過去ログ - ここだけ男子高校ただしPCは男装少女PART46
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509: ◆RYO/n8uupE[sage]
2018/07/27(金) 01:41:00.04 ID:KjxlhGfTo
>>508

「助かる」
鈴に礼を言って、コートを叩いていたところにカサギの疑問が投げかけられる。
口論の火種が落とされた頃、お茶を受け取ってもらえたビィは控えめに、しかし嬉しそうにはにかみながら鈴の元を去って行く。
幾度となく繰り返された二人のやりとりの経験が、カサギのお茶を渋くし、足を踏み出させるに至った。
「うおっ!?」
「お嬢さん、調査の予定だろう、今日は」
光宗との些細な争いに夢中になる余り、巨体が目の前に迫るまで気づかなかったレラは怯んだまま首根っこを掴まれ目線の高さまで摘まみ上げられる。
彼女にしては珍しく、重力に手足をつりさげたままで抵抗の素振りを見せないと思えば、そのままビィを見下ろした。
「それはできない。ビィを送り届けてやらないとな」
「ぅ? 」
と一言。すぐにレラの念押しが届き。
「ビィ、レラと帰る」
ここで頷きが返った。

「カサギ」
正面の余裕な表情を浮かべるレラに眉を潜ませていたカサギが、横からの声に振り向く。
さっきまでの怒りはどこへやら、晴れやかな顔をした光宗を前に、逆にカサギの表情が曇っていく。
「僕達だけで調査に行こう」
「しかし、このあたりの地理がだな……」
「手短に、触りだけだ」
「……了解」
椅子についた鈴の頭上から、観念したかのような深いため息が聞こえたと思えば、正面にレラが降りてきた。
よく見れば、ビィと反対側のレラの隣にはゼオラが座っていた。どうやら、最初から居たらしい。
相変わらず、黒染めのゴシック・ロリータ・ドレスに身を包んでいるが汗一つかいていない。
紙皿に乗った小包装のお菓子を黙々と口に運んでいたゼオラに、ビィが興味を持ったのか回り込んできた。
「おかし、たべる?」
歳が近く見える、だけでなく顔立ちの似た二人。
小包装の一つをゼオラの顔面にちらつかせるが、興味は引けず無言が返るばかりで。
終いには食べ終わる前から次に手をかけ、口をいっぱいにして答えることができないとアピールしてみせた。


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