの後に見つかる荷物にも近いのだろうか、そう形容するのはあまりにも残酷だが】
【けれども何処か、正しいようにも思えた────】
以下略



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