過去ログ - ここだけ男子高校ただしPCは男装少女PART46
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470:柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE[sage]
2018/03/19(月) 00:21:51.15 ID:WymNnoxko
>>466

見詰めていた。
口は硬く閉ざされ、何一つ語ろうとしない。
しかし、交わし合う真紅の瞳は怜の表情を見つめ、笑っていた。
燃えるような真紅は愉快だと語っていたが、奥底―――その瞳の本質は、冷たく、表層を貫くような鋭さで。
怜が縛り付けられていることを知っていて、尚、見つめあっているのだとも露わにする。
それでいて、何も語らない。興味はやはり、怜自身が『どう』ありたいかを――――


>>467

――――おっと」
たった一色の真紅でしかないのに、無限の色を持つかのように語っていた目が逸れていく。
腕を掴まれて、その持ち主の方に向かう頃には、柔和よりかは少し控えめな笑みが浮かんだ普段通りの表情を見せていて。
返事をするよりも早く、文字通り綾の手によって引き剥がされた鈴を見る眼は微笑ましさあふれるものに変わった。

ぐぐぐぐぐ。
アルビノの方へ向かっていた鈴の頬を引っ張り連れ戻す。
無理矢理元の席に戻すところまですれば、やっと手が離れていった。
「はい。あーん」
代わりに、逆の手がアイスの乗ったスプーンを差し出してくる。
無感情が常の綾の、さらにぶっきら棒な言葉。その目は嫉妬に溢れていた……。


「さ、て。ゼオラ、食べ終わったかい?」
「ん……」
少しずつ手を進めていた黒衣の少女に気を配り、食べ終えたのを見てから声を掛けた。
無感情そうな、返事以下の吐息にも感じられる呟きにも満足そうな笑みを見せて、頭を撫でてやる。
二人して立ち上がり、後にしようとしたところで、背中から視線が刺さるのを感じた。
「あぁ……・これ、食べるかい?」
「は、はい!」
その正体はアルビノの残りのアイスを気に掛ける彗華であり。
半分ほど残ったお皿を差し出すと大切そうに両手で受け取ってから言葉を返す。
「初めに言った気がするけど、今日は顔合わせ程度だから。
 怜くん、明日からよろしく頼むよ。鈴、ごちそうさま。食べ上げられなかったのは惜しいけど、これでも僕は忙しくてね」
ぱくーーーーー。
去っていく二人をよそに、今度は大口でアイスを頬張る彗華の表情はこれほどまでに無く晴れやかだった。


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