過去ログ - 【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】
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364:さや ◆0j8YIq7DEniB[sage]
2015/06/15(月) 00:43:46.57 ID:XRWaCHFco


「…さやはすごいな」

少しの間が合った後に返ってくる。
落ち着いた声音でつぶやかれたその言葉は、先ほどの賛辞の言葉とはまるで違って聞こえた。
さながら懺悔のように。

「え…そんなことないよ」

その雰囲気に、私は思わず否定の言葉を返す。
頭に置かれた手は、いつの間にか降ろされていた。

「ううん。すごいよ」
「……」

言葉の上では褒められていても、嬉しい気持ちにはなれない。
代わりに心がざわついて、どう答えていいのかがわからなかった。

じっと彼を見つめても、こちらと目が合わない。
俯いたまま、彼は続きの言葉をこぼした。

「…俺はだめだな」

彼の表情は、悲痛というよりどこか諦観しているようだった。

突然のことに頭がついていかない。
どうしてそんな顔をするの。

そんな顔を向けられると、どうしようもなく寂しくなる。


「な、なんで…だめじゃないよ…?」


私の言葉に、彼は目を瞑ってゆっくりかぶりを振る。
添えた手はそっと降ろされてしまった。

幾らか間が合った後、彼は口を開く。


「………さやといると、自分がだめなやつに思えてくるんだよ」



その言葉は、胸の奥に溜まったものすべてが吐き出されたかのように、ゆっくりと重々しく告げられたのだった。




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