過去ログ - バイト先の女と仲良くなりたい
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362:遊戯 ◆TepVeed8cc
2016/02/15(月) 10:26:10.20 ID:5gyzkTX0O
別れ話
いつものように会う約束をしていた
私は何も考えずに王子の家に向かった
王子の好きな店のケーキを手土産に今日はどんな楽しい日になるだろう、みたいな
甘い儚い事を想像していた
いつものように王子の家のインターホンを2回連続で素早く押す
出てきた王子は笑顔でうるさいと笑いながら言い私の頭を撫でる
その時は気が付かなかったがなんだか悲しそうな笑顔だったかもしれない
そういう顔に気がつけなかったのを本当に後悔しているし
もっと早く気がついていたらこんな結果にはならなかったかもしれない
王子の部屋に上がり勝手を知りつくした、大好きな部屋でくつろぐ
ベッドに腰掛けて新しく買ったであろう雑誌を手にとろうとすると押し倒された
今日は早いな、と思っていると何もして来ず、ただ私にすがり付くようにして肩を震わせていた
顔は見えなかったが明らかに泣いていた、どうしてだろう?私には思い当たる節が皆無だった
頭に手を起き強く抱き寄せる
王子が私の前で泣くなんて余程何か大きな事があったのだろう
私は王子が話す気になるまでしばらくそのままの体制でいた

「別れよう」
しばらくしてようやく口を開いた王子から発せられた言葉は甘い想像を引き裂く重たいものだった
自意識過剰かもしれないが王子は私の事がとても好きだろうし私も王子が好きだった
「どうして?」
思考が上手く纏まらない私が喉を震わせ伝えられたのはただ4文字
重たい沈黙
ケーキ、せっかく買ってきたのになとかよく分からない事を考えてしまうぐらいには現実逃避をしていた
王子の肩は変わらず震え、息は荒くなっていた
少しずつ、でも熱く王子は話し始めた

いつも自由にしている私が好きだと
いろんな人と仲良く、蝶のように飛び回る私が好きだったと
それに嫉妬して縛り付けてしまう自分が嫌だと
王子はそう告げた
私から離れて力なく微笑む王子
私も微笑んではいなかったがきっと同じような顔をしていただろう
王子は私の頭をいつものように撫で、自分の好きな君でいてくれ、と言った
私が蝶だとしたら、王子がいないと上手く飛べないのに
離れることで私の羽がボロボロに引き裂かれてしまうのに気がついて
そう思った


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