過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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名無しのパー速民
[sage saga]
2018/08/13(月) 19:31:38.74 ID:LsEiO33F0
>>222
【自分の用事――尋ねられたなら幼子はそのあどけない顔をめいっぱいに真面目な色に浸すのだろう、フレンチトーストよりしみしみにして】
【その癖に言葉が出て来るまでにはいくらかの時間を要するに違いなかった。――幼子には難しいことなのかもしれなかった、或いは事情が複雑すぎて】
【だれかれ構わず言いふらせることでもない出来事まで絡むなら、余計に。ゆえに、幼子はしばらく悩むみたいに沈黙するんだろう、おそらくは三十秒くらい、――】
あのね、あのね! カエデをね、いっぱいね、悲しませたイルとね、鈴音お姉ちゃんをね、虐めたね、イルはね、別だって…………。
【――そうしてやっと出て来る言葉は、きっと、よく分からないものだった。あまり言えない事実を口にせず、細やかなことまで説明するには言葉が足らず、けれど、】
【誰かの名前を三つ並べて。――複雑さの端っこくらいは感じ取れるのかもしれなかった、誰かと誰かが別なのを証明する気なのかもしれなくて、だから】
【どうしたらいいのか分からないって言ったのかもしれなかった。――その時は勢いもあってカっとしていたから癒えたことでも、後から考えるのならば】
【どーしようって少し悩んでしまう。どうしたらいいのか分からないから、一瞬、どうしようって聞くみたいな目が相手へ向くのかもしれなくて】
ネムお兄ちゃんのことね、知ってるよ! あのね、屋上でね、日向ぼっこしてた! 私もね、あのね、日向ぼっこね、よーくね、するの!
お昼の国でね、会ったの! 私ね、お日様ってね、大好きなんだ。でもね、お母さんがね、ヒキコモリだからね、お引越しはね、しないって――。
【――――ぱぁと華やぐ表情。はにかむ笑顔を見たら幼子もまた嬉しそうにするんだろう。彼と会った時のこと、もう少しだけ、お話する】
【屋上で日向ぼっこしていただなんてちょっとだけ違う気もするんだけど幼子はきっとそうやって判断しているに違いなかった。だから――自分もするんだ、と】
【お引越しがしたいと思うくらいに太陽が好きなんだとも伝えて――たしかにひまわりみたいに笑う子だった、真夏の気温がいっとうよく似あうような、女の子】
んん……難しいお話ね、するのかなっ? 私ね、オメラスってところね、知らないけど! あのね、あのね、気を付ける!
オメラスってね、どういうとこだろ? ――そこに行ったらね、そういうね、怖いヒトがたくさんね、居るのかな?
【「そしたらヤだね!」】
【どこか冗談めかすような声。――だけれど相手の表情や口ぶりから、何となくではあるけれど、その誰かの怖さというものは伝わってきたらしい】
【とかくよく分からない話をする人。話しはできるけれど決して会話にはならない人。どこかに行こうって誘って。ヤダって言っても駄目で。――なるほど、怖い】
【だけれどそれはいわゆる恐怖というよりは日常に潜み女子供にのみ姿を見せる恐ろしさみたいなものと判断したフシはあった、男には決して見えない妖怪みたいなものだと】
【――幼子とて全く知らないわけではなかった、路地裏に潜り込むなら、怖いものはいくつも見て来た、別にそんなの、怖くはないんだけど】
あのね、それね、ばちばちってしておいしいでしょ! 元気出た?
【――――背中をびくーんっとさせる相手を見たなら、幼子はいたずらっぽく笑うんだろう。どう?って尋ねる。どうも何も、とかく"すごい"やつだった】
/ごめんなさい、ちょっと食事で離席します!
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