過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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名無しのパー速民
[sage saga]
2018/08/09(木) 19:37:02.14 ID:xSkVyWoQ0
>>20
……学校行って、お勉強をしたの。お弁当を食べて。全然わからなかったけど。クレープを食べて……。
【背中を優しく擦る手の仕草を繰り返す、そうして紡ぐのはそれこそ本当に普通だった、こんな世界であっても、どこかにはありふれている日常】
【能力者なんて関係ない世界もどこかにはあった、黒幕も円卓も、況や虚神など関係あるはずもない、場所が。悩みなんて抜き打ちの持ち物検査くらいの世界が】
【それからテレビを見て流れて来るニュースにコワイコワイって唱えるだけの世界が。――サーペント・カルトの一件は"うまく"やったんだろう、だから、】
【彼女が普通をやりたいと思った時にいくらでも普通を見繕うことが出来た。彼女たちはテレビをきっかけに学校で話していたりしたもんだから、感染していたのなら】
【――文句は言わなくって大丈夫だよ。そうやって囁くんだろう、】
白神鈴音(わたし)は最初から、生まれたときから、神様だった。……。わたしが、知らなかっただけ。気づかなかった、だけなんだ。
人間だったのはわたしじゃなかった。……。だから夕月ちゃんは頑張ってくれたけど。ごめんね。ごめんなさい。叶えてあげられないんだ。
……うん、怒ってる。夕月ちゃんにじゃないよ。ヤサカさんにでもないよ。わたしは言ったもの。間違いだったなら赦さないって。
【それは――けれど、きっと、どうしようもなかった。だから彼女もまた悲し気な目をするしかなかった、それは、ずっと、知らなかった】
【知らなかったがゆえにありえない奇跡を願い続けてしまった。ゆえにこそ夕月はここまで疲れてしまったんだろうか。だから――伏せた視線、長い睫毛がかすかに震えて】
【叶えてあげられない――だけれど、怒っているのは、彼女に対してではない。彼女の兄に対してでもない。それは、それだけは、きちんと伝えるから】
わたしたちの世界、……てね、聞いたの。――ええと、わたしは、夕月ちゃんを、探してて、だけど、身体が、ないから――、それで、
…………どうしたの? 痛いの? ――。……大丈夫だよ、だいじょぶ……。……。
【真っ赤な髪の毛がぐしゃぐしゃと散らされる。少女はきっと困った顔をするんだろう、それで、そうっと、その両手を捕まえようとする】
【そんなふうなことはしないでほしいとお願いするみたいに。それで自分に身体を預けさせようとする、足が痛いって泣くのなら、その足だってさすってあげたくて】
【心配したなら遊びもおしゃべりも気にならなくなってしまうみたいだった。だから表情をめいっぱいに不安そうにして、頭とか、背中とか、足とか、かわるがわる撫ぜようとする】
【いつかイルに聞いた言葉をひどく簡素になぞる。身体がないがゆえに現世に存在していた夕月に触れるには方策が必要だった、そうしたら、】
【ここまで引きずり込んでしまったんだって。多分言い訳だった。ここまでくるとは思ってなかったらしかった。――大丈夫というしかない自分が寂しかった、神様なのに】
【目の前で痛がっている子すら泣き止ませられないのなら。――だから何度も何度も大丈夫って囁くんだろう、"どうなった"のか、知らなかったから】
【向けられ続ける恐怖に辟易することはあっても少女自身はこの場所で苦痛を覚えたことがなかったから。――だからどうしたらいいのか、きっと、彼女にも分からない】
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