過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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12:名無しのパー速民[sage saga]
2018/08/09(木) 17:10:10.80 ID:xSkVyWoQ0
>>10

【――――ちりん、と、鈴の音がした】
【それは誰かの声とよく似た音。そしてまた、彼女が長らく身に着けていた鈴と同じ音。だけれど、その音がするはずはなかった】
【だって相手はそれを見に付けていなかった。そしてまたこの場所にあの少女はいないはずだった。だのに。だのに――ちりん、ちりん、と、聞こえて来る】

【ちりん、と、また、鳴いて。それと同時に、きっと、世界はすり替わるから】

【――壱と零の隙間に満ち満ちるような世界観、だけれど、きっと相手は真っ先に感じるはずだった。"だれかがあなたの頭を撫ぜていること"】
【姿勢そのものはさっきまでと同じであるはずだった。床に転がるような。けれど感覚はどうしたって床と違うのだろう。茫漠とした感覚のみがあり】
【そのくせその傍らに誰かが座りこんで、よしよし、と、幼子を寝かしつけるような掌で以って、撫でている。あるいは歌声すら聞こえるのかもしれない、なら】

【――――――――それが鈴の音の声だと、きっとすぐに分かるんだろう】
【だから子守唄を歌っているのかもしれなかった。けれど世界中のどの言語にも属さぬ音が紡がれていた。しかし限りなく母がするように、優しいから】

あ――――、……夕月ちゃん、起きた? えと……、だいじょうぶ?

【――そうして話しかけてくる声も、また、鈴の音色をしていた。ふわと吐息交じりの声。懐かしく思うのだろうか。蛇の胎内では喧嘩みたいになってしまったんだから】
【倒れこむ夕月の傍らにぺたんと座り込んでいる、片っ方の手を地面について、もう片方の手で繰り返し相手を撫でている。もしも見上げるのなら、"やはり"】
【透き通るほどに真っ白な肌に色違いの瞳。真っ黒の髪――は今は不思議なオパール然とした艶めきを湛えて、くしゃくしゃした桜色のワンピース、曖昧なシルエット】
【キラキラと焼けただれた心みたいな赤色で冠のように戴くのは何なのだろう。はっきりとはさせないけれど。――確かなのは、それが、彼女であることだろう】

【――それから桜の花が散るような刺繍が施されたうすぺらいヴェール。おそらく少女の――私物なのかとかは分からないけど――が、相手の身体にかけられていて】
【相手が現状に気づくのなら、撫ぜていた手を戻して、それで、お姉さん座り。足の間に両腕をついて。――そうと身体を傾けて、尋ねるのだろう】

/よろしくおねがいします!たださっそくで申し訳ないのですが、ちょっとご飯食べて来るので次遅れます……


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